安価で決める自由なスポ根
1 : お姉ちゃん   2023/07/04 08:19:30 ID:6VsVIHkGTs
前作
https://umabbs.com/patio.cgi?read=2378&ukey=0&cat=sc

・安価によって行き当たりばったりのストーリーを展開していきます
・必ずしも史実通りの成績にはなりません
・安価による指定さえあれば翌日中には更新します

主人公の性別は>>4(ヒト男性・ヒト女性・ウマ娘のいずれか)
2 : アナタ   2023/07/04 09:03:42 ID:YP8HWQP1R2
スポ根、どうしようかなぁ
3 : 貴方   2023/07/04 13:44:53 ID:Ogbz/EqJRE
ヒト女性
4 : トレぴ   2023/07/04 13:48:17 ID:Q9G02yBs7E
ヒト男
5 : お姉ちゃん   2023/07/04 14:34:13 ID:6VsVIHkGTs
漠然とスポ根と書きましたが、競技としてはトゥインクルシリーズでのレースとなります
とは言え、他のスポーツをやる時もあるかもしれません
6 : お姉ちゃん   2023/07/04 14:34:47 ID:6VsVIHkGTs
「選抜レース、良いウマ娘が見つかると良いな」
一人前のトレーナーになって初めてのスカウト。
これから共に歩むウマ娘、しっかり見極め、導いてあげたいと思う。
「そろそろレースが始まる」
運命のパートナーはこのレースで見つかるのか。
「今、一斉にスタートしました!」

一着になったウマ娘は>>8(オリジナル不可)
7 : トレーナー君   2023/07/04 16:11:00 ID:7A80/EWTsQ
ロングキャラバン
8 : 相棒   2023/07/04 19:57:26 ID:JXMfrW5yXk
タウンハングアウト
9 : トレーナーさん   2023/07/04 20:42:38 ID:6VsVIHkGTs
「7番抜け出した!7番僅かに抜け出した!後ろから5番が迫っているが、7番がそのままゴール!一着は7番!タウンハングアウト!」
外枠から、垂れてきた集団を躱し差し切ったウマ娘。
接戦ではあったが、見事にレースをものにした。
「うん、結構良さそうだ」
何とかスカウトしたいがライバルトレーナーは多い。
「キミ!うちのチームに入らないか!」
「オレのチームはアットホームでトレーニングしやすいぞ!」
「私と一緒に頑張りましょう!」
「やばい、出遅れた!?」
スカウトもある意味レース。
出遅れは致命的だ。

実際にスカウト成功したのは何着になったウマ娘か>>10(1着〜8着)
10 : けーえすてん   2023/07/04 20:49:32 ID:Oh1bK1E9HE
八着、走りに何故か惹かれるものがあったから
11 : トレーナーさん   2023/07/05 07:43:15 ID:O5R7xUUFhE
「ありがとうございます!これからよろしくお願いします!」
タウンハングアウトはもう所属するチームを決めたようだ。
「仕方ない。言い方は悪いが第二希望の娘に・・・」
レース展開を思い出し、タウンハングアウト以外に良かったウマ娘を探してみる。
「・・・よく考えたら、あの娘は」
展開に恵まれなかったが、途中までは良かった。
何より生き生きと走れていた。
「でも、最下位か」
いくら途中が良くても、結果は最下位。
流石にスカウトは無いだろう。
「あんな所に」
そのウマ娘は少し離れた所にいた。
「落ち込んでるのかな」

8着になったウマ娘は>>13(オリジナル・モブ不可)
12 : お前   2023/07/05 14:51:28 ID:uY33w6ApvY
メイショウドトウ
13 : たわけ   2023/07/05 17:19:46 ID:saRRfS5rP2
ノボリウイング
14 : トレ公   2023/07/05 17:43:07 ID:FtdDSSfgT2
>>13
オリジナルは不可なので無効
改めて8着になったウマ娘は>>15

書き方が紛らわしくて申し訳ないです
正確には(オリジナル及びモブ不可)です
つまり育成やサポカで登場するウマ娘という事になります
15 : 使い魔   2023/07/05 17:51:01 ID:YLpLTbKYhM
ダイイチルビー
16 : アンタ   2023/07/05 19:51:20 ID:O5R7xUUFhE
「お疲れ様」
俯くそのウマ娘に声を掛ける。
「良い走りだったよ」
「・・・お慰めありがとうございます。ですが、私は一族の名を汚す走りをしました」
「そんな事無い。展開には恵まれなかったけど、きちんと力はあるって分かったよ」
そのウマ娘はくるくると巻いた黒髪と、大きな赤いリボンが特徴的だ。
身体は小さいものの、それを感じさせない気迫や威厳を感じる。
「ですが、レースは結果が全て。事実、誰もスカウトにはいらっしゃいませんでした」
「俺が来たじゃないか」
その時、初めて目が合った。
すぐに視線を外されてしまったが。
「・・・貴方は、無様な走りをした私をスカウトしようとしているのですか?」
「無様じゃなかった。きっと磨けば光る。宝石のように」
お世辞ではない、率直な感想だ。
「・・・検討させていただいてもよろしいでしょうか。明日にはお返事いたしますので」
「いくらでも待つよ。俺より良いと思ったトレーナーがいればそっちに行っても良い」
そう言えば、まだ聞いていなかった。
「あ、俺は・・・あった。こういう者だ」
名刺を渡す。
そして。
「君の名前を聞いても良いか?」
そのウマ娘はこう名乗った。
「・・・ダイイチルビーと申します」

ダイイチルビーが返事をしに来た時間は>>17(0:00から23:59の間)
17 : 貴様   2023/07/05 22:14:35 ID:uY33w6ApvY
18:00
18 : アネゴ   2023/07/06 09:08:47 ID:MA6PtxRaEM
「はぁ、はぁ、はぁ」
華麗なる一族のウマ娘として、昨日のレースのような無様な走りはもう出来ない。
・・・あのトレーナーは、そんな事無いと言っていたが。
「・・・誰かに縋りつくなど、あってはなりません」
自力で栄誉を勝ち取るためには、誰よりも研鑽を積まなければならない。
ただでさえ、出遅れてしまっていると言うのに。
「ルビー、そろそろ終わりにしない?もうすぐ18時だよ」
同室のウマ娘、ケイエスミラクルが呼びかける。
身体が弱い彼女は満足にトレーニング出来ないが、よくこうしてルビーのトレーニングの様子を見に来ている。
「まだ本日分のノルマが残っていますので。午後9時までには戻ります」
「そっか・・・ちゃんとご飯は食べてね」
心配そうにしているミラクルだったが、あまり深入りせずに帰っていった。
ルビーは再び走り始める。
走りながら考えてしまった。
もしもあのトレーナーならこのトレーニングを止めていたのだろうか、と。
「どうして、こんな事を」
自分でもオーバートレーニングだと分かっているのかもしれない。
そしてそれを止めてほしいと思ってしまっているのかもしれない。
ルビーの脚はトレーニングコースを飛び出した。
「・・・トレーナーさん」
トレーナー寮を訪ねる。
「ダイイチルビー」
ルビーは息を整えながら言う。
「昨日のお返事をさせていただきたく存じます」
トレーナーはルビーの言葉を静かに聞いた。
「私のトレーナーになっていただけませんか」
「ああ!もちろん!」
トレーナーは即答した。
ルビーがどのように考え、どのような結論を出したかなんて関係無い。
選んでくれた、決めてくれた。
それさえ分かれば良い。
「これからよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしく!」
ルビーの小さな手を思わず強く握ってしまった。

食堂で二人が食べた料理は>>20(同じ料理)
19 : トレーナー   2023/07/06 16:45:28 ID:Hnr4/cwXz2
ざるそば
20 : トレーナーさん   2023/07/06 18:22:57 ID:o64lqIs8eo
舌平目のムニエル
21 : トレ公   2023/07/06 20:57:13 ID:MA6PtxRaEM
「そうだ、まだ夕飯食べてないだろ?一緒に食べないか?」
「生徒寮にトレーナーは立ち入り禁止となっているので夕食はご一緒出来ないと思うのですが」
「それがな、食堂で食べられるんだ。今後のイベント用の料理の試食を頼まれていたんだけど、一人くらい増えたって大丈夫だろ」
ここまで説明して、ルビーの都合を考えていなかった事に遅れて気付いた。
「あ、もちろん寮で友達と食べたいだろうから無理にとは言わないんだけど」
ルビーは特に悩む様子も無く答えた。
「では、トレーナーさんと食堂でいただく事に致します。寮長ならきっとお許し下さるでしょう」
「おお、そうか!」
「では、着替えを済ませた後食堂へ参りますので、申し訳ありませんがトレーナーさんは食堂でお待ち下さい」
「分かった!それじゃ!」

「舌平目のムニエルよ」
「思ってたよりも高級感!」
食堂だからもっと庶民的な料理が出てくると思っていたのだが、想像を超えてきた。
いや、想定されているイベントは結構フォーマルなのかもしれない。
「ルビーはこういう料理よく食べるのか?」
華麗なる一族、と言っていた気がするので、見た目通り良い家柄の生まれなのだろう。
「はい、幼少期から一族に相応しい味覚を得られるように、様々な料理をいただいてきております。舌平目も慣れ親しんでいる食材の一つです」
カレイやらヒラメやら考えている内に完食してしまった。
「美味かったな」
「はい」
ルビーとの会話は多くなかったが、距離は縮まった気がした。


ダイイチルビーのデビュー戦は>>23(何週間後か)
22 : お姉ちゃん   2023/07/06 22:21:18 ID:.ViwkDfnOA
14週間後
23 : トレーナーさん   2023/07/08 10:09:25 ID:da3s4rYPuE
16週後
24 : お姉さま   2023/07/08 16:03:03 ID:ZDwsMH7bO6
「ルビー。デビューする日が決まったぞ」
今日からダイイチルビーとの本格的なトレーニングが始まる。
力は必ず秘めている。
疑う事無くデビュー戦の日程まで決めた。
「本格化に馴染む時期を考えて、16週間後にした。しっかりトレーニングして良いデビュー戦にしよう」
本格化、ウマ娘の身体能力が大きく成長し、高いパフォーマンスを発揮出来るようになった状態。
一般的には、本格化を迎えるとデビューとなる。
ルビーの本格化は始まっており、成長した能力に慣れるために、デビュー戦までに十分な時間を取る事にした。
「はい。必ずや勝利を収めてみせます」
まずは現状を知っておく必要がある。
「準備運動が終わったら、1600m走ってみよう」
先日の選抜レースは2000m。
ただでさえデビュー前のウマ娘には長い距離だが、そもそもルビーには合っていないように感じた。
もしかすると、ルビーには短い距離の方が合っているのかもしれない。
「承知しました」
ルビーは位置につくと、好スタートを切った。
「うん、綺麗なフォームだ」
デビュー前とは思えないほど、フォームは整っている。
さらに、最終直線で一気に伸びた。
「良いタイムだ。これならきっとデビュー戦でも勝てる!」
前走はたまたま力が発揮出来なかった。
しかし、力はある。
後はトレーニングでそれを伸ばすだけだ。

ダイイチルビーと行うトレーニングは>>25(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか一種)
25 : モルモット君   2023/07/08 17:05:48 ID:J9WsB7eIjk
賢さ
26 : トレーナーさん   2023/07/08 22:19:15 ID:zc8yDSb6bQ
次の日、あいにく空は雨雲で覆われ、予定していたトレーニングは出来なくなった。
「今日いっぱい雨らしいから、座学にしよう」
ルビーは幼少期から様々な分野の英才教育を受けてきたと聞く。
恐らく頭も良いだろう。
「スタートしてすぐは前に出ず、後方の集団で脚を溜めるのが差しだ」
復習も兼ね、初歩的な部分から順番に説明していく。
「ここまでで分からないところはあるか?あれば遠慮無く質問してくれ」
「問題ありません」
ふと、ルビーが記入しているノートを見てみた。
「字、綺麗だな。それに、まとめ方も上手い」
字の上手さもレイアウトも、もはや教科書だ。
「ありがとうございます。一族の恥とならぬよう、日頃から心掛けていますので」
一瞬ルビーが顔を伏せた気がしたが、気のせいだったのかもしれない。

ダイイチルビーのデビュー戦での枠順は>>27(1~9番)
27 : トレーナー君   2023/07/08 22:22:17 ID:da3s4rYPuE
2番
28 : トレピッピ   2023/07/08 22:24:34 ID:7bWFa11EjM
4着
29 : モルモット君   2023/07/09 13:31:42 ID:ou6vSiIWaY
今日は記念すべきダイイチルビーのデビュー戦。
契約してから今日まで、様々なトレーニングをこなしてきた。
持ち味である末脚をさらに伸ばし、切れ味勝負では誰にも負けないくらいに仕上がっているだろう。
「ルビー、今回は2番、かなり内からのスタートになる。スパートの時にブロックされないようにレース中間くらいから外に出ていこう」
「承知しました。日頃の成果を出し切って参ります」
「ああ、頑張れ!」
ゲートに向かうルビーの背筋はピンと伸び、堂々として見える。
「あまり緊張してないみたいだな」
ゲートインが完了し、まもなくレースが始まる。
「今、スタートしました!」
バラついたスタートとなった。
しかし、ルビーは出遅れていない。
中団、全体の5番手につけた。
逃げるウマ娘は二人、その後ろから二人いて、ルビー、そして出遅れてしまった四人。
ペースはやや速い。
だがルビーもついていけている。
「よし、このまま・・・っ!」
最終コーナー前、ルビーは予定通りやや外に出た。
仕掛け始める準備は出来た。
「今だ!」
ルビーに聞こえるはずは無いのだが、集団から飛び出した。
一気に二人抜き去り、先頭争いを続けていた二人に並んだ。
「な、速いっ!?」
「んああああっ!?」
抜け出す事さえ出来れば、ルビーの末脚が全てを斬り捨てる。
見る者を萎縮させるほどの圧倒的な強さ。
ルビーならきっとその境地に辿り着けると確信した。
「一着は2番ダイイチルビー!5バ身差での圧勝!華麗なる末脚で勝利を勝ち取りました!」

次に行うダイイチルビーのトレーニングは>>30(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
30 : お姉ちゃん   2023/07/09 13:57:13 ID:E7fjzfxhaI
スタミナ
31 : マスター   2023/07/10 21:02:28 ID:Et8wT3UsfI
デビュー戦の翌日からトレーニングを行う事になった。
無事にデビューし、ルビーのやる気も上がっているのだろう。
「今日はプールトレーニングでスタミナを強化するぞ」
「分かりました」
短めの距離が得意なルビーだが、スタミナが不要という訳ではない。
むしろスタミナ面に余裕があれば安心してスピードを上げられる。
「平泳ぎで5往復、インターバルを挟んだらまた5往復だ。心肺機能を強化するためだからあまり休ませないが、大丈夫そうか?」
「問題ありません。昨日の疲れもほとんど残っていませんので十分こなせるでしょう」
頼もしい限りだ。
もちろん体調の変化には気を付けるが、限界をほんの少しだけ超えるトレーニングは成長に繋がる。
「よし!一度インターバルだ!1分間で息を整えるんだ!」
・・・よく考えたらルビーの髪は水に濡れても平気なのだろうか。
セットに時間がかかっていそうだし、そもそも水の抵抗も大きそうだ。
「どうかいたしましたか」
「あ、いや、何でもないよ。おっと、あと三秒だ」
再びルビーが泳ぎ出した。
「俺もトレーニングに集中しないとな」
指導者として、ウマ娘の見本となる振る舞いを心がけなければ。
改めて決意した。

ダイイチルビーの次走は>>32(ジュニア級9〜12月に出走出来る、芝の短距離またはマイルのレース)
32 : トレーナー君   2023/07/10 21:26:41 ID:3p4YVAlggw
京王杯ジュニアステークス
33 : トレーナーさま   2023/07/11 20:56:43 ID:90/v1tEIDk
「改めて、君の目標を聞いておきたい」
無駄な意見の衝突を減らすためにも、共通認識を持っておく必要がある。
「私は華麗なる一族のウマ娘である事は既にご存知だと思います」
普段あまり意識していないが、確かすごい良家の出身だ。
「私は一族の名に恥じない、燦然たる成績をレース史に刻まなければなりません。栄誉あるトリプルティアラを戴く事がその第一歩であると考えます」
トリプルティアラ。
GIレースである桜花賞、オークス、秋華賞の三レースを全て勝利した者に与えられる称号。
「つまり、クラシックではティアラ路線に進むという事か」
もちろん目標自体に問題は無い。
ルビーの調子も良い。
「ルビー、正直に言うと君に中距離レースは長すぎると思う」
残酷かもしれないが、トレーナーとして正直に伝えなければならない。
「・・・ですが、やりとげなければなりません」
ルビーの威圧感が増す。
「どうしても、なのか?」
距離適性はこれから変化するかもしれないが、変化しないかもしれない。
「はい。多少の無理はして当然です。むしろ出遅れている私は無理をしなければなりません。トリプルティアラを諦める事など、到底出来ません」
ルビーの気持ちは強いようだ。
「・・・分かった。とりあえず桜花賞を目標にしよう」
だが、もう少し実戦経験を積んでおきたい。
「はい。ありがとうございます」
「桜花賞の前に京王杯ジュニアステークスに出ようか。まずは実力を発揮しやすい短距離でレースの経験値を得るんだ」
こうして、次の目標は京王杯ジュニアステークスに決まった。

京王杯ジュニアステークスでの枠順は>>34(1〜18番)
34 : トレーナー君   2023/07/11 21:41:09 ID:f/wE7Sr2GQ
17番
35 : お前   2023/07/12 19:14:20 ID:Fm4BLKUEnE
京王杯ジュニアステークス当日。
ルビーは相変わらず落ち着いている。
GIIレースという事もあり相手は強敵ばかりだが、ルビーなら十分通用する。
「今日までのトレーニング通りの実力を発揮しよう。焦らず冷静に走れば良い」
「承知しております。では、行ってまいります」
「ああ!頑張れ!」
ルビーを見送ると、観客席に移動した。
「17番のダイイチルビーはどう思う?」
「あー、華麗なる一族の。デビュー戦すごかったんだってなー」
観客がダイイチルビーについて話しているようだ。
「でも、今日はどうかな?かなり外枠だし、何より一番人気のあの娘がいる」
そう、このレース、ダイイチルビーは二番人気。
デビュー戦で圧倒的な実力差を見せて勝ったルビーが二番人気なのだ。
それほどまでに相手は強力で、人気を集めている。
「大丈夫だ。ルビーならきっと勝てる。俺はルビーを信じるぞ」

一番人気のウマ娘は>>37(芝、マイルの適性が共に初期Aのウマ娘)
36 : マスター   2023/07/12 19:57:03 ID:jhjxKDUfI6
バンブーメモリー
37 : お姉さま   2023/07/12 19:57:25 ID:7ikqFvGMcs
メジロドーベル
38 : トレぴ   2023/07/12 20:42:47 ID:yBwc8sdLes
訂正

京王杯ジュニアステークスはマイルではなく短距離のレースでした

改めて>>39(芝、短距離の適性が共に初期Aのウマ娘)
39 : アナタ   2023/07/12 20:46:04 ID:7ikqFvGMcs
タイキシャトル
40 : 大将   2023/07/12 21:02:29 ID:yBwc8sdLes
「ハウディ!良いレースにしマショウ!」
一番人気、タイキシャトル。
アメリカンスタイルのパワフルな走りが魅力のウマ娘だ。
そのタイキシャトルがルビーに話しかけていた。
「はい、お互いに全力を尽くしましょう」
最低限の返事をしてルビーはゲートインする。
「ンー、シューチューしてマスね」
タイキシャトルは6番、先行策なら悪くない位置だ。
「ゲートイン完了しました」
ゲートが開き、一斉にスタートした。
「よし、出遅れてない」
タイキシャトルは三番手、ダイイチルビーは中団。
1400mは短い。
上手く位置取れないでいるうちにスパートに入ってしまう事も少なくない。
「カモン!」
タイキシャトルが大きく踏み込んだ。
「先に仕掛けた!」
スパートにしては早い気がするが、どういうつもりなのだろうか。
「ルビー、どうするんだ・・・っ!?」
判断するのはダイイチルビー自身。
トレーナーではない。

ダイイチルビーの着順は>>41(1〜5着)
41 : トレーナー君   2023/07/12 21:14:42 ID:jhjxKDUfI6
5着
42 : トレーナーさま   2023/07/12 21:15:02 ID:7ikqFvGMcs
僅差で2着
43 : 相棒   2023/07/13 20:54:31 ID:p9zrd6SR06
タイキシャトルは最終直線に入った。
ルビーもスパートに入る。
「まずい・・・っ!」
ルビーはブロックを避けようとするあまり、外に膨らみすぎている。
これでは距離のロスになり、それは時間とスタミナのロスにもなる。
「まだ・・・終わる訳には」
ルビーはあっという間に最高速度に到達する。
しかし、タイキシャトルは5バ身以上前を走っている。
いくら脚を溜めていたと言っても、この差は大きい。
「ちぃっ!」
ルビーより内から10番が飛び出した。
末脚はルビーに匹敵する切れ味がありそうだ。
しかし、ルビーを置いていってしまった。
そのままゴール。
「・・・5着、か」
外に膨らんだ分のロスが後に響き、失速してしまった。
1着はタイキシャトル。
10番は2着だった。
「はぁ、はぁ」
息を切らしながらルビーは俯く。
「私は、やはり未熟です。自惚れが、一族を辱めている」
「ルビィィィィィィィィッ!良かったぞーっ!」
確かにルビーは5着だった。
だが、それでも彼女のレースを讃えたかった。
これからルビーに会うのに、待ちきれず叫ぶ。
「頑張ったなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ダイイチルビーの耳がピクリと動いた気がしたが、気のせいだったのかもしれない。

次のトレーニングをサポートしてくれるウマ娘は>>45(未登場のウマ娘)
44 : お兄さま   2023/07/13 21:28:38 ID:2.NBW7YSPM
シーキングザパール
45 : アネゴ   2023/07/13 21:48:18 ID:W9kdcypbcg
エルコンドルパサー
46 : お姉さま   2023/07/14 20:56:44 ID:mq07UMm/jU
レース後、ダイイチルビーはいつもと変わらないように見えた。
ウイニングライブもこなし、メンタル的に安定しているように見えた。
そう、見えただけ、見せただけなのだ。
負けて落ち込んでいない訳は無いし、何も引きずらない訳も無い。
ルビーのレースへの熱意はそんな事を許さないはずだ。
「トレーナーさん、明日は休息日の予定だと存じております」
「ああ、そうだけど」
「自主的にトレーニングを行ってもよろしいでしょうか。過剰な負荷はかけないように心掛けますので」
ルビーの申し出は危険に思える。
今日の負けを取り返そうとしているのか。
「分かった。俺も付き合うよ」
「・・・その必要はありません。明日はトレーナーさんにとっても休日。私のために返上していただくなどあってはなりません」
「じゃあ休みの日の趣味として君のトレーニングを見るよ」
無理をさせないためにも、ルビーを見守らなければならない。
「・・・どうしてそこまで」
ルビーが小さな声で何かを言ったが、聞き取れなかった。

「ルビー先輩!今日はよろしくお願いします!」
「・・・何の事でしょうか」
「ケ!?聞いてないんデスか!?」
このウマ娘はエルコンドルパサー。
マイルと中距離が得意な快活なウマ娘だ。
ルビーには内緒で合同トレーニングを申し込んでおいた。
「ルビー、実はな・・・」
エルコンドルパサーに協力してもらう理由をルビーに説明する。
「・・・理解しました。トレーナーさんがおっしゃるなら私は何の異論もありません」
ダイイチルビーとエルコンドルパサーの相性は良いのだろうか。
「トレーナーさん!まずは何をしましょう!何でもお任せデース!」
まずは相性の良さを知るためのトレーニングをしよう。

エルコンドルパサーと行う合同トレーニングの内容は>>47(自由な形式)
48 : お兄ちゃん   2023/07/14 22:02:43 ID:mq07UMm/jU
エルコンドルパサーと行う合同トレーニングの内容は>>49(自由な形式)
49 : モルモット君   2023/07/14 22:08:24 ID:yVW51MBYbY
鷹のスケッチをする
50 : アナタ   2023/07/15 20:46:25 ID:McXja.XtoM
「これから二人にはスケッチをやってもらおうと思う」
「・・・ケ?」
「何故そのような事を提案なさったのか伺ってもよろしいでしょうか」
このような反応も当然だ。
「互いの絵を描いて、相手の状態を見極める力を養うんだ。相手の手足の長さ、尻尾や耳の癖なんかを観察しなが ら描くんだぞ」
用意した紙と鉛筆とカルトンを二人に渡す。
「一理ありますデスね。エルもレース中、仕掛けるタイミングや抜け出しやすい位置を見つけるのに観察をしていますから!」
こうして、二人は互いをスケッチし始めた。
「次のトレーニングの準備してくるから、描いていてくれ」
戻ってきた後も黙々と描き続けていたが、ほぼ同時に。
「完成いたしました」
「出来ました!」
「よし!じゃあ・・・まずはエルから見せてくれ」
ルビーが描いた絵は最後のお楽しみにしておこう。
51 : トレぴ   2023/07/15 20:46:36 ID:McXja.XtoM
「はい!」
描かれたのがダイイチルビーだとひと目で分かるくらいに上手かった。
「おお、上手いな」
「・・・貴方には私がこう見えているという事でしょうか」
ルビーが言いたい事も分かる。
ルビーであるとは分かるのだが、絵柄が非常にかわいらしい。
明らかにフィルターがかかっている。
「そ、そんなにおかしいデスか!?エルは見たまま正確に描きましたよ!」
「はは、いやいや、おかしいって訳じゃないよ。ただ、すごくかわいらしい絵だなって」
顔を赤くしたエルコンドルパサーに促され、ルビーが描いた絵を見る。
「オー!まさしくエルそのものデース!」
「・・・肩の鳥は何なんだ?」
写真かと思うくらい忠実にエルコンドルパサーの姿が描かれているが、何故か肩に大きな鳥もいた。
恐らく鷹だろう。
「トレーナーさんがいらっしゃらない時にエルさんの肩に止まっておりました」
見たものを正確に描いた結果と言う事か。
「なるほど。でも、何で学園に鷹がいたんだ?しかもエルの肩に止まるなんて」
「さささ、さぁ?何でデスかねー?まぁ、野生の鷹相手でもエルは一切動揺しませんでしたけど!」
エルコンドルパサーは言葉とは裏腹に動揺しているようだが、とにかくスケッチは観察眼を養うのに役立っただろう。

次に行うトレーニングは>>52(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
52 : トレーナー   2023/07/15 20:49:07 ID:K6Z8tRbyco
根性
53 : アナタ   2023/07/16 20:50:40 ID:4ULgwVgvvk
「今日は年内最後のトレーニングだ。しっかりこなして締めくくろう」
「はい」
今日行うのは坂路での練習。
「ルビー、君のこれまでの敗因は集団にブロックされたり、集団を避けようとするあまり大外を回ったりした事にある。つまり、集団から抜け出す動きをもっと最適化しなければいけないんだ。まずは坂路で足腰を鍛えて、競り負けない力をつけよう」
こうして、ルビーは坂路トレーニングを開始した。
「よし!あと10本!」
「はい・・・っ」
ややハードではあるが、心を鬼にしなければ。
ルビーのトリプルティアラという目標はとても困難な道の先にある。
中途半端な心構えでいるとルビーに後悔させる事になる。
「よく頑張った!」
「・・・ありがとうございます」
桜花賞までに出来ればもう一戦走ってもらいたいが、時期的に連戦になってしまいそうだ。
桜花賞トライアルのレース、GIIのチューリップ賞。
出るとしたら桜花賞と同じ条件のこのレースだ。

ダイイチルビーをチューリップ賞に出走させるか>>54
54 : マスター   2023/07/16 20:55:00 ID:1M.nY3Q5Ew
出走させる
56 : キミ   2023/07/17 20:56:44 ID:GTY7i1E5XE
「ルビー、チューリップ賞に出てみないか?桜花賞に向けて、マイルでも経験を積んでおいた方が良いと思うんだ」
「私も同じ事を提案しようと考えておりました」
同じ事を考えていてくれたのは素直に嬉しい。
「そうか!じゃあ早速手続きをしよう!」
チューリップ賞は三月。
それまでにルビーの走りをさらに磨きたい。
そして。
「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」
約一週間ぶりにダイイチルビーと会った。
「あけましておめでとう。元日から来てくれるなんて」
「挨拶は万事の基本と教わっておりますので」
「ウェーイ!お嬢!これから初詣行くんだけどトゥギャザらね」
トレーナー室のドアが勢いよく開け放たれ、元気なウマ娘が入ってきた。
「・・・ヘリオスさん。あけましておめでとうございます」
「あけおめ!ことよろの助!あ、お嬢のトレピもことよろ!」
彼女はダイタクヘリオス。
マイルや短距離が得意なパリピウマ娘。
直接の面識は無いはずだが・・・。
「えっと、よろしく」
「んでさ、ルビたんどうすん?もち来るっしょ?」
ルビーはこちらを見る。
別に許可が必要な訳では無いと思うのだが。
「行ってきたら良いんじゃないか?」
友人と仲良くするのは大事な事だ。
「・・・もしよろしければトレーナーさんもご一緒していただけませんか」
「お、俺も?」
「良いじゃんふぃーじゃん!行こ行こ!」
こうして、何故かウマ娘達と一緒に初詣に行く事になった。

初詣で願う事は>>58(レース関連以外でも可)
57 : トレーナー君   2023/07/17 21:16:45 ID:tRLHVitJas
パーマーが中長距離の覇者になりますように
58 : トレーナーさん   2023/07/17 21:43:36 ID:LGoYumJC5M
トリプルティアラが獲得できますように。
59 : トレーナー   2023/07/18 22:09:28 ID:7Q5rRODNLI
ガランガラン。
手を合わせ、神様に祈る。
ダイイチルビーがトリプルティアラを獲得出来ますように。
困難な挑戦だからこそ、神様でも仏様でも、何に頼ってでも達成してほしい。
「お嬢お嬢!何お願いしたん!ウチとズッ友になりてーとか!?」
「いえ、健康祈願をいたしました」
「レースの事は祈らなかったのか?」
「レースでの勝利は己の実力で掴み取る物ですので」
確かに、ルビーならそう考えるのも当然か。
レースについて祈るのはトレーナーである自分だけで十分だろう。
「そだ!これからカラオケ行かね!?むしろ行くっきゃ無いっしょ!新年からブチアゲよーぜ!」
「私はけっこ」
「良いじゃないか、行こう」
ルビーは遠慮しがちなところがある。
多少強引だが、友人と仲良くしてもらいたい。
「・・・トレーナーさんが仰るのなら」

ダイイチルビーがカラオケで歌う曲は>>60(ウマ娘関連の曲)
60 : マスター   2023/07/18 22:24:05 ID:Vj7xJb6tyA
Winning the Soul
61 : アンタ   2023/07/19 20:13:37 ID:6z3tXEb3QQ
「つったかたった はれるや!ね♪」
「Fuuuuuuuu!アハハ!マジうめぇ!トレちん歌声神すぎん!?やば!」
「はっはっは、どうだルビー!上手かっただろ?」
十八番を褒められ、テンションが上がる。
「・・・普段のトレーナーさんとは別人のように感じました」
褒められている・・・のだろうか。
「次お嬢!曲入れといたから!ほらほら!」
マイクを押し付けられ、ルビーは立ち上がる。
イントロが始まり、ルビーは何の曲か即座に理解した。
「光の速さで駆け抜ける衝動は」
美しい歌声が心を優しく撫でる。
勇ましいwinning the soulの曲調と不思議とマッチしているようにも聞こえる。
ダイタクヘリオスさえも瞼を閉じて静かに聞いている。
「woh woh woh」
惜しみない拍手を捧げる。
手が二つしか無いのが悔しい。
「まぁじ女神ぃ」
ダイタクヘリオスはうっとりしながら涙を流している。
「・・・お褒めいただきありがとうございます。ですが大袈裟ではないでしょうか」
「いや!これでも足りないくらいだ!」
ルビーが本来歩む事の無い三冠路線のウイニングライブで使用される曲。
三冠を取りステージに立つ姿を幻視し、ルビーの明るい未来を願わずにはいられなかった。

チューリップ賞でのダイイチルビーの枠順は>>63(1〜18番)
62 : トレーナー君   2023/07/19 22:07:01 ID:3UZlSYpVkY
8番
63 : ダンナ   2023/07/19 22:27:52 ID:EUjjR5HW5E
1番
64 : トレぴっぴ   2023/07/20 20:51:31 ID:Yl6Jgv9.5g
チューリップ賞当日。
生憎の雨。
そこまで激しくは無いが、バ場の状態は悪い。
「体調を優先して雨の日のトレーニングは全くやってない・・・」
ルビーはぶっつけ本番で雨のレースに挑む事になる。
「1番ダイイチルビー、今日のレースは3番人気です」
1番、最も内枠。
ただでさえ足場が悪いこのレース、またも運に恵まれなかった。
チューリップ賞は外枠有利と言われ、1、2枠の勝率は非常に低い。
桜花賞前にかなり高い壁が立ち塞がっている。
「今、一斉にスタート!4番、やや出遅れたか!?」
ルビーは冷静に中団に位置取る。
外側を塞がれてしまっているが、前には隙間が多いので抜け出せない事はなさそうだ。
「先頭の9番が中間地点に差し掛かりました」
ゆったりとしたコーナーを抜ければ最終直線。
最終直線では横に広がりやすく、差しやすい。
ルビーにとっては数少ない追い風だ。
「ルビー!君の末脚を見せてやれーっ!」

最終直線突入時、ダイイチルビーの順位は>>65(6位以下)
65 : ダンナ   2023/07/20 21:02:23 ID:TWzEqXG.go
11番手
66 : トレ公   2023/07/21 20:54:22 ID:JOhwG.tNN.
ルビーの前には10人。
やや広がっていて抜け出しやすくなってはいる。
しかし、ルビーは最も内にいるのだ。
前は大柄なウマ娘。
抜け出すためのスペースが足りない。
「・・・以前の私なら」
ダイイチルビーは水分を含んだ芝を強く踏みしめる。
「根性だああああっ!根性で抜け出せえええええっ!」
力の限り叫ぶ。
ルビーに届くかは分からないが、叫ばずにはいられない。
ルビーは一瞬出来た僅かな隙間を見逃さなかった。
「あーっと!1番内から抜け出した!」
内ラチと前のウマ娘の間を強引に進み、自慢の加速力で飛び出した。
「なっ!?」
「何でこのバ場であんな加速が出来るの!?」
力強い踏み込みは雨すら吹き飛ばす勢いだ。
差が少なく全体が固まっていたため、あっという間に先頭のウマ娘に追いついた。
「う、ああああああああっ!」
「はっ!」
ダイイチルビーはチューリップ賞を勝利した。
華麗なる宝石は雨粒を受けて輝いていた。

桜花賞でダイイチルビーは何番人気か>>67(1〜3番人気)
67 : お姉さま   2023/07/21 21:47:47 ID:M0B8j.TLpc
1番人気
68 : モルモット君   2023/07/22 20:54:15 ID:He8tCsaIpI
「ルビー!」
地下バ場道に帰還したルビーに駆け寄る。
「よく頑張ったな!」
「ありがとうございます」
体操服やタイツは泥で汚れ、白い部分の方が少ないのではないか、とさえ思わせる。
タオルを頭に被せてあげるとルビーは髪の水分を丁寧に拭き取り始めた。
「まずは着替えようか。身体を冷やしちゃいけないし」
「はい」
ルビーは疲れているだろうに、声に疲れの色は無い。
控え室に戻ると、ルビーを座らせる。
「ライブもあるし、ライブ衣装に着替えよう」
ウイニングライブまでしばらく時間がある。
今の内に出来るだけ休んでいてほしい。
「それじゃあ、部屋の外で待ってるから、着替え終わったら呼んでくれ」
「分かりました」
控え室を背に、ルビーのレースを脳内でリプレイしていると、声をかけられた。
「今日のレース、一着おめでとう」
自分と同じく、学園のトレーナーだ。
今日のレースに担当は出ていないはずだが、見に来たのだろうか。
「あ、どうも。ありがとうございます」
「恐らくダイイチルビーは桜花賞で1番人気になるだろうな」
桜花賞はもうすぐそこ。
当然意識しなければならない。
それは他のトレーナーも同じ。
「桜花賞にはうちの担当も出る。よろしく頼むよ」
つまり、ライバル。

このトレーナーが担当するウマ娘は>>70(未登場の、芝・マイル適性Aのウマ娘)
69 : トレーナーさま   2023/07/22 21:38:02 ID:0A2TV9doZI
ユキノビジン
70 : モルモット君   2023/07/22 21:44:30 ID:ENAFH2r/.A
メジロドーベル
71 : トレピッピ   2023/07/23 20:41:56 ID:gbsHxZ7Gpo
確か彼が担当するウマ娘はメジロドーベル。
名門メジロ家の令嬢で、ルビーと同じくティアラ路線に進む事を表明しているウマ娘だ。
「それじゃ、また桜花賞で。・・・うちのドーベルが勝つ」
あまり多くを語らず去っていった。
「トレーナーさん、着替え終わりました。・・・お知り合いですか?」
ドアが開き、ルビーが顔を見せた。
「あ、ああ。そんなところだ」
ウイニングライブを終え、ホテルに戻る。
自室で一人、桜花賞やメジロドーベルについて調べていると、ドアをノックされた。
「トレーナーさん、少しお話をしてもよろしいでしょうか」
「ルビーか、今開ける」
ルビーを部屋の中に招き入れる。
ルビーはパソコンの画面をちらりと見た。
画面にはメジロドーベルの画像がアップで映し出されていた。
「・・・お邪魔して申し訳ありません」
「・・・いや、大丈夫だよ」
何となく気まずくなり、ノートパソコンをそっと閉じた。
72 : アンタ   2023/07/23 20:42:15 ID:gbsHxZ7Gpo
「それで、話って?」
自分はベッドに腰掛け、ルビーは椅子に座らせる。
「本日のチューリップ賞のレース中の事です。最終コーナーの終わり頃、不思議な感覚を覚えました」
「不思議な感覚?」
「はい。中団から仕掛け始める際、力が湧き出るように感じました。脚が自然と動き、余計な事を考えず走る事が出来たのです」
少なくとも、悪い感覚ではないようだ。
一安心し、意見を述べてみる。
「レースはトレーニングの何倍も成長出来るとも言われる。思うに、ルビーはその時、成長しようとしていたんだ。これまで培ってきた経験が、真剣勝負の場で一気に形になったんだよ」
ゾーンと言ったり、覚醒と言ったりする。
実戦の中で成長するのは強者の証のようにも感じる。
「その感覚を忘れないようにしよう。今日と同じ桜花賞のコースならきっとその感覚は武器になる」
「はい。決して忘れぬようにいたします」

桜花賞で逃げるウマ娘の数は>>73(0〜4人)
73 : トレ公   2023/07/23 20:58:12 ID:/vM7.ZY9FI
2人
74 : モルモット君   2023/07/24 20:59:52 ID:LlrqAPxQIM
「トリプルティアラの一冠目、桜花賞!晴れ渡るような青空がウマ娘達の激闘を見届けます!」
ダイイチルビーの勝負服姿は優雅で、力強さも感じる。
「1番人気、ダイイチルビー。今日は5枠6番です」
「前走のチューリップ賞は、圧巻の一言に尽きますね。今日も良いレースを期待出来るでしょう」
「2番人気のメジロドーベル。大外18番です」
「外からでも差す力はありますから、他のウマ娘は一切油断出来ませんよ」
メジロドーベルもルビーに匹敵する強者のオーラを纏っている。
他のウマ娘ももちろん強敵だが、彼女は中でも別格だ。
「ゲートイン完了・・・今、スタートしました!」
スタートと同時、1番と2番のウマ娘が飛び出した。
「逃げる二人から5バ身ほど離れ、10番、その外から8番。やや後ろに集団が出来ています」
ダイイチルビーは・・・。
「一番人気ダイイチルビーは後ろから3番手です」
「いつもより少し後ろにいますね」
ルビーは冷静さを失っていない。
位置取りを正確に把握し、仕掛けどころを見極めようとしているのだ。
「まだまだ先頭二人が差を広げていきます!後ろとの差は既に7バ身ほどになっています!」
「流石に飛ばしすぎだと思いますね。マイル戦とは言え、スタミナが持ちませんよ」
逃げる二人が全体のペースを掻き乱す。
「ルビー、惑わされちゃダメだぞ・・・っ」
破滅へ向かう二人の逃げウマ娘。
初のGI、既に波乱を起きつつあった。

ダイイチルビーとメジロドーベルのどちらが先にスパートを始めるか>>75(同時も可)
75 : 使い魔   2023/07/24 22:12:42 ID:INTtN4eJYU
メジロドーベルが先に仕掛ける
76 : アネゴ   2023/07/25 20:44:29 ID:rpuZo/4LLQ
「最終コーナー中間、18番メジロドーベル早くも前に出た!」
「これは作戦でしょうか。これまでのレースでは見なかった展開です」
完全に予想外だった。
逃げる二人が垂れて壁になるのを予期し、早めに道を確保したのだ。
「ルビー、どうするんだ・・・っ!?」
ここで追うのか、自分の仕掛けどころまで待つのか。
「・・・行かない!」
あくまで自分のレースで勝負するつもりらしい。
となると、チューリップ賞で会得した不思議な感覚を信じるのか。
「そろそろだ・・・」
メジロドーベルが飛び出してから数秒遅れてルビーがスパートをかけた。
「先へは行かせません」
ルビーの周りの空気が一瞬で重くなる。
まるで重力が何倍にも強くなったかのような感覚を近くのウマ娘は感じただろう。
「っ!?」
既にメジロドーベルのすぐ横にいた。
「・・・すごいプレッシャー。でも・・・私だって負けたくない!」
今度はメジロドーベルから凄まじい圧が発せられる。
猟犬に睨まれた兎のように、周囲のウマ娘達は身体が強ばる。
しかしルビーは耐えた。
最終直線、二人は並んで先頭に立つ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「っ!」
他の誰もついていけない。
二人だけの戦いだ。
「行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!ルビーィィィィィィィッ!」
ラスト100m。
まだ並んでいる。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
僅かに、ほんの僅かに。
ルビーの頭が先にゴールしていた。

レース後のダイイチルビーの疲労度は>>77(70%〜95%・100%に近いほど疲れている)
77 : ダンナ   2023/07/25 22:01:06 ID:4LHCfd0Mm.
77%
78 : お兄さま   2023/07/26 21:06:54 ID:K4hZ1HMj1k
「はぁ、はぁ、はぁ」
荒い息を整えながらダイイチルビーは観客の方を見た。
「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」」」
空気を震わせるほどの大歓声。
ルビーはしっかりと芝を踏みしめ、左の掌を前に向けて伸ばした。
「栄光はこの手の中に」
掌を閉じ、掴み取る仕草をした。
ルビーにしては珍しく、ワイルドで力強い。
「ルビー!ルビー!」
急いでルビーに駆け寄る。
早くおめでとうと伝えたい。
「トレーナーさん」
「ルビー!よくやったな!おめでとう!」
「桜花賞を制したのはダイイチルビー!華麗なる一族のウマ娘が熾烈な戦いを制し、GI勝利を歴史に刻み込みました!」
桜花賞、トリプルティアラの一冠目。
ダイイチルビーはトリプルティアラを手にする権利を得たのだ。
「・・・っ」
ルビーがバランスを崩す。
「ルビー!」
何とか支え、受け止める。
かなり疲れているせいだろう。
「・・・申し訳ありません」
「謝る事なんて何も無い!君は本当に頑張った!疲れて当然だよ。まずは休もう」
ルビーは体勢を立て直し、ゆっくり歩き出す。
「ありがとうございます。お言葉に甘え、しばらく休ませていただきます」
ルビーを隣で支えながら、ターフを去った。

ダイイチルビーの休養期間は>>79(1〜7日)
79 : 貴様   2023/07/26 21:27:43 ID:ZBE1Y52KPw
5日
80 : お姉さま   2023/07/27 20:55:11 ID:hjLF55VxG.
「ルビー、ウイニングライブは出られそうか?」
「・・・はい、問題、ありません」
ルビーの手は僅かに震え、威圧感も薄れている。
「桜の栄誉を手にしたのです、相応しいウイニングライブを行わなければなりません。舞台には必ず上がります」
華麗なる一族のプライドがそうさせるのだろう。
いや、一族の事など無くともGIウマ娘ならきっとライブでファンに感謝を伝えたいと考える。
「・・・分かった。ギリギリまで休んで、ライブに出よう」
多少の無理は仕方ない。
それほど名誉と感謝には価値がある。
「day by day 憧れて・・・」
何とかライブは終わった。
ルビーは疲労を隠し、見事なパフォーマンスで魅せた。
しかし、その代償は少なくなかった。
「まだ疲労は抜けてないな」
うつ伏せになったルビーの脚を揉みほぐしながら言う。
普段のレース後より明らかに疲労が溜まっている。
回復も遅い。
「・・・オークスまで時間がありません。一刻も早く回復しなければ」
「ああ。だが焦っちゃダメだ。まずはしっかり休もう」
こうして、丸々5日休養に費やした。

次に行うトレーニングは>>82(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
81 : お姉さま   2023/07/27 21:06:41 ID:MXspZo122c
パワー
82 : アナタ   2023/07/27 22:41:10 ID:XQLSTSC/8.
スピード
83 : トレぴっぴ   2023/07/28 20:52:57 ID:fI2knii5Xc
「今日からトレーニング再開だ。休んだ分少しハードになるけどいけそうか?」
「はい。・・・ここで遅れを取り返さなければ」
今日のメニューはランニングマシン。
スピードを強化するためのトレーニングだ。
「スタート!」
スイッチをオンにすると、すごいスピードでベルトが回転し始めた。
もしヒトがこの上に乗ろうとすれば顔面が床にめり込む事になるだろう。
「そのまま30秒キープ!」
最高速をキープさせる。
かなり負荷がかかるが、遅れを取り戻すためには仕方ない。
もちろん無理はさせすぎないが、限界は少しだけでも超えなければならない。
「よし、インターバルを挟んでもう一度だ。少し速度を上げるぞ」
「はい・・・っ」
ルビーの爆発的な末脚をさらに強化し、オークスの直線でも通用するものにする。
オークスはただでさえ強敵揃い。
それなのに時間も無い。
「まだ・・・この程度では」

オークスに出走するウマ娘は>>84(未登場の芝、中距離適正A以上のウマ娘)
84 : アンタ   2023/07/28 22:29:46 ID:KOSBQGTSz6
エアグルーヴ
85 : あなた   2023/07/29 20:58:12 ID:wHdP52cA0Y
「オークスでは必ず勝ちます。樫の女王になる事で偉大な母に少しでも近づきたいと思っています」
オークス直前の記者会見。
「エアグルーヴさん、ありがとうございました」
エアグルーヴ、確かな実力を持つウマ娘だ。
ティアラ路線に進む事を表明していたが、桜花賞出走は発熱で泣く泣く取りやめた。
オークスこそはと万全の状態に仕上げてきているに違いない。
「トレーナーさん」
トレーナー室のテレビで会見を一緒に見ていたルビーの視線が鋭くなる。
「エアグルーヴさんは、強いお方です」
オークスの大本命。
桜花賞一着という実績があるダイイチルビーは一番人気。
だが桜花賞で二着だったメジロドーベルを抑えてエアグルーヴは二番人気だ。
「彼女に勝てそうか」
ルビーなら当然こう返すだろう。
「一族の名にかけて、必ず勝利します」
と。

オークスでのダイイチルビーの枠順は>>86(1〜18番)
86 : トレピッピ   2023/07/29 21:21:11 ID:bxgL8694qQ
11番
87 : トレーナー君   2023/07/30 20:49:54 ID:lcsGUZf1Vc
GIオークス。
トリプルティアラの二つ目。
樫の女王の座を得るため、激しい戦いが繰り広げられる。
「一番人気、ダイイチルビー。今日は11番です」
曇り空が広がり、ルビーの勝負服はあまり輝かない。
「二番人気はエアグルーヴ、4番です。桜花賞に出られなかった分、頑張って欲しいですね」
エアグルーヴは完璧に近い仕上がりを見せている。
そう簡単に倒せる相手ではなさそうだ。
「三番人気はメジロドーベルです。今日は内枠の2番でスタートとなります」
メジロドーベルも素晴らしい仕上がりだ。
ゲートに入る直前、三者が睨み合う。
「負けませんから」
「ああ、こちらも負けるつもりは毛頭無い。ドーベルにもルビーにも」
少し離れていたルビーは二人に向かって会釈だけしてゲートに向かった。
「ルビー、厳しい戦いだが可能性はゼロじゃないぞ。諦めなければ必ず道は開ける」
観客席で呟いた。

エアグルーヴの作戦は>>88(先行または差し)
88 : トレーナーちゃん   2023/07/30 20:55:08 ID:vq/QtohrWc
先行
89 : アンタ   2023/07/31 20:53:37 ID:Fsul6GWmBw
「今、スタート!」
一斉にゲートからウマ娘が飛び出した。
「前を行くのは1番、すぐ後ろに10番、16番。1バ身離れて4番エアグルーヴ」
「今日は先行策を取りましたね」
エアグルーヴのこれまでのレースでは、終盤まで中団に控えている事が多かった。
今日はメジロドーベル、ダイイチルビーと末脚に自信のあるウマ娘がいるので、早めにリードを広げる事にしたのかもしれない。
「ルビーは・・・」
後ろから2番目、かなり後方からのスタートになってしまった。
順位の入れ替わりが少ないまま、下り坂に入る。
コーナーでの下りが終わればほぼ全員がスパートに入る。
「ここだ!」
エアグルーヴが一気に飛び出す。
「・・・っ!」
メジロドーベルも追う。
全体が速度を上げる中、ルビーは。
「はぁ、はぁ、はあっ!」
やや遅れてスパートに入る。
ただ、いつものような切れ味は無い。
まるで刃こぼれした刀剣だ。
「先輩っ!」
メジロドーベルがエアグルーヴの背中を捉える。
「来たな、ドーベル!」
「先頭はエアグルーヴ!3バ身後ろから追うのはメジロドーベル!」
最終直線に入る。
「ルビィィィィィッ!」
俺が出来るのはただ叫ぶ事だけ。
やっとペースが上がり始めたルビー。
ただ先頭までは大きな差がある。
残り約200mでは間に合わない。
「はぁ、はぁ、こんな、事はっ」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
大音量の歓声がルビーの息切れをかき消す。
「一着はエアグルーヴ!ここに新たな樫の女王が生まれました!圧巻の走り!圧倒的な強さ!」
ルビーを目で追っている内にレースの勝敗が決まってしまっていた。
「十着、か」

ダイイチルビーはウイニングライブに出るか>>90
90 : トレぴっぴ   2023/07/31 20:56:07 ID:Y08RdT3x7Y
出る
91 : トレぴっぴ   2023/08/01 20:51:43 ID:x60ZunJjGs
「一番人気ダイイチルビー、今日は見せ場を作れず十着でした」
「スピードを発揮出来ませんでしたね」
地下バ場道でルビーを迎える。
「・・・トレーナーさん」
「ルビー、お疲れ様」
ダイイチルビーは疲れ切っていた。
と言うより、憔悴に近かった。
「トレーナーさん、私のトリプルティアラへの挑戦は・・・終わりました」
「・・・ああ」
口先だけで慰めても逆効果だろう。
ここは静かに受け止める事にする。
「私は、再び一族の名に泥を塗りました」
「それは違う」
これについては否定しなければならない。
「君は精一杯走った。出来る事は全部やった。その結果上手くいかなかったかもしれないけど、それは恥ずかしい事じゃないよ」
ルビーは俯く。
「・・・今日は疲れただろう?帰ってしっかり休もう」
ウイニングライブに出るのはやめ、休養に専念してもら。
「いいえ、帰るのはウイニングライブが終了してからです」
「ルビー、でも」
ここでウイニングライブに出ないのは華麗なる一族のウマ娘のプライドが許さないのだろうか。
「トレーナーさんがおっしゃった事です。精一杯走った結果ならば恥ずべき事ではないと。私はこの結果を恥とせず、教訓として受け止める事とします。ウイニングライブも、結果の一部として受け止めます」
「ルビーは強いな」
しかし脆さも内包している。
それを補うのがトレーナーの役割だ。
「ドキドキってもっと phantasia」
桜花賞の時はセンターでパフォーマンスした曲。
今日はバックダンサーとして同じ曲。
「今日を糧にしような」
華やかなライブステージを見て呟いた。

夏合宿でトレーニングを一緒に行うウマ娘は>>93(これまでレースで対戦していないウマ娘)
92 : トレーナーちゃん   2023/08/01 20:58:17 ID:4Xyq9MU1XY
ウイニングチケット
93 : お前   2023/08/01 23:10:02 ID:rMqzBYL1ko
ゴールドシップ
94 : お兄さま   2023/08/02 20:16:46 ID:de8slMOvS.
オークス後は多くを休養に費やした。
強烈なプレッシャーに圧迫され、心身共に疲労したオークスはルビーにとってかなりのダメージになったはずだ。
ただ、このダメージが無駄になるとは限らない。
無駄になんかさせてなるものか。
「ルビー、夏合宿の準備は出来たか?」
「はい、既に完了しております」
出発の前日は軽いトレーニングで済ませた。
夏合宿はトレーニングに打ち込む期間であると同時に、息抜きの期間でもある。
ある程度元気な状態で合宿に臨んでほしかった。
友人との思い出作りも精神面で大きな意味を持つからだ。
「ようルビー、おでん食わね?」
「・・・結構です」
破天荒な問題児ゴールドシップがダイイチルビーに絡む。
「んだよつれねーなー!せっかくグツグツ煮込んでアッツアツの状態で持ってきたのによー」
小さな鍋をバランスを取りながら持ち上げていたゴールドシップがムスッとする。
「揺れる車内で高温の料理を食べる事は非常に危険です」
「あ、この鍋か?中身はパペットだから気にすんな」
膝の上に置いた鍋の蓋を開けると、中には何体ものパペットが入っていた。
「・・・そうですか」
ルビーは明らかにゴールドシップと関わりたくなさそうにしている。
「悪ぃ悪ぃ!トレーニング手伝ってやっからよ、許してくれよ!」
先にバスから降りたウマ娘達がトレーナー用のバスの中から見えた。
「ルビーとゴールドシップって仲が良いんだな」
友人と仲良く移動時間を過ごせたようで安心した。

ダイイチルビーとゴールドシップの合同トレーニングは>>95(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
95 : お姉さま   2023/08/02 20:49:41 ID:jYXFC29qVs
パワー
96 : トレーナー君   2023/08/03 21:11:20 ID:8LKmn.LLIU
「それじゃあ、トレーニングを始めようか」
合宿所での支度も終わり、水着に着替えたルビーとトレーニングを開始する。
「はい、まずはイカ釣りから始めましょう」
「イカ釣り?」
「・・・ゴールドシップさん」
ルビーがこちらの後ろの方を睨む。
振り返ってみると、ゴールドシップがいた。
「もしかして、今のは声真似だったのか!?」
「そのようです」
今のもゴールドシップだ。
口が動くのを見ていなければまた騙されただろう。
そのくらいそっくりだ。
「トレーニングの邪魔をなさるようなら」
「邪魔?手伝ってやるって言ったじゃねーか」
バスの中でそんな会話があったのか。
「そうか、じゃあ一緒にトレーニングしようか」
「トレーナーさん・・・」
ルビーは目を細めた。
「うっし!それで、何すんだ?カモメと相撲か?」
「いや、筋トレだ」
ゴールドシップの道化が一瞬剥がれた気がしたが、今のにこやかな表情を見るとそれも気のせいなのかもしれない。
「まずはスクワット!良いって言うまで休んじゃダメだぞ!」
二人は頭の後ろで手を組む。
「いーち。そのままキープ!ゆっくり、ゆっくり上げて」
スクワットなどのトレーニングは動きがゆっくりしている方がキツい。
「ごーじゅう!よし、一旦休憩だ」
「フハーッ!」
ゴールドシップのように表情に出ていないが、ルビーも辛そうだ。
だが遠慮はしない。
「十分休めたな。あと50回行くぞ!」
「おいおい、コイツの頭のネジぶっ飛んでんじゃねーのか!?」
「失礼です」
こうして、何とか筋トレをこなした二人だった。

次に合宿所で行うトレーニングは>>97(自由な形式)
97 : トレぴっぴ   2023/08/03 21:17:10 ID:dttv2o6Kkw
焼きそばを作る
98 : お姉ちゃん   2023/08/04 21:02:07 ID:3m6lRhPij6
「はーやっと終わったーっ!」
「なんだかんだ最後まで付き合ってくれたな。ありがとう」
ゴールドシップは砂浜に大の字に倒れた。
「ルビーもお疲れ様」
「はい・・・」
二人が着替えている間、合宿所に貼ってあったポスターを見ていた。
「夏祭りか」
今日は合宿初日にも関わらずよく頑張った。
夏祭りはきっと良い息抜きになるだろう。
「ルビー、今日は夏祭りがあるらしいぞ。友達と行ってくると良いよ」
「・・・いえ」
もしかするとルビーは夏祭りの喧騒が苦手なのか。
もしくは庶民的な祭りにあまり馴染みが無いのか。
「トレーナーさん・・・よろしければ私と夏祭りに行っていただけませんか」
「・・・え」
意外だった。
「も、もちろん。俺で良ければ」
夏祭り会場、屋台がずらっと並び、楽しげな音楽が流れている。
「ようオメーら!焼きそば食ってかね?」
ゴールドシップが屋台にいた。
店員側だ。
「そうだな、一つもらおうかな」
ソースの美味しそうな香りが食欲をそそる。
「うん、美味い!ルビーも食べるか?」
「・・・いえ、結構です。トレーナーさんのものをいただく訳にはいきませんので」
「む、そうか」
他にも食べ物は色々ある、焼きそばで無理に腹を満たすのも良くないか。
「わりぃ、ちょっとポン酢が切れちまったから勝ってくる!店任せたぜ!」
「あ、おい!」
焼きそばにポン酢は使わない気がする。
店をそのままにも出来ないのでとりあえず任されてみる。
「トレーナーさん、これを」
紙に詳細なレシピ、そして近くに置いてあったスマホには調理の解説動画。
動画内のゴールドシップが言う。
「この動画を見ているという事は、貴方はゴルシちゃんに見込まれた賢者なのでしょう・・・」
こうして、焼きそば屋台をする事になってしまった。

屋台に訪れる客の数は>>100(1人以上)
99 : トレーナー君   2023/08/04 21:13:02 ID:.Q/1prgjU2
14人
100 : 相棒   2023/08/04 21:18:40 ID:Choh79WzKA
33人
101 : 大将   2023/08/05 22:25:20 ID:eJvIGSe7rU
「600円となります。・・・600円ちょうどお預かり致します。お買い上げありがとうございました」
令嬢と焼きそば屋の組み合わせが話題となり、屋台は大繁盛だった。
繁盛し過ぎて供給が間に合わない。
「ルビー!次の分出来たぞ!」
鉄板からの熱と夏の気温、相乗効果で汗が噴き出る。
ここまでキツいならある意味トレーニングになっているのかもしれない。
「マ!?お嬢どしたん!?いないと思ったら焼きそばナウなん!?」
「ただいま手が離せませんのでお話なら後にしていただけますか」
有り金全部を焼きそばにつぎ込もうとしたパリピがもう一人のパリピに止められていた。
「わぁ・・・良い匂い。あの、10人前下さい」
小柄なウマ娘が大量の焼きそばを買っていった。
「おう!美味そうじゃねぇか!一つくんな!」
いなせなウマ娘も祭りを満喫していた。
「お、焼きそばじゃねーか!アタシも焼きそば屋台やってんだけどよ、こっちの方が美味そうだぜ!いやー参った!」
「ここは君の屋台だろ!」
数十分で33人の来店があった。
売り上げの一部はポン酢で還ってきた。
沢山汗をかき、頭と手を使った。
「ふぅ・・・お疲れ様、ルビー」

ダイイチルビーと二人きりで話した時間は>>102(1~10分)
102 : トレ公   2023/08/05 23:20:02 ID:ZR7WKe60ds
8分
103 : トレーナー君   2023/08/06 20:28:49 ID:1UNSW6.wo6
焼きそば屋台を離れ、ポン酢が入った袋を持ちながら祭りを楽しむ。
「お、ルビー!射的があるぞ!やらないか!」
「是非」
射的をやるのなんて何年ぶりだろうか。
二人分の料金を支払い、銃にコルクの弾を込める。
「あれにしよう。あのお菓子」
パン!
パン!
「あはは、全然当たらないな・・・」
四発外し、残りは一発。
パン!
「あー!当たったのに倒れなかった!」
「私にお任せ下さい」
パン!
ポス。
一撃で仕留めた。
「すごいなルビー!」
その後も毎回お菓子をゲットしていった。
「はは、流石ルビーだ」
「当然です」
そうは言いながらもどことなく得意げに見えなくもない。
屋台を一通り周ると、海岸の方に向かった。
夜風が祭りで火照った顔を冷やす。
「楽しかったか?」
もしかしたら無理に付き合わせてしまったのかもしれない。
自分ばかり楽しんでいたような気がする。
「はい、普段味わえない体験を出来ました」
「そうか、良かった」
持っていた未使用のタオルの上にルビーを座らせ、しばらく夜の海を眺めた。
他愛の無い話を10分弱くらいしたが、ほとんどは自分の話でルビーはそれに答えるだけだった。
「トレーナーさん、また明日もここでお話してもよろしいでしょうか」
「ん、ああ、良いぞ。いつでも大丈夫だ」
ルビーは腰を上げ、こちらを振り返る。
海をバックにしたルビーの姿は絵画のような美しさだった。
「楽しみにしております」

次の日の夜の天気は>>104
104 : 貴方   2023/08/06 21:06:55 ID:5v5pRgWuwU
快晴(満月)
105 : お兄さま   2023/08/07 22:01:52 ID:v9Y7scqd/A
次の日のトレーニングも順調に終えた。
砂浜や海を使ったトレーニングは新鮮でトレーナーである自分も何だか気分が乗った。
「よし、今日の分は終わりだ。よく頑張ったな。お疲れ様」
合宿所に戻り、ルビーに休んでもらう。
「お嬢!夜ウチらの部屋でババ抜き大会すんだけどさ、お嬢も来ね?」
「申し訳ございません。今夜は別の予定が入っておりますので伺う事が出来ません」
ダイタクヘリオス達がダイイチルビーを誘う。
「そっか、じゃあ仕方ないね。残念だったねヘリオス」
「マジかーサゲたん・・・」
去っていくダイタクヘリオスとメジロパーマーの背中を見てダイイチルビーは目を閉じる。
「・・・今日はどうしても欠かせない予定がありますので」
夜になり、海岸にダイイチルビーが現れた。
「トレーナーさん、予定の時刻は十分後のはずですが」
「ああ、ちょっと早く着きすぎたかな?・・・ルビーこそ、こんなに早く来なくても良いんだぞ?ゆっくり来てくれ」
「お気遣いありがとうございます。ですが時間に遅れる事はあってはなりませんので」
ルビーはトレーナーの隣で月明かりに照らされた波を眺める。
「いやぁ、月が綺麗だなぁ」
「・・・はい」
雲一つ無い晴れた夜、満月が光り輝く。
月夜で気分が高揚しているのが自分でも分かる。
今日も自分の話ばかりしてしまった。
「また、明日も」
今日もルビーが聞き役だった。
「また、明日も」
今日も。
「また、明日も」
そして、また今日も。
「ルビー、俺ばっかり話して退屈じゃないか?楽しいか?」
「はい、楽しませていただいています」
「そうか。それなら良いんだ。けど」
ルビーの方へ向き直る。
「たまには君の話も聞いてみたい」
ルビーは月を見て答えた。
「・・・私もそろそろお話しようと思います」

ダイイチルビーは秋華賞に出走するか>>107
106 : アナタ   2023/08/07 22:36:17 ID:u3.j0fx.Wg
出走する
107 : キミ   2023/08/08 06:30:49 ID:MHpLeqFkfk
出走する
108 : トレ公   2023/08/08 21:00:39 ID:IBkJvoZwCA
「今後、私が進むべき道について考えました」
ルビーは言葉を吟味しながら話しているように感じられる。
「当初の目標設定通りティアラ路線の栄光に挑むのか・・・自身の適性に従いスプリンターとなるのか」
やはりオークスでの敗戦はルビーに多くの事を考えさせたらしい。
「・・・正直に申しますと、私自身どちらに進めば良いのか決めかねております。どちらが正しいのか、私には分からないのです」
ルビーが迷うのを初めて見た。
いつも持ち前の聡明さで最適な選択を行ってきたルビー。
だが、考えてみれば彼女も思春期の少女なのだ。
悩み、考え、また悩む。
ひょっとしたら無意識の内にルビーの心は完璧だと思い込んでいたのかもしれない。
「そうか。よく打ち明けてくれた。ありがとうな」
心は完璧ではない。
でも、だからこそ、美しいのだ。
「俺としてはルビーが決めた事なら止めはしない。だが、道を君は決めかねている。それなら俺は道を示してみたい」
ウマ娘の道を示し、照らす事もトレーナーの責務だ。
「うーん」
少し集中して考えてみる。
109 : トレーナー   2023/08/08 21:00:52 ID:IBkJvoZwCA
ティアラ路線は一族の輝きに相応しい。
スプリント路線はルビーを最大限輝かせる。
「正直に言うと、君に中距離より長いレースの適性は無い」
ルビーの耳がピクリと動いた。
「短い距離が一番向いているし、通用する」
だが安易にスプリント路線に進ませる訳ではない。
「けど、せっかくティアラ路線に乗り込んだんだ、せめてクラシック三冠くらいは駆け抜けてみよう」
それはつまり。
「秋華賞に出走するという事でしょうか」
「そうだ!もちろん、出るからには勝つための努力はしよう。でも、実際に一着になれるかは分からない。相手は手強い」
声に力を込める。
「目の前のレースに勝つ事も大切だ。だけど俺達はもっと先を見よう!」
立ち上がり、海を背にしてルビーに力説する。
「秋華賞での経験すら養分にして、スプリントの道に踏み込んでやるんだ!」

次に合宿所で行うトレーニングは>>110(スピード・スタミナ・根性・賢さのいずれか)
110 : トレぴっぴ   2023/08/08 21:02:33 ID:LbF2db902I
根性
111 : お姉ちゃん   2023/08/09 21:04:11 ID:39Z0x/uRyw
次の日、秋華賞に向けたトレーニングを開始した。
「これは・・・」
ルビーは巨大なタイヤを見上げて息を飲む。
「これを引っ張るんだ」
「おいおい、マジでブッ飛んでるぜオメー」
ゴールドシップには呆れられている、と言うより引かれている。
「安心してくれ。ちゃんとトレーニング用の器具だし、他のウマ娘もやってる」
スマホの画面を見せる。
昨年の動画が残っており、資料としてトレーナーなら誰でも見られるようになっている。
「確かに・・・このタイヤを使用しています」
一見すると無茶なトレーニングだが、不可能なレベルでは無い。
ほんの少しだけ限界を超えたトレーニングにより、根性を叩き上げる。
「秋華賞はトリプルティアラの最後の一冠。全員が一段と気合いを入れてくるだろう。ただでさえ難しい挑戦、根性は何よりも大事だ」
とは言え、精神論だけがこのメニューを行う根拠では無い。
タイヤを引くためのパワー、スピードを出すための足腰の強さも得られる。
「行け行けーっ!」
巨大タイヤをお腹にくくりつけたロープで引っ張る。
タイヤの上ではゴールドシップがメガホンを持って激励している。
「おらーっ!ルビー!オメーならぜってー出来るぞーっ!自分を信じて進み続けろーっ!」
「そうだ、ゴールドシップの言う通りだ!ルビー!君なら出来る!」
「はっ、ふっ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
数センチだがタイヤが動いた。
「その調子だ!根性だこんじょぉぉぉぉう!」
タイヤは止まる事無く動き続ける。
「はぁ、はぁ、かはっ」
「よく頑張ったな!ルビー!」
タオルを持ってルビーに駆け寄る。
タイヤの後ろには、何十メートルもの道が出来ていた。
ルビーの秘められた根性が作り出した努力の道だ。

帰りのバスでダイイチルビーの隣の席になったウマ娘は>>112
112 : 貴方   2023/08/09 22:15:04 ID:PCF3G29a/U
セイウンスカイ
113 : あなた   2023/08/10 21:05:27 ID:cjge9fP0pM
長いようで短かった夏合宿は終わりを迎えた。
クラシック期の夏、急激な成長を迎えたウマ娘達は秋のGIシーズンで激戦を繰り広げる事になる。
「バスの座席はくじ引きで決めるよ!さ、順番に引いていきな!」
ヒシアマゾンの呼びかけでウマ娘が列になる。
ダイイチルビーの番になった。
「B7です」
「ほな前から七番目の右の通路側やな」
指定された座席に座る。
隣の席は既に埋まっていた。
「お、ルビーさん。ここの席なんですね」
「はい」
セイウンスカイ、ルビーより年下ののんびり屋のウマ娘だ。
バスが出発すると、セイウンスカイがダイイチルビーに話しかけた。
「ルビーさん、毎晩何してたんです?」
「・・・何の事でしょう」
セイウンスカイはグイッと距離を詰める。
「またまた〜。毎晩海辺で逢い引きしてたじゃないですか〜。お相手は?」
セイウンスカイはにこやかにからかう。
「・・・トレーナーさんです」
セイウンスカイもこの返答は予想内だったようで、攻め続ける。
「どんなお話してたんです?」
ルビーは一瞬黙ったが、プレッシャーを放ちながら返した。
「・・・トレーナーさんのお好きな物の事、普段の生活、幼少期のエピソードなどをお話しいただきました」
「へ、へぇ」
セイウンスカイは急に声が小さくなった。
「・・・毎日夜に身の上話なんて・・・高等部はそこまで・・・」
それ以降、セイウンスカイは学園に到着するまで寝ていたようだった。

学園で行うトレーニングは>>114(スピード・スタミナ・パワー・賢さのいずれか)
114 : お姉さま   2023/08/10 21:06:58 ID:Z3tE6F3LaM
スピード
115 : トレーナー君   2023/08/11 21:47:27 ID:D518p4fadY
夏合宿は終わり、学園でのトレーニングが再開される。
秋に向けて仕上げていかなければならない。
「今日のトレーニングはフィットネスバイクを使う」
簡単に言うとランニングマシンのバイク版。
走る時と違う筋肉を使うので、まだまだ成長の余地がある。
ウィンウィンとペダルが回る。
「徐々に負荷を上げていくぞ」
ルビーの脚は同じ速度でペダルを回し続けている。
だが実際はさっきよりもキツくなっているはずだ。
「その調子だ。よし、そこまで!」
一度インターバルを挟む。
「ルビー、今度は全力で漕いでみよう。自分の限界まで最高速を維持するんだ」
「はい」
ルビーは嫌がる事も無くペダルを回し始める。
「この速度をキープだ!」
空気が切り裂かれるような感覚すら覚える。
やはりルビーの持ち味は末脚。
そしてこの末脚は短距離で最大限発揮出来る。
「・・・っ」
「お疲れ様」
限界までスピードを絞り出したルビーの末脚は確実に成長した。

現在のルビーの残り体力は>>116(1〜90%)
116 : マスター   2023/08/11 22:06:06 ID:uHVPQln0.k
16%
117 : トレーナー君   2023/08/12 22:25:40 ID:.Y5OO44jhw
「ルビー、明日と明後日は休みだ。疲れが溜まってるだろうからな」
「はい、休養に専念いたします」
合宿前からトレーニング続きでまとまった休みは無かった。
ルビーを休ませる事も重要だが、トレーナーである自分にも休息が必要だ。
せっかくの休み、普段は行かない場所に行ってみよう。
「映画館なんて本当に久しぶりだな」
どんな映画を見るか悩んでいると、声をかけられた。
「あら?トレーナーさん?」
振り返ってみると。
「あ、たづなさん。たづなさんも映画ですか?」
「はい!『200億の女~キケンな専業主婦~』を見に来たんです!」
たづなさんは今からワクワクしているように見える。
「俺、まだ見る映画決まってなかったんですよ。席が空いてるならその映画にしてみようかな」
自動券売機で席を探すと、たづなさんが買ったという席の右隣だけが空いていた。
「すごい偶然ですね!」
「ほんと、ギリギリで間に合って良かったです!あ、ポップコーン買ってきますね」
映画が始まった。
アクションシーンは迫力満点で、映画館に来た甲斐があったと強く思わせる。
途中、たづなさんがこちら側のポップコーンを夢中で食べるのも許せた。
映画にのめり込み過ぎて食べる暇が無かった。
「面白かったですね。まさかラストであんな事になるなんて」
「予想外でしたね!思わず声が出そうになっちゃったんですよ」
映画の感想を語り合っている内に、かなりの時間が過ぎていた。

トレーナーが次の日に行く場所は>>118
118 : トレーナーさま   2023/08/12 22:31:04 ID:VOby.CARBI
ハロンタワー(クリスマスイベントに登場したあの施設)
119 : 使い魔   2023/08/13 20:47:39 ID:C1DWIah5uY
たづなさんとの話が盛り上がり、気付けば夜になっていた。
「あ、もうこんな時間!早く帰ろうと思っていたのに・・・」
「あれ、たづなさんは明日出勤なんですか?」
「いえ、ハロンタワーで行われるキケシュフのイベントに朝から行こうと思っていたんです」
今日見た映画のイベントが街のシンボルであるハロンタワーで行われるらしい。
「良いですね、俺も行ってみたいです」
「本当ですか!是非明日一緒に行きましょう!」
次の日、たづなさんと一緒にハロンタワーに来た。
撮影に使用した衣装や小道具が展示されており、撮影秘話なども知る事が出来た。
「あ、撮影スポットがありますよ!」
「顔出しパネルですね」
スタッフにスマホを渡し、二人でパネルから顔を出す。
「はい、チーズ」
「ありがとうございます」
「この後もお楽しみ下さい」
写真をたづなさんに送り、食事を取り、展望台から景色も見た。
非常に充実した休日となった。

二日間の休暇で閃いたスキルは>>120(橙・青・赤・緑スキルの中から一つ)
120 : お前   2023/08/13 20:49:15 ID:lC1O5vnM9g
121 : トレーナー君   2023/08/13 22:09:30 ID:C1DWIah5uY
追記

具体的なスキルまで指定可能です
という訳で
二日間の休暇で閃いた青スキルは>>122
122 : 貴方   2023/08/13 22:27:27 ID:lC1O5vnM9g
コーナー回復○
123 : アネゴ   2023/08/14 20:56:07 ID:1jzi8XL.mI
休み明け、ルビーとのトレーニング。
ルビーの疲労も取れているようだ。
「一昨日たづなさんと映画を見たんだけどな、それがすごく面白かったんだよ!昨日はその映画の展示を見にハロンタワーまで一緒に行ったんだ。楽しかったよ」
「・・・そうですか」
何故かルビーの周りでトレーニングしていたウマ娘達がほぼ同時に膝を着いた。
怪訝に思いつつも、それぞれのトレーナーに対応は任せて話を続ける。
「その映画のアクションシーンがすごくてな、特に曲がる時にこう、こうやって動いてすごかったんだ!」
その時、ふと閃いた。
この動きはダイイチルビーのトレーニングに活かせるかもしれない!
「ルビー!今閃いた!コーナーで腕の振りを・・・」
脳裏に浮かんだ動きをアウトプットし、ルビーに実践してもらう。
「確かに、このフォームだとコーナーで必要以上に体力を消耗せずに済みそうです」
効果はあったらしい。
「これなら秋華賞の2000mも全力で走り切れるかもしれない・・・!」

秋華賞でのダイイチルビーの枠順は>>124(1〜18番)
124 : アナタ   2023/08/14 21:56:14 ID:i59ryakctE
10番
125 : トレーナー君   2023/08/15 21:01:08 ID:rFULP3NUm.
秋の京都。
トリプルティアラ最後の一冠。
桜花賞を制したダイイチルビー。
オークスを制したエアグルーヴ。
両方で好走したメジロドーベル。
それとも新たな宝石が輝くのか。
「ドーベル、緊張しすぎるなよ。私は全力のお前と戦いたい。もちろん、勝つのは私の方だがな」
「緊張は、あります。でも、負けません。緊張にも、先輩にも・・・っ!」
どちらかと言うとメジロドーベルは緊張を味方につけようとしている。
エアグルーヴも流石の貫禄だ。
「ダイイチルビー、今日は10番でのスタート。オークスでの敗戦も響き、六番人気です」
ルビーが中距離に適性を持たない事は多くの人にバレている。
それでもこのレースに挑むのは、短距離路線での糧にするため。
言い方は悪いが、秋華賞はルビーが栄光に手を伸ばすための踏み台だ。
「一番人気エアグルーヴは11番。二番人気のメジロドーベルは12番です」
「桜花賞を勝ったダイイチルビーも含めて、実力者が並びましたね」
ゲートインが完了し、空気が研ぎ澄まされていく。
ガコンッ!
「今、一斉にスタート!」
メジロドーベル、エアグルーヴは中団からのスタート。
ダイイチルビーは二人よりも前につけている。
「今回は前に出なかったか」
観客席でレースの動向を見守る。
この夏で全員が一段と強くなっている事が遠目にも分かった。
「順位がほとんど動かないままレースは中間に差し掛かります」
「3番、上がっていきます、掛かっているかもしれません。この上り坂で体力を使い過ぎないようにしたいですね」
上り坂が終わるとじきに下り坂が始まる。
例年のレース傾向を見ると、一着のウマ娘は大抵下り坂で仕掛け始める。
ルビーにも下り坂で仕掛けるように言っておいたが、後はその場の判断に任せるしかない。
「・・・コーナーでは脚を休める」

一着と二着との着差は>>127(大差は不可)
126 : アンタ   2023/08/15 21:16:26 ID:9C3SM3rKSY
4バ身
127 : 大将   2023/08/15 23:09:16 ID:hIuwxfSfB2
アタマ
128 : キミ   2023/08/16 20:54:32 ID:a/M4aZj2aw
第二コーナーに入ると同時、ダイイチルビーの動きが変わった。
「そうだ、ちゃんと出来てるぞ!」
コーナリングでの無駄が無くなり、体力消費が抑えられている。
「ここでエアグルーヴ飛び出した!集団からするすると抜け出していく!」
ルビーは追い抜かされても焦らなかった。
「先輩、今日は先輩よりも前に、先に!行きますから!」
ルビーのすぐ後ろでメジロドーベルが凄まじいプレッシャーを放つ。
「っ」
次の瞬間、メジロドーベルはルビーより前にいた。
「今回も譲らんぞ!」
やはりこの二人。
エアグルーヴが先頭に立ち、メジロドーベルだけが追う。
「ルビィィィィィィィッ!」
合わない距離適性、それでも今の全力を振り絞りダイイチルビーは上がっていく。
「最終コーナーを抜け、直線に入ります!先頭は11番エアグルーヴ!1バ身離れて12番メジロドーベル!」
どんどん差を縮めていくメジロドーベル。
ダイイチルビーは6番手か7番手。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「メジロドーベルとんでもない末脚だ!エアグルーヴ持ちこたえられるか!」
残り100m。
どちらが勝つのか全く読めない。
「勝つのはエアグルーヴか!メジロドーベルか!メジロドーベル!メジロドーベルわずかに抜け出した!メジロドーベル!メジロドーベル一着でゴールイン!」
アタマ差で激戦を制したのは。
「アタシが、、、勝った、、、」
メジロドーベル。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
大歓声が彼女を包み込む。
「ルビー、よく頑張ったな。このレースは必ず君の糧になる」
ダイイチルビーは五着。
掲示板入りを果たした。

ダイイチルビーの次走は>>129(クラシック級11月以降に行われる芝の短距離またはマイルのレース)
129 : 相棒   2023/08/16 21:17:05 ID:M6Fav13PaU
マイルチャンピオンシップ
130 : モルモット君   2023/08/17 20:52:57 ID:E7U6.ouZC.
「ルビー!」
地下バ場道でルビーを迎える。
「お疲れ様!」
「トレーナーさん・・・私は、私が今持っている全てをこのレースで出し切りました」
ルビーは疲労しているようだが、桜花賞やオークスの時ほどではない。
「難しい挑戦、それは分かっていました。それでも」
ルビーの表情は重い。
ただ、前を向いている。
「勝ちたかった・・・」
ルビーの頭に手を置き、静かに言葉を受け止める。
「ああ。次こそは勝とう」
短距離マイル路線はルビーが本来進みたかった道ではない。
それでもその道へ向かうのは、勝利という栄光があるからだ。
メジロドーベルが華やかなセンターの座で輝いていたウイニングライブが終わると、ホテルに戻った。
「ルビー、今日はゆっくり休んでくれ」
「はい。では」
パソコンで色々と調べ物をしていると、驚くべきニュースの見出しが目に入った。
「マイルチャンピオンシップにあのウマ娘が参戦表明!今年の勝者は決まりか!?」
ルビーが今後進む事になる短距離マイル路線。
つまりこのGIマイルチャンピオンシップを走る事にもなるかもしれないのだ。
「誰だ・・・?」
サムネイルではシルエットしか写っていなかった。
記事を開いてライバル候補を確かめる。

マイルチャンピオンシップに出走するウマ娘は>>132(芝、マイル適性Aのウマ娘)
131 : ダンナ   2023/08/17 20:58:23 ID:c4Q6.ltDB6
アグネスデジタル
132 : 使い魔   2023/08/17 23:01:56 ID:hh60N2DPhw
ゴールドシチー
133 : 貴様   2023/08/18 21:03:30 ID:1/P1VsDuXM
マイルチャンピオンシップに参戦を表明したのはゴールドシチーというウマ娘だった。
三冠路線では好走を見せ、マイルも得意としている。
また、モデルとしても活動しており、レースと両立させながらもどちらも妥協しない努力家だ。
「クラシック三冠には手が届きませんでした。でも、諦めません。どれだけ泥だらけになってでも、挑み続けます。欲しいのは好走じゃなくて一着ですから」
ゴールドシチーの言葉は取材陣向けに飾られていたが、本性は一切隠されていなかった。
とにかく、勝つ。
それはルビーがスプリンターに転向する理由とも共通する部分でもあった。
「もし、ルビーが望むなら・・・」
次の日、ダイイチルビーに自分の考えを伝えてみた。
「ルビー、マイルチャンピオンシップに出てみないか?」
「・・・どのようなお考えがあってそのように?」
マイルチャンピオンシップまで約一ヶ月、時間が無い。
ルビーは怒っているのかもしれない。
「え、えっと、ゴールドシチーが出走を表明したからだ」
ルビーはさらに怒っているように見えた。
「短距離マイル路線に行くなら必ず当たる相手。早めに戦っておく方が生で実力を知る事が出来て良いと思ったんだけど・・・」
ルビーは目を閉じ、少ししてから開けた。
134 : お兄さま   2023/08/18 21:03:42 ID:1/P1VsDuXM
「では、私もマイルチャンピオンシップに出走いたします」
「・・・良いのか?」
「元より、私は反対するつもりはありませんでした」
では怒っていると感じたのは気のせいだったのかもしれない。
次走まで時間が無い。
マイルレースに向けて仕上げていかなければならない。
「メジロドーベルさん、秋華賞勝利おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます。えっと、勝つ事が出来たのは、その、トレーナーのおかげ、です」
トリプルティアラについての特別番組にルビー達は出演していた。
人前で緊張しているのか、メジロドーベルの言葉は途切れ途切れになっている。
「ううっ、ドーベルぅ・・・」
「もうっ、トレーナー!」
感極まって泣き出したトレーナーを見てメジロドーベルは恥ずかしそうにしている。
次はダイイチルビーについての話題となる。

司会からダイイチルビーへの質問は>>135(レースに関連しない内容でも可)
135 : トレぴ   2023/08/18 21:44:37 ID:5iheNn3M8s
司会「ダイイチルビーさん。次走はマイルチャンピオンシップとの事ですが、意気込みを。」
136 : お兄さま   2023/08/19 20:46:55 ID:dJ8WhUhJ4Y
メジロドーベルの話題が一段落し、ダイイチルビーの話題に移った。
「ダイイチルビーさん。次走はマイルチャンピオンシップとの事ですが、意気込みを」
司会の質問に淡々と答えていく。
「はい。私はマイルチャンピオンシップを機に、スプリンターに完全転向いたします」
観覧の客やスタッフ、そしてスタジオセット上のトレーナーまでもがどよめく。
「お、驚きました。そうなると、ティアラ路線に進む多くのウマ娘が挑むエリザベス女王杯なども出走なさらないと言う事ですか?」
「はい、今後短距離とマイルのレースにしか出走いたしません」
さらなるざわめきをかき分けるかのようにルビーは言葉を続ける。
「次走への意気込みとの事でしたが、私から言える事はただ一つのみです」
場の全員がルビーに注目し、息を飲む。
「勝ちます」
トレーナーとして、この言葉が聞けただけで十分だった。
勝ちたいという気持ちがあるならば、勝たせる。
それがトレーナーの役目。
秋華賞までは叶えてやれなかったが、これからは絶対に勝たせる。
全身全霊をかけて。
「では、エアグルーヴさん。今後の・・・」
番組の収録が終わり、ついに京都から学園に帰る事が出来る。
時間は少ないが、やれる事はまだまだある。
少しでもルビーを強くして、勝利を実現する。

次に行うトレーニングは>>137(自由な形式)
137 : トレぴ   2023/08/20 00:34:54 ID:30KTFbNMLo
メンタル
138 : 使い魔   2023/08/20 20:46:36 ID:w1Na8jSWhw
ダイイチルビーはあまり疲れを長引かせなかった。
新しいコーナリングテクニックのおかげで体力消費が軽減され、メジロドーベルの眼光から発せられるプレッシャーも耐え切ったのだ。
「ルビー、今日のトレーニングはかなりハードになるぞ。覚悟しておいてくれ」
「はい・・・っ」
久しぶりのマイル戦、必要になるのは。
「メンタルだ」
「メンタル、ですか」
「そう、メンタル。今後は短い距離で駆け引きをしないといけない。そうなると必要なのは冷静に的確な判断をする能力だ。そのためにメンタルを鍛える」
その時、トレーナー室のドアが豪快に開け放たれた。
「ウェーイ!お嬢パリピってるー!?」
「Fuuuuuu!今日は一緒にエンジョイしマショウ!」
「な!な!ここに砂場作ろーぜ!」
表情こそほとんど変えなかったものの、明らかにルビーはげんなりした。
ルビーと関わりのあったダイタクヘリオス、タイキシャトル、ゴールドシップに来てもらった。
「ルビー、今日はこの三人と一緒に過ごしてもらう。そして全ての会話に入るんだ。ただし、無視したり適当に流したりしちゃダメだからな」
「じゃ早速行こ!」
ダイタクヘリオスはルビーの手をぐいぐい引っ張る。
「・・・どこにでしょうか」
「ルビー、これから行くのは遊園地だ。遊園地でこの三人と遊び回るのがトレーニングだ」
心を鬼にして、ルビーのメンタルを極限まで追い込む。
「Let's Go!」
タイキシャトルに強く掴まれてトレーナー室から旅立つ。
ルビーはダイタクヘリオスとゴールドシップに挟まれている。
「トレーナーさん、明日のトレーニング予定は白紙にしていただけませんか」
「・・・ああ。多分俺も動けなくなるからな」

遊園地でダイイチルビー達が遊ぶアトラクションは>>140(一般的な遊園地にあるアトラクション)
139 : 貴方   2023/08/20 21:14:09 ID:pw8T9IYEa2
フリーフォール
140 : 相棒   2023/08/20 21:53:34 ID:30KTFbNMLo
ジェットコースター
141 : トレーナーさん   2023/08/21 20:58:59 ID:wXqiSH9Iv.
「キャーーーーーーッ!?」
ジェットコースター、それは遊園地の目玉アトラクション。
高くそびえ立つレールと高速で走り去る絶叫を見上げて三人は目を輝かせる。
その三人にダイイチルビーは含まれていなかった。
「お嬢!乗ろ!」
「・・・はい」
ルビーはしぶしぶ受け入れる。
「行ってらっしゃい!」
「あん?オメー逃げようってのか?」
「このコースターは六人乗りデス!トレーナーさんも乗れマース!」
両脇をがっしり固められ、列に並ばされる。
ウマ娘のパワーに勝てる訳も無く、そのまま順番が来てしまった。
「トレーナーさん」
「ルビー、怖かったら無理せずに叫ぶんだ。その方が良い、らしい・・・」
ダイタクヘリオスとタイキシャトルの後ろ、ルビーの隣に座る。
背後でゴールドシップが見ず知らずのシングルライダーに美味しい肉の焼き方を教えている。
「それでは皆さん、いってらっしゃーい!」
カタカタカタとコースターが進み始める。
このコースターはやや小型な分、小回りが効くのが売りらしい。
上昇しながら少し横を見てみる。
ルビーはいつも通り凛とした表情をしている。
「う、う、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「「「Fuuuuuuuuuuuuuuuu!」」」
142 : トレーナーちゃん   2023/08/21 20:59:10 ID:wXqiSH9Iv.
猛スピードで落ちた。
さらに捻れるように横向きに回転し、視界が揺れる。
それからの事は覚えていない。
「た、助かった・・・」
汗でぐっしょり濡れた手はまだ震えている。
遅れて、右手の感触が左手と違う事に気付いた。
「トレーナーさん」
「わっ!?ご、ごめん!」
無意識の内にルビーの手を握ってしまっていたようだ。
汗で濡れた手でルビーを嫌な気持ちにさせてしまったかもしれない。
「お気になさらず」
ルビーは優しく答えた。
「いやマジ最&高&アゲ!もっかい乗ろーぜ!」
「そ、それはやめよう!」
その後はゆったりとしたアトラクションを優先的に乗っていった。
ルビーは常ににぎやかな三人のウマ娘に絡まれ大変そうだったが、トレーニングのためなので仕方無い。
「See you!」
「んじゃ、また三年後にな!」
「じゃねトレぽよ!」
四人と別れ、帰宅する。
「ウマ娘のパワーはやっぱりすごいな・・・」

次に行うトレーニングは>>143(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
143 : ダンナ   2023/08/21 21:18:19 ID:9Y9E5t/8jk
スタミナ
144 : トレーナーさま   2023/08/22 20:51:22 ID:vzp.0kXwxY
遊園地に行った翌日は全身が動かなかった。
その次の日になってやっとトレーニングが出来るくらいに回復した。
「ルビー、今日はプールでスタミナトレーニングをするぞ」
水着を着たルビーの顔にはまだ疑問の表情がある。
「次走はマイル戦ですが、スタミナトレーニングをするのですか」
「ああ。ルビーのスピードは既に一級品。スピードを活かすために心肺機能を強化するのが効果的だと思ったんだ」
ルビーは納得してくれたようだ。
「背泳ぎで肩周りも鍛えていこう。まずは10往復行こう」
「はい」
ルビーは美麗なフォームの背泳ぎですいすいと進む。
「よし、一分休んだらペースを上げて5往復だ」
相変わらずハードなトレーニングにも文句一つ言わない。
元から大人びた子だが、一昨日のメンタルトレーニングの効果もあったのかもしれない。
「お疲れ様。ストレッチをしたら終わりだ」
「はい。・・・トレーナーさん」
ルビーはプールから上がりながら言った。
「マイルチャンピオンシップを勝利したら・・・あの遊園地にもう一度行きませんか。・・・今度は、二人で」
ルビーがこんな事を言うのは珍しい。
よほど一昨日が楽しかったのか。
「ああ!良いぞ!ただし、ちゃんと勝てたら、な?ルビーなら問題無いかもしれないけど」
ルビーの口角がわずかに上がったように見えた。
「当然、勝利いたします」

マイルチャンピオンシップでのダイイチルビーの枠順は>>145(1〜18番)
145 : お前   2023/08/22 21:22:25 ID:2tQdypWcoY
7番
146 : トレーナー   2023/08/23 20:57:52 ID:qIAiYkfjl.
「素晴らしい快晴の京都レース場!今日このレースでマイル王者が決定します!」
ダイイチルビーがパドックに入場する。
歓声が彼女を包み込み、期待を乗せる。
ルビーの勝負服は燦然と輝き、記念すべき今日を彩る。
今日はルビーが完全なるスプリンターとなる日。
「ルビーさん、今日はよろしくお願いします」
「・・・はい、全力でお手合わせいたします」
「負ける気は無いんで」
ゴールドシチーはこのレースで一番人気だ。
ルビーは久しぶりのマイル戦で、ゴールドシチーはシニア級。
さらにGI宝塚記念も制している。
ルビーが二番人気になってしまうのは仕方ない。
だが、人気と着順はイコールではない。
ルビーならこの強敵もきっと倒せる。
「7番ダイイチルビー、ゲートに収まりました。そして最後に一番人気ゴールドシチーがゲートイン。今・・・スタートです!」
序盤から逃げるウマ娘が激しく先頭争いを繰り広げる。
ルビーとゴールドシチーは中団にいた。
「16番ゴールドシチー、外で待機していますね」
「終盤に向けて体力を温存しているようです」
ルビーは鍛えたスタミナを存分に使い、上がっていく。
中間地点辺りでルビーは9番手。
ここからすぐに仕掛けどころだ。
集団が固まっているまま、最終コーナーに突入する。

一着と二着のウマ娘の着差は>>147(大差は不可)
147 : お姉ちゃん   2023/08/23 21:12:07 ID:YitSsv6y9Q
2バ身
148 : 大将   2023/08/23 21:12:26 ID:rtcno5AgDk
2バ身半
149 : モルモット君   2023/08/24 21:01:04 ID:ZZ4OKyCXdo
ゴールドシチーはまだ動かない。
「・・・参ります」
ダイイチルビーの前にいた何人かのウマ娘が強大なプレッシャーを感じて速度を落とす。
入れ替わるようにルビーが一気に飛び出した。
最終コーナーでどんどん順位を上げていき、三番手につけている。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
後ろからゴールドシチーが猛追してくる。
最終直線、あっという間に残り200m。
ルビーは最高速度を維持し続けている。
鍛えたスタミナ、コーナリングの技術はちゃんと活きている。
「ゴールドシチー懸命に追い上げるが、届くのか!?依然先頭は7番ダイイチルビー!後ろから16番と1番!ダイイチルビー!強い強い!差が縮まらない!脚色は一切衰えない!」
「ルビィィィィィィィィィィィッ!」
大音量の歓声がルビーのゴールインを祝福する。
「圧倒的なレース!マイルで実力を出し切りました!ダイイチルビーが2バ身差で一着となりました!」
「二着のゴールドシチーも最後の追い上げはすごかったのですが、それ以上にダイイチルビーが強すぎましたね」
観客席で人目もはばからず飛び跳ねて喜ぶ。
急いでルビーの元へ向かう。
150 : トレ公   2023/08/24 21:01:20 ID:ZZ4OKyCXdo
「はぁ、はぁ、ルビーさん。おめでとうございます」
「・・・ありがとうございます」
ゴールドシチーは悔しそうだったが、賞賛の拍手をルビーに贈った。
「ルビー!」
「トレーナーさん」
芝の上をヒトの遅さで走る。
「おめでとう!君なら勝てると思ってた!」
ルビーは微かに笑った気がした。
「華麗なる一族にふさわしい勝利となったと思います」
「ああ!もちろんだよ!」
GI勝利自体は経験している。
だが、久しぶりの勝利はやはり事実以上に嬉しいものだ。
「おおおおおおおおおっ!」
ルビーが空に手を掲げると歓声が巻き起こった。
栄光あるマイル王のその姿は輝いていた。

ダイイチルビーが次に行うトレーニングで手助けする三女神は>>151(ダーレアラビアン・ゴドルフィンバルブ・バイアリータークのいずれか)
151 : 相棒   2023/08/24 21:35:30 ID:PSn2jmYydA
バイアリーターク
152 : トレ公   2023/08/25 20:57:33 ID:UhW2TpFIbE
京都から帰り、次の日は休養に当てた。
「今日は新しいトレーニングをやってみたいと思う」
マイル王となったルビーにはもう一段上のトレーニングをしてもらう。
「これだ」
大きな装置が2台並んでいる。
「VRウマレーター、デジタル空間内で普段出来ないようなトレーニングが出来る装置だ。肉体にも負荷がフィードバックされるから、現実でのトレーニングと同じ効果が得られるんだぞ。すごいな」
ルビーはまだ半信半疑の様子だ。
「安全だから大丈夫だよ。ほら」
安心させるため、先に入る。
「よく来たな」
いつの間にかトレーニングコースに立っていた。
声の主は。
「バイアリータークさん」
トレーニングをサポートするAI、三女神の一人であるバイアリーターク。
規律を重んじる厳しい指導者だが、その指導には深い愛を感じる。
「これは・・・」
「おっ、来たなルビー」
現実と変わらない自分の姿を興味深そうに観察している。
「まずはここについての説明から始める。しっかり聞いておけ」
「はい!」
「はい」
VRウマレーターについての説明を受けた後、実際にトレーニングをする事になった。
「現在のダイイチルビーの能力を分析し、適切なトレーニングを導き出した。参考にすると良い」
トレーナー顔負けの的確な分析。
どれも有効に思えるが、今日はこの中から一つ選んでトレーニングを行う事にしよう。

行うトレーニングは>>153(スピード・パワー・根性・賢さのいずれか)
153 : 相棒   2023/08/25 20:58:07 ID:wCzBwPOvd6
パワー
154 : トレーナー君   2023/08/26 22:26:31 ID:xiUBzgjPFM
「これにしよう」
提示されたトレーニング候補の中から選んだのは腹筋。
「腹筋で体幹を鍛えるんだ。体幹がしっかりして安定すれば、より上手く力を地面に伝えられるようになる」
「承知いたしました」
すると、体育館に瞬時に移動した。
「おお・・・」
バイアリータークに脚を押さえられ、ルビーは腹筋の力だけで起き上がる。
「お前の限界はそんなものか!」
ペースが落ち始めたルビーをバイアリータークが激励する。
「よし、そこでキープ!」
ルビーの額に汗が浮かぶ。
「っ」
耐え切れず、ルビーはバタリと後ろに倒れる。
「ルビー!大丈夫か!?」
「・・・はい、申し訳ありません」
頭を打たなかったようで安心した。
「己の限界には届かなかったようだな」
これまでのデータからルビーのおおよその限界値は把握しているらしい。
「では、少し環境を変えてみるか」
バイアリータークが瞬きすると同時、体育館から別の場所に移動した。
155 : モルモット君   2023/08/26 22:26:47 ID:xiUBzgjPFM
「うわっ!?」
崖だ。
底が見えないくらい深くまで続いている。
「まさか、ここで・・・」
「安心しろ、見た目だけだ」
ルビーは表情をほとんど変えないながらも、恐る恐る位置についているのが分かった。
「これなら限界を超えられるだろう」
「・・・でも、見た目だけって言っても良かったんですか?」
サポートAIは答えた。
「問題無い。分かっていても恐怖はそう簡単に拭えない・・・らしいからな」
バイアリータークにしては歯切れが悪かった。
しかし、すぐにルビーのトレーニングが再開されたため、違和感は心の中にしまった。
「キープ!」
上体を起こしたままキープさせる。
カウントを取っていく。
「29・・・30!よし!そこまで!」
無事にトレーニングを終え、力を抜く。
「ルビー、怖かっただろう?長めに休んでくれ」
「・・・いえ、この程度で臆しはしません」
ルビーの瞳は若干震えていた。
こうしてVRウマレーターを駆使したトレーニングをこなせた。

ダイイチルビーの次走は>>156(シニア級1月以降の芝の短距離またはマイルのレース)
156 : お兄ちゃん   2023/08/26 22:37:40 ID:EQSL6UANdM
高松宮記念
157 : アネゴ   2023/08/27 20:28:00 ID:AIQ7Xj6Yg.
「ルビー、次の目標は高松宮記念にしないか?」
次の日、ルビーに自分の考えを伝えてみる。
「マイルではかなり実力を示せたと思う。次は短距離でもルビーは強いって事を見せつけてやろう」
「分かりました。異論ありません」
高松宮記念は3月後半に行われる短距離レースだ。
シニア級のスプリンターが集結するGI。
時期的にも距離適性的にもルビーにぴったりだろう。
「今日からは短距離レースに向けたトレーニングを多くする。加速力と最高速度を極限まで高めるんだ」
「はい」
ルビーの末脚は誰にも負けないという自信はある。
だが、井の中の蛙とならないように実際に実力を示さなければ。
「他の出走者はまだほとんど決まっていない。今回は早めに出走表明して迎え撃とう」
「はい・・・!」
ルビーのやる気も十分、休養も適宜取っている。
万全の体制でトレーニング出来るだろう。

ルビーと一緒にトレーニングするウマ娘は>>159(未登場の、芝及び短距離適性が共にAのウマ娘)
158 : トレーナー君   2023/08/27 23:39:00 ID:WyORFJufJM
カレンチャン
159 : お兄さま   2023/08/27 23:39:21 ID:Fug6xfLwzc
ヒシアケボノ
160 : トレーナーさま   2023/08/28 20:52:38 ID:4huA8pzu06
「よーしっ!」
ドシンドシンという地響きが聞こえる。
「な、何だ!?」
音の方向に向かってみる。
コースの手前で、四股を踏むウマ娘がいた。
「確か君は・・・ヒシアケボノ」
「・・・?あ、ごめんね!ちょっとうるさかったかな?」
「いや、単に何の音か気になっただけだよ。どうして四股を?」
ヒシアケボノは大きな身体と優しい性格が特徴のウマ娘だ。
ダイイチルビーと同じく今年からシニア級となるが、スプリンターとしては先輩だ。
「こうやって四股を踏むとね、すっごく元気が出てくるんだよー!そうだ!一緒にやってみない?」
確かに、四股の動作はトレーニング前の準備運動にもなるかもしれない。
「良いな、ルビー、やってみないか?」
後ろにいたルビーに聞いてみる。
「・・・トレーナーさんがおっしゃるなら」
ヒシアケボノの前にルビーは位置取る。
その右隣に立った。
「まずは右脚から〜!」
脚を上げようとするが、あまり上まで上がらない。
隣のルビーを見てみると、見事に脚を上げていた。
「トレーナーさん、ルビーさんの方ばっかり見てちゃダメだよ〜」
ヒシアケボノに注意され、視線を前に戻した。
ダイイチルビーから強い圧を感じた気もした。
「ヒシアケボノ、せっかくだしこのまま一緒にトレーニングしないか?」
「良いの?うん!トレーナーさんにも聞いてくるね!」

ヒシアケボノと一緒に行うトレーニングは>>161(スピード・根性・賢さ・並走のいずれか)
161 : トレーナー君   2023/08/28 20:59:32 ID:qPmzGmL.sM
並走
162 : トレ公   2023/08/29 20:55:23 ID:BcuanmzVI2
「今日はよろしく頼むよ」
「こちらこそ」
ヒシアケボノのトレーナーと合流する。
「二人ともスプリンターなんだ、本番さながらの並走をしてみよう」
「はい」
「負けないよ〜!」
対決するのは芝の1200m。
コースの形状こそ違うが、高松宮記念と同じ距離だ。
ヒシアケボノのトレーナーがホイッスルを吹くと同時、二人が爆発的なスタートを切った。
先行するのはヒシアケボノ、ダイイチルビーはすぐ後ろにいる。
コーナーに入り、ルビーは華麗なコーナリングで体力消費を抑える。
コーナーが終わり、再び直線に入った。
「たぁぁぁぁぁっ!」
ヒシアケボノがスピードを上げる。
「彼女はな、残りスタミナを把握して完璧なタイミングでスパートを始められるんだよ」
隣にいるトレーナーが自信満々にそう言った。
「・・・まだ半分はあるぞ」
レース中間地点からのロングスパート。
ルビーとの差が広がっていく。
最終コーナーに突入した時には5バ身も開いていた。
「・・・逃がしません」
ルビーが速度を爆発的に上げる。
「・・・すごいプレッシャー。でも、負けないからね!」
ヒシアケボノが最終直線に入った。
差は2バ身だが、ここからがしぶとい。
「っ!」
じりじりと差を詰め、ついにルビーがヒシアケボノに並んだ。
「「どっちだ!?」」
どちらが先にゴールしたか分からなかった。
手元のストップウォッチも同じタイムを表示している。
念の為スマホで撮影していたが、映像を見返しても差が無い。
「ど、同着・・・?」
「ああ、そうみたいだ」

ダイイチルビーが食べたちゃんこの量は>>163(何杯か)
163 : キミ   2023/08/29 21:01:34 ID:GrHJH7qC3s
3杯
164 : あなた   2023/08/30 20:51:02 ID:llP8Q8VxCc
「いやー、同着なんて珍しいなー」
「ああ、短距離にはまだまだ強いウマ娘がいるって分かったよ」
合同トレーニング終了後、ルビーと共にヒシアケボノ達にちゃんこをご馳走してもらう事になった。
「はい!お待たせ〜!」
ルビーが完全に隠れてしまうくらい巨大な鍋が目の前に置かれた。
これを運べるパワーを持つのがウマ娘だ。
「好きなだけ食べてね、ルビーさん!」
「・・・ありがとうございます」
取り皿すら大きい。
「美味い!」
量はともかく、味は絶品だ。
「えへへ、ありがとう〜。あ、おかわりどうぞ〜!」
一杯目で既に満腹が近い。
「ボノ、俺もおかわり!」
「は〜い!」
ヒシアケボノとトレーナーはこれが日常なのだろうか。
「ルビーさんもおかわりだね!いっぱい食べてボーノボーノ!」
「ありがとうございます」
ルビーもウマ娘、並のヒトより多く食べるらしい。
その後も、己の限界を試しつつちゃんこを食べ続けた。
二杯目を食べ切るのでやっとだった。
「ごちそうさまでした」
ルビーもちょうど皿を空にしたようだ。
「ルビーさん、三杯だけで良いの?」
「・・・はい」
ルビーの小さな身体に三杯分も入った事に驚く。
「・・・体重管理には苦労しそうです」
「じゃあ残りはあたしが食べちゃうね!」
「ヒシアケボノの体重管理とか大丈夫なのか?」
「この子が幸せそうなら良いんだ。それに、食べた分だけ大きくなる。大きい方がボーノだろ?」
ウマ娘とトレーナーの関係にも色々あるという事を知れた。

有馬記念の出走者は>>165(未登場の長距離適性B以上のウマ娘)
165 : トレ公   2023/08/30 20:54:15 ID:mOCiRMFlhY
グラスワンダー
166 : トレーナーちゃん   2023/08/31 20:48:16 ID:ePDUe58DTs
年の終わり、レースの祭典の日。
ルビーと二人でトレーナー室のテレビを見ていた。
「一番人気グラスワンダー、中団で様子を窺っています」
激しい先頭争いが繰り広げられ、全体的にハイペースでレースが進む。
「先頭集団のペースが落ちてきましたよ」
「掛かってスタミナを使ってしまったようですね」
第三コーナーに突入する頃には先頭集団はまとめて垂れてきていた。
「おおっ!」
グラスワンダーがとんでもない速度で順位を上げている。
最終コーナー中に三番手まで上がっていた。
「なんて強さだ・・・」
「グラスワンダー!グラスワンダー!圧倒的だ!後ろとの差は全く縮まらないっ!これは決まったか!」
そのままグラスワンダーが先頭でゴールインした。
「グラスワンダー!今大差でゴールイン!」
「はは・・・とんでもないな・・・」
テレビ越しにでもそのオーラの強さが分かる。
「二着はタウンハングアウト。三着は・・・」
「トレーナーさん」
隣に座るダイイチルビーの赤い瞳が燃えている。
「今からトレーニングをしてもよろしいでしょうか」
この有馬記念の熱がルビーにも伝わっていたようだ。
「ああ!」
今年最後のトレーニングは非常に集中して行う事が出来た。
「・・・いつか相見える事になるかもしれません」

初詣で願う事は>>167(レースに関する事以外でも可)
167 : アナタ   2023/08/31 20:55:14 ID:r0mxi3N6WI
ルビーが怪我無く1年間、無事に過ごせますように。
168 : お姉ちゃん   2023/09/01 20:56:25 ID:/iTzY5T9uQ
「トレーナーさん、お待たせしました」
ルビーと寮の前で待ち合わせていた。
「おお・・・っ!似合ってるぞルビー」
黒い着物に身を包んだルビーが現れた。
ところどころに赤い模様が入っていてルビーによく似合っている。
「ありがとうございます」
「お嬢マジ神々しくね?ウチルビガミ様にお賽銭ぶっぱするわ」
「それはやめた方が良いんじゃないかな・・・」
後から、同じく着物を着たダイタクヘリオスとメジロパーマーがやって来た。
「二人も似合ってるよ」
「ありがと!あ、そうだ。あけましておめでとうございます」
「あけおめ!」
「あけましておめでとう」
今日は元旦。
これから初詣に向かうのだ。
「あれ、トレぴよはお嬢にあけおめったん?」
「ぴよ・・・?ああ、ルビーとは一緒に年を越したから、その時に」
「マ!?何でお嬢呼んでくれなかったん!」
「・・・年越しパーティーを行っていると聞いておりましたので。それに、トレーナーさんと・・・」
ルビーは何か言いかけて、途中でやめた。
そうこうしている内に、神社に到着した。
人混みの中でもルビー達は見失いようが無いくらい輝いて見える。
「二拍手一礼二拍手だっけ?」
「二礼二拍手一礼だよ・・・。それじゃ拍手で終わっちゃうって」
賽銭を投げ入れ、祈る。
「何お願いした系?」
「ああ、ルビーが怪我無く一年間、無事に過ごせますようにってお願いしたよ」
去年ルビーがそうしたように、今年はルビーのレースについては願わなかった。
レースでの栄誉は実力で掴み取る。
「おみくじか」
おみくじを見つけた。
幸い、人が少ないのですぐ引けそうだ。
「引いてみよっか」

おみくじで出たダイイチルビーの今年の運勢は>>169
169 : ダンナ   2023/09/01 21:14:36 ID:MH1BwutfIE
小吉
170 : 貴様   2023/09/02 20:53:16 ID:Quoc7mtpgY
「おっ、中吉!なかなか良い方じゃないか?」
調子に乗らなければ大きな成功を収められる、といった事が書いてあった。
「あー凶だー。ヘリオスはどうだった?」
「ウチはもち大吉!てか大吉以外出たコトねー!」
相変わらずダイタクヘリオスは天に味方されているらしい。
「ルビーはどうだ?」
「・・・小吉でした」
ルビーの引いたくじを覗き込んで読んでみる。
「健康の所は・・・お、心配無いって!良かったな!」
ルビーもどこか嬉しそうにくじを眺めている。
「お嬢のはーナニナニ・・・仕事問題アリ金銭は浪費ヤバめベンガクはアリよりのナシ、恋愛は焦らなければ上手く」
ルビーはそれ以上読まれないようにおみくじをしまった。
「このままカラオケ行かない?着物でカラオケなんてなかなか出来ないし!」
「ウェーイさすパマ!んじゃいっちょアゲっか!」
流れで一緒にカラオケに行く事になった。
去年もこんな事があったような気がする。
こうして、着物でカラオケに行き、正月から存分に楽しんだ。
出来るなら、来年も同じように皆で楽しめたら良いと思った。

ダイイチルビーが遊園地で食べる物は>>171
171 : 相棒   2023/09/02 20:57:02 ID:RtnOhrtaMc
BLTサンド(アドマイヤベガ監修)
172 : トレーナーさん   2023/09/03 22:26:21 ID:OTbkATjwvI
今日はルビーと遊園地に来ていた。
マイルチャンピオンシップに勝利したら二人でもう一度行こうと約束していたのだ。
やっと二人で出かけられる時間が出来たので来られた。
「ルビーがマイルチャンピオンシップを勝ったのはもう一か月以上も前かー。あっという間に時間が経ったな」
「はい、今日この日もきっとすぐに過ぎ去ってしまうのでしょう」
今日は前回とは違い、ルビーと二人。
ゆっくりのんびり楽しむのも良いかもしれない。
「そうだな・・・お、あれに乗らないか?」
「メリーゴーラウンド、ですか」
回転する犬やソリに乗るアトラクション。
シンプルだが、なんだかんだ言っても面白い。
「あちらにしませんか」
「あれに二人か?狭いような気がするけど・・・まぁ良いか」
ルビーが希望した犬に乗る事にした。
先に跨り、ルビーを引っ張って後ろに乗せる。
「それでは、いってらっしゃーい!」
回転と上下運動が始まった。
楽しげな音楽に心躍り、気付けば回転は終わっていた。
「うん、やっぱり面白いな」
メリーゴーラウンドの後は食事にした。
売店で売っていたBLTサンドを二人分買う。
「アドマイヤベガ監修・・・?でもこんな感じの子だっけ?」
楽しそうにポーズを取るアドマイヤベガの写真が売店に置かれていた。
「・・・彼女が楽しんでいらっしゃるなら問題は無いでしょう」

遊園地で閃いたスキルのヒントは>>174(橙スキルの一つ)
173 : ダンナ   2023/09/03 22:26:24 ID:OTbkATjwvI
珍しく挿絵

174 : トレーナー君   2023/09/03 22:28:21 ID:k7EJdtc62Y
アガッてきた!
175 : 大将   2023/09/04 20:54:01 ID:09YVx.L842
BLTサンドを食べながら次に何をするか決める。
「あむ、食後だし、あんまり動きが激しいのはやめた方が良いな」
「ではこのショーにしてはどうでしょう」
ルビーは園内のマップを広げて指さす。
近くのシアター内でショーが行われるらしい。
キャラクター達のバンドがロックを演奏するショーだ。
「そうだな。ここから近いし、行ってみよう」
暗いシアター内で着席する。
「ご来場の皆さん!ようこそ来て下さった!」
不気味だが明るいキャラクターが意気揚々と話し出した。
バンドメンバーを紹介した後、演奏が始まる。
「おお、結構本格的な演奏だな!」
手拍子しながらルビーは頷いた。
激しいロックでテンションが上がる。
「おおおおおおおっ!」
その時、ふと閃いた。
これはルビーのトレーニングに活かせるかもしれない!
「トレーナーさん?」
「あ、ああ」
ショーが終わり、観客がぞろぞろと退館していく。
「最後に何か乗るか?」
ルビーは首を横に振った。
「いえ、明日のトレーニングに備えて早めに帰りましょう」
「そうだな。それに・・・」
ルビーもきっとこう思っているだろう。
「勝ったらまた来られる」

次に行うトレーニングは>>176(スピード・パワー・根性・賢さのいずれか)
176 : マスター   2023/09/04 20:55:11 ID:798l2bXtWE
スピード
177 : お兄ちゃん   2023/09/05 20:52:04 ID:H4CnWaVm1k
「今年最初のトレーニングはこれだ」
ここは体育館。
ルビーに見せたのは原始的なトレーニング器具。
「・・・雑巾、ですか」
「そう、全力で雑巾がけをしてスピードを鍛える。とんでもなく効くぞ」
もちろんルビー用の雑巾は新品の清潔な物を用意した。
もしトレーニング中に汚れても新しい物と取り替えるつもりだ。
「スタート!」
体育館の端からルビーが発射される。
ウマ娘の脚力なら片道五秒程度。
だが負荷はちゃんとある。
「っ」
ルビーのスピードが落ちる。
「今日はトップスピードを上げるトレーニングだ。無理せず休んで良い。その代わり速度は落とさないようにな」
「はい・・・っ!」
ルビーが少し休憩している間雑巾を取り替える。
裏は汚れで黒くなっており、滑りが悪くなっていただろう。
ルビーは新しい雑巾で再び走り出す。
「さっきよりスピードが上がってるな。良いぞ!」
ペースアップしたルビーは光の速さでノルマを終えた。
「この走り、レースにも応用出来そうです」
「ああ、俺もそう思ってたんだ!」
高松宮記念が早くも楽しみだ。

高松宮記念でのダイイチルビーの枠順は>>178(1〜18番)
178 : トレぴ   2023/09/05 20:58:42 ID:28m/ps5wGo
10番
179 : 貴方   2023/09/06 20:58:32 ID:O2GxSLdO7U
その日入ってきたニュースは驚くべきものだった。
「ヒシアケボノが高松宮記念に出走・・・!?」
ヒシアケボノとそのトレーナーが映像に映っている。
「ヒシアケボノはスプリンター最強に相応しいウマ娘だと思っています。それを証明するために高松宮記念でスプリンター全員を倒します」
ざわざわと会場が騒がしくなったのが映像越しでも分かる。
「あたし、このレースで決着をつけたい人がいるんだ」
画面を飛び越えて視線がこちらに向いているように見えた。
「あたしが勝つからね」
普段は非常に温厚なヒシアケボノだが、このインタビューでは好戦的に見えた。
「ルビー!」
急いでルビーの元へ向かう。
「いた!ルビー!これ!」
「はい、今しがた耳に入りました」
ルビーと緊急ミーティングを行った。
ヒシアケボノが決着をつけたい相手とは、ほぼ確実にダイイチルビーの事だろう。
以前ルビーが彼女と並走を行った時、同着になったのだ。
「ヒシアケボノに狙いを絞って作戦を練ろう」
他の出走表明者と比べ、明らかに頭一つ抜けた実力だ。
ヒシアケボノを倒す事は一着になる事を意味するに等しい。
「高松宮記念はもう目の前だ」
こうして、レース当日に至る。

ダイイチルビーの作戦は>>180(差しまたは追込)
180 : ダンナ   2023/09/06 20:59:27 ID:8L7xdY35bU
差し
181 : トレーナーさん   2023/09/07 20:49:51 ID:TYs6rZM2hE
「今日もいつも通り差していこう」
ルビーに匹敵するレベルのスプリンター、ヒシアケボノ。
ここは落ち着いて、ルビーには普段と同じ作戦を取ってもらう。
気をてらってもヒシアケボノは動じないだろうと予測されるからだ。
「はい。では、行ってまいります」
「ああ、全力を出し切ってくれ!」
美しい勝負服姿のルビーの背中を見送る。
「10番ダイイチルビー、僅差で二番人気です」
そして一番人気は。
「ヒシアケボノは依然一番人気です。今日は枠順も1番。着順も1着に出来るのでしょうか!」
ゲートイン完了、空気が張り詰める。
1200mの電撃戦。
決着は一瞬だ。
「今、スタートしました!」
好スタートを切ったヒシアケボノが先頭に躍り出る。
ダイイチルビーは9番手、10番手辺りか。
「ヒシアケボノ、先頭は譲りません。後ろから16番、1バ身離れて11番、そのすぐ後ろ5番」
コーナーに入り、ルビーは息を整える。
やや外に移動し、スパートしやすくした。
「さぁ、1番ヒシアケボノが先頭のまま最終コーナーに入ります」
「ヒシアケボノはこのまま逃げ切れるでしょうか」
ヒシアケボノは本来先行策が得意なウマ娘。
展開上先頭に立ったが、スタミナ消費は多くなっているはず。
スタミナを十分に鍛えたルビーなら一気に追い抜ける。
「さぁ、まもなく最終直線です!」

一着と二着の着差は>>183(大差は不可)
182 : お前   2023/09/07 21:18:08 ID:qmSBQp/c4U
2 1/2バ身差
183 : あなた   2023/09/07 21:18:13 ID:asJmoxTcp2
ハナ差
184 : 使い魔   2023/09/08 20:53:47 ID:3oLKOI7Ro.
ルビーは最終直線直前で前のウマ娘をまとめて抜いた。
さらに速度を上げ、本格的なスパートに入る。
対するヒシアケボノは早めにスパートをかけていたので大きくリードして先頭にいる。
「トレーナーの話だと、残りスタミナを把握して完璧な位置でスパートを開始出来るんだったな」
となると、先頭に長く立ちつつもロングスパートが出来るだけのスタミナがあるのか?
「行けぇぇぇぇぇぇっ!ルビーッ!」
「決着をつけましょう」
最終直線、ルビーは強烈なプレッシャーを放って飛び出す。
前のウマ娘をどんどん抜いていき、あっという間に二番手。
だが、ヒシアケボノとの差はまだ4バ身もある。
「たぁぁぁぁぁぁっ!」
ヒシアケボノの大きな身体は力強く進む。
ダイイチルビーの小さな身体は鋭く迫る。
「もう少しだ!」
「残り100m!ダイイチルビーはもうすぐ後ろ!ヒシアケボノ逃げ切れるか!?」
ヒシアケボノの速度は落ちない。
スプリンターとは思えない、凄まじいスタミナだ。
だが、ルビーの方が最高速度は上だ。
「10番ダイイチルビー並んできた!並んだ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
決着がついた。
「勝ったのは」
空気が張り詰める。
「ヒシアケボノ!1番ヒシアケボノが一着!」
張り詰めた空気が一気に歓声に引き裂かれた。
「接戦を制したヒシアケボノ!大きく手を挙げて観客に振っています!」
ダイイチルビーは、ハナ差で二着。
「惜しかったな、ルビー」
観客席を飛び出し、急いでルビーの元へ向かった。

ウイニングライブで披露する曲は>>185
185 : トレーナーさん   2023/09/08 21:10:59 ID:kj8/cJSXTE
BLOW my GALE
186 : お姉ちゃん   2023/09/09 22:14:40 ID:zcZf5FlaBg
「・・・おめでとうございます」
「ありがと、ルビーさん!」
手を叩き、ヒシアケボノの勝利を祝福する。
ハナ差で負け、誰よりも悔しいはずなのに。
「次は負けません」
そう言ってターフを後にした。
「ルビー、お疲れ様」
地下バ場道でルビーを出迎える。
「トレーナーさん・・・」
ルビーが静かに近づいてきた。
「惜しかったな。でも良い走りだったよ」
俯いたルビーの肩は僅かに震えている気がした。
「・・・ありがとうございます。・・・少し、休んでもよろしいでしょうか」
「ああ。しっかり休もう」
ウイニングライブまで時間はある。
控え室で休ませる事にした。
マッサージをしてみるが、どこかを痛めた様子も無く、疲れも想定の範囲内だ。
となると、心理的な疲れ。
「ルビー、ライブは大丈夫そうか?」
「問題ありません。振り付けは入っています」
心の状態について聞きたかったのだが、本人が出るつもりならそれで良い。
「疾風れ!未来のなかへ 新しく吹く風のように今」
ウイニングライブではBLOW my GALEを披露した。
センターのヒシアケボノは風を受けて生き生きと舞っていた。
ダイイチルビーも流石のクオリティ。
プロ根性とでも言うのだろうか。
「大丈夫、ちゃんと糧になってる」
道は平坦ではない。
これまでもそうだったし、これからもきっとそうだ。
だが、それは望ましい事だ。
「何度も負けて、何度も立ち上がって強くなっていくから」

春のファン感謝祭でダイイチルビーが参加する競技は>>188
187 : トレ公   2023/09/09 22:24:21 ID:cCSGieqwZM
百人一首
188 : お姉ちゃん   2023/09/09 22:24:28 ID:FzbGXQHWb6
大穴ドーナツ争奪ドーナツ大食い選手権
189 : アナタ   2023/09/10 21:43:14 ID:XnQpS.Pbf6
高松宮記念から約一週間。
今日は春のファン感謝祭。
ルビーが参加する競技を見に行く。
「ドーナツ大食い選手権!参加者はこの四人でい!」
司会のウマ娘がそう言うと、参加者四人が登場した。
「洋菓子ならお手の物!エイシンフラッシュ!」
エイシンフラッシュが一礼し席に着いた。
「大食いでも鋭く差すか!グラスワンダー!」
「頑張りますね」
グラスワンダーは余裕の表情だ。
「大波乱を巻き起こせるか!ダイイチルビー!」
ルビーが登場した。
「ルビー!頑張れーっ!」
大きな声で声援を送る。
「そして大本命!去年の覇者オグリキャップ!」
「よろしく頼む」
オグリキャップがにんじん焼きを食べながら登場した。
「オグリはハンデとしてにんじん焼きを百本食べてもらったぜ!」
全くそう見えない。
「制限時間内に食べたドーナツの数で勝負!さぁ、祭りの始まりでい!」
スタートの合図と共に四人は積み上げられたドーナツを食べ始める。
上品に食べ進めるエイシンフラッシュ、グラスワンダー、ダイイチルビー。
放り込むようにドーナツを消していくオグリキャップ。
レベルが違い過ぎる。
「これ以上は・・・」
「おーっと、エイシンフラッシュはギブアップ!」
ルビーはペースを落としつつも食らいついている。
190 : お姉さま   2023/09/10 21:43:32 ID:XnQpS.Pbf6
「ルビー!頑張れ!君なら食べられる!」
栄養管理やトレーニングの事は一度忘れる。
今は目の前のルビーの勇姿に集中だ。
「そこまで!結果を発表するぜ!」
司会のウマ娘が苦笑いをした。
「一位はオグリキャップ!三千個!」
会場は盛り上がるというよりざわざわとしている。
「二位はグラスワンダー!三十二個!」
グラスワンダーは悔しそうだ。
「三位はダイイチルビー!二十五個!」
ルビーも苦しそうだ。
「よく頑張ったーっ!」
「残念ながら、途中でギブアップしたエイシンフラッシュの記録は十五個だったぜ」
エイシンフラッシュは遠い目をしている。
「優勝賞品は大穴ドーナツ三百個!」
「おお・・・!ありがとうイナリ!」
オグリキャップは喜んで受け取っていた。
「ルビー、お疲れ様」
「・・・不甲斐無い結果で終わってしまいました」
ルビーはお腹を擦りながら言った。
「良いんだ、流石に相手が悪い。それよりも、何でこの競技に出たんだ?」
気になっていた事を尋ねる。
「抽選で決定しました」
「ははは、そうか。仕方無いな」

ダイイチルビーの元を訪れたファンの人数は>>191(五人以上)
191 : アナタ   2023/09/10 21:44:55 ID:jALg3Il1JU
58人
192 : トレぴっぴ   2023/09/11 20:57:26 ID:0ZA8s.77Z.
お腹が大きくなったルビーを支えながら次の目的地へ向かう。
ファン交流イベントに参加するらしいのだ。
「あらまあ・・・」
時折すれ違う人に注目されたが、ファンを待たせてもいけないのでそのまま進んだ。
「ダイイチルビーさん、こちらです」
生徒に案内された場所でルビーは着席する。
「じゃあ俺はこれで」
「どこへ行かれるのですか?」
ルビーに引き止められる。
「トレーナーさんにもファンの方々への対応をしていただくつもりなのですが」
初耳だが、ルビーが言うなら仕方無い。
「あの、ダイイチルビーさん!桜花賞でファンになりました!」
「ありがとうございます」
ファンとの交流が始まった。
「レース後に、トレーナーさんに支えられているところがすごく印象的で!あの、お二人の信頼関係が分かるって言うか!」
確かに桜花賞後、ダイイチルビーは疲労困憊の状態だったので支えていた。
偶然にも今日も似たような状況になったが。
「トレーナーさんも、握手していただけませんか?」
「え、俺?・・・まぁ、俺で良ければ」
トレーナーに握手を求めるのは珍しい気がするが、気分は悪くない。
「さっきのドーナツの大食い見ました!かっこよかったです!」
ルビーは淡々と、だが丁寧に対応していく。
かなりの時間が経ち、ファンの行列がついに消化された。
「ふぅ、結構大変だったな。五十人くらいいたんじゃないか?」
「五十八名ですね」
ルビーはあまり多くを語るタイプではないが、ファンの事は一人一人ちゃんと見ているようだ。
「ファンの方々の応援に恥じぬレースをしなければ」
「ああ。頑張ろう」

ダイイチルビーが次に行うトレーニングは>>193(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
193 : トレーナー君   2023/09/11 21:10:54 ID:O0gfgAfMdY
賢さ
194 : 貴方   2023/09/12 20:49:36 ID:Bd0MHfkMbA
ファン感謝祭で応援されている事を実感し、気持ちを引き締め直す。
今度こそルビーを勝たせるためにも、ビシバシ鍛えなければ。
「今日はこの前の高松宮記念を細かく分析していくぞ」
ルビーに敗北を思い出させてしまうが、強くなるためには心を鬼にしなければ。
映像を見せながら解説していく。
「まず、ヒシアケボノが序盤から先頭に立った。結果的にこのまま逃げ切った事になるな」
ルビーはノートに綺麗な字で色々記していく。
「コーナーでも体力を温存出来ている。位置取りも調整して外に出ているのは良いな」
ヒシアケボノは早めにスパートを開始していた。
「ここだ。ヒシアケボノには予想以上にスタミナがあった。先頭に立ち続けても、早めにロングスパートを始めても、まだ余裕があるくらいに」
ルビーにだって中距離を全力で走り切るくらいのスタミナはある。
だが、ヒシアケボノほどのスタミナをつける必要は無いと考えていた。
「盲点でした。こんな戦法があるとは」
その後はルビーの末脚が発揮された。
一切妥協の無い、今出来る最善のスパート。
それでもハナ差を埋められなかった。
「今後は展開を柔軟に読む力が必要になるな」
シニア級の相手は経験豊富。
レース展開を読み、自分の方に流れを持ってこなければ勝つのは難しい。
「ルビー、これからは実戦練習を増やしていこう」
「はい。望む所です」
ルビーはまだ見ぬ次のレースに向け、瞳に炎を宿した。

ダイイチルビーの次走は>>195(シニア級5月以降の芝の短距離またはマイルのレース)
195 : アネゴ   2023/09/12 20:51:26 ID:qPstyoDvlc
京王杯スプリングカップ
196 : トレぴ   2023/09/13 21:01:06 ID:dAOL4zNt.E
次の日、ルビーはトレーナー室に入るや否やこう切り出した。
「トレーナーさん、次走は京王杯スプリングカップにいたしませんか」
京王杯スプリングカップ、1400mの短距離GII。
「ルビー、どうして京王杯スプリングカップにしようと思ったんだ」
適性的には問題は無い。
ただ、開催は五月の前半。
今から一ヶ月程度しか無い。
「出来るだけ多く経験を積むためです。レース間隔を狭め、出走数を増やします」
「確かに実戦練習を増やそうとは言ったけど、レースまで増やすのか?」
レースを増やせば経験は積める。
だが身体に負担がかかり、怪我のリスクもある。
「私は驕っていました。トレーナーさんは私をいつも肯定してくださる。トレーナーさんに甘え、満足してしまっていた。それが先のレースでの敗因だったと考えます。ですので、甘えを捨て去りたいのです。強くなるために。一族の名に恥じぬ輝きを放つため」
ルビーを肯定し、労るのは当然だ。
トレーニングで手を抜いたつもりも無いし、むしろ厳しくしている。
197 : 大将   2023/09/13 21:01:23 ID:dAOL4zNt.E
でも、それで足りていたのか。
心のどこかで、ルビーに遠慮していたのではないか。
トレーナーとして、最善の選択が出来ていたのだろうか。
「・・・君の考えは分かった。たくさんレースを走れば強くなる。それは間違い無いだろう。だけど」
喉から本音を絞り出す。
「君の身体の方が大事だ」
ルビーの瞳が揺れた気がした。
「短い間隔ではレースに出さない。それ以外の方法で強くなろう」
「ですが」
ルビーの言葉を遮り、考えを伝え続ける。
「京王杯スプリングカップには出よう。ただし、これが終わったら秋までレースは無しだ。良いか?」
五月から秋までたっぷり時間を取る。
「・・・分かりました。焦ってしまい申し訳ありません」
ファン感謝祭などで元気に見えたルビーの内には、敗北がこびり付いていたのかもしれない。

京王杯スプリングカップでのダイイチルビーの枠順は>>198(1〜18番)
198 : マスター   2023/09/13 21:07:56 ID:KwreINcja.
9番
199 : 貴様   2023/09/14 21:47:12 ID:p.7gJTLANI
京王杯スプリングカップ。
ルビーが走るこの春のレースはこれが最後。
実戦で経験を積みたいルビーはこのレースを無駄には出来ない。
「一番人気9番ダイイチルビー。好スタートを切りました」
内に寄り、七番手につける。
真ん中よりやや前だ。
「いつもとはちょっと違う展開だな」
1400mのレースで、前走よりは少し長いが、マイルも得意なルビーなら問題無いだろう。
コーナーが終われば、東京レース場ならではの長い直線。
ルビーの末脚を長く発揮出来る。
「ダイイチルビー!上がっていく!」
最終直線前、一気に前を追い抜く。
後は競り合いながら逃げるウマ娘が二人。
最終直線突入時点で先頭との差は約2バ身半。
「勝てるっ!」
ルビーの勝利を確信する。
長い直線、ルビーの末脚なら必ず相手を捕まえられる。
「ダイイチルビー!凄まじい追い上げ!残り400m地点で既に並んだ!」
「「ああああああああっ!」」
叫びも虚しく、逃げる二人は失速していく。
いや、厳密には失速していなかった。
ルビーが速すぎて相対的に失速して見えたのだ。
「ダイイチルビー!強い!強すぎる!脚色は全く衰えない!」
完勝だった。
着差は7バ身。
レコードには僅かに届かなかったが、かなりの好タイムだ。
ルビーは観客席に向かい、宣言する。
「次のレースでも、必ず勝利します」
圧倒的なオーラに、観客は沸いた。

合宿所に向かうバスでダイイチルビーの隣になったウマ娘は>>200
200 : アネゴ   2023/09/14 21:48:52 ID:ZEhM51bHTo
カレンチャン
201 : 貴様   2023/09/15 20:58:02 ID:Ac/IfP3DJ.
時はあっという間に流れ、七月。
五月、六月は並走や模擬レース中心のトレーニングを行ったが、ルビーは一度も負けなかった。
ただし、ヒシアケボノなどの、これまで敗れた相手とは都合が合わず対決出来なかった。
「いや、むしろその方が良かったのかも。決着は、大舞台で」
かつてヒシアケボノは似たような事を言っていた。
ルビーと決着をつけると。
「大丈夫。勝負は一度きりじゃない。次は勝てるはずだ」
「確かあの時は・・・」
「もっとストライドを・・・」
トレーナー達が乗る、合宿所行きのバスは独り言に満ちていた。
「ルビーさん♡右手でハート作ってもらえます?」
「お断りします」
ダイイチルビーもバスに乗っていた。
隣、窓側の席に座るのはカレンチャン。
インフルエンサーとしても有名な、カワイイを極めんとするスプリンターウマ娘。
「えー、せっかく隣の席になったんですから、記念に撮りましょうよー♡」
ルビーはカレンチャンの押しにも動かない。
「まぁ、無理強いはカワイくないですし・・・これからのお楽しみにしておきますね?」
バスが合宿所に到着する。
「お、ルビーはカレンチャンとも友達なのか。結構交友関係が広いんだな」
バスから降りてきたルビーのすぐ後ろをカレンチャンがついていく。
「・・・私に何か用がおありですか?」
「ルビーさんとお話するのが用ですよ。この前のレースとってもカワイくて、かっこよかったから。お近づきになりたいなーって」
何を話しているのか、まだ車内にいるこちらには分からない。
だが、カレンチャンの表情は普段メディアに向けているものと違っているように見えた。

夏合宿でダイイチルビーが行うトレーニングは>>202(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
202 : トレ公   2023/09/15 21:20:56 ID:m9YCitF5QY
スピード
203 : あなた   2023/09/16 22:16:20 ID:cDfJwk6QOU
「ルビー、今日は砂浜でランニングだ」
到着翌日、環境にも慣れ始めたところでトレーニングを開始する。
砂の上を走れば足腰を鍛えられる。
「はい」
「はーい♡」
何故かカレンチャンもいた。
「君は何故ここに?」
確か去年も同じような事があった気がする。
「カレン、この秋から本格的にGIを獲りに行くんです。だから、GIウマ娘のルビーさんから色々吸収したいなって」
カレンチャンは現在クラシック級。
秋からは短距離GIに出られるようになる。
「まぁ、ルビーさえ良ければ俺は良いぞ」
「・・・邪魔さえなさらなければ」
カレンチャンは嬉しそうに柔軟体操を始める。
「スタート!」
全速力で砂浜を駆け抜ける二人。
ルビーは芝の上で走っているのかと思ってしまうほど速い。
カレンチャンは、シニア級のルビーには流石に及ばないが、かなり食らいついている方だ。
「はぁっ、はぁ・・・これも、カワイイのため・・・っ!」
「折り返す時は一旦止まる!もう一回ゼロから加速して最高速まで持っていくんだ!」
シャトルランを砂浜でやればさぞ大変だろう。
だが、甘くしてはいけない。
ルビーが強くなるためには、悔しい思いをさせないためには厳しさが必要だ。
「最後、出し切れ!」
「・・・っ!」
「たあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
夏の日差しが真上から照りつける砂の上に、水着を来た二人が転がる。
ルビーが人目を気にせずこのような姿を見せるのはめったに無い。
取り繕う余裕が無くなるほど追い込み、素のルビーを引き出せたのかもしれない。
「は、は、はぁっ。ルビーさん。いつもこんな厳しいメニューをやってるんです?」
「・・・いえ。本日は特に、厳しいです」
疲れている二人のために、何か食べ物を買ってきてあげよう。

ダイイチルビーとカレンチャンのために買ってきた食べ物は>>205(合宿所周辺で買えそうな、持ち運び可能な食べ物)
204 : キミ   2023/09/16 22:29:52 ID:j5M1ovhR12
タコス
205 : トレーナー君   2023/09/16 22:30:01 ID:YNkwrw27VI
カロリーメイト・ゼリータイプ(アップル味)
206 : 相棒   2023/09/17 21:05:10 ID:fYkA8GbTYM
「二人共、これで栄養補給してくれ」
買ってきたのはゼリータイプの栄養補助食品。
手早くミネラルやビタミンなどを補給出来るため、非常に有用だ。
「ありがとうございます」
「ありがとうございまーす!」
ゼリーを一心不乱に吸う二人。
現在の時刻は午前十時過ぎ。
一休みしたら、また昼まで頑張ってもらおう。
「もう少し休んだら再開しよう。次は水で濡れてる部分を走るぞ」
「はーい」
キツいメニューだが、カレンチャンは弱音を吐かない。
「スタート!」
休憩は終わり、トレーニングが再開される。
「砂に負けるな!回転数を落とすとどんどん砂に沈むぞ!」
濡れた砂は乾いている部分よりも粘度があり、よりパワーが必要になる。
「ラスト一本だ!」
ハードなメニューを完遂し、ダイイチルビーとカレンチャンは疲れ切っている。
「カレンをマッサージしてほしいな♡」
「では、私が」
疲れているはずのルビーがカレンチャンのマッサージを始める。
後輩に優しくする姿に感動を覚えた。
「ルビーさん、ちょっと強くしてません?」
「いえ」

カレンチャンのトレーナーの性別は>>207(男性または女性)
207 : トレピッピ   2023/09/17 21:08:27 ID:v9aPt.NiH.
女性
208 : トレーナーさん   2023/09/18 20:59:35 ID:I1MEaW5A0s
「カレン、調子はどう?」
水着を着たトレーナーがやって来た。
「あ、お姉ちゃん!」
ヒトなので血縁関係は無さそうだが、親しみを込めた呼び名という事なのだろう。
マッサージを終えたカレンチャンはトレーナーの腕にくっつく。
「ルビーさん達の練習、とってもハードだったの。でもちゃんと出来たよ」
「そう、頑張ったのね。トレーナーさん、カレンがお世話になりました」
こちらに頭を下げてくる。
年齢は自分とほとんど同じに見えるが、所謂大人の魅力に満ちている。
「いえいえ。それにしても、クラシック級とは思えないくらい速いですね」
カレンチャンがこれから挑む短距離GI戦線は目が離せないものになりそうだ。
「そうだ、せっかくなのでお昼ご一緒にどうですか?カレンのトレーニングを見てもらったので、お礼に奢りますね」
「では、お言葉に甘えて」
合宿所の近くには海の家がある。
一般客だけでなくトレセン学園の関係者もよく利用している。
209 : アネゴ   2023/09/18 20:59:44 ID:I1MEaW5A0s
「いただきます」
ルビーは焼きそばを小さな口で食べ始める。
「お姉ちゃん、午前中はゆっくり休めた?」
「ええ。おかげさまでね」
そう言えば、カレンチャンのトレーナーは担当を置いてどこに行っていたのだろう。
「午前中、何をなさってたんですか?」
「あぁ、最近オーバーワーク気味で。カレンが休め休めと言うものですから海で半日のんびりさせてもらう事にしたんです」
この様子だと、カレンチャンの計らいは大成功だったらしい。
「分かります!担当のためって思うと、つい頑張りすぎちゃうんですよね!」
「そうそう。やっぱりトレーナーの職業病みたいなものなんですね」
和やかな会話の後、カレンチャンとトレーナーは合宿所に戻っていった。
これから座学を行うらしい。
「ルビー、午後はトレーニング無しだから、友達と遊んでくると良いよ。あ、でも疲れてあんまり遊べないか?」
「・・・トレーナーさんはこれから何をなさるおつもりで?」
そう言えば、自分の方は何をするか全く決めていなかった。
「うーん、レースデータの見直しでもやろうかな」
「・・・職業病ですね」
ルビーの声が小さく、何を言ったか聞き取れなかった。
聞き返そうとする前に、ルビーが言葉を続けた。
「では、少々お付き合いいただけませんか」

ダイイチルビーと共に訪れた場所は>>210(施設や観光スポットなど)
210 : ダンナ   2023/09/18 21:02:53 ID:NFaysf7y8g
温泉
211 : 貴様   2023/09/19 21:56:16 ID:lisdAwuLfY
「ここは・・・温泉?」
「はい。以前クラスメイトに教えていただきました。日帰りで温泉にのみ入る事も可能なので、トレーナーさんに疲れを少しでも取っていただければと思います」
ルビーに気を遣わせてしまったようだ。
「そうか、気遣いありがとう」
温泉に浸かって疲れを取り、ルビーを万全の状態で指導する事にしよう。
「夏は身体を冷やしてしまいがちだからな、こうして温まる事も大事だ」
料金を払おうとすると、ルビーに止められた。
「支払いは私が」
「いや、でも!」
ルビーは聞かずに黒いカードをスタッフに差し出した。
「ごゆっくりどうぞ」
結局ルビーに払わせてしまった。
「いつもトレーナーさんに払っていただいています。せめて今だけは払わせて下さい」
この感じだと、黒いカードの支払いもルビー本人が行っているのだろう。
「はぁ・・・」
時期や時間帯のせいか、自分達以外に利用客はいないらしい。
貸切状態なので、人目も気にせずのんびり出来た。
「ルビー、今日はありがとうな」
壁越しにルビーにお礼を言う。
「いえ、普段トレーナーさんにしていただく事に比べれば大した事ではありません」
入浴後、コーヒー牛乳を買う。
「これくらいは買うよ」
ルビーの分の瓶を渡す。
小さな両手で瓶を支えながら上品に飲んでいく。
「・・・美味しいです」
「そうか、良かった。もしかして初めてか?」
「はい。コーヒーにミルクを入れたものとはまた違った味わいです」
ルビーのおかげで心身共に癒す事が出来たのだった。

模擬レースを行う距離は>>212(1000m〜1800m)
212 : トレピッピ   2023/09/19 21:57:26 ID:SnyZdYfWdU
1200m
213 : 相棒   2023/09/20 21:01:37 ID:ryp06vfojg
次の日、ルビーと共にトレーニングコースに向かう。
都心から離れた合宿所とは言え、トレセン学園の施設。
ちゃんとしたコースが整備されていて、学園と同様のトレーニングも可能だ。
「今日もよろしくお願いします」
カレンチャンのトレーナーは昨日と違い、仕事用といった感じの服装をしている。
「こちらこそ」
カレンチャンのトレーナーと合同トレーニングをしようという話をしている時に、他のトレーナーも話に加わった末、模擬レースをする事になった。
「カレン、頑張ってね」
「ルビー!君なら勝てるぞ!」
二人はプレッシャーを放ちながらスタート地点に向かう。
「ルビーさん、いくらカレンがカワイくても手加減しちゃダメですよ?」
「ご心配無く」
この模擬レースにはスプリンターだけが集められている。
「芝1200m、左回り。あのコーナーの手前までですね」
「はい、直線が長いので後方有利になりそうです」
スタートと共に、10人のウマ娘が飛び出す。
揃ったスタートになった。
カレンチャンは四番手につける。
ルビーは最後尾になってしまったが、狙っての事だろう。
「みーんな!カレンに夢中になっちゃえ!」

模擬レースでの、ダイイチルビーの着順は>>214(1着〜3着)
214 : 使い魔   2023/09/20 21:03:51 ID:KZhnb5Ewgg
1着
215 : トレーナーさま   2023/09/21 20:53:00 ID:ZTykW2Sfdk
カレンチャンがぐんぐん上がる。
この力強い加速は表面だけのカワイさだけを求めた者の脚では実現不可能だろう。
「カレンちゃん!させない・・・っ!」
カレンチャンを追うため、全体的にペースを上げる。
ルビーは元から最後尾なので全体の様子を冷静に把握出来ていた。
「これは罠。今追えばスタミナを浪費し、互いがブロックし合う」
ルビーの読み通り、最終直線ではバテたウマ娘達が一つの塊になっており、抜け出せないでいた。
カレンチャンにかく乱され、実力を出し切れなかったのだ。
だが、ルビーは違う。
垂れてきた一団をまとめて抜き去り、カレンチャンに迫る。
「・・・あは、流石ルビーさんっ!」
残り200m。
カレンチャンは更に加速する。
ルビーは1バ身離れて追う。
「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ふっ・・・!」
残り100mで、ルビーがついに並んだ。
しかしカレンチャンも粘っている。
「ルビィィィィィィィィィィッ!」
ゴール付近でタイムを計測していたトレーナーが叫ぶ。
「一着は・・・ダイイチルビー!」
およそ1バ身半差での勝利。
カレンチャンはクラシック級とは思えないほど速かったが、やはりルビーの末脚が勝った。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ルビーは息を整えながらこちらを見る。
「よくやったーっ!」
大声でルビーを労う。
「あー負けちゃったー」
カレンチャンは悔しそうだが、嫌な感情は全く見えなかった。
むしろ、強い相手との激闘に喜びを感じているように見えた。
「貴方も、速かった。少しでも気を抜けばこちらが押し潰されてしまったでしょう」
「押し潰すって言い方、あんまりカワイくないですよぅ・・・」
ダイイチルビーだけでなく、カレンチャンにとっても実りのある模擬レースになった。

夏祭りに同行するウマ娘は>>216>>217(それぞれ一人ずつ)
216 : トレーナーちゃん   2023/09/21 21:12:25 ID:3OT853U7r2
ダイタクヘリオス
217 : トレーナーちゃん   2023/09/22 00:00:19 ID:Q8Xx/VLiJA
メジロドーベル
218 : トレピッピ   2023/09/22 21:01:46 ID:MrwFcCE.i6
今年の夏祭りは今日の夜行われる。
去年と同じようにルビーと一緒に行く事になったが。
「ウェイウェーイ!アゲてこーぜ!フェスれ!騒げ!」
去年ルビーと一緒に回れなかったダイタクヘリオスがテンションをブチアゲていた。
若干やかましさは感じるが、楽しんでくれているならこちらも楽しくなる。
「・・・ヘリオスさん、あまり周りに迷惑をかけないように」
屋台で買ったりんご飴を食べている間、ダイタクヘリオスは少し静かになった。
「あ、ここにもいない・・・。もう」
行き交う人々の中で、辺りをキョロキョロと見回すウマ娘がいた。
「ドーベルさん」
メジロドーベル、ルビーとティアラ路線で激闘を繰り広げたウマ娘だ。
何を探しているのだろう。
「あ、ルビーさん・・・。その、トレーナーとはぐれちゃって。連絡しても返事も無くて・・・」
不安そうなメジロドーベル。
「一度人の少ない場所に移動しよう。あそこの高い所に行こうか」
「行きましょう」
ルビーはメジロドーベルの手を取り、ダイタクヘリオスがその後ろを行く。
「今祭りに来てるダチ全員に捜索要請したんで、心配無用の助!すぐ見つかるっしょ!」
「あ、ありがとうございます」

メジロドーベルのトレーナーが見つかるまでにかかった時間は>>219(10分〜2時間)
219 : あなた   2023/09/22 21:02:38 ID:Q8Xx/VLiJA
45分
220 : アンタ   2023/09/23 21:11:31 ID:ndU7b5PpM.
「待っているだけじゃ暇だろう?近くに射的の屋台があるからやってくると良いよ。俺がここで待つから」
「じゃ、じゃあ・・・そうする」
三人分の料金をルビーに渡し、少し高い場所のベンチから祭り全体を眺める。
人で溢れ、活気に満ちたこの祭り。
少し遠く、会場の中心に大きなやぐらが見えた。
「あっちの方はまだ行ってないな。後で言ってみるか」
「あ、トレーナーさん!」
浴衣を着たたづなさんに出会った。
祭りの日でも帽子は被っている。
「浴衣似合っていますね」
「ふふっ、ありがとうございます。トレーナーさんも一人でいらっしゃったんですか?」
たづなさんは隣に座りながら聞く。
「いえ、ダイイチルビーとダイタクヘリオスと一緒に。途中でトレーナーとはぐれたメジロドーベルも合流したので、俺はここで彼女のトレーナーを待っているんですよ」
「そうでしたか。では、私もここで一緒に待たせて下さい」
確かに一人で待つのは暇かもしれない。
「ありがとうございます。是非話し相手になって下さい」
しばらくたづなさんと話をしていると、ダイタクヘリオスが戻ってきた。
「マ!?浴衣たづなさん鬼かわすぎん!」
たづなさんは嬉しそうに会釈した。
「あ、そだ。これ射的で取れたヤツな!持っといて!」
渡されたのは大きめのぱかプチ。
「おお、ちゃんと取れたんだな。あ、これ追加分。射的以外も色々やると良いよ」
追加でお金を渡す。
ダイタクヘリオスは一瞬戸惑いつつも、お金を受け取って祭りの喧騒に戻っていった。
「あ、ここに」
メジロドーベルのトレーナーが合流するまでの45分、たづなさんのおかげで全く退屈しなかった。

トレセン音頭のセンターで歌うウマ娘は>>221(ダイイチルビー、ダイタクヘリオス、メジロドーベル以外のウマ娘)
221 : アネゴ   2023/09/23 21:42:31 ID:N2ShIEanBk
スペシャルウィーク
222 : トレーナーちゃん   2023/09/24 00:06:20 ID:K9pNudkWPc
>>910
🎀「香港マイルですね!」
リガン「ドバイワールドカップだ」
3分後...
🎀(もう思い浮かばなくなりましたな...)
リガン(主要な国際G1は出尽くした...もう厳しいな...)
223 : アンタ   2023/09/24 00:07:05 ID:K9pNudkWPc
>>222
スレミスった、すまない
224 : あなた   2023/09/24 22:23:09 ID:qDl/bv6b3s
「いやー、ごめんなドーベル。人混みで財布をスられたからソイツを追いかけてたんだ。その途中スマホを落としたから連絡も出来なくて。せめて君に何か伝えてから追うべきだった。本当にすまない!」
ダイイチルビー、ダイタクヘリオス、そしてメジロドーベルと合流した。
「ううん、別に、良い。それよりもお財布とスマホは?」
「ああ、スリは捕まえたし、スマホも何とか見つけたよ。犬が咥えて持って行った時は焦ったなぁ」
メジロドーベルのトレーナーはこの短い時間の中で大冒険を繰り広げていたらしい。
「一件落着だな。そうだ、あっちで何かやるみたいだから行ってみないか」
「これから始まるのはトレセン音頭ですよ。今年は中等部の皆さんが踊りを披露されるそうです」
たづなさんに教えてもらう。
高等部のウマ娘ばかりいたので音頭の情報が入りにくかったのかもしれない。
「さあみんな はっじまるよー わんつーさんはいっ」
スペシャルウィークの号令で楽しげな曲が始まった。
「どどどどどーすんの どーーすんの??」
エルコンドルパサーがやぐらから華麗に飛び降りた。
ツルマルツヨシとグラスワンダーが大きなうちわは持っている。
「来年はルビーもやってみるか?」
「いえ」
やや食い気味に拒否された。
ルビーが参加すれば必ず良いものになるし、全力でやり切ってくれると思ったのだが。
「貴方に見せたいのは、私がセンターにいるウイニングライブです」
「ああ。やっぱりそれが一番見たいな」

次に行うトレーニングは>>225(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
225 : トレピッピ   2023/09/24 22:23:38 ID:ljh/5RYhWA
根性
226 : 大将   2023/09/25 20:55:10 ID:sCIg30w2bo
何事も切り替えが大事。
祭りで息抜き出来たので今日は集中してトレーニングが出来るだろう。
「今年もやってきたぞ。タイヤ引きの時期が」
「・・・覚悟は出来ております」
ルビーはタイヤを見上げて息を飲む。
「おうオメーら。今年もやるって聞いてゴルシちゃんが駆けつけてやったぜ」
「呼んでないんだけどな・・・」
とは言え、昨年と同じように激励してくれればルビーも頑張れるだろう。
ルビーはタイヤと繋がるロープを引っ張り始める。
「良いぞ!」
前にやった時よりも早くタイヤが動き始めた。
この一年でかなりパワーが上がっている。
「くっ、ふっ」
「そのままイカみたいに引っ張れーっ!」
タイヤの上でメガホンを叩き、声を張り上げる。
あまりイカに引っ張るイメージは無いが、彼女なりの応援なのかもしれない。
「すごいぞルビー!もうこんな所まで!」
「まだ、続けられます・・・っ」
ルビーがタイヤを引っ張る速度は衰えない。
むしろ、少しずつスピードアップしている。
「なんてパワーだ」
進路の近くにいたトレーナーが呟いたのが聞こえた。
ルビーが褒められる事は何よりも嬉しい。
「はぁ、はぁっ」
「やり遂げたな。お疲れ様」
今年のルビーは去年の倍以上の距離、タイヤを引っ張っていた。

ダイイチルビーの次走は>>227(シニア級10月から12月に行われる芝の短距離またはマイルのGI)
227 : トレーナー君   2023/09/25 21:32:16 ID:LTw9yEZDOw
マイルチャンピオンシップ
228 : あなた   2023/09/26 20:55:18 ID:rjqMj5mhCo
トレーニング後、ルビーに話があると言われたので着替え終わるのを待つ。
「お待たせいたしました」
「ああ、それで話って?」
そう言えば、去年は毎日のように夜に話していた。
今年は片付けたい仕事が多くてそのような時間はあまり取れなかったし、ルビーもそれを察したのか提案しなかった。
「次の目標についてです。そろそろ決めるべきかと思いまして」
確かに、秋のGIシーズンに向けて具体的な目標を決めておいた方がトレーニングのモチベーションになるだろう。
今まで決めてこなかったのは、模擬レースを繰り返し、様々なレース展開を柔軟に取り入れるためだ。
一つのレースに的を絞りすぎると、それ以外のレースに適応しづらくなる可能性もある。
「ああ、そろそろ決めよう。出たいレースはあるのか?」
「はい。・・・マイルチャンピオンシップです」
マイルチャンピオンシップ。
去年ダイイチルビーが制したマイルGI。
今年も狙いに行くのか。
「連覇を目指すのか。良いな」
「華麗なる一族として、甘えを捨て去りたいのです。そのために、最も得意な距離で勝負をしたい」
クラシック級の後半から短距離マイル路線を歩んできたルビー。
特にマイルが得意で、公式レース以外でも高い勝率を誇っている。
「そうか、それが君の選択なら俺は否定しない。マイルチャンピオンシップに出よう」
一番強い状態のルビーで、あらゆるマイラーを叩き潰す。
華麗なる勝利、マイル王の座を目標にトレーニングをしよう。
「よし!頑張ろう!」
「はい。必ずや、勝利を」

夏合宿で行う最後のトレーニングは>>229(スピード・スタミナ・パワー・賢さのいずれか)
229 : お兄ちゃん   2023/09/26 20:56:26 ID:xc3g.TD77I
スピード
230 : あなた   2023/09/27 21:42:27 ID:upGFIJJ9Yg
夏合宿も終盤。
あっという間に日々が過ぎていったが、充実していた。
「ついに明日帰るのかー」
ルビーはいつもと変わらない様子で準備運動をしている。
「トレーナーさん、どうかいたしましたか?」
「ああ、いや、秋が近いなって思って」
気温はまだまだ下がらないが、カレンダーの上では秋はすぐそこ。
秋はGIの季節。
かつてルビーも秋華賞などのGIに挑んだ。
あれからもう一年。
「とにかく、今はトレーニングをしよう。今日やるのはショットガンタッチだ」
ボールを落とし、離れた場所から走ってキャッチする。
瞬発力を鍛えるには持ってこいのトレーニングだ。
位置につき、ボールを真上に投げる。
ルビーが砂を蹴り、ボールに飛び込む。
「惜しい!あと十センチくらい!」
ルビーはすぐに起き上がり、スタート位置に戻る。
砂がクッションになり、身体への負担も少なく済んでいる。
「行くぞーっ!」
ボールを上に投げる。
ルビーは良いスタートを切った。
これはスタートの練習にもなるかもしれない。
「はっ!」
「やった !届いたな!」
ルビーの小さな手の上にボールが乗っていた。
「じゃあ距離をちょっと伸ばしてみよう」
位置を調整し、少しだけ離れる。
再びボールを投げる。
しかしその勢いで右脇をつってしまった。
「うっ、あっ!?まずい・・・っ!?」
231 : 使い魔   2023/09/27 21:43:02 ID:upGFIJJ9Yg
体勢を崩し、前に倒れる。
ルビーは既に走り出していてスピードが乗っている。
このままでは激突してしまう。
「トレーナーさん!」
ルビーのスピードが上がる。
減速しなければぶつかってしまうのに、何故。
ズザザザッ!
ルビーはスライディングするかのように砂を滑る。
頭を受け止められた。
「はっ、る、ルビー!大丈夫か!?」
「私は何ともありません。トレーナーさんの方こそ、大事はありませんか」
ルビーの脚、お腹、腕の三面で頭を包まれ、ほとんど衝撃は無かった。
「俺は何とも無い。いや、投げた時に脇をつった勢いで倒れたんだけど。とにかく、ありがとう」
ルビーに包まれたまま、感謝を伝える。
トレーナーとして、ウマ娘の身を危険に晒した事は絶対に許されないし許したくない。
「しばらく休憩いたしましょう」
「うわっ!?」
ルビーに抱えられる。
小さいとは言え、ルビーもウマ娘だ。
ヒト一人くらい簡単に持ち上げられる。
「何あれ」
「お姫様・・・」
「どういう・・・?」
周りの目が痛い。
だが、ルビーは自分の身体を気にしてこうしてくれているのだ。
やめてくれとは絶対に言えない。
「ありがとう。絶対にこの借りは返すから!」
「いえ、今は私が返しているのです」
このようなトラブルがあったものの、その後何とかトレーニングを再開出来た。

ダンスレッスンで練習する曲は>>233(ライブシアターまたはミニライブにある曲・うまぴょい伝説は不可)
232 : お姉さま   2023/09/27 23:59:37 ID:GtHZ53rBJ6
R.Y.U.S.E.I.
233 : お兄さま   2023/09/28 00:00:04 ID:5VUYxp7fW6
くるみ割り人形
234 : トレぴ   2023/09/28 20:53:24 ID:4Evr0.df5U
夏合宿も終わり、トレセン学園でのトレーニングに戻る。
今日行うのはダンスレッスン。
本来トレーナーではなく専門の講師が指導するのだが、ルビーが自主練を行うと聞いて付き合う事にした。
「ルビー、何の曲を練習するんだ?」
「チャイコフスキーのくるみ割り人形です。バレエの動きはダンス全般に応用出来ますので」
バレエの美しい動きを実現するためには、柔軟性や体幹が非常に重要となる。
それはレースでも同じ。
「じゃあ始めるぞ」
「はい、お願いします」
スイッチを押すと、音楽が流れ始めた。
ルビーの、タイツに覆われた白い脚がピンと伸びる。
爪先で立ち、ぴょんぴょんと飛び跳ねる姿は正しくバレエダンサー。
もしかすると、家の影響もあり幼い頃からやってきたのかもしれない。
「すごいな・・・」
ルビーは何度か動きを修正しながら踊り続ける。
「この動き、何としてもトレーニングに取り入れなければ!」
脳内でこの動きを分析、分解し、トレーニングとして再構築する。
「トレーナーさん?」
気が付くと、ルビーは練習を終えていた。
「ルビー、明日から新しいトレーニングをやってみよう。君の踊りで良いのを思いついたんだ」
ルビーとの別れ際、付け足す。
「綺麗な踊りだった。またいつか見たいな。それじゃ」

秋のファン感謝祭でルビーが参加するイベントは>>236(文化祭にあるようなイベント)
235 : 貴方   2023/09/28 23:31:17 ID:5c4Kczlre2
30km競歩
236 : トレぴ   2023/09/28 23:31:47 ID:5VUYxp7fW6
ミスコンテスト
237 : 大将   2023/09/29 20:58:26 ID:N45BLHE7Es
「トレーナーさん、相談に乗っていただきたい事があるのですが」
トレーニング終わりにルビーにそう言われた。
「ああ、もちろん聞くよ。何だ?」
「秋のファン感謝祭である聖蹄祭。私はミスコンテストという物に参加する事になりました」
ミスコンテスト、通称ミスコン。
最も美しい女性を決めるためのコンテストだ。
「ルビーなら絶対に一番になれるよ」
「・・・そう言っていただけて光栄です。出場するからには当然勝利を目指しますので」
ルビーはどんな事でも手を抜かない。
華麗なる一族のプライドが彼女をそうさせる。
「相談というのは、当日に着用する衣装の事です。衣装は参加者が自由に決められるのですが、どのような衣装が良いか、私だけでは判断しかねていました。そこで、トレーナーさんにも意見をいただきたく」
そういう事なら、いくらでも付き合おう。
「分かった。現時点で、こんな服が良いとか、候補はあるのか?」
「いえ、特には」
それなら逆に考えやすいかもしれない。
一番ルビーの魅力を伝えられる衣装を決めれば良いのだ。
「ちょっと調べてみよう」
ノートパソコンを使い、ミスコンや美少女コンテストの類について調べてみる。
238 : トレピッピ   2023/09/29 20:58:36 ID:N45BLHE7Es
「制服、ドレス、こっちも制服。あ、水着もあるな」
トレセン学園で行われる聖蹄祭において、制服はインパクトが薄いだろう。
普段見過ぎている。
「ドレスか・・・ルビーの実家なら色々ありそうだけど」
「必要とあらば今からデザインさせますが」
流石に資産に物を言わせ過ぎか。
確かにドレスを着たルビーは美しいだろうし似合うとは思うが、見に来た人はドレスの豪華さに目を奪われてしまうだろう。
「水着・・・季節的にちょっと寒いか?」
最もルビーを見せる事は出来るが、肌寒い秋にそんな格好はさせられない。
「うーん、ルビーの魅力を最大限に見せるための衣装か・・・」
ルビーを上から下まで眺めてみる。
体操服やジャージでは制服と同様インパクトが薄い。
もっと引き込まれるような、ルビーを象徴するような衣装があれば・・・。
「あーっ!」
「何か思いついたのですか」
「あ、ごめん大声出して。思いついたよ、ルビーが最も魅力的に見える衣装!」
その衣装は。
「勝負服だよ!勝負服!やっぱりルビーが一番輝いているのはレースの時だから!」

ダイイチルビーの他にミスコンテストに参加するウマ娘は>>239
239 : トレーナーさま   2023/09/29 21:13:01 ID:VLDNd0G/Wk
ゴールドシチー、グラスワンダー、スペシャルウィーク、エイシンフラッシュ、イクノディクタス
240 : トレーナー   2023/09/30 22:24:10 ID:4BE/b1MzaQ
「さぁ始まりましたトレセン学園ミスコンテスト!進行は圧倒的なカワイさでミスコンテスト殿堂入りのカレンチャンでーす♡」
聖蹄祭当日、ミスコンテストの会場に来ていた。
審査は来場者百人の投票で行われ、合計得点が多い者が勝ちとなる。
参加者は六人。
きっと大勢から推薦された精鋭達だろう。
だが、ルビーだって負けていないはずだ。
「エントリーナンバー1番ゴールドシチーさん!」
ランウェイを堂々と歩むのはゴールドシチー。
前回のマイルチャンピオンシップでルビーと激闘を繰り広げたウマ娘だ。
モデルもやっているだけあって非常に慣れている。
「シチー!見せつけたれー!」
くるりと回った彼女の衣装は背中が大胆に空いていた。
「なるほど、ファッションモデルの彼女らしいな」
「エントリーナンバー2番グラスワンダーさん!」
グラスワンダーは振袖で攻めてきた。
確かに和服はインパクトが強い。
お淑やかな仕草に、観客は目が釘付けだ。
「エントリーナンバー3番スペシャルウィークさん!」
「おおーっ!」
歓声が起こる。
スペシャルウィークはオレンジ色の水着を着ていた。
肌寒さを感じさせない元気な足取りでアピールする。
「エントリーナンバー4番エイシンフラッシュさん!」
エイシンフラッシュはパティシエのような衣装だ。
お菓子作りが得意な彼女ならではのチョイスだ。
彼女の敬礼に、こちらも自然と敬礼したくなってしまう。
「エントリーナンバー5番イクノディクタスさん!」
なんと、イクノディクタスはウエディングドレスを着ていた。
「イクノさん・・・素晴らしいですわ・・・」
近くにいたウマ娘が気を失うが、その隣のウマ娘が回収していたので気にしない事にした。
241 : 相棒   2023/09/30 22:24:23 ID:4BE/b1MzaQ
「最後は、エントリーナンバー6番ダイイチルビーさん!」
ついにルビーが登場する。
勝負服を纏い、凛と歩くルビーは絵画のように美しい。
「ルビー!」
「おじょーっ!」
どこからか大きな声援が聞こえる。
ルビーは特に反応せず戻っていく。
「さぁ!皆さん投票出来ましたか?あ、いくらカワイくてもカレンに投票しちゃダメですよ?」
ついに結果が発表される。
「今回のミスコンテストのグランプリに輝いたのはー・・・」
カレンチャンは宣言する。
「6番ダイイチルビーさんです!おめでとうございます!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「Fuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!」
思わず叫んでしまった。
「接戦を制したダイイチルビーさん、前へどうぞ!」
拍手を浴びながらルビーが数歩前に出る。
「今の気持ちを教えて下さい!」
「私を選んで下さった皆様に感謝を。想いが宿ったこの勝負服を身に纏ったからには、勝つ事は必然だったとは言え、やはり応援の力という物を実感させられました」
勝ち誇るルビーに更なる拍手が贈られる。
「ルビー、やったな!」
終了後、ルビーと合流する。
「はい、トレーナーさんのおかげです」
やはり勝負服を選択したのが良かったのかもしれない。
「ルビー先輩」
ルビーの背後から声をかけたのはグラスワンダーだ。
「今日は負けてしまいましたが、本命の戦では負けません」
グラスワンダーが言う本命の戦とは。
「マイルチャンピオンシップ。そこであなたとの勝負を望みます」

次に行うトレーニングは>>242(自由な形式)
242 : アンタ   2023/09/30 22:29:37 ID:5BGcXQC93o
メンタル
243 : キミ   2023/10/01 22:26:09 ID:OTtjlmS8M2
グラスワンダーは宣戦布告だけして去っていった。
「・・・元よりマイルチャンピオンシップには出走する予定でした。口先で勝負を受けようと受けまいと、必ずぶつかる事となるでしょう」
「ああ。グラスワンダーは強敵だが、返り討ちにしてやろう」
次の日、聖蹄祭の余韻すら残さずトレーニングを行う。
「今日は大舞台に備えてメンタルトレーニングをしようと思う。連覇にはとんでもないプレッシャーがのしかかるから、訓練しておくに越した事は無いだろう」
「分かりました」
以前メンタルを鍛えた時には、元気なウマ娘達と遊園地に行った。
全ての会話に全力で参加するのは精神にかなりの負荷がかかっただろう。
「ルビーにはこれから瞑想をしてもらう。己の内面と向き合い、精神を整えるんだ」
トレーナー室に座布団を二つ敷き、ルビーと共に座る。
良い機会なので一緒に瞑想しよう。
「タイマーをかけておいたから、時間は気にせず瞑想してくれ。鍵もかけておいたし、扉に張り紙もしておいたから邪魔も入らない」
瞑想中と書いた紙を見て、大声を出したり入室したりしようとはしないだろう。
「それじゃあ、スタート」
目を閉じ、己の内面を見つめる。
ルビーをより強くするにはルビーのレースにおけるルビーの勝負服はルビーのライブはルビーの言葉はスペシャルウィークの水着ルビーの末脚ルビーの癖ルビーの顔ルビーの髪ルビーの家ルビーの・・・。
ピピピピピピピピ。
「良い時間でした」
「うーん、俺は瞑想出来てたのかな。ずっと君の事ばかり考えていて自分の事は何も考えられなかったよ」

マイルチャンピオンシップでのダイイチルビーの人気は>>244(1番人気または2番人気)
244 : お兄ちゃん   2023/10/01 22:26:51 ID:tBncd2tIL6
1番人気
245 : トレぴ   2023/10/02 21:00:43 ID:0aptsCibHM
ついに来た。
マイルチャンピオンシップの日。
「3番ダイイチルビー、連覇への期待に応えられるのでしょうか。堂々の1番人気です」
聖蹄祭でも活躍した勝負服を着て、ルビーは観衆に姿を見せる。
「6番グラスワンダー、2番人気です。有馬記念を大差で勝利、マイルでも数々の勝利を収めてきました。ダイイチルビーを倒すのは、果たしてこの子なのでしょうか」
有馬記念を制したグラスワンダーだが、マイルも得意としている。
全力を出し切れる状態にあるのは確実だろう。
「ルビー、この大一番で勝つのは君だ」
ウマ娘達がゲートに入っていく。
ルビーはメンタルトレーニングの成果もあってか落ち着いている。
「ゲートイン完了。今、一斉にスタート!」
逃げるウマ娘は五人。
その後ろに三人。
残りは纏まっていて、ルビーは集団の真ん中付近にいる。
「先頭に立ったのは4番。15番並びかけてきた。1バ身離れて1番。その後ろから10番、外から13番」
激しい先頭争いで、全体のペースが速くなる。
十分なスタミナを持つルビーなら問題は無いが、それは有馬すら走り切るグラスワンダーも同じだ。
「どうなる・・・?」

一着と二着との着差は>>246(3バ身以内)
246 : あなた   2023/10/02 21:04:03 ID:HMXqRJ/bQE
2バ身半
247 : ダンナ   2023/10/03 22:04:15 ID:puWC3ItNnE
最終コーナー中間、ダイイチルビーが前に出る。
「王座は譲りません」
ルビーの前のウマ娘が圧倒的なプレッシャーに萎縮し、速度を落とす。
一気に順位を上げ、逃げウマ娘5人を捉える。
「もう・・・っ!?」
早くも先頭に立ち、ぐんぐんと引き離していく。
「良いぞルビー!」
最終直線に突入する。
「6番グラスワンダー上がってきた!先頭のダイイチルビーを差し切れるか!」
「参ります!」
グラスワンダーは最終直線で末脚を爆発させる。
彼女の末脚はルビーと似ている。
刃物のように、鋭い。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「・・・速い」
最終直線は約400m。
残りは半分の200m。
「グラスワンダー!先頭まで2バ身!間に合うか!」
ダイイチルビーとグラスワンダーが鍔迫り合いをしているかのように感じられる。
それほどに空気は激しくぶつかり合っている。
「私の覚悟はもう決まっています」
ルビーの速度がさらに上がる。
「・・・っ!?どこにそんな力がっ!?」
「最下位だった私を信じて、全てを捧げて下さったトレーナーさんに、勝利を届ける。そのためなら、華麗さなどかなぐり捨ててみせます」
ルビーは全ての力を出し切る。
「うああああああああああああっ!」
ルビーの咆哮を初めて耳にした。
一族のために、華麗なる勝利を目指してきたルビーが、あそこまで全力で。
「ルビィィィィィィィィッ!行けぇぇぇぇぇぇぇっ!」
差を再び広げ、そのままゴールイン。
「うおおおおおおおおおっ!」
ルビーは2バ身半の差をつけて勝利した。

ウイニングライブでダイイチルビーが披露する曲は>>248(ソロ曲は不可)
248 : お前   2023/10/03 22:07:03 ID:b9SgOqFYZg
グロウアップ・シャイン!
249 : トレぴっぴ   2023/10/04 22:13:03 ID:5cPVdEf.lI
「マイルチャンピオンシップを制したのはダイイチルビー!有馬ウマ娘のグラスワンダーを下し、連覇達成!」
ダイイチルビーはフラフラとしながら、観客席の方を向く。
手を挙げ、掴み取るように閉じた。
「おおおおおおおおおおっ!」
観客が湧き、ルビーの連覇を称える。
観客席を飛び出し、ルビーの元へ向かう。
「はぁ、はぁっ、はぁっ!ルビー!やったな!おめでとう!」
「トレーナーさん・・・」
力を使い果たしたのか、駆け寄った瞬間に倒れ込む。
何とか受け止める事が出来た。
「ルビー!頑張ったな!本当に、本当に頑張った!」
「ありがとう、ござい、ま」
ルビーは眠ってしまった。
プライドも、余裕も、全てを賭けて走ったから、グラスワンダーに勝利出来た。
短い距離に全てを捧げる、これがスプリンター。
「ダイイチルビー!かっこよかったぞー!」
「お疲れー!」
「これからも応援しまーす!」
歓声に見送られながら、ルビーを抱き抱えて控え室に帰る。
250 : 貴様   2023/10/04 22:13:17 ID:5cPVdEf.lI
「ライブまで時間がある。ギリギリまで待ってもらって、出るか出ないかルビーに決めてもらおう」
数時間ルビーは眠り続けた。
無防備なルビーの姿は、聡明な彼女もまだ子供であると再認識させる。
「トレーナー、さん」
「あ、起きたかルビー。体調はどうだ?」
「はい、ある程度回復しました。ウイニングライブも出られます」
ルビーは起き上がり、関節を回して調子を確かめる。
「君ならそう言うと思ったよ。さぁ、早速で悪いけど準備しよう」
ルビーはライブも手を抜かない。
ルビーがセンターで踊るライブが一番見応えがある。
「走れ 走れ もっと先まで 止まらない風みたいに」
隣で踊るグラスワンダーも一切の妥協が無い。
例えレースで負けたとしても、ライブは全力。
ウマ娘のそういう所に尊敬の念を抱く。
「賭けてみよう Let's go starting gate!」

クリスマスパーティーに参加するウマ娘は>>251>>252(それぞれ三人まで指定可)
251 : お前   2023/10/04 22:16:48 ID:MThlaHhbM6
ダイタクヘリオス
カレンチャン
エルコンドルパサー
252 : トレーナー君   2023/10/04 22:21:52 ID:Jwo2ty9u52
メジロブライト
ライスシャワー
マチカネタンホイザ
253 : 大将   2023/10/05 21:04:27 ID:iQRkaSCV9E
時間はあっという間に過ぎ、クリスマス。
マイルチャンピオンシップ後は休養に当て、トレーニングはかなり軽めにしている。
「メリークリスマス!」
「メリクリFuuuuuuuu!」
カレンチャンが主催するクリスマスパーティーに、ダイイチルビーと共に招待されていた。
「ルビーさん、今日は来てくれてありがとうございます♡いーっぱい楽しみましょうね?」
「はい」
「ルビー先輩!食べ物を持ってきました!どんどん食べて下さい!」
「お嬢何飲む系?コーラでも良さげ?」
ルビーはエルコンドルパサーとダイタクヘリオスにぐいぐい迫られる。
「ルビーは相変わらず人気者だな」
「あなたも行ってきたらどうです?」
カレンチャンのトレーナーがやって来た。
「いえ、こうして見ているだけでも幸せなので」
「ふふっ、やっぱりトレーナーって変な人が多いですね」
「ひゃあっ!?ご、ごめんなさいブライトさん!」
ライスシャワーがつまづいた拍子にメジロブライトの服にジュースをこぼしてしまった。
「ほわぁ?」
何が起こったのか把握出来ていないようだ。
「あら、どうしてでしょう〜?ベタベタしますわ〜」
ハンカチで服や身体を拭かれながらメジロブライトが言う。
「おマチさんもお手伝いしましょう!」
近くにいたマチカネタンホイザもメジロブライトを拭き始める。
「いっその事ここでお着替えしましょう〜」
「ダメですからねー」
カレンチャンが注意する。
「あ、パマちんとこのパーティー行く時間だわ。お嬢も来る?」
「いえ、私はこのままここに」
「ルビー先輩はエルが独り占めしちゃいマスから、どうぞヘリオス先輩は行っちゃって下さいデース!」
「マ!?」
聖夜はまだまだ続く。

ダイイチルビーに贈るプレゼントは>>254
254 : お兄ちゃん   2023/10/05 21:32:47 ID:LWPoCU3S3A
ルビー(宝石)のネックレス
255 : トレぴっぴ   2023/10/06 22:32:31 ID:BO.r/unh6U
「はーい!今からプレゼント交換をしまーす!」
カレンチャンの呼び掛けに、参加者がプレゼントを持って集合する。
「どのプレゼントが当たるかはくじ引きで決めますよ。じゃあライスさんから!」
「ら、ライスから?じゃあ・・・これにするね」
順番にくじを引き、最後のカレンチャンまで回った。
「オープン!むーん!」
書かれていたのはライスシャワーの名前。
「あの、トレーナーさんに渡ると思ってなくて、ごごめんなさいぃ・・・!」
袋から出てきたのは女性用の帽子。
「あはは、君さえ良ければルビーに譲っても良いか?」
「う、うん!ルビーさんなら似合いそう!」
「ありがたくいただきます」
256 : 貴方   2023/10/06 22:32:42 ID:BO.r/unh6U
「わあ・・・香水!大切に使うね!」
「あちゃー。自分の文房具セットだー」
「ティーカップセットですわ~」
「トレーニング指導書デスか・・・」
「激辛調味料セットね・・・」
「カレンさんのオリジナルグッズですか」
「ブライトさんのお人形!カワイイです!」
それぞれのプレゼントに感想を述べ合った。
「ルビー、ちょっと良いか?」
「はい」
ルビーを呼び、用意していたプレゼントを取り出す。
「これは・・・先程の物とは別に用意なさったのですか?」
「ああ。確実にルビーに渡したかったからな」
ルビーは箱を開け、中の品を見る。
「ネックレス、ですか」
「小さいけど、宝石のルビーも付いてるんだ。・・・君の実家ならもっと大きいのを簡単に買えるからあんまり嬉しくないかもしれないけど」
ルビーは一瞬驚いたように見えた。
「・・・ありがとう、ございます」
「かけてあげたらどうです?」
少し離れた場所からカレンチャンのトレーナーが言う。
ルビーも頭を下げる。
「じゃあ」
箱からネックレスを取り出して、ルビーの首にかける。
「大切にいたします。いつまでも」
「わぁ・・・っ!」
「おおー!」
「まぁ~」
「ケ・・・」
気付けば全員に見られていた。
「ルビーさん、良かったですね」
こうして、妙な気恥ずかしさを感じながらクリスマスパーティーは幕を閉じた。

ダイイチルビーが出場するURAファイナルズの部門は>>257(短距離またはマイル)
257 : アナタ   2023/10/06 22:34:48 ID:/TFPskyPDE
短距離部門
258 : アネゴ   2023/10/07 22:33:02 ID:GTfjKoOLwk
「感謝ッ!休みであるにも関わらずよく来てくれた!」
頭の上のネコが鳴き声を付け足す。
12月26日、ルビーと共に理事長に呼び出された。
「何かご用でしょうか?」
「うむ、君達に通達しておきたい事があってな」
他のトレーナーもウマ娘もいない。
自分達だけに伝える事とは。
「ダイイチルビーは非常に優秀な成績を収めた。そこで、ダイイチルビーにURAファイナルズに参加してもらい、レースを大いに盛り上げてほしい!」
URAファイナルズ。
今年から始まる特別なレースで、各距離ごとに分かれて競う一連のレースの事だ。
「もちろん、ルビーが望むなら参加してもらいます。コンディションも戻りつつありますし」
「私は構いません。トレーナーさんが望むなら」
「そうか!ではどの部門に参加するかも決めてほしい!君の場合、短距離部門かマイル部門が良いと思うが・・・望むなら他の部門にも出られるようにしよう」
短距離とマイル。
レーススケジュール的にどちらか片方にしか出られない。
「ルビーの意思を尊重するよ。どっちに出たい?」
「・・・では、短距離部門に」
ルビーはマイルの方が得意な印象があったのだが、何故短距離部門を選んだのだろう。
理事長室から出た後に聞いてみた。
「どうして短距離の方にしたんだ?」
「・・・これまで勝てなかった相手と戦いたいのです。彼女達が得意な短距離で」

URAファイナルズ予選でのダイイチルビーの枠順は>>259(1~18番)
259 : トレーナーさん   2023/10/07 22:34:26 ID:I/Qmwm28q.
10番
260 : お姉ちゃん   2023/10/08 20:58:59 ID:rLXeNR6HuE
URAファイナルズ短距離部門予選。
決勝に進めるのは準決勝で一着になった18人。
準決勝に進めるのは予選の上位のみ。
間口自体は広いが、次に進める人数は少ない。
「10番ダイイチルビー。一番人気です」
「良い仕上がりですね」
ルビーの調子は良い。
だがライバルはいる。
「17番カレンチャン。二番人気です」
「シニア級に上がったばかりの娘ですね。ですが実力は先輩ウマ娘と比べても全く劣っていませんよ」
短距離専門のウマ娘、カレンチャン。
最近関わりが深いだけあって、どうしてもライバルとして意識してしまう。
「大丈夫、ルビーは油断したり手を抜いたりしない」
例え友人であっても勝負は勝負。
ルビーは絶対に全力で走る。
「今、スタート!」
ルビーは中団やや後ろからのスタートとなった。
だが悪い位置取りという訳では無い。
内にも外にも壁があって抜け出せない状態が一番怖い。
「三番手は17番カレンチャン。その外に18番。1バ身後ろから4番が続いています」
短距離レースは、ルビーが得意なマイルレースよりもさらに短い。
もう中間地点だ。
「カレン、いっきまーす!」
ドンッ!
空気を押し出す音が聞こえたような気がした。

一着と二着の着差は>>261(2バ身以内)
261 : アナタ   2023/10/08 21:08:38 ID:7QyOZ6bMK6
1と3/4バ身差
262 : お姉さま   2023/10/09 20:58:50 ID:ACB8wikErI
最終コーナーを回り、最終直線に入る。
URAファイナルズは各地で開催されており、このレースは中京レース場で行われる1200m左回り。
そう、高松宮記念と同じ条件だ。
昨年の高松宮記念ではヒシアケボノが早めにスパートに入り、差を縮め切れずルビーは二着になってしまっている。
「今回はカレンチャンが早めに仕掛けた。前と展開は似ている」
似たような状況で試されるのは、ルビーの成長。
「至上の輝きを」
ルビーの前のウマ娘がとてつも無いプレッシャーに押し潰される。
速度を落とす前のウマ娘を一気に抜き去り、先頭のカレンチャンに迫る。
直線で伸びる脚は刃のように輝く。
「っ!」
カレンチャンを抜き去り、差を広げていく。
高松宮記念では実現出来なかった展開。
「残り200!」
ダイイチルビーとカレンチャンの差は約2バ身。
このまま差を広げてゴールするだろう。
ルビーの強さはやはり短距離でも発揮される。
「まだ、終わって、ないですよ!」
カレンチャンの目はまだ生きている。
「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「これほどの力が、まだ」
カレンチャンは歯を食いしばり、魂を削ってルビーを負う。
「ごめんな。レースは最後まで結果は分からない。なのに、見るのをやめようとしていた」
最後まで何が起こるか分からない。
目を背けてはいけない。
トレーナーとして、ウマ娘達にそんな失礼な事をしてはいけない。
最後まで戦い抜く姿を見ておかなければ。
「「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」」
最後の追い上げで、ルビーとカレンチャンとの差は縮まった。
「10番ダイイチルビー!今一着でゴールイン!」
1と3/4バ身差でルビーの勝利。
だが、結果以上のドラマがそこにはあった。

URAファイナルズ準決勝が行われるレース場は>>263(芝の短距離レースが行えるレース場)
263 : トレ公   2023/10/10 00:47:59 ID:gEh7H8i/PI
中山レース場
264 : 相棒   2023/10/10 21:00:18 ID:lFOaWivjcc
「ルビーさん。レースお疲れ様ですっ」
レース後、カレンチャンがルビーの元へ来た。
「カレンさん」
「カレン、今日は負けちゃいましたけど色々学ばせてもらいました。次こそは勝ちますよ?」
カレンチャンは不敵な笑みをカワイく浮かべる。
「あらゆる物を糧に。そうやって私はトレーナーさんと共に成長してきました。貴方もこの経験を糧にすると良いでしょう」
「はーい惚気はそこまででーす。・・・もちろんカレンは成長しますから」
カレンチャンがターフを去り、トレーナーの元へ向かう。
ルビーも後からこちらに来る。
「ルビー、お疲れ様。まずは予選突破だな」
「はい。油断せずに参ります」
後日、準決勝の会場が発表された。
「中山レース場。1200m右回りか」
GIスプリンターズステークスと同じ条件だ。
ただし、予報によると雨で不良バ場になるらしい。
経験した事の無い条件だが、ルビーならきっと突破出来るはずだ。

URAファイナルズ準決勝でのダイイチルビーの枠順は>>265(1〜18番)
265 : 貴方   2023/10/10 21:00:42 ID:gEh7H8i/PI
7番
266 : アンタ   2023/10/11 21:02:39 ID:MZ.emx3PkQ
中山レース場に雨が降り注ぐ。
濡れた芝は重く足に絡みついてしまうだろう。
「7番ダイイチルビー、今日も一番人気です」
雨に濡れて寒くないだろうか。
ルビーの身を案じつつ、他の出走者の様子を窺う。
「ハウディ!今日は良いレースにしマショウ!」
2番人気のタイキシャトル。
京王杯ジュニアステークス以来の対決となる。
あの頃からお互いかなり成長した。
京王杯ジュニアステークスでは5着に終わったルビーも、1着になったタイキシャトルに追いつき、追い越せるようになったはずだ。
「よろしくお願いします」
一礼してルビーはゲートに向かう。
「今、スタート!ややバラついたスタートとなりました。逃げるのは1番。序盤から飛ばしています。2バ身後ろから3番タイキシャトル」
タイキシャトルは得意の先行策で今日も挑むらしい。
先行勢の先頭に立ち、すぐに抜け出せる位置につけた。
「ルビー・・・」
ルビーはやや出遅れて後ろから2番手になってしまった。
出来ればもう少し前に位置取ってほしかったが、まだまだ挽回可能だ。

ダイイチルビーが仕掛けるタイミングは>>267(早い、適切、遅いのいずれか)
267 : お姉さま   2023/10/11 21:04:23 ID:QER8sN4lTA
遅い
268 : トレーナーさん   2023/10/12 21:01:20 ID:iD0mLZ166Q
先頭で逃げるウマ娘が最終コーナーに入る。
このコーナーの中間地点付近が仕掛けるポイントだ。
「さぁタイキシャトルここから仕掛けるのか!」
そろそろ中間地点だ。
「まい」
ルビーが力強く踏み込む。
が、雨で濡れた芝で滑り、バランスを少し崩してしまった。
「くっ、まだ、間に合います!」
すぐに体勢を立て直し、急加速する。
既にタイキシャトルは抜け出し、先頭に立っている。
「ルビー!君なら出来るーっ!」
観客席から出来るのは声を出す事だけ。
それでも、ルビーが勝つ確率を少しでも上げられるなら喜んで喉を差し出す。
「はぁぁぁぁぁぁっ!」
前のウマ娘をぐんぐん抜かし、タイキシャトルを追う。
タイキシャトルは雨が得意で、展開もかなり味方していた。
ルビーとの差は9バ身以上ある。
タイキシャトルが最終直線に入る。
「ルビィィィィィィィィッ!」
「・・・トレーナーさん」
どんどん差を縮めていく。
「・・・Wow」
弾丸のように走るタイキシャトルは後ろから迫る刃に驚嘆する。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
全身全霊をかけて、ルビーは末脚を爆発させる。

一着と二着の着差は>>269(1バ身差以内)
269 : トレぴっぴ   2023/10/12 21:06:14 ID:ecBcsb/HAA
アタマ差
270 : トレ公   2023/10/13 21:05:09 ID:pufTjUSJ76
「残り100!」
ルビーの凄まじい追い上げで差は残り1バ身半にまで縮まっていた。
「あああああああああああああっ!」
ルビーは全てをねじ伏せる重圧を発生させる。
それはきっと気迫と表現されるのだろう。
「行けぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「並んだ並んだ!タイキシャトル粘れるか!ダイイチルビーが差し切るのか!」
雨すら吹き飛ばす走りで二人はゴール板を通過した。
「勝ったのは・・・っ」
実況すら興奮して一瞬言葉が詰まる。
「勝ったのは、ダイイチルビー!後方からの見事な追い込み!」
観客席が轟音で振動する。
これが声だと理解するのに時間がかかった。
「なんと!コースレコードが出ました!1分06秒7!これがダイイチルビーの強さ!」
アタマ差でタイキシャトルに勝利し、コースレコードも叩き出した。
歴代のスプリンターの中でも屈指の末脚だっただろう。
「ルビー!」
観客席を飛び出し、急いでルビーの元へ向かう。
以前ルビーがこうして全てを出し切った時は倒れてしまった。
もしかすると今回も。
「ルビー!ルビー!よくやったな!」
フラフラしながらも、観客に向けて手を向けるルビーに駆け寄る。
「トレーナーさん」
ルビーは倒れなかった。
「トレーナーさんの、声が、聞こえたように、感じました」
「ああ、いっぱい叫んだ!そうか、聞こえたか」
ルビーが微笑んだように見えた。
ルビーの小さな身体を支えてターフから離れた。

休養の期間は>>271(一週間〜四週間)
271 : アネゴ   2023/10/13 21:05:33 ID:TVVQ/dM1XQ
四週間
272 : 使い魔   2023/10/14 21:04:17 ID:nWqW2APbuM
ルビーは疲労困憊。
四週間の休養を取る事にした。
幸い、URAファイナルズ決勝は約四週間後。
それまでにしっかり疲れを取ってもらおう。
「身体だけじゃなく、心もしっかり休ませるんだぞ。楽しい事でリフレッシュするんだ」
「心がけます」
一週間後、ルビーがトレーナー室を訪れた。
「どうしたルビー。ミーティングは明日だけど」
「今日でなければならない事ですので」
今日は何の日だったか。
ルビー以上に優先すべきものは無いのでとりあえず部屋に入ってもらう。
「トレーナーさん、これを」
ルビーが手渡してきたのは綺麗にラッピングされた箱だ。
「何だ、これ?」
「・・・今日が何の日かご存知無いのですか」
今日は二月十四日。
GIは無いし・・・。
「・・・そうか、バレンタイン!」
つまりこの箱は。
「もしかして、これはチョコレート?」
「はい」
「開けても良いか?」
「・・・はい」
箱やリボンを傷付けないように丁寧に箱を開けていく。
中には小さな楕円形のチョコレートがいくつも入っていた。
「おお!美味しそうだ!」
さぞ高級な店のチョコレートなのだろう。
輝いているようにさえ見える。
「食べても良いか?」
「・・・はい」
小さなチョコレートを一粒口に運ぶ。
甘みと仄かな苦味が口の中に広がる。
「美味しい!」
「お口に合ったようで良かったです」
その時、ドアが勢い良く開いた。
「ウェーイ!トレピいるーっ!?チョコお届けに上がりの助ーっ!」
ルビーがレースの時のように強いプレッシャーを放ったのが分かった。

ダイタクヘリオスからもらうチョコレートは>>273(味や大きさなどを自由に指定)
273 : アンタ   2023/10/14 21:09:43 ID:NKkNCmeLus
北斗七星風カカオ96%チョコ(手のひらサイズ)
274 : 使い魔   2023/10/15 22:25:51 ID:MPAKIx.r9w
「ごめんてルビたーん!」
ダイタクヘリオスは大きなビニール袋を抱えながら軽く謝る。
急にトレーナー室に押しかけた事に対してだろうか。
「んでさ、ウチチョコあげに来た訳よ!トレピにはお世話なりまくりだし!」
そう言いながらビニール袋の中からガサガサと小さな袋を取り出した。
「はい!オモロそーなの買ってきたから食ってみ!」
手渡された透明な袋を開け、中の小さなチョコレートを出す。
「ほら、ほら!」
見た目は普通だが、ダイタクヘリオスの口振りからして普通では無いだろう。
「苦っ!?」
「キャハハハハハッ!リアクション期待通り過ぎか!?」
「カカオ分が多いのではないでしょうか」
ルビーが推測する。
「そ!96%ってマジやばくね?ほぼカカオじゃん!」
「どうりで・・・」
275 : トレピッピ   2023/10/15 22:25:57 ID:MPAKIx.r9w
「お嬢の分はこれな!」
ビニール袋の中から巨大な箱が出てきた。
ルビーの頭よりも大きいかもしれない。
「こっちはウチの手作り!超超大本命チョコ!」
「これを私に、ですか」
「そ!」
ルビーは不思議そうにしている。
「バレンタインは身近な異性にチョコレートを差し上げるものだとお聞きしたのですが」
「誰に聞いたんだ?」
「カレンさんです」
ダイタクヘリオスは納得したように頷く。
「なるぽ。ま、好きなら誰にあげても良いんじゃね?」
ダイタクヘリオスは箱をルビーに押し付け、自分で開いた。
中身は大きなハート型のチョコレートで、キラキラ光る飾りでデコレーションされている。
食べられる物で出来ているのだろうか?
「お気持ちはありがたいのですが、これを全部食べると栄養に偏りが生じてしまいます」
「えーバレンタインくらい良くねー!」
結局、大きなチョコレートは三人で分ける事になった。
こちらはカカオ96%の方と異なり、かなり甘かった。
「トレーナーさん、いつもお世話になっております。これからもどうぞよろしくお願いいたします」
「ああ・・・どうしたんだ急に?」
「バレンタインは日頃の感謝を伝える日でもあるとの事ですので」
「そういう事なら、俺も。いつもありがとうルビー。君のおかげで毎日楽しくて充実してるよ」
ルビーへの感謝も伝える事が出来た、良い機会となった。

URAファイナルズ決勝が行われるレース場は>>276(芝の短距離レースが行えるレース場・これまでと同条件も可)
276 : トレぴ   2023/10/15 22:28:09 ID:5jCGesX0jg
東京レース場
277 : トレーナーさん   2023/10/16 21:01:48 ID:Nd9FPIPnWM
URAファイナルズ短距離部門決勝の条件が発表された。
東京レース場1400m左回り。
かつてルビーが出走した京王杯ジュニアステークスや京王杯スプリングカップと同じ条件だ。
「決勝は一週間後。それまでは軽めの調整をしよう」
「はい」
ルビーはスプリンター界でもトップクラスにまで上り詰めた。
だが、どうせなら本当にトップであると客観的に示したい。
「決勝も勝とう!」
「必ずや」
それから一週間、軽めのメニューで仕上がりを調整した。
体調も万全になり、これで問題無く決勝の舞台に立てるだろう。
「さぁ、URAファイナルズ短距離部門、ついに決勝!果たして短距離の女王の座を得るのは誰だ!」

ダイイチルビーの人気は>>278(1番人気〜3番人気)
278 : トレーナー君   2023/10/16 21:02:05 ID:eQJZlYGWXA
1番人気
279 : お兄さま   2023/10/17 21:11:34 ID:FAoe4T0Vms
「1番人気3番ダイイチルビー。流石のオーラですね」
「短距離の覇者になるのはこの子なのでしょうか」
勝負服を着たルビーは宝石のように輝いて見える。
「2番人気は15番ヒシアケボノ。高松宮記念を制した短距離のスペシャリストです」
ヒシアケボノの大きな身体はよく目立つが、それにしても目を引く。
恐らく強者のプレッシャーのようなものが放たれているのだろう。
観客席でこれなら、同じコースの上だとどれほど感じるのか。
「今度も勝っちゃうからねルビーさん」
「そうはさせません。私が勝ちます」
視線が激しくぶつかり合う。
「3番人気は9番ハッピーミーク。これまでに芝の全距離、さらにダートの重賞を勝利しています」
「スーパーオールラウンダーの彼女は短距離のプロフェッショナルに勝てるのでしょうか。レースが楽しみですね」
経歴はすごいが、ヒシアケボノほどのオーラは感じない。
とは言え、ルビーには油断せず走ってほしい。
「ゲートイン完了。体勢が整いました」
ガコンッ!
静寂を切り裂き、ゲートが開く。
「全員綺麗なスタートを切りました!さぁ前に出たのは6番。並びかけようとしているのは10番、その後ろから11番」
ルビーはいつも通り中団からのスタート。
ヒシアケボノは前から5番手か6番手くらいにいる。
「ルビー、君なら勝てる。信じてるぞ・・・!」

ダイイチルビーが順位を上げる地点は>>280(スタートから何m地点か)
280 : モルモット君   2023/10/17 21:21:36 ID:pd5n69Zris
500m地点
281 : アナタ   2023/10/18 21:04:14 ID:dS0YMV6Jp2
レース中盤に入り、コーナーを回っていく。
「すぅ・・・」
ルビーは華麗なコーナリングで息を入れる。
無駄を無くし、洗練されているからこそ息を入れるタイミングを生み出せる。
「1番の後ろから3番ダイイチルビー」
「おおっと、ダイイイルビー上がっていくようですね。いつもより進出が早いです」
スタートから約500m地点でルビーがペースを上げる。
内枠を活かし、最短距離でコーナーを回りながら位置取りを上げていくつもりらしい。
外のウマ娘を追い抜き、さらに勢いに乗る。
「さぁダイイチルビー、ロングスパートでまくっていくのか」
解説の予想は外れた。
ルビーは中団の前の方に留まり、必要以上に前に出ない。
「よし、この位置なら邪魔されずに飛び出せる」
「行っけーっ!おじょーっ!」
どこからか聞き慣れた声が聞こえた気がした。
「東京レース場の直線はとっても長いデス。あまり早く仕掛けたら直線でバテてしまいます。ルビー先輩の判断は正しいデスよ」
「エル、どうしたんですか急に」
後ろの方から別の聞き慣れた声も聞こえる。
いや、彼女達だけではない。
この観客達の中にはこれまでルビーが獲得してきたファンや激闘を繰り広げたライバルがたくさん含まれている。
ルビーを応援するため、叫んでいるのだ。
「ルビー!良いぞーっ!」
負けられない。
ルビーを一番近くで見てきたのだ、一番大きな声を出して応援しなければ。
「間もなく最終直線に入ります!」

先頭のウマ娘とダイイチルビーとの差は>>282(6バ身以上)
282 : お姉さま   2023/10/18 21:06:35 ID:a2SazFM2Ck
9バ身差
283 : 使い魔   2023/10/19 21:03:55 ID:nBHZYLQ2OM
「10番が先頭に立ったまま、最終直線に突入!東京の直線は長いぞ!」
先頭は逃げウマ娘の中での先頭争いに勝った10番。
ヒシアケボノは2番手まで上がっていた。
その後ろは少し離れて先行勢がまとまっている。
ルビーと先頭との差は約9バ身。
ここからなら10番は確実に差せる。
ただ、ヒシアケボノがいる。
「行くよーっ!」
ヒシアケボノが飛び出した。
いつもと違い、先頭に立つのは最終直線に入ってからだ。
長い直線に全てを賭けるつもりなのかもしれない。
「我が一族の華麗なる輝きを、深紅の輝きで彩りましょう」
ルビーの前のウマ娘が凄まじいプレッシャーで速度を落とす。
女王に傅く家臣のようにさえ思える。
「ダイイチルビー!外から前を狙う!」
まさに電光石火。
一瞬で加速し、ヒシアケボノに迫る。
「たあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「はぁっ!」
ヒシアケボノとダイイチルビーが並んだ。
「っ!っあっ!」
「ダイイチルビー!抜け出した!」
「うおおおおおおおおおおおっ!」
大歓声が巻き起こる。
「なっ」
だが、一緒に叫べなかった。
その光景に、目を疑った。
「やっと、来た」
ルビーの背後に白い影がぴったりくっついていた。
「ハッピーミーク!ハッピーミークだ!今この時まで息を潜め、ダイイチルビーを狙っていた!」
ギリギリまで気付かなかった。
ヒシアケボノの大きな身体、そしてルビーとのぶつかり合いの気迫を隠れ蓑にしていたのだ。
「我慢は、終わり」

一着と二着との着差は>>284(1バ身以内・ただし同着は不可)
284 : トレぴ   2023/10/19 21:04:30 ID:798z6HKW92
クビ
285 : トレピッピ   2023/10/19 21:04:43 ID:TOnDs9jRT2
ハナ差
286 : モルモット君   2023/10/20 22:34:46 ID:4cT7GFJUus
「ハッピーミーク!ダイイチルビーに並びかけてきた!」
「くっ」
ヒシアケボノとの激しい競り合いでルビーの体力はかなり消耗している。
ここまでルビーやヒシアケボノに隠れて体力消費を最小限に抑えていたハッピーミークとの勝負はかなり不利だ。
「ルビー!根性だーっ!最後は根性で勝てーっ!」
これまでのトレーニングに無駄な事なんて一つも無い。
根性だって鍛えてきた。
「く、はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「差し切る・・・むん・・・差し切る・・・トレーナーに、勝利を」
ルビーは根性で耐える。
ギリギリの所で抜かれない。
「残り100!どちらが勝ってもおかしくないぞ!」
「「「ルビー!」」」
「「「「「ダイイチルビー!」」」」」
ルビーを応援する声が、背中を押す。
最後の最後、全てが決まる瞬間に勝敗を分けるのは何なのか。
ありきたりだが応援の力か、根性か、才能か、努力か、また別の何かか。
何でも良い。
何でも良いから、何でも差し出すから、ルビーの背中を押してほしい。
「あああああああああっ!」
「たぁぁぁぁっ!」
287 : お兄ちゃん   2023/10/20 22:35:07 ID:4cT7GFJUus
ゴールイン。
決着した。
「どっちだ!」
「頼むーっ!」
「ルビー・・・」
ここはゴール板の正面ではない。
どっちが勝ったのか分からないくらい差は無く、実況の判定を待つしか無い。
「勝ったのは・・・」
しんと空気が静まり返る。
「3番ダイイチルビー!ダイイチルビーがこの大舞台を勝利しました!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
世界が揺れる。
破れそうな鼓膜を無視し、共に叫ぶ。
「クビ差での勝利!ハッピーミークから僅かに逃げ切り、勝利を手にしました!やはり最強のスプリンターはダイイチルビーだぁぁっ!」
ルビーは昂りを鎮めるようにゆっくりと歩き、観客席に向かって手を掲げた。
「うおおおおおおっ!」
「ルビー!」
「トレーナーさん」
観客席から飛び出し、ルビーに駆け寄った。
「わっはは!やったなルビー!本当によくやった!」
興奮してルビーの身体を持ち上げてしまっていた。
「あ、ごめん、つい」
「・・・いえ」
慎重に地面に下ろす。
「・・・負けた。頑張ったけど・・・負けは負け。おめでとう」
惜しくも2着となったハッピーミークがルビーの勝利を祝福した。
「ルビーさん!すっごく速かった!おめでとう!」
3着を守り抜いたヒシアケボノも賞賛した。
「ありがとうございます。貴方達のおかげで私も己の限界を超える事が出来ました」
ルビーはそう言うと、改めて観客席の方を見た。
「・・・これからも、ずっと」

ウイニングライブの観客数は>>288(五千人以上)
288 : トレ公   2023/10/20 22:35:32 ID:7xCWr29he6
9800人
289 : トレピッピ   2023/10/21 22:26:11 ID:6CXZuANfAw
「位置について よーいどん」
いつものようにルビーをウイニングライブの時間まで休んでもらった。
特に、今日はとても特別な楽曲を披露するので休むのは大事だ。
「うーーーー(うまだっち)
うーーー(うまぴょい うまぴょい)
うーー(すきだっち) うーー(うまぽい)
うまうまうみゃうにゃ 3 2 1 Fight!!」
センターはもちろんダイイチルビー。
隣で踊るのはハッピーミークとヒシアケボノ。
「おひさまぱっぱか快晴レース(はいっ)
ちょこちょこなにげに(そーわっ So What)
第一第二第三しーごー(だんだんだんだん出番が近づき)」
いつもは凛としているルビーだが、今はとても楽しそうだ。
プロとしてのパフォーマンスだけでなく、本心でも楽しんでいると嬉しく思う。
「めんたまギラギラ出走でーす(はいっ)
今日もめちゃめちゃはちゃめちゃだっ(ちゃー!)
がち追い込み(糖質カット)
コメくいてー(でもやせたーい!)」
確か観客席は9800席。
もちろん満席になっているし、配信や立ち見などを含めれば実際にライブを見ている人数は何倍にもなるだろう。
290 : お兄ちゃん   2023/10/21 22:26:20 ID:6CXZuANfAw
「あのこは(ワッフォー)そのこは(ベイゴー)
どいつもこいつも あらら(リバンドー)
泣かないで(はいっ)拭くんじゃねー(おいっ)
あかちん塗っても(なおらないっ)(はーっ?)」
メインで歌い踊る三人以外も生き生きとパフォーマンスしている。
決勝では負けてしまったものの、ここまで勝ち上がってきたのだからかなりの実力者である事は間違いない。
「きょうの勝利の女神は
あたしにだけチュゥする」
ルビーの完璧な振りを見ていると彼女の努力を想像出来る。
きっとライブの練習もたくさんやってきたのだろう。
「虹のかなたへゆこう
風を切って 大地けって
きみのなかに 光ともす
(どーきどきどきどきどきどきどきどき)」
空気がステージの中心に集まっていくように感じる。
「きみの愛馬が!
ずきゅんどきゅん 走り出しー(ふっふー)
ばきゅんぶきゅん かけてーゆーくーよー
こんなーレースは― はーじめてー(3 2 1 Fight!)」
必死にペンライトを振り、ルビーのパフォーマンスに答える。
「ずきゅんどきゅん 胸が鳴り(ふっふー)
ばきゅんぶきゅん だいすーきーだーよー」
応援してくれた人々に感謝を伝えるのがウイニングライブだが、むしろこちらが感謝したい。
ドラマチックなレース、そして素晴らしいライブパフォーマンスを見る事が出来たのだから。
「今日もーかなでーるー
はぴはぴ だーりん 3 2 1 Go Fight
うぴうぴ はにー 3 2 1 (うーーFight!!)」
ライブは大盛況のまま幕を閉じた。
このライブは伝説としていつまでも心に残しておきたいと思った。

最後なので安価は無し
291 : あなた   2023/10/21 22:27:27 ID:P/1vGS.lx6
お疲れさまでした
292 : トレーナーさま   2023/10/22 00:08:17 ID:W2jJ2kdhRw
もしも続編があるとしたら、今度はウマ娘側からの視点で、スポ根もそうですが生徒同士の交流も見てみたい気もします。
293 : トレ公   2023/10/22 12:00:07 ID:oFc5zFVZ7w
ダイイチルビーとのとても大事な『最初の3年間』を、共に乗り切る事が出来た。
その余韻に浸っていたある日の事。
「トレーナーさん。ご準備はよろしいですか」
「あ、ああ!頑張る!」
出来る限り身なりを整えたが、安心は出来ない。
「ネクタイが歪んでおります」
ルビーにネクタイを直してもらう。
「あ、ありがとう」
普段はネクタイが歪まないように気をつけているが、やはり緊張でそこまで気が回っていない。
「では参りましょう」
震えながら迎えの車に乗り込む。
高級車の座り心地は良いはずだが、それを感じる余裕は無い。
「あまりご緊張なさらないよう」
ルビーの手が自分の手の上に添えられる。
緊張を解こうとしてくれているのだろう。
「・・・ふぅ・・・ありがとう。ちょっと楽になったよ」
GIの比では無いレベルで緊張していたが、ルビーのおかげで少し緩和された。
「お帰りなさいませ、お嬢様。トレーナー様もようこそいらっしゃいました」
「ど、どうも」
使用人とルビーに案内され、屋敷の奥に進む。
「こちらです」
使用人が扉を開け、ルビーと共に部屋の中に入る。
使用人はここまでのようだ。
「貴方が・・・」
その女性は、ルビーとよく似ていた。
ルビーが大人になればこのような女性になるのかもしれないと思った。
294 : お前   2023/10/22 12:00:16 ID:oFc5zFVZ7w
「こ、こんにちは!ダイイチルビーのトレーナーをさせていただいております!」
「ルビーの母です。どうぞお掛けになって下さい」
促され、背筋を伸ばしてソファに座る。
「もちろんながら、これまでのルビーの活躍は全て聞き及んでおります。ルビーがこれほどの結果を残せたのは貴方の存在があればこそ。今後とも、この子をよろしくお願いします」
「そう言っていただけて光栄です。これからもルビーを全力で支えて参りたいと考えております」
そう言うと、ルビーとルビーの母親が同時に微笑んだ、ように見えた。
その後色々な話をしたが、互いの家族の話や趣味の話など、私生活に関する話が多かった。
「ルビー、しばらく二人で過ごすと良いでしょう」
「・・・はい」
ルビーの母親が退席した。
「・・・ふぅ、やっぱり緊張したよ」
荘厳なオーラに、どうしても緊張してしまっていた。
それを感じ取り、気を遣って退席してくれたのだろう。
「ルビーと二人から落ち着くよ」
「私も、トレーナーさんとなら・・・」
これでいつも通り過ごせる。
「じゃあ早速今後のスケジュールを立てようか。次のレースは・・・どうしたルビー?」
ルビーはまるで不意を突かれたかのような表情をしていた。
だが、すぐに微笑む。
「いえ、トレーナーさんらしいと思いまして」

ダイイチルビー編:完
295 : ダンナ   2023/10/22 12:02:56 ID:oFc5zFVZ7w
>>294
訂正
✕「ルビーと二人から落ち着くよ」
○「ルビーと二人なら落ち着くよ」
296 : アナタ   2023/10/22 14:59:40 ID:oFc5zFVZ7w
ダイイチルビー

戦績
(選抜レース:8着)
デビュー戦:1着
京王杯ジュニアステークス:5着
チューリップ賞:1着
桜花賞:1着
オークス:10着
秋華賞:5着
マイルチャンピオンシップ:1着
(ヒシアケボノとの並走):同着
高松宮記念:2着
京王杯スプリングカップ:1着
(模擬レース:1着)
マイルチャンピオンシップ:1着
URAファイナルズ短距離部門予選:1着
URAファイナルズ短距離部門準決勝:1着
URAファイナルズ短距離部門決勝:1着
公式戦13戦9勝

次回安価から新章開始
297 : あなた   2023/10/22 22:16:59 ID:oFc5zFVZ7w
これまでに登場したウマ娘

レース出走
ダイイチルビー
タウンハングアウト
タイキシャトル
メジロドーベル
エアグルーヴ
ゴールドシチー
ヒシアケボノ
グラスワンダー
カレンチャン
ハッピーミーク

レース非出走
ケイエスミラクル
エルコンドルパサー
ダイタクヘリオス
ヒシアマゾン
メジロパーマー
ライスシャワー
イナリワン
ゴールドシップ
セイウンスカイ
エイシンフラッシュ
オグリキャップ
スペシャルウィーク
ツルマルツヨシ
イクノディクタス
メジロマックイーン
メジロブライト
マチカネタンホイザ
298 : 使い魔   2023/10/23 20:10:16 ID:YJNyX59Ncw
トレーナー室を訪れたウマ娘は>>302(>>297のレース出走済みウマ娘は不可)
299 : モルモット君   2023/10/23 22:00:12 ID:/0Yccy8nA.
オグリ
300 : アナタ   2023/10/23 23:00:00 ID:/0Yccy8nA.
メジロパーマー
301 : アナタ   2023/10/23 23:01:18 ID:rUV9sPD0C2
エイシンフラッシュ
302 : トレーナーさま   2023/10/23 23:02:05 ID:/0Yccy8nA.
セイウンスカイ
303 : 使い魔   2023/10/24 21:08:25 ID:ZpXovlDKFg
ダイイチルビーとトレーナー室でいつものようにミーティングをしていた時の事。
コンコンと扉がノックされた。
「はい」
扉を開けるとウマ娘が立っていた。
「君は・・・」
「どもども〜、ちょっとお邪魔しますね〜」
返事する前に部屋に入ってきた。
「スカイさん」
ルビーはそのウマ娘の名前を呼ぶ。
「セイウンスカイ、だったっけ」
「はい、そうですよ」
セイウンスカイ、面識は無いがどうしてここに来たのだろう。
「何か用事があるのか?」
「・・・正直に言いますね」
息を飲む。
「わ、私のトレーナーになって下さい!」
「え・・・」
いきなりの事で理解が追いつかない。
「実は・・・その・・・ルビーさんのレース見て、熱くなっちゃったって言うか、私もこんな風に走りたいなーって」
もじもじとしているが、ルビーのレースに憧れたというのは伝わった。
「なるほどな。だけど、君も分かっていると思うけどルビーを担当しているから、君は担当出来ない。ごめんな」
断るのは辛いが、専属契約を結んでいる現状では二人を同時に担当する事は出来ない。
「・・・にゃはは〜そうだと思ってましたよ〜。ま、しょうがないですよね」
セイウンスカイは頭の後ろで手を組みながらトレーナー室から出ていく。
「じゃ、またどこかで〜」

セイウンスカイがいる場所は>>304(学園内のどこか)
304 : トレーナー君   2023/10/24 21:09:41 ID:VFk7VNQe.Q
中庭のベンチ
305 : マスター   2023/10/25 22:14:16 ID:9Np/2a/QME
「ルビー、セイウンスカイとは知り合いなのか?」
「以前、合宿所から学園へのバスで隣の席になった程度です」
特に仲が良い訳ではないようだ。
「・・・セイウンスカイは本気だったと思うか?」
「貴方がお考えの通りでしょう」
ルビーには見透かされているようだ。
「ルビー、悪いがミーティングは終わりだ。やらなくちゃならない事が出来た。・・・それと、君に頼みたい事もある」
ルビーにやってほしい事の詳細を伝え、トレーナー室を飛び出した。
ルビーも後からトレーナー室を出て、学園内を歩き回る。
「らしくない事するもんじゃないなー。あんな真正面から真面目にぶつかるなんてさ、いつもなら絶対しないし。いやー、何であんな事しちゃったのやら。・・・あんなので上手くいく訳無いのに」
「スカイさん」
中庭のベンチで寝転がり、目を腕で覆い独り言をぶつぶつ言うセイウンスカイ。
ダイイチルビーがそれを発見し、声をかけた。
「ばっ、る、ルビーさん!?」
セイウンスカイは飛び起きた。
「・・・聞いてました?聞いてないですよね」
「・・・お気になさらず」
セイウンスカイは顔を赤くして俯く。
「貴方に少々お話が」
「へ?」
306 : トレーナーさま   2023/10/25 22:14:29 ID:9Np/2a/QME
ルビーはセイウンスカイの隣に腰掛け、話し出す。
「貴方は私の走りに熱を感じたと仰っていました。ですので、私がその熱を得るに至った経緯をお話しようと思います」
「・・・もしかして、励まそうとしてる?」
ルビーは三年間の出来事を次々と話す。
「こうして、私はスプリンターとして歩む事になったのです」
「あ、あの、ルビーさん。今全体のどのくらいですかね?」
「半分程でしょうか」
セイウンスカイは苦笑いした。
「つ、続きはまた別の機会にって事で~」
「・・・そうですね。丁度いらっしゃったようですので」
ルビーは校舎側を見た。
「トレーナーさん?」

セイウンスカイとダイイチルビーが話していた時間は>>307(30分以上2時間未満)
307 : お姉さま   2023/10/25 22:15:08 ID:11sK6KyloI
1時間半
308 : 大将   2023/10/26 20:53:36 ID:pu8.BcWWMU
ルビーに時間を稼いでもらったおかげで、約一時間半の猶予が生まれた。
その間、たづなさんに頼み込み膨大な量の手続きをさせてもらった。
「セイウンスカイ。さっき俺が何で君を担当するのを断ったか覚えているか?」
セイウンスカイはぽつりと言った。
「えっと、ルビーさんと専属契約してるからって・・・」
「ああ。だから俺はチームトレーナーになってきた」
「なっ、え?」
契約上の問題で、セイウンスカイを担当する事を断らざるを得なかった。
そう、契約上の問題なのだ。
それならば契約を変えれば良い。
チームトレーナーになるための手続きを急いで終わらせ、たづなさんにその場で承認してもらったのでつい二分前からチームトレーナーだ。
「チームに入れるかどうかはもちろん実力を見て決める。でも、実力すら見ずに断るなんてあんまりじゃないか。契約上の問題なんて大人がどうにかすれば良い。未来あるウマ娘の頼みをあんな形で突っぱねてたまるか!」
「・・・っ。トレーナーさん」
セイウンスカイは驚いたような表情を見せたが、すぐにニヤリと笑った。
「トレーナーさんってば、本当にウマ娘の事になると熱血なんですね〜。ルビーさんが言ってた通りじゃないですか〜。全くもう〜」
真っ直ぐな眼差しでこちらを見据える。
「ま、せっかくですし?このチャンス、釣り上げちゃいますか!」
勢い良く立ち上がり、拳を突き上げる。
「選抜レース、勝てばチームに入れてくれますよね?」
「ああ。あくまで実力で決める」
機会は平等に設ける。
その上で、セイウンスカイが勝てば。
「それじゃ、勝っちゃいますよ」
「勝ってこい!スカイ!」

セイウンスカイの選抜レースの条件は>>310(1600〜2000mの距離で右回りまたは左回り)
309 : アナタ   2023/10/26 20:54:04 ID:YXRnsXjLBM
1800m右回り
310 : トレ公   2023/10/26 20:54:39 ID:YXRnsXjLBM
1600m左回り
311 : お前   2023/10/26 22:17:58 ID:pu8.BcWWMU
今後、2レス先以上の安価指定の場合は同一IDで書き込まないようにお願いします
312 : お兄ちゃん   2023/10/27 21:03:43 ID:TeonQMDzig
セイウンスカイの選抜レース当日。
「1600m左回り。マイルレースか」
本格化が始まってすぐの頃はどうしても距離適性が分かりにくくなってしまう。
選抜レースではそれぞれに合わせて距離を選ばせてはくれない。
果たしてセイウンスカイにマイル適性があるのか。
もしあまりマイルに向いていないとしたら、勝つのは難しくなる。
「それじゃ、行ってきますね」
「健闘をお祈りします」
ルビーに見送られ、スタート地点に向かうセイウンスカイ。
8人レースで、4番。
彼女はどのような戦法で走るのか。
「今スタートを切りました!」
セイウンスカイは一気に飛び出し、先頭に立つ。
「逃げるのか」
「先頭は4番。1バ身離れて5番、その外から8番が並びかける」
中間地点でセイウンスカイがペースを上げた。
「いや、これが普通?」
スタートしてから今までセイウンスカイが先頭に立ってペースを握っていた。
実は先頭を易々と譲らない程度に速度を落としていたのだ。
「4番どんどん差を広げる!8番が遅れて追いかける!」
後ろのウマ娘の反応が遅い。
このタイミングで仕掛けるとは思わなかったのだろう。
大した速度でもないのに、差が開いていく。
自分のペースでレースを運び、スタミナを温存出来たセイウンスカイは速度を上げるのにも苦労しない。
「さぁまもなく最終直線!4番が3バ身差で先頭!このまま逃げ切るのか!」
マイルレースは短い。
逃げが有利だと言える。
「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
後ろから猛追するウマ娘がいる。
「そこからじゃ届かないんだなー」
セイウンスカイは最後まで失速せずに逃げ切った。
「今、ゴールイン!4番が見事な逃げ切り勝ち!2着は3番、3着は8番でした」
観客席、こちらの方を見てセイウンスカイは手を振る。
「約束通り、勝ちましたよ〜!」

チームの名前は>>314(カタカナ3〜9文字)
313 : 相棒   2023/10/27 23:45:50 ID:ZoWkeSrwl.
オリンポス
314 : お兄ちゃん   2023/10/28 00:00:08 ID:lZ5iwHqVUo
チーム「アルタイル」
315 : 相棒   2023/10/28 22:32:48 ID:cfA3BPKGAE
「お疲れ様。よく頑張ったな」
セイウンスカイは選抜レース後のスカウトを全て断りながらこちらに歩いてきた。
「にゃはは〜セイちゃんの強さにびっくりしちゃいました?」
「ああ!びっくりした!」
「わ、そ、それは良かったです」
セイウンスカイは見事に勝利し、実力を見せてくれた。
「チーム、入れてくれますよね?」
「もちろん!ようこそ、セイウンスカイ!」
レースそのものを支配するその走りはきっと見ていて楽しいだろう。
「ところで、チーム名は何なんです?」
「私もまだ聞いておりませんが」
そう言えば、まだ教えていなかった。
チームとしての実感がこれまで無かったので忘れていた。
「チーム<アルタイル>だ」
「おおー、どうしてその名前に?」
「アルタイルはとても明るい星だ。チームの未来が明るくなりそうだろう?それに、アルタイルの時点はとんでもなく速い。ウマ娘にぴったりだ」
「良い名前だと思います」
ルビーも受け入れてくれたようだ。
「チーム<アルタイル>、これから頑張るぞー!」
「おおーっ!」

セイウンスカイと行うトレーニングは>>316(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
316 : アナタ   2023/10/28 22:33:34 ID:lZ5iwHqVUo
根性
317 : お前   2023/10/29 22:33:45 ID:IGumahXHXQ
「今日からトレーニングを始めていくぞ」
「は〜い、お手柔らかにお願いしますね〜」
選抜レースで見事に勝利したとは言え、まだまだ適性や身体能力については分かっていない事の方が多い。
彼女の事を知るには、実際に走りを見るのが一番だ。
「じゃあ坂路十本行こうか」
「うぅー、いきなりキツいヤツじゃないですかー」
つべこべ言いながらもスカイは走り出した。
ルビーがタイムを測ってくれている。
「ひぃ、ひぃっ」
体力はまだついていないし、フォームも完璧ではない。
だが、それはこれから良くしていけば良い。
「スカイ!根性だ!根性で走り切れ!」
「は、はぁ、はい!」
「あと一本です」
スカイは力を振り絞り、全速力で坂路を駆け上がる。
「もう少し!」
「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
セイウンスカイはトレーニングをやり遂げた。
「お疲れ様。初日からよく頑張ったな」
「ほんとにも~、トレーナーさん張り切りすぎですって~。・・・ルビーさんも最初からこれを?」
ルビーはこくりと頷いた。
「デビュー後には倍になります」
「あちゃー、こりゃ大変なチームに入っちゃいましたなー」
そういうスカイの顔に悲観の表情は無い。
「ま、そのくらいの方が良いか、なーんて」

セイウンスカイ、ダイイチルビーと一緒に食べる料理は>>318(3人で同じ料理)
318 : キミ   2023/10/29 22:34:25 ID:E3N5tb1f8k
舌平目のムニエル
319 : ダンナ   2023/10/30 21:03:30 ID:y7yzXZYD/o
「お腹空いただろ?何か食べに行こう」
「やった〜!」
「先に着替えましょう」
二人が着替え終わるのを待つ間、それぞれの寮に連絡を入れておく。
三人が揃い、食堂に向かう。
「あれ?食堂ってこの時間やってましたっけ」
「あぁ、この時期は新メニュー開発期間だから夜もやってるんだ。基本トレーナーとその関係者だけしか利用出来ないんだけどな」
そう言えばルビーがデビューしてすぐの頃もイベント用のメニューを食べた気がする。
確か、あの時は舌平目のムニエルを食べた。
「おお、これって」
「舌平目のムニエルですね」
「これが食堂の新メニューになるのか・・・」
以前食べた時はイベント用メニューの試食だったが、好評だったので食堂のメニューにもなるのだろうか。
「うん、前食べたあの味だ」
「はい」
当時、デビューしたてのルビーとは、まだ上手く会話出来なかった。
今となっては懐かしい思い出だ。
「舌平目、もう少ししたら釣りやすい季節なんですよ。水温が高くなると結構浅いとこまで出てきてくれるので」
「スカイ、釣りが好きなのか?」
「はい、こう見えても釣り名人なんですよ?」
スカイは自信満々にムニエルを口に運ぶ。
「そうなのか、良かったら今度ついていっても良いか?」
「ぜひぜひ〜!あ、でも朝早いですよ?大丈夫です?」
「もちろん!どんな時間でも行くよ!」
こうして、次の休みにスカイと釣りに行く事になった。

セイウンスカイが釣り上げた魚は>>320(春に釣れる魚)
320 : トレ公   2023/10/30 21:04:03 ID:j.N/sTCDb2
鰆(サワラ)
321 : アネゴ   2023/10/31 21:10:23 ID:dxfPEEatsw
「いやー風が涼しくて気持ち良いですね〜!」
「ああ。潮の香りも感じるな」
早朝、スカイと共に瀬戸内海に来ていた。
ルビーは予定が合わず来られなかったが、沢山釣ってルビーへのお土産にしよう。
「今日狙うのは鰆。ルアーでも釣れますよ」
「確か鰆って魚に春って書くよな?という事は春が旬なのか?」
スカイは得意げに説明する。
「西の方では春が旬ですね。だからこうやってここまでやって来た訳ですし。冬も脂がのってて美味しいですよ」
そうこう言っている内に釣り場に着いた。
「竿はこう持って、こう、えっと、もっと下の方を・・・」
スカイに竿の構え方や投げ方を教えてもらう。
しかしなかなか上手く出来ない。
結局スカイに一緒に持ってもらい、実際に動きを学ぶ事になった。
「そうそう!良い感じですよトレーナーさん!」
ぴったりとくっついてもらった状態ではあるが何とかルアーを投げられた。
「お、かかったかかった!」
スカイの竿に反応があった。
ぐいぐいと引っ張られ、しなる竿。
「よっと!」
ウマ娘のパワーに魚が勝てるはずも無く、あっという間に釣り上げた。
「おおっ、早速鰆ゲット〜!」
その後も、スカイは鰆を釣り上げ続けた。
「俺だって!」
一匹も釣れなかった。
「ま、こんな時もありますって」
「また釣りに行こう!」
次こそは見事な釣果を上げてみせると誓った。

セイウンスカイのデビュー戦は何週間後に行われるか>>322(1〜4週間)
322 : トレぴ   2023/10/31 21:34:59 ID:ChSUwDZN06
2週間後
323 : トレーナーさん   2023/11/01 21:04:40 ID:vtCJbo4LJY
セイウンスカイとのトレーニングを重ね、だんだん適性が分かってきた。
「距離適性は中長距離。これなら王道のクラシック三冠路線に行けるな」
「おお〜、三冠!セイちゃんもこれに挑戦出来るとは!」
スカイのポテンシャルは高い。
この調子でトレーニングをしていけばクラシックのGI戦線でも通用するようになるだろう。
「そして脚質は逃げ一筋。相手を揺さぶる賢い逃げだ」
スカイは得意げに胸を張る。
レースでは底を見せない策士だが、こういう所は素直で分かりやすい。
「デビュー戦は2週間後。中山2000m右回りだ」
「皐月賞と同じ条件ですね」
ルビーの言う通り、皐月賞と同じ条件をデビュー戦に選んだ。
「ちょっと早いが予行練習だ。絶対に勝とう!」
「おー!」

セイウンスカイのデビュー戦での枠順は>>324(1〜9番)
324 : 貴様   2023/11/01 21:05:20 ID:Q/BlznK89M
5番
325 : トレーナーさま   2023/11/02 21:04:31 ID:/ldbpoRUpI
中山レース場。
今日、セイウンスカイのデビュー戦が行われる。
「落ち着いて普段通りの走りをすれば勝利は自ずと掴めるでしょう。トレーナーさんとのトレーニングを信じ」
「そんなに言わなくても分かってますって〜。こんな所で母性発揮しなくても良いですよー」
ルビーは無言で後ろに下がった。
「スカイ、大体ルビーが言ってくれたから、俺からはこれだけ」
このデビュー戦はただの通過点。
だから、難しく考える必要は無い。
「勝ってこい!」
「もちろん!」
ゲートに入り、スタートの合図を待つ。
「今、スタート!」
一斉にスタートを切った。
逃げるのは5番スカイだけでなく、3番も。
「3番先頭に立った。1バ身後ろから5番、2バ身離れて1番、その外から7番」
スカイは2番手。
無理に先頭に立たず、体力を温存するようだ。
「順位はほとんど変わらずコーナーに入る!」
中盤の直線を抜け、二つ目のコーナーに突入する。
「よーし!」
スカイは一気に速度を上げる。
「な!?」
3番は、スパートのタイミングはもう少し先だと思っていたのか、スカイに反応出来なかった。
スカイはそのまま先頭に立ち、ぐんぐん差を広げていく。
「このくらいはね、楽々勝てないと!」
8バ身差での1着。
素の力だけでも、セイウンスカイは十分戦える。
改めてそれを思い知った。

セイウンスカイと行うトレーニングは>>326(スピード・スタミナ・パワー・賢さのいずれか)
326 : トレーナーさま   2023/11/02 21:04:57 ID:g/bqIoZbBw
賢さ
327 : お兄ちゃん   2023/11/03 21:03:32 ID:fWmgXhdTk2
「メイクデビューは通過点。これからが本番だぞ」
スカイがいるべき世界はもっと上だ。
クラシック三冠も達成してほしいし、シニア級でもGIを制してほしい。
「とは言え、昨日の疲れもあるだろう。だから今日は座学だ」
「ええー、普通に休みでも良いじゃないですか〜」
トレーナー室のホワイトボードにレース戦略を書いていく。
トレーナーは教師ではない。
授業で習わないような事を教えるのが役目と言える。
「良いか?先頭に立った時にペースを握るためには・・・」
スカイは退屈そうに話を聞いている。
一応寝てはいないが、果たして理解出来ているのか。
「スカイ、ここまで分かったか?」
「分かってますよー」
「本当か?じゃあここで言ったストライドの変化について説明してみてくれ」
スカイはぐでんと机に突っ伏したまま答える。
「後ろのウマ娘は前のウマ娘のストライドの変化を見てペースを変えるって話でしょー?分かってますってー」
ちゃんと理解出来ていた。
「意外と勉強も真面目にやるんだな」
「別に好きじゃないですけどね〜。ま、セイちゃんは天才なので出来ちゃうんですよ〜」
スカイのポテンシャルなら冗談とも言い切れない。
「それじゃあ、続けるぞ」
「えぇ〜休憩しましょうよ〜」

セイウンスカイの次走は>>328(ジュニア級9月〜12月までに行われる芝の中距離レース)
328 : 大将   2023/11/03 21:04:51 ID:26u/xPtEpE
京都ジュニアステークス
329 : トレぴ   2023/11/04 21:03:54 ID:BX0tDFL.1.
「スカイ、君の目標はクラシック三冠。って事で良いのか?」
あまりはっきりとは目標を聞いていなかったので、ここで擦り合わせておく。
「もちろん三冠は狙えるなら狙いますよ?でも最終目標はそれじゃないです」
「それじゃあ、最終目標は?」
スカイはいつもの調子で言った。
「もちろん、最強のウマ娘ですよ」
その言葉はあまりにも現実離れしている。
最強とは、誰よりも強い事。
未だ、揺るぎない最強の座についたウマ娘はいない。
スカイはそれを目指すと平然と言ってのけた。
「最強、か。とてつもなく難しいぞ」
「無理だと思います?」
「いいや」
スカイは自信に満ち溢れている。
全てが上手くいくとは思わないが、それでも期待しない訳にはいかない。
「スカイならきっとなれる!最強のウマ娘に!」
「私も応援しております」
ルビーはスカイを真っ直ぐに見る。
「ただし、私の前に立ちはだかるのならば話は別ですが」
スカイはルビーが放ったプレッシャーを感じ取り、冷や汗をかく。
それでも、後ろには退かない。
「はは、怖いな〜」
まずは、最強への第一歩。
「スカイ、具体的な目標なんだが、京都ジュニアステークスなんてどうだ?」
11月に京都で行われる中距離GⅢ。
いきなりの重賞挑戦だが、スカイなら大丈夫だろう。
「異論無しで〜す」

セイウンスカイのトレーニングを手伝うウマ娘は>>330(ダイイチルビー以外)
330 : トレーナーちゃん   2023/11/04 21:04:25 ID:MPcSFWR2Zg
トウカイテイオー
331 : トレぴっぴ   2023/11/05 22:30:12 ID:CA72fgXBsE
「スカイ、今日は合同トレーニングだ」
「ほうほう、お相手は誰です?」
「ボクだ!」
コースに独特なステップで入場してきたのはトウカイテイオー。
天性のレースセンスと柔らかい身体が武器のウマ娘だ。
「トウカイテイオーだよ!よろしく!」
「暇そうにしてたから誘ってみたんだ。お互い仲良くしてあげてくれ」
活発なトウカイテイオーはすぐにスカイと距離を詰めようとする。
「ねーねースカイー!ほらくにゃーん」
「わお、つま先舐められそう」
「よーし!」
衛生上よろしくないので止めておいた。
「それじゃあ、トレーニングを始めるぞ」
準備運動を終え、身体は温まった。
前半は二人で基礎的なトレーニングや並走を行った。
「ここからは、少し趣向を変えよう」

セイウンスカイ、トウカイテイオーと行うトレーニングは>>333(自由な形式)
332 : アンタ   2023/11/05 23:30:36 ID:qnRz0ubDNc
ウェイトリフティング
333 : キミ   2023/11/06 00:00:10 ID:T1cev58Mpg
水泳
334 : トレピッピ   2023/11/06 22:21:32 ID:VyHJbwv/A.
「プール、ですか」
「そうだ。スタミナを鍛えられるし、気分転換にもなる」
三冠路線で必要不可欠なスタミナを鍛えるのに、プールトレーニングは最適だ。
「ボク、泳ぐのも得意なんだー!バタフライとか出来ちゃうよ?」
「いや、今回はクロールだ」
ここまで言って、スカイの様子がおかしい事に気が付いた。
「どうしたスカイ?体調でも悪いのか?」
「いやー、それが・・・」
スカイは頬を指でかきながら言った。
「実は、泳げないんですよ・・・」
「釣りが趣味なのにか?」
海や川に行くのに泳げないのは正直良くない。
「にゃはは・・・」
「じゃあ泳げるようになろうよ!」
「よし!今日はスカイの泳ぎの特訓だ!」
まずはビート板を使った練習から。
「腰が沈んでるぞ!」
「身体反り過ぎだよ!」
「一気に色々言わないで下さいよ~」
結局、その日スカイはビート板を使ってバタ足をする事までしか出来なかった。

京都ジュニアステークスでのセイウンスカイの枠順は>>335(1~18番)
335 : トレぴ   2023/11/06 22:21:55 ID:T1cev58Mpg
5番
336 : あなた   2023/11/07 20:58:01 ID:sUBQKYJsdk
京都レース場、芝2000m。
目標としていた京都ジュニアステークスの日がやって来た。
「スカイ、今日の相手はそれなりに手強いぞ。既に二勝三勝しているウマ娘もいる」
「そうですね〜」
スカイはいつものように手を頭の後ろで組みながら歩く。
「楽々勝っちゃいますよ。強い相手ほど策に嵌めやすいですし!」
自信満々のスカイは地下バ場道を颯爽と進む。
「一番人気は5番セイウンスカイ。デビュー戦では衝撃の8バ身差での勝利を見せました」
「今日はどんなレースを見せてくれるのでしょうか」
デビュー戦と同じ5番だが、今日の出走者は18人。
前と同じような戦略が通じるとは限らない。
「ゲートイン完了。今、一斉にスタートしました!」
「なっ」
セイウンスカイは出遅れた。

1着と2着のウマ娘の着差は>>337(2バ身差以内)
337 : お姉さま   2023/11/07 20:59:09 ID:cqkR.z0GsY
アタマ差
338 : アナタ   2023/11/08 22:20:01 ID:asHwhu4f8k
「おいっ!?スカイ!?」
あれだけ自信満々だったのにスタートで出遅れてしまった。
中団半ばから一気に前を目指して加速する。
「・・・あちゃーやっちゃったな」
スカイは先頭に立つのは諦め、三番手につけた。
序盤からスタミナを無駄に消費してしまったが、大丈夫だろうか。
「出遅れてしまった5番でしたが、何とか前に出られました」
中盤の上り坂まで先頭集団の順位は変わらなかった。
だが、坂の終わりでスカイが仕掛ける。
「5番並びかけてきた!」
一気に先頭に並んだ。
「あ、あはは・・・もうバテバテ・・・」
「じゃあ、さっさと先頭譲ってくれるぅっ!」
下り坂が始まり、先行勢の一人が伸びてくる。
「わっ、やばいかも」
スカイを含め、先頭が三人並んだ。
「もらったぁぁぁぁぁぁっ!」
「・・・なーんてね」
スカイのスピードが劇的に上がる。
まだそんなスタミナが残っているのか。
「なっ、まだ残ってっ!?」
二人は最終直線でも競り合っていた。
「ああああああっ!」
ギリギリ、抜けない、抜かせない。
「一着は5番セイウンスカイ!粘り続けた末の勝利!」
アタマ差で勝利を飾った。
だが、着差以上にスカイが強く感じられた。

セイウンスカイの疲労度は>>339(70%〜95%・100%に近いほど疲れている)
339 : 貴方   2023/11/08 22:21:02 ID:cJW9942rTs
85%
340 : トレーナーさん   2023/11/08 22:21:28 ID:LkbCOcDMsQ
82%
341 : トレーナーちゃん   2023/11/09 22:04:40 ID:IGHWhhRnlY
「お疲れ様、スカイ」
「どうでした?なかなか面白いレースだったでしょ?」
記念すべき重賞初勝利を成し遂げたスカイを迎える。
「出遅れたのはわざとじゃないよな?」
スカイは気まずそうに目を逸らす。
勝ったから良かったものの、あれだけ見事な出遅れはそうそう無い事だろう。
「・・・さぁ?どうでしょうね〜」
「スカイさん」
ルビーはスカイに近寄る。
「にゃっ!?」
ルビーが突如スカイの脚を揉んだ。
「やはり、そうですか」
「な、何なんですかルビーさん!」
「ルビーも気付いたか」
スカイは態度で隠そうとしていたが、かなり疲労している。
出遅れを取り戻すために体力を消費し、バテた。
しかしそれはフェイクで、底無しのスタミナを持っていたスカイは粘り勝った。
それすらも、フェイク。
本当は、スタミナなんて残っていなかった。
根性だけで粘っていたのだ。
「君は立っているのがやっとなくらい疲れている。そうだろう?」
態度で悟られないようにはしていたが、脚は小刻みに震え、左右で肩の高さも若干違う。
「・・・トレーナーさんも、ルビーさんも、鋭いな〜」
ルビーはスカイの身体を支え、腕を肩に回させる。
「十五秒でバレちゃうとは思いませんでしたよ。全く」
「俺は君のトレーナーだからね」
ジュニア級は体力がついておらず、特に無理しがちな時期だ。
より一層コンディションに気を付ける必要がある。
「・・・ほんとに、もう」
セイウンスカイは俯いた。

セイウンスカイと出かける場所は>>342(激しい運動をする事になる場所は不可)
342 : マスター   2023/11/09 22:05:28 ID:XkuEwtnBJQ
温泉
343 : あなた   2023/11/10 22:15:11 ID:MmnUCf.rzw
京都ジュニアステークス。
スカイは勝利したが、代わりに相当疲弊してしまった。
「という訳で、今日のトレーニングは休みだ」
「おお〜!堂々とお休み出来るんですね!」
「ああ!しっかり休んでもらうために、日帰りで温泉に行くぞ!」
「おん、せん?」
セイウンスカイ、ダイイチルビーと共にバスに乗り込み、温泉宿に向かう。
学園からそこまで遠くないので日帰りで温泉を楽しめる。
とは言え、授業終わりの午後から行くので帰りは遅くなってしまうかもしれない。
「・・・遅くなるなら、外泊届出しても良かったんじゃないですか?」
「GⅢでは外泊に見合いません」
「ルビーさん厳しくないです?」
GIウマ娘のルビーも温泉は日帰りだった。
「あ、次降りるぞ」
日帰りの場合予約は不要だったのでスムーズに温泉に向かえた。
「ああああああ生き返るぅぅぅぅぅぅ」
スカイは溶けるように身体を伸ばす。
「他の方もいらっしゃいます」
ルビーはスカイがだらけ過ぎないように気を付ける。
「あらまぁ!ダイイチルビーちゃんじゃないの!この前のレース見たわよ!良かったわよぉ!」
近くにいた婦人が二人に話しかける。
「ありがとうございます。今後も精進致します」
ルビーはいつも通りの対応で返す。
「わお〜、ルビーさんってやっぱり人気ですねー。知名度が違いますよ」
「貴方もいずれこうなるのです」
スカイは苦笑いする。
「まぁ、やる時はやりますよー」
「期待しています」

風呂上がりに飲む物は>>344(三人同じ飲み物)
344 : トレーナー君   2023/11/10 22:15:39 ID:Ie0JZx9hPA
フルーツ牛乳
345 : ダンナ   2023/11/11 22:35:36 ID:3BPXDXDlXM
「いやー良いお湯でしたね~」
「ああ。ほっこり出来たようで良かったよ」
合流後、しばらく椅子に座ってのんびりとした時間を過ごしていた。
「そうだ、何か飲み物を買ってくるよ。何が良い?」
「定番はコーヒー牛乳ですね。でも通なセイちゃんはあえてフルーツ牛乳にします」
「では、私もそれにします」
「じゃあ三本買う事にするよ」
レトロさを感じさせる自動販売機でフルーツ牛乳を購入し、二人に一本ずつ渡す。
「おお、美味しいな」
「ルビーさんはこういうの初めてなんじゃないですか?」
「はい。以前トレーナーさんと温泉に来た際にはコーヒー牛乳を頂きました。フルーツ牛乳の独特な風味も良いものですね」
「へ、へぇ、前にも」
その時、設置されていたテレビのチャンネルを他の客が変えた。
何かの会見の様子が中継されているようだ。
「ここに、最強のウマ娘を決める戦い、トゥインクルスタークライマックスの開催を宣言します!」
「な」
衝撃が風呂上がりの身体に走った。

セイウンスカイと行うトレーニングは>>346(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
346 : キミ   2023/11/11 22:35:56 ID:HqW1wVOnug
スピード
347 : 貴方   2023/11/12 22:36:06 ID:Ls96UozljA
「スカイ!」
「はい」
スカイと目を見合わせる。
最強のウマ娘になりたいセイウンスカイ。
最強のウマ娘を決めるレース。
なんて良いタイミングでデビュー出来たのだろう。
「トゥインクルスタークライマックスは二年後の一月に開催します!今年ジュニア級のウマ娘がシニア級一年目を終えた時期になりますね!」
嬉々として話すその女性は、月刊トゥインクルの記者。
画面には乙名史悦子と表示されている。
説明からは溢れんばかりの熱意を感じる。
「このトゥインクルスタークライマックスの目的は、最も安定した揺るぎない強さを持つウマ娘を決める事です!そのために、同じメンバーで三回レースを行います。その三戦の成績からポイントを集計し、最も多くポイントを獲得したウマ娘が、最強です!」
348 : アンタ   2023/11/12 22:36:16 ID:Ls96UozljA
思わず立ち上がった。
スカイとルビーも同時だった。
「あちゃ~こりゃうかうかしてる暇無くなっちゃいますね~」
「疲れはもうよろしいのですか?」
「温泉入ってフルーツ牛乳飲んだら全回復しました~」
言葉だけでなく、実際に疲れはかなり無くなっているようだ。
「スカイ、ルビー。自転車は乗れるか?」
外は寒いが、風はあまり無い。
「うー寒いー。早く行きましょうよー」
温泉から少し歩いた所にあったのはシェアサイクルサービス。
自転車を好きな場所で借り、好きな場所で返す事が出来るのだ。
「スカイが前、ルビーが後ろ。バイクトレーニングと似ているが、交通ルールはしっかり守るんだぞ。まぁ、ルビーがついているなら大丈夫か」
「セイちゃんだって交通ルールくらい守りますよーだ」
二人は自転車で学園に向かって走り出した。
流石にウマ娘のスピードについて行く事は出来ないので二人とは別にバスで帰る。
三人分の荷物くらい、過酷なトレーニングをこなすウマ娘に比べれば大した苦ではない。
「スカイさん、次の交差点を左です」
「はいは~い」
ルビーのナビのおかげもあり、迷わずに学園に帰る事が出来たようだ。

皐月賞に出走するウマ娘は>>350(>>297のレース出走済みウマ娘は不可)
349 : トレーナーちゃん   2023/11/12 22:42:43 ID:3y3YGp6zLM
サトノダイヤモンド
350 : トレーナー君   2023/11/12 22:42:51 ID:qBTgrDYH4c
マチカネタンホイザ
351 : トレーナーちゃん   2023/11/13 22:10:29 ID:jpIu6Q2NAA
今日はお休み

明日、朝と夜の二回更新します
352 : 貴方   2023/11/14 09:30:34 ID:2LV6CmSstQ
「あけましておめでとうございまーす」
「あけましておめでとう、スカイ」
「あけましておめでとうございます」
一月二日、ルビーとトレーナー室でのんびりしているとスカイがやって来た。
「それでは参りましょう」
スカイも来たので早速出発する。
「すごい人だな・・・」
神社は初詣客でいっぱいだった。
「はぐれないようにな」
スカイを袖に掴まらせ、時々後ろを確認しながら進む。
ルビーはスカイに掴まっている。
「まずはお参りから」
何とか列にたどり着き、並ぶ事が出来た。
二人に五円玉を渡す。
「ルビーさん、五円玉見た事あります?」
「そこまで無知ではありません」
その時、隣の列から騒がしい声が聞こえてきた。
「あーっ!?お年玉以外持ってくるの忘れちゃいましたーっ!?」
「小銭が無いって事か。いっそお札入れるか?」
「流石にそれは無理ですよぉー!」
「ははは。なら、これ」
「おお!ありがたや〜」
マチカネタンホイザと、そのトレーナーだろうか。
去年、いやもう一昨年のクリスマスパーティーでマチカネタンホイザと会った時には、トレーナーはおらずデビューもまだだと言っていた。
「あ、ルビーさん達!あけましておめでとうございます!今年もよろよろです〜!」
「ああ、よろしく」
「今年もよろしくお願いいたします」
マチカネタンホイザのトレーナーも会釈する。
353 : キミ   2023/11/14 09:30:42 ID:2LV6CmSstQ
「デビュー出来たんだな」
「はい!今年からピカピカのクラシック級です!頑張っちゃいますよ〜!むん!」
チームトレーナーは忙しく、デビューしたウマ娘についてはあまり調べていなかったので、マチカネタンホイザがスカイと同期だった事を初めて知った。
情報収集を怠るのはトレーナーとして許されざる行為、これからは徹底しよう。
「それならセイちゃんと同期ですね〜。クラシックはどの路線に挑戦するんです?」
「もちろん三冠路線です!重賞初勝利をGIで挙げてみせましょう!」
スカイはその言葉を聞いて耳をピクンと動かす。
「じゃあ皐月賞、当たっちゃいますね〜」
「負けませんぞ〜」
表面上では分かりにくいが、バチバチと火花が散っている、のかもしれない。

初詣後にセイウンスカイ、ダイイチルビーと行く場所は>>354
354 : トレーナー君   2023/11/14 10:42:06 ID:/DJsh7r0M6
昔ながらのそば屋
355 : 貴方   2023/11/14 21:07:18 ID:Ts/e5009iA
参拝を済ませた後はマチカネタンホイザ達と別れ、正月ムードで賑わう町を歩く。
「そろそろお昼ですね〜」
「そうだな、何食べたい?」
「お二人にお任せいたします」
ルビーが言った。
「あーそれ、妻が夫に言われたくないやつじゃないですかー」
ルビーはスカイにそう言われ、目を細める。
「そうでしたか。申し訳ありません」
「いや、全然大丈夫だよ」
ルビーの視線が別の所に向いた。
「あのお店にしません?ね、ルビーさん」
ルビーの視線に気付いたスカイが提案する。
「蕎麦屋だな。俺は良いけど、ルビーも蕎麦で良いか?」
「はい」
入店してみると、外観のイメージそのままの昔ながらの蕎麦屋と言った感じの店内だった。
「らっしゃい」
昼時という事もあり、カウンター席しか空いていなかった。
ルビーとスカイに挟まれるように座る。
「好きなのを頼んで良いぞ」
「じゃあ私はざる蕎麦で〜」
「天ぷら蕎麦にいたします」
「すみません、ざる蕎麦と、天ぷら蕎麦と、きつね蕎麦を一つずつ」
余計な飾り付けが無くシンプルだが、味は絶品だった。
「美味しいですね〜」
「ああ」
温かい蕎麦が身体に染みる。
今年も一年頑張ろうと、自然と思わせてくれた。
「スカイ、皐月賞目指して頑張ろうな」
「ずずずず、え、何か言いました?」

セイウンスカイとダイイチルビーと行うトレーニングは>>356(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
356 : 使い魔   2023/11/14 21:08:03 ID:/DJsh7r0M6
根性
357 : お前   2023/11/15 22:13:45 ID:nwKMQ.5uQY
年明け最初のトレーニングの日。
「今日は二人で対決形式のトレーニングをしてもらおうと思う」
「坂路でですか?」
「ああ。逆立ちで坂路を往復して、先にノルマを終わらせた方の勝ちだ」
スカイは露骨に嫌な顔をする。
「えぇ・・・せめて勝ったらご褒美くらいありますよね?」
「もちろんだ」
早速スタートさせる。
ルビーはスプリンターだが、先輩でもあるのでノルマの差は無し。
「スカイ!負けてるぞ!根性で食らいつけ!」
「トレーナーさんの鬼ぃ~!」
結局最後まで文句を言わずにやり遂げたルビーが勝利した。
「二人共よく頑張ったな。勝ったルビーにははちみーだ」
「ありがとうございます」
それを見ていたスカイは羨ましそうだ。
「ごめんなスカイ。そんなに羨ましそうにするとは思ってなくて。よっぽどはちみーが好きなんだな」
「・・・まぁ、そんな所ですかね」

皐月賞でのセイウンスカイの枠順は>>358(1~17番)
358 : お前   2023/11/15 22:14:15 ID:nDxl81A4.2
10番
359 : 使い魔   2023/11/16 21:01:01 ID:9.t5uKEEcI
時間の流れはあっという間。
皐月賞の日がやってきた。
「一番人気は10番セイウンスカイ。メイクデビュー、京都ジュニアステークスを勝利し、ここまで無傷の二連勝。クラシック三冠の一冠目を勝ち取る事が出来るのでしょうか」
スカイに人気がかなり集まっているらしい。
「17番マチカネタンホイザ、今日は三番人気です」
マチカネタンホイザは五戦二勝。
重賞での勝利こそ無いものの、掲示板圏内には必ず入っている。
「スカイ、今日は出遅れるなよ・・・!」
「ゲートの練習も重ねました。きっと大丈夫でしょう」
正直、スカイはゲート入りをかなり嫌がっている。
窮屈なのが嫌いなのか、雰囲気が嫌いなのか、詳しい事は教えてくれないが、一応直そうとはしているらしい。
「ふぅ、はぁ。よーし」
ゲートの前でしばらく立ち止まり、心の準備が出来てからゲートに入った。
「セイウンスカイが無事、ゲートに収まりました。今、スタート!」
スタート自体は上手くいった。
スカイはするすると前に出て先頭に立つ。
スカイが単独で逃げる事になった。
「さーて、今日の作戦は上手くいくかなー?」

一着と二着の着差は>>360(3バ身以内)
360 : トレぴっぴ   2023/11/16 21:02:09 ID:5S59crpEt.
3バ身
361 : 大将   2023/11/17 21:04:32 ID:DfsMfah5MA
セイウンスカイはぐんぐん速度を上げていく。
二番手との差はおよそ3バ身。
おそらくこれからもっと広がるだろう。
「何だ10番のあれ!」
「大逃げだ!大逃げウマ娘だ!」
観客がスカイの戦法に驚きと歓喜の声を上げる。
大逃げとは、序盤から全力で飛ばし、後続がスパートしても追いつけないレベルのリードを得る戦法。
成功すれば強力だが、ほとんどは失敗に終わるリスキーな作戦だ。
「スカイのスタミナなら、何とかなるか?」
これまで大逃げの素振りすら見せてこなかったスカイが大逃げをする事で、他のウマ娘にかなりの精神的な揺さぶりをかけられているだろう。
正直相談しておいてほしかったが、敵を欺くにはまず味方から、というつもりだったのかもしれない。
「1000mを通過!なんと、58.1!凄まじいハイペースです!」
「セイウンスカイと言えども、流石にスタミナが心配ですね」
既にかなり苦しいだろう。
あとは根性で走り続けるだけ。
「は、はっ、はっ」
スタートから約1300m地点。
二番手との差は8バ身。
スカイは笑っていた。
「はぁ、はぁ、はは」
「スカイぃぃぃぃっ!粘れぇぇぇぇっ!」
後ろはどんどん差を縮めてきている。
「残り400!17番マチカネタンホイザ外から必死に追い上げる!」
「たっ、はぁっ、はっ、かっ」
スカイの速度はかなり落ちている。
最初からあれだけ飛ばせば当然だ。
「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「はぁ、はぁ、はぁぁぁぁぁっ!」
マチカネタンホイザに並ばれる。
あと150m。
「17番!17番!17番マチカネタンホイザ!ついに追い越した!そしてそのままリードを広げていく!マチカネタンホイザ、今、ゴールイン!」
3バ身差で2着。
セイウンスカイは敗北した。

セイウンスカイの精神状態は>>362(ポジティブまたはネガティブ)
362 : トレぴっぴ   2023/11/17 21:10:05 ID:kZ/x3pC9S2
ネガティブ
363 : トレぴ   2023/11/18 22:28:19 ID:2QP7atT18E
「やーったやったやったったー!」
一着になったマチカネタンホイザが観客に勝利の舞を捧げる。
「スカイ・・・」
息も整えないまま放心状態で立ち尽くすスカイ。
「あっ!トレーナー!」
マチカネタンホイザがトレーナーを見つけて駆け寄り、喜び合う姿をスカイは遠目に見ていた。
「・・・負けちゃったかー」
地下バ場道でスカイを出迎える。
「お疲れ様」
「・・・いやー負けちゃいましたよー!大逃げ作戦失敗失敗~!」
スカイは胸を張るようににこやかに言った。
「二着はすごい結果だよ。十分成功だ」
そう言った途端にスカイの表情が変わった。
「・・・二着じゃダメなんですけどね」
「スカイさん?」
「最強のウマ娘になりたいって言いましたよね、私。そのための第一歩が、三冠です。三冠でした。もう、クラシック三冠は無理です。クビ差でも、ハナ差でも、二着以下なら全部同じなんですよ、三冠達成が出来ないなら」
無神経な発言をしてしまった。
そうだ、スカイは最強になろうとしていたのだ。
その第一歩でつまずいて傷ついているだろうに、十分なんて言い方をしてしまった。
「っ!スカイ!」
謝ろうとしたが、スカイは目も合わせずに歩きだしてしまった。
「叱ってくれれば良かったのに」
「あ・・・」
言葉が出ない。
スカイに手を伸ばそうとして、その手は止まってしまった。
「しばらく一人にして下さい。一時間くらいしたら戻りますから」

次にセイウンスカイとのトレーニングする日は>>364(7~14日後)
364 : トレーナー   2023/11/18 22:28:48 ID:N.y9yfDStM
10日後
365 : トレーナー君   2023/11/19 22:27:15 ID:pqaTAb0sVs
ウイニングライブもしっかりこなし、表面上はにこやかに見えた。
だが、スカイの内面はもっとドロドロとした物で爛れているだろう。
「レース後はすみませんね、八つ当たりしちゃって。大逃げなんてバカな作戦したのは私の方なのに」
「いや、俺が悪かったんだ。君の気持ちに寄り添えなかった。本当にごめん」
帰りの電車内で話す。
「ま、どうあがいたところで三冠を取れるようになる訳じゃないですし、これからはのんびり行きましょ。なーんか、柄にもなく頑張りすぎてましたよ。そんなに根を詰めたって良い作戦は思いつかないですし」
「・・・あ、ああ」
何を言えば正解なのかが分からず、微妙な肯定しか出来なかった。
隣にいるルビーは何も言わない。
仮にルビーが正解を教えてくれたとしても、自分でたどり着いた訳でないのなら意味はないのだろう。
そして次のトレーニングの日。
「来ないな」
「はい」
セイウンスカイは初めてトレーニングをサボった。
それでも怒る事が出来ず、次のトレーニングは来るようにとメッセージを送っただけだった。
また、来なかった。
今日も昨日も一昨日も、その前の日も、さらにその前の日も。
セイウンスカイがトレーニングに来なくなって今日で九日目。
「・・・今日こそは、スカイに直接会って事情を聞こう」

セイウンスカイがいた場所は>>366(学園内または学園から近い場所)
366 : 大将   2023/11/19 22:27:49 ID:0u9TGZ.OR.
中庭のベンチ
367 : アンタ   2023/11/20 22:29:12 ID:Y3fHW32B92
セイウンスカイは中庭のベンチにいた。
チーム<アルタイル>を結成したあの日と同じ場所だ。
「スカイ」
ベンチに寝転がり、顔の上には教科書が屋根のように載っている。
「君の気持ちも考えず無神経な事を言って本当に悪かった。チーム<アルタイル>は君無しじゃ成り立たない。今度は絶対に君を勝たせる。そのためなら何だってする。だから、戻ってきてくれないか」
スカイの反応は無い。
「このまま君を負けっぱなしにはしない。何度でも勝たせる。君を、最強のウマ娘にしたい」
スカイの耳がピクンと動いた。
「・・・ん」
耳をすまして彼女の言葉を漏らさず聞き取る。
「私だって、なりたいですよ。最強のウマ娘。でも、そう言うだけなら誰でも出来ます」
「君は口だけのウマ娘じゃない」
「それに、皐月賞で負けて、三冠達成は出来なくなっちゃいました」
「三冠ウマ娘だけが最強のウマ娘の条件じゃない」
「・・・何より、心が弱い」
「君は弱くない。折れずに立ち上がれる心を持っている」
スカイの顔の上に載っていた教科書が落ちた。
スカイが手で顔を拭おうとしたからだ。
「本当に・・・トレーナーさんは」
スカイは手で目を隠している。
「こんなおサボりウマ娘のどこにそんなに惹かれるんだか」
セイウンスカイの口は、笑った。

セイウンスカイの次走は>>369(クラシック級5月~9月に行われる芝の中距離または長距離のレース)
368 : 貴方   2023/11/20 22:33:53 ID:hC1MBNLaoc
鳴尾記念
369 : トレぴっぴ   2023/11/20 22:34:10 ID:Y2S6wvbtfc
日本ダービー東京優駿
370 : あなた   2023/11/21 21:01:34 ID:KCyg36G8U2
「スカイ、次の目標はダービーで良いな?」
「もちろん。取れるなら取っておきますよー」
スカイの気持ちも落ち着き、トレーナー室に向かいながらこれからの事を話す。
クラシック三冠の二つ目、日本ダービー。
「時間はあまり無い。みっちりトレーニングするから覚悟するんだぞ」
「うへぇ・・・まぁ、何日もサボってたんですし、仕方ないですかね」
「これからダービーまでは休み無し。身体を休めている時間は頭を使ってもらうからな」
「キツそうですねー・・・。でも、任せて下さい」
トレーナー室に到着し、スカイに着替えてもらう。
その間にトレーニングコースの様子を見に行く。
「ありがとうルビー」
「その様子だと、上手くいったようですね」
「ああ、君にも心配をかけたな」
「お気になさらず」
ルビーは先にコースに来てトレーニングの準備を終わらせていてくれた。
スカイを必ず連れ戻すと信じて準備していたのだ。
「お待たせしました〜。・・・ルビーさん、心配してました?」
「当然です」
ルビーはまるで厳粛な母親のようだった。
「それじゃあ、早速トレーニングを始めようか」

セイウンスカイと行うトレーニングは>>371(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
371 : トレぴ   2023/11/21 21:03:53 ID:CvutqZwZY.
パワー
372 : お兄さま   2023/11/22 21:41:19 ID:3Yb.vGPREw
「じゃあ筋トレやろうか」
セイウンスカイは露骨に嫌そうな顔をしたが、何も言わなかった。
「今日やってもらうのはバトルロープだ」
バトルロープとは、太く長いロープを上下左右に波打たせるように動かすトレーニング。
上半身と下半身をどちらも使うため、全身を鍛えられる。
「スタート!」
ヒト用の三倍の長さのロープを使用しているため、その分重く扱いづらい。
だが、ウマ娘なら強すぎない負荷となる。
「3、2、1、インターバル!」
スカイは十五秒で息を整える。
「3、2、1、スタート!」
動く時間と休む時間を交互にし、何度も繰り返す。
「はぁ、はぁ、ちょっと、ヤバいかも」
「そろそろ限界か?」
「はい、もう、無理ですぅ・・・」
「じゃああと一回で終わろうか」
限界を少しだけ超えたトレーニングは成長につながる。
「えぇー、ほんとに一回だけですからねー・・・」

日本ダービーに出走するウマ娘は>>373(芝、中距離適性が共にA以上の未登場のウマ娘)
373 : トレぴ   2023/11/22 21:44:13 ID:aeF9LIdclg
アグネスタキオン
374 : アネゴ   2023/11/22 21:44:39 ID:9PBxiavUTM
メジロパーマー
375 : お兄さま   2023/11/23 21:08:04 ID:8TqaR6Ynlc
日本ダービー。
正式名称は東京優駿。
最も運のあるウマ娘が勝つと言われるGIで、一生に一度しか走る事が出来ない。
これを勝つ事は多くのウマ娘の目標になっている。
「やぁやぁスカイ君!今日は良いレースにしようじゃないか!」
レース前、スカイに話しかけたのはアグネスタキオンだ。
速さの限界を科学で探るウマ娘で、かなりの問題児らしい。
「タキオンさんがそんな事言うと胡散臭いですね」
「酷い言いようじゃないか。まぁ、心理的な効果を狙っていなかったと言われれば嘘になるか」
「ほらやっぱり〜。それに、悪巧みはセイちゃんの役目ですよ」
互いにひらひらと言葉を交わす。
やがて、アグネスタキオンのトレーナーがやって来た。
「タキオン、そろそろだぞ。あんまりちょっかいかけるな」
「ああ。もう終わったところさ。それじゃあスカイ君、また後で。良い実験にしようじゃないか」
白衣のような勝負服の袖を振りながら去っていった。
「スカイ、彼女は強いぞ」
皐月賞は何故か出走していなかったが、ジュニア級では中距離レースを三連勝。
この2400mもきっと得意なのだろう。
「でも、私はトレーナーさんにもっと強くしてもらいましたから」

日本ダービーでのセイウンスカイの枠順は>>376(1〜18番)
376 : トレーナー君   2023/11/23 21:39:54 ID:hQNGDKN8wI
13番
377 : 大将   2023/11/24 20:58:49 ID:b/esWttl.E
「13番セイウンスカイ、今日は二番人気です」
「皐月賞での大逃げには驚かされました。今日はどんな作戦で走るのでしょうか」
枠順は外寄りで、逃げるスカイにとっては最善とは言いづらい。
「一番人気の1番マチカネタンホイザ。皐月賞は凄まじい末脚で3バ身差での勝利を挙げました」
「今日も調子が良さそうですね」
「頑張るぞー!むん!」
意気込んだ後、観客に向かって手を振る。
精神的にも余裕がありそうだ。
「三番人気は17番アグネスタキオン。これまで無敗、さらにレースレコードを叩き出した事もあります」
「皐月賞を回避した理由は明かされていませんが、ブランクを感じさせない様子です」
アグネスタキオンは不気味とも言えるような笑みを浮かべている。
「ゲートイン完了。・・・今、スタートを切りました。先頭に立ったのは13番セイウンスカイ、その外から15番、すぐ後ろには18番がいます」
序盤の先頭争いはスカイが制した。
筋トレで鍛えたパワーがスタート後の加速に役立っているだろう。
「17番アグネスタキオン、5番手6番手の位置にいます。一番人気マチカネタンホイザは中団やや後ろからのスタートとなりました」
先頭のスカイがコーナーに入る。

スパート開始時のセイウンスカイの順位は>>378(1位または2位)
378 : トレーナーさん   2023/11/24 21:12:52 ID:zHTVr0iFL.
1位
379 : お姉さま   2023/11/25 22:21:23 ID:FkonBXKODc
セイウンスカイは後ろの17人を引き連れて走る。
「そうそう、この、レースを全部操作してるって感じ!これが最高に楽しいんだよね!」
気分は上がっていても、ペースは上げない。
冷静に作戦を実行している。
「前半1200mはややスローペース。先頭は依然13番セイウンスカイです」
順位がほとんど変わらないままレースは終盤に差し掛かる。
「・・・これはこれは、おっきな獲物がかかりましたね~」
スカイがこれまで温存していたスタミナを一気に使い、急加速する。
仕掛けるタイミングを把握していたかのように、アグネスタキオンが同時にスパートを開始した。
「末脚は私の方が上。それに東京は直線が長い。距離と速度から計算すると私は残り215m地点で並ぶ事が出来るだろうね」
一拍遅れてマチカネタンホイザがスパートを始める。
「大丈夫!ここから追いつくぞー!」
スカイは二人に猛追される。
スカイのスパートのタイミングは完璧だった。
末脚では勝てないが、まだリードが残っている。
とは言え、東京レース場の長い直線を耐えきれるかどうか。
「このまま沈むと思ったでしょ!」
セイウンスカイはさらにスピードを上げた。
「・・・ふぅン、データ以上に成長しているじゃないか。興味深い!」

一着になったウマ娘は>>381(セイウンスカイ、マチカネタンホイザ、アグネスタキオンのうち一人)
380 : アナタ   2023/11/25 23:59:21 ID:ZNeh9EUTYg
マチカネタンホイザ
381 : 貴方   2023/11/26 00:00:14 ID:Aw8LNgiDZU
セイウンスカイ
382 : 大将   2023/11/26 22:33:34 ID:o/LK8dfLbw
セイウンスカイが先頭のまま最終直線に突入する。
約3バ身離れて、二番手はアグネスタキオン。
さらにその後ろからマチカネタンホイザも伸びてくる。
「スカァァァァァイ!粘れぇぇぇぇっ!」
これまで出していた最高速の、もう一段階上。
ハードなトレーニングによって他の出走者が予測している以上に速くなっていたからこそ、この二段階加速は可能になったのだ。
とは言え、劇的に後方で脚を溜めていたウマ娘達ほどの末脚は無い。
リードを縮められるのを少しでも先延ばしにしようとするだけだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「ふっ!」
「むーん!」
三人は次第に近づいていく。
「残り200!セイウンスカイ逃げ切れるか!」
アグネスタキオンがスカイのすぐ後ろにまで迫っていた。
「耐えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ここまで来たら根性で逃げ切るしか無い。
ルビーに教えてきた事と、結局は同じだ。
最後は根性の勝負。
「アグネスタキオン並んできた!並んだ並んだ!マチカネタンホイザも懸命に追い上げるが届かないか!」
「あああああああ!」
「セイウンスカイ、アグネスタキオン!今並んでゴールイン!どちらが勝ったのか全く分かりません!」
「頼む・・・頼む!」
判定は。
「今、判定結果が出ました!セイウンスカイ!セイウンスカイだーっ!」
写真判定の末、セイウンスカイが大接戦のダービーを制した。

ウイニングライブ後にセイウンスカイが食べる物は>>383
383 : マスター   2023/11/26 22:34:05 ID:Aw8LNgiDZU
ハヤシライス
384 : 貴方   2023/11/27 21:03:09 ID:kd8jVbfyT.
「スカイ!やったな!」
観客席から飛び出し、スカイに駆け寄る。
「トレーナーさん!」
スカイの肩を支えながら初のGI勝利を喜び合う。
「おめでとうございます。よくぞ勝ち切りました。それでこそチーム<アルタイル>です」
ルビーも後からやって来る。
「あは、ありがとうございますルビーさん」
スカイはルビーに抱き着くが、身長に少し差があるのでちぐはぐさを感じてしまった。
だが、それすらもこの愛おしい光景の一部なのだ。
「走れ今を まだ終われない 辿り着きたい場所があるから その先へと進め 涙さえも強く胸に抱きしめ そこから始まるストーリー 果てしなく続く Winning the soul」
ウイニングライブを終え、少し遅めの食事を取る事にした。
「スカイ、何か食べたい物はあるか?何でも良いぞ!」
スカイは少し考えた。
「うーん、じゃああえてハヤシライスで!」
「よし!早速行こう!」
スカイの答えは意外だったが、ルビーが近くの良さげな店を調べてくれたので特に困らなかった。
「深みのある味わいです」
「うん、美味しいな。・・・スカイ、まだ食べてないのか?」
スカイはスプーンに何度も息を吹きかけている。
「猫舌なんですよー」

夏合宿で最初に行く場所は>>385(海や山など、合宿所の近くにある場所)
385 : アナタ   2023/11/27 21:04:17 ID:YnXr.RUE.Y
灯台(海)
386 : 使い魔   2023/11/28 22:12:17 ID:x7MCSWzj6M
夏合宿。
約二ヶ月、海の近くの合宿所で集中的に鍛える事が出来る。
「いやー着きましたね〜」
スカイはバスから降りると手で庇を作りながらルビーに言った。
「点呼が終わり次第トレーナーさんと合流しましょう」
「は〜い」
しばらくして、二人と合流した。
「今日トレーニングは休みだ。どこか行きたい所はあるか?」
初日は移動の疲れも考え、トレーニングはしない。
リフレッシュの日にしよう。
「ふっふっふ〜、こうなると思ってましたよ!」
スカイは持っていた大きなカバンから何かを取り出した。
「まさか、釣り竿?」
「そうです!近くに良いポイントがあるらしいんですよ!」
折りたたみ式の釣り竿を三本持ってきていたようだ。
リールやルアー、エサなどもカバンに入っているらしい。
「俺は良いけど、ルビーも釣りで良いか?」
「もちろんです。以前はお二人だけで行かれたとの事ですので、本日は私も参加いたします」
もしかすると、かつてスカイと二人だけで釣りに行った事を根に持っているのかもしれない。
令嬢のルビーに釣りは新鮮なのか。
「お、トレーナーさんかかってますよ!」
「おおっ、結構強いな!」
灯台の近くで並んで釣りをする。
釣りが許可されている場所なので、安心して釣りが出来る。
「巻いて巻いて!」
「う、がああああああっ!だっ!?」
急に手応えが無くなった。
「あちゃー、、、」
「逃げられてしまったようですね」
やはり釣りは難しい。
だが、三人で楽しむ事が出来たのでそれだけで良かった。

セイウンスカイと行うトレーニングは>>387(スピード・スタミナ・根性・賢さのいずれか)
387 : 相棒   2023/11/28 22:13:19 ID:BiScHAGmYo
賢さ
388 : アネゴ   2023/11/29 22:22:06 ID:yXzKAwuJZM
合宿二日目。
今日からトレーニングを開始する。
「今日のトレーニングは・・・クイズ大会だ!」
「それ、本当にトレーニングなんです?」
もちろん、問題はレースに関するものばかり。
クイズ大会用のセットも借りてきた。
「第一問!宝塚記念の距離は何m?」
早押し形式のため、瞬発力や集中力も鍛えられるだろう。
「はい!ルビー!」
「2200mです」
「正解!1ポイント!先に5ポイント取った方にはご褒美があるぞ!」
「えぇ〜先に言っておいて下さいよ〜」
ご褒美があると力を引き出しやすくなる。
「第四問!ゴルゴル星の観測方法は?・・・って何だこの問題!?」
何故か変な問題が入り込んでいた。
驚いた拍子に横を見ると、サングラスをかけたゴールドシップがヨガをしていた。
「・・・気を取り直して、第四問」

クイズ大会に勝利したのは>>389(セイウンスカイかダイイチルビーのどちらか)
389 : トレーナーさま   2023/11/29 22:25:57 ID:NV6HzAct0s
ルビー
390 : トレーナー君   2023/11/30 21:00:32 ID:1kRxb8boHA
「さあ、ポイントは4対4で同点!次が最終問題だ!」
クイズ大会は互いに譲らぬ激戦で、同点のまま最終問題に突入していた。
「第九問!今年開催される菊花賞で勝利するウマ娘は?」
速い。
ルビーがボタンを目にも止まらぬスピードで押した。
「ルビー!」
「セイウンスカイさんです」
「正解!優勝は、ダイイチルビー!」
ルビーは静かに目を閉じた。
彼女なりに喜んでいるのだろう。
「ちょっ、何なんですか最後の!恥ずかしい!」
「何って・・・これは揺るぎの無い事実だから問題にしても大丈夫だと思ったんだけど・・・」
「大丈夫じゃないですよもう!ルビーさんも何即答してるんですか!」
「・・・トレーナーさん、優勝賞品は何でしょうか」
「聞いてますー?」
優勝したルビーにはもちろん豪華景品を贈呈する。
「今日の夜の夏祭り、好きな物を買ってあげる券だ!」
「・・・それ、ルビーさんがゲットしてもあんまり意味無いんじゃ・・・」

夏祭りで最初に行く屋台は>>391(何を売っている屋台か)
391 : あなた   2023/11/30 21:02:01 ID:x4z7Fl4kbs
チョコにんじん
392 : トレぴっぴ   2023/11/30 21:02:07 ID:cF99/cNWsE
お面
393 : お兄ちゃん   2023/12/01 21:08:23 ID:LZvzl4ZdyI
合宿二日目の夜。
毎年恒例の夏祭りに来ていた。
スカイとルビーは貸し出し用の浴衣を着ている。
「ルビーさん、何を買ってもらうんです〜?」
ルビーはずらりと並ぶ屋台を見た。
「・・・では、あちらのチョコにんじんでもよろしいでしょうか」
「了解した!」
小走りで屋台に向かう。
「あ、何本食べるか聞いてなかったな・・・」
足りずにルビーを悲しませてしまってはいけないのでとりあえず四本買っておく。
両手に二本ずつ持つと結構重い。
「あ、トレーナーさん・・・って何で四本も買ってきたんですか!」
「いや、何本食べるか聞いてなかったから多めに買ってきたんだ。ルビー、何本食べる?」
ルビーの優勝賞品なので決定権はルビーにある。
「では、二本いただきます」
「そうか。じゃあスカイは何本食べる?」
「私は一本で良いですよ〜。いやールビーさんって小さいのに結構食べるんですねー」
チョコにんじんを受け取りながらスカイは言った。
「小さい事に何か問題が?」
スカイはルビーのプレッシャーを感じ、笑顔のまま冷や汗をかいた。
「お、ウェイよー!お嬢!ここで会ったがフォーエバーってヤツ?あ、チョコにんじん食ってるナウならウチのも食う?ちょいかじってっけど」
ダイタクヘリオスとばったり出会った。
「不要です」
ルビーは動じずに断った。
「ヘリオス、私がもらうよ?」
メジロパーマーも後ろにいた。
二人も合流して、祭りを引き続き楽しむ事になった。

次に行く屋台は>>394
394 : モルモット君   2023/12/01 21:08:55 ID:M3tvLZrM7E
焼きそば(ゴルシ)
395 : キミ   2023/12/02 22:31:02 ID:aAGfrVMRog
「ようオメーら!ゴルシ印の焼きそば食ってかねーか!。1パック3万円、5パック500円だー安いぜー!」
価格設定がかなりおかしいが、せっかく五人いるので5パック買う事にした。
「はいパマちんあーん!」
「あーん」
特大の一口を幸せそうに頬張るメジロパーマー。
「お嬢にもあーんしたげんね!」
「結構です」
スカイの焼きそばは異常に長い一本の麺だった。
「これ、どうやって作ったんでしょうね・・・?」
「2mくらいの麺棒が要るな」
「あ、スカイさん!」
後ろから声がかかった。
「フラワー?」
ニシノフラワー。
セイウンスカイと仲の良いウマ娘で、スカイはよく彼女の事について話す。
スカイが振り返ると、ニシノフラワーがこちらに向かってお辞儀をしてきた。
「スカイさんのトレーナーさん、こんばんは。いつもスカイさんからお話を聞いています」
396 : トレーナー君   2023/12/02 22:31:08 ID:aAGfrVMRog
「君の話もよくスカイから聞くよ」
そして、ニシノフラワーの隣にいたのは。
「やあやあ!ちゃんと会うのはダービー以来だねスカイ君!」
綿あめを持ったアグネスタキオンだ。
「うぇ、タキオンさん。・・・どうしてフラワーと一緒に?」
「質問する意味が分からないね。君だって同伴者がいるじゃないか。君は彼女らと同伴するに至った経緯をわざわざ説明してくれるのかい?」
スカイはアグネスタキオンをむっとした顔で睨む。
「こら、タキオン。あんまり意地の悪い言い方をしちゃダメだぞ」
アグネスタキオンのトレーナーも一緒にいるようだ。
「トレーナー君。例の準備は?」
相手にせず尋ねる。
「ああ、しっかりセットしてもらったよ」
「それなら良い。さぁフラワー君、見たまえ!」
ニシノフラワーの小さな肩に手を置いて、空を指さす。
ヒュー・・・ドン!
大きな花火が上がった。
「わぁ・・・っ!」
「私特製の薬品を混ぜた花火だよ。効果は教えられないがね」
「えぇ・・・」

アグネスタキオンの薬品の効果は>>397
397 : アナタ   2023/12/02 22:32:11 ID:JU1OnYc8XE
特大の花火が七色に光る
398 : トレーナーさん   2023/12/03 22:32:57 ID:gsflMSrVpA
「さぁ、次の花火はとっておきだよ」
小さな花火が連続して上がった後、一瞬の沈黙があった。
そして、一つの花火が打ち上がる。
「わぁ・・・!」
「おお!」
特大の花火が炸裂し、綺麗な七色に輝いた。
色が変化しながらしばらく光っていた。
「ハッハッハ!良い反応だ!この花火には特別な薬品が使われていてね、途中で炎色反応による発色が変化するんだ!」
「元はどんな悪い事に使うつもりだったんです?」
「人聞きの悪い事を言うね。私はフラワー君を楽しませたいというひどく純粋な気持ちでこの花火を開発したんだよ?フラワー君、どうだったかな?」
「すごいです!キラキラ光って、途中で色が変わって。とってもキレイでした!」
明らかに怪しいアグネスタキオンの言葉をまっすぐ信じるニシノフラワーは喜んでいる様子だ。
「・・・フラワー、これよりもすごいものあげよっか」
スカイが言った。
「これよりもすごいもの?」
「花火よりも大きな菊の花」
セイウンスカイの眼には覚悟が宿っていた。

合宿中に行う次のトレーニングは>>399(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
399 : トレーナー君   2023/12/03 22:33:09 ID:7E9rJxI8Rg
スピード
400 : お前   2023/12/04 21:04:34 ID:vdnGQ/2cd2
「それじゃートレーニング、頑張っていきましょー!」
やる気十分のスカイ。
「じゃあまずは砂の上でランニング40km!ペースが落ちると砂に脚を取られるぞ!」
「うへぇ・・・ま、やりますけどね〜」
早速やる気が失われかけたように見えたが、何とか持ちこたえた。
「一本目!そのペースをキープだ!」
「はーい」
一往復辺り1km、40往復分のランニング。
かなりの時間がかかるが、休憩を挟みつつ順調に進めていた。
「あと五本!」
砂にスカイの汗が落ちる。
合宿所は学園より気温が低いとは言え、夏である事には変わりない。
暑さは精神的にもスカイを追い詰めるだろう。
「スピード落ちてるぞー!」
「うぅ、あああああっ!」
こうして、スカイはスピードをアップさせるための脚力をつける事が出来た。
「お疲れ様」
「ひぃ・・・死ぬかと思いましたよ〜」
スカイの水着は汗で一部の色が変わっていた。
「シャワーを浴びて着替えてくると良いよ」
スカイは自分の身体と水着に目をやった。
「ばっ・・・そ、それじゃ!」
スカイは疲れているにも関わらず走っていった。

セイウンスカイが昼に食べた物は>>402(合宿所近辺で購入出来る物)
401 : トレーナー君   2023/12/04 21:16:44 ID:dIQVJFx4IQ
ロイヤルビタージュース
402 : トレーナー   2023/12/04 22:17:12 ID:D.SzIw.xiM
サンドイッチ
403 : お兄さま   2023/12/05 21:05:40 ID:.N3zQlHezw
午前中のランニングを終え、昼食の時間となった。
「スカイ、何作る?」
合宿所の近くには、調理スペースがある。
調理スペースでは、用意された食材を使って好きな料理を作る事が出来る。
「そうですね〜。あ、サンドイッチなんてどうです?」
作りやすいし、バリエーションも豊富。
食材もたくさんあるのでウマ娘の胃袋も満たせそうだ。
「ルビーさんは何食べてるんでしょうねー?」
「うーん、カレンチャンと一緒らしいし、オシャレな物じゃないか?」
サンドイッチを作りながら、色々と話す。
「あっはは!トレーナーさん、欲張りすぎですよ〜!」
「ははは!これじゃ挟めないか!」
楽しみながら作ったため、つい量が多くなってしまった。
「わーお、すごい量。食べられますかね?」
「君なら食べ切れる!」
「何でセイちゃん任せなんですかーもうー」
二人で作ったサンドイッチはとても美味しく、無事完食する事が出来た。

トレーニングを手伝うウマ娘は>>404(ダイイチルビー、マチカネタンホイザ、アグネスタキオン以外)
404 : マスター   2023/12/05 21:07:46 ID:nHzNumA1aI
メジロラモーヌ
405 : お兄ちゃん   2023/12/06 22:16:51 ID:1P1nC.DdPI
今日のトレーニングもランニング。
スカイが準備運動を行っていると、後ろから声がかかった。
「少しよろしいかしら」
スカイと一緒に振り向くと、サングラスをかけたウマ娘がいた。
確か・・・。
「メジロラモーヌ?」
「な、何か御用で?」
メジロラモーヌは海の方を見ながら言った。
「貴方、逃げるのと追うのと、どちらがお好みかしら」
「えっと・・・逃げですけど」
「では私が追うわ」
サングラスを外し、スカイの目を見る。
その眼差しに吸い込まれてしまいそうになる。
「・・・つまり、並走してくれるんだな」
「名前が何であろうと構わないわ。大切なのは、その行為が愛おしいかどうか」
言い方は難しいが、並走してくれるという事は合っているらしい。
「スカイ、メニュー変更だ。ラモーヌと一緒に走ってもらう」
「・・・まぁ、良いですけど」
スカイは何とも居心地が悪そうだ。
「じゃあ、行きますよ?」
「ええ。好きなように走って」
二人はしばらく走り続けた。

セイウンスカイ、メジロラモーヌと共に行うトレーニングは>>406(自由な形式)
406 : トレ公   2023/12/06 22:17:08 ID:b.WFhV/a42
並走
407 : 使い魔   2023/12/07 21:04:29 ID:Cl4hs3lvxc
メジロラモーヌはしばらくスカイを追い続けた。
「あら、もう終わりなの?」
「休憩くらいさせて下さいよ〜」
脚を止め、ドリンクを飲むスカイ。
「はい、これ飲んでくれ」
メジロラモーヌにもドリンクを渡す。
「いただくわ」
せっかくなので、このままラモーヌと一緒にトレーニングをしてもらいたい。
「二人共、場所を変えようか」
砂の上でのトレーニングは十分出来た。
砂での走り方が完全に染み込んでしまわないように、芝の上を走る練習も挟む事にする。
「ラモーヌさん、距離はどうします?」
「貴方が最も熱を帯びる距離が良いわ」
「は、はぁ・・・。じゃあ2400m左回りで」
スカイは普段接しないタイプの相手との会話に苦労しているようだ。
普段は相手のペースを乱す事が得意なスカイだが、逆にここまでペースを乱されるのは珍しく、新鮮だ。
「スタート!」
セイウンスカイが逃げ、そのすぐ後ろからメジロラモーヌが追う。
「ふふっ」
スカイがちらりと後ろを見ると、メジロラモーヌが笑っていた。
楽しそうに走る姿を見て、スカイも何故か笑顔になった。
「なーんだ。根っこはおんなじじゃないですか」
並走後の二人は満足げに見えた。

セイウンスカイが参加するイベントは>>409(合宿所で行われる生徒主導のイベント)
408 : お姉ちゃん   2023/12/07 21:49:34 ID:vipNHyzlnw
バスケットボール大会
409 : キミ   2023/12/07 21:50:28 ID:jD9bKGiTns
肉も魚介も!バーベキュー大会
410 : トレーナー   2023/12/08 21:08:04 ID:6XC3m/98Us
「ミート!フィッシュ!どんどん持ってきてクダサーイ!」
タイキシャトルが主催するバーベキュー大会。
スカイとルビーと共にそのバーベキュー大会に参加していた。
「追加の野菜をお持ちしました」
ルビーが野菜が載った皿を持っていく。
「要らん。代わりに肉を持ってこい」
網の前にいるのはナリタブライアン。
スカイが言うには、かなりの野菜嫌いらしい。
「ブライアン!このバーベキュー大会は貴様だけのためのものではない。肉だけ焼くという訳にはいかん。それに、野菜も食べないと栄養に偏りが」
「・・・また始まったか」
ナリタブライアンを圧倒するように畳み掛けるエアグルーヴ。
ルビーが走ったオークスで見せたような切れ味やパワーは走り以外でも発揮されるようだ。
「トレーナーさん、サバ要ります〜?セイちゃん直々に釣ってきたサバですよ〜」
「おおっ、じゃあもらおうかな」
いつの間に釣ってきたのか。
塩サバの良い匂いが食欲を刺激する。
「うん、美味しい!」
「ふっふっふ〜、でしょでしょ〜?」
スカイは得意げに胸を張る。
「トレーナーさん、お肉はいかがですか」
今度はルビーが肉がたくさん載った皿を持ってきた。
「ありがとうルビー。食べるよ」
「トレーナーさん!ホタテ、いっぱいありますよ〜」
「トレーナーさん、コーンはいかがでしょう」
「あ、ありがとう」
二人が次々と持ってくるので、すぐに満腹になった。
「トレーナーさん、イカ食べます〜?」
「トレーナーさん、ウインナーが焼けました」
「おう!焼き水ようかん食わねーか?食うよな?」
二人、ついでにゴールドシップはまだまだ食べ物を持ってくる。
「き、気持ちは嬉しいけど、これ以上は・・・」
ルビーとスカイは顔を見合わせ、それぞれ笑った。

セイウンスカイが次に行うトレーニングは>>411(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
411 : トレぴっぴ   2023/12/08 21:09:17 ID:GEyfzLTrTU
根性
412 : あなた   2023/12/09 22:34:48 ID:NI8QcKT2Lg
今年もこの時期がやってきた。
「スカイさん、覚悟はよろしいですか」
「いや、よろしくないです」
スカイは砂浜の上にそびえ立つように置かれた巨大なタイヤを見上げる。
そう、今日行うトレーニングは巨大タイヤ引き。
筋力そして根性を鍛え上げるトレーニングだ。
「私、あんまりパワー系ウマ娘じゃないんですけどね・・・」
「大丈夫だ!スカイなら出来る!」
「・・・まっすぐな目は卑怯じゃないですかもうー」
スカイはタイヤとロープで繋がる。
これ以上嫌がっても結果は変わらないと分かったのだろう。
「はーい行きますよー」
必死に前に進もうとするが、タイヤは全く動かない。
「うぅ・・・これ身体が真っ二つになったりしません・・・?」
「私がそのようになっていないのですから、ご心配無く」
ルビーがタイヤの上から言った。
「んんーっ!あーっ!ぬうーっ!」
スカイは力強く砂を踏みしめ、前に進もうとする。
「良いぞ!今少し動いた気がする!」
「その調子です」
しばらくスカイは根性でタイヤを引き続けた。
「たはぁ・・・」
「お疲れ様。続きはまた明日だな」
スカイは巨大なタイヤを5m動かす事に成功した。

合宿終了までにセイウンスカイが巨大タイヤを動かした距離は>>413(50m以上)
413 : トレぴっぴ   2023/12/09 22:35:12 ID:tFttjl2l4g
89m
414 : キミ   2023/12/10 22:35:18 ID:vDx9CTDYW6
夏合宿終盤、セイウンスカイは毎日巨大なタイヤを引き続けた。
「はぁ、はぁっ、ふぅ・・・」
スカイはウマ娘の中では力が弱い方だ。
脚のパワー、つまり加速力の弱さを補うために自然と逃げを打つようになったのだろう。
「今日は10メートル動かせたな!記録更新だ!」
少しずつだがスカイは成長している。
「これ、ルビーさんはほんとに一日でやったんですか?」
「ああ。かなり時間はかかったけど数十メートル動かしていたよ」
「にゃはは~、セイちゃんじゃ一日では無理ですね~。多分今日も無理ですし」
スカイは汗をかきながら苦しそうに言う。
「でも、何日かかってでもやり切りますよ。のんびりじっくり出来るのが取り柄な訳ですからね」
苦しみながらも、口角はわずかに上がっていた。
「スカイ、ついにゴールだな」
設定したゴール地点まで、毎日少しずつ進んできた。
ルビーのようなパワーは無いが、持久力と忍耐はある。
「よーし、今日で終わらせちゃいましょーっ!」
これまでに無い速度でタイヤが砂の上を進んでいく。
「ラストスパートだ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
巨大なタイヤは砂浜の端にまで到達した。
スタート地点から、およそ89m。
長い戦いは終わった。
「いや~、疲れたー」
クラシック級の夏合宿が終わった。

バスの中でセイウンスカイはどのくらい眠るか>>415(0~100%)
415 : あなた   2023/12/10 22:35:49 ID:lg5nVIcvWg
99%
416 : アナタ   2023/12/10 22:35:50 ID:b4PfR5EDck
100%
417 : キミ   2023/12/11 20:58:49 ID:OlnOU.xHt.
「奥から順番に座っていって下さいね〜」
スカイはルビーの隣、窓側の席に座った。
「ふあ〜。ルビーさん、着いたら起こして下さーい」
着席して一分でスカイは眠りについた。
「ウェーイお嬢!七並べやろーぜ!」
「ヘリオスさん、お静かに。スカイさんがお休みです」
「あ、ごめ!んじゃミニボリュでやろ」
「そもそも、七並べは車内で出来ないのでは?」
結局、ルビーはヘリオス達の遊びには加わらなかった。
ルビーもそれなりに疲れているのだ。
「私が初めてあのタイヤトレーニングを行った年の夏合宿。その日も貴方と隣の席でしたね」
ルビーはスカイが眠っているのを知りながら話す。
「あの時は、同じチームで共に研鑽する事になるとは思いもしませんでした」
スカイは無防備な寝顔を見せながら眠っている。
「未来の完全な予想など誰にも出来ません。ですが、それ故に、可能性が広がっているのです」
スカイがルビーの小さな肩に寄りかかった。
「貴方の可能性を私は信じております」

セイウンスカイと行うトレーニングは>>418(スピード・スタミナ・パワー・賢さのいずれか)
418 : 大将   2023/12/11 21:03:33 ID:i2X2V/d7uI
賢さ
419 : アナタ   2023/12/12 20:49:37 ID:prlhCozbNg
九月。
菊花賞まで二ヶ月も無い。
「合宿明け、疲れも溜まっているだろうから今日は座学だ」
「今日は何のお勉強をするんです〜?」
ノートパソコンの画面をスカイに見せる。
「菊花賞に出走するだろうライバルについて詳しく知ってもらおうと思う。相手を知るのは作戦を決める上で大切だからな」
「なるほど〜」
まず表示したのは、皐月賞ウマ娘。
「マチカネタンホイザ。持久力と末脚を持つウマ娘だ。3000mの菊花賞なら持ち味を存分に活かせるだろう」
「タンホイザとは今一勝一敗。三冠目で勝ち越したいですね〜」
レース映像や詳しいデータを一通り見た。
次は突如三冠路線に乱入してきたウマ娘。
「アグネスタキオン。彼女の持ち味は何と言ってもそのスピード。好位につけられると逃げ切るのは不可能だろう」
「怪しい実験でこのスピードを・・・?」
スカイは映像を見て疑う。
「スカイ」
「もう、分かってますってば〜。一応倫理のラインはギリギリ越えてない、らしいですし」
スカイの二冠を阻止するのはこの二人か、それとも別のウマ娘か。
いいや、絶対に阻止させない。
スカイに必ず菊花賞を取らせてみせる。

休日に一緒に出かけるのは>>420(セイウンスカイ・ダイイチルビー・そのどちらでもない誰か、のいずれか一人)
420 : 貴方   2023/12/12 21:14:33 ID:ZBICZq65WY
カワカミプリンセス
421 : アナタ   2023/12/13 22:26:38 ID:2iQIdqMHTI
ある日、学園内を歩いていると。
「やっちまいましたわぁぁぁぁっ!?」
絶叫しているウマ娘がいた。
確か、カワカミプリンセスという名前だ。
「ど、どうしたんだ?」
「トレーナーさん・・・実は・・・」
話を聞くと、同室のウマ娘から借りた置物を壊してしまったとの事だった。
「明日のレースで晴れるようにお祈りしようと思って外に持っていく途中、つまずいて、その拍子に拳で粉砕した、か・・・」
地面には青い破片が散らばっている。
何とも不思議な状況だが、困っている彼女を放っておく事も出来ない。
「とりあえずここを片付けよう。手伝うよ」
「ありがとうございます!」
ウマ娘であるカワカミプリンセスにほうきとちりとりを持ってきてもらい、破片を片付けていった。
「・・・でも、これを直すのは無理そうですわ・・・。新しいのを買うしかありませんわね。今すぐ行ってきます!」
「じゃあ俺もついていくよ」
彼女一人で買いに行かせるのは心配なのでついていく事にした。
422 : アナタ   2023/12/13 22:26:44 ID:2iQIdqMHTI
「むむむむ・・・少し小さいですわね・・・」
「こっちはどうだ?」
「模様がちょっぴり薄いような・・・」
ショッピングモールを何時間も探し回った末、ついに全く同じ物を見つけた。
「すごいな・・・これ」
実物は神秘的でありつつも、どこか親しみやすさを覚える不思議な魅力を持っていた。
「お付き合いありがとうございました!お金まで出していただいて」
「思ったより安かったし、気にしなくて大丈夫だよ」
その後、カワカミプリンセスは寮に帰っていった。
「そ、それは・・・」
カワカミプリンセスが持ち帰った置物と全く同じ置物が部屋にいくつも並んでいた。
「たまにはこうやって見比べてみるのも良いわね!まるでファッションショー!エクセレント!貴方に貸した一つを隣に置けば完成よ!」
「あの、その、実は・・・」
カワカミプリンセスは置物を壊してしまった事を正直に打ち明けた。
「そうだったの。でも、気にする必要はナッシング!なぜなら破壊からは創造も生まれるから!」
後日、カワカミプリンセスに会った際、改めてお礼を言われた。

セイウンスカイが次に行うトレーニングは>>423(自由な形式)
423 : 大将   2023/12/13 22:29:04 ID:WMdmEeDClA
プール(バタフライ)
424 : トレーナーちゃん   2023/12/13 22:29:07 ID:MCfz4UNWVI
座禅
425 : お姉ちゃん   2023/12/14 21:15:21 ID:y.dSyLMIWs
「スカイ、プールト」
「いや〜ちょっと今日は体調が・・・」
スカイの目を見れば分かる。
「うん、大丈夫そうだな」
「えートレーナーさん少しはセイちゃんを信じて下さいよ〜」
「君が真面目にトレーニングをする娘だと信じてるよ」
「う・・・」
水着に着替えたスカイと一緒に水の中に入る。
「今日やるのはバタフライ。肩や背中を重点的に鍛えよう」
「そんな難しいの出来ませんよ?クロールや平泳ぎだって無理なんですし」
「俺が支えるよ。脚も動かさなくて良い」
水の浮力を使う事で、スカイの身体を簡単に支えられるようになり、腕には水をかく際の負荷をかけられる。
「にゃっ!?」
スカイのお腹の辺りを支え、持ち上げる。
動かした腕に当たらないようにしながらもしっかり支える。
「腕からじゃない!肩から回す!」
「は〜いっ!」
腕の動きが変わった拍子に、スカイの手が後頭部に当たった。
その衝撃でお腹をつい強めに掴んでしまった。
「ちょっ!?」
「がっ!?」
驚いたスカイが脚を反射的に動かした事で、蹴られた。
「ごふっ!?」
「とれ、な、ごぼぼ」
その後、命からがら二人でプールサイドに上がった。
トレーニング自体は出来たものの、とにかく疲れた。

聖蹄祭でセイウンスカイが参加するイベントは>>427(ミスコンテストは不可)
426 : お兄ちゃん   2023/12/14 21:16:57 ID:L9354rphII
猫耳カフェ
427 : トレぴっぴ   2023/12/14 21:17:02 ID:NNlIPp9ass
ウマ娘のど自慢大会
428 : アンタ   2023/12/15 20:52:45 ID:RS2h1MUdoQ
秋のファン感謝祭である聖蹄祭。
体育祭に近い春のファン感謝祭と異なり、秋は文化祭に近い。
「という事で、のど自慢大会に参加する事になっちゃったんですよー」
セイウンスカイはトレーナー室のソファに寝転がりながら言う。
観客の投票で一番歌が上手いウマ娘を決めるようだ。
「曲は自由。ソロでもグループでも良い。ダンスや楽器の演奏は不可。なるほど、参加者の個性が出そうだな」
「まだ何にも決めてないんです。トレーナーさん、代わりに決めちゃって良いですよ〜」
あまりやる気ではないようだ。
「君なら何だって歌えるからな」
「はいはいすぐそういう事言う〜」
どうせ参加するのなら、優勝してほしい。
そのためにはスカイの歌を最も輝かせる条件を揃えなくてはならない。
まずはグループを組むか、単独で挑むか決めなくては。
それから曲を決め、練習を開始する事にする。
「スカイ、グループに入ってくれそうな娘はいないのか?」
「さあ〜?ま、セイちゃんの人望なら誰でも快くオッケーしてくれますよ〜たぶん〜」
スカイはそう言うと目を閉じた。
自分では全く考えず寝ているつもりらしい。
「・・・分かった。ベストな条件を整えてみせるよ」

セイウンスカイと一緒にウマ娘のど自慢大会に参加するウマ娘は>>429(0〜3人・0人でない場合はウマ娘名も指定可)
429 : トレーナーさま   2023/12/15 20:58:00 ID:8C1QnZo62k
ゼンノロブロイ、イナリワン、マヤノトップガン
430 : トレーナーさん   2023/12/16 22:32:02 ID:yPEIyNv72Y
スカイを優勝させるためには、やはりグループで挑戦するのが良いだろう。
人数が多すぎるとスカイが目立たなくなってしまうため、スカイ含め四人くらいにしよう。
そうと決まれば早速メンバーを探しに行こう。
「という事で、この三人が一緒に歌ってくれる事になった」
「おうおう、聞いたぜスカイ!何が何でものど自慢大会で優勝したいんだってなぁ!このイナリ様が助太刀しに来たぜ!」
「いや、何が何でもってほどじゃ・・・」
「あ、あの、私も出来る限りお役に立ちます!」
「マヤも頑張っちゃうよーっ!」
イナリワン、ゼンノロブロイ、マヤノトップガン。
学園を歩いていたこの三人をグループにスカウトした。
「トレーナーさん、ずいぶんバラバラな三人ですね・・・」
「ああ。違う声質の三人なら声を重ねた時の、重厚感?が出る、と思ったからだ」
正直、音楽については素人だが、トレーナー業で培った己の分析力は信じている。
「さあ、まずは曲を決めようか」

セイウンスカイ達が歌う曲は>>431(ウマ娘の曲・ただしうまぴょい伝説やキャラソンは不可)
431 : アナタ   2023/12/16 22:33:22 ID:6b2icleXCY
よいまちカンターレ
432 : トレぴ   2023/12/16 22:55:44 ID:p.UcyQo8ec
ウマ娘の曲でうまぴょい伝説やキャラソンが不可なら「KIRARI MAGIC SHOW」はどうでしょうか?
433 : トレーナー   2023/12/17 22:34:40 ID:rjmJ/3nwlc
「祭りみてぇな曲が良いんじゃねぇか?」
「洋楽はどう?パパがフライト前によく聞く曲とか!」
「そ、壮大な冒険の曲だと、盛り上がれるような・・・」
三人の意見は見事にバラバラ。
スカイはと言うと。
「スカイ!起きるんだ!」
「えぇ~何でも良いって言ったじゃないですか~」
「もー!そういうのが一番困るのー!」
マヤノトップガンがスカイに怒る。
「じゃー、トレーナーさん、ライブ用の曲のリスト出して下さ~い」
スカイに言われた通り、リストをノートパソコンの画面に表示させた。
「やっと考えるつもりになったんだな」
「どれにしようかな~」
スカイは指が止まった曲を選ぶつもりらしい。
「・・・三女神様の言う通り!はい、これで良いんじゃないですか?」
その曲は。
「KIRARI MAGIC SHOW。・・・クリスマスの曲だな」
今はまだ秋、クリスマスには流石に早すぎる。
「でも、意外性があって良いかもしれませんね」
確かに、時期外れの曲なら印象には残りやすいだろう。
「よし、じゃあこの曲を練習してみるか」

セイウンスカイ達ののど自慢大会の順位は>>434(1~3位)
434 : アナタ   2023/12/17 22:35:13 ID:XibMq0iI5M
1位
435 : お兄ちゃん   2023/12/18 22:26:52 ID:hKDlEL8TvM
「ワタシ Fallin' Love」
前のグループの歌唱が終わった。
かなりの好反応だ。
「ありがとうございましたー!」
「皆、出番だぞ」
「は〜い」
スカイは特に緊張していないようだ。
他の三人もやる気に満ち溢れている。
ステージに上がり、配置についた。
「Light Up!未来へとKIRAめけ イルミネイション」
「さあ 飾りはあと笑顔だけ」
「Let's party all night!」
四人の美しい歌声が綺麗に重なり合っている。
練習の成果が出ている。
「意表を突くだけじゃない、歌声そのものでも観客の心を掴むんだ」
その時、ふと思った。
これはレースでも同じではないか。
確かにスカイは色々な作戦を活用して走る。
しかし、素の走りそのものにも魅力があるのだ。
だからこそ、またスカイのレースを見たいと思える。
「優勝は、セイちゃんと愉快な仲間達、の皆さんです!おめでとうございます!」
もちろん結果は一位。
「やったー!」
「練習した甲斐があったってもんよ!」
「す、すごい、本当に優勝出来るなんて・・・」
「スカイ、良い前哨戦になったな」
菊花賞の前に勝利を経験出来たのは良かった。
この調子でクラシック最後の一冠をスカイの手に。
「・・・トレーナーさん、またレースの事考えてましたね~?」
スカイはトロフィーを持ちながら言った。
「ま、勝つのは勝つんですけどね」

菊花賞当日の京都レース場の天気とバ場状態は>>436
436 : アンタ   2023/12/18 22:27:33 ID:KTAnJq87kY
曇り、稍重
437 : キミ   2023/12/19 22:33:27 ID:4v.M6h/AnE
芝3000m右回り、菊花賞。
ついにこの日がやってきた。
スカイにとってダービー以来のレース。
夏合宿や聖蹄祭を経て、スカイはさらに強くなっている。
「スカイさん、まもなく時間です」
「ふあぁ〜、は〜い」
スカイはレース前に軽く眠っていた。
良い意味で緊張感が無いようだ。
「トレーナーさん、勝ったら何かご褒美あったりします?」
「もちろん、望むなら何でも!」
少しでもモチベーションになるのならば、多少高価なものでも喜んであげよう。
スカイの勝利にはそれだけの、いやそれ以上の価値がある。
「ただし、勝ったら、な?」
「そこは心配しなくて良いですよ〜」
控え室を出て、スカイを見送る。
京都の空はどんより曇り空、バ場は稍重。
距離もあるので、スピード、スタミナ、パワーなど多くの事が同時に求められるレースになるだろう。
「スカイ、頑張れ」

セイウンスカイの枠順は>>438(1~18番)
438 : マスター   2023/12/19 22:34:36 ID:n70g7ekIsg
3番
439 : 貴様   2023/12/20 22:16:25 ID:3NPsGYm8L6
「おおおおおおおおお!」
スカイが登場すると観客が沸いた。
「一番人気、3番セイウンスカイ。圧倒的な人気です」
スカイは観客に向かって微笑みながら手をひらひらと振る。
「きゃーっ!」
黄色い歓声が返ってきた。
スカイの人気はしっかりと定着しつつある。
「二番人気は皐月賞ウマ娘マチカネタンホイザ。今日は5枠10番でのスタートです」
マチカネタンホイザも観客に手を振る。
こちらは男性の歓声が大きいような気がする。
「今日は勝つよ!」
マチカネタンホイザはこれまでに無いやる気に満ち溢れている。
スカイも目を見て真っすぐと言う。
「こっちのセリフだよ」

セイウンスカイ以外に逃げるウマ娘の人数は>>440(1~3人)
440 : トレぴ   2023/12/20 22:16:53 ID:buXL65ZcJ6
2人
441 : あなた   2023/12/20 22:16:55 ID:WSYgH9PXJw
1人
442 : お兄さま   2023/12/21 21:06:45 ID:xY0iggCOno
「今、スタートを切りました!ややばらついたか!?」
クラシック三冠最後のレースがついに始まる。
「へーえ」
一人が勢い良く飛び出した。
スカイの前に出て先頭集団を率いる。
スカイは二番手、すぐ内にはもう一人。
「2バ身3バ身離れて2番。その1バ身後ろから15番、外には17番のアグネスタキオンがいます」
「ダービーは僅差で二着。今日も期待がかかります」
アグネスタキオンは前に出過ぎず様子を窺っている。
「マチカネタンホイザは中団後方からとなっています」
直線に入り、ウマ娘達は歓声に迎えられる。
「スカイィィィィィィッ!その調子だぁぁぁぁぁぁっ!良いぞぉぉぉぉぉぉっ!」
この声が自分のものだとスカイに分かってもらわなくても良い。
ただ、少しでも力が湧いてくれれば良い。
「3番セイウンスカイ、前を簡単に譲りました。二番手になったのは7番。そのまま先頭のすぐ後ろにつけました」
スカイは中盤でもペースを上げようとしない。
どうやら先頭を奪いに行くつもりはないらしい。
「もうすぐ向正面。そうしたら・・・」
スカイは何かを企んでいる。

最終直線突入時のマチカネタンホイザの順位は>>443(4〜7番手)
443 : トレーナー君   2023/12/21 21:12:49 ID:YvMqIs7wfQ
5番手
444 : トレーナー君   2023/12/22 21:00:48 ID:JpCkzxai.k
二つ目のコーナーが終わり、スカイは三番手。
「なっ」
「そいそーい!」
スカイは急激にペースを上げた。
まるで。
「スパート!?」
思わず声に出てしまった。
普通、菊花賞でスパートを開始するのはバックストレッチの終わり際だ。
多少前後する事はあっても、ここまで早く仕掛ける事はまず無い。
「君の持久力は以前より向上しているだろうが、ここから全速力を維持し続けるのは不可能だ。ガス欠承知の奇策で来たか」
アグネスタキオンは先頭に並びかけているスカイを見て考える。
「・・・少し早いが、放置するよりは良い」
アグネスタキオンは少しだけ速度を上げる。
他のウマ娘や観客が気付けないレベルで、少しだけ。
気付いた時には既に差が広がっているだろう。
「・・・いつかの大逃げを思い出すな〜」
スカイは先頭を無理矢理奪い、前に進んでいく。
「あっちゃー、いつの間にかあんな所まで行っちゃってるよー」
マチカネタンホイザはマイペースに自分のレースを続けていた。
他のウマ娘がスパートを始めても、まだ待っている。
「よーし!ここだー!」
コーナーが始まってからスパート。
スタミナを温存した分、一気に加速する。
「先頭はセイウンスカイ!二番手との差は5バ身あるぞ!このまま逃げ切れるか!」
最終直線に入った。
「マチカネタンホイザが追い上げてくる!六番手、いや五番手まで一気に上がった!」
最終直線での攻防が始まる。

1着と2着のウマ娘の着差は>>445(2バ身差以内)
445 : お兄さま   2023/12/22 21:09:27 ID:dA4JHSaEDo
ハナ
446 : トレーナー   2023/12/23 22:30:29 ID:aTHlm3Nrcc
先頭はセイウンスカイ、アグネスタキオンはいつの間にか三番手に進出、猛烈な追い上げでマチカネタンホイザが五番手まで上がってきている。
「スカイィィィッ!粘れぇぇぇぇぇっ!」
リードはまだあるが、菊花賞の直線はそれなりに長い。
このままのペースではゴール前に追いつかれてしまう。
逃げて勝つのはかなり難しい。
だが、きっと今のスカイなら。
「アグネスタキオン!アグネスタキオンが二番手に上がってきた!このまま先頭を捉えられるか!」
「あああああああああああああっ!」
スカイは必死に走る。
アグネスタキオンも歯を食いしばる。
「つ」
「あーっと!差が縮まらない!アグネスタキオン!速度が上がり切らない!」
その隙にマチカネタンホイザが追い上げる。
あっという間にアグネスタキオンを抜いて、スカイとは約1バ身半差。
「残り200!」
「たあああああああああ!」
「うああああああああっ!」
決着はあっという間だった。
「勝ったのは・・・」
時間が止まったかのように感じるほど、その言葉が待ち遠しかった。
「セイウンスカイ!セイウンスカイだ!」

セイウンスカイへのインタビューでの質問は>>447(一つ)
447 : ダンナ   2023/12/23 22:31:09 ID:5UB1qQ.TVo
率直に聞きます。勝因は?
448 : お姉ちゃん   2023/12/24 22:38:08 ID:p3kD8FXXMI
「おおおおおおおおおおおおおおっ!」
大歓声に応えるようにスカイは拳を掲げた。
「いえーい!はぁ、はぁ、はは、勝った!いえーいっ!」
ハナ差で二着はマチカネタンホイザ。
ギリギリでも、スカイの勝利である事に変わりは無い。
アグネスタキオンは四着。
最終直線で末脚を十分に発揮出来なかったようだ。
「・・・おめでとうございます!いやーやっぱり強いなぁ」
「でしょ?・・・最強目指してるしさ」
マチカネタンホイザにも祝福される。
「・・・私の脚に3000mは長すぎたか」
アグネスタキオンは考え込んでいる。
「スカイ!やったな!」
「トレーナーさん!」
にこやかなスカイとハイタッチをした。
少しして、スカイが勝利インタビューを受ける。
「菊花賞勝利、おめでとうございます!圧巻のレースでしたね!」
「ありがとうございます」
いくつかのやり取りの後、ある質問が投げかけられた。
「率直に聞きます。勝因は何だったとお考えですか?」
スカイは自信満々に答える。
「作戦がピタッとハマったからですね~。早めに仕掛けて周りのペースを乱せました」
スカイの作戦は大成功。
ダービーと菊、二冠を達成した。
「今後もセイちゃんの活躍をお楽しみに~。あ、あんまり期待しすぎるのは無しで!」

セイウンスカイと出かける場所は>>450(日帰りで行ける場所)
449 : キミ   2023/12/24 23:06:07 ID:9Yn9dD1ogw
お台場のゲームセンター
450 : モルモット君   2023/12/24 23:06:43 ID:VtbVPmt5Xw
相模湾(磯釣り)
451 : トレピッピ   2023/12/25 22:47:35 ID:quqQuy4Bf6
セイウンスカイが菊花賞を制してから数日後。
「いや~、ここ最近忙しかったですし、こうしてのんびり出来る時間が取れて良かったですね~」
神奈川県の相模湾に来ていた。
目的はやはり釣り。
「ああ、取材とかテレビ出演とか色々あったしな」
クラシックで大活躍のスカイは多忙な日々を送っていた。
たまにはこうして息抜きをしなければ。
「トレーナーさん!引いてますよ!」
「わっ!?本当だ!?」
急いでリールを巻く。

釣り上げた物は>>452(魚以外でも可)
452 : お姉ちゃん   2023/12/25 22:48:02 ID:LuUY1diWoA
城之内
453 : お前   2023/12/25 22:48:12 ID:xAB/u6Acbg
マグロ
454 : 貴方   2023/12/26 22:35:49 ID:S0jEYVUQBo
「結構大物ですよ!」
スカイに手伝ってもらいながら懸命に引く。
「見えてきましたよ!」
大きな魚影が浮かび上がってきた。
「な、何だ!?」
明らかに魚ではない。
「ヒトですね・・・トレーナーさん、ちょっと近付いてみて下さいよ」
「わ、分かった」
お願いだから無事であってほしい。
スカイへの精神的なショックは何としてでも避けたい。
「ごはっ!?」
「い、生きてる!」
海水を吐き出したその人物は顎が尖った男で、意識もあるようだ。
「た、助かったぜ。こうしちゃいられねー!早く行かねーと!」
すぐに起き上がって走り出そうとする。
「ありがとよ!」
結局何だったのか分からなかったが、その様子を見たスカイは笑っていた。
「ははっ、奇妙な事もあるもんですね~。そこらの大物よりもレアですよ。はは」
「はは、あはは!」
結果的には楽しく過ごせた一日となった。

次にセイウンスカイと行うトレーニングは>>455(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
455 : 使い魔   2023/12/26 22:37:42 ID:8h//y/bJiU
スピード
456 : お前   2023/12/27 22:35:34 ID:f3TOCzwVHc
「今日のトレーニングは雑巾がけ。ルビーとスカイ、二人で競争してもらう」
「うわーキツそう~」
スカイはあまり乗り気ではないようだ。
「もちろん勝った方にはご褒美があるぞ」
「さっすがトレーナーさん!」
「勝負であれば、負けるつもりはありません」
体育館を雑巾がけで30往復。
先に全て終えた方の勝ちとなる。
「ルビーはより長く最高速を維持する。スカイは最高速を上げる。それぞれ意識してくれ」
「分かりました」
「はーい」
二人に新品の雑巾を手渡し、位置についてもらう。
「スタート!」
ルビーが一瞬で加速し、反対側へたどり着いた。
対するスカイは自分のペースで進む。
「その調子だ!」
ルビーの速度が落ち始めるが、何とか歩みは止めない。
スカイは相変わらず一定のペースを維持している。
「ふっ!」
「たああああっ!」

先にゴールしたのは>>457(ダイイチルビー、セイウンスカイのどちらか・または同着)
457 : アナタ   2023/12/27 22:35:53 ID:eLCgqqaJ52
同着
458 : トレぴっぴ   2023/12/28 22:16:01 ID:Ns.8/fBFR.
「どっちだ!?」
両者はほぼ互角。
ルビーが序盤のリードを守り抜いたのか、スカイが追い上げたのか。
ゴールの瞬間はスマホで撮影していた。
「ど、同着だ・・・」
二人は全く同じタイミングで雑巾がけを終えていた。
「わーお、こんな事もあるんですね〜」
「これでは勝者が決まりません」
勝った方にはご褒美という約束だった。
だが、二人は同着。
「じゃあ二人ともにご褒美だ!」
という事で、やってきたのはアイスクリーム屋。
「三段まで良いぞ。好きなのを選んでくれ」
「どれにしようかな〜」
スカイとルビーがメニューを見て味を決める。
「あれ、トレーナーさんの分は?」
「いや、高いから俺は良いよ」
スカイとルビーが三段のアイスクリームを受け取る。
「すみません、カップとスプーンを一つずついただけますか?」
ルビーが店員にカップとスプーンをもらった。
「トレーナーさん、よろしければどうぞ」
ルビーは自分の分のアイスを一つカップに移した。
「え、良いのか?」
「元よりトレーナーさんが買われた物です。遠慮する必要はありません」
「じゃ、私も」
スカイもアイスをその上に載せてきた。
「ルビー、スカイ・・・なんて優しいんだ!」
二人の優しさに感動しながら、アイスを二つずつ食べた。

トレーナーが一人で出かける場所は>>460
459 : お姉ちゃん   2023/12/28 22:17:04 ID:3d0CIHO716
名古屋港水族館
460 : アネゴ   2023/12/28 22:17:30 ID:bgmFWtkUFE
トレーナー職に就く前に、よく行ってた居酒屋。
461 : あなた   2023/12/29 22:12:53 ID:VrSNoqzoVs
今日はトレーニングの無い日。
久しぶりに一人で休暇を過ごすのも悪くない。
のんびりとレース映像を見ながら自室でくつろぎ、夜は久しぶりに居酒屋に行ってみる。
トレーナーになる前によく行っていた店なのだが、トレーナー業で忙しくなってからは全く訪れていなかった。
「らっしゃい!」
店主は変わっていない。
店の雰囲気もそのままだ。
「懐かしいなぁ」
注文後、店の様子を眺めていると、知っている顔を見つけた。
「乙名史さん!?」
月刊トゥインクルの記者、そしてトゥインクルスタークライマックスの発案者の乙名史悦子さんだ。
つい話しかけてしまったが、直接会った事は無い。
「<アルタイル>のトレーナーさん!こんばんは!こんな所でお会い出来るとは!」
「あれ、ご存じなんですか?」
「ええ!ウマ娘のために命を削って指導するトレーナーの鑑!GIウマ娘の担当トレーナーを知らないはずがありません!」
そう言えばルビーやスカイと一緒にテレビに映った事も何度かあった。
そうでなくても乙名史さんほどの熱意のある人ならトレーナーの事も調べ上げているのだろう。
「乙名史さんはこういう所によく来るんですか?」
「いえ、普段はあまり来ないのですが、たまにはこういった店での情報収集も良いかと思いまして!」
乙名史さんと一緒に飲み、ウマ娘やレースについて語り合った。
その帰り道。
「密着、取材・・・ですっ!え、えへへぇ」
「ちょっ、乙名史さん!」
酔いやすい体質なのか、別人のようになってしまっていた。
「ほら、掴まって下さい!」
何とか乙名史さんを家まで送り届ける事が出来た。
こうした体験は久しぶりだったので、良い気分転換になった。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>462(自由な形式)
462 : お姉さま   2023/12/29 22:13:38 ID:ZXrF6QT8Aw
ストレッチ
463 : お前   2023/12/30 22:33:30 ID:ODU8KnBTbo
「トレーナーさん、昨晩はどこかへ行かれたのですか?」
ルビーに尋ねられる。
「よく分かったな。久しぶりに居酒屋に行ったんだ」
「誰かとご一緒なさったのですか?」
ウマ娘の嗅覚はヒトよりも優れている。
「ああ、乙名史さんと偶然会って一緒に飲んだよ。知らない事を色々教えてもらって楽しかったよ」
「・・・お楽しみだったのでしたら何よりです」
「うわぁ・・・おっかなーい」
スカイがルビーから少し離れる。
「トレーナーさん、早くトレーニングしましょ?」
「そうだな。スカイ、今日は柔軟性を鍛えるぞ」
身体が柔らかければ走る時のバネにもなるし、怪我もしにくくなる。
より発展的なストレッチを行い、柔軟性を向上させる。
「押すぞ」
「いたたたたたた」
背中を少しずつ押すと、スカイが伸びていく。
「脚はもっと開く」
「こ、これ以上は・・・」
脚を押さえた状態で、ルビーが背中を押す。
「ひぃぃぃっ!」
もちろん怪我をしない程度にだが、限界を超えさせた事でスカイの身体は柔らかくなった。
「ネコってこんな感じなんですかねー」

セイウンスカイの次走は>>464(クラシック級12月以降の、芝の中距離または長距離のGI)
464 : モルモット君   2023/12/30 22:50:21 ID:1lkpoh5qIE
有馬記念
465 : 貴方   2023/12/31 22:34:01 ID:rGYZ7Qyn3E
菊花賞の疲れも完全に無くなり、そろそろ次のレースに焦点を当てなければならない。
「スカイ、次出走するレースなんだけど」
トレーナー室のソファで寝転がるスカイに話しかける。
「あー有馬でお願いしますね〜」
「有馬記念が良いとおも・・・え?」
こちらから言う前にスカイが何かを決めているのは珍しい。
「フラワーが菊花賞を見てすっごく感動してくれたらしいんですよ。こりゃ、また良いとこ見せないとなーって思いまして。有馬記念ならそういうのにピッタリでしょ?」
仲の良いウマ娘、ニシノフラワーに良い所を見せたい。
それがスカイが有馬記念を走る理由。
スカイが珍しくやる気になっている。
「よし、じゃあ有馬記念で決まりだな!頑張ろうな!」
「は~い」

セイウンスカイと出かけるウマ娘は>>467(一人)
466 : アネゴ   2023/12/31 22:35:01 ID:irLGEhnweo
ニシノフラワー
467 : トレーナー   2023/12/31 22:35:33 ID:qJhZdGnGHc
メジロパーマー
468 : アナタ   2024/01/01 22:13:33 ID:GdN0g.cbRI
トレーニングが休みのある日。
「お嬢!マジ!天使!すぎな!」
ダイタクヘリオスがルビーを誘って二人で外出するらしい。
ルビーの服装を見てダイタクヘリオスのテンションが既に最高潮となっている。
「ヘリオス!エンジョイしてけ!」
「あざっすマブダチ!ルビーお嬢様を全力でエスコートしまる!」
ルビーの小さな肩を掴んでダイタクヘリオスがメジロパーマーに手を振る。
「やっぱりヘリオスはルビーしゅきすぎだね・・・」
「パーマーさん、今お暇です?」
「スカイ?」
二人を見送ったメジロパーマーに、木にもたれかかったスカイが格好をつけながら話しかける。
「ルビーさんと遊びに行こうと思ったのに、先約があったみたいですし。たまにはパーマーさんと遊んでみるのも良いかなーって」
「余り物同士って事だね!うん!私で良ければ!」
「余り物って言わないで下さいよ・・・」
セイウンスカイとメジロパーマーが向かったのはゲームセンター。
「とうっ!」
「ほっ!なかなかやりますね〜!」
エアホッケーで激しい戦いを繰り広げる。
「くるっと回って」
「ピース!」
ダンスゲームで採点に関係の無い振り付けをして笑い合う。
「ギャルピはこうやって・・・もうちょっと角度つけた方が良いかな」
「いや真面目すぎるでしょ」
二人は一通り遊んで満足した。
「いやー結構疲れましたね〜」
「だね。遊び尽くしたって感じ!」
これまで直接の接点が無かった二人だが、この日を機に仲を深める事が出来たようだ。

セイウンスカイが次に行うトレーニングは>>469(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
469 : モルモット君   2024/01/01 22:46:15 ID:JUBUydKYHY
パワー
470 : トレぴ   2024/01/02 22:32:00 ID:sPzuyA.lNM
「スカイ、今日は筋トレをやるぞ」
「うへぇ」
やはりスカイは筋トレが好きではないようだ。
だがやる時はしっかりやってもらわなければ。
「まずは腹筋だ。体幹が安定すれば力強く芝を蹴る事が出来るし、バランスも崩しにくくなる」
器具に寝転がり、ゆっくりと起き上がる。
「いーち」
器具を使った腹筋トレーニングは地べたに寝転がって行うよりも身体を無駄に痛めにくく、効率も良くなる。
「じゅーう!よし!少し休憩!」
「ゆっくりやるのはやっぱりキツいですね・・・」
ゆっくり下げて、ゆっくり上げる。
キープしている時間がかかる分、かなり負荷がかかる。
負荷がかかれば、鍛えられる。
「じゃあ三百回まで行ってみるか!」
「殺す気ですか!もう!」

有馬記念に出走するシニア級のウマ娘は>>471(レース未出走の、芝及び長距離適正B以上のウマ娘)
471 : トレーナー君   2024/01/02 22:32:19 ID:jXRBBJBlzg
タマモクロス
472 : トレーナーちゃん   2024/01/03 21:24:07 ID:8juFV2MSO6
GIウマ娘タマモクロスが記者会見を行うらしい。
トレーナー室でスカイ、ルビーと共に見る事にした。
「おう、皆集まってどうしたんや。何かおもろい事やるんか?・・・嘘やって!ウチが会見開く言うたから来たんやんな!ほんまおおきに!」
登場と共に場の空気を和ませた。
空間の雰囲気を掌握するのが上手い。
「えー今日集まってもらったんは、ウチの今後のレースについて聞いてもらうためや」
タマモクロスの話し方は変わっていないが、聞いている記者達の緊張感は変わった。
「ウチは次、有馬記念に出る。勝てへんかったら引退する」
記者達がざわめく。
動じていないのはタマモクロス本人とそのトレーナーだけだ。
「ウチはもうピーク過ぎてもうてるし、ちょっと前みたいな走りは多分もう出来ん。せやから、潔く負けたら引退や」
「で、では!もし勝利なさったなら現役続行という事でしょうか!」
記者が先走って質問する。
「そやな。せやけど有馬の次のレースで負けたら引退するで。勝ち続けたら引退せえへんし、負けたらその時点で一発退場や」
カメラのフラッシュが連続して閃く。
タマモクロスは真ん中のカメラに向かって意気込む。
「有馬で待っとるで!ウチを引退させてみい!」

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>473(ダイイチルビーと一緒に行う自由な形式のトレーニング)
473 : トレーナーさま   2024/01/03 21:31:07 ID:JouDRkVPt6
いか焼きを作ってみる
474 : お姉ちゃん   2024/01/04 23:17:52 ID:wZdRA.qP0k
「トレーナーさん」
「ああ」
スカイと二人で目を見合わせる。
スカイの目は覚悟に満ちていた。
「早速トレーニングやりましょっか」
「私もお手伝い致します」
「よし!じゃあこんなトレーニングはどうだ?」
トレーナー室から場所を変え、やって来たのは食堂のキッチン。
他に借りている人はおらず、三人で広く使える。
「スカイがこの前釣ってきたイカを冷凍してまだ残してあったんだ。今日はこれを使ってイカ焼きを作ろう」
「良いですけど・・・これ本当にトレーニングになるんですか?」
「ああ、料理は同時に色々な事をしなくちゃいけない。頭を使うから良いトレーニングになるはずだ」
特にスカイはレース中に様々な作戦を実行する策士。
頭で情報を同時処理する能力を鍛える事は必須だ。
「ちなみに作るのは関西風のイカ焼きの方だ。タマモクロスは関西出身だからな」
関西風のイカ焼きは、イカが入った小麦粉ベースの生地を鉄板で挟んで焼く、所謂粉もんだ。
関東などの地域では、イカ焼きはイカの丸焼きを指す事が多く、トレセン学園でも関西風は一般的ではないようだ。
「作り方は調べてある。あと、専用の鉄板は無いけどフライパンとフライ返しでも出来るみたいだから大丈夫そうだな」
475 : アネゴ   2024/01/04 23:17:57 ID:wZdRA.qP0k
「では、早速調理を開始しましょう」
ルビーは生地を作り始める。
スカイはイカを切っていく。
下処理は冷凍前にスカイがしてくれていたので、今はその手間が省かれている。
生地の素にイカを入れ、鉄板に流し入れる。
中央に卵を落とし、フライ返しを押し付けてこんがり焼いたら、黄身を割ってひっくり返す。
「よっと!」
「お見事です」
「良い焼き色がついてるな」
もうしばらく焼いて、両面がしっかり焼けたら器に盛り付けて完成。
人数分を同時に焼いていたので一緒に食べられる。
「いただきます」
「いただきま〜す」
「いただきます!」
一口目を食べた瞬間に、言葉が出た。
「美味い!」
「初めて食べましたけど、美味しいですねこれ」
「おかわりが必要でしたら追加で焼きますが」
「はいはーい食べまーす」
こうして、美味しいトレーニングは大成功に終わった。

有馬記念でのセイウンスカイの枠順は>>476(1〜16番)
476 : マスター   2024/01/04 23:18:13 ID:bdR1NNJIw2
3番
477 : トレーナーちゃん   2024/01/05 22:19:53 ID:b4w2/xvHto
年末のグランプリ、有馬記念。
セイウンスカイも有馬に乗り込んでいた。
「二番人気、3番セイウンスカイ。ダービーと菊花賞を制したクラシック級のウマ娘がタマモクロスの連勝を止め」
「うおおおおおおおおお!」
言っている途中で大きな歓声に言葉がかき消された。
「タマモクロスが登場しました!圧倒的なオーラ!圧倒的な人気!」
タマモクロスは堂々たる振る舞いで登場する。
背が高い訳ではないが、その姿はとても大きく見えた。
「超えなければならない壁は大きいぞ、スカイ」
実際に走るのはセイウンスカイ自身。
トレーナーとして、ここから先は見守るしかない。
「まもなくですね」
ファンファーレが鳴り響く。

スタート直後のタマモクロスの位置は>>478(4番手以降)
478 : トレーナーさん   2024/01/05 22:20:20 ID:T5pDvRjwrI
6番手
479 : 貴方   2024/01/06 22:33:26 ID:1BU.4jVdV2
「各ウマ娘、ゲートイン完了しました。今・・・一斉にスタート!3番セイウンスカイ、良いスタートを切った!そのままハナを取る!」
スカイのこれまでのレースの中で最も良いスタートだった。
「全体は縦に伸びています。一番人気、7番タマモクロスは前の方、6番手に付けています」
タマモクロスは後方からスタートする事が多いが、今日は前から。
終盤に一気に差し切るだけの力はもう無いという事なのか。
「スカイ、タマモクロスを倒すのは君だ」
レース中間までセイウンスカイとタマモクロスの順位は変わらなかった。
今日は全体的に後方脚質のウマ娘が多く、先頭集団の競り合いは少ない。
「下り坂に入り、ウマ娘達が息を入れます」
いつもと同じようにスカイが全体のペースを握っている。
今日はやや速めだ。
この下り坂で体力を温存する事が鍵となるだろう。
「さあ、タマモクロスはここからどう仕掛けるのか!」

セイウンスカイが発動したスキルは>>480(長距離、逃げで発動出来る金、緑、固有以外のスキル)
480 : お姉さま   2024/01/06 23:01:13 ID:qr76.Ble0w
脇目も振らず
481 : 相棒   2024/01/07 22:31:33 ID:Jo.gBkqh0s
向正面の直線での下り坂区間が終わる。
「先頭は依然セイウンスカイ。1バ身離れて10番、さらにその1バ身後ろから12番」
ここでスカイが動く。
少しだけ速度を上げたのだ。
だが決して無理をしている訳でなく、むしろ力を抜いて楽に走っている。
スカイは楽に速度を上げられるくらいに成長していた。
トレーニングの成果はちゃんと出ている。
「悪いけど、タマモさん以外はノーマークで。そのくらいじゃないと太刀打ち出来ない相手だし」
スカイは時折後ろの様子を確認している。
見ているのはタマモクロスの位置。
いつの間にか位置取りを挙げられてしまったという事が無いように牽制しているのだ。
「チラチラ見られとんな・・・今更緊張はせえへんけど」
スカイが常に見張っていた事で、タマモクロスは上がってこなかった。
もし無視して前に行こうとすれば、それに合わせてスカイがペースを上げていただろう。
そうなれば後ろにいるタマモクロスは、スカイのように急な加速が出来ない他のウマ娘に巻き込まれてしまう。
「さぁ!誰が最初に仕掛けるのか!」
直線が終わり、最後のコーナーに突入する。
「こっからは駆け引きなんか乗ったらん!ウチがまとめてちぎったるわ!」

一着と二着のウマ娘の着差は>>482(3バ身以内)
482 : アネゴ   2024/01/07 22:31:49 ID:EWFmnRT8A6
クビ差
483 : 使い魔   2024/01/08 21:47:25 ID:gxHYJH35us
スカイは強く踏み込んで前に進む。
コーナー開始と同時に加速し、2番手との差を広げていく。
「セイウンスカイ!このまま行ってしまうのか!いや、後ろからタマモクロスだ!タマモクロスが一気に上がっていく!」
タマモクロスはもう2番手。
「スカァァァァァァァイ!このまま逃げ切れぇぇぇぇっ!」
リードはまだ4バ身ほどある。
スカイなら十分逃げ切れるはずだ。
「さぁ、中山の直線は短いぞ!一番人気タマモクロス、届くか!?」
タマモクロスの猛烈な追い上げ。
「・・・来てる。ちょっとやばい、かも!」
セイウンスカイは更に力を振り絞って速度を上げる。
いくら体力を温存していたとは言え、流石に最高速度は簡単に上げられない。
「前にはセイウンスカイとタマモクロスの二人!後ろとはかなり差が開いているぞ!」
残り100m。
もうリードはほとんど無い。
「あああああああああああっ!」
「だらああああああああああああああああッ!」
その瞬間、スカイは吹き飛ばされたかのように感じた。
錯覚のようなものだが、それくらいタマモクロスの気迫は凄まじかった。
「ゴールイン!タマモクロス!タマモクロスだ!タマモクロスが一着です!」
セイウンスカイはクビ差で二着。
ゴールしてから少しの間、スカイはまともに立てなかった。

セイウンスカイの疲労度は>>484(70%〜95%)
484 : 貴様   2024/01/08 21:47:43 ID:/iobH81vYc
94%
485 : トレーナー   2024/01/09 22:13:42 ID:WD5kMiJwlY
「見たか!やったったで!」
タマモクロスは荒々しく拳を掲げて吠える。
「やったなタマーッ!」
トレーナーが飛び出して叫んでいた。
「スカイ!」
スカイの様子がおかしい。
倒れ込むように膝を着いた後、しばらく息が整わず立ち上がる事も出来ないでいた。
ルビーはその俊足でスカイの元へ駆け寄った。
「スカイさん、どうしましたか」
「・・・あはは、もう、限界、です」
ルビーが肩を貸し、何とか立ち上がる。
「はぁ、はぁっ、スカイ!大丈夫か!」
やっとルビーに追いついた。
「トレーナーさん」
スカイは苦しげに笑う。
「疲れただけですよ。すっごく疲れただけです」
「とりあえず怪我が無いか見る。ルビー、控え室まで頼む」
「はい」
観客が心配そうな顔をしているのが見えた。
「スカイ!」
後ろからタマモクロスの声が聞こえた。
「待っとるで」
セイウンスカイは手を軽く挙げて応えた。

セイウンスカイの休養期間は>>486(1〜6ヶ月)
486 : アネゴ   2024/01/09 22:14:03 ID:S/H3FLjvPg
1ヶ月
487 : お姉ちゃん   2024/01/09 22:14:17 ID:9E9Ir8yguk
3ヶ月
488 : モルモット君   2024/01/10 22:15:33 ID:hlQBnhb6/M
控え室でスカイの状態を確かめる。
靴も自分で脱げないくらい疲労していた。
「うーん」
しばらく脚を触って腫れている場所などが無いか探す。
「とりあえず折れている訳じゃないみたいだ。だけど病院にはすぐ行こう」
その日の内に病院で診てもらった。
ウイニングライブは諦めるが仕方ないだろう。
「本当に折れる一歩手前でしたね。あと1%でも限界を超えていたら確実にアウトだったでしょう」
背筋がぞっとした。
もしレース中に折れていたら命の危険すらあった。
「スカイはどのくらいで復帰出来ますか?」
「早くて一ヶ月、長いと半年くらいですかね。この辺りは個人差があるので何とも」
医師の判断に従い、まずは一ヶ月休養を取らせる事にした。
「スカイ、何か食べたい物はあるか?何でも良いぞ」
「・・・えーっと、今日は良いです。また次の機会にって事で」
「そ、そうか。まぁ、今日は疲れて食欲も無いか」

初詣でのセイウンスカイが引いたおみくじの運勢は>>490(一般的なおみくじにある運勢)
489 : アンタ   2024/01/10 23:58:04 ID:IqNI6.ZD7I
490 : 貴様   2024/01/11 00:00:18 ID:jwjgs56EtE
中吉
(ルビーとトレーナーは小吉)
491 : アンタ   2024/01/11 22:15:52 ID:cmF5VlBsKc
有馬記念から数日。
スカイは安静にしているだけの日々を送っていた。
「トレーナーさーん、みかんー」
「うん」
トレーナー室の机に布団をかけて、こたつのようにした。
普通のこたつだとスカイが座ったり立ったりするのが大変なので、椅子に座れるこの形に落ち着いた。
ヒーターがある訳では無いが、ほんのり暖かい。
「そろそろ参りましょう」
ルビーが時計を見てそう言う。
今日は一月二日、正月だ。
三人で初詣に行く予定だったのだ。
ただ、スカイの脚が悪化しては良くないのでルビーと二人でささっと済ませる事にした。
「トレーナーさん、私の分のおみくじも引いてきて下さいね〜」
「ああ!任せてくれ!」
スカイの今年の運勢が良いものであるように今から祈る。
「スカイ、ただいま」
出来るだけ早く帰った。
三人分のおみくじを引いて、どれも開けずに持って帰ってきた。
「どれが良い?」
「じゃあ~これで!」
三人同時に開ける。
「小吉だ」
「小吉です」
そしてスカイは。
「おっ、中吉!」
スカイが一番良い運勢だった事に希望を見出す事が出来た。

セイウンスカイに会いに来たウマ娘は>>492
492 : マスター   2024/01/11 22:16:19 ID:jwjgs56EtE
タマモクロス
493 : モルモット君   2024/01/12 22:16:49 ID:0.s5ExOApo
「なになに・・・今年は自分の好きな事が出来るでしょう。ただし怠けると台無しになる、ってえぇ・・・」
スカイの運勢は全体的に良さそうだ。
「ルビーさんは・・・健康は普通、勉強は良くて、恋愛は進展無しですってー」
「そうですか」
ルビーの表情は変わらない。
おみくじよりも自分を信じる姿勢は流石と言える。
その時、トレーナー室のドアがノックされた。
「邪魔すんでー」
「邪魔するなら帰って下さーい」
「あいよ〜!・・・って帰らへんわ!」
タマモクロスが見事なノリツッコミを披露する。
「タマモさん、何しに来たんです?」
ルビーがタマモクロスに座るよう促す。
こたつ布団に脚を入れながら言う。
「おうすまんな。そら、スカイの様子見に来たに決まっとるやんか。どや?その様子やと大した事無さそうやけど」
「まぁこれまで溜まっていた疲労にやられたって感じですかね〜。早くて一ヶ月らしいです」
それを聞いてタマモクロスは安堵の表情を見せた。
「そうか。そや、あん時言えんかったけど有馬良かったで。ウチも一瞬届かんかと思ったわ!」
「嫌味じゃないですかー。こっちはタマモさんが怖すぎて冷や汗たらたらだったんですよ〜?」
「しゃーないやん。本気やったんやから」
負ければ引退だと言っていたタマモクロス。
勝った彼女は次に何に挑むのか。
494 : トレーナー   2024/01/12 22:16:55 ID:0.s5ExOApo
「タマモクロス、次のレースはもう決まっているのか?」
「春天にしよかなって思ってるで。まだちゃんとは決めてないけどな」
スカイの回復が早ければ天皇賞・春にも間に合うかもしれない。
だが、決して無理はさせられない。
今は焦らず身体を治すためにも、スカイに天皇賞・春を出走させるのはやめておこう。
「スカイ、天皇賞・春なんだけど」
「出るのはやめとこうって事ですよね。私もそのつもりです」
「君の気持ちも分かる。だけど、無理をして・・・え?出なくて良いのか?」
てっきり無理して出ようとするのではないかと思っていたが。
「怪我はこじらせると余計面倒ですからね。セイちゃん面倒なのは嫌なんで」
「そうか。それなら良いんだ」
スカイはタマモクロスの方を見た。
「タマモさんを倒すのは私です。・・・負けないで下さいねー?」
「おう!任しとき!」

セイウンスカイ、ダイイチルビーと一緒に食べる料理は>>495(学園内で食べられる物)
495 : トレーナーさん   2024/01/12 22:17:28 ID:a0S.s1/nyA
にんじんハンバーグ
496 : 貴方   2024/01/12 22:17:57 ID:TSCSyWje9Q
中間管理録トネガワに出てきた大盛りカツ丼
497 : 貴様   2024/01/13 22:28:37 ID:gu5JV18XPY
スカイの脚が治るまではトレーニングは出来ない。
それなら一刻も早く治せば良い。
「食べてしっかり栄養を摂る!これが一番だ!」
学園の食堂で昼食を食べる。
スカイに皿を運ばせたくないので、代わりに持ってくる事にした。
「メニューもおすすめでお願いしま〜す」
決めるのが面倒なだけだとは思うが、せっかくならスカイが喜ぶものにしたい。
「お、にんじんハンバーグ」
テーブルに突っ伏していたスカイが起き上がる。
匂いだけで気付いたのかもしれない。
「俺も同じのにしたよ。あれ、ルビーもにんじんハンバーグにしたのか?」
「はい。元々その予定でしたので」
三人で同じメニューを食べたので、同じ美味しさを共有出来た。
「おやおや、スカイ君じゃないか」
ちょうど大きなにんじんを食べ終わった時にアグネスタキオンが通りかかった。
「タキオンさん」
「有馬記念では脚を痛めてしまったらしいね。奇遇にも私の脚も治療中でね、研究の時間が増えたのは良いがトレーニングが無いと意外と暇だ。せっかくだし、君達も私と一緒に暇つぶししてみないか?」
「どうせ怪しい実験に付き合わされるんでしょう?」
アグネスタキオンはかなり挑戦的な実験も行うという噂だ。
危ない実験にスカイを巻き込む訳にはいかない。
「ハッハッハ!怪しい自覚はあるが、怪しいものが必ずしも有害とは限らないだろう?まぁ、今回は安全な方を手伝ってもらうよ」
「結局実験なんじゃないですかー」
「念のため私も付き添わせて頂きます」
ルビーが申し出る。
「最初からそのつもりだよ。さぁ!早く始めようじゃないか!」
「不安だ・・・」

アグネスタキオンと共に行う実験の内容は>>498(身の危険が無いもの)
498 : トレぴ   2024/01/13 22:32:33 ID:kCG5KDDtLI
強制以心伝心
499 : モルモット君   2024/01/14 22:15:33 ID:2BIZh0J696
アグネスタキオンの実験室は薄暗く、様々な小物が置かれている。
「・・・タキオンさん、また実験に巻き込んだんですか?」
部屋を共有しているマンハッタンカフェがコーヒーを淹れていた。
「今回は安全だから問題は無いさ。恐らく、ね。さあさあ!こっちに来たまえ!」
スカイは恐る恐る椅子に腰掛ける。
松葉杖は預かっておく。
「これから君達にやってもらうのは強制以心伝心!言葉通り強制的に相手の考えている事が分かるのさ!」
「本当に出来るのならすごいな」
「まだ完成していないからこその実験だよ」
アグネスタキオンは目にも止まらぬスピードで装置を三人の頭に装着させた。
「ちょっ、まだ心の準備が!?」
スカイの言葉を無視してスイッチがオンになる。
「う」
これもう繋がっどのようなお互いの心の中がトレーナーさんのでしょうかのか!?
「かはっ!?」
急いで頭の装置を取り外す。
スカイとルビーも同じタイミングで取っていた。
「あ、頭が痛い・・・」
「ふむ、やはり脳が情報を処理し切れないか」
「やっぱり危険な実験だったじゃないですか!もう!」

この実験で閃いたスキルのヒントは>>500(金スキル及び固有スキルは不可)
500 : アナタ   2024/01/14 22:38:38 ID:0tUOGJs63w
パス上手
501 : トレーナーさん   2024/01/15 21:03:20 ID:JQk.o9LmY6
「モルモット君と二人でやった時には上手くいったんだけどねぇ。三人では情報量の限界を超えてしまうようだ」
「危険ではないと言っていたはずですが」
ルビーが放つプレッシャーでアグネスタキオンが小さくなったように見えた。
「はいはい悪かったよ。とは言え進歩にはリスクが付きものなのだから仕方ないとは思わないかい?・・・それに、彼も学びを得られたようだし」
「伝達する時に・・・相手の呼吸を・・・」
「おーい、トレーナーさーん」
「え、あ、何だ?」
つい思考に没入してしまった。
「何考えてたんです?」
「トレーニングに活かせそうな経験が出来たなって」
アグネスタキオンの実験で思わぬ収穫を得られた。

セイウンスカイの次走は>>502(シニア級五月〜七月に行われる、芝の中距離または長距離の重賞レース)
502 : マスター   2024/01/15 21:05:57 ID:QH0VJ0ZF8o
メトロポリタンステークス
503 : お兄ちゃん   2024/01/15 21:07:34 ID:QH0VJ0ZF8o
訂正:目黒記念
504 : 502、503   2024/01/15 21:53:26 ID:QH0VJ0ZF8o
メトロポリタンステークスと投稿しましたが、良く調べたらOPだったので目黒記念に訂正した結果、連投と言う形になってしまいました。
大変申し訳ないです。
505 : 貴方   2024/01/16 22:33:15 ID:J.c7Bagd0g
「スカイ、次のレースは目黒記念にしてみないか?」
「良いですよ〜」
いつも通りスカイは適当に頷く。
「トレーナーさんが決めたんなら問題無しですし」
信頼してくれているのか、自分で決めるつもりが無いのか。
・・・最近は、前者であるような気がしている。
「それじゃあ早速目黒記念について勉強しようか」
肉体でのトレーニングは出来ないが、頭脳のトレーニングなら出来る。
「目黒記念は五月の後半に行われるGIIレースだ。どのレース場で開催されるか分かるか?」
「東京レース場ですね」
「正解!」
スカイは頭が良いが、回転が速いだけでなく知識量も豊富だ。
「じゃあ距離は?」
「えーっと、確か2500mくらいでしたかね」
「正解!流石スカイだ!」
スカイの頭を撫でる。
スカイはどちらかと言うと褒めて伸びるタイプだろう。
「もーこのくらい分かって当然ですってばー」
その後も目黒記念について予習を続けていった。

バレンタインデーにセイウンスカイがもらったチョコレートの数は>>506(2個以上)
506 : トレーナーさま   2024/01/16 22:33:34 ID:qUEGpa0jN6
507 : 相棒   2024/01/17 22:11:26 ID:z/FNRqqivk
今日はバレンタインデー。
学園中がソワソワした雰囲気に満ちている。
「はい、トレーナーさん」
セイウンスカイが差し出したのはライムグリーンの包装紙に包まれたチョコレート。
「ありがとう!」
「ま、チョコをもらえない可哀想なトレーナーさんにセイちゃんからのお情けですよ〜」
「え?いや、他にもチョコはもらったぞ?」
スカイは三秒固まった。
「・・・あ!ルビーさんですよね!ルビーさんのはノーカンですよ!あれはお母さんからもらうのと同じですからね!」
何故かスカイは焦っているように見える。
「ルビーもスカイも担当という意味なら一緒なんだけどな・・・。ルビーにはもらってないぞ?今日はまだ会ってないし」
「なっ」
スカイが奥の机の上に置いてある複数のチョコレートを見つけたようだ。
「だ、だだ誰からですか!」
「えっと・・・カレンチャンとそのトレーナーさんの、ヒシアケボノの、たづなさんの・・・あとゴールドシップから鯖寿司だな」
スカイは肩を震わせる。
「わ、私よりも多い・・・」
「君は何個もらったんだ?」
スカイはカバンからチョコレートを取り出す。
「・・・3個です。ルビーさんと、フラワーと、ローレルさんから」
「何だ、ちゃんともらってるじゃないか」
てっきり誰にも貰えなかったから嫉妬しているのかと思ってしまった。
スカイに限ってそんな事はまずありえないが。
「こういうのは個数じゃないよ。日頃の感謝が伝わればそれで良いんだ」
「なーんか偉そうに聞こえますけど・・・」
その時、トレーナー室のドアが開いた。
「あ、ルビーさん」

ダイイチルビーがもらったチョコレートの個数は>>508(5個以上)
508 : トレーナーさま   2024/01/17 22:12:05 ID:yFFfGWf8r.
28個
509 : あなた   2024/01/18 22:09:18 ID:JjUGpgRbxI
「ってすごい量だな!?」
ルビーは小さな身体と細い腕で大量の箱や袋を抱えていた。
今日がバレンタインデーである事を踏まえると。
「これ、全部チョコなのか?」
「はい。現時点で28個頂いております。・・・お気持ちはありがたいのですがこれほどの量を食べ切るのは難しいかと」
味に飽きるかどうかはともかく、これだけの量を長く保存しておけないし、一気に食べるには多すぎる。
「じゃあ私食べるの手伝ってあげますね」
「ありがとうございます」
「俺も手伝うよ。くれた娘にはちょっと悪いけど・・・」
その時、またしてもトレーナー室のドアが開いた。
今度は勢いが強い。
「お嬢〜!やっと見つけたぜお嬢〜!」
ダイタクヘリオス、そしてその後ろのメジロパーマー。
「お邪魔しまーす」
ダイタクヘリオスは持っていた袋から小さなチョコレートを一つ取り出した。
「はい!あげる!あーんねあーん!」
ルビーの口にチョコレートを優しく入れる。
「んんんんんんあああああああああああ!」
「・・・良いんですかルビーさん?」
ルビーは普段こういった事を許さないと思っていたのだが、何故こうもすんなりいったのか。
「バレンタインデーにチョコレートの受け取りを拒否してはならないと聞きましたので」
つまり、これは口に直接とはいえチョコレートを受け取る行為。
ルビーは断れない。
「トレーナーさんにもこれで食べさせてあげましょっか?」
ルビーが貰ったチョコレートの一つを手に取る。
「じゃあお願いしようかな」
「なっ、や、やっぱりやめておきます!面倒ですし!」

セイウンスカイが作ったチョコレートは>>511(味や見た目など)
510 : お姉ちゃん   2024/01/18 23:59:12 ID:4Qsbb6lPUg
大きな激甘ミルクチョコ
511 : トレーナーさん   2024/01/19 00:00:54 ID:mxVekEicTw
カカオが多めのどちらかと言えば少しビターな四角いチョコレート
512 : 大将   2024/01/19 21:12:11 ID:AB2lhznYsw
「まずはスカイのチョコから食べようかな」
ライムグリーンの包装紙を丁寧にはがし、箱を開ける。
「これ、スカイが自分で作ったのか?」
「フラワーに教えてもらいながらですけどね。一応一番上手く出来たヤツですから美味しいと思いますよ?」
何回も試行錯誤を重ねてチョコレートを作ってくれたのだと思うととても嬉しい。
四角く、色は黒に近い。
四粒ある内の一粒を口に運ぶ。
「うん、美味しい。苦みが強いからカフェラテなんかと合いそうだ」
以前ダイタクヘリオスにもらったカカオ96%のチョコレートよりも食べやすい。
「ふぅ、良かった良かった~。カカオが多く入ってますから美容にも良いんですよ?いや~作る時にいっぱい食べたのでセイちゃんますますキュートになっちゃいましたよ~」
「確かに」
「えっ」
カカオポリフェノールには食物繊維が豊富に含まれており、脂肪分解作用などもある。
満足に運動出来ていないスカイの顔色が良いのもチョコレートのおかげなのだろう。
「トレーナーさん」
「ルビー」
ダイタクヘリオスはメジロパーマーに制止されている。
「・・・良ければ、今年も受け取っていただけますか」
「もちろん!」
差し出された箱は高級感に溢れていて、見た目以上に重く感じた。
ルビーに許可を取って開封する。
箱の中に一つ、宝石のように赤いチョコレートが入っていた。
「・・・美味しい!なんか、とにかく、美味しい!」
「お口に合ったようで何よりです」
言葉では言い表せないくらいの美味。
美味を美しい味と書く意味が分かったような気がした。
「・・・ルビーさんは手強いなぁ」

セイウンスカイの脚の状態は>>513(80%~100%・100%に近いほど良い状態)
513 : トレーナーさん   2024/01/19 21:14:02 ID:mxVekEicTw
92%
514 : お兄さま   2024/01/20 22:36:26 ID:z9jHSYtCjo
今日はスカイを連れて病院に来た。
脚の状態を診てもらうのだ。
「痛かったら言って下さいね」
医師がスカイの脚を触り、腫れなどが無いか確かめる。
「次、レントゲン撮りますねー」
直接目に見えない部分はレントゲンで透かして見る。
「セイウンスカイさん、どうぞー」
呼ばれて再び診察室に入る。
「脚はほとんど治っていますね。92%と言ったところでしょうか」
「おおー、思ったより治ってますね~」
「良かった・・・」
とりあえず無事に回復しているようで安心した。
医師は続ける。
「レースへの復帰はもう少しだけ待った方が良さそうですが、軽くなら走っても大丈夫ですよ。むしろ適度に動かさないと逆に良くないです」
「やったなスカイ!やっと走れるぞ!」
「もうートレーナーさん喜びすぎですよ」
この調子なら目黒記念にも十分間に合う。
そしてその先には最強への道が続いている。
「明日から早速トレーニングだ!」
「ほどほどに、ですよ」
医師に釘を刺されてしまった。

セイウンスカイが行うトレーニングは>>515(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
515 : 貴様   2024/01/20 22:40:03 ID:nyXMiAQn6A
賢さ
516 : アナタ   2024/01/21 22:34:38 ID:cBoKHYkPno
「スカイ!待ちに待ったトレーニングの時間だ!」
「そんなには待ちに待ってないです」
スカイはやる時にはやるウマ娘だが、やらない時はしっかりやらない。
しばらくやらない期間が続いていたのでスイッチの切り替えに苦労するかもしれない。
「今日は身体を動かしながら頭も使うトレーニングにしよう」
身体を全力で動かせない分、頭を使ってもらう。
「これから問題を画面に表示する。ただし、ランニングマシンで一定速度以上を出して走っている間だけしか問題は表示されないぞ。十問正解したらクリアだ!」
少しでもモチベーションになるように、ゲーム形式のトレーニングにした。
スカイもやる気になってくれたようだ。
「じゃあ二十問連続で正解したら何かご褒美とか~」
「ああ!もちろん良いぞ!」
「わ~い!」
この場にルビーがいたらあまり甘やかすなと言われてしまったかもしれない。
「アメリカジョッキークラブカップの距離はーっと・・・2200m!」
「正解!」
スカイは一問も詰まらずに連続正解していく。
「正解!これで二十問連続正解だ!」
身体と頭を使いながら、楽しくトレーニングする事が出来た。
「ちなみに、ご褒美って何なんです?」
「はちみーだ!」

セイウンスカイのトレーニングを手伝うウマ娘は>>517
517 : アネゴ   2024/01/21 22:35:05 ID:0bEB.tmD4.
ヴィブロス
518 : お姉さま   2024/01/22 21:20:55 ID:hMSwo7Qsy.
トレーニングの前半戦が終わり、学園近くの公園でセイウンスカイは賞品を堪能していた。
「んー、たまには固めも良いですね~」
「あ!スカイさんだ~!」
一人のウマ娘が声をかけてきた。
「えーっと?」
スカイと面識は無いようだ。
「確か・・・ヴィブロス、だったかな」
「わぁ・・・っ!すごいねトレーナーさん!私のこと知ってるんだ~!」
「いや、何で生徒より生徒の事詳しいですか?」
ウマ娘の事を知るのはトレーナーにとって非常に重要な事だ。
「それで、何か用があったのか?」
「あ、そうだった!あのね、ちょっと前に二人のことテレビの特集で見たんだ~。すっごくキラキラしてて、憧れちゃった!」
つまり、ファンになってくれたという事か。
「それはそれはどうも」
「ところで、それ、とっても美味しそう!」
スカイが持っているはちみーを指した。
「私も飲みたくなってきちゃった~」
「よし、それなら買ってあげるよ」
「やった~!」
「と、トレーナーさん?」
やはりウマ娘相手だとトレーニング以外は甘くなってしまう。
「買ってくれたお礼にトレーニング手伝ってあげるね!何でも任せて~!」

ヴィブロスと共に行うトレーニングは>>519(自由な形式)
519 : お姉さま   2024/01/22 21:26:30 ID:vmH/exs2w.
(体をかなり動かすタイプの)おままごと
520 : トレーナーちゃん   2024/01/23 21:15:06 ID:aVUb5fPsdI
再び学園に戻り、トレーニングを行う。
ヴィブロスが提案したトレーニングは。
「おままごと、だよ!」
「ど、どうして?」
思わず聞き返してしまった。
「日常生活って、トレーニングになりそうな動きがいっぱいあると思うの!それに、おままごとって大きくなってからやっても意外と楽しいでしょ?」
「・・・そうかなぁ?」
スカイはあまり共感出来ていないようだ。
「私たちはドバイで暮らすセレブな家族だよ!トレーナーさんがパパで~、スカイさんはお姉ちゃん!私はもちろん妹だよっ!」
こうして、何故かしばらく家族のように過ごす事になった。
「お、お父さん。これ買ってクダサイ」
2リットルの水が入ったペットボトルを両手に持ったスカイがレッグランジをしながら近づいてくる。
「パパ~!一緒に遊ぼ~!」
片足立ちをしたままのヴィブロスが手をバタバタさせてバランスを取ろうとしている。
「お父さ~ん」
「パパ~」
「トレーナーさん」
「わっ!?」
いつの間にかトレーナー室のドアのところにルビーが立っていた。
「・・・どのようなトレーニングをなさっているのですか?」
一応悪い事はしていないはずなのだが、冷や汗が出た。
「あ、ママ~!」
ヴィブロスがルビーに駆け寄る。
何故かルビーの尻尾はいつもより動いていた。

春のファン感謝祭でセイウンスカイが出場する競技は>>522
521 : 相棒   2024/01/24 22:16:23 ID:EFBnb0bjtQ
借り物競争
522 : 貴様   2024/01/24 22:16:36 ID:/jeiEndDZ.
背走で芝1000m競走

1枠1番:セイウンスカイ
2枠2番:ツインターボ
3枠3番:サクラバクシンオー
4枠4番:ビワハヤヒデ
523 : アネゴ   2024/01/25 21:07:04 ID:caMq2gCnAw
「トレーナーさん、後ろ向きに走るコツって何だと思います?」
「うん?どうしたんだ急に?」
「実は、ファン感謝祭で背走レースってのに出る事になりまして・・・」
「そういう事か」
詳しくルールを聞いてみた。
芝1000mの直線を後ろ向きに走るレースで、一着になると賞品ももらえるらしい。
出走者は四人、過去にこの競技に出場した経験のある生徒は参加出来ないとの事だ。
「スカイにも十分勝機はある」
本来短距離はスカイに不利な条件だが、全員が競技未経験ならひっくり返しようはある。
「背走は流石に専門外だ。それなら詳しそうな人に聞いてみるしかないな」
スカイと共に学園内を歩いて彼女を探す。
「あ、いましたよ!」
スカイが指さした木の上に大きなコアラがいた。
いや、コアラに擬態したゴールドシップだ。
「ゴルシさーん、ちょっと聞きたい事がー!」
ゴールドシップは一回転しながら飛び降り、華麗に着地した。
「何を知りてーんだ?今ユーカリを消化すんのに忙しいから三秒以内に言えよ?さんにー」
「う、後ろ向きに走るコツを教えてくれないか!」
カウントダウンが終わる前に急いで伝えた。
「あぁ?ついにトレーニング以外でもネジぶっ飛んじまったのかおめー?」
「ゴルシさん」
スカイがルビーのように眼光を鋭くする。
「冗談冗談!感謝祭の競技だろ?アタシそれに出た事あるしコツくらい教えてやるよ」
何とかコツを教えてもらえそうだ。
「良いか?後ろに脚を伸ばそうとしても大して進まねーんだ。伸ばすんじゃなくて、跳ぶんだよ」
ゴールドシップに教えてもらった事を参考に、スカイと練習してみる。
「確かに、結構進んでるかも!」
これなら当日も一着を狙えるかもしれない。

背走レースでのセイウンスカイの着順は>>524(1着~4着)
524 : アナタ   2024/01/25 21:09:08 ID:Qiw7My7KXE
4
525 : お姉さま   2024/01/26 21:39:53 ID:y2/3tcSEBc
迎えた春のファン感謝祭当日。
スカイが出場する競技の時間。
「スカイ、練習の成果を見せる時だ」
「はい、やるからには優勝は狙っていきますよ」
スカイのやる気も十分。
「さあ、出走するウマ娘の紹介です!1番、セイウンスカイ!」
「キャーッ!」
「スカイちゃーん!頑張ってーっ!」
黄色い声援に手を振ると、さらに観客が沸く。
これがファン感謝祭である事も忘れていないようだ。
「2番ツインターボ!」
「ぶるるるーん!ターボのフルスロットルを見せてやる!」
「3番サクラバクシンオー!」
「学級委員長として、模範的でバクシン的な勝利をしてみせましょうとも!」
「4番ビワハヤヒデ!」
「勝利の方程式は導き出してある。あとは実行するだけだ」
それぞれがスタート位置に着く。
安全面を考慮し、ゲートは無いようだ。
「今、一斉にスタートしました!セイウンスカイ!好スタートだ!」
スカイが勢い良く前、と言うより後ろに進む。
「よし、良いぞ!」
526 : キミ   2024/01/26 21:40:01 ID:y2/3tcSEBc
しかし、勝負は甘くなかった。
「ツインターボ!ムーンウォークで先頭を奪い返す!サクラバクシンオーはその後ろにぴったりくっついている!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「やりますねターボさん!ですがまだまだここからですよ!」
「ビワハヤヒデもセイウンスカイを抜いた!頭一つ分のリード!」
「誰の頭がデカいって!?」
スカイはあっという間に抜かされてしまった。
「相手が悪すぎる・・・」
ただのレースの才能ならスカイは引けを取らないだろうが、これは背走レース。
ポテンシャルが違うと言わざるを得なかった。
「こんなの聞いてないって~っ!?」
残り100m。
前の三人は接戦だった。
「は、はひゅ・・・」
「あぁ~逆噴射だ・・・」
「やっぱりか~」
言葉とは裏腹に観客は楽しげだ。
「ああっと!サクラバクシンオーもスタミナ切れか!?」
後ろ向きに走るのは普通に走る時の何倍も疲れる。
スプリンターのサクラバクシンオーには背走1000mは長すぎた。
「垂れてきたサクラバクシンオーを巧みにかわし、ビワハヤヒデが今一着でゴールイン!」
まるで後ろに目が付いているかのようなコース取りで、悠々とゴールした。
「優勝賞品はバナナ10kgです!おめでとうございます!」
「ありがとう。練習の成果を出せて良かったよ」
競技終了後、スカイの元へ急いだ。

ダイイチルビーが参加した競技は>>527
527 : お兄さま   2024/01/26 21:40:23 ID:yqOrFSk98g
パン食い競争
528 : 貴方   2024/01/27 21:37:14 ID:THKXyqx6KM
「お疲れ様」
「いやー相手が悪すぎましたよね~」
スカイにタオルを手渡し、労う。
惨敗ではあったが、これまでのスカイの中ではかなり良い走りが出来ていた。
「ま、本番じゃなくて良かった~って事で!次、ルビーさんのとこ行きましょ!」
「そうだな」
ルビーが参加する競技はパン食い競争。
参加者は手を使わずに吊り下げられたパンにいち早く噛みつかなければならない。
身長による有利不利が無いよう、パンの高さは個別に設定されているらしい。
「ルビー!頑張れーっ!」
「頑張ってくださーい!」
ルビーの視線はパンだけに向けられている。
「スタート!」
参加者は一斉にパンが吊り下げられた地点へ走る。
ルビーは流石の加速力で、真っ先にたどり着いた。
「ダイイチルビー、懸命にジャンプしてパンに噛みつこうとする!隣にはメジロドーベル!さらにその隣のエアグルーヴは闇雲に跳ばずタイミングを見計らっている!」
「この三人って・・・」
「そうだ。かつてトリプルティアラを分け合った三人だ」
あの時の激闘を思い出す。
トリプルティアラを奪い合った三人が、今は我先にとパンに向かって跳んでいる。
「懐かしいな・・・」
「いや、パン食い競争で懐かしむのって合ってるんですか」
「ダイイチルビー!パンを咥え、急いでゴール!」
結果、ルビーは三着。
一着は逃したが、かなり健闘したと言っても良いだろう。
「ルビーさんのあんな姿・・・なんか新鮮でした」
「・・・そうですか」

天皇賞・春での、一着と二着のウマ娘の着差は>>529
529 : 貴方   2024/01/27 21:41:14 ID:Y/LJBX1DAo
アタマ差
530 : アナタ   2024/01/28 22:10:53 ID:TVRmzypJKA
今日は天皇賞・春が行われる日。
ダイイチルビー、セイウンスカイと一緒にテレビで観戦する事にした。
「一番人気はもちろんこの娘、タマモクロス!大外18番からのスタートとなりますが、どうでしょう?」
「外からでも豪快に差し切る末脚を持っていますから、問題無いでしょう」
タマモクロスの他にも実力のあるウマ娘が揃っているが、あまり目立っていない。
タマモクロスのオーラが圧倒的過ぎるからだ。
「さぁ、先頭を行くのは4番、その後ろに1番と11番。タマモクロスは中団後ろの方です」
まだじっと息を潜めている段階だが、周りのウマ娘は恐ろしくて仕方が無いだろう。
「タマモクロス!一気に上がっていく!」
最終直線に二番手で入り、先頭との差は2バ身ほど。
観客は期待に胸を膨らませているだろう。
「だぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「タマモクロス!凄まじい末脚で並んできた!」
まるで稲妻。
小さな身体がターフを切り裂く。
「タマモクロス!タマモクロスだぁぁぁぁっ!圧倒的!まさに圧倒的な勝利です!」
肩を上げ下げしながら、タマモクロスはゆっくりと観客席の方を向く。
「はぁ、はぁ・・・しゃああああああああっ!」
咆哮を耳にした観客も大きな声で叫ぶ。
負けたら引退。
背水の陣でレースに挑む者の気迫を感じられるレースだった。

目黒記念でのセイウンスカイの枠順は>>531(1〜18番)
531 : トレーナーさま   2024/01/28 22:11:12 ID:T.54mJtcSQ
1番
532 : マスター   2024/01/29 19:25:40 ID:njeKWyVbs2
タマモクロスが制した天皇賞・春。
アタマ差での勝利だが、実際は着差以上に衝撃的な強さだった。
「タマモさんみたいに勝てるかは分かりませんけど」
スカイは身体を空に伸ばしながら言う。
「あれを見て燃えちゃうのは仕方無いでしょ」
有馬記念では、限界を超えて立ち向かうもタマモクロスには及ばず。
限界を超えた代償としてしばらくの休養を余儀無くされた。
今日は待ち望んだ復帰戦、目黒記念。
再びタマモクロスと戦い、今度こそは勝つために、このレースでも結果を残さないといけない。
「スカイ、今日の芝は稍重。パワーの要るレースになるぞ」
「そうですね〜。外側を塞がれると大変ですし、気をつけますね」
今日のスカイは1枠1番でのスタート。
外から蓋をされると抜け出すのは難しくなってしまう。
稍重のバ場ならなおさら不利になる。
「さぁ、最後に1番セイウンスカイがゲートに収まって・・・今、スタートです!」
スカイのスタートは悪くない。
序盤は内枠を活かして距離のロス無く前に出られる。
「にゃはは〜やっぱり久しぶりのレースって気持ち良いな〜」
呑気に笑うスカイを、後ろのウマ娘達は怪訝な表情で窺っていた。

セイウンスカイの着順は>>533(1〜3着)
533 : お姉ちゃん   2024/01/29 19:31:33 ID:blsS16E2Uc
1着
534 : 貴方   2024/01/30 21:02:02 ID:/xyD2JO7aY
「先頭争いは1番と3番、三番手は11番。少し離れて集団となっています」
東京2500mの目黒記念。
スタート直後に急坂があり、体力をかなり消耗してしまうため、有馬記念と同じ距離だと考えない方が良いだろう。
だが、スカイはスタミナのあるウマ娘。
多少体力を使ってもまだまだ余裕がある。
むしろ、体力勝負に持ち込んだ方が有利となる。
「先頭を奪ったのは1番セイウンスカイ。3番は少し後ろに下がり、11番がその外から並びかけてくる」
中盤までにスカイは先頭をしっかり奪う事が出来た。
「ここから二回目の上り坂か」
スカイと考えている事は同じだったようだ。
坂に突入した瞬間、ペースを上げる。
これまでに先頭争いで体力を消費していた3番や11番はついてこられなくなる。
後ろとの差は既に開いている。
先頭争いで全体的に間延びしていた事が有利に働いている。
いや、これもスカイの作戦のうちなのだ。
「セイウンスカイ!余裕のゴールだ!6バ身差での勝利です!」
「わーい!」
スカイは両手を上げてゴールした。

セイウンスカイと出かける場所は>>535
535 : あなた   2024/01/30 21:03:50 ID:1x4dZHZ6hk
ちょっと値段高めのレストラン
536 : あなた   2024/01/31 20:37:44 ID:A6.BDgfOJE
復帰戦、目黒記念に勝利したご褒美として少しだけ高級なレストランで食事をする事にした。
「スカイ、何でも好きなものを注文して良いぞ」
「うーん、それじゃーこれにしますね」
スカイが選んだのはビーフシチュー。
雰囲気だけで既に美味しそうだ。
「ルビーはどうする?」
「では、これに」
ルビーは難しくてよく分からない名前の魚料理を選んだ。
教養のあるルビーの事だ、きっとどのような料理か知っているのだろう。
「じゃあ俺はこのヒレステーキにしようかな」
無難だが確実に美味しい料理を選ぶ。
「お、それも良いですね〜。ちょっとだけ分けてもらったりって・・・」
「もちろん良いぞ。その代わりそっちのビーフシチューも少しくれるなら」
こういった店で料理をシェアするのはマナー違反になるのだろうか。
「このお店は多少カジュアルなスタイルのようです。料理のシェアも問題無さそうですね」
他の席の様子を見ると、料理をシェアしている客もいた。
ホールスタッフも気にしていないようなので、シェアしても大丈夫そうだ。
「こういうのはもっと高い店じゃ無理だったかもな」
「ですね〜。あ、来たんじゃないですか?」
三人で料理を分け合いながら楽しく食べる事が出来た。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>537(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
537 : トレぴっぴ   2024/01/31 20:38:36 ID:3rEtu.EFeo
スタミナ
538 : ダンナ   2024/02/01 21:02:00 ID:rCDtTFzJWc
「スカイ、君の武器はスタミナだ」
目黒記念を勝てたのはこの武器をフルに活かせたのが大きい。
やはりスタミナは中長距離を走るウマ娘にとって不可欠なものだ。
「という訳で、泳ごうか」
「いや~もう十分にスタミナがあるので泳ぐのはちょっと・・・」
「トレーニングに終わりは無いぞ。更なる高みを目指そう」
「スカイさん」
スカイはルビーにがっちりと掴まれ、水着に着替えさせられた。
「うぅ・・・」
「大丈夫、今日は簡単に泳げる方法を見つけたから」
スカイに今日のトレーニングで使用する物を渡した。
「これって・・・」
「子供用の腕浮き輪だ。一番大きいサイズを買ってきたからきつくはないと思う」
ビート板と異なり、腕が固定されず不安定になる。
頻繁に海に行くスカイに泳力を身に付けさせるためにも、腕も使った泳ぎを練習させておきたかった。
「よくお似合いです」
「ルビーさん!」
珍しくからかうような事を言うルビー。
スカイとの関係も良好であると言えるだろう。
「よっ、ぬっ、ごぼぼ」
「手で水を押すんだ!」
沈まないように手を素早く動かさないといけない。
良い腕のトレーニングになっているだろう。
「よく頑張ったな」
「もうやりませんからね。本当の本当に」

夏合宿でセイウンスカイが食べた物は>>540
539 : アナタ   2024/02/01 22:29:24 ID:XfOI68L/iI
クリームコロッケ
540 : お兄さま   2024/02/01 22:30:25 ID:kC5WvIyVnI
レバニラ炒め(スタミナ強化のため)
541 : モルモット君   2024/02/02 22:09:09 ID:n.n9AmHTyI
「あ〜つ〜い〜」
夏合宿。
当然夏に行われるので暑い。
今年は例年よりも暑い。
セイウンスカイは日陰の下で、パタパタと手で顔を扇ぐ。
「スカイ、暑いって言うと余計暑くなるぞ」
「でも〜」
夏合宿初日はトレーニングは休み。
スカイ、ルビーと共に合宿所の近くで移動の疲れを癒す事にしていた。
「そろそろお昼だし、何か食べよう」
海の家で昼食にする。
「トレーナーさん、選んでくださ〜い」
スカイは暑さのあまり自分が食べる物すら選ぶ気力が湧かないようだった。
「うーん、じゃあこれ。レバニラ炒め」
「何でそれにしたんですか〜?」
「スタミナがつくと思ったからだよ。何事もトレーニングだ」
「へーえ」
スカイは納得したのか適当に返事をした。
「スカイさん、気が緩み過ぎです」
ルビーに言われ、スカイは渋々身体を起こす。
「はーい」
その後、レバニラ炒めを食べてスカイは少し元気になった。
「ちょっと味が濃い料理って元気になれますよね」
「そうだな」
料理だけでなく、ルビーに注意された事も効いたのではないかと思った。

セイウンスカイのトレーニングを手伝うウマ娘は>>542(ダイイチルビー以外)
542 : アナタ   2024/02/02 22:11:04 ID:iIER7YO.jM
アストンマーチャン
543 : お兄さま   2024/02/03 22:32:57 ID:aruSSpk4Xw
「海が綺麗だな・・・」
「そうですね〜」
夕暮れ、スカイと並んでオレンジ色の海を眺める。
こういったのんびり過ごす時間も大事だ。
「そうだ、写真撮ってみよう。スカイ、あの辺りに立ってくれ」
「えー私写るんですかー?」
スカイが定位置に着いたので、スマホを構える。
「撮るぞー・・・ってわっ!?」
画面には海とスカイと・・・別のウマ娘。
ダイタクヘリオス達と遊びに行ったルビーではない。
「どうもどうも。辻写ラーのマーちゃんです」
覗き込むように顔を近づけてくる。
どこかで見た事があるような、無いような。
生徒の顔は大体覚えているはずだが、この娘の事ははっきりとは覚えていない。
「アストンマーチャンです。・・・覚えて下さいね」
「う、うん。覚えたよ」
スカイがこちらに戻ってくる。
「トレーナーさん、いつからいたか分かりました?」
スカイもアストンマーチャンが急に出現したかのように感じたらしい。
「お二人にはマーちゃんの事をしっかりばっちり覚えてほしいのです。よってここにマーちゃん参戦を表明します」
「ど、どういう事だ?」
一度で話を理解出来なかった。
「マーちゃんに、明日のトレーニングをお手伝いさせて下さい」

アストンマーチャンと共に行うトレーニングは>>544(自由な形式)
544 : お兄ちゃん   2024/02/03 22:33:41 ID:.eCXXYkr46
持久走
545 : トレ公   2024/02/04 22:26:49 ID:5GcDSJYrW.
「全マーちゃんここに集合なのです」
「一人しかいないんじゃ・・・?」
スカイのトレーニングを手伝ってくれる事になったアストンマーチャン。
集合場所は砂浜。
「今日のトレーニングは持久走。ひたすら砂浜を走り続けるトレーニングだ。これでスタミナと根性を鍛えよう」
「わ~もうキツそう~」
「鬼さんなのです」
二人はそれぞれのペースで走り出した。
最初はアストンマーチャンが前に出る。
砂の上でもなかなかのスピードだ。
「飛ばし過ぎるなよー!」
二十分くらい経つと、状況は変わっていた。
「頑張ってね~」
「はぁ、はふ。へろへろマーちゃんなのです・・・」
どうやらアストンマーチャンはスプリンターのようだ。
中長距離が得意なスカイと同じトレーニングをしても、かなり反応が違う。
「そろそろ休憩にしよう」
「ふぅ、あとどのくらい走れば良いんです?」
「とりあえずあと三十分くらいかな」
「・・・ちょっと厳しそうですね」
スカイは自分に対してではなく、アストンマーチャンについてそう言った。
アストンマーチャンは膝をついている。
やはり持久走はスプリンターにはかなり厳しい。
「・・・まだ、やります。やらせて下さい」
瞳の中の炎はまだ燃えているように見えた。
「分かった。本当に限界だと思ったら遠慮無く言うんだぞ」
結局、アストンマーチャンはセイウンスカイと同じメニューを最後までやり切った。

夏祭りでセイウンスカイとアストンマーチャンと共に行く屋台は>>546
546 : トレーナー君   2024/02/04 22:27:30 ID:sxSGpQxeoE
射的
547 : アナタ   2024/02/05 22:03:31 ID:apjLrGvftI
今日はお休みします

代わりに明日は朝と夜の二回更新します
548 : キミ   2024/02/06 10:49:06 ID:EN9OsTEr7w
トレーニングで汗を流した後は、毎年恒例の夏祭り。
せっかくなのでアストンマーチャンも一緒に回る事にした。
「ルビーはトレセン音頭の準備があるから後で合流だ」
「今年は高等部だけでやるんでしたっけ」
トレセン音頭の時間までは三人で屋台を回る。
「お、射的があるぞ」
「良いですね〜。やっていきます?」
「よし、やろう」
「スナイパーマーちゃんの出番なのです」
三人分の料金を支払い、コルクの弾をいくつかもらう。
「狙いはあれです。マーちゃん人形です」
アストンマーチャンは自分のグッズを指さす。
「なにっ!?」
店主が景品を見て驚いた。
そう言えば、最初にこの屋台を見つけた時にはアストンマーチャンの人形なんて無かったような。
「ま、まぁ取れたならやるぜ」
「結構重そうですし、簡単には取れなさそうですね」
「ああ。だが三人で力を合わせればもしかしたら」
三人で同じターゲットを狙う。
人形の額の辺りに狙いを定めて、引き金を引いた。
「あっ」
頭上を通り越してしまった。
上手く狙えていなかったようだ。
「それっ!」
スカイの撃った弾は人形の胸の辺りに当たった。
しかしびくともしない。
「えい」
アストンマーチャンは正確に人形の額を撃ち抜いた。
「いたた」
「そんな痛覚が繋がってる訳じゃないんだし・・・」
何度もトライし、ついに全員が最後の一発。
「同時に撃つぞ!」
「「はい!」」
三発の銃弾が額に同時にヒットし、人形に大きな衝撃を与えた。
「お、おめでとさん。すごいなあんたら」
「わーい!」
「これはお二人に差し上げるのです。マーちゃんには本人パワーがありますので」
こうしてアストンマーチャン人形を手に入れた。

ダイイチルビーと共にトレセン音頭を踊るウマ娘は>>549(高等部のウマ娘三人)
549 : トレーナーさん   2024/02/06 10:51:15 ID:F7AAi52MO6
ダイタクヘリオス、ヒシミラクル、サクラチヨノオー
550 : アネゴ   2024/02/06 22:15:49 ID:9WeJOlnipg
「そろそろ時間だな」
祭り会場の中心にあるステージに移動する。
音頭を踊るウマ娘達が登場し、位置についていく。
「ルビーだ!」
ルビーはメインの四人の内の一人。
他の三人は、ダイタクヘリオス、ヒシミラクル、サクラチヨノオー。
「さぁみんな はっじまるよー」
ダイタクヘリオスの号令と共にトレセン音頭は始まった。
「わんつーさんはいっ」
楽しげなリズムに乗せてウマ娘達が踊り出す。
「んーまっ んまっ んまっ あれっ?音がでなーーい!」
ヒシミラクルとダイイチルビーが大きなうちわをダイナミックに動かす。
「どどどどどーすんの どーーすんの??」
「レッツゴー!!」
太鼓を叩いていたルビーが勢い良く飛び降りる。
普段は見せないような笑顔もパフォーマンスの一部なのだろう。
「よーよいーのよい!!」
「おーーーちゅっちゅー!!」
大熱狂のトレセン音頭は幕を閉じた。
「良かった!良かった!」
「ちょっと泣いてません?」
この素晴らしいパフォーマンスを何度でも見返したいと思っていたちょうどその時。
「実はマーちゃんは動画に撮っていたのです。どやや」
「よし、貰おう」
動画データをアストンマーチャンから送ってもらった。
アストンマーチャンにはわたあめを買ってあげた。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>551(スピード・パワー・根性・賢さのいずれか)
551 : キミ   2024/02/06 22:16:03 ID:F7AAi52MO6
パワー
552 : トレーナーさま   2024/02/07 22:17:52 ID:r1kVDHkBdg
「今日のトレーニングは筋トレ。ここならではの方法で鍛えていこう」
暑さ、砂浜、海など、合宿所は学園とは異なる条件でトレーニングが出来る。
「まずはバーピー50回!」
「ひぃぃぃ!?」
砂の上では体勢が不安定になりやすい。
より体幹を鍛えられる。
「次にスクワット100回!」
波打ち際で行う事により、波に負けないバランス感覚と踏み込み、そして体幹を強化出来る。
「おっとと!?」
スカイが波に脚を押される。
「波に負けるな!」
「はいはーい!」
こうして、文句は言いつつもスカイはハードな筋トレを完遂した。
「お疲れ様。かき氷でも食べるか?」
「ブルーハワイで~」

セイウンスカイとダイイチルビーが参加する、夏合宿でのイベントは>>553(トレーニング以外)
553 : アネゴ   2024/02/07 22:18:26 ID:pGynIt5UpY
かき氷大食い大会
554 : お姉ちゃん   2024/02/07 22:19:34 ID:vl7flMD8qw
小舟を作ってもらい急流下りレースの結果を予想する
555 : キミ   2024/02/08 21:02:44 ID:Dz9RYr0BYQ
「かき氷のシロップって全部同じ味らしいぞ。色と香りくらいしか違わないらしい」
「じゃあブルーハワイって何の香りなんでしょうね?ハワイの?」
スカイと合宿所に戻る途中の事。
「お、スカイマジナイタイ!ほれカモンカモン!」
「ちょっ!?ヘリオスさん!?」
突然現れたダイタクヘリオスにスカイが引っ張られていった。
急いで後を追いかけるが、ウマ娘の脚には流石に追いつけない。
「こっちの方だと思うんだけど・・・」
辺りを見渡してみると、昨日には無かったステージが合宿所近くに設営されていた。
「さぁ、始まりました!かき氷大食い大会!飛び入り参加者のセイウンスカイさんも加えて四人でバトってもらいまーす!」
「スカイ!?」
メジロパーマー、そしてダイタクヘリオスが司会を務めるかき氷大食い大会に、スカイは急遽参加する事になった。
「それでは参加者の皆さんに意気込みを聞いてみましょう~!」
ダイタクヘリオスが走って参加者が並ぶテーブルに向かう。
マイクが向かう先は。
「ルビーも!?」
「華麗なる一族の名に恥じぬ勝負に致します」
「ウェーイ!お嬢もう優勝じゃね!?これ優勝で良いっしょ!?」
ダイタクヘリオスはルビーに近づこうとしたが、ルビーはプレッシャーを放って近寄らせない。
「ヘリオスー?特定の個人を贔屓しちゃダメだよ~?・・・続いては、サクラチヨノオーさん!」
「コツコツ頑張って食べます!」
続いて、隣の参加者にマイクが向けられる。
「ふつ~に頑張ります~」
そして、スカイは。
「何でこんな事に・・・」
本人は無理矢理連れてこられた時から気持ちの変化が無いようだった。
「ルビー!スカイ!二人とも頑張れーっ!」

かき氷大食い大会で優勝したウマ娘は>>556(ダイイチルビー、サクラチヨノオー、ヒシミラクル、セイウンスカイの内一人)
556 : アナタ   2024/02/08 21:06:06 ID:/JBYgb9H0Y
ヒシミラクル
557 : トレぴっぴ   2024/02/09 22:12:32 ID:phtAipb5cE
「うっ・・・」
スカイは頭を押さえる。
一気に食べたために頭が痛くなったのだろう。
「夏なのに寒いです・・・」
サクラチヨノオーは震えているように見える。
「ダイイチルビーさんは黙々と食べ進めています!」
「Fuuuuu!お嬢!やったれ〜!」
調子が良さそうに見えたルビーだったが、急にスプーンを持つ手がピタリと止まった。
「る、ルビー!」
今彼女は激しい頭痛と戦っているに違いない。
応援してあげたいとは思うが、大きな声がかえって頭痛を悪化させてしまうかもしれない。
「あ、あの〜終わりました〜」
「あーっと!いつの間にかヒシミラクルさんがゴールしていましたー!」
「えへへ」
他の参加者とは比べ物にならないくらい速い。
「あらかじめ冷たいジュースを飲んできましたから!そうすると頭がキーンとならないんですよ!ネットで調べました!」
それにしては自信満々だ。
どちらにしろ、勝ったのは事実。
予習は大事だと再確認出来た。
「優勝賞品は巨大かき氷でーす!」
「鬼映えな!」
「いや、流石にもう要らないです・・・」

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>558(スピード・スタミナ・根性・賢さのいずれか)
558 : モルモット君   2024/02/09 22:12:51 ID:NhA29T0B4U
賢さ
559 : お姉ちゃん   2024/02/10 22:37:28 ID:/p4wlyPWYA
「砂浜に問題が書かれたカードをたくさん置いた。一枚だけ取って持ってきてくれ」
「大喜利でもさせるつもりですか〜?」
カードの裏には大喜利のお題ではなく、レースの状態図が描かれている。
あらゆる展開に対応する能力を鍛えるのだ。
ついでに走力を鍛える事も出来る。
「じゃあ・・・これ!」
持ってきたカードを見ると、中山芝2000m右回り、大逃げ二人の図があった。
「セイちゃんは三番手って事ですね~?う~ん、ペースは速め、後方から抜かれないように、前の二人を抜くタイミングは出来るだけ遅くって感じですかね~」
「君がそう思うのならそれが正解だ」
「何言っても正解じゃないですかー!」
とは言え、スカイはちゃんと全てのカードの問題を真剣に考えていた。
マイペースなスカイだが、やる時はちゃんとやる。
「全問正解!すごいぞスカイ!」
「・・・答えがいが無いですね~」

海や砂浜でセイウンスカイとどのように遊ぶか>>560
560 : アナタ   2024/02/10 23:19:06 ID:ofQiQJw6Wg
砂で城を作る
561 : 貴様   2024/02/11 22:31:25 ID:Z6MsVgcWJE
トレーニングの合間、スカイと砂浜で遊ぶ事にした。
「トレーナーさん、そこトンネルにしましょう」
「よし。慎重に、慎重に・・・」
その時、後ろから声がかかった。
「トレーナーさん?トレーナーさんではありませんか!」
「わっ!?」
驚いて砂の城を大きく掘って崩してしまった。
「あっ、すみません!急にお声がけしてしまったから」
「い、いえ」
声の主は。
「乙名史さん、こんな所で会うなんて。どうしてここに?」
水着姿の乙名史記者だった。
「実は夏合宿の取材に来ていまして。郷に入っては郷に従えと言いますので、こうして水着を着て取材を行っているんですよ」
「そういう事でしたか」
「取材、ねぇ・・・」
スカイは何故か落ち着かない様子だ。
あまり人見知りをするタイプではないと思っていたのだが。
「そうだ、乙名史さんも一緒に遊びませんか?気分転換になると思いますし」
「そうですね。取材対象と同じ視点に立つ事は大切ですから。是非」
スカイと打ち解けてくれる事を願い、一緒に遊ぶ事を提案した。
「じゃ、じゃあ、記者さんはそっちの方を・・・」
スカイは恐る恐る乙名史さんに指示を出す。
「お任せ下さい!世界に通用する名建築にしてみせましょう!」
「そこまでは求めてないんですけど!?」
徐々に二人の距離は近づいていった気がする。
「今度こそ、トンネルを開通させる!」
「流石トレーナーさん!ウマ娘のためなら険しい岩山にでも荒れ狂う大波にでもトンネルを開通させると言った心意気を感じます!」
「オーバーだなぁ・・・」
慎重に、砂を掻き出し、水で固めていく。
「出来た!」
「「やりましたね!トレーナーさん!」」
三人で仲を深める事が出来た。

乙名史記者からセイウンスカイへの質問は>>562(具体的な質問)
562 : トレーナー君   2024/02/11 22:32:33 ID:n9jHHrjRh2
次はどのレースに挑戦しますか?
563 : トレぴ   2024/02/11 22:32:45 ID:D1dzLzCT5Q
この夏合宿の目標
564 : トレーナー   2024/02/12 22:20:55 ID:YUYN5qDMYE
見事な砂の城をバックに、乙名史さんの取材を受ける。
取材も受けずに遊ばせただけで終わらせる訳にはいかない。
「では、今後のレース予定、特に次走について伺いたいのですが」
スカイと目を見合わせる。
「トレーナーさん、言っちゃって良いんですか?」
「ああ」
乙名史さんの上体が前のめりになる。
「次は〜ばばん!天皇賞・秋に出ます!」
これは少し前から決めていた事。
天皇賞・秋は王道のクラシックを走ってきたスカイにとっては挑戦しやすいレースだ。
距離、時期的にスカイにちょうど良い。
「となると、秋シニア三冠の偉業達成に挑戦されると?」
「そうなりますね~。ま、出来ればって感じですけど」
「大丈夫、スカイなら出来る!」
確かに秋シニア三冠、天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念を勝利するのは難しい。
だからと言って、目標を低めに見積もりたくは無い。
「それは打倒タマモクロスも意味しますが、自信の程は?」
「あります!」
「ちょっ、トレーナーさん」
ついスカイより先に答えてしまった。
この言葉が実現するように、しっかりスカイを鍛えていきたい。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>565(自由な形式)
565 : 貴方   2024/02/12 22:21:50 ID:0F/A08yLto
いろんな国の城の構造を学ぶ
566 : アネゴ   2024/02/13 22:15:47 ID:EKpq9HEk3s
「スカイ、せっかくだし今日は城を使ってトレーニングしようか」
「どういう事です?」
城とトレーニングに直接の関連は無い。
「城の中を走りたいと思った事は無いか?」
「へ?」
スカイを連れて合宿所内のとある部屋に入った。
他に利用者はいないようだ。
「VRウマレーターを使ってトレーニングする。どんな感じかはお楽しみだ」
「ふむふむ、それじゃあ行ってみますか〜」
VRウマレーターを起動し、デジタル空間に転移する。
目の前に広がるのはリアルな西洋の城、その豪華な回廊だ。
「おおー、広いですね〜!」
「じゃあ走ろうか」
「そう来ましたかー」
広い城の中を周りを気にせずに走るのはさぞ気持ち良いだろう。
気分転換にもなるし、城の構造や歴史にも詳しくなれる。
「俺はこのスーパースクーターで追いかけながら城について色々解説するよ」
ここは非現実、便利な乗り物も簡単に扱える。
「トレーナーさんだねズルいですよ〜もうー」
スカイは開放感のある回廊を走り出した。
「この城はゴシック様式。技術の進歩によって薄くても高い壁を造ったり、窓をたくさん付けたり出来るようになったんだ」
「へぇ〜」
様々な城を巡り、スカイと共に楽しく走る事が出来た。
「たまにはこういうのもアリですね」

セイウンスカイが出走する模擬レースでの枠順は>>567(1〜9番)
567 : お前   2024/02/13 22:16:15 ID:BKbcnnGCjs
1番
568 : モルモット君   2024/02/14 22:10:30 ID:wxVa9zZGGU
「セイちゃん!よろよろです!」
今日は模擬レースが行われる日。
セイウンスカイと同じレースに出走するのは、同期のマチカネタンホイザ。
結果的に、スカイの三冠達成を阻んだウマ娘でもある。
「のーんびり頑張りましょ〜」
このレースは3000m。
セイウンスカイ、そしてマチカネタンホイザの得意距離だ。
この夏合宿で、スカイだけでなく他のウマ娘達も力をつけている。
模擬レースとは言え、油断は出来ない。
「スカイー!頑張れーっ!」
このコースは観客との距離が近いので、応援の声も届きやすい。
ルビーと共にレースを見守る。
スタートと同時、スカイは前に出ていく。
「良いスタートですね」
「ああ。だけどここからは上り坂。スタミナを使い過ぎないようにしないと」
スカイにはきっと作戦があるはずだ。
どのような作戦なのか、そしてその作戦は上手くいくのか。
結局、全ては彼女自身に委ねられている。

セイウンスカイの着順は>>569(1〜5着)
569 : トレ公   2024/02/14 22:10:51 ID:Iv1qO5253g
1着
570 : トレぴ   2024/02/15 22:07:24 ID:9IXStbZj7.
「あいつ、飛ばし過ぎじゃあねぇのか!」
「すぐバテるわよ」
先行勢のスカイに対する反応は様々だった。
スカイは序盤からかなりのハイペースで飛ばしている。
3000mのレースではありえないレベルだ。
「うむむ〜これは大胆ですな〜」
マチカネタンホイザは中団にいた。
やや外に出て、ペースを上げる。
「あの娘、追いかけるつもりか?」
後ろの方から他のトレーナーの声が聞こえてきた。
「良いぞタンホイザ。ここで追いかけた方がトータルでは得だ」
少し前の席にはマチカネタンホイザのトレーナーもいた。
「スカイ!行けーっ!」
最終コーナーでもまだスカイは先頭。
二番手はマチカネタンホイザ。
「粘れぇぇぇぇっ!」
「捕まえろぉぉぉっ!」
最終直線、二人の差は次第に縮まっていく。
だが、スカイの粘り勝ちだ。
「よし!」
スカイが僅かに早くゴールした。

模擬レース後に食べる物は>>571(軽食またはおやつ)
571 : トレピッピ   2024/02/15 22:09:54 ID:KBfVOizqIc
アーモンド
572 : トレぴっぴ   2024/02/16 22:34:06 ID:rXw0HTgs2Q
模擬レース終了後、スカイとマチカネタンホイザは話していた。
「いや~あとちょっとだったんだけどなぁ~」
「ふっふっふ。いや~惜しかったですね~?」
スカイは軽く煽る。
「でも次は勝っちゃうので!今日の反省は必ず活かしてみせますよー!むん!」
「お疲れ様」
マチカネタンホイザのトレーナーと共に、担当ウマ娘にタオルを渡す。
「タンホイザ、はい」
「おおー!どうもどうもですー!」
タオルの他に、手渡した物があった。
「アーモンド?」
スカイは首を傾げる。
「アーモンドは栄養価が高い。疲労回復に良いし、食べやすいのも良いな」
「なるほど、ナッツ類か」
他のトレーナーから、役に立ちそうな事はどんどん吸収していきたい。
吸収させてもらう代わりに、こちらからも使えそうな情報を教える。
「ふむふむ・・・」
「へぇ・・・」
「ほうほう」
三人でメモに記録していく。
「あのーセイちゃんだけついていけないんですがー」
「・・・アーモンド、食べるか?」
スカイもアーモンドをもらい、ポリポリと食べながら勉強会を聞いていた。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>573(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
573 : トレーナー君   2024/02/16 23:22:51 ID:v4/1WoCHMY
スピード
574 : トレーナー君   2024/02/17 22:25:09 ID:jLo0OQVitA
「今日やるのは山登り。出来るだけ速く登って、出来るだけ速く下りる」
「うへぇ〜」
夏合宿と言えば海のイメージが強いが、近くにはトレーニングに向いた山もある。
登山で足腰を鍛えつつ、スピードも意識させる。
速度の限界を突破するためのトレーニングだ。
「君のスピードについて行く事は出来ないから、代わりにこれを」
「カメラ?」
小型のアクションカメラをスカイの頭に装着し、トラブルが起きないようにカメラ越しに見ておく事にする。
リアルタイムでこちらに映像と音声が送られ、逆にこちらから声を送る事も出来る。
「スカイ、いってらっしゃい」
「はーい」
スカイは山道を疾走する。
トレーニングに使われる事も多い道は整備され、走りながらでも安全に登山出来る。
「そこを右だ」
途中にある分かれ道も、カメラ越しに指示を出せば迷わず進める。
「よし、一旦休憩にしよう」
七割近く登った所で休憩に入る。
「ふぅ~」
その時、スカイの目線の先にある草むらが動いた。
風による揺れ方ではない。
ガサゴソと音を立てている。
「ちょっ、何かいるんじゃないですか!?」

セイウンスカイが山で遭遇した生物は>>576(山に生息する生物またはウマ娘やヒト)
575 : トレーナー君   2024/02/17 22:26:30 ID:NMWRXZ1hdg
ツキノワグマ
576 : マスター   2024/02/17 22:26:36 ID:3vCadUwPnk
鹿の群れ
577 : モルモット君   2024/02/18 22:12:58 ID:NnSUgBEeTM
「気を付けろスカイ。不意に動かず様子を見よう」
その時、草むらが大きく揺れて、中から何かが飛び出した。
「にゃっ!?」
スカイは口を塞ぎながら声を漏らした。
出てきたのは。
「し、鹿?」
鹿はスカイの方をしばらく見ると、跳ぶようにどこかへ行ってしまった。
「ふぅ・・・凶暴な動物じゃなくて良かったですね〜」
すると、またしても草むらが蠢いた。
「また鹿だ!?」
次々と鹿が飛び出してはスカイには目もくれず去っていく。
「鹿の群れなんて、この山にもいたんですね・・・」
群れが走り去った後、スカイに言う。
「スカイ、跳ねるように走ってみてくれ。さっきの鹿みたいに」
「跳ねるように?・・・まぁ、良いですけど」
スカイは軽やかな足取りで山を登っていく。
まるで鹿だ。
「意外と良いですね、これ」
あっという間に頂上までたどり着いた。

頂上に滞在する時間は>>578(60分以内)
578 : トレぴっぴ   2024/02/18 22:13:15 ID:SKkqYS2RDA
45分
579 : 大将   2024/02/19 21:04:15 ID:wQgNgsY7cY
山の頂上は広場のようになっており、休む事が出来るようになっている。
「んん〜っ!空気が綺麗で気持ち良いですね〜!こりゃお昼寝しがいがありそうだ〜!」
スカイは晴れ渡った空に向かって伸びる。
カメラ越しに見ても空気が澄んでいるのが分かる。
「休憩がてら少し昼寝しても良いよ」
「やった〜!トレーナーさんも一緒に寝ます?」
天気の良い頂上の広場でスカイと一緒に昼寝を出来たらどれだけ気分が良いだろうか。
その場にいない事が悔やまれるが、今から登っても間に合わない。
「起こす係が必要だから、俺は起きておくよ。また今度な」
「ふぁ〜。じゃ、お休みなさ〜い」
スカイは欠伸をすると、ベンチに寝転がった。
カメラの映像は空に固定され、しばらくすると寝息も聞こえてきた。
「疲れただろうな」
跳ねるように登る方法は、速く登れるが体力の消費も激しいはずだ。
眠りに落ちるのが早いのも納得だ。
「すぅぅぅ・・・。トレー・・・ナー・・・さん・・・」
寝ている間もトレーニングをしているのだろうか。
「食べないでくださ・・・」
「何の夢なんだ?」
約45分後、スカイを起こす。
「おーい!スカイ!そろそろ下山するぞー!」
「うぅ・・・もうですか・・・?」
トレーニングと気分転換を同時に出来てお得な日になった。

ダイイチルビーと出かけた場所は>>580
580 : マスター   2024/02/19 21:12:07 ID:yaUo24G9Rs
アウトレットモール
581 : モルモット君   2024/02/20 22:16:18 ID:dmOYIvL5GI
今日はルビーとスカイのトレーニングは休み。
せっかくの休みなのでルビーと出かける事にした。
スカイは友人と遊びに行ったので今日はルビーと二人きりとなった。
「それにしても色々な店があるな」
「はい。全て見て回るには一日では足りないでしょう」
合宿所から少し離れたアウトレットモールにトレーニング用品を見に来ていた。
せっかくなので他の店も回ろうとしたが、流石に全て回るのは無理だ。
特に気になった店にだけ寄っていこう。
「トレーナーさん、ここを見ていきませんか」
「服?でもここ男性用の服の店だぞ?」
「私の服を見るのではありませんが」
「・・・俺のって事か」
ルビーに服を選んでもらった。
「次は何か食べましょう」
「そうだな・・・あ、ハンバーガーなんてどうだ?」
期間限定のトリプルバーガーを揃って注文した。
「トレーナーさん、ソースが」
「おっと。ありがとうルビー」
口元に付いてしまっていたソースを拭き取ってくれた。
「このシューズが良さそうだな」
「一度履いてみましょう」
もちろん本題であるトレーニング用品も見た。
「今日は色々回れたな」
「はい。充実した日になりました」

セイウンスカイがダイイチルビーと共に行うトレーニングは>>582(自由な形式)
582 : マスター   2024/02/20 22:16:39 ID:r0w1YggmPw
スクワット
583 : あなた   2024/02/21 22:23:42 ID:4Pn8PldpKU
「スカイ、この前の筋トレメニューは結構良かったよな?」
「・・・そうですかね?」
少し前、合宿所ならではの条件で筋トレを行ったが、その時の効果はかなり高かった。
という事でスカイだけでなくルビーにも同様のトレーニングをしてもらう。
「二人とも、もう少し深い所に。そう、そのくらい」
それぞれの膝より少し高い所まで海水に浸かっている。
波によって凄まじい揺さぶりがかかり、真っ直ぐ立とうとするだけで体幹がかなり鍛えられる。
その状態で、スクワット。
「・・・つ」
ルビーは腰を低くした状態で波を耐える。
「良いぞルビー!」
「う・・・っと。わっ、わっ!?」
スカイの足が浮き、波によって流されていく。
「くおおおおおっ!」
念のため、二人にはライフジャケットを装着させている。
そこから伸びるロープを引っ張り、スカイが流されないようにする。
「スカイさん、力を抜いて下さい」
スカイが身体の力を抜いて浮く。
ルビーと一緒にロープを引っ張った。
あっという間にスカイはルビーに抱きかかえられる。
「うぅ・・・ルビーさん・・・」
「ではトレーニングを再開しましょう」
「えぇー鬼ー!」
スカイは苦手な海でのトレーニングを何とか完遂したのだった。

合宿最終日にセイウンスカイがした事は>>584(トレーニング以外)
584 : トレ公   2024/02/21 22:24:04 ID:DlSGzp43Rw
温泉でリラックス
585 : 相棒   2024/02/22 22:57:58 ID:LdQnMdE3Yg
明日はついに合宿所を去る日。
今日は午前中でトレーニングを切り上げ、移動に備える。
「いや〜お湯なら大歓迎なんですけどね〜」
ルビーとスカイを連れて温泉旅館に来ていた。
日帰りで温泉に浸かるだけの利用も出来る。
以前ルビーと二人で来た事もあったので、身体を休めるのにぴったりだと思ったのだ。
ちなみに以前三人で温泉に行った時とは違う場所だ。
「では、また後ほど」
「ああ」
二人と別れ、男湯の方へ行く。
「ルビーさん、上がった後は何飲みます?やっぱり定番のコーヒー牛乳です?」
「いえ、今日は別のものをいただこうかと」
しばらく温泉に浸かってリラックスした後、三人で飲み物を飲む。
「お、ルビーもフルーツ牛乳か」
たまたま一致した。
「たまにはこちらも良いかと」
最終日をゆったり過ごす事が出来た。

バスの座席でセイウンスカイの隣になったウマ娘は>>586
586 : アナタ   2024/02/22 22:58:34 ID:oJeRTWPblI
ツインターボ
587 : アナタ   2024/02/23 22:11:59 ID:EP/pGvGcd2
合宿が終わり、バスへ乗って学園へ帰る。
「じゃ、ルビーさんまた後で〜」
スカイとルビーは別のバスに乗り込む事になった。
くじを順番に引き、決まった座席に座る。
「お、今回も窓側〜!」
通路側はまだ空席。
「スカイだ!」
隣の席になったのはツインターボ。
「どもども〜」
ツインターボは落ち着きのない様子で席に着く。
「ね!ね!何かで遊ぼ!あっち向いてホイ?トランプ?」
「えぇ〜寝たいんだけど・・・」
スカイはあまり乗り気ではない。
遊ぶよりも寝て過ごしたいのだ。
「えーっ!?遊ぼうよー!」
「ターボ!静かにしな!」
前の方の席に座っていたヒシアマゾンに叱られる。
「ん〜じゃあこういうのは?」
スカイが遊びの提案をする。
「体内時計が正確かどうか分かるゲーム。心の中で1数えて、ちょうど10分だと思った所でタイマーをストップ。10分に近かった方の勝ち。普通こういうのは秒単位でやるんだけど、長い時間でやるのも面白そうでしょ?」
「面白そう!よーし!やるぞー!」
二人はスマホのストップウォッチを起動させた後、心の中でカウントを始める。
「すぅ・・・」
「にゃはは〜作戦通り」
ツインターボのストップウォッチが止まる事は無かった。
数を数えている内に眠ってしまったのだ。
スカイは目論見通り寝る事に成功した。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>588(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
588 : トレーナー   2024/02/23 22:12:41 ID:LgazUaFqoY
パワー
589 : トレ公   2024/02/24 22:34:46 ID:42b8rJ.N1k
夏合宿は終わり、学園でのトレーニングが再開される。
「今日やるのはボクシング。体幹、瞬発力、動体視力、その他色々を鍛えられる」
サンドバッグを前に、スカイは拳を握る。
「サンドバッグ相手なら遠慮無くパンチ出来ますね」
「ああ。思いっきり殴って良いぞ!」
ボクシングはストレス発散にも効果的だ。
「腰が入ってないぞ!腕だけじゃなく身体ごと使うんだ!」
パンチ一発一発でサンドバッグが大きく動く。
やはりウマ娘のパワーはヒトとの比べ物にはならない。
「良いぞ!その調子!」
「たっ!はっ!」
パンチのバリエーションを増やし、様々な部位を鍛える。
「連打!」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
小さな連続パンチでスピードを高める。
「最後は大きな一発!」
「とあっ!」
サンドバッグを吹き飛ばす。
「お疲れ様。楽しかったか?」
「はい!ふっふっふ~今のセイちゃんはちょっと攻撃的ですよ~?」

ボクシングトレーニングを手伝うウマ娘は>>590
590 : トレーナー君   2024/02/24 22:58:13 ID:RgxXuU/7bI
ワンダーアキュート
591 : トレピッピ   2024/02/25 22:34:10 ID:yGbAdxnV8U
「まだ重心がブレとるよ」
後ろから声がかかった。
振り返ると優しげな雰囲気のウマ娘、ワンダーアキュートがいた。
彼女もボクシングトレーニングを行っていたようだ。
「アキュートさん。ボクシング得意なんですか?」
「あぁ、実家がボクシングジムなんよぉ」
つまり、ボクシングの事ならトレーナー以上に詳しいという事になるだろう。
「もし君さえ良ければスカイに少しボクシングを教えてあげてくれないか?」
見た所、ワンダーアキュートは汗もかいていない。
準備運動が終わったくらいのタイミングなのだろう。
「もちろんじゃよ〜あたしが教えられる事なら何でも教えるよぉ〜」
こうして、ワンダーアキュートによるボクシングレッスンが始まった。
「拳が上がっとるよ。真っ直ぐ、こう!」
ワンダーアキュートのパンチは素振りだけで遠くのボトルを倒した。
「たあっ!」
「そうそう、その調子じゃ」
彼女の教え方は分かりやすい。
トレーナーとしても学べる物がある。
「それじゃあ、少しすぱーりんぐを」
洗練されたワンツーを前にスカイは顔色を変える。
「い、いえ!結構です!」
「・・・?そうかい?じゃあ休憩にしようかねぇ~」
「そうだな、一度休もう」
すると、ワンダーアキュートが何かを持ってきた。
「ほれ、ぽりぽりさんじゃよ~」
大根のぬか漬けを食べて、栄養補給をする事が出来た。
新たな交友関係も増えた有意義なトレーニングとなった。

秋のファン感謝祭でセイウンスカイが参加するイベントは>>592
592 : モルモット君   2024/02/25 22:35:22 ID:cuXdv2qgMk
焼きとうもろこし大食い選手権
593 : アナタ   2024/02/26 22:20:23 ID:NDp408agBE
「トレーナーさ〜ん!」
スカイがトレーナー室に入るなりソファに寝転がる。
「聞いて下さいよ〜!」
「どうしたんだ?」
今日のスカイはあまり余裕が無さそうだ。
「聖蹄祭でまた大食いをやる事になっちゃったんですよーもうー!」
秋のファン感謝祭、聖蹄祭。
春のファン感謝祭である駿大祭が運動会のようなものであるのに対し、聖蹄祭は文化祭のようなイベントとなる。
生徒達が様々な催しを行いファンをもてなすのだが、その方法にも色々ある。
スカイは大食い選手権に参加する事になってしまったらしい。
「何を食べるんだ?それによって難易度が結構変わると思うけど」
「・・・焼きとうもろこしです」
「・・・なるほど」
焼きとうもろこしはもちろん美味しいが、大量に食べるのは難しいだろう。
「はぁ・・・あんまり大食いは得意じゃないんですけどね・・・。くじ引きが〜・・・」
「スカイってもしかしてあんまり運が無いのか?」
夏合宿でもかき氷の大食いに参加させられたりするなど、巻き込まれ体質なのかもしれない。
「うぅ・・・」
「ごめんごめん。よし!今から特訓しよう!」
本番まではまだ時間がある。
練習をして慣れておくのが良いだろう。
「とりあえず買ってきたのは良いけど・・・」
具体的にどのくらい食べれば優勝に近付けるのか分からない。
過去にあった大食い選手権も、食べるのは焼きとうもろこしでは無かった。
「まずは味付けして焼く所からだな」

セイウンスカイが食べた焼きとうもろこしの本数は>>594(3本以上20本以下)
594 : お姉ちゃん   2024/02/26 22:21:09 ID:./bz8FrhM6
17本
595 : トレぴ   2024/02/27 22:18:21 ID:DDkxlwuNSU
まずは電子レンジでラップで包んだとうもろこしを熱する。
バターを溶かしたフライパンにとうもろこしを入れて焼いていく。
醤油、砂糖、みりんで味を付け、絡めていく。
「おおー良い匂い〜」
「君はどんどん食べていってくれ。その間に次のを焼くから」
スカイは熱いとうもろこしを指先で挟むようにして持ち上げる。
「あちちっ!?」
スカイはかなりの猫舌。
熱い焼きとうもろこしをすぐに食べる事は出来ない。
「やっと冷めてきた・・・」
時間を置いてとうもろこしにかじりつく。
「うん、美味しいです」
「どれどれ」
味見も兼ねて一本食べてみる。
甘じょっぱい味が食欲をそそる。
「これなら結構行けますね」
スカイは次の焼きとうもろこしに手をつける。
「どんどん焼いていくぞ!」
スカイは何本も食べていく。
この調子なら良い記録が出せそうだ。
「も、もう無理・・・」
596 : トレピッピ   2024/02/27 22:18:27 ID:DDkxlwuNSU
スカイは17本もの焼きとうもろこしを平らげた。
「すごいぞスカイ!これなら優勝も狙える!」
その時、トレーナー室のドアがノックされた。
ドアを開け、そこにいたのはたづなさんだった。
「トレーナーさん。あ、セイウンスカイさんもいらっしゃるのならちょうど良かったです!」
「どうしたんですか?」
スカイも聞き耳を立てている。
「実は、聖蹄祭は天皇賞・秋の前日に行われるのですが、出走者の体調を考慮して大食い系イベントの参加は出来ない事になったんです」
つまり、天皇賞・秋に出走予定のスカイは焼きとうもろこし大食い選手権には出られないという事になる。
確かに、大食いの次の日にGIというのは良くないだろう。
トレーナーとして確認不足だった。
「じゃあ棄権って事になるんです?」
スカイが質問する。
「そこでご提案なのですが・・・トレーナーさんが代わりに出場してみませんか?」
「・・・え?」
何故かスカイの代わりに、焼きとうもろこし大食い選手権に出場する事になってしまった。

焼きとうもろこし大食い選手権に参加するウマ娘は>>597>>598(セイウンスカイ、ダイイチルビー、マチカネタンホイザ、アグネスタキオン、タマモクロス以外のウマ娘一人ずつ)
597 : お前   2024/02/27 22:21:32 ID:3wWNGsPug6
イクノディクタス
598 : 大将   2024/02/27 22:24:48 ID:yT0nwP6pBo
エイシンフラッシュ
599 : 使い魔   2024/02/28 21:54:07 ID:iLiUFSTtUA
「さぁ始まりました!焼きとうもろこし大食い選手権!大食い王に輝くのは一体誰なのか!?」
ついに始まってしまった。
聖蹄祭当日、ウマ娘達に混ざってステージ上に立っていた。
「参加者はこちらの8人!左から、イクノディクタスさん!エイシンフラッシュさん!タウンハ・・・」
参加者の名前が順番に読み上げられていく。
「そして、チーム<アルタイル>のトレーナーさん!唯一のウマ娘ではない参加者となります!」
ウマ娘は平均的に食べる量が多い。
ヒトの何倍ものパワーを持つのだからある意味当然だ。
並の量、スピードでは太刀打ち出来ない。
「よーい、始め!」
周りは見ずにとにかく一心不乱に食べる。
「<アルタイル>トレーナーさん、良いスタートだ!」
かじりつき続け、二本目に入る。
「あーっと!イクノディクタスさん!粒を先に全て取っている!皿の上には粒だけが溜まっていく!」
そういう作戦もあるのか。
後半に追い上げるつもりなのだろう。
「エイシンフラッシュさんはきっかり10秒で食べ切っていく!」
一定のペースで食べるのも良い作戦かもしれない。
「トレーナーさーん!頑張れーっ!」
スカイも応援してくれている。
かなり限界が近づいてきたが、まだ食べられる。
食べるしかない!
「そこまで!」
制限時間となった。
集計が開始される。
「それでは、結果を発表します!」
「第三位、エイシンフラッシュさん!25本!」
負けが確定した。
結果は、13本食べて最下位。
やはりウマ娘の食事量にはそう簡単には勝てない。
「トレーナーさん、お疲れ様でーす」
スカイに労われる。
「う・・・しばらくとうもろこしは食べられないな・・・」
スカイに支えられながら歩く。
向かうのはルビーが参加するイベントが開催される場所。

ダイイチルビーが参加するイベントは>>600(大食い以外)
600 : マスター   2024/02/28 21:54:32 ID:IjKssR4wxM
第2回ミスコン
601 : 大将   2024/02/29 22:12:37 ID:OOYIQpsSpE
ルビーが参加するのはミスコン。
以前出場した際には優勝している。
今回もきっと優勝を目指せるはずだ。
「今回も皆のカワイイカレンチャンが進行しまーす!」
「「「カレンチャーン!」」」
統率されているかのように揃った歓声が巻き起こる。
「それでは早速スタートですっ!エントリーナンバー1番!メジロラモーヌさん!」
登場したのは艶やかなドレスを着たメジロラモーヌ。
その姿はそのまま絵画になりそうだ。
「エントリーナンバー2番ダイイチルビーさん!」
「ルビィィィィィッ!」
事前に相談していた衣装を身につけたルビー。
その衣装とは、体操服。
レースの時だけでなく、トレーニングでも着用する。
トレーナー、ウマ娘にとって一番馴染みのある装いかもしれない。
その時、無事にルビーの出番が終わって安心したせいか、急激に腹痛が訪れた。
大食いのせいなのは間違い無いだろう。
「うぐ・・・スカイ、ちょっとトイレ行ってくる・・・」
「ついていきましょうかー?」
「いや、一人で大丈夫・・・」
何とかトイレに辿り着く。
「はぁ、はぁ・・・」
急いで会場に戻る。
「トレーナーさん、早く早く!結果発表が始まりますよ!」
結果発表にはギリギリ間に合ったようだ。
「優勝は・・・」
ルビーの名前が読み上げられる事を必死に祈る。
「ゴールドシップさんです!おめでとうございます!」
「なっ」
残念ながらルビーは優勝を逃してしまった。
「見る目あるじゃねーかオマエら!ゴルゴル星で祝勝会だーっ!」
ゴールドシップは燕尾服を着ていた。
あえて男性らしい服装を選んだのが良かったのかもしれない。
「ルビーさんも良かったですよね」
「ああ、もちろん!」

ファン交流イベントでセイウンスカイの元に訪れたファンの数は>>602(10人以上)
602 : 相棒   2024/02/29 22:13:09 ID:8PgY1UVU7.
118人
603 : マスター   2024/03/01 22:13:13 ID:J8wx0U2ij2
「ルビー、惜しかったな」
「得票数は発表されていないのでは?」
確かに実際の数字は不明だが、ルビーが魅力で大差をつけられるはずが無い。
「トレーナーさん、次のイベントっていつでしたっけ?」
「ああ、今40分だから、あと20分だな」
スカイとルビーはこの後、ファンとの交流イベントに参加する事になっている。
ファンと握手やサインをしたり、楽しく会話するのだ。
余裕を持ってそろそろ会場入りしておいた方が良いだろう。
「きゃー!スカイちゃんよー!」
開始時間前であるにも関わらずファンがずらりと並んでいた。
百人は超えているだろう。
「いやー人気者はつらいですね〜」
スカイは特に臆する事無くファンの前へ歩いていく。
「すみません、早めに始めても大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。むしろお願いします」
近くにいた運営スタッフに許可を取り、少し早めに交流を開始する。
「スカイちゃん、握手して!握手!」
「もちろん良いですよ〜」
慣れた様子でにこやかに対応するスカイ。
ファンのほとんどは若い女性のようだ。
「肩揉んであげる!」
「じゃあ私は耳!」
ファンに囲まれて満足そうなスカイ。
「ルビーのファンとは層が全然違うな・・・」
「・・・はい」
何はともあれ、交流を通してファンサービス出来たようだった。

天皇賞・秋でのセイウンスカイの枠順は>>604(1〜18番)
604 : お姉さま   2024/03/01 22:14:16 ID:pvfMfGvxY6
1番
605 : お前   2024/03/02 21:55:13 ID:4dnbjXRASE
天皇賞・秋。
秋シニア三冠の一つ目。
「スカイ君、今日は良いレースにしようじゃないか」
「はーい頑張りまーす」
アグネスタキオンの言葉を軽く流し、スカイはパドックへ向かう。
「・・・今日は相当調子良さそうですね」
スカイは自分にしか聞こえないくらい小さな声で言った。
「1番セイウンスカイ!堂々の一番人気です!」
「身体の力が良い具合に抜けていますね。持っている力を十分発揮出来るでしょう」
スカイはこれまで掲示板を外していない。
人気が集まるのは当然だ。
「2番人気アグネスタキオン。今日は大外18番からのスタートとなりました」
白衣風の勝負服に身を包むアグネスタキオンがゆっくりと登場した。
纏っているオーラが以前とは違う。
怪我を乗り越えた事で強くなったのだろう。
「今日の東京レース場のバ場は稍重。曇り空も相まって重苦しいレースとなりそうです」
ゲートに入っていくウマ娘達。
スカイのゲートインは遅いが、それはいつも通り。
平常心はちゃんと持っているようだ。
「今、一斉にスタート!」

レース中間地点でのセイウンスカイの順位は>>606(1〜3位)
606 : アンタ   2024/03/02 21:57:00 ID:balYe2b2Ds
2位
607 : 貴様   2024/03/03 22:16:00 ID:.D0GfXh6qE
スカイはスタート直後、前に出る。
「先頭争いは1番と5番。すぐ後ろから12番。おっと、1番セイウンスカイ、すんなりハナを譲りました」
スカイには何か作戦があるのだろう。
「アグネスタキオン、中団前の方につけています」
「外を回る事になりましたね」
アグネスタキオンは冷静に先頭集団を観察している。
「依然先頭は5番、二番手は1番。12番は外から並びかけている」
間もなく中間地点。
下り坂が始まっている。
ここでいかに体力を温存出来るかが鍵となる。
最終直線前に上り坂があるからだ。
「スカイ、良い感じだ」
スカイは2番手をキープし続けている。
ハナを取らないのは体力消費を抑えるためだろう。
「ふぅン、そのまま行くつもりか」

一着と二着のウマ娘の着差は>>608(3バ身以下)
608 : トレーナーちゃん   2024/03/03 22:16:41 ID:.J5P1OCBWM
アタマ差
609 : トレーナー   2024/03/04 22:12:49 ID:CejJr7ZjOk
「おおっと!?アグネスタキオン、一気に上がっていく!スパートには少し早いが大丈夫でしょうか!?」
「かかっているようには見えませんね。きっと作戦なのでしょう」
最終コーナー開始前に位置を大きく上げ、スカイのすぐ外側につけた。
「・・・タキオンさん」
アグネスタキオンはスカイの外側から動かない。
スカイは前後と横を塞がれる形になってしまっている。
「最終コーナーカーブ!5番はこのまま粘れるか!」
後方のウマ娘達もかなり速度を上げている。
差が縮まっているのに、スカイは動けない。
「そろそろだ」
アグネスタキオンは最終直線に入る直前に一気に速度を上げた。
そのまま先頭に立つ。
「アグネスタキオン!ここで抜け出した!」
非常にまずい。
アグネスタキオンのスピードは間違いなく出走者の中でトップ。
一度先頭に立たれてしまえば勝ち目は無い。
「懸命に追う9番!しかしこれ以上差は縮まらない!」
強い風に乗って加速した9番すら追いつけなかった。
「アグネスタキオン!今一着でゴールイン!」

セイウンスカイの着順は>>610(4着以下)
610 : キミ   2024/03/04 22:13:14 ID:tvXtwQfmCM
17
611 : トレーナー君   2024/03/04 22:13:34 ID:j1lkNSqwJ.
7着
612 : アナタ   2024/03/05 21:53:17 ID:kxW/d.yjlg
「アグネスタキオン!圧勝!着差以上の実力を見せつけました!」
アタマ差だが、実際はもっと余裕があったようにも見える。
まるで、一番の強敵以外は取るに足らない相手だと言わんばかりだった。
「はぁ」
スカイはため息をつく。
そこまで疲れているようには見えない。
「一番人気のセイウンスカイは17着。初めての大敗となってしまいました」
「完全に後続に呑まれてしまいましたね。抜け出せなかったためにスパートが大きく遅れました」
アグネスタキオンの作戦にしてやられた。
いくら抜け出すためのパワーを鍛えてきたと言っても、差しや追込のウマ娘にはどうしても敵わない。
「GIを制覇すれば心的影響があると思ったんだが、なるほど、そこまでの動きは無いらしい」
失望したようにターフを去るアグネスタキオン。
反対に、セイウンスカイはずっと立ち尽くしていた。
「・・・あーあ」
強い風も気にせず、スカイは何かを考えながらただ立っている。
曇り空はさらに黒さを増し、今にも雨が降り出しそうだった。

セイウンスカイと話すのは>>613(トレーナー・ダイイチルビー・その他の登場済みの人物の中から一人)
613 : トレーナー   2024/03/05 21:54:08 ID:i0ibIRpBYI
ダイタクヘリオス
614 : お前   2024/03/06 22:22:33 ID:rR5FyjApg.
「スカイ、えっと、お疲れ様」
それ以上にどんな言葉をかけて良いか分からなかった。
初めての大敗、スカイはこれまでに無いくらい精神的にダメージを受けているはずだ。
それをケアするのがトレーナーの役目なのだが、正解が分からないのが情けなかった。
「はは、あんまり疲れてませんよ」
スカイは力無く笑う。
「スカイさん」
ルビーの呼びかけにも反応が薄いまま、控え室に戻る。
「・・・ルビー、どうすれば良いと思う?」
ルビーに小声で尋ねる。
「・・・こんな時だからこそ、他の方の力を借りてみては?」
ルビーの提案を受け、あるウマ娘に控え室に来てもらった。
「ウェーイ!サゲなヤツはここかー!アゲてけ!」
ダイタクヘリオス、ただひたすらに明るい存在が今は恋しかった。
「あの、ちょっとそっとしておいてもらえます?」
難航しそうな予感がした。

ダイタクヘリオスがセイウンスカイと話す時間は>>615(1分以上60分未満)
615 : 貴方   2024/03/06 22:23:15 ID:D5LKkL4IIQ
20分
616 : お姉ちゃん   2024/03/07 23:08:31 ID:XSNyRuxs/6
「まーまーそーゆーなってー!落ち込んでもしゃーなくね?サガってもノーメリだし」
「・・・だから」
スカイはダイタクヘリオスから距離を取ろうとする。
しかし、肩に腕を回して阻止している。
「そだ!どっか打ち上げ行かね?焼き肉とかど?肉食ったら誰でもアガるっしょ!」
スカイを勢いで圧倒する。
「いや、今日はそういう気分じゃ」
「んじゃカラオケる?それかトレぴんちでタコパとか?何でも良いから鬼フェスろーぜ!」
スカイからすればダイタクヘリオスはさぞ鬱陶しいだろう。
二人には少し申し訳無いが、このくらい無理矢理にでも気分を変えてあげなければスカイは取り返しのつかないレベルのダメージを受けてしまいそうだった。
「あとさー」
「もう・・・良い加減に・・・」
この調子のまま20分近くが経過した。
スカイには強く言い返して会話を終わらせるだけの元気も残っていないようだ。
617 : お前   2024/03/07 23:08:38 ID:XSNyRuxs/6
「はぁ・・・何でそこまで明るくいられるんです?」
「へ?そんなん、ヘコんでも面白くないからじゃん」
常にポジティブで、前しか見ないダイタクヘリオス。
その生き様がよく表れた言葉だった。
「ヘコんでも面白くない、ねぇ。何ですか、それ」
一瞬、逆鱗に触れてしまったのかと思った。
だが、実際は違った。
「はぁ〜・・・確かに、そうかもしれないですね」
スカイは少しだけ力を取り戻したように笑った。
「最強になるって目標が絶たれた訳じゃないんですし、落ち込むよりも次を考えた方が良さそうかな〜、なんて」
その言葉を聞いて嬉しくなった。
スカイは完璧ではないながらも、立ち直ったのだ。
「よく言ったスカイ!よし、焼き肉に行って英気を養おう!」
今回はダイタクヘリオスに頼る事しか出来なかったが、せめて自分に出来る事はしておきたい。
「食え食えポンポーンッ!」

セイウンスカイが焼き肉屋で最初に注文したものは>>618(焼き肉屋にあるメニュー)
618 : トレーナーちゃん   2024/03/07 23:09:10 ID:kzqwc1HfFk
ネギタン塩
619 : モルモット君   2024/03/08 22:19:33 ID:M7icYuk1gI
BBSがしばらく使えなかった影響もあったので、今日はお休み
明日は朝と夜の二回更新します
620 : 相棒   2024/03/09 11:05:09 ID:9bl5eUyRpQ
「あ、パマちん?これからお嬢達と焼き肉るんだけど来ね?」
「もち!」
ダイタクヘリオスは次々と誰かに電話をかけていく。
「ヘリオスさん、トレーナーさんに許可を取るべきです」
「い、良いんだルビー」
焼き肉屋に集まったのは、ダイタクヘリオスの知り合い数人。
話によるとここからどんどん増えていくらしい。
「トレーナーさん、まさか全員に奢る訳じゃないですよね・・・?」
「最初はそのつもりだったけど・・・流石に厳しいかな」
ウマ娘用の料金はヒト用よりも高い。
食べ放題プランが無い店だったならばどのような惨劇が引き起こされてしまったのだろうか。
「ウェーイ!じゃんじゃん頼めーっ!」
ダイタクヘリオスは一つの席に落ち着いて食べるつもりは無さそうだ。
「えーっと、じゃあネギタン塩」
スカイは早速注文する。
「おっ、スカイはネギ塩派か」
「となると、トレーナーさんはレモン派ですか?」
食の好みを知る事は意外と重要だ。
これからも長くスカイと付き合っていくつもりなのだから、互いの事をよく知っておかなければならない。
「スカイさん、焼けましたよ」
ルビーがスカイの皿に肉を載せる。
「わ〜い」
ショッキングな敗戦の後ではあるものの、スカイはある程度リラックス出来ているようだ。
「もぐ・・・トレーナーさん」
スカイはネギタン塩を食べながら言った。
「ジャパンカップ、頑張れそうです」
「そうか」
スカイの実力は本物。
ただ、相手にシナリオを狂わされてしまっただけだ。
秋シニア三冠は、まだ二つも残っている。
最強のウマ娘になるのには十分間に合う。
「一緒に頑張ろうな」

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>621(スピード・スタミナ・根性・賢さのいずれか)
621 : お前   2024/03/09 11:31:32 ID:T33xH2Klzk
賢さ
622 : マスター   2024/03/09 22:38:26 ID:9bl5eUyRpQ
「・・・今日はこの前のレース映像を見返そう」
天皇賞・秋の辛い記憶を思い出させる事になってしまうが、これもスカイを強くするため。
心を鬼にして、再生する。
「スタートは良い感じだったな」
「風が強かったし、芝も稍重だったので先頭を譲って体力を温存しようとしてたんですよね」
二番手のまましばらく進み、下り坂も超えた。
「この辺りだな」
最終コーナー前に一気に前に出たアグネスタキオンにより、横を塞がれてしまった。
自らの作戦で前を塞いでいたのがここで裏目に出てしまった。
「こうなったのは、スパートのタイミングを読まれていたのが原因だ。仕掛けるタイミングさえしっかり塞げば後は持ち前のスピードで逃げ切れば良いんだからな」
スカイはアグネスタキオンが上がってきたのと同時にペースを上げなければならなかったのだ。
「なるほどですね~」
負けた理由を知る事は、必ず成長に繋がるだろう。

セイウンスカイと釣る魚は>>623(秋に釣れる魚)
623 : トレーナーさん   2024/03/09 22:39:58 ID:T33xH2Klzk
秋アジ(秋に釣れるアジは脂がのっていて美味いとされている)
624 : 大将   2024/03/10 22:33:10 ID:PPSFJHr9ck
「うぅ・・・寒い」
今日はスカイと一緒に海釣りに来た。
この時期の早朝は冬ほどでは無いもののかなり寒い。
「日が昇るまでの辛抱ですよ〜。うーさむさむ〜」
何だかんだスカイも寒そうだ。
スカイが言うには、今日釣るアジは朝や夕方が狙い目らしい。
秋のアジは脂が乗っていて美味しいので、たくさん釣って食べたい。
「トレーナーさん、結構慣れてきてますね」
「ああ、何回も君と釣りに来たからな」
道具の準備やポイントの見極めに慣れ、以前よりも釣果も良くなっている。
「ふぁ~あ・・・」
スカイが大きなあくびをした。
「寝不足なのか?」
早朝から釣りに出かける事の多いスカイがあらかじめ寝てこなかったのは不思議だ。
「・・・実は、一睡もせずに来たんですよ。寝ると、悪夢を見ちゃうので」
スカイの言う悪夢とは、きっとあの日の事だろう。
「どんどん抜かされていって、沈む。脚をどれだけ動かしても、置いていかれるって夢です。・・・気持ちでは前を向こうとしてるんですけど、根っこの所にはまだ残ってるみたいですね」
スカイは包み隠さず弱い所を見せてくれた。
それなら、そこを大事に守ってあげなければ。
「大丈夫、不安に思う事は誰にでもあるよ」
「そっか・・・そうですよね」
スカイは釣り竿を握り直した。

セイウンスカイが釣ったアジの数は>>625(1尾以上20尾未満)
625 : 相棒   2024/03/10 22:33:35 ID:jzJTaiOV1I
15尾
626 : 相棒   2024/03/11 21:05:59 ID:AmZINGvdjc
しばらくは特に会話もせずに釣りを続けた。
朝日が顔を出し、気温も少しずつ上がっている。
「スカイ、引いてるぞ」
明らかにヒットしているのに、スカイは反応しない。
「なぁ、スカイ。スカイ!」
「わっ!?ルビーさんそこはダメですよ!」
スカイは肩を大きく震わせ、よく分からない言葉を叫んだ。
「・・・もしかして寝てたのか?」
スカイはしばらく止まって状況を把握した。
「・・・あ、あはは〜」
寝不足だったので、釣りの途中に寝落ちしてしまったのだろう。
最近は潜在的な不安によって悪夢を見てしまっていたらしい。
だが、今の様子を見る限り悪夢ではなかったようだ。
「もう少し寝てても良いんだぞ」
「・・・いやーもうちょっと釣っておきたいので」
結局今の当たりは無かった事になってしまったが、スカイが眠れたのを知れたのは良かった。
一緒に過ごしている時間に、安心感を覚えてくれたのだ。
「そうか。じゃあいっぱい釣ろう。ルビーにも美味しいアジを食べてもらいたいしな」
「はい!」
今日の釣果は二人でアジを十五尾。
これだけ釣れれば色々な食べ方が出来るだろう。

セイウンスカイ達と作るアジを使った料理は>>627(一品)
627 : トレーナー   2024/03/11 21:11:21 ID:/3l9Q2CFVA
なめろう
628 : お兄さま   2024/03/12 22:16:25 ID:d1he6Nzd3Y
釣りから帰り学園に戻ると夕方だった。
「ルビー!いっぱい釣れたぞ!」
「でも、どうやって食べます?」
15尾ものアジをどうやって食べるかルビーと相談する。
「なめろうにするのはいかがでしょう。新鮮でないと出来ませんので」
という事でアジのなめろうを作る事にした。
そもそも、なめろうとは魚を味噌や薬味と共にたたいた料理。
元は千葉県の郷土料理だが、現在は全国で親しまれているらしい。
「では、スカイさんは薬味をみじん切りに」
「は〜い」
ネギや生姜をみじん切りにしていく。
ルビーはアジを細かく刻む。
「二人とも、少し離れて下さい」
ルビーは包丁を構える。
放たれるプレッシャーに、思わず息を飲む。
「はっ!」
目にも止まらぬスピードでアジを細かく切り刻む。
「す、すごい・・・」
薬味などもいつの間にか練り込まれており、ほぼ完成している。
「トレーナーさん、盛り付けをお願いします」
何も役割が無かったのを見かねたのか、盛り付けを任された。
「・・・よし、出来た」
慎重に、綺麗に見えるように皿に盛った。
「この粘り気が良いですね〜」
釣ったアジの一部を美味しく食べる事が出来た。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>630(自由な形式)
629 : トレーナーちゃん   2024/03/12 23:30:03 ID:y4OYhxRY2M
この年の凱旋門賞の映像を見直す
630 : トレーナーさま   2024/03/12 23:30:31 ID:Y.wYLDXSVE
高地トレーニング
631 : 相棒   2024/03/13 22:17:27 ID:UIeq8JhzlQ
ジャパンカップは中距離レースの中では長い、2400mのレース。
「という事で、山に登ろう」
「え〜」
高地でのトレーニングは、気圧が低く低酸素トレーニングが出来る。
さらに、登山も脚力を鍛えるのに良いので一石二鳥だ。
「トレーナーさんもご一緒に?」
ルビーの質問の意味も分かる。
ヒトとウマ娘で登るスピードが違えば、互いにとって不都合だ。
「いや、俺は上で合流だ。登る時は二人で仲良くな」
ルビーがついていれば安心だろう。
「それじゃあ、どの山にしようか」
「え、決めてたんじゃないんですか?」
登る山はこれから決める。

セイウンスカイとダイイチルビーが登る山は>>632(関東の山)
632 : アナタ   2024/03/13 22:18:07 ID:q5Ok72ttpU
高尾山
633 : トレーナー   2024/03/14 22:13:13 ID:AwddVNW1Qk
「・・・トレーナーさん」
「うん」
ルビー、スカイと山頂で合流した。
しかし、考えが足りていなかった。
「高野山の標高って高所トレーニングには足りなくないですか?」
「・・・俺もそんな気がしてきた」
気軽に登れる山という部分だけを考えてしまったせいで、標高500mほどの高尾山を選んでしまった。
酸素濃度は地上とほとんど変わらない。
「仕方無い。切り替えていこう」
登山自体はトレーニングとして効果的だ。
「坂道ダッシュ100本!」
「うぇ〜」
他の登山客の邪魔にならないように気を配りながら、登山道を上り下りする。
「今度はランジをしながら!」
腰を落としながら道を進ませる。
「空気が綺麗なので楽に感じます」
「そうですね〜。お昼寝タイムが待ち遠しいです」
想定していたトレーニングとは異なったが、結果的には上手くいったと思う。

ジャパンカップでのセイウンスカイの枠順は>>634(1〜18番)
634 : トレーナーさま   2024/03/14 22:13:43 ID:/vzikhhA5w
3番
635 : お姉さま   2024/03/15 22:18:12 ID:8QPPQmWXJw
ついに来たジャパンカップ当日。
天気は清々しい晴れ。
観客席はもちろん満席、冬も近いのに熱気が立ち込めている。
「一番人気はこの娘、10番マチカネタンホイザ。皐月賞以来のGI勝利は叶うのか!」
「むーん!」
突如大きな声を出したマチカネタンホイザ。
かなりの気合いが入っているようだ。
「前走天皇賞・秋はまさかの惨敗。二番人気となりましたセイウンスカイ。今回は3番からのスタートです」
スカイの表情はやや硬く、リラックスしているとは言えない。
「身体の調子は良いんだけど、心の方がまだ本調子じゃないみたいだ」
「トレーナーさんは様々なケアをなさいました。本調子とは行かなくとも、最低ではないはずです」
ルビーも、チームメイトとしてスカイを支えてくれていた。
スカイが立ち直ろうとしているのはルビーのおかげでもあるのだ。
「このレース、スカイが勝てるかどうかは正直分からない。だけど、出来る事は一つだけだ」
「・・・信じる事、ですね」

セイウンスカイのスタートは>>636(成功または失敗)
636 : トレ公   2024/03/15 22:19:11 ID:LBftWQ/NKE
成功
637 : 大将   2024/03/16 22:24:19 ID:glkXj5snL2
「どや?調子は?」
応援席で声がかかった。
「タマモさん」
タマモクロスは昨年の有馬記念でセイウンスカイと激闘を繰り広げ、勝利したウマ娘。
さらに、天皇賞・春も制し連勝中。
負ければ即引退を公言しており、セイウンスカイとは再び有馬記念でぶつかる予定の強敵だ。
「身体の調子はかなり良いよ。メンタル面は・・・だんだん良くなってくる、かな」
「・・・そうか。ま、有馬までに仕上げてきてもうたらええわ。ちょっと横すまんな」
タマモクロスが隣に座る。
一緒に観戦してくれるらしい。
「さぁ、最後にセイウンスカイがゲートに収まります」
スカイは少し躊躇いを見せながらゲートインした。
「今、一斉にスタート!」
スカイのスタートは上手くいった。
ゲートの心配をする必要は無かったようだ。
「先頭は3番セイウンスカイ。外から4番と6番」
「よし、良い感じだ」

レース中間地点でのマチカネタンホイザの位置は>>638(5〜18番手)
638 : お前   2024/03/16 22:25:32 ID:czzatLoVaA
10番手
639 : トレーナー   2024/03/17 22:36:21 ID:8.IxMA5jv6
マチカネタンホイザは中団、十番手くらいの位置にいた。
体力を温存しつつ、前に出やすい位置をキープしている。
「2400mは中距離レースの中では最長。スタミナとスピードの両方が求められる」
「スカイさんならスタミナ面は問題無いでしょう。恐らくより重要になるのは」
「スピード、やな」
逃げウマ娘のスカイは末脚の鋭さでは後方の脚質には適わない。
勝つためには、前半のリードを出来るだけ多く稼ぐ必要がある。
しかし、それが常に正解とも限らないのが難しい所だ。
実際、スカイはそこを読めずに何度か敗北している。
「先頭はセイウンスカイのまま下り坂に入ります」
まもなくレース終盤戦。
レースが動くのはここからだ。

先にスパートを開始するのは>>640(セイウンスカイまたはマチカネタンホイザ)
640 : トレーナーさん   2024/03/17 22:36:46 ID:pNUpssOHIU
マチカネタンホイザ
641 : トレーナーさま   2024/03/18 22:26:14 ID:S6wlzX586c
「マチカネタンホイザ!一気に上がっていく!」
中団からマチカネタンホイザが抜けだした。
これまで温存してきた分、全力で追ってくる。
セイウンスカイが作ったマチカネタンホイザとのリードは、約9バ身。
東京の長い直線においては、正直十分とは言えない。
特に、相手は何度も戦ってきたマチカネタンホイザ。
スカイの仕掛けるタイミングは研究され尽くされている。
「このまま、もうちょっと、もうちょっと!」
マチカネタンホイザはどんどん追い抜いていく。
「スカァァァァァァイ!根性で粘れぇぇぇぇぇぇぇっ!」
声の限り叫ぶ。
この声が、少しでもスカイの背中を押せるのならば、喉の一つや二つ惜しくはない。
「残り200!セイウンスカイ、まだ粘っている!」
「あああああああああああああああ!」
スカイも叫び、力を出し切る。
かつて制したダービーと同じ条件。
相手には同じくマチカネタンホイザもいる。
それぞれの成長をぶつけ合い、死力を尽くす。
「やぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
マチカネタンホイザはもうすぐそこまで来ている。
他のウマ娘もそれに続いている。
「はあっ、はぁっ、ああああっ!」
並ばれ、抜かれた。
そしてそのままゴールへ。
「マチカネタンホイザ!マチカネタンホイザだぁぁぁぁぁっ!」
一着はマチカネタンホイザ。
スカイは三着。
その差は、僅か1/2バ身の接戦、そして混戦だった。

ウイニングライブまでに食べる料理は>>642(レース場かその近辺で食べられる物)
642 : マスター   2024/03/18 22:27:26 ID:.6Z/ND5AvI
ゴルシ秘伝ソースの焼きそば
643 : アネゴ   2024/03/19 22:18:54 ID:2fnsjX1wHM
「かっ、はぁ、はぁ」
スカイは肩を上下させながら、掲示板を見る。
「三着、かー」
スカイの走りは良かった。
ミスも無かったし、いつも通りの力を出せていただろう。
だが、先着した二人はその上を行った。
特にマチカネタンホイザの強さは見ている者を惹き付けた。
「やったー!トレーナー!うは〜っ!」
「タンホイザ!すごいぞ!」
トレーナーが飛び出し、マチカネタンホイザを抱き上げる。
世界のウマ娘と走るこのジャパンカップを制した喜びは言葉に出来ないくらい大きなものであるだろう。
「スカイの所へ行こう」
地下バ場道でスカイを出迎えた。
「お疲れ様。惜しかったな」
「いや〜もうちょっとだったんですけどね〜」
スカイはあまり落ち込んでいないように見えた。
「・・・大丈夫なのか?」
「・・・ま、今日の負けは仕方無いですね。相手がとにかく強かった」
スカイは飄々と言った。
「切り替えていきましょ。有馬記念も近いんですし」
「・・・無理はなさらず」
644 : トレーナーさま   2024/03/19 22:19:00 ID:2fnsjX1wHM
ルビーはスカイを心配して言う。
正直、今のスカイの態度は強がりだろう。
だが、それを指摘するのは良くないような気がした。
「走ったらお腹空いちゃいましたよ〜。何か食べません?」
「・・・そうだな。何か買ってくるから待っていてくれ」
控え室の外に出て売店へ向かう。
その途中。
「おーちょうど良い所に!これ買ってくれよー!」
「ゴールドシップ?ここで何をしてるんだ?」
「何って、焼きそば売ってるに決まってんだろ?」
「関係者以外立ち入り禁止なんだけど」
まだ外に出ていないはずなのだが。
「んな事はどうでも良い!頼むから買ってくれよー売れ残っちまったんだよー」
立ち入り禁止エリアで売っているからではないかとは思ったが、あえて言わなかった。
「まぁ、ちょうど良いし買っていくか」

ゴールドシップの焼きそばの価格は>>645(一つ当たり何円か)
645 : トレーナー君   2024/03/19 22:19:49 ID:zAwDx2G8Ts
564円
646 : アンタ   2024/03/20 22:31:42 ID:K9VUYFXoRU
「じゃあ三つ買おうかな」
「おう、一つ564円だから、三つで1500円で良いぜ!」
少しだけ割り引いてくれるようだ。
しかし。
「そもそも高くないか・・・?」
500円を超えるのは、焼きそばにしては高価に思える。
「一つ100円の焼きそばをぴったり5.64倍のボリュームにするのは苦労したんだぞ?文句言うんじゃねぇ!」
「わざわざ 5.64倍にする必要って・・・?」
とりあえずゴールドシップから山盛りの焼きそばを買い、控え室に戻った。
「おう、遅かったやないか」
タマモクロスが控え室にいた。
そう言えばレース後、自然と別れる形になってしまっていた。
「私が呼んでおきました」
ルビーがタマモクロスを控え室に呼んだらしい。
「困ったな・・・三つしか無い」
「いや、ウチは別にええわ。あんま食えへんし」
小食なのだろうか。
「そうか。じゃあその分スカイはお腹いっぱい食べられるな!」
「こんなに買ってくるとは思わなかったですけど・・・せっかくだし食べます」
スカイは焼きそばを食べた。
「あむ、うん、美味しいです。濃いめのソースが良いですね」
「そうだろ?ゴルシちゃん特製ソースだかんな?」
「うわっ!?」
いつの間にかゴールドシップがルビーの背後に立っていた。
「苦節40年、研究に研究を重ねて開発したこのソースには、寿命を3年延ばす効能があるとか無いとか」
「あるわけ無いやろ!てか40年も生きとらんやん!」
タマモクロスは律儀にツッコミを入れる。
「あはは」
スカイはこのやり取りを見て笑った。
それを見て、ルビーは微笑む。
「やっぱり、楽しむのが一番ですよね」
スカイは何かの核心を掴んだようだった。

セイウンスカイがタマモクロスと共に行うトレーニングは>>647(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
647 : トレピッピ   2024/03/20 22:32:40 ID:QQf9OT5jBw
スピード
648 : キミ   2024/03/21 22:11:02 ID:hIMmSnp/tw
「・・・なんでタマモさんも?」
「なんや、何か文句あるんかいな」
ジャパンカップから数日、トレーニングを再開する。
有馬記念まであまり時間が無いので、一日当たりの充実度を上げていく必要がある。
という事で、最も効果的な方法を実践する事にしたのだ。
「トレーナーがどーしてもゆうて聞かんから来たんや。一緒にトレーニングしてくれってなぁ」
タマモクロスも有馬記念に出走する予定。
当然スカイのライバルとなる。
レース前の大事なこの期間にライバルと合同トレーニングをする事はまず無い。
だが、スカイのために頼み込んだ。
「タマにとっても有益だからな。今日はよろしく頼むよ」
タマモクロスのトレーナーも快く受け入れてくれた。
「じゃあ早速始めるよ」
「どんなトレーニングをするんです?」
スカイはトレーニングにも前向きだ。
やはりジャパンカップ後に何かを掴み、メンタルが安定してきたのだろう。
649 : お兄さま   2024/03/21 22:11:08 ID:hIMmSnp/tw
「空手だ」
「「え?」」
何故か聞き返された。
「いや、普通並走とかちゃうんか。わざわざウチ呼んだんやろ?」
「ああ、うちのトレーナーさんはいつもこんな感じなんですよ〜」
空手は瞬発力、判断力、精密性など、とにかく色々な能力を鍛えられる。
「二人で高速板割りをして競ってもらう。もちろん勝った方にはご褒美だ!」
「なるほど、ご褒美でモチベーションを上げるのはあまりやってこなかったな」
タマモクロスのトレーナーとはトレーニングの方針が違うようだ。
普段と異なるトレーニングを取り入れる事で、より成長出来るだろう。
「トレーナーさん、お持ちしました」
「ゴルシちゃん使いが荒すぎるぜ」
ルビーとゴールドシップに板の運搬を頼んでいた。
台車の上に山のように積み上がった板をこれから全て割ってもらう。
「まずはスカイ!」
「は〜い」

セイウンスカイが一分間に割った板の数は>>650(100枚以上500枚未満)
650 : お兄ちゃん   2024/03/21 22:11:54 ID:UnjYfOYl.Y
120枚
651 : 貴様   2024/03/22 22:21:22 ID:szCx7ac2MU
五人で板を構える。
スカイは深呼吸をして精神を研ぎ澄ます。
「はっ!」
右の突き、身体を半周回して左の手刀、右の上段回し蹴り、軸足を変えて左の回し蹴り、そして再び右の突き。
その間に新たな板を構え直し、スカイはまた割る。
次々と板を割っていく。
流れるような動きだ。
タイマーの音が鳴り響き、終了の合図。
「すごいなスカイ。一分間に120枚も割ってるぞ!」
「ふっふっふ〜。意外と出来るでしょ?」
トレーニングで空手をやったのはこれが初めてだったが、他に経験があったのだろうか。
とても未経験とは思えない。
「空手の経験がおありで?」
「実はグラスちゃんに空手体験に連れて行かれた事がありまして。やっぱり一日でもやってると違いますね〜」
それにしても上手い気がする。
実はスカイには武術の才能もあるのかもしれない。
「タマ、君の実力も見せてやってくれ!負けられないぞ!」
「なんでウチより張り合おうとしとんねん」
一度板を片付け、再びセッティングする。
「ほな、行くで」
タマモクロスも精神を集中させる。
652 : トレーナー君   2024/03/22 22:21:28 ID:szCx7ac2MU
「らあぁぁぁぁっ!」
スカイ以上の凄まじいスピードで板を割っていく。
その荒々しさと速さは、まさに稲妻。
五人で分担していても次の板を出すのが間に合わなくなってしまいそうだ。
「最後!」
「どらぁぁぁっ!のわっとと!?」
最後の一枚への回し蹴りの高さがギリギリ届かなかった。
空振りとなり、ふらついてしまった。
「惜しかったなタマ」
「あーもうちょいやったんやけどなぁ」
悔しがるタマモクロス。
それでもスカイの記録を上回り、一分間に160枚もの板。割った。
「前やったらこんくらい行けそうやったんやけど・・・」
「縮んだんじゃね?」
ゴールドシップが言った。
「何やとコラァ!もっぺん言ってみぃ!」
「タマ!落ち着いて!タマ!」
羽交い締めにされるタマモクロス。
「わりーわりー」
「ふん!」
タマモクロスは腹を立ててしまったようだ。

次にタマモクロス達と行うトレーニングは>>653(自由な形式)
653 : お姉ちゃん   2024/03/22 22:22:21 ID:/1uGhAUTr.
いつもより重い蹄鉄で並走
654 : 貴方   2024/03/23 22:32:28 ID:q7v/0OjQfE
「まあまあ、そう怒ってばかりいるともっと小さくなるぞ」
「アンタまで乗らんでええわ!」
言葉だけ聞くと腹を立てているようにも思えるが、ゴールドシップとトレーナーとでは明確に言葉に乗っている気持ちの違いがあるように感じた。
「ほんで?次は何するんや」
予定していたのは空手のトレーニングだけではない。
むしろ、こちらの方がメインだ。
「次のトレーニングにはこれを使ってもらう」
見せたのは蹄鉄。
しかし、普通の蹄鉄より数倍重い。
「この蹄鉄はいつも使っているような物よりもかなり重い。これを付けて負荷をかけた状態で並走をしてもらう」
きっと有馬記念ではとてつもなく重いプレッシャーがのしかかる事になるだろう。
プレッシャーに負けないパワーをつけるのだ。
「わっ、おも!」
スカイはシューズに重い蹄鉄を付けた状態で数回ジャンプして言った。
「前から思ってたけどコイツ結構鬼畜だよな」
「失礼です」
ルビーが否定してくれたが、実際はゴールドシップの言う通りなのかもしれない。
だが、鬼になってでも、スカイやルビーには夢を叶えてもらいたい。
夢を掴ませるためなら、多少嫌われても仕方ないとさえ思っていた。
優しく聡明な彼女達はそうしなかったが。
655 : お姉ちゃん   2024/03/23 22:32:36 ID:q7v/0OjQfE
「よーい!」
ピッ!
笛の音に合わせて二人は勢い良くスタートを切った。
「全然、スピード上がらないっ!」
スカイは加速に苦戦する。
しかしフォームは崩れていない。
トレーニングの成果として染み付いているのだ。
「こんなん余裕や余裕!見とき!」
直線に入り、タマモクロスは一気に加速する。
蹄鉄の重さを全く感じさせない力強さだ。
「あああああっ!」
一周して戻ってきた二人。
タマモクロスが先で、スカイは3バ身ほど遅れてしまっていた。
「なあ、この蹄鉄もらって良いか?」
トレーナーに尋ねられる。
「良いですよ。強い負荷がかかりますし多用は出来ませんが」
「ああ。分かってる」
トレーナーの目に覚悟の炎のような物が宿っているように見えた。

セイウンスカイと一緒に出かけるウマ娘は>>657(ダイイチルビー、ダイタクヘリオス、メジロパーマーの中から一人)
656 : トレぴっぴ   2024/03/23 22:43:02 ID:jjQ/BdnhS.
メジロパーマー
657 : 貴方   2024/03/23 22:43:29 ID:TFvU4Vg88Y
ダイイチルビー
658 : トレーナーちゃん   2024/03/24 22:33:58 ID:w6.Bvq6vnQ
「おおー」
スカイは大きな水槽を見上げて感嘆の声を漏らした。
スカイとルビーは休みを使い水族館に来ていた。
「やっぱり釣るのと見るのは違いますね〜」
「世界中の海から魚が集められているそうです」
大水槽を悠々と泳ぐサメ、ガラスに張り付くエイ、威圧感のあるコブダイなど、一つの水槽を見ているだけでも様々な光景を目にする事が出来る。
「わーお」
「大きいですね」
深海コーナーでタカアシガニを見た。
「暗いので離れないように」
「子供じゃないんですから、迷子になんかなりませんよ~」
クラゲコーナーを抜けた。
「お、あと五分でイルカショー始まりますよ!行きましょ!」
「はい」
冬場という事もあり、前の方の席ばかり空いていた。
開始直前なので他を探す余裕も無く最前列に座った。
「わっ!?すごい高さ!」
着水の際、水しぶきが飛んでくる。
「スカイさん」
スカイはルビーをかばい、背中が濡れてしまった。
「ルビーさんは濡れてないですか?」
「はい、おかげさまで私は大丈夫です。・・・ありがとうございます」
交わした言葉はそこまで多くなかったが、二人は休暇を満喫出来たようだ。

セイウンスカイが買った水族館のお土産は>>659(一つ)
659 : 大将   2024/03/24 22:45:28 ID:nqy.tJr8oQ
クジラぬいぐるみ
660 : あなた   2024/03/25 22:14:18 ID:HL29O5o17A
「はいトレーナーさん。お土産ですよ〜」
トレーナー室に入ってきたスカイに渡されたのは、大きなクジラのぬいぐるみ。
「どうしたんだ、これ?」
「昨日ルビーさんと水族館デートしたんです。可愛かったのでつい買っちゃったんですけど、寮の部屋に置くと狭くなりそうだったので」
純粋な贈り物という訳では無さそうだが、くれるだけで十分嬉しかった。
「そういう事か。ありがとう、スカイ」
スカイはソファに深く座りながら昨日の思い出を語る。
「あ、イルカショーで濡れちゃって売店でタオルを買ったんです。これこれ」
ポケットから取り出したハンドタオルにもクジラのイラストが描かれていた。
「・・・水族館にクジラっていないよな?」
「・・・確かに」
スカイも今になって気付いたようだ。
「なんでクジラなんでしょうね?イルカやシャチなら分からなくもないですけど」
「気になってきたな」
大事なレース前にくだらない事を気にするなと言われてしまうのかもしれないが、気になってしまったからには仕方ない。
「そうだ、今度トレーナーさんもそこに行きましょうよ。それで、クジラの謎を解くんです」
「今まさに俺もそう思ってたんだ」
奇遇にもスカイと同じ事を同じ瞬間に考えついていたらしい。
とは言え、流石に有馬記念前にもう一度行くのは良くないだろう。
「じゃあ、有馬記念が終わった後のお楽しみって事で」
「いつものご褒美作戦ですね。分かりました!それまでクジラの事は一旦忘れておきます!」
忘れられるなら、それはそれで良いのかもしれないが、有馬記念後に行きたい場所が見つかった。
「勝って気持ち良く答え合わせしに行きたいな」

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>661(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
661 : 相棒   2024/03/25 22:15:55 ID:cPeeKbtDLY
根性
662 : 相棒   2024/03/26 22:20:00 ID:QBdrh10Jis
ジャパンカップ以降、スカイの調子は良くなってきている。
よく昼寝をしているらしいので、不眠症気味だったのも改善されているようだ。
「その調子!」
今日のトレーニングは、ダンス。
激しいなダンスで身体を動かす。
見た目の華やかさに反し、かなりの根性が必要になるはずだ。
「はぁ、はぁっ。終わったぁ・・・」
三曲目を踊り終え、スカイは体育館の床で大の字になる。
「Make debut!。winning the soul。Never Looking Back。さぁ、次は何にする?」
踊る楽曲はスカイに決めてもらう事にしている。
スカイはウイニングライブの練習で様々な楽曲の振り付けを覚えている。
「じゃあ・・・これで」
選ばれた曲を再生する。
「ねぇ、三日月あなたも」
ささやかな祈りという曲らしい。
スカイはマイクをエアで持ち、ゆっくり歩き出す。
「・・・疲れたからって落ち着いた曲を選んだんじゃないか?」
「さぁ?単純な好みの問題ですよ?」
結局、この後はアップテンポな曲を数曲連続でやらせた。

有馬記念の日程は>>663(12月何日か)
663 : お前   2024/03/26 22:23:06 ID:GW.kxJ3ju2
25
664 : 貴様   2024/03/27 22:33:00 ID:F0BRbSDiYs
有馬記念はもうすぐそこ。
今年の有馬は12月25日、クリスマスに行われる。
そこで、クリスマスパーティーを前日、クリスマスイブに行う事にした。
翌日に向けてしっかり英気を養ってもらいたいものだ。
「そろそろ準備を始めないとな」
これまでと異なり、チーム<アルタイル>主催でパーティーを行う。
つまり、自分達が中心となって準備をしなければならない。
「食事の手配は私とパーマーさんで行う予定です」
「おおっ、これは豪華な料理の予感!」
華麗なる一族やメジロ家が協力してくれる事になるのかもしれないが、料理が豪華すぎると他の部分でプレッシャーがかかってしまう。
豪華な料理にも引けを取らない物・・・出来れば金額より気持ちで勝負出来る物を準備したい。
「やっぱり、プレゼントは要るよな」
以前ルビーに贈ったネックレスは気に入ってもらえたようで、二人で出かける時には必ずつけてきてくれる。
スカイにもそういった物を贈りたいが、何にすれば良いだろうか。
「ルビー」
声をかけてから思った。
これはルビーに頼らず、自分で決めた方が良いのではないかと。
「はい」
「あ、ごめん。やっぱり何でもない。忘れてくれ」
不思議そうにするルビー。
少し罪悪感を感じた。
「・・・何にしようか」

セイウンスカイに贈るプレゼントは>>665(ネックレス以外)
665 : アンタ   2024/03/27 22:33:33 ID:ArYUzbxcSo
ブレスレット
666 : アンタ   2024/03/28 22:15:31 ID:p80kYyGkuY
悩んだ末、セイウンスカイに贈るクリスマスプレゼントを決めた。
クリスマスイブまであと数日、スカイにバレないように準備しなくては。
「お疲れ様」
「お疲れ様で〜す」
トレーニング終了後、一人で街に出る。
「贈り物でしたら、ラッピング致しますね」
「あ、ありがとうございます」
やはりこういった店に入ると緊張してしまう。
指輪や耳飾りなどもあったが、選んだのはブレスレット。
ある程度手軽に付けられるし、何よりスカイに似合うに違いない。
金銭的に厳しく、埋め込まれたアクアマリンは小さくなってしまった。
スカイは釣り好きなので、海を連想させるアクアマリンを選んだ。
「き、気持ちが一番大事だから」
ラッピングされたブレスレットを大事にしまい、クリスマスイブに備えた。

クリスマスイブのパーティーに参加するウマ娘は>>667(ゴールドシップ・カレンチャン・マチカネタンホイザ・アグネスタキオンの中から一人)
667 : キミ   2024/03/28 22:17:07 ID:2ep1j.oenE
マチカネタンホイザ
668 : お兄さま   2024/03/29 22:13:34 ID:oVOfW7TABU
クリスマスパーティー当日。
つまり、有馬記念の前日。
有馬記念前最後のトレーニングを終え、トレーナー室へ向かった。
「うわっ!?」
ドアを開けたスカイは声を上げて驚いた。
トレーナー室はクリスマス仕様に飾り付けられ、テーブルには豪華な料理が並んでいる。
「これ、トレーニングしている間に?」
「はい」
ルビー、ダイタクヘリオス、メジロパーマー、マチカネタンホイザが、スカイとのトレーニングを行っている間にパーティーの準備を終わらせてくれた。
「楽しむ準備は万端だよ!」
「アゲてけ〜!」
メジロパーマーとダイタクヘリオスがスカイを挟むようにして連れていく。
そのままパーティーハットを載せられ、席に案内された。
「本日はチーム<アルタイル>が主催するクリスマスパーティーに参加いただきありがとうございます」
ルビーが参加者に挨拶をする。
本当はゴールドシップやカレンチャンなど、関わりの深いウマ娘達にも来てほしかったのだが、別の予定があったようだ。
来てくれたのは、ダイタクヘリオス、メジロパーマー、マチカネタンホイザとそのトレーナーの四人。
計七人の比較的小規模なパーティーだが、内容なら大規模なパーティーにも負けていない。
「まずはゲームで楽しんじゃいましょー!」

七人で行うゲームは>>669(複数人で遊べるアナログゲーム)
669 : 使い魔   2024/03/29 22:52:17 ID:0vAKWeFs0Y
ツイスター
670 : トレぴっぴ   2024/03/30 22:37:11 ID:0rRd1r57lI
「え?料理は?」
テーブルの上に出来立ての料理が並んでいるのに、すぐに食べないのだろうか。
「ふっふっふ~。ゲームで勝った人から食べていくスタイルなんです!」
マチカネタンホイザが言った。
確かに、ゲームの緊迫感が増すし、猫舌のスカイにも良いかもしれない。
「なるほど。ちなみに、何のゲームをするんだ?」
「まずはこれです!」
マチカネタンホイザが仕切っているのを見るに、彼女が提案したのだろう。
床に広げられたのは、赤や青の円が描かれたマット。
「ツイスターっていうゲームです!これをぐるぐる回して、止まったところの指示通りに手足を置いていきます!手や足の裏以外がマットに着いちゃうとアウトです!」
「審判は俺がやるよ」
マチカネタンホイザのトレーナーが申し出た。
一回戦目の参加者は、ダイタクヘリオス、セイウンスカイ、そして自分。
「セイウンスカイ、右手を黄色に」
最初は当然、それぞれ余裕で手足を円の上に置いていった。
「右足を赤い円に」
「ちょっ!ムリめ!ヤバたうわっ!?」
ダイタクヘリオスがついに限界を迎え、バランスを崩した。
「わっ!?」
それに巻き込まれ、ダイタクヘリオスの下敷きになってしまう。
「大丈夫ですか~?」
スカイは巻き込まれなかったので他人事のように言った。
「ごめんごな!」
「あ、ああ」
ルビーが何故か一瞬強いプレッシャーを放っていた。

スカイが最初に食べた料理は>>671
671 : ダンナ   2024/03/30 22:38:18 ID:fAfwwg2ozw
マルゲリータ(ピザ)
672 : トレーナーさま   2024/03/31 22:36:04 ID:EXadDXQH6.
「いえ~い」
スカイは難なく勝利し、料理を食べる権利を手にした。
「一品目はこちらです」
「お~ピザ!良いですね~」
マルゲリータだった。
見るだけで食欲がそそられる。
「それじゃ、お先にいただきま~す」
スカイはピザを口に運んだ。
「はふ、あひ、おいひいです」
猫舌のスカイには、まだ熱かったようだ。
だが、その仕草も含めて美味しそうに見える。
「良いな・・・俺も早く食べたい!」
「ウチも食いてー!」
二試合目はダイイチルビー、メジロパーマー、マチカネタンホイザの対戦。
「タンホイザ、緑に左手を。そう、そっちから」
「ちょっと~贔屓じゃないです~?」

ツイスターで次に勝利したのは>>673(ダイイチルビー・メジロパーマー・マチカネタンホイザのいずれか)
673 : お姉さま   2024/03/31 23:14:04 ID:gxu0Hl5OGQ
パマちん
674 : トレピッピ   2024/04/01 22:18:06 ID:Sm03.Cg/Qg
「やった!」
メジロパーマーがツイスターに勝利し、料理をゲットする。
「ん〜じゃあこれ!」
選んだのはチキンカツ。
「じゅるり・・・うまそ・・・」
「ごめんね?お先にいただきます!」
ダイタクヘリオスに見られながらチキンカツを食べるメジロパーマー。
「次は勝っちゃる!」
「負けませんぞー!むん!」
「よく考えたら審判やってたら永遠に食えねぇな!」
それから、いくつかのゲームをテンポ良くプレイし、料理を食べ進めていった。
途中から条件を緩和したので全員が料理を食べる事が出来た。
「トレーナーさん、全然勝てませんでしたからね〜」
「あはは・・・」
あらかた食べ終わった後は、プレゼント交換の時間。
「さっきのゲームの成績順でくじを引いてもらう。最初はスカイ。はい」
ちなみに、自分のプレゼントが当たらないようにしてある。
くじが入った箱をスカイに差し出す。
「誰のが当たるかな〜」

セイウンスカイが当てたのは誰のプレゼントか>>675(ダイイチルビー・ダイタクヘリオス・メジロパーマー・マチカネタンホイザ・マチカネタンホイザのトレーナー・チーム<アルタイル>のトレーナーのいずれか)
675 : モルモット君   2024/04/01 22:19:09 ID:a5lqr4dXeg
アルタイルのトレーナー
676 : アナタ   2024/04/02 22:28:42 ID:2HcDbTYYgY
今日はお休み
明日は朝と夜の二回更新します
677 : トレーナー君   2024/04/03 09:01:29 ID:40fWkd0iMQ
「それでは、一斉にお開け下さい」
ルビーの合図で、くじの中身を確認する。
「トレーナーさんのだ」
スカイに当たったようだ。
「タンホイザさんです」
「メジロパーマーだな」
「トレーナーさんでした!」
「スカイのだったよ」
「うううううううううううううううっしゃあああああああああああっ!おじょぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ダイタクヘリオスが叫ぶ。
どうやらルビーのプレゼントを引き当てたようだ。
「という事は」
自分のくじにはダイタクヘリオスの名前が書かれていた。
それぞれのプレゼントを渡す。
「サングラスか」
ウマ娘、ヒト兼用のサングラスが入っていた。
「ご飯のお供セットですか」
「おっ、今人気のラブコメの単行本セット!」
「わーい帽子だー!ありがとうございます!」
「えーっと、ルアー?」
「なんか、ペン!ガチで家宝にするわ!」
ルビーからダイタクヘリオスへのプレゼントは、高級感溢れる万年筆だった。
「どれどれ〜」
スカイがプレゼントの包みを開けた。
「・・・QRコード?」
「スマホで読み取ってみてくれ」
スカイに渡ってしまったのは若干予定外だったが、これもある意味良かったのかもしれない。
678 : お兄さま   2024/04/03 09:01:37 ID:40fWkd0iMQ
「これって、私の映像!?」
贈ったのは、スカイのレースやライブの映像を編集した動画。
この一本を見るだけでスカイの魅力が伝わるようになっている。
「・・・他の誰かに贈るつもりだったんです?」
「うん」
スカイは苦笑いをした。
「セイちゃんじゃなきゃドン引きでしたよもう〜」
「いや、俺はすごく良いと思うぞ!担当愛が伝わってくる!」
マチカネタンホイザのトレーナーは賛同してくれるようだ。
「ま、後でゆっくり見せてもらいますね」
一つ目のプレゼントは偶然にも、スカイに渡った。
だが、スカイへのプレゼントはもう一つある。
「スカイ、実は君のためにもう一つ用意したんだ」

セイウンスカイのプレゼントへの喜び方は>>679(50%〜100%・100%に近いほど喜ぶ)
679 : トレぴっぴ   2024/04/03 09:34:35 ID:8iNlRNHFMU
95%
680 : トレぴ   2024/04/03 22:16:42 ID:40fWkd0iMQ
「へ?」
用意していた箱をスカイに渡す。
「な、何ですか、これ?」
「君がチームに入ってからもうすぐ三年。特に大事な最初の三年間がもうすぐ終わる。その記念だよ。開けてみてくれ」
スカイは恐る恐る箱を開ける。
「これって、ブレスレット?」
全員の視線が集まる。
「・・・にゃはは〜重いな〜トレーナーさんってば〜」
「お、重い?」
手軽に付けられるように、そこまで大きなものにしていないのだが、重く感じたのだろうか。
「あ、別に大丈夫ですよ。すっごく嬉しいですし」
「そ、そうか」
一応スカイは気に入ってくれたようだ。
「うんうん、受け取る側が嬉しいなら意味なんて気にしなくて良いよね」
「それな!意味とか知らんケド」
「ほっほー」
「それどういう反応?」
ルビーも、合格点だと言わんばかりの表情をしている。
「付けてみても良いですかね?」
「ああ!もちろん!」
スカイの手首でブレスレットのアクアマリンが輝く。
「似合ってる!」
「えっへへ、そうですかね?」
スカイは若干照れくさそうに笑う。
「こんなに良い物もらったら、特大のお返ししなくちゃいけませんね」
スカイは振っていた尻尾をピタリと止めた。
「まずは明日の勝利をあげます」
「ああ」
「そして」
有馬記念の勝利は、スカイにとってあくまで通過点。
「最強のウマ娘になった姿を見せますね」
「ああ!絶対に見たい!」
最強のウマ娘になる事。
それはスカイの目標であり、同時に自分の目標でもある。
「っしゃーっ!カマしたれーっ!」
「むーん!」
最終的にクリスマスパーティーは有馬記念に向けた決起集会のようになった。

有馬記念当日の天候とバ場は>>681
681 : お兄さま   2024/04/03 22:57:00 ID:8iNlRNHFMU
晴れ 良
682 : トレーナーさん   2024/04/04 22:12:36 ID:IH3f6Kv7jM
「ついに、今日だな」
「はい」
有馬記念当日。
秋シニア三冠の最後のレース。
これまで天皇賞・秋では17着、ジャパンカップでは3着。
敗戦が続いているものの、調子が悪い訳ではない。
むしろ今こそ心身共に過去最高の仕上がり。
後は、この最高が相手に通用するか。
「タマモさんは去年の有馬記念前に言ったんですよね。ピークを過ぎたから、負けたら潔く引退って」
「ああ」
去年の有馬記念前の記者会見でタマモクロスはそう宣言した。
「でも、まだ引退してないし、今年の有馬記念にも出てきた」
「ああ」
有馬記念後も天皇賞・春を制しており、それからはしばらくレースに出ていない。
「・・・全然ピークアウトしてないじゃないですか!」
スカイが見ていたのは、タマモクロスの映像。
彼女の密着取材をしていた番組がかなり最近のトレーニングの様子まで映していたのだ。
その仕上がりは、言わば修羅。
以前一緒に行った重い蹄鉄でのトレーニングも行っていたが、負荷がかかっているようには見えなかった。
「そう簡単に勝たせてはもらえなさそうだな」
だが、それでも勝つのはスカイだ。
「それでも勝つのは私ですよ」

セイウンスカイの枠順は>>683(1〜16番)
683 : アナタ   2024/04/04 22:14:12 ID:4X3izH6UcE
1番
684 : お姉ちゃん   2024/04/05 22:13:45 ID:gdfMzYhLas
「晴れ渡る青空!年末最後の大一番にぴったりの快晴です!」
雲一つ無い青空と日差しのおかげで冬にも関わらず寒さをあまり感じない。
「1番セイウンスカイ。二番人気です。前走ジャパンカップでは3着、目黒記念も制しました。このレースに勝ってクラシック二冠の意地を見せられるのでしょうか!」
「どもども〜」
スカイが登場すると、観客がどっと沸いた。
手を振って応える。
良い意味でリラックス出来ているようだ。
「頑張れーっ!」
「スカイちゃーん!」
スカイなら応援を力に変えられるはずだ。
「ああっと!ついに姿を見せました!堂々の一番人気!現役最強と名高いこのウマ娘!タマモクロスです!」
「おおおおおおおお!」
タマモクロスの登場に実況すら興奮していた。
そのオーラは映像で見るよりも強大で恐ろしい。
「スカイ。負けるつもり無いけど、出し惜しみはせえへんで。次は考えへん。このレースで全部出し切ったるわ」
今のタマモクロスはまるで蝋燭。
自らを消費して炎を燃やしている。
これに勝つには、相応の覚悟が必要となる。
「・・・思い通りにはさせませんよ。にゃっはは〜!」
スカイは頭の後ろで腕を組み、飄々と去った。

タマモクロスの枠順は>>685(2〜16番)
685 : 使い魔   2024/04/05 23:00:11 ID:E3qf7mW5GI
16番
686 : お兄ちゃん   2024/04/06 22:36:52 ID:sG/s2Ta2vM
「一番人気タマモクロス、今日は大外16番からのスタートとなりました」
「この娘ならきっと大丈夫でしょう!」
タマモクロスがゲートに入った。
集中力の高さが表情からよく分かる。
一方、セイウンスカイはと言うと。
「いや~良いお天気ですね~!こんな日にお昼寝したら気持ち良いだろうな~!」
傍から見れば集中力を欠いているかのような雰囲気。
これまでのスカイのレースで、ここまでリラックスしているのは見た事が無い。
「今日はいつもより楽しそうだ」
そう、レースそのものを楽しもうとしている。
走るのが楽しい。
原点にして、真髄。
「さぁ、セイウンスカイが最後にゲートインします」
他の出走者を若干待たせてしまったが、それはある意味いつも通り。
「今・・・スタートを切りました!」

セイウンスカイの他に逃げるウマ娘の数は>>687(0~2人)
687 : お前   2024/04/06 22:37:13 ID:HoNzHxObNk
2人
688 : お兄ちゃん   2024/04/07 22:39:10 ID:sUvWA.I9pU
「揃ったスタートとなりました!さあ前に出たのは1番と5番、その後ろに10番がいます」
スカイは好スタートを切って先頭に立った。
前は三人での競り合い。
だがスカイがこれまで鍛えてきたパワーがあれば先頭はそう易々と譲らない。
「タマモクロスはかなり後方にいますね」
「しばらく後ろで様子を窺うつもりでしょう」
その時、スカイの走りに違和感を感じた。
「いつもよりピッチが多い?」
距離に対して歩幅が狭く、脚の回転数が多い。
そのようなピッチ走法は身体に負担が少ないが、スピードは上げにくい。
しかし、そこでスカイの狙いに気が付いた。
「おおっと、かなりのスローペースですね」
明らかに全体のペースが遅い。
普通、狙ってスローペースで走る事は難しい。
遅ければ追い抜けば良いからだ。
だが、今も先頭はスカイのまま。
「まさか・・・ピッチ走法を使ってペースが遅くないように錯覚させている?」
「・・・そのような事が、可能なのでしょうか」
ルビーも信じられないと言ったような様子だ。
だが、もしこの推測が正しければ。
「スローペースなら、前が有利!」

レース中間地点通過時のタマモクロスの位置は>>689(10~16番手)
689 : トレぴ   2024/04/07 22:40:15 ID:XViSN2wSs6
12番手
690 : キミ   2024/04/08 22:14:21 ID:fGzpU4LjkI
「アンタがやっとるんか?これ」
タマモクロスは獰猛に口角を上げながら呟いた。
スカイはピッチ走法によって全体のペースを遅くしている。
脚の回転数を上げ、スピードが速いように感じさせているのだ。
しかし、普通にやってもすぐに見破られてしまう。
だが、スカイの近くにいるウマ娘が分からないくらい少しずつ、微妙な変化を繰り返す事によって実現している。
「後ろから見たらバレバレやで」
タマモクロスは大外枠を活かし、じわじわと位置取りを上げていく。
序盤は遅いペースだったが、やはり中盤からは速くなり始めてきた。
後ろから追われるのだから当然と言えば当然だ。
「ま、ここまで引きつければ十分かな」
スカイは強く踏み込んだ。
「えっ」
「このっ!」
ほとんど予備動作無しで一気にスピードを上げた。
少し位置を上げていたタマモクロスだったが、全体がスカイを見て焦ってペースを上げた事で、それ以上の進出は出来なかった。
「やるやんけ、スカイッ!」

最終直線突入時のタマモクロスの順位は>>691(6〜10番手)
691 : トレーナーちゃん   2024/04/09 01:27:46 ID:1D3P93994I
7番手
692 : アナタ   2024/04/09 22:15:19 ID:nKAnX0BjKM
ウマ娘達がスカイに続いて坂を下っていく。
下り坂でスピードアップし、前半とは正反対のハイペースとなっている。
「先頭は1番セイウンスカイ。5番と10番はその後ろにいます」
この下り坂が終わり、コーナーに入った地点が仕掛け所。
スカイの後ろのウマ娘達も飛び出すための準備をしている。
後はタイミングを待つだけ。
タマモクロスはまた少し順位を上げている。
「16番タマモクロスは7番手8番手といった辺りでしょうか」
直線の間に、外から順位を上げていくタマモクロス。
スカイはチラリと後ろを確認した。
「コーナーに入ります」
「ああ。仕掛けるならここだ」
スカイは前半ペースを落としている分、まだスタミナが残っている。
だが、それは他のウマ娘も同じ。
「ついて来られます?」
スカイはジャストタイミングで飛び出した。

一着と二着の着差は>>693(1バ身以下)
693 : トレーナーさま   2024/04/09 22:15:54 ID:1D3P93994I
アタマ差
694 : 大将   2024/04/10 22:31:51 ID:N1Em6Wk1EE
ペースを自在に操り、全体を掌握していたスカイだが、仕掛けるタイミングは外さない。
「セイウンスカイが先頭のままコーナーに入る!タマモクロスも仕掛けた!その差はおよそ10バ身!」
中山レース場の直線は短いが、相手はタマモクロス。
十分なリードとは言えない。
「たああああああああああっ!」
スカイは前半に温存出来た分、いつもより最高速度が速い。
「行けぇぇぇぇっ!スカァァァァイ!」
残り200m。
スカイと後ろのウマ娘の差は開いている。
やはりスカイの実力は抜きん出ている。
ただし、タマモクロスだけは別だ。
「はあっ!はぁっ!だあああああああああああああああっ!」
凄まじい殺気と共に追い込んでくる。
「タマモクロス!タマモクロスが上がってきた!今回もやってくれるのか!?」
あっという間に差を詰めてきた。
「・・・タマモさんは、燃え尽きるつもりですね」
スカイは懸命に踏み込む。
「でも、燃え尽きたおこぼれで勝つなんて、嫌ですよ!」
残り100m。
「だあああああああああああああああっ!」
「ああああああああああああああああっ!」
スカイが、末脚勝負で負けていない。
あのタマモクロスと競り合っている。
「粘れぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
喉が熱く、焼けてしまいそうだ。
それでも、叫ばずにはいられない。
「はっ、はっ」
「はぁっ」
ゴールの瞬間は時間が止まったかのようにさえ感じた。
僅か頭一つ分の差でこの激闘を制したのは。
「セイウンスカイ!セイウンスカイだぁぁぁぁぁぁぁっ!」

セイウンスカイの感情の昂りは>>695(穏やかまたは激しい)
695 : アネゴ   2024/04/10 22:33:17 ID:d1AcAHGt3Y
過去最大級で激しい
696 : トレーナーちゃん   2024/04/11 22:18:46 ID:WOxw/xbegE
「はぁ、はぁ、はぁっ」
スカイは息を整えながら掲示板を見る。
「・・・勝った?」
一着は1番。
しばらく見ても変わらない。
「勝った!勝った!勝ったーっ!」
両手を空に伸ばし、吠える。
「うおおおおおおおおおおおおおっ!」
観客もそれに応えるように沸いた。
「スカイ!」
観客席を飛び出し、スカイの元へ。
「スカイ!スカイっ!」
スカイに向かって走る。
「トレーナーさんっ!」
スカイもこちらに気付き、駆け寄ってくる。
抱きつかれた衝撃で倒れそうになるが、何とか耐えてスカイを抱き返す。
「やったな!よくやったぞ!本当に、よくやった!頑張った!」
「ですよね!頑張りましたよ!えっへへへ」
言葉自体の意味は薄いが、気持ちの方が大事だ。
「スカイさん」
ルビーが声をかける。
「よく頑張りましたね」
「ルビーさん!」
今度はルビーがスカイを抱きしめた。
「・・・やっぱり、久しぶりに勝つっていうのは、違いますね」
スカイの目から涙が流れ出る。
「・・・ああ」
大きな目標であったタマモクロスに一年越しの勝利。
死闘を制したスカイを、青空すら祝福しているように感じられた。

ウイニングライブを行うウマ娘の数は>>697(一人、三人、十六人のいずれか)
697 : トレーナー   2024/04/11 22:19:31 ID:jnRkOyW7CQ
十六人
698 : トレーナーさん   2024/04/12 22:29:36 ID:i.AnJdUcP6
「スカイ」
スカイに声がかかった。
「タマモさん」
見るからに満身創痍で、トレーナーに支えられなければ立つ事も出来ないだろう。
「完敗や。本気で差し切るつもりやったけど、アンタには届かへんかった」
タマモクロスは負けたにも関わらず清々しさすら感じているようだ。
「負けっぱなしは嫌でしたから。それに燃え尽きて勝って、そのまま引退なんて格好良すぎるじゃないですか」
スカイは勝ち誇るようにタマモクロスに言った。
「そういうシナリオを狂わせちゃうのが、一番楽しいんですよね!」
「なっはっは!ほな、やられてもうたな!」
こうして、勝利の余韻を味わいながら控え室に戻った。
「ふあぁぁ〜。ライブの時間になったら起こして下さ〜い」
「準備がありますのでその前に起床していただきますが」
「分かってますよ〜」
スカイはあっという間に眠りについた。
限界を超えて走ったのだ、さぞ疲れているだろう。
とりあえず怪我などは無さそうだが、出来るだけ長く休ませてあげる事にした。
699 : お兄さま   2024/04/12 22:29:43 ID:i.AnJdUcP6
「それじゃ、行ってきますね〜」
ウイニングライブに向かうスカイ。
ある程度回復したようだ。
「タマモさん、ライブする元気なんて残ってるんですか?」
「ギリギリや。せやけど、最後やからな」
タマモクロスは、今日の有馬記念で負けたため、このまま引退。
これが最後のウイニングライブとなる。
「頑張ろうねー!」
「・・・ふぅ、よし!」
「次こそは・・・」
出走者がそれぞれの想いを持ってライブに臨む。
センターを勝ち取ったセイウンスカイが持つ想いとは。
「ライブも楽しんで行きましょ~う!」
ウイニングライブが始まった。
「情熱に鳴り響く 高鳴りというファンファーレ」
息の合ったダンスと力強い歌唱。
レースに向けたトレーニングだけでなくライブの練習も行っているウマ娘達には頭が上がらない。
「NEXT FRONTIER 力の限り 先へ」
年末の激戦を終えたスカイ。
この先に待ち受けるのは、最強を決める戦いだ。

セイウンスカイと出かける場所は>>700
700 : お姉さま   2024/04/12 22:33:31 ID:z1dtvVHQQo
マグロ漁船
701 : モルモット君   2024/04/13 22:38:44 ID:/56mrnd1Co
スカイの勝利は世間を賑わせていた。
「タマモクロスを撃破したセイウンスカイは最強に一番近いウマ娘となった、か」
色々な記事を読んでみたが、有馬記念でスカイの評価が一気に上がっているようだ。
ただ勝つだけでなく、タマモクロスの全力を引き出して勝った。
もし前半からハイペースな展開となっていれば、タマモクロスの消耗は激しくなり、最後まで全力を出せなかったかもしれない。
スカイの作戦により、燃え尽きる前に全力で勝負をする事が出来たのだ。
「タマモさん、かなり無茶してたらしいですし、引退撤回は無さそうですね」
「ああ」
己の限界を超え、重い蹄鉄でのトレーニングなどのかなりの高負荷をかけていたらしい。
「君の方は大丈夫か?結構ハードなトレーニングを続けてたし、レースでもかなり無理しただろ?」
「まぁ、筋肉痛は凄かったですけど、ここ何日かゆっくり休んだのでもう大丈夫です」
有馬記念から五日、明日は大晦日。
「おうオメーら!明日暇か?暇だよな?」
「わっ!?びっくりした!?」
「ゴルシさん!?」
突然トレーナー室の天井が開いてゴールドシップが顔を出した。
「で、どうなんだ?暇か?」
「あ、ああ。一日空いてるけど」
「私も」
ルビーは年末年始、家の方で忙しくしているらしいが、自分達は特に予定は無かった。
「そりゃ良かったぜ!もう手配済みだったからよー」
ゴールドシップの姿が突然消えた。
いや、後ろに!
「御免」
うなじの辺りを打たれ、意識が遠のいていく。
目を覚ますと。
「うぅ・・・ここは」
寝起きだからか、地面が揺れているように感じる。
目を開け、状況をしっかり確認する。
「・・・う、海?」
何故か船の上にいた。

漁船の乗組員の人数は>>702(10~20人)
702 : あなた   2024/04/13 22:49:53 ID:iRfHfbEIEA
10
703 : トレーナー   2024/04/14 22:38:20 ID:QxaveEmNSI
「おう起きたか。朝飯は唐揚げとラーメンどっちが良い?」
エプロンを着たゴールドシップが姿を見せた。
「えっと、先に状況を説明してほしいかな」
「それもアリだな。暇だって言ってたしマグロ釣りに誘おうと思ったんだよ。どうだ?マグロ釣りやらね?」
誘うのなら現地に連れてくる前にして欲しかった。
「・・・せっかくだし、やるよ」
隣を見ると、スカイが気持ち良さそうに眠っていた。
船の上でもぐっすりと眠れるらしい。
「スカイ、スカイ」
手で揺り起こす。
「むぅ・・・ローレルさん、今日はお休みですよぅ〜」
スカイはまだ寝ぼけているようだ。
「スカイ」
「と、トレーナーさん!?何で!?」
スカイに状況を説明する。
「いや~びっくりですよほんと。でも、マグロは一回釣ってみたいと思ってたのでせっかくだし楽しませてもらいますよ」
スカイは意外と乗り気のようだ。
それならば、一緒に楽しむしか無い。
「始めんぞ!」
乗組員達が動き出す。
乗組員はざっと数えて十人くらいで、船はそこまで大きくない。
「おい兄ちゃん!もっと力入れて引け!」
「は、はいっ!」
釣りというより漁だが、とにかくがむしゃらに頑張った。
「船長!今日は大漁だな!」
「おほほほほ、有馬記念を勝利したウマ娘はやはり持っておりますわね。連れてきて正解でしたわ」
船長と呼ばれたゴールドシップはよく分からない口調で言った。
「トレーナーさん、大丈夫です?」
「つ、疲れた・・・」

釣ったマグロの食べ方は>>704
704 : アネゴ   2024/04/15 04:11:02 ID:c5FnDH7WsM
刺身と、どんぶり。
705 : 大将   2024/04/15 22:16:09 ID:JNZYmoPs4Q
「すごい眺めだ・・・」
マグロが船上を埋め尽くすくらいの大漁。
その光景を見て思わず呟いた。
「ボヤッとしてんじゃねぇ!手ぇ動かせ!」
「はい!すみません!」
十人の乗組員とスカイと一緒にマグロを水揚げしていく。
ゴールドシップは道具をどこからか持ってきて準備をしていた。
「マグロはやっぱり鮮度が命!ここでアタシが捌いてやるぜ!」
ゴールドシップが持っているのは、日本刀のようにさえ見える長い包丁。
「そいやっ!」
「す、すごい!?」
その包丁さばきはまさしく達人。
「おらっ!まずは刺身!食いやがれスカイ!」
見事に盛り付けられた刺身を見てスカイは目を輝かせる。
「おおー!いただきま〜す!」
「ごくり」
「んん〜っ!」
スカイは唸る。
「お、俺にも!」
目の前でこれだけ美味しそうなものがあって我慢は出来ない。
「あいよ!マグロ丼!」
「うおーっ!」
マグロの様々な部位が載せられた丼が出てきた。
「ゴルシちゃんからオメーらへの、有馬記念勝利記念だ」
「ゴルシさん・・・」
突飛に見えるゴールドシップの行動にもちゃんと理由があったらしい。
「俺らも見たぜ有馬記念!いやーすごかった!感動したぜ!」
漁師達も褒めてくれた。
「頑張った甲斐があったな、スカイ」
「はい!」
その後も、数々のマグロ料理に舌鼓を打った。

セイウンスカイが出場するのはトゥインクルスタークライマックスのどの部門か>>706(中距離または長距離)
706 : お前   2024/04/15 22:21:28 ID:YNyYnIEKn.
中距離
707 : トレーナーさん   2024/04/16 22:18:04 ID:KU49mwvpGY
「素晴らしいですっ!」
「にゃっ!?」
あまりに大きな声だったので、スカイが跳ねた。
乙名史悦子記者
「クラシック二冠や有馬記念の勝利では飽き足らず、トゥインクルスタークライマックス!最強を決めるこのレースに出走していただけると!」
「はい。スカイが最強だと証明してみせます」
同じメンバーで三回レースを行い、総合成績で競うトゥインクルスタークライマックスに正式に出走を決めた。
「中距離部門を選択されたのには、どういった理由が?」
乙名史さんは前のめりになって質問してくる。
「スカイと話し合って決めました。これまで戦ってきたライバルとまた戦うなら中距離が一番だという結論に至ったんです」
「ライバルと言うと、マチカネタンホイザさん、アグネスタキオンさんでしょうか!」
「そうですよ。勝ち逃げするのは好きですけど、勝ち逃げされるのは嫌ですから」
スカイの言葉を乙名史さんは漏らさずメモしていく。
「す、す、素晴らしいです!トレーナーさん!もっと詳しくお伺いしても!?」
「は、はい・・・」
勢いに押されながらも、その熱意に応える事にした。

乙名史悦子の取材時間は>>708(3時間以内)
708 : お姉さま   2024/04/16 22:19:12 ID:hAX3EwU62I
2時間半
709 : マスター   2024/04/17 22:23:44 ID:vyk9pYjcZo
「どうぞどうぞ〜」
「ありがとうございます」
机に布団をかけただけの簡易的なこたつに入ってもらう。
スカイは乙名史さんがいるにも関わらず、いつも通りリラックスして机の上で上半身をだらりとさせている。
「スカイ」
「いえいえ、お気になさらず。こんな新年早々押しかけてしまって申し訳ないです」
今日は元旦。
昨日のマグロ釣りの疲れを癒すためスカイとトレーナー室でのんびり過ごしていたのだ。
乙名史さんの方は元旦から熱心に仕事をしているらしい。
「では、早速色々とお話を伺わせていただきますね」
レースの事、スカイの事、ルビーの事だけでなく、トレーナーである自分の事についても話した。
「なるほど、そのような事が!」
「はい!その時のスカイの喜び方と言ったらもう!」
「ちょ、ちょっと、トレーナーさん・・・」
ウマ娘とトレーナーとの絆についての記事を書くらしく、スカイとの思い出を色々話した。
「はいはいこれ以上は企業秘密で〜す!」
スカイに無理矢理止められてしまった。
「、もうこんな時間に。すみません、お話が面白くてつい・・・」
気付けば取材を開始してから二時間半が経とうとしていた。
「いやいや、大丈夫ですよ。こちらもたくさんお話出来て楽しかったです!」
取材と言うより、トークだったが記事のネタにはなったようだ。
「では、トゥインクルスタークライマックスでお待ちしていますね!セイウンスカイさん、頑張って下さい!」
「は〜い」
乙名史さんを送った後、スカイとトレーナー室の中に戻る。
「もう〜トレーナーさんってば話しすぎですよ〜」
「ごめんごめん。ウマ娘の事となるといつまでも話せるから」

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>710(自由な形式)
710 : モルモット君   2024/04/17 22:24:18 ID:cfxBvSa4Tk
階段ダッシュ
711 : アンタ   2024/04/17 22:24:25 ID:Q0hSkVE6VE
水泳
712 : アンタ   2024/04/18 21:03:41 ID:lpxI5E0i5U
取材の後、スカイと初詣に出かける。
これまでルビーやスカイと初詣に行くのは二日や三日が多かったが、今年は元旦から行く事になった。
とは言え、ルビーと一緒に明日も行く予定だが。
「この時間でも結構多いなー」
そろそろ夕方だが、初詣客はまだまだ多い。
お参りはしたが、おみくじは明日にとっておく事にした。
「またこの長い階段かー」
スカイは長い下りの階段を見てため息をつく。
「トレーニングだと思えば憂鬱じゃないだろ?」
「トレーニングも憂鬱ですよぉ」
そう言えばスカイはサボりがちなウマ娘だった。
それを忘れるくらい、最近はトレーニングを頑張っていた。
長い階段は確かに大変だった。
「よし、次のトレーニングは階段でやろう」
「え〜・・・」
流石にここは人が多いので、別の場所を探さなければならない。
「やるなら明日、いや明後日か。むしろ今からやるか?」
「やりません」
スカイは即答した。
正直そこはあまり期待していなかった。
「じゃあ明後日からトレーニング開始だな。トゥインクルスタークライマックスまで時間が無いからな」
「まぁ、しょうがないですね〜」
スカイと暗くなり始めた道をゆっくり歩きながら学園へ帰った。

セイウンスカイが引いたおみくじの運勢は>>713
713 : 相棒   2024/04/18 21:09:12 ID:8.5swaWvNk
714 : 使い魔   2024/04/19 22:26:24 ID:nLn97BUrlg
次の日、三人で初詣に行った。
「ルビー、家の方では挨拶とか大変だったんじゃないか?」
「華麗なる一族として当然の事ですので」
幼い頃からの恒例行事となっているならそこまで大変に思っていないのかもしれない。
「早く跡つ」
ルビーが何かを言いかけて、やめた。
「え?何です?」
「いえ」
若干気になるが、一族のプライベートに関わるような事だったのなら深く聞くのは良くないかもしれない。
「昨日より混んでるな」
「昼前だからですかね〜」
ルビーとスカイの健康を祈った後は、おみくじを引く。
「おっ、大吉!今年は新たな出会いがあるでしょう、か。なるほど。ルビーは?」
「私も大吉でした」
ルビーのおみくじにもめでたく大吉の文字が書かれていた。
「スカイは・・・」
「はいはい凶ですよ〜」
やや投げやりなスカイ。
「ま、まぁ書いてある中身の方が大事だから」
「えー、健康運は小さな怪我に注意。失くした物は出てこない。仕事は機会に恵まれない。地味に嫌なのが揃ってますね・・・」
スカイは落ち込んでいるかもしれない。
慰めてあげなければ!
「こう考えよう!最悪のケースでも、このおみくじに書いてある状態にしかならない!頑張ればもっと良い事が起こるはずだ!」
「はは!何ですか、その理論」
スカイに笑われてしまった。
「でも、そう思う事にしますよ」

トレーニングを行う階段の段の数は>>715(500段以上)
715 : お兄さま   2024/04/19 22:26:55 ID:F9lNXKIp4A
794段
716 : トレーナーさま   2024/04/20 22:39:43 ID:G8QJbqvIi6
一月三日。
世間的にはまだ正月だが、大きなレースが控えているスカイはそう余裕でも居られない。
「うわ~・・・」
スカイは果てしなく続く長い階段を見上げて呻く。
「ルビーが、794段あるって」
スマホ越しにルビーに教えてもらった。
「そのルビーさんは?」
「頂上で待ってるよ。あ、見えた」
階段の先に小さくルビーの頭が見えた。
手を振るとルビーも少しだけ手を振ったように見えた。
「スカイ。止まらずに頂上まで行って、一分休んだら降りてくるんだ」
「サボるのは無理そうですね・・・」
上下から挟み込むように監視しているので、サボろうとすればすぐに分かる。
「よーい、スタート!」
「はっ、はっ、ふっ」
スカイは順調に長い階段を駆け上がっていく。
「はぁ、はぁっ、やっと着いた・・・」
「では一分間で息を整えて下さい」
「ステイヤーでも、キツいですよ、これは」
スカイが階段を下り始める。
「あー下りの方があああああ!」
何やら叫んでいるが、ペースはそれほど落ちていない。
「お疲れ様。あと四本だな」
「トレーナーさんの鬼!」
かなりハードではあったが、スカイはしっかりやり切った。

トゥインクルスタークライマックス第一戦の天候とバ場状態は>>718
717 : トレーナー君   2024/04/20 23:50:36 ID:x3J6xIqF.A
晴れ 良
718 : モルモット君   2024/04/21 00:03:29 ID:zOqIlef1/o
雪 重
719 : モルモット君   2024/04/21 00:03:56 ID:hid/5pmLKk
小雨 稍重
720 : アナタ   2024/04/21 22:37:07 ID:LcAlANl38I
トゥインクルスタークライマックスの第一戦当日。
第一戦のコースは中山芝2000m右回り。
GIホープフルステークスと同じ条件だ。
「結構降ってますね~」
スカイは掌を皿のようにして雪を受ける。
降り続ける雪により、重バ場となり、気温も低い。
レース日和とは言いづらい。
「走りにくそうだけど、大丈夫か?」
「ま、一筋縄ではいきませんね。踏み込むパワーが要りますし、相手も強敵ばかりですし」
スカイは視線を少し遠くに投げた。
「おおー!雪遊び出来そうですねー!」
雪を前にしてテンションが上がっているマチカネタンホイザ。
「雪の日のデータは少ない。しっかりと採集しなくては」
何かを呟くアグネスタキオン。
二人はスカイとクラシック級の時から競ってきたライバルだ。
その二人と、再びこの舞台で勝負する事になる。
「しっかり勝ってこい!スカイ!」

セイウンスカイの枠順は>>721(1~18番)
721 : モルモット君   2024/04/21 22:37:30 ID:hid/5pmLKk
1番
722 : 貴様   2024/04/22 22:16:13 ID:pBYZn7t5fg
今日のスカイは最内の1番からスタート。
内枠を引く事が多いスカイだが、毎回条件が同じという訳ではない。
むしろ、同じ最内でも走り方は臨機応変に変えなければならない。
「一番人気は1番セイウンスカイ、二番人気は6番アグネスタキオン、そして三番人気が14番マチカネタンホイザとなっています」
「この中山で行われた有馬記念を制したセイウンスカイに人気が集まっていますね」
スカイは寒さで身体を縮めている。
「うぅ・・・さむさむ・・・」
「寒い時はしっかりストレッチ!セイちゃんも一緒にしましょうぞ!」
マチカネタンホイザが身体を寒空に伸ばす。
スカイも真似するが、寒かったのかすぐにまた縮まってしまった。
「スカイさん、頑張って下さい・・・!」
隣に座っていた観客が言った。
よく見ると、その観客はニシノフラワーだった。
レインコートを着ていたので気付かなかったのだろう。
「あ、奇遇だね」
「スカイさんのトレーナーさん」
彼女の小さな手には二つのお守りが握られていた。
「スカイさんとタキオンさんの分でしょうか」
ルビーが質問する。
「はい、お二人が無事に走り切れるように」
ニシノフラワーは二人共と関わりがある。
どちらを応援するのかは聞かなかった。
恐らく両者、いや全員を同じように熱心に応援しているからだ。
「セイウンスカイが最後にゲートに収まります。・・・一斉にスタート!」

レース開始直後のアグネスタキオンの位置は>>723(3〜9番手)
723 : アナタ   2024/04/22 22:20:05 ID:9edXAdW3nk
6番手
724 : キミ   2024/04/23 22:17:53 ID:4r1F3BJj/.
スタートは揃っていた。
雪で視界が悪いが、スカイが先頭に立った事は一目で分かった。
「さぁ1番セイウンスカイ、スムーズに先頭を奪いました」
他に逃げるウマ娘はおらず、スカイが単独で飛び出したような形となった。
「6番アグネスタキオンは六番手。その後ろから7番と10番。15番と18番はその後ろにつけています。少し離れて14番マチカネタンホイザ」
アグネスタキオンのスピードには要注意だ。
雪の重バ場でもきっと速い。
やはり、どれだけリードを稼げるかが鍵になるだろう。
「セイウンスカイが先頭のままコーナーに入ります」
コーナー開始と同時に上り坂となる。
雪で滑る事を危惧しているのか、後続のウマ娘達は迂闊に位置取りを変えない。
コーナーで上り坂というのもその理由の一つだろう。
「ここまでは想定通り、か」
アグネスタキオンも動かない。
「動くならもう少し後ですね」
スカイも動きを見せないまま、レース中間に差し掛かろうする。

レース終盤、最初に仕掛けるのは>>725(セイウンスカイ・アグネスタキオン・マチカネタンホイザの中から一人または二人)
725 : 使い魔   2024/04/23 22:18:15 ID:SUBa4wtS1U
マチカネタンホイザ
726 : トレーナーさん   2024/04/24 22:17:05 ID:8ohTk5Mw8s
「さぁ、1番セイウンスカイが先頭のまま坂を下っていく!」
この下り坂が終わればしばらく直線だ。
「同条件のホープフルステークスでは、この直線が終わった直後の第三コーナーで仕掛けるウマ娘が多い」
「それまでに良い位置を確保するために競り合いが激化するという事ですね」
「それなら、競り合わないスカイさんは体力を消耗せずに済むって事ですか?」
「そうだな。ただ先頭に立つ事自体、後ろに控えるより体力を消費するけど」
ニシノフラワーは幼いながらもきちんと考えてレースを観ているようだ。
「6番アグネスタキオンは少し上がって四番手。3番の後ろにつけています」
直線はまもなく終わる。
中団のマチカネタンホイザも外へ抜け出した。
いや。
「このまま前を狙うつもりか!」
コーナー開始直後に仕掛けるのが定石だが、彼女は早めに仕掛けた。
持ち前のスタミナを活かして長くスパートし続けるつもりなのだろう。
「来ましたね。それじゃ、動きますか〜」
スカイもスピードを上げた。

三着のウマ娘は>>727(セイウンスカイ・マチカネタンホイザ・アグネスタキオンのいずれか一人)
727 : キミ   2024/04/24 22:19:07 ID:eXrFxRdm2M
マチカネタンホイザ
728 : トレぴっぴ   2024/04/25 21:53:26 ID:vJPeKtFbOE
早めに仕掛けた分、マチカネタンホイザは前にいる事になる。
「むむむむむむ!」
「ふぅン」
アグネスタキオンのすぐ隣までマチカネタンホイザが上がってきていた。
外から追い抜くためにさらにスピードを上げる。
「14番マチカネタンホイザ!外から一気に追い上げる!」
しかし、アグネスタキオンもスピードが上がっているため、なかなか抜かす事が出来ない。
「やあぁぁぁぁぁぁっ!」
「ハッハッハ!さぁさぁどうした!追い抜いてみたまえよ!」
挑発しながらアグネスタキオンは加速する。
「はっ、むっ、やああああっ!」
マチカネタンホイザも追い上げるが、まだ届かない。
「そうか、アグネスタキオンのスピードに対抗するためには脚を残しておかなければいけなかったんだ」
マチカネタンホイザは早めに仕掛けた事により、スタミナを消耗する代わりに前に出た。
しかし、アグネスタキオンのスピードに勝つためにはもっとスタミナを残しておく必要があったのだ。
スカイはそれを見越していたのか、早めに仕掛ける事はしなかった。
「今回は君の読み勝ちだね」
「セイウンスカイ!余裕のゴールイン!」
タマモクロスとの激戦を制したスカイなら、十分なリードがあればアグネスタキオンからも逃げ切れる。
「二着はアグネスタキオン!三着はマチカネタンホイザだ!」
「よし!」
「いえ〜い!」
スカイは雪空に向かって両手を上げた。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>729(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
729 : アナタ   2024/04/25 21:54:11 ID:o1V3uvcY86
賢さ
730 : トレ公   2024/04/26 22:20:51 ID:2br1Ocv1UA
トゥインクルスタークライマックス第一戦を勝利したスカイ。
雪で寒かったのか、ファンサービスは早めに切り上げて地下バ場道に戻ってきた。
「お疲れ様」
「あれ、今日はあんまり喜んでくれませんねー」
確かに今日は勝利後すぐにスカイに駆け寄らなかった。
「もちろん勝利は嬉しいよ。だけど、今回のレースは我慢する事にしたんだ」
「我慢?」
「ああ。君の優勝が決まるその時に、我慢してた分思いっきり喜ぶんだ。最強になった瞬間をね」
それを聞いて、スカイは納得したように頷いた。
「そういう事なら、しっかり我慢しちゃって下さい〜。にゃは」
第二戦はさらなる激戦が予想される。
しっかりトレーニングをして強くしなければ。
「という事で、今日からトレーニング再開だ」
第一戦の二日後、トレーニングを始める。
第二戦はすぐそこだ。

セイウンスカイと行うトレーニングは>>731(スナイプボール・ソニックフェンシング・アクロバティックアローのいずれか)
731 : トレ公   2024/04/26 22:21:22 ID:pCKu6ZHk76
スナイプボール
732 : トレぴっぴ   2024/04/27 22:44:40 ID:cFu39bGH66
「今日のトレーニングではこれを使うぞ」
「野球のボール?」
スカイとルビーに見せたのは何の変哲も無い普通の硬球。
「これをあの的を狙って投げるんだ。動作の正確性が鍛えられる」
スカイは気まぐれなウマ娘。
長所でもあるが、同時に短所でもある。
気持ちのムラがあるのは仕方ないが、その中でも安定した動作が出来るようになった方が良いだろう。
「まずはスカイ。番号は気にせず当ててみるんだ」
的には1から9の数字が書かれている。
いわゆるストラックアウトだ。
「じゃあ行きますよ~。そいっ!」
アンダースローでボールを勢い良く投げる。
「あ~惜しい!」
枠の部分に当たり、番号の書かれた部分を抜く事は出来なかった。
「次はルビー」
「はい」
ルビーの小さな手でボールがしっかりと握れるのだろうか。
せめて軟球にすれば良かったと後悔していると。
「はっ!」
野球選手のように見事なオーバースロー。
「おおっ!ど真ん中じゃないですかー!」
中央の5番を正確に撃ち抜いた。
「すごいぞルビー!野球やった事あるのか?」
「はい。華麗なる一族たるもの、何事も完璧にこなさなければ」
ルビーのすごさを改めて感じた。
「このまま負けっぱなしじゃいられませんよね!」
スカイもオーバースローに切り替える。
「とわぁぁぁっ!」
またしても枠の方へブレてしまった。
しかし。
「曲がれ!」
ボールの軌道が僅かに変化し、左上の1番に的中した。
「うおっ!スカイ!変化球なんて投げられるのか!?」
「い、いや、言ってみただけなんですけど、たまたま・・・」
スカイの安定性はまだまだ成長途中だが、運を持っている事は再確認出来た。

セイウンスカイと並走するウマ娘は>>733(マチカネタンホイザ・アグネスタキオン以外)
733 : 相棒   2024/04/27 22:45:40 ID:AVSpsKGWCo
エスポワールシチー
734 : トレーナーさん   2024/04/28 22:39:13 ID:UsjwaGyDkE
スカイが大きく振りかぶって投球する。
「あっ」
ボールは的のかなり上を飛んでいった。
「まずい!誰かに当たるかもっ!」
ボールの行方を追いかけようとしたが。
「はーっ!?」
誰かの叫び声が聞こえた。
もし怪我でもさせてしまっていたら。
スカイにとって大事な時期なのに、そんな事でスカイのレースに悪影響が出てしまったら。
「危ねー!もうちょっとで当たってただろ!」
とりあえず当たっていなかったようだ。
ひとまず胸を撫で下ろす。
「誰だ!正直に言えば殴らないでやる!」
怒りながらこちらに向かってきたのは、確かエスポワールシチー。
正直に事情を説明する方が良いだろう。
「ん」
スカイがこちらを指さした。
「ちょっ、スカイ!?」
「アンタか!よくもあーしを狙ったな!」
「ちがっ、狙ってた訳じゃなくて!説明させてくれ!?」
早口でボールを使ったトレーニング中だった事を説明した。
「まぁまぁ、トレーナーさんも反省してますし、その辺りで勘弁してあげて下さいよ~」
「だから投げたのは俺じゃないって・・・」
スカイは完全に責任逃れをする態勢に入っていた。
「そうだ、お詫びにスカイと並走するのはどうだ?現役最強クラスのウマ娘と並走出来る大チャンスだぞ」
「あ、ちょっと反撃してきましたね?」
エスポワールシチーはジャージを着ている。
恐らく走り込みの途中だったのだろう。
「いや、あーし芝走れねーし」
「じゃあダートで走ろう!な!スカイ!」
「え、ちょっと何勝手に」
「うし!ダートなら負けねー!すぐ準備してくる!」
エスポワールシチーは走って行ってしまった。
「スカイさん。トレーナーさんに」
ルビーが強烈なプレッシャーを放っていた。
「はいはい分かってますよー。ごめんなさ~い」

セイウンスカイとエスポワールシチーの並走で走る距離は>>735(1600m以上2000m以下)
735 : トレぴっぴ   2024/04/28 22:40:00 ID:mihsH4kAho
1600m
736 : マスター   2024/04/29 22:17:29 ID:we8RMz1AE2
エスポワールシチーは蹄鉄を取り付けたシューズに履き替えて戻ってきた。
「距離は?」
エスポワールシチーの正確な適性距離は知らない。
だが、ダートのレースであれば外せない距離がある。
「1600mでどうだ?マイルなら走れるんじゃないかと思うんだけど」
「んじゃそれで」
「トレーナーさーん?マイルなんてしばらく走ってないんですけど・・・」
確かにスカイはジュニア級以来マイルレースを走っていない。
だが多少不利な条件の方が成長出来るはずだ。
「頑張れ!」
「えぇ・・・」
二人はスタート位置につく。
「スタート!」
「だっ!」
エスポワールシチーはあっという間に加速して先頭に立つ。
スカイはその後ろにつく。
「やっぱりダートだと加速力が無いな」
ダートと芝では踏み込みの感覚が異なる。
この感覚が適性という事になる。
「ダートなら負けねーし!」
すいすいと前に進むエスポワールシチー。
1600mという距離は思っているよりも短い。
「現役最強ってのはこんなもんかよ!」
最終直線、エスポワールシチーが思い切り踏み込む。
「楽勝だっての!」
しかし、スカイもこのまま終わらない。
飄々としているが、誰よりも負けず嫌いなのだから。
「たあぁぁぁぁぁっ!」
「ちょっ、マジ!?」
スカイは2バ身後ろから差し切った。
「どーです?セイちゃんが最強だって分かりました?」
「んな訳ねーから!もう一本やれ!」
負けず嫌いな二人はその後も並走を続けた。
普段とは違うトレーニングが出来た。

トゥインクルスタークライマックス第二戦の条件は>>737(芝の中距離レースが行えるレース場と距離・ただし中山2000mは不可)
737 : トレーナー君   2024/04/29 22:20:38 ID:87HokkEniI
東京(府中)2400m
738 : お兄さま   2024/04/30 22:14:33 ID:bXBYXxDdt6
トゥインクルスタークライマックス第二戦は東京芝2400mで行われる。
日本ダービー、オークス、ジャパンカップと同じ条件だ。
ダービーを制し、ジャパンカップでも三着に入ったスカイには良い条件だと言える。
「得意な距離だが、油断は出来ないぞ」
ジャパンカップを制したマチカネタンホイザ、ダービーで写真判定の結果二着となったアグネスタキオンが引き続き参戦するのだ。
相手にとっても得意なコースという事だ。
「分かってますよ。しっかり作戦も考えてありますし」
スカイには何か考えがあるらしいが、いつもと同じく教えてくれないだろう。
スカイを信じ、実際にレースを見た時まで楽しみにしておこう。
「明日の天気は晴れ。多分良バ場になるだろう」
「前回は雪で大変でしたからね〜。晴れて良かったですよ」
第二戦は明日。
今日は丸一日休養に当て、ミーティングも最低限にした。
この第二戦を勝てば最強の座はぐっと近づく。
「明日も勝とうな」
「もちろん、そのつもりですよ!」

トゥインクルスタークライマックス第二戦でのアグネスタキオンの枠順は>>739(1〜18番)
739 : お兄さま   2024/04/30 22:15:04 ID:xQMzYP0RnU
5番
740 : トレーナーちゃん   2024/05/01 22:18:08 ID:Z.wPRvzOqI
「スカイさん、そろそろ」
「ふぁ〜・・・。もうですか〜?」
ルビーがスカイを優しく揺り起こす。
レース直前にも関わらずかなりリラックスしている。
「スカイ、寝癖がついてるぞ」
「走れば直りますよ〜。んん〜っ!」
上に伸びるスカイが猫のように見えた。
ルビーはスカイの髪をくしで梳かし始める。
「準備は出来たな?」
「は〜い。それじゃ、今日も勝っちゃいましよ〜」
控え室から出て、地下バ場道を歩く。
既にざわざわという観客の声が聞こえる。
「皆君が勝つのを期待してる」
「そんな事言われたらプレッシャー感じちゃうじゃないですかー」
言葉の割に、スカイは笑っていた。
「ま、期待されるのも、素直に嬉しいんですけどね」
スカイは第二戦の舞台へ勇ましく向かっていった。
「二番人気は5番アグネスタキオン。そして一番人気のウマ娘が姿を現しました、10番セイウンスカイ!」
「おおおおおおおおおおっ!」

セイウンスカイのスタートは>>742(成功または失敗)
741 : トレ公   2024/05/01 23:55:03 ID:Zk18ej.Z/M
失敗
742 : アネゴ   2024/05/02 00:00:03 ID:1WjfPpRiBE
成功
743 : モルモット君   2024/05/02 22:11:27 ID:uDR45LW3lo
スカイはいつも通り最後にゲートインする。
緊張は無いようだ。
「今、スタートを切りました。全体的にバラバラっとしたスタート。2番は最後尾からとなります」
スカイはきちんと好スタートを切った。
やはりこれまでの努力は裏切らない。
「先頭に立ったのは4番。その後ろから10番セイウンスカイ」
今日は二番手の位置で体力を温存する作戦らしい。
逃げるウマ娘はスカイ含め二人しかいないので、序盤に競り合う必要が無くなる。
「5番アグネスタキオンは三番手。おっと、16番マチカネタンホイザは四番手!序盤から前に出ています」
基本的に差しの戦法を取るマチカネタンホイザだが、今日は先行策で来るようだ。
上位人気の三人のウマ娘が縦に並んでいる事になる。
「コーナーに入ります。先頭は依然4番。1バ身離れて10番。さらにその後ろから5番。外には16番と17番がいます」
「ペースはやや遅いですね。前のウマ娘にとっては有利に働きます」
「有馬記念のようにはさせないさ」
アグネスタキオンは少しスピードを上げた。

レース中間地点でのアグネスタキオンの位置は>>744(1〜3番手)
744 : トレ公   2024/05/02 22:12:40 ID:1WjfPpRiBE
2番手
745 : 使い魔   2024/05/03 21:06:35 ID:W5DO21LieU
最初のコーナーはそろそろ終わる。
アグネスタキオンはペースを上げていく。
「そんなに飛ばして大丈夫なんですか?」
「大丈夫ではないさ。だが実験にはリスクが付きもの。そのリスクを乗り越えた先に発展がある」
アグネスタキオンがスカイに並んだ。
そのまま追い抜いて二番手につける。
「思い切った作戦ですね」
「ああ。だが彼女の脚はあまり頑丈じゃない。強い負荷が長くかかり続けると故障の危険が高まる」
アグネスタキオンの脚は天性のスピードと同時に脆さを持っている。
菊花賞後に脚を痛めて、しばらくレースから遠ざかっていた事もあった。
「4番の後ろに控えたアグネスタキオン。その後ろにいるのは10番セイウンスカイ。競り合う様子はありません」
スカイはあっさり前を譲った。
アグネスタキオンとは対照的に、出来るだけ体力を温存しようとしている。
「予想外の展開ですなー。でも、しっかりついていかないと!」
マチカネタンホイザは変わらず四番手。
前三人から若干距離を置いている。
「もうすぐ下り坂。仕掛け始めるウマ娘も出てくるぞ」

最終直線開始時のアグネスタキオンの順位は>>746(一番手または二番手)
746 : アナタ   2024/05/03 21:07:40 ID:KYK46nYdqA
二番手
747 : トレピッピ   2024/05/04 22:31:29 ID:cNjUyFAGvw
コーナーに入り、後ろのウマ娘達の気配が変わる。
ここからは温存無し。
全力で前を狙いに来る。
「そろそろですかね」
スカイもスパートに入る。
差しや追込のウマ娘ほどではないが、ずっと控えていた分末脚は鋭くなる。
「はぁぁぁぁぁっ!」
先頭の4番もかなり粘っている。
ずっと先頭を走り続けてきたにも関わらずまだ先頭をキープし続けているのは、流石最強を決めるこのレースで戦うウマ娘だといった感じだ。
「・・・アグネスタキオンが先頭に立つのも時間の問題か・・・」
ほとんど先頭に並びかけている。
そのまま最終直線へ。
「ふっ!」
アグネスタキオンが踏み込むと、一気に抜け出して差を広げた。
「すごい脚だ!」
「ですが、スカイさんも離されていません」
スカイはアグネスタキオンの後ろにいた。
二人の距離は変わっていない。
スカイのさらに後ろにいるマチカネタンホイザは徐々に離されている。
「いつまでっ!もちますかね!」
アグネスタキオンは序盤から体力を多く使っている。
スタミナ切れで失速するとスカイは読んでいた。
しかし。
「はぁぁぁっ!」
アグネスタキオンの勢いは衰えなかった。

一着と二着の着差は>>748(2バ身以下)
748 : お姉さま   2024/05/04 22:31:53 ID:xM495XCtYE
ハナ差
749 : トレーナー君   2024/05/05 22:33:16 ID:GFXeKWgi1c
残り200m。
先頭を行くのはアグネスタキオン。
その1バ身後ろから追うのはセイウンスカイ。
「はっ、はっ、ああああああああああっ!」
スカイは体力全てを使って先頭を目指す。
「ハッ!ハハハハハハ!クックックック!ハッハハハハハハ!」
何故かアグネスタキオンは笑っていた。
「今私はスピードの限界を超越している!」
「ううううっ!」
対照的に、スカイは歯を食いしばって走る。
次第に差は縮まっていく。
それでも、追いつけない。
「ゴォォォォォル!アグネスタキオンが一着か!セイウンスカイが届いたのか!?」
実況すら勝敗を把握出来ていないほどの接戦。
しかし、結果はすぐに出た。
「一着はアグネスタキオン!アグネスタキオンがこの第二戦を勝利しました!」
「おおおおおおおおおおっ!」
セイウンスカイはハナ差の二着、マチカネタンホイザは四着。
スカイはあとほんの少しで追いつけていたのに、足りなかった。
いや、スカイが足りていなかったと言うよりアグネスタキオンが速かっただけだったのだ。
「天皇賞・秋。あの時見えなかった向こう側が、一瞬見えた。ああ、一瞬だった。それでも、見えたんだ」
アグネスタキオンはおやつを前にした子供のように笑っていた。
「今回は負けちゃいましたよ。でも、次は。最後は、私が勝ちますよ」
「ああ、それについては勝手にやってくれたまえ。私は第三戦には出ない」
「え」
セイウンスカイとアグネスタキオンが何やら話しているが、内容までは流石に分からない。
「私の脚はまた壊れてしまったからね。だが、痛みは無い。むしろ喜びが勝っている」
「タキオーン!」
トレーナーがアグネスタキオンに駆け寄る。
「スカイ君、頑張りたまえよ」
アグネスタキオンはトレーナーに抱えられて去っていった。
「タキオンさん・・・」

セイウンスカイと食べる料理は>>750
750 : トレ公   2024/05/05 22:34:47 ID:Tjc8uULI4s
「あの時」のハヤシライス
751 : トレーナー君   2024/05/06 22:21:28 ID:UfNhEfOCDE
「スカイ、お疲れ様」
「いやー負けちゃいましたよ。惜しかったー」
スカイはあまり悔しそうには見えなかった。
「捨て身で来られるとやっぱり嫌ですね」
「ああ」
アグネスタキオンは恐らく脚を故障した。
本人も壊れる事を覚悟で限界の先を見たのだろう。
「君は自分を大切にな」
「分かってますよ。痛いのは嫌ですし」
レース後、マッサージやミーティングなどを終え、夕食を食べる事にした。
向かったのは、ダービー後に行ったあの店。
珍しくスカイがハヤシライスを食べたいと言った事をよく覚えている。
「ここ、懐かしいですね」
「だろ?せっかく東京レース場まで来たんだし、久しぶりに食べたくなってな」
アグネスタキオンに僅差で勝利したダービーとは異なり、今回は僅差で敗北している。
だからこそ、勝った時と同じ行動を取って勝つイメージを固めておくのだ。
「ふー、ふー」
スカイはハヤシライスを息で冷ます。
相変わらず猫舌らしい。
「う〜ん、美味しい!」
「はい」
「そうだな!」

セイウンスカイとダイイチルビーと一緒に出かける場所は>>752
752 : 使い魔   2024/05/06 22:22:06 ID:aualyZv3Fw
水族館
753 : トレーナー君   2024/05/07 22:18:07 ID:cEexGf8krA
今日はスカイ、ルビーと一緒に水族館に来た。
以前スカイとルビーの二人で行ったという水族館だ。
「クジラの謎、解くぞ!」
スカイにクジラのぬいぐるみをもらったが、水族館にいないはずのクジラがマスコットキャラクターとなっているのが不思議だった。
有馬記念後に一緒に行ってその理由を探そうと約束していたのだ。
「おおー、すごいな」
大水槽を悠々と泳ぐサメを見てつい声が漏れてしまった。
「でも、サメとクジラじゃ違いますもんね」
色々なコーナーを見て回ったが、もちろんクジラはいない。
「イルカとクジラは生物学的には同じ種。ですがイルカではなくクジラをマスコットとする意味は・・・」
ルビーも頭をひねって考えているが、合っているのかどうかも分からないので困っている。
「あれ、<アルタイル>のトレーナーさん!こんな所でお会いするなんて奇遇ですね!」
声をかけられ、振り向いた。
「桐生院トレーナー」
彼女は桐生院葵トレーナー。
同期で、ルビーとURAファイナルズ決勝で競ったハッピーミークの担当トレーナーだ。
「よく来るんですか?」
「はい!ミークとのんびり過ごすのが好きなんです!」
隣のハッピーミークもこちらに会釈した。
754 : キミ   2024/05/07 22:18:13 ID:cEexGf8krA
「あ、詳しいならあれ聞いちゃいます?」
スカイの言う通り、この水族館に詳しい二人ならクジラの謎についても知っているかもしれない。
「あれ?」
「えっと、この水族館のマスコットが何でクジラなのかって分かります?」
「その事でしたか。この水族館の館長がクジラ好きだから、らしいですよ」
「・・・クジラを飼育出来なかったから、代わりにマスコットにしたって」
「なるほど!そういう事だったのか!」
桐生院トレーナー達のおかげで、クジラの謎を無事に解けた。
その後は憂いなくイルカショーを五人で観た。
第三戦の前に良い気分転換が出来たのだった。

セイウンスカイと次に行うトレーニングは>>755(スピード・スタミナ・パワー・根性のいずれか)
755 : トレーナー   2024/05/07 22:19:06 ID:sr1e5Jvz1U
パワー
756 : アンタ   2024/05/08 22:28:00 ID:Gh7wjIrDsw
水族館に出かけた次の日。
スカイのトレーニングを再開する。
来ていたのは学園内のジム。
「今日は合同トレーニングを頼んだんだ。そろそろ来ると思うけど」
「すみません、お待たせしました!」
やって来たのは、桐生院トレーナーとハッピーミーク。
昨日の帰り際、合同トレーニングを申し込んだところ、快く承諾してくれたのだ。
「じゃあ早速始めましょう。二人とも、これを」
「・・・これって」
スカイとハッピーミークに手渡したのは、ボクシングに使うグローブ。
「そう、ボクシングだ。パワーを鍛えるのにすごく良い」
以前スカイはワンダーアキュートとボクシングトレーニングを行った。
その時の経験を活かせるに違いない。
「直接打ち合わせるのは危険では・・・?」
「大丈夫です。サンドバッグ越しでの勝負にしますから」
サンドバッグを両側から殴り、間接的に打ち合う。
互いの動きに素早く合わせなければ空振りしてしまうだろう。
また、パワー負けすればサンドバッグごと吹き飛ばされてしまう。
「・・・勝負、したいです」
「ミーク・・・!」
ハッピーミークは静かに燃えているようだ。
「やる気ですね〜。ま、やるからには勝ちに行きますけど!」
二人はそれぞれ位置についた。
「始め!」
サンドバッグが両側から激しく打撃されていく。
二人とも左右の揺れにも上手く対応出来ている。
「ここだ!」
スカイは渾身のストレートをお見舞いした。

セイウンスカイとハッピーミークの勝負の勝敗は>>757(引き分けも可)
757 : トレ公   2024/05/08 22:29:00 ID:OQ61/rximQ
僅差でミークの勝ち
758 : 貴様   2024/05/09 21:25:31 ID:CDrboUvu.A
激しい攻防が繰り広げられ、衝撃で風がこちらまで流れてくる。
「たっ!」
スカイのストレートがサンドバッグを打ち抜き、ハッピーミークに間接的なダメージを与える。
後ろに仰け反るも、踏みとどまった。
「・・・なかなかやる。けど、粘りなら負けない」
スカイの猛攻を耐え続けるハッピーミーク。
「ふぅんっ!」
スカイの大振りのフックには隙が生まれた。
そこを見逃さず、ハッピーミークはアッパー気味に拳を振り抜いた。
「えいっ!」
「ぶっ!?」
スカイは避けられず、後ろに倒れた。
いや、倒れる前に桐生院トレーナーが受け止めてくれた。
「あーやられたー!」
「ぶい」
良い勝負だったが、今回はハッピーミークの粘り勝ちだった。
かつてルビーとのレースで見せた忍耐力は健在だった。
「惜しかったな、スカイ。怪我は無いか?」
サンドバッグ越しとは言え、衝撃はゼロではない。
「大丈夫で〜す」
桐生院トレーナーに手助けされながら立ち上がる。
「ミークも大丈夫ですか?」
「腕に結構、効いてる。むん」
走るのにも腕の筋力は重要。
腕を中心に、上半身のパワーを鍛えられた。

トゥインクルスタークライマックス第三戦でのセイウンスカイの枠順は>>759(1〜17番)
759 : アンタ   2024/05/09 21:26:02 ID:hZFcE/RiTM
5番
760 : キミ   2024/05/10 21:48:00 ID:PQKTYFwsgQ
ついにトゥインクルスタークライマックス第三戦の日がやって来た。
東京レース場は超満員。
これだけの人がスカイの勝利を見届けてくれるのだ。
「今日の条件は2000m左回り。天皇賞・秋と同じコースだ」
「天皇賞・秋、そして第二戦を勝ったタキオンさんはいない。チャンスって事ですね」
大きな障壁となるアグネスタキオンがこのレースに出走しないのは、シンプルにスカイの勝率をアップさせる。
何となく勝ち逃げされているように感じて複雑なのは、自分だけでなくスカイも一緒かもしれない。
「セイウンスカイさん!この第三戦への意気込みをお願いします!」
控え室で、乙名史記者の取材を受ける。
このトゥインクルスタークライマックスの発案者である乙名史さんも、レース前という事もあり興奮していた。
「もちろん勝つつもりで走りますよ〜。でも、あんまり期待し過ぎないで下さいね」
「どうして、でしょうか?」
スカイの言い方は乙名史さんを惹き付ける。
「期待通り勝つよりも、番狂わせで勝つ方が楽しいじゃないですか」
それを聞いた乙名史さんの中で何かがはち切れた。
「んんんん〜っ!素晴らしい!素晴らしいですっ!」
頬を赤く染めながら、高速で何かを記していく。
「スカイさん、ウォーミングアップを」
「あ、は〜い」
「すみません乙名史さん」
スカイの準備のため、一度退出する事にした。
「優勝インタビューの時に、また」
「おっ、トレーナーさんも結構言いますね〜」

マチカネタンホイザの枠順は>>761(1〜17番・ただし5番は不可)
761 : アネゴ   2024/05/10 21:49:00 ID:RrO7/KngM2
1番
762 : ダンナ   2024/05/11 22:37:26 ID:IsSlvSTZVQ
今日の東京レース場の天気は曇り。
バ場は良バ場だ。
「一番人気は5番セイウンスカイ。第二戦、そして同条件の天皇賞・秋を勝利したアグネスタキオンが出走しない事もあり、かなり人気が集まっていますね」
第一戦、そしてこれまでの成績を考えると、スカイが一番人気になるのはある意味必然と言える。
「二番人気は1番マチカネタンホイザ。皐月賞以来惜しいレースが続いています。今日こそ勝ち切りたいですね」
ほとんど掲示板を外さない実力はあるものの、しばらく大きな勝利からは遠のいているマチカネタンホイザ。
スカイには、彼女の底力に気を付けるように言っておいた。
「あうっ!?これ持ってきちゃった!すみません!ってわっ!?」
パドックで、マチカネタンホイザが勝負服から何かを取り出した。
その際に手を滑らせ、地面に散らばってしまう。
「あれは・・・メモ帳?」
メモ帳らしきものがいくつも落ちた。
開いたページには、ぎっしりと書き込みがされているのが見えた。
「もしや直前まで研究を?」
「ああ、模擬レースの後に熱心にメモを取っていたのを見た事がある。彼女はかなり勉強熱心だ」
本人はそれを誇る様子は無かったが、相当な努力家だ。
ますます油断出来ない相手であると思った。
「さあ、セイウンスカイが今日も最後にゲートイン。・・・スタート!」

セイウンスカイ以外に逃げるウマ娘の数は>>763(0~3人)
763 : トレぴっぴ   2024/05/11 22:38:01 ID:cMzqrWE0KI
3人
764 : トレ公   2024/05/12 22:42:16 ID:FqjT907tdU
スタートは揃っていた。
スカイはいつも通り前に出る。
「先頭に立ったのは5番セイウンスカイ、一番人気。すぐ横には8番、後ろには2番がいます。外から11番も前を狙っています」
第二戦と異なり、今日逃げるウマ娘はスカイ含め四人。
アグネスタキオンがいない事で、先攻勢が作戦を変えてきたのだろう。
「序盤から比較的ハイペースでレースが進んでいきます」
スカイが先頭に立ち、ペースを握っている。
今回は速いペースでスタミナ勝負に持ち込むつもりなのかもしれない。
「マチカネタンホイザは中団で温存していますね」
マチカネタンホイザは全体の真ん中くらいに控えている。
「ここからしばらくは直線だ。このまま先頭をキープ出来ると良いんだけど」
スカイはさらにスピードを上げ、先頭を奪われないようにする。
「このまま行きますよ~」

最終コーナー突入時のセイウンスカイの順位は>>765(1~4番手)
765 : トレーナーちゃん   2024/05/12 22:43:00 ID:NUtehLGPs.
2番手
766 : トレぴ   2024/05/13 22:18:49 ID:qVPik6SxUg
「仕掛けどころは最終コーナー半ば。そこまでに良い位置をキープしておかないと」
今スカイは先頭だが、差は小さい。
「さてさて〜、釣れたかな〜?」
スカイがスピードを上げたので、他の逃げウマ娘達も離されまいと追った。
と、ここでスカイが妙な動きを見せた。
「後ろに、下がった?」
ルビーはスカイの行動の意味を測りかねているようだ。
いや、ルビーだけでなく自分もよく分かっていない。
だがスカイはわざとそうしたのだという事は分かる。
ならばスカイを信じるだけだ。
「セイウンスカイ、二番手に下がった!代わって先頭に立ったのは8番!」
スカイはペースを下げ、後ろのウマ娘に外から抜かせた。
ただし、下げた順位は一つ分だけ。
最初から二番手につけず、レース中間付近まで先頭に立っていた理由は何なのだろうか。
「何か企んでるのかもしれないけど、あたしには関係無いね!」
先頭を意気揚々と進む真後ろを、スカイは走る。
「どうぞどうぞ。そのまま行って下さいよ」

最終直線突入時のマチカネタンホイザの順位は>>767(5〜7番手)
767 : アンタ   2024/05/13 22:19:28 ID:MydL8N/0M6
5番手
768 : トレーナー君   2024/05/14 22:12:41 ID:zw6tXCjucY
スカイは二番手のまま最終コーナーに入った。
「仕掛け始めるならこの辺りか」
ここでマチカネタンホイザが動く。
「ふんっ!ふぅぅぅぅぅぅっ!」
マチカネタンホイザは中団から一気に前に出た。
前走と異なり末脚勝負に出るらしい。
「タンホイザさんの持ち味は長く鋭い末脚を使える点にあります。タイミングも完璧。スカイさんもそろそろ上がらなければ」
ルビーも同じ差しウマ娘として、マチカネタンホイザの仕掛けるタイミングの良さがよく分かるようだ。
「おっとと、これはうかうかしていられませんね」
スカイも末脚を爆発させる。
逃げウマ娘とは言え、並の差しウマ娘よりも強力な末脚を持っている。
これまでトレーニングで鍛えてきたパワーが加速力を生み出しているのだ。
最終直線に入る。
マチカネタンホイザは五番手まで上がってきていた。
スカイは依然二番手。
「やぁぁぁぁっ!」
「8番!粘っているが苦しいか!?セイウンスカイが外から伸びてきている!マチカネタンホイザも大外から!」
「たぁぁぁぁぁぁっ!」
残り300m。
これで決着する。

一着になったウマ娘は>>769(セイウンスカイまたはマチカネタンホイザ)
769 : トレぴ   2024/05/14 22:13:25 ID:Mx.THSXNNo
セイウンスカイ
770 : 貴様   2024/05/15 22:12:47 ID:RYdwd71EJ2
スカイは外から8番を抜き、先頭に立った。
一度二番手に下がったのは、8番のスタミナを使わせるため。
スカイはスタミナ勝負ならそう負けない。
ただし、スタミナ勝負の場合にはどうしても戦わなければならない相手がいる。
「マチカネタンホイザ!ぐんぐん追い上げてきているぞ!セイウンスカイとの差は2バ身!」
実況の間にも、差はさらに縮まっていた。
「スカァァァイ!粘れぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
声が枯れてしまうかもしれないが、関係ない。
ただひたすらに叫ぶ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「たあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
マチカネタンホイザがスカイに並びかける。
ここまで来れば、作戦など要らない。
互いの全力をぶつけ合うだけだ。
「並んだ!並んだ!」
ゴール目前、二人は並んだ。
「並んだままゴォォォォルイン!これは分からないぞ!」
しばらくレース場全体が静まり返った。
その静寂を破った言葉は。
「セイウンスカイ!セイウンスカイだぁぁぁぁぁっ!セイウンスカイがハナ差で一着を勝ち取ったぁぁぁぁぁぁっ!」

ウイニングライブでパフォーマンスするウマ娘の数は>>771(3人または17人)
771 : お姉さま   2024/05/15 22:13:29 ID:1idwqjcyks
17人
772 : 貴様   2024/05/16 22:19:10 ID:uc8TtEpv5c
「はぁ、はぁ、はぁっ」
スカイは息を切らしながら空を見上げる。
いつの間にか曇り空は晴れ渡っていた。
「やった。勝った。勝った!」
スカイは勝利の喜びを噛み締めていた。
「スカイ!」
観客席を飛び出し、スカイの元へ走る。
「トレーナーさん!えっへへへ」
スカイを抱き上げ、晴れ空と重ねる。
「君が、最強だ!」
「はいっ!」
ルビーも加わり、勝利の喜びを分かち合う。
「スカイさん、よく頑張りました。それでこそ、チーム<アルタイル>のウマ娘です」
この後にはウイニングライブがある。
まずはゆっくり休み、全力でライブが出来るようにしてもらわなくては。
「スカイ、戻ろうか」
スカイを背負い、控え室の方へ戻る。
満員の観客はスカイに賞賛の言葉を投げて送ってくれた。
このトゥインクルスタークライマックスを締めくくるウイニングライブの楽曲はBLOW my GALE。
スカイならきっと最強に相応しい、素晴らしいパフォーマンスをしてくれる。
「スカイ、センターとして堂々とな」
「分かってますよ〜」

ウイニングライブの観客数は>>773(1万~3万人)
773 : アナタ   2024/05/16 22:20:02 ID:JBndwO4HdM
2万6000人

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