D～[눈]　スタンバイしておくわ

ネイチャ「風呂ぴょいしちゃった♥」

>>3
待て待て湿度上がるのが早過ぎる

>>3
待て待て湿度上がるのが早過ぎる

3は「おなじみ3着〜」で取りたかったかなー、なーんて...

湿 度 計 壊 れ る

「そんなネイチャも大好きだよ」

またまた〜トレーナーさん調子いいんだから〜

間隔短くなぁい？

>>10そりゃあ…ネイチャだからな…

トレーナーさんに「好きだ！」って言われちゃった♡

1000までなら333段階あるんだ
気をつけて進めないとすぐ水没するぞ

もう床下浸水してるだろ

海だぁー！

ゴォ～
　　ゴォ～

(ここまでネイチャの妄想)

みんなキラキラしてるねぇ

たはは……はっず……。
風呂ぴょいとか。興味はあるけどさ……

100で水没しそうだぞ

私ってトレーナーさんの何番目なの…？

さっそく湿度が1ネイチャを越えようとして草

？？「これがナイスモイスチャーってわけだな…」

トレーナーさんの一番だけは譲らないから！

1000になる頃には母なる海になってそう

ﾃｰﾚｯﾃﾚｰ
布団乾燥機～

いやいや普通に考えて重すぎるでしょ私…

調理実習で作ったお菓子をトレーナーに渡すのは重いだろうかと悩むネイチャは美しいもん！

ｺﾞｯｰｰ
　ｺﾞｯｰｰ
　　　ｺﾞｯｰｰ

会長さんのトレーナーさん、会長さんとの日々を本にして出版したんだって
………良いなぁ………

>>29
布団乾燥機のホースに何か引っ掛かってない？

ﾈｲﾁｬｶﾞｵﾓｲﾖｰ…

ねぇトレーナーさん。
私の誕生日ってあと何回一緒に祝ってくれる？

ネイトレをエミュレートする時、ゲームのトレとカノープスの南坂さんの2種類が浮かんで迷う問題

>>33
何十回だろうな……お互い長生きしような

分かり切ってるから傷付かないよって
背中をそっと見てた
ど～せ目線の先にアタシは影さえも
映ってないと笑ってた　それでも
憧れちゃうんだヒロインってのに
一途に走り出した(大好きだよって声がしてる)
純情が止まれないと(選ばれたいってオトメゴコロ)
右から　左から　キミへ
気づかない…でも気づいて！(大好きだよって声にしたい)
三角形その外側(引っ込み思案なオトメゴコロ)
もう一つ向いてる One Side Love Arrow

ターボも！ターボも歌のトレーニングやる！

（キン肉バスターされるターボ）

（商店街でイカ焼きを山盛りおまけしてもらったトレーナーとネイチャわ発見したターボ）
「トレーナーとネイチャがなんかイカ臭いもん！！」
この時の周囲の空気は……？

「ターボちゃんもイカ焼き買ってくかい？」
「うん！」

（お口からイカ臭さを撒き散らすターボ）

　

◇＜差し入れなんだが

お煎餅に入っていたシリカゲル（15kg）

ｺﾞｰｰｯ
　ｺﾞｰｰｯ
　　　ｺﾞｰｰｯ

折り紙のトロフィー、まだとってあるよ
アタシの大切なものだから

正直初期ネイチャの方が好みです(小声)

これもしかして3スレごとに0.5ネイチャくらい湿度上がってる？

これもしかして3スレごとに0.5ネイチャくらい湿度上がってる？

湿気ってなにさ、トレーナーさんと仲良くなっちゃいけないっていうの？

果たして今何ネイチャなのだろうか

>>50
そんな人を別人みたいに言わないでほしいんですケド……。
それともトレーナーさん、今のアタシは嫌い？

汎用勝負服ネイチャ、クリスマスカラー勝負服ネイチャ、チアネイチャ……

金曜夜から月曜朝まで外泊届けでおなじみ3泊

おなじみ3発したんか？

>>53
ああ、着替えが三着ってことか

タマ。

まぁ、ネイチャさんとしては三着でも構いませんけどね、アハハ・・・ハァ・・・

「ネイチャが一番だよ」って…またあたしが言わせちゃったみたいじゃん……

「優しい」トレーナーさんは「義務感」で一番って言ってくれるの分かってて聞くなんて卑怯だねアタシ……

認知して

まだ100いってないのに水位やべーぞ

マーベラース☆(除湿と換気)

えっ、もしかしてトレーナーさん、湿度が高いウマ娘がダメなの？
じゃあ私、湿度あんまり高くないようにするから、見捨てないでほしいなって……

トレーナーさんが嫌いなところ全部治すから…嫌いにならないで……

（ここに合流することパーマー）

……ん。（ヘロヘロトロフィー要求）

何回も折れば上達してヘロヘロにはならないはずなのに……。
そうか、湿気を吸ってヘロヘロに！

布団乾燥機とふわふわ要素を外したアヤベさんもここに入れておきますね

ねぇ、トレーナーさんは………
アタシに興味があるのはアタシのこの脚だけ？
良いんですよ？脚だけじゃなくても………

アタシの脚にしか…競技者としてしか興味がなくてもそばにいさせてね……

ここまで湿ってようやく育成シナリオ（公式）の湿度を超えてくるという事実

ねぇ…トレーナーさん…？
私に好きって言ってくれたのって、ホントに担当としてだけ？

ファンとしても好きだよ

シリカゲル補充しますね...

ねえ、もしアタシがウマ娘じゃなかったとしてさ
それでも、アタシと巡り合って、好きって言ってくれた……？

「……ウマ娘じゃないネイチャは想像できないな」
「けど商店街の皆さんと同じで走るか走らないかを別にしても好きだよ」

梅雨はまだなのにカビがものすごいもん……

いやまぁ、イヤじゃないんですよ。イヤじゃ・・・ごめん、やっぱり辛いわ

マーベラスサンデー！はやくきてくれー！

マチタン
「カラッといきましょうネイチャさん〜。唐揚げ定食食べましょう〜。」

>>80
いいねえ、トレーナーも誘っていい？

ウマ娘ってさ、ヒトよりずっと身体が頑丈なんだよね…
だから多少乱暴にされても大丈夫だからトレーナーさんの好きに使って…？

>>82
お望み通りネイチャをむちゃくちゃに抱くが、脚だけはキスしたり優しく撫でたり丁寧に扱うネイトレ

「トレーナーさん、うまぴょい未勝利なんだ…わ、私でよかったら練習してみる？」

レッスンルームで始まるうまぴょい伝説ダンスレッスン

しとしとネイチャ、しとネイチャ、
し〜と〜ネイチャ〜。

イクノ
「あまりトレーナーさんを困らせてはいけませんよネイチャさん。そもそもまだ貴方は学生の身ではありませんか」
「幸いネイチャさんの地元と小倉とトレセン周辺の商店街は全て味方です。焦らず着実に外堀を埋めていけば卒業と同時に差し切ることも可能かと」
「というわけで今回は特別講師としてダイワスカーレットさんにお越しいただいております、想い人の退路を断ってものにする方法をしっかりと学んでいきましょう」

>>87
でもお休みの日にたづなさんとかライトハローさんとかとお出掛けしてるの知ってるし…不安になるじゃん

D～囲<ﾌﾟｽﾝ…ﾌﾟｽﾝ…

トレーナーさん、行きずりの女扱いで良いから、一晩だけアタシを愛して……
アタシ、一晩だけでも愛してもらえたら、多分それだけで１０年は頑張れるから……

>>90
まだ100レス行ってないんだよな？

ここいらで排水しよう。
水門開いてー！

>>88
大丈夫⭐︎それもこれも全部ネイチャのためにやってること⭐︎
ネイチャに注がれる愛情、とってもとってもマーベラス⭐︎

>>93
そうなのかな…（「マーベラスにあの人の何が分かるの？」って思っちゃうなんて、アタシ本当に嫌な子だな…）

⁇「その湿度？とやらをぶっ飛ばして差し上げますわ！」

>>95
お願いだから、アタシからトレーナーをとらないでよ……！

トレーナー「今のネイチャなら新しいトレーナーでもお金持ちでイケメンの彼氏でも引く手数多だよ」

>>97
アタシの一番はね、トレーナーさんがいいの
アタシには、トレーナーさんって言う一番しかいらないから……

……バカ。

100レスまでで既にこれとか完走したらどーなるんや

「おおっと、なにか思い悩んでいるご様子ですねネイチャさん！
解決法をお教えしましょう！ずばりバクシンです！！トレセン学園の生徒はレースが本分、走りに走れば大抵の悩みは消えるものです！さあ行きましょう、バクシーン！」

>>101
走る、か……
アタシが走れなくなっても、トレーナーさん、側に置いてくれる……？
アタシ、なんでもするよ……

トレーナー「よくネイチャと一緒にいる子、イクノディクタスさんだっけ？あの子はウマ娘だって事を差し引いても異様に顔が整ってるよね。つい見つめちゃう」

普通に応援したら除湿できる説

トレーナーさんが応援してくれてる……期待に応えなきゃ……応えなきゃ応えなきゃ……

>>105
アカン(アカン)

>>105
期待に応えないと側にいられない…絶対勝って勝ち続けないといけないトレーナーさんの一番でいなきゃ……

>>105
おなじみ、3着……
トレーナーさん、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
棄てないで棄てないで棄てないで棄てないで棄てないで棄てないで棄てないで棄てないで
待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って

ライスシャワーさんからの差し入れ


除湿機

ネイチャ重いもん…

三年連続有馬三着って普通にすごいからね？
もちろん来年も出走するんだよね？

>>111
その時にトレーナーさんはアタシの隣にいてくれる…？

ここでたっぷりと湿度を持ってくる台風くん

ごめん、最近食欲ないんだ...

酸っぱいものがすごく食べたくなるし…

（ネイチャは最近また自信を無くしているようだ……自分に何かできることはあるだろうか……）

「３レス目かそうでないか、関係なくなってきてないか、か……。
あははは、アタシ変わらないオンナなのかなー。変われない女なのかな……。」

>>103
そうだよね、イクノはアタシと違って美人だし可愛いし……
良いんだよ？　担当替えても
アタシはアタシで頑張るから

◇＜湿度でお煎餅が湿気ったんだが

「なんであんな人好きになっちゃったんだろ……」

あの人は私がいないとダメとか愚痴に見せかけたノロケを出すステークス一番人気ナイスネイチャ
アドマイヤベガ、ダイワスカーレットと接戦です

いけ！シンキングザパール！

>>122
（真珠って、結婚の象徴みたいなもんじゃん……なに考えてるのよネイチャさんってば。妙に意識しちゃうし。忘れろ忘れろ！！）

ここで後方支援として商店街のおじさん・おばさんを投入するぜ

>>124
商店街のおじさん・おばさんを投入することによりネイチャの性格が少し明るくなり、湿度も下がるZE☆
しかし！次の3の倍数のレスの時、3分の1の確率で湿度が爆上がりする可能性があるZE☆

「えっ、ネイちゃんまだトレーナーさんと付き合ってないのかい！？」
「あははー、実はそうなんデスよー」

（…………あれ？）
（これだけの時間トレーナーさんと一緒に過ごしてきたのに付き合えないのはおかしいってこと……？）
（もしかしたらトレーナーさん、私のことをなんとも思ってない？）
（何なら、トレーナーさんもう好きな人がいたりするんじゃあ……？）
（えっ、私ひとり、バカみたいに舞い上がってるだけ……？）

もう何やってもパーマー並に湿るじゃん…

でもネイチャには側で照らしてくれる太陽がいないもん…

>>128
「たはは……ネイチャさんにとって、日陰者は毎度のことさね」

ネイトレ（ネイチャは教え子ネイチャは教え子ネイチャは教え子ネイチャは教え子ネイチャは教え子ネイチャは教え子…）←滝行中
お兄ちゃん（カレンは教え子カレンは教え子カレンは教え子カレンは教え子カレンは教え子カレンは教え子……）←滝行中

ナイスネイチャさん宛のお荷物


工場直送お煎餅（20kg）

>>131
トレーナーさんや皆と一緒に食べようと思って注文したんだっけ。連絡しとこ。

>>130…………トレーナーさんのウマイン、今日は既読全然ついてないや。愛想尽かされちゃったのかな。
わかりきってるから、傷つかないよってー、背中をーそっとみてーたー……なんちゃってー、ﾊﾊﾊ…………ﾊｧ……

チアネイチャ良かった＋ネイチャに元気を出してもらいたい

その時、ふと閃いた！
今度はこっちが応援団服を着てネイチャを応援すれば元気を出してもらえるかもしれない！

（最近のネイチャは疲れてるみたいで調子も悪そうだ…ちょっとお出掛けしてくるか、たづなさんと）

>>133
「ｱｯｱｯｱｯ……」
掛かってしまっているかもしれません！
息をいれるタイミングがあればいいですが……

>>131
煎餅が餅になってカビが生えてる

>>134
これでもやる気はちゃんと上がるんだよなあ

俺はここで「ウラカワミユキ」を守備表示で召喚するぜ！

>>138
もし、ネイチャ母（？）のウラカワミユキが初恋ハンターで、幼少期のネイトレの脳を破壊していたとするなら。
もしそれをネイチャが知ったのなら、トレーナーにどういう感情を持って接するのか気になるところですね。

ネイトレさんはネイチャにかかりっきりで忙しいから恋愛してる暇ないと思うよ

>>138
「あのさ、おふくろって呼ぶのやめた方がいいと思う？」
「いやーその……さすがに年頃の娘が使うにはおじさんっぽ過ぎるかなーって……」
「え？今までそうからかわれても気にしてなかったって？なんていうか……事情が変わりまして……ハイ」

>>141
ネイトレ「ネイチャらしくていいんじゃないか？　そういえばネイチャのお母さんにもご挨拶に行かないといけないね」
ネイチャ「……ソウダネ…（いやいや！挨拶って言ってもトレーナーとしての挨拶だって！勘違いするなってのアタシ！）」

📱<あなたのトレーナーはいつ挨拶に来るのかしら

思わずスマホをぶん投げ、トレーナーさんに拾われるネイチャ。
なにやら話し込むトレーナーさんと母にやきもきするネイチャ。

📱<ちょっと話したんだけど、トレーナーさんっていい男でしょ？　もーお母さん声聞いただけでわかっちゃった
スマホを返してもらうや否や色恋沙汰に発展させる母に驚くネイチャ。
📱<押せ押せでさっさと捕まえちゃいなさいな！　アレ絶対アンタに気があるわよ！
「うにゃぁあ！？」

よし！除湿されてきたな！

ミユキ（本当にトレーナーさんがあの子を幸せにできるか私が見極めてあげなきゃ…！）

ミユキ（トレーナーさん、素敵な人だったわね……いやいや！彼はネイチャの想い人！変なこと考えちゃダメ！……でも…１回…１回くらいなら……）

いやそれ一番ダメなルート！

なんでミユキママまで湿ってきてんのよ

ミユキママはかなりの美魔女だからな

「ごめんなさいネイチャ…」

「ごめんなさい○○さん（旦那の名前）…」

ミユキさんはどっちに謝るのかな？

ｺﾞｰｯ
　　　ｺﾞｰｯ
　　　　　　　ｺﾞｰｯ

乾燥機の定期点検中

>>147
つ…ついにネイチャの湿度が他人にまで影響を及ぼすようになってやがるッ…！

ゲッケイジュ「トレーナーさんはネイチャお姉ちゃんの大事な人…でもこの気持ち抑えきれないよ…」

マベちんはマーベラスバリアーが作動しているうちは大丈夫だな

問題はカノープスだ

マチタンは作中最強メンタルなので大丈夫
ターボは情緒が子供なので逆に大丈夫
イクノは育成シナリオ楽しみだな

>>156
？？？「トレーナー、ネイチャにばっかりかまっててずるいもん……ずるい……ずるいよ……」

◇＜すまない、ここに届いているはずのお煎餅を回収しにきたんだが……（ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ

>>158
えっ？>>136のこと？

>>147
宇崎ちゃんのママみたいなこと言ってんな

『これ』はこのスレに投下しなくてはならない、という意思を感じた。

私も『これ』を投下しなくてはならないと思った。

>>147
スペのお母ちゃん「わかる」

>>141
ネイトレ（きっと誰か好きな相手が出来たんだな…微笑ましい）ﾆｺﾆｺ

>>164
クソボケがーっ

>>165
トレーナーさんのこと、悪く言わないでよ……

この前ネイトレさんと話す機会があったけど
ずっとネイチャさんの話してたよ。愛されてますねえ

>>167

(中)メロンは甘くてうちのネイチャみたいな味がする
(遊)順調じゃなかったら『監禁』！
(二)ネイチャはかわいい、食べちゃいたい
(一)ネイチャ、僕から奪われた事を一生忘れるな
(指)僕はネイチャに裸にされている
(捕)死ぬほど好きだった。オレの好きなタイプ
(右)ネイチャの気持ち考えると心が死にそう
(三)(ネイチャを)ハグするだけ
(左)ネイチャ愛してるし
代打 ネイチャはオレのこと嫌いだろうな…
代走 （ネイチャを）どう刺激していけばいいか……。
先発 オレはネイチャが好きだ！
中継 生徒一人ひとりを愛すること。それしか考えてません
抑え ネイチャはエンジェルだったんだ
監督 自分を動物に例えるとマグロ

ネイトレ「今度のイベントの勝負服はウエディングドレスモチーフか…もしネイチャの結婚式に呼んでもらったら泣いちゃいそうだな、俺」

>>168
ガッツリすな

>>169
「はー……コイツはアタシの気も知らず……」

最近蒸し暑いのに余計に湿度を上げるんじゃない

>>161
『これ』も！投げさせてもらうぜ！オラァ！

>>173
おなじみ3着〜……

もう1回！もう1回だけ…！
お願いだからチャンスをｶﾋｭｯちょうだい…！
次は絶対上手くやるから！ｾﾞﾋｯもう絶対…絶対負けないから…！
お願いだから見捨てないで……！なんでもするから！一生尽くすから…！

>>174
本当にこうなったら長期休養に入るか引退するしかないだろ

トレーニングを積んでも少しずつ衰えていく身体能力に、自分のピークはもう過ぎたんだと思い知らされると同時に、引退のことを考え始めなければならないと知るネイチャ。
引退した後、自分はどうなるのか？
人生設計でレースしか考えていなかった自分のこの先は？　トレセンを卒業して、どこかの大学に入って、その後は？
卒業するまではトレーナーさんの隣に入り浸れるかもしれない。卒業した後も自由時間の多い大学生であればOGとしてちょくちょく顔を出すことができるかもしれない。でも、その後は？
トレーナーさんと一緒にいたい。でも、社会人になってしまえば嫌でも自由時間はなくなる。トレーナーさんに会いに行く口実も考えないといけない。

トレーナーさんはこの先自分より魅力的で強いウマ娘をたくさん担当することになるだろう。そんな魅力的な子たちがトレーナーさんを好きにならない保証は？
結局G1ひとつとれなかった『名脇役』の自分より魅力的な子がトレーナーさんに本気でアプローチしたら？　勝てっこない。

だから…………！


「後輩には『乗り換え上手』のヒントあげるね。私は覚えないけど！」
「オイオイ……」

梅雨入りしたね

こんなスレ立てるせいで梅雨入り早まったじゃねえか

このスレが伸びると梅雨が来る…？

つまり除湿すれば梅雨明けが早まる？
ネイチャのツインモフモフにディス地球を仕込んでみるもん！

（梅雨入りに相合傘を想像してうにゃるネイチャ）

梅雨入りしちゃったもん…
腹いせにネイチャを曇らせるもん…

>>181
商店街で冷やかされるけどネイトレはガチでなんとも思ってないやつ

曇ったネイチャｳｯいいよね…(ﾋﾞｭﾙｯ

ナイスネイチャ本馬さんが旅立ったんだって

「やっと、やっと会えたね。またよろしくね。」

俺、曇るわ…

雨が降ってきたな……

ネイチャさん…

涙雨かな…

お前らがジメジメしてどうする……

──いかん、雨が降ってきたな

>>192
雨なんて降って...

>>193
いや、雨だよ

この雨しょっぱいな……

いつかこんな日が来ると思ってた。

けど悪い やっぱ辛えわ

ここから3レス毎に晴れていくナイスネイチャスレにしようぜ

じゃあ十分に湿気らせてから晴らしていこう。

もし、アタシがいなくなったとして、トレーナーさんが別の人を好きになったとしたら……。
恨むし、呪うよ。
ヘンだってのはわかってる。でもアタシにとっての好きって、そういうことだから。

……トレーナーさん、他のウマ娘の移り香がするよ？
他のウマ娘に盗られるくらいなら、トレーナーさんを殺して良いよね？
アタシも、すぐに後を追うから。

もう、トレーナーさんはアタシのこと、好きじゃないのかもしれないけど。
トレーナーさんの気持ちが嘘でも、惚れた男に抱かれたら、温もりが暖かいんだよ？
身体が疼いて、燃え上がって、何も考えられなくて。
また、その温もりが恋しくなって。

アタシの、心も身体も全部、トレーナーさんに捧げるから。
……ね？

やだ、こんな事したくない。
トレーナーはウマ娘とは関わってしまうものだとは分かってる。
だけどね、それを頭が理解しても、心が理解しても、
それでもドス黒い意志は溢れてくル。
いやダ、いヤダとココロが拒ンでも…
ドれだけ、トレーナーさんに抱キ潰サれてモ…
『これ』ハ、トドマルトコヲシラナイ
キットコレハ トレーナーサントケッコンシテモ…
トマラナイシ トメラレナイ



イヤ…トメタクは ナイノかも しれない

最近やたら蒸し暑いのこのスレのせいか

ネイチャ（な…なんかすごくえっちな夢だったなぁ…/// 朝練行く前にシャワー浴びなきゃ///）

寝言で色々聞こえてたけど忘れてあげることにしたマーベラスサンデー

晴れるどころか分厚い雷雲できてない？

晴れるどころか分厚い雷雲できてない？

雨が過ぎれば晴れ間が見えるさ

「アタシのトレーナーさんもいよいよチームトレーナーかぁ……
　いや、分かってるけどね。トレーナーさんももう新人じゃないし、
　なんとまあありがたいことにアタシという実績もあることですし。
　いつまでもアタシ一人の専属ってのはもったいないってね……」

「うあぁー！モヤモヤする！例の切り株で叫びでもしないとスッキリ
　しない……！でも誰にも聞かれたくないし……実際一度、よりによって
　トレーナーさんに見つかったし……うぅ～……！」

>>208
「トレーナーさんって、けっこういい男ですよねぇ。彼女とかいるのかなぁ？　ネイチャ先輩は知ってます？」
「…………へぇ、誰とも付き合ってない」
「だったら私ぃ、アプローチしちゃおっかなぁ」

ｷｯ

>>210
「おーこわ！ カノジョ面ですか先輩？」
とあっさり流すか

「ﾋｴｯ」 ｼﾞｬﾊﾞｰ
って感じで小さな水に流すか

どっちだろう？

ネイチャとモブ子ちゃんの実力差がどの程度にもよるんじゃないかな
ナイスネイチャ（UFランク）、モブ子ちゃん（Fランク）とかだったらもはやいじめ

それはそれとして、後輩を大人げなく威圧してしまったことに自己嫌悪するネイチャはかわいい

>>209
「アプローチって……アナタまだ子供デスヨネ……
　トレーナーさんは大人なんですから、何やったって相手してもらえませんよっと。
　そもそも教え子にそんな目で見られても迷惑なんじゃない？（ｽﾞｷｯ）
　そんなことより余計なこと考えずトレーニングしていい成績残した方がいいよ。
　重賞勝てる名ウマ娘になればお金持ちのイケメン彼氏選び放題だよ～（ｸﾞｻｯ）」

>>210
「えー。でもぉ、こないだ一緒に夏祭り行ったらぁ、プレゼント貰えたしぃー。
　ぜーったい、トレーナーさん、私に気があると思うんですよねぇー。
　ほら、これ。縁日でプレゼントしてもらった、ゆ・び・わ。
　おねだりしたら買ってくれたんですよー。
　まだちょっと大きいので、今はこうやってチェーン付けて首にかけているんですけど、
　これって間違いなく『君がこの指輪を嵌められるようになったら、プロポーズするよ』
　ってことですよね～。
　あっ、ところでネイチャ先輩はトレーナーさんからプレゼント貰ったことあります？
　へろへろトロフィーなんかじゃない、お金を払った、プ・レ・ゼ・ン・ト。
　えーっ！　ないんですか～。私より先にチームにいるのにぃー？
　それはごめんなさーい」

この後輩、ネイチャとトレーナーがつき合ってたとしても
「ネイチャ先輩って束縛厳しくないですか？　私ならそんなことしないのになぁ♡」
って言ってくるヤツだ……

後輩ちゃんつえーな

なんだこの悪意の塊みたいな後輩……

😷「トレーナーさ〜ん♡ ネイチャセンパイにいじめられたッス〜♡」

>>219
「お話」

>>219
カノープスからは一番遠いやつ来たな…

>>216
ウワァ…目に浮かぶようだぁ。

>>215
「……へぇ。
　アタシにわざわざそういう言い方するってことは結構本気なんだ？
　なら頑張ればいいと思うよ。ただ……
　折り紙のトロフィーをバカにしたのは許せないかな～……
　どこで聞き付けたのかは知らないけど、あれはアタシの宝物ってだけじゃない。
　自信を持てない担当ウマ娘のためにトレーナーさんが何かできることはないかって考えて、
　慣れてないのに一応ちゃんと形になるくらいまで頑張っ折ったものなんだから。
　今すぐ訂正しないとアンタのこと、トレーナーさんのことをバカにしたウマ娘って覚えるから」

トレーナー「ただいまー。おーリトルハロー！元気にしてたか？ちゃんとママの言うこと聞いてたか？偉いなー。ほら、たい焼き買ってきたぞ。
いやいや、大丈夫だろ。まだそんなに遅くないし。そりや甘いよ。俺とお母さんの娘だもん。
何赤くなってんだよ。じゃあ、あの子が寝たらやろっか？週末だし。ね、ライトハローさん。
そこで照れるなって！昔みたいでいいじゃん。ふー、ネイチャたちのレースとか考えると疲れるよ」

>>223
「ネイチャ先輩、私の話聞いてましたぁ～？
　私、折り紙のトロフィー以外に、お金のかかったプレゼントを、
　ネイチャ先輩が貰ったことがあるかどうかしか、聞いてませんよぉ～？
　折り紙トロフィーをバカにしたなんて、どこで言っているんですかぁー？
　そんな風に、人の言ったことを素直に受け取れずに、勝手に自分の中で曲解してぇー、
　しかもそれを、弱い立場の後輩に向けて当たるなんて、
　最古参の上級生としてどうなんですかねぇ～。
　トレーナーさんが、そーんな卑怯なウマ娘、好きになると思うんですかぁー？
　私に対してどうのこうのいう前にぃ～、自分の行動を見直して、
　そんな醜いことをするウマ娘を、本当にトレーナーさんが好きになるかぁ～、
　そんな醜いことをする自分が、本当にトレーナーさんにふさわしいのかぁ～、
　いっぺん、考えてみた方が良いんじゃないですかねぇー。
　トレーナーさんのことが、好きだって言うのならぁ」

この後輩ちゃんはきっとネイチャにハッパかけるために敢えて悪者になってあげてるんだ……
そうに違いない……

なんかスレの本質から遠ざかっていってないか…？
気のせいか…？

>>227
確かに本質からは遠ざかっているとは思う。けどナイスネイチャの湿度が周りに影響を与えるくらいに進化？したと考えたら、私は納得出来た。

　チームのトレーニングメニューが終了し解散後、トレーナーさんにアタシは居残りするように言いつけた。
ネイトレ「ネイチャ、あまりこういう話はしたくないんだが……君が後輩をイジメているという話を聞いた……」
　嫌な予感はしていた。でも、トレーナーさんならきっとわかってくれていると甘えていたのかもしれない。トレーナーさんの口から出てきたのはアタシを疑うような発言。
ネイチャ「そ、れは……」
　トレーナーさんに人間性を疑われてしまったことにショックを受けながらも、アタシは否定も肯定もできなかった。トレーナーさんのことを言及されて、後輩に威圧的に接していたのは事実だったから。事情があったと言えればよいのだが、その事情が事情なだけにトレーナーさんには絶対に言えない。
ネイトレ「…………心当たりがあるみたいだね。知っているとは思うが、君たちアスリートにとってメンタル面の安定は体と同じくらい重視するべき要素だ」
ネイチャ「う、ん……知って、る……」
ネイトレ「明日のミーティングで詳しく話すが、お互いのメンタルに悪影響を及ぼすなら、チームとしてはやっていけない。だから、このチームは解散することにするよ」
　トレーナーさんから突きつけられた三下り半。
　アタシは、どんな顔をしているのだろう。泣いているのだろうか、笑っているのだろうか。何も考えられないまま、気づけば布団に入って眠ってしまっていた。

　――――翌日、チームの解散が発表され、トレーナーさんは再びアタシの専属となった。

ネイチャ「…………んえ……？」

おいっすー、ナイスネイチャでーす（換気）

雨すごいけど今日も頑張ろうぜ！

風向き、変わりそうね……

天気悪いけど、元気出ろ！出せ！

「テイオーは…アタシなんかじゃ敵わないくらいキラキラの主人公でさ…」
「ﾎｺｻｷｦﾎﾞｸﾆﾑｹﾅｲﾃﾞﾖｰ」

>>208
>>229
よし、夢落ちにしよう。

――はっ、夢か。
アタシ、なんて夢をみているんだろう。勝手にトレーナーさんをチームトレーナーにして、そのあげくに後輩をいじめて。
……イヤな子、だよね。夢でまでトレーナーさんを独占したいなんて。
あの後輩の行動は、アタシの願望だ。
もっと、夏祭りとかデートしたい。指輪とか貰いたい。
そして、どんなことをしても、トレーナーさんを独り占めしたい。
さらに、夢の中の後輩は、アタシの醜いところをあますところなく指摘してきた。
そんなことは、わかってる。でも、
「トレーナーさん、アタシを愛してくれなくても良いから、アタシがトレーナーさんを愛することは許して……」
こんな醜いアタシを知ったら、きっとトレーナーさんに拒絶されてしまう。
恐怖に、布団をかぶって、ただシクシクと泣くことしかできなかった。

うわぁ！
せっかくネイトレがネイチャ専属トレに戻って風向き変わったと思ったのに湿気が！湿気が！

溢れる文才で>>229書いた人はどこ行ったんだよ！！

>>237
>>229は死んだ、もういない！
除湿するためにさらに夢オチにして記憶を消し飛ばそう。

なんかひどい夢を見た気がするからトレーナーにひっつきたくなるけど、そのムーブ重いんじゃないかと自問自答して結局服の裾をつまむネイチャ。

>>238
おい、これなんか重くなる前兆みたいになってねぇか？

意を決してトレーナーにひっつこうとするんだけど何故かトレーナーからはライトハローさんと同じシャンプーの香りがするんだよね…

>>239
女の子は多少ぽっちゃりしてる方がかわいいっていうし、ヘーキヘーキ

正直カフェの†血に飢えた猟犬†バージョンと初期ネイチャのままのウマ娘も見てみたい

服の裾を摘まむと、いつもとは違う柔軟剤の香りがした。
「トレーナーさん、柔軟剤替えたの？」
「ああ、安売りしてたから」
そこに、練習用のコースにまで顔を出してくるライトハローさん。同じ柔軟剤の香り。
「トレーナーさん、打ち合わせの時間ですよ」
「あれ、そうでしたっけ？」
おかしい。二人からするシャンプーの匂いまで同じだ。……もしかして、一緒に泊まったのだろうか。
アタシがそんなことを知っているとは露知らず、２人は腕時計を眺めている。
「ライトハローさん、１時間間違えていますよ？」
「あ、あれ、そうでしたっけ。あはは……」
ふと、気が付いた。２人の腕時計のメーカー、同じとこのだ。これはもしかして、ペアルック？
一緒に泊まって、ペアルックなんて、もう負けたも同然じゃない……。
じわり、と目じりに涙が浮かんでしまう。アタシ、きっと棄てられてしまうんだろう。
そのあとの練習は、全然身が入らなかった。

ネイチャ「あ、トレーナーさん。袖のボタン取れかかってるよ」
ネイトレ「本当だ、よく気付いたなあ」
ネイチャ「（服の裾つまもうとしたら気付いたなんて言えない）そ、そんな時は〜？ほい、ソーイングキット〜♪」
ネイトレ「ありがとう、つけてみるよ」
ネイチャ「は？」
ネイトレ「えっ？」
ネイチャ「自分でやるとシャツ脱がないといけないじゃん？それに絶対アタシの方が器用だし……（折り紙的に考えて）こういう時はネイチャさんお願いします、でしょ？」

温泉後のネイチャならこれくらいできるぞ！

マーベラス⭐︎(除湿)

>>245
ネイチャ「いいよね、アンタは悩みとかなさそうで……………………ゴメン、ヤなこと言った……」

だめだ！除湿してもすぐ湿度が上がる！
パールさんとウララも呼んでこい！

>>244
「ねえ、この服、何かトレーナーさんの好みっぽくないよね？　何かあった？」
「ああ、こないだ、ライトハローさんとお出かけした時にさ、彼女がコーディネートしてくれたんだ。どう？　似合ってる？」
「……そっか。うん、似合ってると思うよ」
沈んだ心を押し殺すように、取れかけたボタンを、ギュッと結ぶ。
「あはは、ありがとう。ネイチャにそう言ってもらえるなら安心だな」
「それにしても隅に置けませんな～。うりうり。もしかして、デートだったり？」
つらい気持ちを隠すように、おどけて見せると。
「――そう、だな。デートだって、ライトハローさんも思っていてくれたら良いな」
少しだけ、遠い目をして。頬を染めながらそんなことを言う、トレーナーさん。
――アタシの、トレーナーさんへのこの気持ちは、どこにしまえば良いんだろう……。

練習に身が入らないまま、ついにゲート練習で勝負服のスカートをどこかにひっかけて盛大に転倒してしまった。
血相変えて駆け寄ってくるトレーナーさん。私の身体をいたわる様にいろんなところに触れてくれるトレーナーさん。
アタシは心配や迷惑をかけてしまった申し訳なさを覚えつつも、それらを塗りつぶしてしまうほどの昏い悦びに体を震わせる。

…………今回は練習だったが、もしこれが、大舞台で起きたら？　ちょっと転んだでは済まないケガを負ったら？
トレーナーさんはもっと私を見てくれるんじゃないか？
真剣勝負を投げ捨てるような、トレーナーさんも応援してくれる全てのファンすら裏切るどうしようもない思考が浮かび上がり、自己嫌悪に陥る。
ああ、なんてどうしようもない、恥知らずで浅ましい女。

「ヒッヒッヒ……ワルウララだよ。浅ましいと思うならいっそ奪ってしまえばいいんだよ！　恋愛なんて最終的に隣に立っていた者の勝利なんだよ！」
「えっ誰！？」
「だからえっとねー、サッサとトレーナーと手を繋いでデートとか、ちゅーすればいいと思うよ！」
「えぇ……」

途中まで官能小説みたいだったのに急にワルウララが現れて笑った

ヤツを責めることはできまい。
ウララちゃんで除湿するように持ちかけたのは俺たちだ。

>>249
「ちゅ、ちゅーって……さ、流石に無理無理っ！
　手を繋いでデートなら、勇気を出せばまだ……！」

とまで考えたところで、「デートはいつもしてるもんな」と商店街の人の声が頭の中で聞こえてくる。
何度もデートデート言われ過ぎたせいだ……へへ。

異性と付き合うにあたって、最も強固で高い壁が「手をつなぐこと」だそうです。
ここを乗り切れば案外あとは流れでいくところまで行けてしまうのだとか。
俺DTだから知らんけど。

「手をつなぐ、かぁ……」
自分の手をじっと見る。
トレーニングで転んで付いた擦り傷、トレーナーさんにお弁当を作ってあげたときにやっちゃった切り傷、トレーナーさんにお茶を淹れたときの火傷痕……etc
お世辞にも、綺麗な手とは言えない。
「きっと、トレーナーさんは、綺麗な手の娘の方が好きだよね……」
先日まで、ジューンブライドイベントをしていたこともあって。
トレーナーさんと、綺麗な手の誰かと結婚披露宴をしている姿が、容易に目に浮かぶ。
いつの間にか、瞳から涙が一筋、流れていた。

>>254
まずい、『綺麗な手』というワードと「ナイスネイチャ」（3位の確率が高い）が交わると某吉良吉影さんしか浮かばない…。

>>255
デッドマンズQの世界に帰れ

うわなんだこのスレ深海じゃねーか

ネイチャ！　海行くもん！

ね〜いいでしょ〜ネイチャのトレーナーもネイチャがいいなら行くって言ってるもん！

ターボ聞いたもん！
男の人はみんなエッチだもん！

だからきっとネイチャのトレーナー、ネイチャの水着姿が見たいって言ってたもん！たぶん

そこはたぶんなのか

>>261
だったら直接聞いてみるもん！
ネイチャのトレーナー！　ネイチャの水着見たいもん？　ネイチャの水着見たくてここに誘いに来たもん？

たづな「トレーナーさん、ちょっと理事長室へお越しいただけますか＾＾」

「どどど、どうしよう……」
トレーナーさんが、怒ったたづなさんに連れて行かれてしまった。
悪い想像ばかりが膨らむ。
「もしかして、アタシがあんなこと言ったせいで懲戒免職とか――」
考えるだけで真っ青になる。
「ネイチャ、大丈夫だもん。気にしなくて良いもん」
ターボがなんとか元気づけようとしてくれるが、心には届かない。
――決めた。
トレーナーさんが懲戒免職になったら、アタシもトレセンを辞める。
責任を取って、トレーナーさんを養ってあげるんだ。
……でも、どうやって？　アタシみたいな中途半端なウマ娘にできることと言えば。
――身体を、売るしかないんだろうか。
ううん、トレーナーさんのためなら、何でもする。
でも、一番最初だけは、トレーナーさんに身も心もトロトロにされて、抱かれたいな……。

なんだこの業の深いスレ

乾燥機の結界があるアヤベ部屋以外浸水してない？

除湿しろというレス、
湿気らせるレス、
湿気ってると見せかけて除湿方向に向かわせるレス、
みんなちがってみんないい

>>267
URAはこの活動を支援しています。

UEネイチャができたらどうなってしまうんだか

実際卒業したら会う機会なくなるしネイトレさんは次の子を担当するんだけどその辺どう思ってるんだろうネイチャ

>>266
눈　눈　布団乾燥機を盲信してはだめよ

>>270
>>176で言及されてたね。
OGとして乗り換え上手を教えにくるよ。

――――あ、トレーナーさん。お疲れさまでーす
…ん？　これ？　うん、見てのとおりの人魚姫
賢さトレーニングのためのビデオはって？
あはは、後でちゃんと見るからまあ堅いことは言いっこなしで
…あのさ、今でこそ王子と結ばれるけど人魚姫って元々恋は実らなかったって…ううん――――なんでもない、なんでもないってば
ただウマ娘なんて物がいるくらいなんだし、人魚姫だってもしかしたらどこかにいるんじゃないかなーって、ネイチャさん思ったわけですよ。…トレーニングもそれくらいマジメにーって、ハイハイトレーナーさんはこれから打ち合わせでしょ油売ってないでさっさと行く
――――…人魚姫、か
声を取られて全てをなげうっても、結局恋も実らず泡になって同じ世界を生きることも叶わない
ねえ、トレーナーさんはもしアタシが走れなくなっても、ライブが出来なくなっても、泡になって消えるアタシを海の底で抱きしめてくれるかな――――？

>>273
ﾈｲﾁｬｶﾞｵﾓｲﾖｰ

学生寮が水没する...

メインブースターがイカれただと！？

>>273
うお…急にすげえ水圧…
駿河トラフかな?

推古中
かわいい子には水没させよ

アタシにはあの人の背中を押す事しかできなかった

レースと恋愛は似ているってなんか誰かが言ってた気がするけど、アタシはそうじゃないと思う
勿論両方とも勝つには努力が必要で――――トレーナーさんの隣にいるためにはやっぱり腐っている暇すらなくて。でも結局選ばれたのはアタシじゃなくて、それどころかアタシは勝負の舞台にすら立たせて貰えなかったんだから
酷い話だよね、アタシが走る事を選んでなかったらトレーナーさんと出会ってすらいなかったのに、もう少しアタシが早く生まれていれば――――なんてあの人は言い訳すらさせてくれなかったのに
トレーナーさんがあの人を見る横顔、あんなん見ちゃったら、マヤノじゃないけどわかっちゃったって言うしかないじゃん――――！

言ってよ、だったら言ってよ、いくら捻くれててもこちとら思春期の女子なんだよ
多感な年ごろがバレンタインの時に期待しなかった訳ないじゃん！
勇気を出さなかったわけないじゃん…！

あの日、三年目の節目が終わってアタシはあの人に紹介された。
いつもトレーニングで使ってた神社の石段の上、この時間に誰も来ない事はアタシとトレーナーさんの間では常識だったはずなのに、珍しく来たその人がトレーナーさんと結婚するんだなんて言われた時、沈んだ西日が妙に綺麗だったことを覚えてる

でもそんな話があったどころか隣に立ってるあの人の存在すらアタシは知りもしなかった
順位は三番でも一番努力したのはアタシだと思ってたし、だってトレーナーさんの時間のほぼ全てをアタシは独占して浪費していたんだから
実際はそう思ってただけだったんだから笑っちゃうよね、笑っちゃう

夜が来るまで嬉々としてあの人が話してたトレーナーさんとの思い出はどこか別の話のようで耳に入らなかったけど当のトレーナーさんは少し離れたところで、URAを優勝したアタシの取材対応に追われてて、ネイチャさんの事を話しながらアタシを見てないその声だけは素直に耳に入った

誰もいない神社の石段の上は空が近くて、星が綺麗で、嘲る様なその月だけがアタシを見ていて――――ふと気が付いたら、あの人の顔がアタシを覗いててさ
そんなに険しい顔してたかなって言うネイチャさんを心配そうに撫でながら――――うん、きっとアタシにも祝福してほしかったんだよね、アタシより年上なのに、アタシよりあどけなさの残る顔でキラキラしちゃっててさ
そのキラキラはアタシにない物で、ターフで見飽きた位にぶつかった主人公の色にそっくりだった
違うのはたった一つ、アタシがその光に戦いを挑めるかどうかって事だけ
テイオーにすら最後は宣戦布告だってできたのに、比べ物にならない細い腕や頼りない足
努力の影もないそれに負けたんだって、嫌でもたどり着かざるを得なかった

下に広がる階段の先はもう真っ暗で、トレーナーさんはもう声だけしかわからない
全部を一瞬で失ったアタシには…あの人の背中を押す事しかできなかった…

女の子ってさ、貰われていくからーって訳じゃないけど自分の名字とか
特にあたしらウマ娘はさらによくわからないことになってるみたいだし、ナイスネイチャの名字ってどこよ…たはは…
でもそんなアタシらも、惚れた男と一緒の墓にはいるってのは名字よりなんとなく近いって言うか、感覚的にわかりやすいって言うか
うん、まあ――――アタシは結局見てることしか出来なかったんだけどさ
でもお墓って、どこもかしこも似たような作りで、どこもかしこも――――不用心だと思う
あんなただの野ざらしにされた石なんかウマ娘の力なら無理矢理こじ開けて納骨堂から誰かを取ってくるなんて簡単じゃん

えーと、まあ…何が言いたいかって言うと…さ
まあまあアタシは長生きするつもりなんで
トレーナーさんが先に逝ったら今度こそアタシの物になっちゃってよね

☀️⏰

>>197
皆さんこれを忘れてませんか？

随分水没したし、まずは海底からの引き揚げからだ！

今日もじめじめしてるけど頑張ろうぜー！

チアガールみたいな新しい勝負服で
トレーナーさんにフレーフレーなんて言っててもフレッシュな新しいアタシなんてどこにもいないし
あの人を振れなんて思ってるアタシは結局振られるのがお似合いって事かなーたははー…

スレを水没させた奴
許せねえな…許せねえよ…

>>282
これが底ってことでいいよな？マリアナ海溝だよこんなん

せっかくのトレーナーさんとのお出かけの日
それなのにアタシはよりにもよってアタシ自身に裏切られてしまった
誰のせいでもないけれど女の子ならほとんどが直面する、あの日とお出掛けが重なった結果
ネイチャさんのデート日和は最悪で
――――そんな体で、アタシはトレーナーさんを裏切ってしまった
ゴメンねトレーナーさん、アタシずるい女だよね
知ってたんだ、アタシの周期とこの日が重なるって、だからデート中今どんな状態かちゃんとわかってて、きっとこのあとどうなるかもわかってて、それでも黙ってた
でもいざ教え子がボロボロになって、男性が普段嗅がないような錆び臭いような臭いが鼻をついたはずなのに、嫌な顔ひとつしないでくれたよね
アタシが普段見せない顔に感化されたのか、お腹を擦り続けてくれたよね
床に垂れたアタシの血もハンカチで拭き取ってくれて…
トレーナーさんにもきっと鮮烈にアタシが女だってことが刷り込まれたはずだよね？
アタシの体のサイズや肉の張りの隅々まで調べたことに別の意味を見いだしてしまったはずだよね？
――――諦めないよ、絶対に逃がさない
アタシの全部を見たんだから、トレーナーさんだってアタシに全部ちょうだいよ

よし海水から引き揚げたな！　真水に漬けるぞ！

ネイチャが婚約のためにつけてた指輪が
洗い物とか水仕事とかのダメージとかで
ばっきりわれて曇っちゃうあの話好きだったなー
けどいいシチュ先超されちゃったなあーって悔しさもある

ここで深海ネイチャ書いてる奴暗い方の中島みゆき好きそう

アタシは人に乗り換え上手教えられるけど、アタシ自身は覚えられないんだよね……たはは……。
諦め悪いから、覚悟してよね！
「まだ子供だから」って断ったのを後悔させてやるんだから！

>>281
背中を押すって慣用句みたいな物だよね？
まさか物理じゃないよね？

おいっすー、ナイスネイチャでーす✨😊✨

よーし、だいぶカラッとしてきたな

>>296
どちらに受け取っても意味が通るから芸術性が高いと言える

そうじゃん・・・奪えば一着じゃん・・・！

そう　かんけいないね
○してでも　うばいとる👈
ゆずってくれ　たのむ！！

あんた、他のウマ娘の気持ち
考えたことが一度もないわけ？

できれば、トレーナー契約が終わった後も一緒にいたいなー……なんて……。
そ、そんなに悪い話じゃないと思いマスヨ……？ ネイチャさん、こう見えてけっこう家庭的で、近くに置いとくとなにかと便利……だし。
えっと、だからその……えっと、あの……す、好き、デス。付き合って、ください……。


YES OR NO?
>

よし、解答を保留しよう！

明日は暑いらしいから気をつけようぜ！

水も滴るいいウマ娘、ってね・・・へくちっ！

確かに、あたしは雨の中で
タイヤ引きやらされたけど

まだ若干湿ってるか…？
よし、キングを放て！応援パワーでなんとかしてくれる！

>>308
キングはいいよね〜…キラキラしてて

😭「私を巻き込まないでよ〜！」

そのキラキラ、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでいいんだ。
アタシにちょうだい？

☀️「おいっすー、コギャルネイチャでーす」

トレーナーさんや、暇ならちょいとネイチャさんの尻尾の手入れを手伝ってくれませんかね？
ほほーう、さすがに手馴れてらっしゃるよいぞよいぞー
ところで、さトレーナーさんはウマ娘の尻尾についてどれくらい知ってる？
うん、そうだねレースで体のバランスをとるとかは知ってるよね。
じゃあ昔はウマ娘の尻尾で楽器が作られてたって…知ってたかー
じゃあ…例えば――――ううん、やっぱなんでもない、ないってば、なーいですって
……トレーナーさんにはいえないよね、例えばお正月の時羽根つき勝負で負けまくったトレーナーさんの顔に塗った墨、もっと言えば筆の方
あの筆先はアタシの尻尾の毛で――――砂や風を受ける外側じゃなく裏側で一番ふさふさした上等な部分、そうそう男の人に見せる部分じゃない所で作られたアタシの分身でトレーナーさんを汚して
後は例えば――――今トレーナーさんが着ているシャツの上から3番目、トレーナーさんの心臓に一番近いボタンを留めている他とはちょっと毛色の違う茶色い糸とか、
一番近くであなたの鼓動を感じたいからって湿っぽい事言う訳じゃないけど、さ。
アタシだっておまじないに頼ってみたい気はあるし、テイオーなんてもっと巧妙にやってるし
だから――――騙されているフリでいいから、気づかないままでいて、ね？

＞テイオーなんてもっと巧妙にやってるし
テイオー……？　お前、いったい何を……？

ウマ娘は毒やマヒに強い？
…誰から聞いたのそんなの、イクノあたり？　…グラス？　ふーん、仲のよろしい事でー
担当ほっといて他の子にご執心ですかー？　ネイチャさん拗ねちゃうぞー？
なーんてね、うん、たぶんグラスの言うとおりだと思うけど…実際どう強いのか試すわけにもいかないし、…まさか服毒しろって言う話でもないでしょ？
まあ――――アタシもウマ娘でよかったなーって思う時はあるけど
え？　心当たりあるのかって？　まあそりゃあアタシだって女の子デスカラ？
秘密のヒトツやフタツ？　…アリマスケド？　ダーメ、言えないから秘密って言うんだから、言いませーん
ふふ、あのね――――トレーナーさんこの前、梅こぶ茶飲んで腹痛起こしたでしょ。あれたぶんアタシが飲んでても特に病害起こさなかったんじゃないかな――――って
ううん、そんな類じゃなく、起こさなかったって断言できちゃうんだよね。だってあれアタシ用の……もっと言えばウマ娘だから耐えられる類の毒物だし
何より――――アタシ飲むのはあれが初めてじゃないし、さ
トレーナーさんは紅茶キノコって知ってるかなー？

紅茶キノコは紅茶か緑茶に砂糖を加えて酢酸菌で発酵させた飲み物なんだって、微炭酸で酸味があるのが特徴でなんならアルコールも入ってるからアタシじゃ飲めないんだよね
でその紅茶キノコの事をアメリカではコンブチャって言う事もあるんだって、笑っちゃうよね。昆布なんて欠片も入ってないのに
まあ、その名前から発想を得て梅こぶ茶にキノコを入れて飲むってことしてたんだけど
そのキノコがちょっと曲者で、この前トレーナーさん寮で天井の配管が爆発して水とまらない事件合ったでしょ、そのあとトレーナーさんの部屋の掃除してたらさ、押し入れあたりで見つけたんだ。湿気がたまってたんだろうね
まあ勿論食用には適さないよね、普通は。たはは…でそれを寒天培地で増やして――――そりゃあネイチャさんだって生えてたのそのまま口に入れるのはさすがに怖いし、株分けしたクローンみたいなものだったら平気かなーって、ちょっと好奇心に負けて飲んでみたのよ
で、ウマ娘は毒に強いって話に戻るわけなんだけど…きっとトレーナーさんはなんでそんなことをって思うんだろうなー、トレーナーさんの部屋にしかも布団入れる押入れに生えてたってことは少なからずトレーナーさんの生活を見てたんでしょ？
そりゃあ飲みますよ、ネイチャさんだって乙女だもの
あの日はごめんね、まさかトレーナーさんのじゃなくてアタシ用の間違ってとっちゃうとは思わなくてさー、でもトレーナーさんアタシを怒る事はせずに変な味だから飲まない方がいいって言ってくれたし、飲んだのが俺でよかったーってネイチャが腹痛にならずに良かったって言ってくれてさ、うれしかったなー、うれしかったよ。自分の事よりアタシの事気にかけてくれてて
でももうあんな間違いはしないようにしなきゃ、勘付かれたら元も子もない
あー、そういえばそろそろあの子が部屋に帰ってくるんだっけ、言い訳どうしようかなー

もういいや
貼っちまえ

はい、本日はわたくしナイスネイチャの生前葬にお越しいただき誠にありがとうございます――――まあそんなに畏まらなくても生前葬ってフランクな服装でいい所もあるみたいだし気軽に飲んで駄弁っちゃっててよ
そもそも生前葬、アタシが引退する際に何かやりたいなー、できれば内輪でとかいう頓珍漢な質問に対して、まさかトレーナーさんがもっと頓珍漢な答えを返してくるとは思わなくて、でも話を聞いてみればまあ納得って感じでさ
生前葬とは、本人が生きているうちに行う葬儀のことで、宗教儀式を行うことはまれで、多くはお世話になった人への感謝の気持ちを示すために行われます――――
まあ要は最後の一文を理解してればいいってことだって、ネイチャさん理解しました
商店街の人を呼んでさ、軽食でもつまみながらネイチャさんの挨拶やらスピーチ聞いてもらって

アタシはそんなお金かかる様な事とも思ったけど、理事長に相談したら一番金がかかる場所と、軽食ケータリング諸々を手配してくれたんだけど、ちゃっかりしてるね、あの人。商店街の人伝いだから安く抑えた上に勿論代金は商店街当てだからそっちに還元までしてる
そんなこんなで日にちを決めて、そんなこんなで恙なく進んで
お疲れ様、頑張った、拍手とかが巻き起こってて、アタシは嬉しさとか恥ずかしさとかとかよりどこか他人ごとに近い、どこか遠くから見るようなそんな感情だったわ
ともかくこれでアタシの競技人生は終わりで、明日からは普通の女の子
そして競技に人生を捧げたアタシは周りに花束を敷かれた棺の中でゆっくりと息を引き取り、トレーナーさんが棺を開けてアタシを生き返らせ第二の人生へと送る……いやこれ考えたの誰よ、和風白雪姫か？　ああ、外で商店街の方がいい反応してるわ。お前らか、考えたらそっちの方がやりそうだわ、ノリノリで。わざわざ人三人は余裕で入りそうなでかい棺こさえちゃって、ああ――――ちょっと眩しいけど棺が開いていくわ

あれ？　そういえば生き返らせるって具体的に何するの？　アタシの手を取って起こすだけ？
…いやいやいやちょっとちょとちょとちょっと、トレーナーさん何抱きとめようとしてるの。……あー、そう。そんなことしちゃうんだ、罪な男だねー
じゃあアタシだってちょっと意地悪しちゃうからね、引き上げようとしたトレーナーさんの手を逆にひっぱってそのまま暗ーい棺の中へごあんなーい…
尻尾を巻きつけて、トレーナーさんの腕をアタシの腕で抑えて足を絡みつけて動くこともできないトレーナーさんにそろそろ出棺でーす、このままだと火にくべられちゃうね。なーんて囁いてみれば
あはは、焦ってる。心臓の鼓動でわかるよ、闇の中だと見えないからその分よーく聞こえるよ。生前葬だから火にくべられるわけないのに、
もしもトレーナーさんがアタシを女の子としてみてくれてこの鼓動に少しでも密着している事の気恥ずかしさでもあったらな…なんてそういうこと言えたらネイチャさんこんな捻くれませーん――――ぜーんぶトレーナーさんの所為で、ぜーんぶアタシの所為。
商店街の皆はぜーんぶアタシたちの共犯に巻き込まれただけ
でも――――それでもいいのかもね
トレーナーさんにこの先ネイチャさんと添い遂げて生きてほしいなんて言わないし、ううん言えないから、さ
せめてこの二人分の闇の中では、アタシと一緒に、死んでよ？

まだまだ湿気通り越して水圧感じるな……

湿気を晴らそうなどとその気になっていたおまえらの姿はお笑いだったぜ

ぐらい言われてもいいなこれ

なんだまた水位g

お煎餅が湿気で柔らかすぎるんだが……（ｸﾞﾆｭｸﾞﾆｭ）

トレーナーの首に赤いアザができているのを見つけたネイチャ
「あの、トレーナーさん……首のそれ……もしかしてキ、キｓ……」
「ん……？　うわ、ほんとだ。虫に刺されたかな？」
「～～～～ッ！」
この後めちゃくちゃ白くべたつくお薬を塗りたくった。

こんなSS書ける奴が辺境の掃き溜めにいていいのか

これ999レス目をとりあえずの最大値とした場合どのくらいの湿度になるんです？

ネイチャ「（不慮の事故で亡くなったトレーナーの遺体を食べながら）体の中に大事にしまっとくよ？そしたらいつも一緒だもん」

今日も暑いけど頑張ろうぜ！

>>326
>>281がピークだよ

「あっつー」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ…
「…………！ …………。…………」
「ネイチャのトレーナー、胸元緩めて扇いでるネイチャをガン見してるもん！えっちなんだー！」
「うにゃにゃ！？」

マーベラス！
マーベラス空間でなんとかしてくれ！

してもどうせ沈むぞ
諦めろ
責任を持って沈める

3が3つ……。
ネイチャって3に縁があるよねー。
レースでネイチャが三着。レースの下着を三着。トレーナーさんの家に参着……。

ねー、ネイチャの年齢ってみんなの中でいくつくらい？
使いたいから教えてー
私は中3くらいで14、15くらいで育成はじめと思ってるけど

大体それくらいじゃない？

マーベラスが怪我してたらネイマベ部屋って凄い湿度になるのでは…？

湿度で壁や床材も腐ってそう


白アリ「最初は快適だったのに、今じゃ生活も成り立たない程度に酷いです。こんな物件は解体されてください」

(布団乾燥機置く俺...)

(シリカゲルも一緒におく俺...)

いやー、夏の日差しが恋しいねえ

>>336
下の階の部屋のウマ娘A「晴れてるのに雨漏りがする」
同室のウマ娘B「年中結露してる」

>>341
部屋ごと砂漠に送ろう

>>342
ミサイルでもたき火にくべてみるかい？

ネイチャは七夕何かお願い事したもん？

スレを晴らそうとするバカちんがいなくなりますように

>>345
なんでや！そろそろちょーーーっとくらいは晴らしてもええやろ！

>>346
なんでお前さんは湿気を晴らすんだ
しかもこれほど…住みやすく私に優しくしてくれたスレから
周りは知らぬ振りをしているようだが私が許せぬ
これから深海へ行く

トレーニングが終わったその日に、アタシは見てはならない物を見てしまった
アタシとトレーナーさんに割り当てられている部屋ヒトツ、たった数畳のその中に一つ電話が鳴りまして、アタシじゃないってことは必然的にトレーナーさんのだろうね
番号は知らない人から、訝しげにもしもしと言ったトレーナーさんが、電話から聞こえた甘ったるい声を聴いた途端表情が変わっていく事にアタシは何も言えなかったな
だって、トレーナーさんのあんな顔――――…アタシは見た事がなかったんだから…
トレーナーさんは少し席を外し――――まあアタシに聞かせたくないってことなんだろうねー、アタシが子供だっていうのとトレーナーさんのプライベートにかかわる話ってのもあるんだろうね、ところがぎっちょんトレーナーさんはウマ娘の聴力とアタシの性格をご存じでないようで、まあ……聞くよね、うん、当然ね。

で、どうやらトレーナーさんにかけてきた人は昔の恋人だったみたいで――――トレーナーさんの声の感情を聴く限り、わざわざトレーナーさんの知らない番号からかけてくるあたり、さっきの状況を見る限り、その人がトレーナーさんに対してどれだけの手ひどい裏切りをしたのか容易に想像がついたよ、傷はアタシが想像するよりはるかに深いだろうに、トラウマになってもおかしくなさそうなそれでも、ナイスネイチャって言うウマ娘に出会って担当してくれたのには、三年間を一緒に歩いてきてくれたのにはもう感謝しかない
だけどその三年の締めくくり、待ち望んだG1、有馬記念で優勝した後のインタビューが全国区になったせいでトレーナーさんの顔まで出てきてしまったようで、まるで本来お前には下賜されるはずの無かった分不相応な栄誉を得た――――そんな埋め合わせとして不幸がトレーナーさんに降りかかってきてしまったみたいな、そんなもやもやをアタシは胸に宿していた

でも――――その話を聞いてアタシの心の中に最初に堕ちてきたのは
最低だという女の不義を糾弾する怒りでも
可哀そうというトレーナーさんへの憐憫でもなく
ただどこまでも純粋なずるいなって言う嫉妬だった
あの女はトレーナーさんをあそこまで手ひどく裏切った分際で未だに傷跡としてトレーナーさんの特別――――それを席巻しているんだっていう悔しさがアタシの中に潮が満ちるようにせりあがってきて
あの女、あの女はトレーナーさんをあそこまで手ひどく裏切った分際で、あんな顔をされる。それが当然の様に――――
トレーナーさんは、ううん……トレーナーさんだってひどいよ
アタシはあんな今にも首を縊って殺しそうな顔をトレーナーさんに向けてもらった事なんてない――――……吐くような嫌な気持ちでいっぱいになったトレーナーさんの顔は普段は見せない特別を見せてもらえたみたいで、アタシは羨ましかったんだって気が付いた

愛されて、逆に声色までですら憎まれて、もう一度裏返ったら毛の先まで愛される
ああ、だからか――――結局アタシもあの女と同じなんだ、あの女はきっとどこかでトレーナーさんが隠していた嫌な部分を見てしまって、今のアタシとおんなじようなことを考えたんだろうってことにたどり着いた時、あの女の罪がアタシの影になった
確かに許される事ではないけれども、ネイチャさんには否定しきる事も出来なくて
あの女はどこまで自分の身を汚したんだろう、あの女はどこまで先が見えてたんだろう
今の今まで連絡をよこさなかったってことは、トレーナーさん側も電話番号を変えたり居場所を秘匿してたり……まあともかく、関係を断って姿をくらませたって言うのが普通だと思う。その点はあの女にメリットもないから、逆に言えば予測の範囲外だってことだろう――――そしてその範囲外から、牡丹餅が落ちてきた、と
まあ……トレーナーさんが誰にも見せない顔を全部見せてくれるなら、そりゃあ女としての最上の幸せだわね、たはは……はーあ、我ながらめんどくさい所に気が付いちゃったなあ……

今、まあネイチャさんはどちらかと言えばいい子で、でもそれだけ。愛されてはいないけど少なくとも嫌われてはいない、友愛や親愛、形はまだ幼いけど両方とも合いが含まれている絆で結ばれてる、まあだからって感じなんだけど
――――さーて、それがひっくり返るほどにひどい事ってアタシは何ができるだろ
トレーナーさんに失望されて、罵倒されて、顔も声も聞きたくなくなるようなことって何ができるだろ、そしてその全てが欺瞞で誤解の先にアタシは潔白だったなんてトレーナーさんが知ったら、どんな顔をしてくれるんだろ
大丈夫だよトレーナーさん
アタシはあの女みたいに道半ばで失敗なんてしないから
あの女より早く、嫌われて
あの女より深く、もう一度絆を結んで見せるから――――
だから、折ってくれたこのトロフィーは……さ、……ごめんね？

手持ちもう一個いっとくか
本当は対抗札だけど

ウマ娘は毒やマヒに強い？
…誰から聞いたのそんなの、イクノあたり？　…グラス？　ふーん、仲のよろしい事でー
担当ほっといて他の子にご執心ですかー？　ネイチャさん拗ねちゃうぞー？
なーんてね、うん、たぶんグラスの言うとおりだと思うけど…実際どう強いのか試すわけにもいかないし、…まさか服毒しろって言う話でもないでしょ？
まあ――――アタシもウマ娘でよかったなーって思う時はあるけど
え？　心当たりあるのかって？　まあそりゃあアタシだって女の子デスカラ？
秘密のヒトツやフタツ？　…アリマスケド？　ダーメ、言えないから秘密って言うんだから、言いませーん
ふふ、あのね――――毒と薬の境ってなんだと思う？
人の、まあウマ娘の体に善になるのが薬で、その逆が毒って？
うーん、まあそれも一つの意見だよね、でも保健室の先生が言ってたんだけど実際毒と薬って結局のところ使用量に因るんだって、少量を使うから薬で、多量は毒になるってことだと思うよ、毒にも薬にもならないって聞いたことある？

だからウマ娘は毒が効きにくい事はメリットになるけど、薬も効きにくいデメリットを背中合わせに持っててさ、麻酔には苦労するらしいよ。あと風邪引いた時とか薬より体温上げて抵抗力や基礎体力で無理矢理治す方が一般的らしいし、ウマ娘に対しての治療においてはそのほとんどが外科的な側面に依る傾向があるんだって。なんか論文書けそうだね、あーあと麻酔は薬より針の方が効きが良い子もいるらしくて、実際笹針なんか人間相手に行わないでしょ？　人は薬で十分なんだから
……んー？　まだわからないかあ、トレーナーさんは察しがワルイデスヨネー？
ましっかり考えてくださいなー、もうそろそろ門限だからアタシは失礼しますよー
はー……まだわからないかあ――――あのね、女の子が使う薬がさ、あと一個あるでしょ？　アタシが重賞レースの少し前から必ず飲んでるピルって言うんだっけ？　レース直前に生理になったらそりゃあ勝負どころじゃないから、薬で一時的に止めてレースに集中できるようにっていうあれで学園から配られてるあれだけど、まあ男の人からしたら一般的に避妊薬だわね。トレーナーさんに生理なんてこないし、来ててもトレーナーさんならなんか軽そうってイメージあるわ
テイオーとイクノは症状がすっごく重い方なんだけど、なんか想像つくって言うか、……わかるでしょ？

まあそれはともかくとして、避妊薬。まあそれも例外なく効きが悪かったみたいで、さ……ふふ――――もう18週目だって、3ヶ月くらいかな？
多分だけど女の子。きっとだけどウマ娘
まだまだ気が付かないふりを続けて、あ――――…でもアタシさっき秘密のヒトツやフタツ？　…アリマスケド？　なーんて言っちゃったなあ……
少し浮かれすぎちゃったかも、でもウマ娘とぴょいするとき外科的なゴムじゃなく薬に頼ったトレーナーさんが甘かったってことだから、
たしかにまあピル飲んでるから大丈夫なんて言っちゃったネイチャさんもネイチャさんだけど、今ここに至るまで全く気にもしてなかったトレーナーさんにも結構非があるよね？
恨むなら自分の知識不足と、あの日ホイホイついてって結局一服盛られちゃった自分の浅はかさを恨んで、ね――――？

湿度出力1000%だもん...

クソローテ組んでﾀﾋ産させなきゃ…

ネイチャの湿度はね、両片思いでこそ最も輝くのだという持論があってな……。
ぴょいまで達したり、他の女にお先に失礼を完遂されたりするのは、なんというかこう、生々しすぎて……。

>>359
だがそれが良い！だから気に入った。

>>359
でも私の担当フクキタルだし…

実ぴょいまで行くとなんか違うよね……

わかる。年の差があるから映える愛みたいな


てなわけでトレーナーさんや、ネイチャさんお手製の塩唐揚げで一杯どうです？ なんちゃって・・・

ネイチャは泣き上戸なイメージするんだが？

両思いだけど立場とか年齢差があってどちらからも積極的に出れないっていうのが根底にあって欲しくて、その中で日常の出来事で一喜一憂して欲しいんだよね…

ネイチャがトレーナーの好みを探るために初恋の人を聞いてみたらネイチャ母の名前が飛び出してきて気まずくなるネイチャから摂取できる栄養素が存在すると思います。
「初恋かあ、たぶんネイチャは知らないだろうけど、ウマ娘の『○○さん（ネイチャ母）』だね。偶然テレビつけた時にレース見て、その1回以降全然見てないんだけど妙に惹かれてさあ。そういやトレーナー目指したのもその人がきっかけでね。懐かしいなあ……」
「あ、ハイ、ご存じナイデス（めっちゃ知ってる）」

ここからネイチャは初恋の人に似ている自分の容姿はアドバンテージと考えるも、初恋の人の娘がアプローチしてくる状況ってハッキリ言ってどうなのよって頭を悩ませるんだ……。

「顔はけっこう似てる。体は……これからに期待？」
「中身……お袋みたいに落ち着いた大人じゃないし……」
「歳の差……お袋のが近い」
「うわこれ、アタシよりお袋がアプローチかけた方が成功率高いよね……」

この流れ見覚えあるな……
ネイチャのおふくろさんが独身だから想像しやすいのがな……

>>368
>>138〜>>151の流れが再発するとは…このリハクの目を待ってしても（略）

ネイチャはうにゃうにゃ混乱しながらミユキさんに恋の相談するんだ……。
旦那をどうやって射止めたのかとか、歳の差はどう思うのとか聞いちゃうんだ……。
そしてミユキさんが「あらあらまあまあ！」って感じで目を輝かせてネイチャを着飾らせてデートに送り出すんだ……。
「なんなら連れ帰ってきてもいいのよ！」とか言ってネイチャをさらにうにゃらせるんだ……。

ネイトレ「ネイチャのお母さん、綺麗な人だな（他意はない）」

第四十八話：チョイス・ジ・アルティメイタム

カフェとロブロイを呑み込み、本来の能力を発揮できるようになった静皇サンデー。その力はとどまるところを知らず、彼の放つオーラは時間も、空間も、感情さえも“沈黙”させ、世界の持つパワーが失われていく。メジロレンジャーの力の源たるウマソウルも例外ではなく、変身することが出来なくなってしまう。その最中、静皇サンデーは、マックイーン以外の五人を停滞光線で封じ込めるとある要求してきた

『マックイーン、余の物となれ。そうすれば世界と、汝の仲間は助けよう』
『・・・その言葉に嘘はありませんわね？ では、この身を貴方に捧げます・・・』

究極の選択を迫られたマックイーンが選んだのは、自分を犠牲にすることだった。クレストチェンジャーを投げ捨て、目の前にかしずく姿を見て満足したのか。静皇サンデーは彼女を伴いサイレンティアへと戻っていく
果たしてマックイーンの運命は！？ 戦え、絢嵐戦隊メジロレンジャー！！

メジロレンジャーが湿度を晴らしに来てくれたぞ！

頼んだぞ！メジイエローパーマー！

晴らすメントはやめようね

アキネイチャーいいアイデアだねえ
こういう発想ができるようになりたかったなあ

晴らすメントとかパワーワードすぎる

>>375
なんか語感が良いなぁ、晴らすメントって

正直このスレがこのしっとりとした環境のまま
書き込みが無くなって誰からも忘れ去られたまま
ageられていくスレや新しく建てられたスレの底に埋もれて
ひっそりと落ちる事もなく死蝋のように存在し続けるのも
私だけがそれを覚えていてたまーに眺めるのもそれはそれでWABISABIだと思ったりする


するけどまあそれはそれとして環境少し進めましょうか

ウマ娘には、それぞれ勝負服と言う物が配られます
その勝負服は、ウマ娘全ての誇りと覚悟が詰まっています
ナイスネイチャという一人のウマ娘にとってもそれは当然の事でした
ところがある日、過度なトレーニングの影響か、重度の故障を起こしたアタシ――――もといナイスネイチャというウマ娘は長い休養に入ってしまいます
同期の活躍や、チームの隆盛をしり目にただひとりリハビリと向き合う日々でした
心無い誹謗や中傷、トレーナーはかばってくれましたがそれでもそのすべてを塞げるほど彼も強くはなく
やがてジュニア期も過ぎ、クラシック期にも間に合わず心が半ば折れてしまったナイスネイチャには到底、シニア機で円熟した実力の同期や下から上がってくる成長著しい全盛期の後輩を相手取り戦い抜く様な炎は残されていませんでした
結局ナイスネイチャというウマ娘は公式の舞台でその勝負服に袖を通すことなく引退を喫しました。痩せ細った体はかつて見た理想には程遠く、それを示すように最後に久方ぶりに通した勝負服の袖や胴回りは所々が彼女の丈から外れておりました
ある世界では、きっと立派に戦い抜き或いはかのG1ですら冠を戴くこともあったでしょうか、それができなくともせめて顔を上げて己に恥じぬ走りを芝に刻みつけられたでしょうか
されど、この世界ではテイオーの余光すら浴びる事もなく
後援してくれた商店街の面々に顔向けもできず、
ただ腐りきった性根と張りの無い脚と共に、なさけない彼女はひっそりと学園を逃げ出しました
めでたしめでたし

――――なーんて、ね
終わっちゃったね、トレーナーさんもお疲れ様、いやー三年間だよ。
思春期の女の子の三年間、遊びに恋にかまけたりもできたもう二度と帰ってこないアタシの大切な大切な人生の一部、……終わっちゃった。
はあーあ、トレーナーさんもお勤めご苦労様でーす。ところで、さ。
アタシの三年間、トレーナーさんはそれだけの時間を捻じ曲げた自分のしたことの重さって当然わかってるよね…――――？
あはは、土下座なんてしないでよ。別に怒ってるわけじゃないんだから、さ
――――いやいやほんとだって、顔上げてよ
だって怒ったってもうしょうがないでしょー、アタシは結局どこまで行っても主役どこから脇役にすらおこがましい醜態だったんだから、さ
きっと誰にも好かれなかったし、彼氏や恋人なんて考える暇もなかったし、え？　それは違うって？
何言ってるの、当初は保健室にたくさん来てくれた人たちだって、もうほとんど来てないじゃん、たとえ来たとしても両手で足りない日数を経て、ようやく片手で数えられるくらいしか来てくれないじゃん。これで好かれてるとかいうのはちょっと違うんじゃないですかねーとネイチャさん思うんだけどー
――――……ふーん、そこまで責任感じてくれてるんだ……じゃあ、さ
これからトレーナーさんの人生を節目節目で少しずつアタシが貰っていくけど、良いってことだよね？

じゃあさ…うん…――――さっそくだけど、トレーナーさんってさ彼女いたよね――――結婚間近の、可愛い人。アタシにも優しかったし、未だにウマ娘でもないのにわざわざ面会予約取って保健室に来てくれるその人。
――――うん、じゃあ別れて
あれ……聞こえなかったかな、その人と別れて、方法は任せるから
あはは、なんて顔してんの。うーん、それが嫌なら確か高齢の親御さんがいたよね？　何年後になるかは知らないけどその親御さんの死に目に会いに行くのを禁止します――――でもいいよ、トレーナーさんはどっちにする？
イイじゃん恋人なんて、親なんて。だってトレーナーさんのこれからにアタシ以外いる？
まあ少なくともあと数十年位はアタシだけ見ていてよって話ね
――――今度こそ、アタシだけ見ててよって話ね。でなきゃ、今度は怪我するのはアタシだけじゃないからね？
はーい、じゃあ約束の証としてトレーナーさんの左薬指にネイチャさんの歯形を残しまーす。ちょっと痛いかもしれないけど、ちゃーんと残る傷にしなきゃダメだからさ
少しだけ我慢してよね
はい――――できた、ちょっと血が滲んじゃったね。あはは、ごめんごめん
でもこれからよろしくね、トレーナーさん？
ああ、呼び方も変えなくっちゃね
これからよろしくね？　アタシの運命の人――――……

ジャブレベルでも二つ合わせればジャブジャブに……なーれ…

ウマ娘は毒やマヒに強い？
…誰から聞いたのそんなの、イクノあたり？　…グラス？　ふーん、仲のよろしい事でー
担当ほっといて他の子にご執心ですかー？　ネイチャさん拗ねちゃうぞー？
なーんてね、うん、たぶんグラスの言うとおりだと思うけど…実際どう強いのか試すわけにもいかないし、…まさか服毒しろって言う話でもないでしょ？
まあ――――アタシもウマ娘でよかったなーって思う時はあるけど
え？　心当たりあるのかって？　まあそりゃあアタシだって女の子デスカラ？
秘密のヒトツやフタツ？　…アリマスケド？　ダーメ、言えないから秘密って言うんだから、言いませーん
ふふ、あのね――――毒と薬の境ってなんだと思う？
人の、まあウマ娘の体に善になるのが薬で、その逆が毒って？
うーん、まあそれも一つの意見だよね、でも保健室の先生が言ってたんだけど実際毒と薬って結局のところ使用量に因るんだって、少量を使うから薬で、多量は毒になるってことだと思うよ、毒にも薬にもならないって聞いたことある？
だからウマ娘は毒が効きにくい事はメリットになるけど、薬も効きにくいデメリットを背中合わせに持っててさ、麻酔には苦労するらしいよ。あと風邪引いた時とか薬より体温上げて抵抗力や基礎体力で無理矢理治す方が一般的らしいし、ウマ娘に対しての治療においてはそのほとんどが外科的な側面に依る傾向があるんだって。なんか論文書けそうだね、あーあと麻酔は薬より針の方が効きが良い子もいるらしくて、実際笹針なんか人間相手に行わないでしょ？　人は薬で十分なんだから
……んー？　まだわからないかあ、トレーナーさんは察しがワルイデスヨネー？
ううん、察しが悪いふりしてるけど――――アタシが言いたいこと本当はわかってるんじゃない

――――秘密って言えば、さ
話は変わるけどアタシ、トレーナーさんのしたこと知ってるんだ……よね。女の子の秘密なんてものより比べ物にならない秘密、トレーナーさんアタシに内緒で……持ってるよね？
何のことかって、……ふーん――――しらばっくれるんだ……先日アタシと戦ったあのウマ娘、レース後に行った検査で協会が定めた禁止薬物が検出されて、結局一位から降着どころかトゥインクルシリーズ追放寸前までいったあの子。うん覚えてるよ、相当ショッキングな出来事で学園内にも広がる程衝撃だったから、さ
だけど、それってさ……トレーナーさんの仕業――――なんでしょ？
……よく考えられてるよね、毒が効きにくいってことは薬も効きにくいってこととほぼイコールで結ばれて、薬物つまりドーピングをしても生半可な薬じゃウマ娘の身体能力なんかほとんど上がらない、上がらない――――けど、尿検査でもなんでもすれば、ドーピングをした事実……だけは明るみに出る事になる、相当騒がれるけどアタシは商店街って言うバックが付いているし、いざとなったらかくまってもらえるだろうって言う判断かな
もしナイスネイチャが実力でレースに勝てば、それで話は終わり二位以下がドーピングしようとばれようとそれはそれで美談になる――――真正面から不正を打ち破ったウマ娘って言う冠が付いてね、だってトレーナーさんがアタシに禁止薬物盛る理由がないもん

仮にアタシが二番手でも三番手でも順位が上の子がスキャンダル晒して、あわよくばレースの世界から永久追放――――レースに出ない以上、ナイスネイチャって言うウマ娘はその某子に二度と負ける機会がない、つまりは目の上の瘤を永遠に見なくて済むことになる
恐らく控室の水に何か入れたのかな、レースの後はどうしても水分と塩分が不足するからね。ウイニングライブ前にはどうしたって多く取りたいよね
ウマ娘にしてみれば自分の担当トレーナーが差し入れてくれたものだとしか思わないし
担当トレーナーがいない子が重賞になんか上がれるはずもない……か…
――――トレーナーさん……どうしたのさ、俯いちゃって。下らない与太話だって笑い飛ばしてよ、結局は証拠の無い話だよ？　ただ一つ、トレーナーさんはアタシに嘘なんかつかないって言ってくれればアタシだって謝るし、この話はここで終わりだよ――――？
そう……言ってくれないんだ――――何でそんなことしたの……――――トレーナーさんはアタシの勝利を少なくとも信じてくれるものだと思ってた、アタシと一緒に負けた後に悔しさを分かち合ってくれるものだと思ってた
でも、違ったんだね。陽性結果に混乱して膝からあの子が崩れ落ちた時のトレーナーさんの顔、笑ってたよ？
――――アタシが見たことないくらい、綺麗な笑顔してた

その事誰かに言ったかって、勿論言わないよ、でも言っとくけど言えないんじゃない、アタシが誰にも言わないんだ
だって言ったとしてどうなるの、トレーナーさんが下手人だとしてもアタシは不正を暴いたウマ娘としてそれを顧みられず善意の三者として大々的にヒーローみたいに報じられるのは目に見えてる、学園だってこれ以上のスキャンダルは避けたいだろうしね
でも、それって罰ではないでしょ？　アタシには新しいトレーナーさんが付く、そしてそれでおしまい――――被害者が納得できる要素があったら教えてほしいな
きっと、さアタシたちはもう走る事に関わっちゃいけないんだよトレーナーさんや
これから、アタシは引退してもう二度と走らない。トレーナーさんが不正を働いてまで輝かせたかった娘はもう永遠にくすんだままで、人々の記憶から消えるまでの緩やかな死を過ごしていくだけ――――ん、トレーナーさんは嫌？　アタシだってまだレースの世界に未練はあるけど、そもそも嫌じゃなきゃ罰にならないじゃないのさー
アタシたちは結局もうウマ娘の歴史にはなりえないんだから、どこか海の見える場所で――――気が向いたら勝手に入水しちゃいそうな、お互いを監視するような生活をしようよ

トレーナーさん、こういう言い方はどうかと思うけどさ
あなたにはアタシの足以外、この人生でもなんでも差し上げます
だからアタシと一緒に、海の底で歴史にもならずに朽ち果ててくださいな

いいねあったら押したい
かわいそうなネイチャはかわいそうだけど読んでしまう

かわいそうはかわいい

わりと君らひどいこというよね
かわいそうが良いって
信じられないもん！

>>388
>>389
わたしは
かわいそうなのはちょっと無理。
ルドルフ会長もウマ娘全員の幸せを願っていますし。
ま、最終的に報われさえすれば途中ちょっとキツい展開があってもいいですけどね。
んー、最終行に何書くか思い浮かばなかった……

>>369
そういえばこのミユキさんの流れは終わったのか？（爆弾投下）

「おふくろとトレーナーさん、なんかアタシそっちのけで話し込んじゃってる……」
「なんかいい感じになってるし、もしこのままだったらアタシの入る隙間……ないよなあ」
「たはは……ネイチャさんといえど、所詮ガキんちょってことですな……」

>>393
何だろう…自分が蒔いた種（>>392）とはいえ、この軽い文だけでも何か背筋が凍るくらいの嫌な予感がする…。

そろそろ晴れネイチャが見たいと思うが俺の実力ではーーーーの人に対抗できるものが書ける気がしない

ネイチャだぜ
もうすぐ梅雨が明けるぜ
アタシはげんきだぜ

ksk

>>396
よう、かまきりネイチャ

>>395
晴れネイチャってどんな感じになるんだろうか？
正直トレーナーとくっついてもふとした拍子に不安にかられて湿気る予感がするのよね……。
ミラ子トレみたいに「君が最強！」とか言って褒め殺しをぶつけて湿気る間もないくらいうにゃうにゃさせてる感じかな？

>>399
一緒に時間を過ごす中でふと思う「ああ、やっぱ好きだなぁ…」って瞬間なのかな

>>400
なんとなく家事一緒にしてる中ネイチャを突然呼び止めて。
「何？」って怪訝な顔してるネイチャに「好きだよ」って伝えて
「あー……うん、アタシも、好きだよ……///」
ってなる感じとか？

なおこの後「うわ、はっず！　今のなし、ナシでお願いします！」とうにゃうにゃしながら取り消すのだ。

お、環境変える気か？

>>402
やべえ、戦争（クリーク）が起こる。

戦争はダメだ、戦争はいけない
だからみんなで手を取り合って高めよう
level of humidity

>>403
クリーク（小川）が発生するほどに湿度を高めるってのか！？
これでは人が住めなくなってしまう！

住めるように適応しろ
しなきゃ死ぬだけだ

トレーナーさんがウチの実家に遊びに来た時に弟とお絵描きで遊んでくれて弟から「お兄ちゃんにあげる」って描いた絵をプレゼントされると
「ありがとう！嬉しいよ」って弟の頭をわしゃわしゃって撫でて受け取ったんだよね
その後しばらくしてトレーナーさんの部屋にお邪魔した時に「なんか前来た時と違うな」って思ったら弟の絵がきちんと額に入れて飾られててさ…やっぱりトレーナーさんっていい人なんだなって……

(エアコン切って湿度マシマシにする俺……)

「この額縁、ミユキさんと一緒に選んでな。いやあ子供ができたらこんな感じなのかなあ」
はにかみながらしみじみと話すトレーナーさん。
アタシが知らない間におふくろとお出かけしていたらしい。
「トレーナーさんが子持ち？　いやー、まだまだ早いっしょ！」
じくじくと傷む胸に気づかれないように、アタシはなんでもないかのように返す。
そうだ。なんでもない、はずだ。たかが買い物の1回なんだから……。

ウマ娘ﾑしゅう正画像はこチら！今ダけ！無.料.サ.ン.プ.ル.公.開.中.！.
pixivの画像ページのURLの数字を↓に変えてね！
109966920
109967079
109967015

面倒だ、そんなにアクセスが欲しければこのスレに湿気もおいてけ
使えねーなこの盆暗

耳には感情が出やすい。それはウマ娘だけじゃなく、ヒトもおんなじ。
そりゃピコピコ動いたり、引き絞ったりわかりやすいものではないけれど。
あたしが「うちの家族とも仲良くしてもらっちゃって……あっ！あたしの外堀埋める為だったり？」って言うと、「いやいや！そんなんじゃないって！」ってトレーナーさんは慌てて否定した。
あたしは内心「そりゃそうだよね」って落ち込んでたんだけど、たまたま目に入ったんだ、トレーナーさんの真っ赤になった耳が。
それに気付いたら口から出掛けた「なんちゃって」ってゴマカシの言葉は引っ込んで、あたしの顔も全力でレースを走り切った後みたいに熱を帯びていた。

弾数は四発
よくないねー
これで対抗できるかな…

アタシも四年目、シニア級もこれからが本番と気合を入れ直していたところ。とある噂を耳にした。
「⚪︎⚪︎先輩、担当契約解除だって、シニア級の子ばっかりのチームに移籍するらしいよ」
「え？△△先輩もそうじゃなかったっけ？やっぱ本格化の終わりが見えてくると本格化ど真ん中の子と自分比べて居づらくなっちゃうのかもね……私もそうなりそうだもんわかるよ」
……他にも最初の三年間の子にかかりっきりで四年目以降の子は見てもらえる時間がほとんどなくなったり、寧ろトレーナーの方から移籍を勧められるケースまであると聞いた。
えっ？そうなの！？こういうのってチームのお姉さんみたいな立ち位置になれるもんなんじゃないの！？って思ったけど……それも成績次第らしい。ネイチャさんは……結構よくやってるから大丈夫かな？
そもそもトレーナーさんがチームを持つって決めた時、アタシだけ見てほしい（自分のトレーナーさんに対してこんなこと考えてるウマ娘なんてアタシぐらいのもんだよね……はあ……）のをグッと我慢して賛成したのに、その上他の子を優先されるなんて耐えられないかも……
「トレーナーさんの一着は、誰にも譲らないから……！」
「ネイチャ？どうしたの？」
「えっ！あはは……聞こえてた？なんでもないなんでもない！おやすみ〜！」

ネイチャとの「最初の3年間」を乗り越えた俺はいよいよチームを持てることとなった。
出世してうれしいかうれしくないかで言われれば、まあうれしいのだが、苦労も多い。
多数の少女を導かねばならないというのは単に責任の重大さが人数分増えただけにとどまらない。1人ににかけられる時間も人数割で減少してしまうのだ。
ネイチャ1人のことだけを考えていればよかった以前と違い、試行錯誤する日々。人手が足らずにネイチャに頼ることも多くなってしまう……。
これではいけない。トレーニングで実力を伸ばすのがトレーナーの仕事のはずなのに。担当ウマ娘を事務員のように扱うような今の状況はトレーナー失格だろう。
ネイチャはこんなものじゃない。もっと輝けるはずなのだ。ネイチャの走りを一番身近で見てきた俺は確信している。
要するに、今の俺ではネイチャの真の実力を引き出せていないのだ。
走りだけじゃない。中等部から高等部に上がったネイチャは幼さが少しずつ消え、女性的な魅力を日々増している。ダンスレッスンをもっとよく見てやることができればより多くのファンを魅了できるはずなのだ。

…………ネイチャにはチームの移籍を勧めた方がいいのかもしれない……。

>>415
よりにもよってルビトレ因子を継承しちゃったよ…

まあもうチアガール衣装も何も着たネイチャさんですからね、何着させられてももう構いませんけどね――――なんて言ってたのが、つい数日前
そんな言葉がアタシの手ひどい後悔に変わったのが四月、ファン感謝祭の今日でした
今年は何やらされるんだろうと半ば諦観と共に身構えていたアタシは、ただ走るだけという内容に少し拍子抜けを覚えながらも、そのあとにやって来たどことなーく見た事のある、少しくたびれた跡のある勝負服を見て、手のひらを返さざるを得ませんでしたとさー……あはは、うん、これってさ……やっちゃダメなやつでしょ
今年のファン感謝祭は、出場するウマ娘がそれぞれの親の勝負服を着て走る、つまりアタシのおふくろの勝負服を渡されてそれを着る事を強制させられたのでしたー……とかいうね、いや誰が考えたのよ……
昔見た、おふくろの箪笥の肥やしになってたオリジナルはもう一番近い筈の記憶でもおぼろげだけどまあレースの映像とか残ってそうだもんね、勿論親と体格が同じなら手直しして流用すればいい話だけど、当然違う子もいるからそれを個々のサイズに合わせつつ競技人数分集めてたってのにはまあちょっと引くけどさ、とにもかくにもレースというよりは、まあかけっこに近い形で勝負服を綺麗に見せる走り方をされて、うん、後から考えてもこれが間違いだった――――なんて言いたくなかったな……

感謝祭でもアタシはまあまあ輝いていた、……なーんて自分で思うのはちょっと自惚れすぎかな。帰ってきたアタシを見たトレーナーさんの眼の色、始まりはその違和感だった。いつもその奥にあるはずの光が、アタシを違う色で射抜いてから――――その日から、トレーナーさんの歯車はちょっとずつ狂い始めていった
感謝祭から少し経ってアタシがトレーナー室に行ったとき、彼は古い映像のビデオを熱心に眺めてて、でもどの子に執心しているかはすぐに分かった
だって、アタシがこの前着たのと同じ色合いの勝負服が走ってんだもん
それも――――アタシとは似つかぬような脚質――――ナイスネイチャがデバフを撒いて相手の得意なスタイルに持ち込ませない上で隙を見て後ろから抜き去る戦い方だとするなら、あっちはアタシがあこがれた自分の実力で真正面からぶつかる逃げに近いスタイルだったわけで――――見たくなくとも見えちゃう訳で、さ
何かアタシの走りに生かせる部分がないか、そういう建前を持ってトレーナーさんは画面の中のウマ娘をアタシに貼りつけようとした。その目はアタシに向ける目と同じような、少しだけ画面の中に方が熱を持ってたような……そこでアタシが何か言ってればなんていう奴は何にもわかってない、この状況ですでにアタシは覚悟の無いままでトレーナーさんどころかおふくろの影とも戦って反抗しなきゃならなかったんだから
否定するだけなら簡単だったよ、だけどそれでトレーナーさんが納得して考えを曲げるのとはまた別でしょ

それから、トレーニングの質が段々と変わっていった。確かにタイムも縮んで速くはなったけど、それと比例するかのように、おふくろの影が濃く――――暦と月を経て夜が早くなるにつれて、影の帳も、アタシがアタシでいる時間が――――日が短くなっていく
そして彼――――トレーナーさんの言葉の端々に、もっとおふくろみたいに、とかそれじゃあおふくろには届かないぞとか、そんな意味の言葉が枕として出てくるようになった。戦績は少なくともアタシの方が上だと思うんだけど、ウイニングライブの輝きや人を惹きつける魅力というのはアタシはまだ伸びしろがあるらしく、眉唾物の話をそれでもすがる様に信じて前に進んだのは――――アタシの精神は体力以上に削れ切っていたけど、それでも前に進めたのは――――少なくとも……あの人――――トレーナーさんはアタシだけの物だって確信しているからだったんだと思う
だっておふくろは既に引退して、アタシにはアタシだけじゃなくおふくろの影も張り付いた、言うなれば二人分の執着が向けられているんだもん。周りのウマ娘の目なんか知るもんかと、歪でもこれがアタシたちの意地だと、血反吐を吐くかのような辛酸を熱に、心の内に一本でも柱があるならば耐えられると言い聞かせながら、アタシは甘んじて受け続けた
筋肉の張りや質が、気が付けばアタシの勝負服よりもおふくろの勝負服になじんでくるような錯覚にまで陥ると――――錯覚だと、少なくともアタシ自身が思ってなきゃナイスネイチャって言うウマ娘は今度こそ壊れてしまいそうだったから、そこについては深く考えなかった。おふくろとアタシの脚質は、違うはずなのに、ね――――
だからあの日、アタシはトレーナー……あの人をおふくろに会わせるべきじゃあなかったんだなあ、アタシっていつもはずれを引いてばっかり――――今回は特大のそれだったけどさ

アタシの本格化の時期が過ぎてきて、実力も下降の一途に足をかけようとした時。おふくろが電話を入れてきて、あれよあれよと話が進み今度顔を合わせる事になったのね
おふくろはあの人の手腕をほめた上で、こんなにいいトレーナーが付いているこの子は幸せですって――――アタシも少し前までなら確信を持って首を縦に振ったかもしれないんだけど、さ。今はその言葉が、おふくろの時代に彼がおふくろについていてくれてたならなあ――――なんて意味に、捉えざるを得なくなっちゃうところまで来ててさ、弟が不思議そうな目でアタシを見てたのにも、純粋な分アタシの考えてること全部わかっちゃったのかもねって……さ――――
ギリギリで一銭を保ってたアタシが割れ切ってしまったのは、そんなトレー……彼の最後通告
ネイチャはあなたの分まで輝かせますって言う一言が――――そこでアタシは潰れちゃった、ああこの人はもうアタシなんかじゃなく過去に消えた光の残滓を追いかけているだけなんだって、精神だけトラックに吹っ飛ばされたような衝撃。足から力が無くなりそうな感覚とでも言おうかな、アタシの走る理由がそこで死んだ――――うん、これがしっくりくるかも
そしてその光芒に今を輝いていたはずのアタシは負けたって言う事実が、悪意がない分、夜の闇はアタシから全ての光を奪っていったに等しかった
涙をこらえたアタシの代わりに弟が泣き始めて、気づいたおふくろがそれにかかりっきりになった事で話は一時中断からの解散でしたけど、おふくろの方も何となくきな臭い空気に気が付いてたのかな、アタシの表情がどうだったかはアタシ自身判らないけど、多分笑えてはいなかったんでしょーね……はは、アタシダメなお姉ちゃんだわ……
どうやら天気もその日はあいにくの曇りで、星の輝きは全て厚い雲で覆われてて、なんなら夜の半ばに雨が降ったそうだ――――トレ……ううん、もういいや

あの人は気づいてるのかな？　あなたがナイスネイチャよりおふくろの事を多く口にするようになってから反比例するようにアタシがいつからかトレーナーさんって呼ばなくなった事、あの人、彼、呼び方は様々だけど剥がれ落ちた心ってさ、もう二度と治らないわけ
次の日にアタシは本格化の時期が過ぎて能力が下がり始めている事と、遠からずレースの舞台から退くことを、確固たる意志として伝えてそのままトレーナー室を後にした
最後に背中越しに見た彼は頭を抱えているようで、薄々彼自身も気が付いていたんだろうね。それ以上何も言う事はなかったし、きっとアタシはあなたの経験になるに過ぎないウマ娘だったってことなのかな、じゃあせめて永遠に忘れる事が無いようにずっとずっと後悔してほしい。あなたは二人をおって、結局どちらも輝かせきることのできなかった愚かなトレーナー、信頼を失って、時間を無為にさせた……何てアタシたちを尋常じゃない目で見てた周りのウマ娘たちに言われちゃうのかな
輝きよりも、誹謗や中傷を勝負服にした真逆の色でしかあなたの中に残れないと考えればそれはそれで悲しいけど、それでも――――三年間を振り返れば最後以外は悪くなかったよ
だから最後に呼ばせてもらうね、ありがとうトレーナーさん
でもアタシが一番うれしかったのは重賞を取った時でも、自分に自信が持てた時でもなくあなたから貰ったヘロヘロのトロフィーが一番うれしかったよ――――

>>415
これくらいのギリギリ取り返しのつきそうなすれ違いが一番好き

>>421
なんというか…最後にこうやって優しさみたいなのが見えると更に心が重くなるゥゥ…

「最近すっかりおふくろと仲良くなっちゃって、ネイチャさんさみしいぞー…………な、なんちゃって」
「あ、いや、構ってほしいとかそういうんじゃなくて、別にヤキモチとかじゃないし、てかおふくろにヤキモチってどういう状況よ」
「…………いや、構ってほしくないとは言って、ないし……」

「そういえば男の人ってさ、やっぱりおふくろみたいなオトナの女性ーって感じの人が好きなの？」
「いやほら、その、えっと、よくあるじゃないデスカ、人妻や未亡人といい感じになってうんたらかんたら的なドラマとか……そういう、えっ……ちな、ビデオとか……」
「…………トレーナーさん基準からしたらアタシはまだ子供？　ほら、初めて会った時は中等部だったけど、もう高等部卒業も見えてくる歳ですし、出るとこもちょこーっと出てきてますし、大人っぽくはなってるかなーって……」
「教えることがなくなるまでは子供、かあ……教え『子』だからって。言葉遊びかいっ！」
「トレーナーさんはネイチャさんの純情をもてあそぶいけない人です。反省なさいっ」
「あはは、まあ、アタシが引退する頃には大人の色気でトレーナーさんを悩殺しちゃうんだから、覚悟しておいてよね」

いつからだろう、数少ない湿度の少ない小説があっても素直に喜べなくなったのは
いつからだろう、湿度少なめの小説がいつ起爆するかわからない爆弾のタイマーのようにに感じるようになったのは
…いつからだろう、『あれ』が近づいている事に恐怖を感じるが、それと同時に少しの好奇心を感じるようになったのは

晴れネイチャ？
よくわかんないっピけど
二人とも楽しそうだっピ！

ボクも混ぜてほしいっピよ～

トレーナーさんと歩み続けた3年間の集大成としてトレーナーさんが掲げる育成目標の最終地点、ナイスネイチャというウマ娘の悲願でもあったG1有馬記念を制して、すっかり折るのが上手くなったトロフィーがまたアタシの部屋にひとつ増えた
でもアタシが考える以上にG1を勝つというのはすごい事だったらしく、勝った当人のアタシよりも興奮した目を隠さない、これまで見た事のないくらい上機嫌のトレーナーさんは何かアタシの望みを叶えてくれるらしい
ただ公序良俗に即する範囲で――――という文言はまあそれとして、ジェネリックなランプの魔神を手に入れたアタシが、有馬記念バナイスネイチャがトレーナーに望むこと……とは…デス…ネ……？
もしもテイオーやマヤノだったらトレーナーさんをくれだとか、まあ……マイルドにしてデートしてくれとか直接的にぶっこむんだろうけど――――というか、アタシの目の端でいちゃつくんじゃないよまったく。無自覚にアタシの勝利をかすませてくれちゃってさあ、こういう所は絶対アタシはかなわないって思うなあ
それでも視線を前にして、まだ整わない息をそれでも必死で抑えて、収まらない動悸と喧噪のなかでふと、アタシが思いついたのは笹針だった

とはいえ、あの不審者には悪いけど実際笹針自体をやろうとするわけじゃなくて、アタシが思い出したのは笹針を打つ前や打った直後のトレーナーさんの顔。どうしても忘れられなかったあの名状しがたい期待や猜疑、安堵の入り混じった顔
アタシが――――今まで見た事のない色のトレーナーさんの顔
あの時呑み込んだ言葉が、お腹の中で凝って気が緩んだ途端最悪の形で出てきたような、喧噪に熱せられたせいで最悪の形で背中を押された様な、あの時のアタシは考えるより先に手を伸ばすしかなかったんだ
ともかく――――じゃあってことで、ネイチャさんはトレーナーさんにピアスの穴をあけてもらえるようにお願いしたのね
あ、言い方がまずかったかなー。これじゃピアスを開けるのがトレーナーさんかネイチャさんかの意味で両方にとられちゃうかなーって思ってたけど、まあそれはおいおい話せばいいよね
何でそんな事――――まあトレーナーさんが怪訝な顔するのもわかるよ、アタシだって明確な理由があったわけじゃないし、どうしてそんなことを最初に思ったのかは正直今考えてもわからないかな。強いて言うなら、ナイスネイチャから剥がれ落ちた乙女心の断面がアタシ自身知らなかった輝きを持っていたって感じで、トレーナーさんだって自分の望みって全部自覚しているわけじゃないでしょ？

だけど、うーんまあ建前としてはたまーにつるませてもらってるギャルたちからそういう話題になった……っていう感じで……ごめん！　ヘリオス…パーマー…
でもそれでトレーナーさんは一応納得――――って眉根を寄せてはいたけどそういう形に落ち着いたし道具はあるのかどうか聞かれたアタシは首を横に振った。その日はそういう事で落ち着いたんだけど後日、道具は信頼できるところから手に入れた方がいいと最も信頼できるであろう大人に丸投げたアタシに、トレーナーさんが持ってきたのはアタシが知っているピアッサー……じゃなくて見た事もないニードルってタイプのそれだった
名の通り一見すれば細い笹針、……いや注射針だこれ。どうやらそっちの方が先が鋭利で、言うなれば細胞をつぶして穴をあけるピアッサーより注射針と同じつくりのニードルの方が体にとっての負担が少ないらしい。まったく調べるのが早いというか、ネイチャさん思わずソウナンダ……って言おうとしちゃったよ
で、まあ――――それを渡して帰ろうとしたんだろうけど、アタシが望んでいるのはそういう事じゃないんだなあー、ていうか言ったよね、ネイチャさんはトレーナーさんにピアスの穴をあけてほしいってアタシが自分で開けるんじゃ意味ないのよ、トレーナーさんには悪いけど

アタシは右耳の耳カバーを外して、トレーナーさんに投げて、背中に当たって――――
去りかけた背中がもう一度アタシの方に向いて、怪訝なその顔に向かって
アタシの体にトレーナーさんの手でピアス穴をあけてほしいと念を押すように頼んだんだ
その時のアタシの体に這いずった背徳感に後押しされた様な恍惚と言ったら、ねえ……――――あと少し気を抜いたら、だらしない顔で失禁しちゃいそうだったな
トレーナーさんはアタシの震えを抑えるように真一文字に結ばれた唇が、肯定の言葉で少し緩んだのを気づいたかな、うーん気づいてないだろうな、視線が揺れまくってたもん
怖気づいた様子で短く息を飲みこんだ後、意を決したように歩いてきてくれたよね。
一回だけだぞと念を押すトレーナーさんの手は強張って異常な熱がこもってて、じっとりを汗ばんでいて。それに負けず劣らずのアタシ、普段隠してる部分に触れられて気恥ずかしさで紅潮したアタシの耳や体が、それでも熱いって断ずるくらいなんだもん。熱を持った吐息が耳に当たってアタシの方も時折反射みたいにピクピクと動かしたりしたけど、父親とは違う本物の男の人の指で無理矢理に動きを抑えられて、そこでまたアタシはウマ娘の裏にある女――――その情念に爪を立てられたような心地がした。
……本当は人間がウマ娘にかなう訳ないんだけどね、だからこその逆転現象、ナイスネイチャはトレーナーさんの恣意、強いにされてうれしいですなんて――――いえないでしょ？
ああ、アタシはこの人に今から大事な女の子の体に傷つけられちゃうんだろうなーとか
トレーナーさん、アタシの――――ナイスネイチャの初めて、貰っちゃってよ、とかさー
言えないなあ、言えないよ

そんな事を考えている間にヒンヤリとした針の先が耳に当たるのを感じたと思ったら、肌を貫く音よりは小さかったかなーという痛みと共に、耳の裏に流れる一筋の血と共に、アタシの初めては思っていたよりはあっさりと奪われてしまった
すぐにトレーナーさんが消毒液やらガーゼやら冷却材やらを持ち出して手当してくれたけど、アタシはそれどころじゃなくて身を震わす様な歓喜だか快感だかに浸ってた
――――トレーナーさんは痛みでそうなったと解釈してくれたようだけどね
でも、そこでめでたしめでたしなんて終わるわけもなく、当然の如くにアタシはその行為にはまり重賞の格にかかわらずレースに勝つたびに、トレーナーさんに強請っていった。まあ、トレーナーさんの葛藤もわかるよ……でも――――わかるからこそのめり込むことってあるじゃない、パチンコとかの依存症とかそうでしょ？
でもトレーナーさんの方も行為を重ねるごとに無意識下においてもだんだん慣れて行っちゃったのか、最初の頃に見せたあの強張る様なたどたどしさや拙さは陰を潜めて、あっさりと開けるようになっちゃったね。うんうん、お上手お上手
だからさ――――アタシはさらにレースを勝った後もう慣例になった控室でのトレーナーさんへの声掛けと共に、今度は耳じゃなく、お腹を露出させて――――臍に穴をあけてくれって頼んでみてさ

さすがにそれはアタシもどうかと思ったけど、だってもうこれってさ、ただピアス穴を開けるっていう行為に留まっちゃいないわけで、耳ならともかくお腹に手を当てるっていう行為が既にまずいよね、思春期の女の子の下腹部に手を当てて傷をつけたって言う文面ですでにヤバい。当のアタシが聞いてもダメでしょって言うレベルにアレだし
言っちゃうとさ、耳に開けたのなんてしばらくすれば閉じる訳、なんなら保健室に行けば大体痕なく治っちゃうし、そもそも耳カバーすれば見える見えないのレベルじゃないし
それでも知ってそうなのは…まあ…デジタルくらいかな？　ともかく理事長とかたづなさんとか代理とか、上の人にバレタラ懲戒デスヨネー
でもまあ、臍を出す衣装でなければ服の下に隠れてばれないでしょと言うアタシの言葉がトレーナーさんに届いたかはわからない。でも、それをしなければナイスネイチャはここから動かないと言う事も、ウイニングライブが控えている状況でこのまま膠着のまま予定に穴をあけるのはまずいと思ったのかな、まあ体に穴は開けてもらうんですけどね
……あんまりうまくないか…たはは……

トレーナーさんはあの時を思い起こさせる様なたどたどしい動きで、拙い力の入れ方でアタシのおなかに手を伸ばして、ヘソをとらえていく。もう見慣れた針の先が、アタシの体をゆっくりと貫くにあたって身を捩りたくなったけど臍のど真ん中にトレーナーさんの鼻息が当たったら、さすがに短く悲鳴あげちゃって動く気もなくなっちゃってさ
耳とは力の入れ方を変えないと、共通認識はアタシとトレーナーさんのそれでも真逆の思惑で――――アタシはできるだけ痛くしてほしいって思って、トレーナーさんはその逆
ピアッサーじゃなくてニードルにしたのがここで裏目に出たんデスネ、ピアッサーなら臍部分はやりにくいって言って逃げる事も出来たのにね、ふふ……トレーナーさんって本当に運がないなあ。こんなウマ娘に見初められちゃったり、女の体に穴開けちゃってたり
ところで、トレーナーさん。このまま続けていけばいずれ臍を開ける時も綺麗な手つきになっちゃうけど、トレーナーさん次はどこに穴をあければいいと思う？
例えば舌かな？　アタシはトレーナーさんの指をなめても問題ないけど、そっちはちゃんと舌が逃げないようにしっかり捕まえてないと動いて無駄に傷つけちゃうよ？
アタシはまあそれでもいいんですけどね、痛くされるのは……嫌いじゃないし
涎で滑るし、舌って筋肉の集まりみたいなもんだからウマ娘のそれは人間より強いっていう共通認識の延長上にあるものだしね

それとも――――臍よりもっと下に行ってみる？　ネイチャさんはもう構いませんよー
だってさ、もうさ、耳や臍や舌でこんなに高揚感を得られるんだから、トレーナーさんをアタシの一番大事な女の子の部分で受け止めて一生消えない傷をつけられたらどれくらいの多幸感が襲ってくるんだろって、もう想像すらできないよ
まあこのままだとトレーナーさんの人生設計にも穴をあけちゃいそうだけど、さ

……アタシは逃がすつもりもないんで、よろしく――――

まだ残弾溜めなきゃ……

ええぞ！ええぞ！

ほ、他の深海ネイチャに比べたら晴れてるな！ゴボゴボ……

他の深海ネイチャって
もしかして深海ネイチャって1人じゃ無い？

ネイチャだぜ
梅雨が明けたぜ
アタシはげんきだぜ

>>440
かまきりネイチャ、生きとったんかワレェ！

よっしゃ、晴らすか

トレーナーさんがチームを持つって決めた時、アタシは駄々をこねた。本来担当の子が何て言おうと関係ない。だってトレセンのトレーナーは複数の子を担当するっていうのが学園の方針だもんね。一人しか担当しないなんて基本的に新人トレーナーのうちにしか許されてないってそんなことは重々承知だった。けどトレーナーさんはアタシのわがまま聞いてくれるって分かってたから……甘えちゃった。
とはいえねー、学園の方針に逆らってチームを持つのをこれ以上先送りにはできないのはネイチャさんにも分かってますよ。だからアタシは条件を出した。その条件っていうのは、新しく担当するなら中等部の子担当してってだけ。だってトレーナーさんはこんなに……イイ人……だし、きっとアタシみたいに……その……トレーナーさんの一着になりたいって子は必然的に出てくると思う。
だからね、中等部……なんだ。だってアタシがトレーナーさんのことをどんなに想っても想いを伝えられない理由がそれだったんだもん。でも今なら……もうちょっとだけ、もうちょっとだけ我慢すれば……アタシの後から入った子がアタシと同じように悩んで苦しんでる間に「お先に失礼っ！」できるよねって。
……ふふっ。すごい自信だなーって自分でも思うよ。最初の三年間を終える前だったらきっとこんなこと言えなかった。でももう一緒に温泉旅行だって行っちゃったしネイチャが一番だよって言ってもらえたもんね。

そんなある日、トレーナー室に入ったらトレーナーさんが居眠りしてた。

「はいはい、あなたのナイスネイチャが入りますよーっと……って、寝ちゃってる。お疲れ様でーす」

そりゃそうだよね、ジュニア期で手のかかる子が一気に増えたらこうもなりますって。わかるよ、最近忙しそうだなーって思ってましたよー……だからこうしてお惣菜とか作って差し入れしてるんだけどね。胃袋掴んでやる！って息巻いてるってよりはもう喜んでくれるから手が勝手に……って感じ。
とにかく、珍しいことでもなかったから普通に持ってきたもの置いて帰ろうとしたんだけど……気づいた。トレーナーさん、手に何か持ってる？
金色に光る、くしゃくしゃの、金メダル……かな？折り紙の。
待って、それ、アタシにくれるんだよね？でもなんだか……作りがちゃっちいような……？そもそもトロフィーの方が凝ってるし上だよね、って「ソレ」がトレーナーさんがチームの子に渡すって前提で勝手に脳内でマウント取ろうとしちゃった。そんな汚い……自分の汚い感情に耐えきれなくなって逃げちゃった。トレーナーさんが起きてたらそれ何？って自然に聞けたのにね……

深海のように太陽の光が届かないレベルでなければ晴れとかいう風潮

あの金メダルって結局なんだったの？と悶々とする日々を過ごしていたある日。思わぬところから答えを聞けた。

「トレーナーさん、たまに寝落ちしてるじゃないっすかー、で、その時なんか折り紙？の金メダルみたいなの机の上にあるの、あれなんなんすか？」

よ、よくぞ聞いてくれました！でもそれって作っても誰にも渡してないってこと？試作品……？

「あーあれか……見られちゃってたか……ちょっと恥ずかしいんだけど」

ちょっと恥ずかしいんだけど……なに？ああ、聞き耳立ててるのバレちゃうかな、ウマ耳ってこういう時困るよね。

「あれは金メダルっていうか勲章かな、トレーナーとしての。去年のバレンタインでネイチャにチョコレート貰って、食べるのもったいないなーって思って次のバレンタインまで冷蔵庫で眠らせてたんだけど」
「ほほう、それでそれで？」

ま、まさかのアタシの話……しかも他の子も集まってきた……っていうか、一年も食べてなかったんかい！

「今年のバレンタインに食べたはいいものの、今度は包み紙すら捨てるの躊躇っちゃってね……ネイチャの心の籠もったものだし……だから包み紙で勲章作ろっかなって。俺は担当の子からこんなに信頼を得たぞ！トレーナーとして一人前なんだぞ！っていう自信のためにね。寝落ちしてる時にあるのは疲れてる時眺めてたら元気が出るから」
「「おおー……」」

か、顔……熱いんですケド……チームの子たちからの視線も感じる……

これで深海ネイチャに対抗できただろうか？

最近のトレーナーさんは目に見えて調子が悪いようで――――
アタシはなんかできないかと話を聞いてみたところどうやら寝不足から来る慢性的な不調ですって、最近無理してるのは知ってたけど、ネイチャさんもまあ少なからず責任を感じちゃってさ
寝不足、まあウマ娘なら保健室行けば大体治るんだけど慢性的なものになると長期の治療が必要なんじゃないかなって、一日二日だけ二十時間無理矢理眠っても治らないってそりゃ、一週間から数か月は平均睡眠時間量上げて経過見なくちゃさー
ただ薬には頼りたくないってダダこねるトレーナーさんの為にネイチャさんが一肌脱いで差し上げましょうってことになって、朝食を毎日取るとか、朝日を浴びるとか、アルコール飲まない、とかはクリアしてるからカフェインを取りすぎないとか仮眠をとるとかがアタシにも手伝える範疇かなーと思ったわけでして、とりあえずエナジードリンク類は全部没収して一日に数時間でも昼寝の時間を取るべきではというのが当面の目標となりました
でもさ――――うん、ネイチャさんはわかってたよ、薄々と、そりゃ、うん

なんでこの人全然寝ないの、せっかく昼寝の時間にトレーナーさんの手を煩わせないよう自主練のメニューまで組んで安眠の時間を確保しようとしたのに
自主練行くときはちゃんと寝るって言ってた口が何で帰ってきたときにまだ覚醒状態で働いてるんですかね、しまいには無理矢理に締め落として寝かすよ？
――――と、言う訳でネイチャさんがトレーナーさんがちゃんと昼寝を取っているか監視する事になりましたってのが、一連の話の流れ
今日もトレーニングを終えてトレーナー室に戻ってネイチャさんが見たのは、一見――――トレーナーさんが薄い毛布をかぶって横になっている見慣れた状況
そう、まあ一見――――で察するよね

あのさ……部屋が埃っぽいんだけど、さっきまで動いててネイチャさんの足音がしたからあわてて横になったでしょ？　……わかってるんだからね？
賢しい寝息を立てる姿に少し腹立たしさはあったけど、それでも眠れなさそうなトレーナーさんを叱るよりはと、見かねたアタシはトレーナーさんの頭をアタシの膝に乗せて、まあ膝枕の状態にした感じだね気恥ずかしさより、その時のアタシは少なくともトレーナーさんの心配を第一に考えてたし、その第一以外を考える余裕もなかった
なかった…んだけどなー、…筈だったんだけど、なー……たはは――――……
ともかくだけどアタシも疲れててさ、トレーニングを終えて臭いと不快感を取るためにシャワーは浴びたけど、筋肉はいまだ熱を持っている部分はあったし、背を壁に預けて丁度いい時間ってこともあったんだろうけどそのまま意識を飛ばしちゃったんだよね
ちなみにこれ、後で調べて見たら結構まずい状態だったみたい。脳が酸欠になってて気絶に近い形で意識が飛んだって言い換えれば、お風呂の中で耐えがたい睡魔に襲われるのと似たような感じっていえば大体わかるかな、経験ある人いるんじゃない？

起きたら当然体はバキバキだったけど、トレーナーさんが綺麗な寝息を立ててたことを確認したからかな。ネイチャさんもそこまで辛いとは思わなかった、外はもう薄闇が落ち始めててさ、トレーナーさんには悪いけど門限があるからその日はそのままトレーナーさんを横にさせたまま帰ろうとしたんだけど、アタシが動いたらそのままあっちも起きちゃってちょっと微妙な空気で解散
そういえば睡眠の浅い人に対してよく雨の音や自然音を流す動画がはやっているようだけど、アタシは別に動画流さなくても外の音でどうにかならんのかなーって懐疑的だった、でもいざアタシがやってみると最近は季節がらか晴天の頻度が高くて、たまに雨になっても風があるとかともかく逆に音を拾おうと躍起になって眠りにくいってのが結論、虫の音とか種類によってはアタシも好きなんだけど、そもそも考えてみればウマ娘と人との可聴域……ちょっと違うね、それぞれの耳の性能差から考えるべきだった
安眠には確かに程遠いんだけど、まあ助けにはなるかなーって思って紹介した動画が、まさか寝られないってバッサリ切られるとは思ってなくてさー
……あれ、じゃあなんでトレーナーさんアタシの膝枕した時はあんなに寝てたんだろう――――？

あとでわかったんだけど、トレーナーさんは別に雨の音や風の音を求めてはいなかったし、この時点のアタシも勘違いしてたんだけどトレーナーさんが欲しかったのは雨じゃなく、自分が安眠できる音――――アタシに類する音だった。アタシの鼓動でもにおいでもなんでも、とにかくアタシが近くにあれば寝てられるって感じの。膝枕も体温か鼓動かどっちか、あるいは両方が作用したんだろうね
……でも、アタシの私物を渡してもにおいはいずれ消えるし……そもそもアタシの臭いが付いた私物ってそりゃあ主に洗濯物なわけですよ、嗅がせる前提でそれを渡して、綺麗に洗われて帰ってきたそれをまた着るって、それってどうなの……やっぱりね、ネイチャさんは解決法としては劣化しない音に定めるべきだと思ったわけで…
でもそこには問題が二つあって、その一つであるロクな録音機器――――会長あたりが笑いそうなことは置いておいて、そんなものがないアタシはどうしても携帯で一発撮りなわけですよ、当然ネイチャさんには音と音とを重ね合わせる技術なんてものはありません、音質は悪いどころか最悪を下回るレベルで、まあトレーナーさんは気にしなくていいって言ってくれたけど、一応試行錯誤は重ねて少しずつ改善していったよ

そしてこれが一番の問題で――――……さてアタシの音ってなんですかねってやつ
正直心臓の鼓動なんて人によりけりだとも、個人でそう差なんてないとも両方思える物なのね、実際トレーナーさんに流してみてもまあ反応の悪い事悪い事、ただ――――光明としては、アタシのプライベートを切り売りするような方法になったけど、一日で出る生活音を区分ごとに取り直して、トレーナーさんの反応を見てたわけ。でようやくひとつそれっぽい物の反応にぶち当たったんだけどさ、その正体がまた……――――雨だよってとっさに言いつくろって、まだ頭が寝不足で覚醒してないトレーナーさんも特に疑問に思うことなく頷いたようだけど、これ……あれじゃん…ネイチャさんがこの時刻にしてたことってシャワーじゃん。マーベラースって微かに後ろで聞こえるし、間違いないわ。いや嘘でしょ……トレーナーさんネイチャさんのシャワー音で熟睡できるの――――？
その日も再び寮に帰って、寮に帰ってシャワーの音を流して聞いてみてもさ、建前的には雨なんだけど、やっぱりシャワーなのよね、雨だ雨だって言われた先入観でようやく数秒は持つけど、結局はいやこれ雨じゃないだろって切り捨てられるレベルの、だから少なくともトレーナーさんが本調子に戻るほどに――――これ雨の音じゃないだろってたどりつくのは必然だったから、まあ悪あがきに近いけどシャワー以外の音も入れてみたのね

イメージとしては家の雨どいを伝うような、水の線が細い雨とは違う水の飛沫みが強い太めの水の音質の、トレーナーさんに提出した生活音の中でもアタシが唯一入れられずにしまっといた奴。……我ながら何考えてるんだって思われそうだけど、ネイチャさんの…その……えーと……えー……おトイ……お花摘みの音のそれを……
――――あーもう、あの時のアタシに何考えてたなんて、アタシが一番聞きたいわ。そしてアタシ以外が絶対に聞くな！　聞くんじゃないっての！
結論から言うと効果は抜群で、トレーナーさんの睡眠はアタシがお風呂場でシャワーと共に流したそれによって守られることになりました。あー…墓まで持って行かなくちゃ……
でも今日もアタシの膝枕で――――アタシの催した音でトレーナーさんが寝てるって考えれば考えるほど、なんかお腹の下あたりがムズムズするって言うか、音声は数分でループ再生するんだけど、アタシの体液が床にはじけた音に反応して――――うん、無意識下かな、トレーナーさんの足が少し捩れて、トレーナーさんの足の間にあるトレーナーさんが屹立しているのに気が付いた時、恥ずかしいけどネイチャさんガン見しちゃってさ……これも墓まで持って行かなきゃね
トレーナーさーん……アナタの熟睡の鍵はトレーナーさんの後頭部のさらに後ろ十数センチの所にありますよー……なーんて……

とにかく、トレーナーさんはアタシに依存しているんだって思い至った時に、それ以降全てのしがらみや躊躇が消えたって言うか――――安心感が出たっていえばいい感じかな、だってこれから先トレーナーさんが睡眠障害を患う限りアタシから離れる事はまずなくなったわけでしょ？
三代欲求の一つを掴むのは強いよね、男は胃袋を掴めって食欲を掴んでるってことを言い換えてるでしょ？　今回アタシは期せずしてトレーナーさんの睡眠欲を掴んじゃった訳、じゃあ後もう食欲を掴みさえすれば、なし崩しに最後の一個も手に入れられる可能性が上がるって訳だ、仮にあとあと同じように食欲を掴めるくらいの女が横から出てきても、睡眠欲を掴んでいる状態のアタシがいる限りアドバンテージは変わらない、と
仮にその女が性欲から手を付けても性欲と睡眠欲じゃあ優先度のレベルがダンチだし、性欲なんて最悪自分でどうにでもできるけど、睡眠欲ほっといたら死ぬでしょ、確実に
まあ最悪、本当に最悪だし考えたくもないけど、敗色濃厚になった場合は――――あなたの恋人は教え子のお小水の音で眠っています――――何て言われたら、10年の恋も冷めそうだし
それでも不安を隠せないアタシは、ナイスネイチャはトレーナーさんの首に無意識に尻尾を巻きつけてて、トレーナーさんの心臓の鼓動が、尻尾を通してアタシに流れ込んできていた。トレーナーさんの百や千の言葉より、何よりそのリズムがナイスネイチャの心にやさしく響いてて、そういえば心臓の拍動は一生で動く回数が決まっているらしい――――ではここで、その動きを少し留めればその分アタシはトレーナーさんと共に生きる時間が増えるのか、なーんてバ鹿な事を考えながらトレーナーさんの首を一瞬だけ、本当に一瞬だけ息が止まるように締めた

トレーナーさんの担当でもあるアタシがトレーナーさんの体調を知りたいと思うのは至極当然な事で、知ってても特に不自然さはなく、一番先に原因を教えられる可能性が高い女の子
没収したエナジードリンク、当然あんな糖分やら体に悪い物が多い物アスリートが飲むわけにはいかないからそのまま残ってるし、少しずつ返してあげようかな。たぶんあれも不眠の原因の一つだし。難しい事はしなくていい、ただ前のトレーナーさんの環境に戻してあげればいいだけだと思うし
就寝と執心が同じ言葉の響きなのには偶然としても笑っちゃうしかないけど、あわよくば
あわよくば、だけど……
寝られない……から、アタシの音声があれば寝られる――――に
アタシの音声があれば寝られる……から、アタシの音声がなければ寝られない――――に
アタシの音声がなければ寝られない……から、アタシが居なければ人生立ち行かない――――まで落ちてほしいなあ、ダメかな……？　いいじゃんね？
だから、さトレーナーさん今はいい夢見てよ
その内見られないくらい深く深くアタシに眠ってアタシに依ってもらうから、さ――――

15行はともかく1200文字までが本当に邪魔だよねこの仕様

深海ネイチャを知らない奴「なんだこれ湿気すご……」
このスレで訓練された奴「やった！ネイチャが晴れてきた！」

>>459
分かる。…すげぇ分かる。

対抗とか言ってたら速攻で倍以上の力で殴り返されててウケル、とっとこ

こっわ…

>>461
もしかして予め書いておいて晴らしレスが来たら叩き潰すためにスタンバってるんだろうか
残弾とか言ってるしありえるよな

>>462
確かに、>>436の発言で、『まだ残弾（湿度）を溜めなきゃ…』と言ってるが、多分残弾は、2種類で『普通に撃つ用』と『撃ってきた弾（晴らし）を撃ち落とす用』で分かれてるのではないだろうか？恐らく、溜めなきゃ発言していたのは『普通に撃つ用』のほうで『撃ち落とす用』は充分溜まっているんじゃあないのか？

そういや>>353でそれっぽいこと言ってるな……

倒錯しすぎだもん...
中学生と思えないほど覚悟ガンギマリだもん...

仮にそうだとして
そんな奴にどう対抗すれば良いんですか？

逆に考えるとここでネイチャを晴らしてたらクソ重ネイチャSSを読めるということだ

>>466
逆に考えるんだ。抵抗しなくてもいいや、と考えるんだ。

激流に身を任せ同化するのだ

まだ半分も超えてないのになんでこんなに湿度が高いんだ

>>470
これでも引揚げ作業が進んでるんだぞ。
深海からお日様が届くくらいには

>>1の見通しが悪かっただけでしょ()

菊花賞が迫ってきた頃、トレーナーさんがまた折り紙をしているのを見かけた。
ネイチャ「トレーナーさん、何折ってるの？ またトロフィー？」
ネイトレ「あ、あぁネイチャか。小倉ではいきなりトロフィーを折ろうとしたからへろへろになってしまっただろ？ だからまずは練習で色々折ってみようかと」
ネイチャ「ふぅん、トレーナーさんのぶきっちょがそう簡単に治りますかねー？」
机に散らばるへろへろな成果物の数々が成長の難しさを残酷なまでに突きつけていた。
ネイトレ「まあ見てなよ、次はパリッパリなトロフィーに仕上げてみせるさ」
ネイチャ「あはは、期待せずに待ってるね。ところで、今は何折ってるの？」
ネイトレ「宝石つきの指輪だ。女の子はこういうの好きかなと思ってな……できた！」
完成した指輪は、やはりというか、なんというか、うん、へろへろな出来である。おいたわしやトレーナー……。
ネイチャ「へろへろだ」
ネイトレ「ぐぬぬ……ではこれはネイチャにあげよう。手を出せい！」
ネイチャ「ほえ？」
よくわからないまま左の手のひらを差し出したら、ひっくり返されて薬指に雑に指輪を突き込まれてしまった。
ネイトレ「見てろよーパリパリのパリ、エッフェル塔ー！」
トレーナーさんは気にした様子もなく折り紙に戻ってしまったけど、アタシはしばらく薬指にはまったぶかぶか指輪から目が離せなかった……。

みんなレベル高いな

いいぞ

>>474
みんなって言うか……うん！！みんなレベル高いな！

引き揚げ作業は順調そうだな

今のトレンドは湿気なんだから環境取りたきゃ黙ってTier1の深海握れ

マーベラス☆(除湿)

>>479
馬鹿やろっ！そんな事したら『アレ』が来るぞ！

もうなんていうか、名前を読んではいけないあの人みたいになってない？

>>481
チェストォォォォオ！（脊髄反射）

土日で晴らしてやるから見てろよ

あぁもうトレーナーの奴、ネイチャの悩みの種刈り取って代わりに自分の種(意味深)蒔いとけよ！もう！

土日は雨だ
そう決まっている

「今週末は大雨だって。トレーニングどうする？　重バ場想定の練習する？」
「んー、休みでいいんじゃないかな？　無理に走って夏風邪ひいたら大変だからね」
「合宿所で特に娯楽がないのがつらいところですなー。…………トレーナーさんは、なんか持ち込んでたりしない？」
「…………な、何もナイゾー？」
「オーケー。週末はトレーナーさんの部屋にお邪魔しちゃうから！」

　この後、密室で長時間気になる異性と2人っきりになってしまうことに気づいたネイチャは大いにうにゃった。

>>486
うかつネイチャかわいいね

密室、週末、両片想いの男女、2人きり……。
なにも起きないはずもなく……。

>>488
消灯時間前に帰されました。たはー・・・

>>489
ま、まあ？
トレーナーさんだって消灯後の見回りあるし？

劇場版ネチャえもん
イクノと戦争前夜

>>447
「トレーナー勲章事件」がきっかけとなって、アタシはチームの子からからかわれるようになった。からかわれるって言っても、アタシと目が合うとチラってトレーナーさんの方を見たり、アタシ達が二人で話してるところに何か用事があって来たはずなのに、「ごゆっくりー」なんて言って立ち去ったりのかわいい？もの。
アタシとしては真面目にトレーニングやってくれるんなら細かいことは言いやしないんだけどね……え？真面目にやるのは当然でしょ？たとえば実力が足りなくて届かないのは仕方ない。勝てなくて自信を打ち砕かれて弱気になっちゃう……のもいい。アタシがそうだったし……
とまあ大人なネイチャさんですが？やっぱりトレーナーさんが他の子と親身に話すとか想像しただけで胸の奥がザワザワするワケでして……

「なんか困ったことがあったらまずアタシに相談して！かわいい後輩のためだからねー、ネイチャさんなんでもしますよー？」
「もー、何回も言わなくても分かってますよー」
「なんか圧感じて逆に相談しにくいっす……」

1レスだけだとまだ続くのかそうでないのか分かりにくくてレスしにくいんだよね

>>493
とりあえず深海から日の当たる場所にまで引き上げて砂漠のごとくカラッカラに乾かしてやらないと

>>494
は？
テメー背教者か？

>>494
とりあえず、半分の500レスまではできるだけ乾かしたいな〜…ってもう半分いきそうなのか！？

乾かす？
乾かすっつったかオイ

トレーナーさんが実は男性じゃなくて――――ううん、体は男なんだけど心の方は女性だった、どこの三文小説の冒頭なんだか、って馬鹿にすらしてないようなそんな事実を目の当たりにした時
目の前が真っ暗になったって言うのが正直な感想だった、だけど最終的にアタシが選択肢を間違えなかったって言えるのはまあ結果から逆算すれば……かな……ソウダヨネ？
それでもトレーナーさんの部屋で最初に女物の下着見た時には、やられたって思ったな
だって順位は三番でも一番努力したのはアタシだと思ってたし、だってトレーナーさんの時間のほぼ全てをアタシは独占して浪費していたんだから
実際はそう思ってただけだったんだから笑っちゃうよね、笑っちゃう
なーんて、負けにこなれた筈のネイチャさんがひとしきり涙をこらえてそれでも少しばかり考えていたらトレーナーさんが来て、アタシが女性物の下着を見た事を知って大分うろたえていたっけ、いま思い返すと少し笑っちゃうね
そのうろたえる光景を見て逆にアタシの頭が冷静になって来たって言うか、女物の数があるにしてはやっぱりアタシ以外の女の影がなくってさ、やっぱりどう考えたっておかしいじゃん、そもそもトレーナー寮に女連れ込むなんてできはしないでしょ、噂にならないわけがないじゃん？

じゃあこの女物誰のだって――――言う前にあっちから白状してくれたのは、本当に幸運だった。あれなんだっけ？　僥倖って言うの？　漢字で書けないけど
でも……まさかねえ、ネイチャさんの事をしっかり理解して先回りするようにフォローしてくれたのはそもそも自分だったらこうしてほしいって言う女性視点が先にあったからとは、まあ……納得するしかないよね
だけどアタシはトレーナーさんを突き放したりせず、ただ受け入れる事をして優しく包み込むことにした――――それが決定的だった、時折部屋にお邪魔した後化粧品の扱いや二人でたどたどしくマニュキュアやらなんやら試してみたっけ、必然お邪魔する機会も増えて秘密の共有の深みはだんだんと増えていく事になるからね

つまりアタシがトレーナーさんに傾倒する以上に
トレーナーさんはアタシに面白いように依存していったって事
担当ウマ娘って、いいよね……トレーナーさんの何を知ってても特に怪しまれはしないし別にどこかの筋で秘密が流れてもアタシに火は一切来ない、ん？　ああ……非じゃないよ、だってネイチャさんはちゃーんと悪い事だって理解してるし、だから――――火の粉の意味で、火は一切来ない。可愛い愛バのネイチャさんはトレーナーさんがちゃーんと庇ってくれるからね、優しいよね
……違うか、この場合の秘密ってのはトレーナーさんのだから庇うんじゃなくてその火力が一切合財トレーナーさんに向かうんだ
ともかくそんな中、ゆっくりと、それでも確実に聞いておかなきゃならなかったのは性愛の対象だった。男性が好きなのかという質問はかなりデリケートな事は明白だし、直接聞くわけにもいかないからネイチャさんもなかなか踏み込めなくてさ

だからと言って時間をかけすぎたら、目論見の全てが崩れ去っちゃう可能性すらあった
だって、今はアタシが多感な年ごろかつティンクルシリーズにいるからレースに影響が出そうな性転換手術なんて受けないけど、アタシが担当から外れてスキャンダルを起こしてもよさそうな環境になったりしたら、アタシが本懐を遂げる前に切られちゃって逃げ切られちゃったら困るでしょ？
少なくともあと数年は、トレーナーさんの体が男でいて貰わなきゃならなかったから
結論から言えば――――アタシは脅迫に近い手段でトレーナーさんを手に入れた
トレーナーさんにはちょっと刺激の強い餌だったかな、トレーナーさんがシャワーを浴びている所にアタシも入っていって、女同士だからって言う文字通り鋼の意志より薄い免罪符を使ってアタシとトレーナーさんは一糸纏わぬ姿でようやく初めて向かい合ったんだ。中身女性の割に外見イイ筋肉してたよね、アタシも涎が出る所だったよ。男の人のアレはあんまり見たことないけど少なくとも昔見たアタシの父親よりは立派だったな
流石にびっくりしたんだろうね、叫び声がキャアだったのは一周回って笑っちゃったけどアタシの裸をまじまじと見てる割には、まあ反応すらしてなかったわね。

それはそれでちょっと女として悲しい物があったけど、ネイチャさんが考える最悪へ続いている可能性も確認できたからまあよしとしましょう。よしとしましょう、いや気にしてないってば
ともかくアタシの真意は――――……完全な善意からって訳じゃない事はトレーナーさんも勘付いたよね、まあそれでももう駄目なほど事態は進んでいたんだけどさ
トレーナーさんこれからどうするの何て慮るような甘い口調から話は始まって
アタシと一緒になれば、秘密が暴露されて怯える事も後から実は女だっていう懺悔みたいな真似して傷つけられなくてもいいんだよ
形だけの妻を作るなら、別にアタシでいいじゃん。今までも、これからもさ。ネイチャさんはトレーナーさんが気持ち悪いだなんて言いませーん、トレーナーさんはそのままで何も我慢しなくていいんだよ――――なんてプロポーズにもならないような拙い誘惑、秘密の共有の延長上に過ぎない提案だけど
それでもアタシはトレーナーさんを手放したくなかった
見返りは、アタシと一緒になってトレーナーさんの子供を産ませてほしい事
ぼかしてはいたけど可愛い愛バの頼みなら一考の材料にもなると思ってそこは包み隠さずに言ったよ、言いましたよそりゃ

アタシ以外の――――トレーナーさんの女を見せつけられても壊れない、そんな存在をこの広い広ーい世界からもう一人見つけるよりも近くにある現実的にみられる案を見せただけ、だってアタシはトレーナーさんの席取りゲーム――――椅子取りゲーム？　…いや、やっぱ籍取りゲームだわ、それに負けたくないんだもん
心が女で恋愛対象が男でも、体に男の人の部分があればさ、子供をつくる方法なんてもうどうにでもなるわけだし、アタシが満足するまで家族を増やしたら、以降は体も完全に女になっていいし子供からの奇異の視線もできる限り軽減させる様に教育するしそれでも辛ければ別れてもいいって言う取引を持ちかけて――――結果から逆算すれば、そうしてアタシはトレーナーさんを手に入れたって言っていいんだろうね。
まあもし断られてたら何をするかわからない事を言外に臭わせたから、例えばアタシが不祥事を起こしてトレーナーさんの秘密が暴露された場合世間様は順番を逆に受け取っちゃうのよね、つまりアタシが不祥事を起こしてトレーナーさんを道連れにしたんじゃなく、トレーナーさんの秘密を目の当たりにしたからこそアタシが荒れたって言う逆転現象が起こるって感じかな
うん、卑怯だよね。知ってるよ、今更アタシを切るにはアタシは深くトレーナーさんの懐に入りすぎてただけの話
アリジゴクに落ち込んだアリだって自分で上がれないでしょ？
だから少なくとも子供さえできれば、結局トレーナーさんが男に惚れたとしてもアタシたちを捨てて逃げられるわけがないわけだ。そういう性格だもん、あの人――――

>>496
………『乾かす』なんて言葉は簡単に言わないようにしような！（戒め）

トランスジェンダーのノンケから、トランスジェンダーのレズにすれば解決だ！

例のあの人が普通にスレ民に紛れているという恐怖

よくまあネタが切れずに続けるもんだ

もしかして普段晴らすとか許さんって言ってるの例のあの人なの？？？

>>400
「店員さんへの態度が結婚した後の彼の貴女に対する態度」だって雑誌で読んだし、商店街のおばちゃんにも「それがイイ男を見極めるコツ」だって聞いてたんだよね。
それで、そういう見方でトレーナーさんの行動を思い返してみたら、すごい丁寧だし、相手のミスでも怒らないどころか相手のことフォローしてたりするし、商店街のおじさんおばさんとも仲良くしてくれるし…
やっぱりトレーナーさんはイイ人で、一緒になれる人は幸せだろうなー、とか考えながら無意識に自分が隣にいるところも想像しちゃってさ…
我ながら恥ずかしくてひとりで悶絶してたんだけど、本当にそんな未来だったらいいなぁ…って///

でもその横にはもう別の人がいて
ブロンズコレクターには一生手が届かないプラチナの輝きが薬指にあって
そうだよね…あんないい人にアタシ以外が気づかないって話があるわけないよね
たはは…

　普段よりちょっと早めにトレーナー室へと着いた時、私が見たのは虚ろな目をしたトレーナーさんだった。
　いつも使ってる施設予約の書類を手にしてはいるが、ぼんやりと眺めたまま動かない。
　アタシが近づいてようやく入室に気付いたトレーナーさんが豆鉄砲で弾き飛ばされたかのように表情を取り繕う。
「あっ……！　お、おおはようネイチャ。今日もトレーニング頑張っていこうな！」
　あまりにも白々しい挨拶、違和感を覚えずにはいられないその態度を訝しがらない理由などなく、トレーナーさんの全身を舐め回すように観察してしまったのは不可抗力だろう。
　そして、アタシは見た。アタシは気づいた。トレーナーさんの左手に。
　――――消えている。そう、消えているのだ。あれだけ目障りだった白色が。ブロンズでは絶対に退かせられないあのプラチナが消えている。
　それはつまりそういうことなのだ……！
　アタシは今までずっと手に入らないと思っていた宝物が自分の手の届く場所に降りてきたと狂喜した。同時に、トレーナーさんがかけがえのない人と別れることとなった不幸で喜ぶ自分を猛烈に嫌悪した。
　喜びと嫌悪をミキサーの容量いっぱいに詰め込んでかき回して出来上がった感情がアタシの思考を焼き尽くす。ほどなくアタシを突き動かすのは衝動だけになった。

　――――そうだ。手放してくれたなら、他の誰に拾われる前に、手に入れないと……。

>>511
何なのだろう…感情を強く出してるとこを見ると、『まだ』大丈夫だと思えてしまう。こっから、>>498 〜 >>503 の流れのように感情が上下しなくなったら本格的に危ない、と感じる自分がいる。

正直土日で晴らすとか言ってたから
こういう感じで環境が崩れるような戦争があるかとちょっとワクワクしてたんだが存外平和だったな

お前今ワクワクっつったか…？

すいませんでした

何故スレの意に反し晴らそうとする動きがあるのか、そもそもわからんな

>>516
5・30の事件を受けての、>>197の提案がきっかけかな

なるほどー

ここから3レス毎に湿度が増すナイスネイチャスレにしようぜ
っていったら戻るのか

>>518
それは…まぁ、ここのババスレ民の考えによると思うよ…

最終的には晴れた方がいいに決まってるだろ

いーや雨が降り続いた方が良いな

晴れろネイチャ

湿気ってもいいから幸せになってほしい

海の上はずっと晴れだろ
ここはその下なだけだ

₍₍⁽⁽☀️₎₎⁾⁾さんさん太陽 日本晴れ♪

ネイチャは晴れなんて望んでないぞ

>>526
それはエゴだよ！

ネイチャの事を思うなら
やはりこのまま雨で進めるべきだな

ネイチャは晴れた夜空の星々のようにキラキラしてるよ

アタシは名前もついてない三等星がお似合いって事ですかねー
たははー…

正直対抗札も少ないから600くらいまでは静観するつもりだったが
こうもスレを荒らされてはまあ仕方ないだろう
残り2つのうちの攻撃力少ない方を使うわ

四葉のクローバーを手に入れたら、幸せになれるなんてまるで子供の様な笑顔であの人は昔そういってた。人によってはそういうジンクス信じないとか言っちゃうのも居そうだけど、ああそういえばジンクスって主に悪い方にしか使わないんだってね。だからこういう幸運側にはつかないんだってさ、トレーナーさんは、…知ってたかな……？
現在に、そんな事を口には出さないままで、アタシは夕凪と共に風の声を聴きながら薄く光る星を見上げた。なんか事あるごとによく二人で歩いてた堤防で、風のにおいもかぎなれて、もう見慣れない物もなくなった景色。その中でもトレーナーさんは少し歩調を落として何かを見つけたようだった、足の下に広がっているのは、緑の絨毯――――ああ、それでクローバーの話に繋がるのね、へー本当に四葉見つけたんだ。よくクローバーのスタンプだかアイコンで見るような、ハート形の葉が四つって………ん？　ハート形？　――――うん、トレーナーさん。クローバーじゃなくそれカタバミだわ、やれやれ恥ずかしいぞー
――――ただ薄ら月のような笑みを浮かべていた――――

おーい、ちょいちょい待ってよ、そこで止まらずそのカタバミを人に例えるのはさすがにどうなのよ。前提から違うでしょーが、まあ普通お前はクローバーじゃなくカタバミだー、なーんて言われたら微妙な空気になってもおかしくないんですけどねー、そこらへんワカッテマスカー？
まあネイチャさんはそんなこと言いません、理解のある女なので男性の鈍感さに一々ケチ付けるよーなことは言いませーん、まあ言っても無駄だってわかりきっているからってのもあるけど。あれ、トレーナーさん……聞いてる？
――――ふと、アタシはトレーナーさんとの間に話の食い違いが起きているような、そんな感覚に襲われて、彼との距離に大きな間が空いている事に気が付いた。
ああ、そうだ……忘れてた。今トレーナーさんの隣にいる子は、アタシじゃない――――アタシじゃないんだ――――……
ぼんやりとした夕霞が晴れた様な視界で、アタシはアタシの本当にいる位置を目す。トレーナーさんの横にいるのは、今はアタシじゃない別のウマ娘。そんな情景を、ネイチャさんは真正面に見る事も出来ず、帽子で耳と髪を隠して首回りはパーカーのフードで巻く事で本人だとばれないようにし、その二人から背を向けつつただ後ろ手に聞いている事しかできなかったのでした

トレーナーさんの言葉はもうアタシに向けられたものじゃないけれど、まあそれも仕方ないと諦めに似た感情と夕日とを慰めにアタシは自分の役立たずな足を一度撫ぜた
アタシは話をしたいけれど、トレーナーさんの方はアタシと会いたくないんだろう――――と言うのは実際一度顔を合わせた時、トレーナーさんは挨拶もそこそこにアタシから顔をそむけたから。まあ自分が特別移籍させた娘の顔を見るってのは、トレーナーさんにしてはなかなか厳しいのかもしれないけど、自分では育てきれなかった汚点を見るもんだからね
ところで新しく担当にしたあの子……いい子、なのかな？　見た感じ本格化前だけど、トレーナーさんはあの子にどんな素質を見たんだろうね。……ふーん、未勝利バなんだ。出てくる話題は脚質の変更や、距離適性、果ては芝か砂かの選択まで……って、んー…？　ちょっとこの時期に話すにしては話題が二週は遅くありませんかねえ――――模擬レースの時に適正は見ているはずなのに、まさかデジタルレベルに両刀使いって訳でもないし、と言う事はどっちつかずの脚質な上、トレーナーさんか後輩ちゃんどっちかの性格に問題がある？
まあいい子なんだろうけど……あー、違うんだなあ後輩ちゃん。トレーナーさんの指示に従いますってのは思いっきりの悪手デスヨー？　トレーナーさんはそういう時は君の話を聞きたいって暗に言ってるんであって、あはは…トレーナーさん思いっきり困った時の顔してるし……

なるほどトレーナーさんまだあの子とちゃーんと話してないなー。目指すはクラシック三冠って――――いやいやいやまずは手ごろな目標から積み上げて勝利経験と自信と積み上げるべきでしょ、最初っから大きい目標掲げて失敗なんて……いやまあ、アタシが口を出す事じゃないかも、だね。ふふ――――でも確信しちゃった、この子の未来
……ねえトレーナーさん知ってる？
クローバーには花言葉が複数あって、しかも枚数でそれらが変わったりするんだって
例えば四葉は全体で幸運、約束、私の物になって。葉の一枚単体だとそれぞれ希望、信仰、愛情、幸福――――
三つ葉は調べても全体としての花言葉は出てこなかったな、まあアタシの調べ方が悪いのかもしれないけど。だから事実がどうとかあんまり関係なくアタシの中での解釈を前提に話進めちゃうよ、だってアタシの心のありようはアタシの主観に引っ張られるもん
ともかく三つ葉は愛、希望、信頼の三つ――――

じゃあここで問題です、簡単な引き算なんだけどね？
ネイチャさんが本当に偶然見つけたこの四葉のクローバー、それを千切ってお馴染み三着ーの三つ葉にした場合どんな意味合いが生じるでしょうか――――？
えーとまず、同類項をまとめるとさ。三つ葉の愛、希望、信頼――――四葉の方にも似た様なのあるよね？　信仰と同類で信頼をまとめると残った一つの意味が、つまり四葉引く三つ葉はイコールほぼ幸福、転じて四葉を三つ葉にする行為はその完成された幸福を自分の手でひきちぎるっていう意味合いがあると、ネイチャさん思うんだ？
もしもアタシたちがすれ違ってなければ毟られたその一つの方にも例えば意味が――――どこか寂しそうにも見える一つ葉クローバーは困難に打ち勝つ、とか始まり、開拓、或いは――――初恋とか、合ったりしたのかもね。ううん、意味の幾つかはアタシの中に合ったんだ、確実にね？

でも、その話はもうおしまい。そうだね、クローバーにもこわーい花言葉があって、例えば復讐とか――――……そもそも四葉のクローバーって言うのは、葉の原基にあたる部分が刺激されて正常な形成に異常が起きるからなんだって、早い話踏みつけられてようやく顕現するって酷い話だよね
復讐なんて結局人と人の間ぐらいでしか通らないし、そもそも復讐は約束が叶わなかったか、破られたか。まあそこら辺から転じているんだって――――けど、クローバーは自分を踏みつけた奴に何を思うかって言ったら、そりゃ幸福なんてありゃしないでしょー
四葉のクローバーは幸福の象徴とも言われてるのに、人に踏まれるぐらいの苦難艱難がないと、他者からの干渉強制がないとその象徴にすらなれないんだから。正常な形成をゆがめて異常にしたくせ発生率だって一万分の一とか高くないどころか上澄みのレベルなのにさ、もうそれってアタシたちで言う才能と似た様なもんじゃん？
そう考えちゃうと、やっぱりテイオーやらマックイーンやら主人公みたいなキラキラを持っている子達にアタシなんかが挑むなんて無謀にもほどがあったのかな――――てさ、たはは……

まだ無邪気な笑顔を見せているそこのカタバミちゃんはどう思うのかな、あなたは三年前トレーナーさんと出会ったころのアタシの様な顔をしてるけど、逆に言えばカタバミちゃんも多分ネイチャさんと同じような道送るんじゃないかな、ううん場合によってはもっとひどい茨の道に送り込まれるかもしれないよ。アタシって言う失敗の前例があるんならさ、負荷をかけるにしろ軽減するにしろ、アタシの存在がストッパーになって丁度いい塩梅を見失う可能性すらある
だってあなたはクローバーじゃなく、カタバミだもの。どこまでいっても最初から幸運の象徴になるべくもない、アタシよりも才能のないウマ娘。さっき確信しちゃったよ、アタシの影であり、ある意味アタシの代用品――――あなたにはアタシの影が常に付きまとう事になるんだ
でも皮肉なことに、それはアタシも通った道だから、誰であろうナイスネイチャが一番理解できる類の悩みなんだよね――――ふふ、待ってるよ、可愛い後輩のカタバミちゃん
あなたがアタシの所まで堕ちてくれるその時まで、恐らくたった数年の事だし
そしたらアタシたち同病相哀れむいい友達になれるんじゃないかな、クローバーもカタバミも四葉なら人に見つかって花になる前に摘み取られちゃう運命なんだから、さ―――
そしてトレーナーさん、あなたはうけとってくれるよね？
いつか、アタシを追い出したことが間違いだってわかった時、絶対に渡しに行くからさ、アタシの三年分の思いが詰まった、この三つ葉のクローバーを……――――
クローバーは雑草で一度二度踏まれたぐらいでは根絶やしになんてできない
短い溜め息と共にアタシは、間違いに気づかぬまま無邪気に笑うトレーナーさんを諌める事もなく――――ただ薄ら月のような笑みを浮かべていた――――

そうだ、そろそろ伏線まいておかねば
最後の弾にどうしても必要なんだよね

ネイチャはここではみんなに愛される主役だからな

伏線終わり
これがあるとないとじゃとんでもなく差が出るからねえ

ネイチャの湿度をあげたい派と晴らしたい派がいるな…

何を今さら
この期に及んで新規が来るもんかね

ネイチャはトレーナーさんを騙して水族館デートに連れ出すくらいにはしたたかな恋愛強者だぞ
最終的ににはネイトレをものにするよ

そこはまあそうかもしれんし
あえて否定はせんが
それはネイチャとトレーナーがお互い向き合ってまっとうに三年過ごした世界線の話であって
どっちかが後ろ暗ければ果たしてどうなんだろうなって言う考えもある
だからネイトレに問題を押しつける必要があったんですねー
ドーピングとかトランスジェンダーとか

あと最後に物にするなり手に入れるなりなら
途中道中何してもいいって言うのはとても住みよい環境を作るための一歩になる

湿気というものは、両想いで双方に瑕疵がなく、しかしお互いの気持ちを抑えなければならない状況でのすれ違いによって生じる行き場のない感情がよいのである。
他の女にお先に失礼されたりするのや、結ばれても結局不幸になるとか破滅に向かうとかはなんか別物のような……。
失恋、悲恋は湿気とは別ジャンルではないかと今更ながら提案するものである。

それだと湿度は収束も発散もしにくくなって
どのレスも同じような物になるなというか
その認識で湿度を扱っているレスの方がむしろ希少な気もする
無論私のレスを全て除いた上で
まあいいんだよ湿度なんてマーベラスくらい汎用的に使って
うんそうだね、それもまた一つのマーベラスだねくらい言っても良いんだ本来は

なるほどつまり湿度はマーベラスということか

マーベラス(加湿)

いまわかりました、宇宙の心は彼女だったんですね

もしかするとこのスレのせいで台風が来たのでは…？

>>551
台風のあとは台風一過で晴れるということ……つまりネイチャの心も晴れるということですね

ネイチャは心が湿っているときが一番綺麗で強いのに無理矢理晴らそうとするなんて信じられないもん！！
ネイチャはこんな奴らに負けちゃダメだもん！！

そうだもん！
ネイチャはこんな奴らに負けちゃダメだもん！！

ウマ娘は毒やマヒに強い？
…誰から聞いたのそんなの、イクノあたり？　…グラス？　ふーん、仲のよろしい事でー
担当ほっといて他の子にご執心ですかー？　ネイチャさん拗ねちゃうぞー？
なーんてね、うん、たぶんグラスの言うとおりだと思うけど…実際どう強いのか試すわけにもいかないし、…まさか服毒しろって言う話でもないでしょ？
まあ――――アタシもウマ娘でよかったなーって思う時はあるけど
え？　心当たりあるのかって？　まあそりゃあアタシだって女の子デスカラ？
秘密のヒトツやフタツ？　…アリマスケド？　ダーメ、言えないから秘密って言うんだから、言いませーん
ふふ、あのね――――毒と薬の境ってなんだと思う？
人の、まあウマ娘の体に善になるのが薬で、その逆が毒って？
うーん、まあそれも一つの意見だよね、でも保健室の先生が言ってたんだけど実際毒と薬って結局のところ使用量に因るんだって、少量を使うから薬で、多量は毒になるってことだと思うよ、毒にも薬にもならないって聞いたことある？

だからさ――――ウマ娘にも使えるレベルでこの肌荒れを治す薬って相当凄い物なんだと思うよ、まあ名前がうるおいハンドクリームだからね、手にやるのが一番効果が高いってだけかもしれないけど。なんで顔に塗ってもそれなりの効果があるのかは――――ごめん知らない、まあネイチャさんも幾らか購買で数買っとくよ。何か……違った、何があるかわからないからね
そういってアタシは指先にある肌荒れに薬を伸ばし始めた、ゆっくり、ゆっくりと何度も何度も病的なほどに、爛れたそれはどこか火傷の様でアタシの右手の人差し指と中指、そこに集中している。周りのウマ娘にはあり得ないそれは、トレーナーさんにも深くは考えられていないようだ。まあ、これはレースとは別のアタシの戦いの軌跡であって、アタシの呪いの顕現――――なんて、さすがに大げさだわね。
そう、言うなればこれは――――これはアタシが、ナイスネイチャというブロンズコレクターがプラチナを超えるまでの三年間――――うん、まあ物はいいようかな

トレーナーさんとの出会いからクラシック期、シニア期を含めた最初の三年間が終わってから、ナイスネイチャは新たにメディアが主導するレースタイトルへと歩を進めた。
トレーニングの方法が基礎からレース主体に少しずつ移り変わっていくと共に、幾らか時間が過ぎたその中で、トレーナーさんとの信頼関係はそれなりに培ったとは思う。でも……結局今あの人の横に並ぶことはできなかった、だって最初の三年間、シニア期の奥まった時の頃に、アタシはいつの間にかトレーナーさんの薬指にブロンズコレクターには一生手が届かないプラチナの輝きがある事に気が付いて――――そうだよね…あんないい人にアタシ以外が気づかないって話があるわけないよね、たはは…って
アタシが淡くて苦い恋心を自覚するのと同時に失恋した数年の間に、トレーナーさんとその伴侶との間には一粒種が生まれてて言葉も話せるまでになってたわけ――――実際アタシもレースがあったからトレーナーさんの結婚式、および披露宴にこそいかなかったけど、奥さんと息子には何度か会わせてもらったことがあってさ、目鼻立ちが父親であるトレーナーさんにそっくりで、まあ別の男の種ってことはなさそうだわね。そうだったらよかったのになーとか思いながら、集中できずにレースでもあまりいい成績を残せなかったアタシは人知れず泣いて、泣いて、それこそ吐くまで泣いた
その時に、思いついたのが……まあ――――それだったって訳

そもそもレースと式が被ったのは不幸中の幸いの真逆、不幸の中の不幸だけどそれでトレーナーさんが式を優先した――――当然のことだよね、でも正論で殴られ続けたアタシには叫ぶ場所もないんだってその時改めて言われたような気分だった。格付けはそこで済んで、ナイスネイチャはやっぱり三番――――現在の順位は息子が一番で、妻が二番目って所でしょうかね
三番の意地としましては、それでもやっぱりトレーナーさんの近くにいる事はゆずれなくて、契約を更新してから今までとりあえずアタシはアタシとして動けていたように思う。今日も変わらずトレーナーさんの前でトレーニングをする、これが今のアタシに許された範囲の幸せ。いまなら薬指の輝きも見ないで済むしね……そうそう、今のトレーナーさんは基本的に指輪をしない。一度アタシのトレーニング時に落としたせいで、トレーニングを中止してでも注視……まあ二人で目を皿にしながらターフの中を探し回る羽目になったからだ。
だからトレーニングに向かう際には、アタシたちに割り当てられたトレーナー室の机の下の方の引出し――――そこに指輪を収める箱がある、そこにしまってからグラウンドだのプールだの練習場所に二人で向かう。箱はプロポーズした時の箱そのままなんだってさ、盗難被害にあうとか危ないとかは一応言ったし金庫にでも入れればいいのかもしれないけど、そもそもトレーナー室に鍵はかかるし――――まあ、アタシとしては言ったから問題はないんですけどね。それで何が起こってもそれはアタシの所為ではなく、トレーナーさんの管理不行き届きってことで？

今日は良バ場のグラウンドで、アタシはマウスピースを口にはめながら――――これは力を入れる時歯を食いしばりすぎて万一でも歯がかけないようにとアタシがトレーナーさんに頼んで、歯科医にて作成してもらった。アタシの歯の形とかをデータにとって、アタシ専用に作ってもらった代物で、アタシの歯を隙間なく覆いしっかり守ってくれている、ハードタイプとソフトタイプがあるようだけど、アタシは断然ハード派。だってそうしなきゃ歯が――――歯が……うん、欠けちゃうからね――――うん……
なんと保険適用がきくらしく、出費は想像よりも二回り下に収まりアタシの歯は程なくして守られる事となった。……何からって、そりゃあ――――ナンデショウネー？
話は変わるんだけど、さ。
ふふ、トレーナーさんの息子君はなるほどアタシに逢いたがってるって、言ってくれてうれしかったなー
だって――――ナイスネイチャはトレーナーさんの息子を蝶や花やと飴だけを与えて甘やかしましたからねー、まだ年端もいかない子供に親の厳しい愛情や心がわかるわけもなし、奥さんも大変だろうなー
何より大変な事は、夫であるトレーナーさんが指輪を大切にしてないって映った事だろうね。さーてトレーナーさんに問題でーす、アタシは――――ナイスネイチャは一体何に何をしたでしょうか？

うん、まあそうだね……最近トレーナーさんが指輪を見る目がちょっと変わってきてたし、トレーナー室を掃除とか言って色々探し回ってたし、逆に何か……盗聴器か何かつけてたりもしてたね。見慣れないコンセントハブ増えてて、特に繋ぐ機器が多いわけでもなくそれに必要性感じなかったらさすがに察しがつきますって、カメラはさすがにアタシがトレーナー室で着替えることもあるからつけられなかったのかな、やっぱ優しいよね――――違うか、アタシが何かしているかっていう事実が信じられなかったからこその中途半端さかな、うん……多分そっちだね。だからと言って仮にカメラ仕掛けられてたとしても何やっているかなんてわかりっこないけど
まあ最初の答えは……指輪に――――で合ってるよ、でも何を指輪にしたかは、……指輪に何をしたか、のほうが誤解生まなくていいかな。まあわかってないんだろうなー、見た感じからすれば変色しただけだもん、彫金細工師でもない素人にはわからないよね、わからないままでいてね

まあ言っちゃうと正解は、指輪を溶かした――――でしたー、たはは……まあ前提としてプラチナは溶けません。それこそ王水でも使わなけりゃ溶けないって、すごいよね。
トレーナーさんもそこが引っ掛かってたんでしょ、学生に王水どころか強酸なんて容易に用意できるわけもなし、まーさすが白金、金の名を冠するだけあるわー。ブロンズなんてあっさりとけちゃうのに――――でもね、トレーナーさんの指輪の価値がいくらかは知らないけど、プラチナ十割の指輪ってのは基本ないんだって、プラチナや金は純度が高ければ高いほど変形しやすいらしいから、様々な金属を混ぜるんだって
だから溶けたのは――――酸化したのは混ぜ込まれたその他の金属って感じかな、特にトレーナーさんの指輪ってピンクゴールド系でしょ？　それって銅が含まれているから、さっき言った通りあっさり変色、なんなら溶けちゃうんだよね
それでは次の問題でーす、アタシはどうやって指輪を溶かしたでしょうか？

トレーナー室を掃除とか言って色々探し回ってたし、ってのはさっき言った通り――――指輪を溶かす程の薬品がないかあっちこっち調べてたんだろうね、うんうん。
アタシが着替えてトレーナーさんが外にいる状態の時に何かしているか、それは正解。
でもトレーナーさんの考えだとアタシが服の下に何か仕込んでそれを指輪にかけて腐食を促したっ……てことになるでしょ？
そうしたらトレーニング中にその薬品が服から落ちたり、水泳時水着にそんな隠す場所なんなあるわけもなし、そもそもたまーにトレーナーさんが忘れ物したって言って調査のためにトレーナー室に戻った時、アタシの制服やら何か漁ってたらその現物が出てくるわけだ。……でも出てくるわけないよね、ネイチャさんそんな轍は踏みません。
前にした人いるのかはわからないけどさ、ま――――服の下ってのは当たってるけど
盗聴器にも気になる音はなく、薬品の現物もなく、それでもただ指輪は時間と共にくすむ。

トレーナーさんにしてみれば悪夢だよね、トレーニング中は付けないって言っても逆に言えばそれ以外の時間には付けるのが夫婦二人の間でのルールみたいなもんなんでしょ？　夫が結婚指輪をつけてないってだけで不信感を煽られて浮気の疑いまで行く夫婦なんて結構いるみたいだし、子は鎹って言っても、その子もアタシが順調に腐らせていってるから、どこまで関係が保つやら…
あ、そうそう問題の答えだったね――――ナイスネイチャは指輪を腐食するのに、自分の胃液を使っていた、が正解でーす……いやあ、我ながら凄いこと考えたなあって思うよそりゃ……そしてまさか本当に一部が溶けるとは思ってなかったんだよね……
でも考えてみればさ、胃酸って強のつく塩酸なわけ。
ぴーえいち？　が空腹時は1～1.5とか2とかの強酸性、食物溶かす他にばい菌細菌殺すためだってことはわかるんだけど――――そしてこれ平均的な人間の話ね、ウマ娘の話に変わるけどちょっとオグリ先輩見てみてよ、スペちゃんでもいいけど二人ともとんでもなく食べるよね、ほんとマンガじゃないってくらい。

もし人間があれだけ食べたら消化にどれくらいかかるんだろう、でもオグリ先輩もスペちゃんも昼喰った後晩飯食えるんだよ、だからウマ娘の胃袋は人間よりも強くて、付随する胃液も同様に強いって考えるのが自然じゃない？
ちなみに腐肉食のハゲタカは、pHが0まで行く奴もいるんだって。排泄物で自分の足を消毒とか、どんだけよって感じ……まあアタシはウマ娘だけどさ。ハゲタカと似たようなことしているって言われたら、まあ返す言葉が……ナイデスネ……
吐くまで泣いたアタシが、それでも考え出した細やかな反抗。
処理を考えてトイレで吐いて、吐いた本体でなく手に残った物を指輪を眺める体で塗っているから、カメラに決定的な事は映る事もなく盗聴器でもアタシが声を出さなければ何にも引っかからない。当然指輪の腐食も緩やかな物だけど、それを三年間続ければ話は変わってくるって感じかな、継続は力なりだね。
ただ指を喉に突っ込んでいるから唾液や胃液に触れた指の肌荒れはするからハンドクリームは必須だし、さっき言った通り強酸性のさらにウマ娘製の胃液だから、三年なんて月日を重ねたら下手をすればアタシの歯まで溶ける――――さすがに溶けたら歯科医に連れて行かれて恐らく芋づる式に全部ばれちゃうから、先手を取ってハードタイプのマウスピース及びうがいや歯磨きで守っておけばいいと、アタシは結論をつけた。問題は食道だけだけど、毒やマヒに強いってことは、まあ……そういう事でもあるんじゃない？

もうこれある種の呪いだね、しかもある意味三女神様公認の――――ウマ娘なんてわざわざこんな体のつくりになんてしなければよかったのに、さ
指輪をアタシが腐食させていくと共に、白金の輝きにくすみと変色が生じていくごとにトレーナーさんの家庭にも呼応するかのように皹が入り始めてさ、逆にアタシの調子は反比例するかのように右肩上がり、そうなると人の心理としては自分が嫌な所にいるより、楽な方にいたいって思っちゃうんだよねー、アタシにもそういう時期合ったからわかるよ。
たまーにそういう自分を俯瞰で見て、いやな所のカテゴリに大事なもん入れちゃったりする自分の弱さに辟易するんだけど、それでも子供は不満を漏らす、奥さんは諌めるからさらに険悪になる。
負のループで育児ノイローゼの初期段階になるのも、非現実だって笑い飛ばせるところはとうに過ぎて、でも頼れるはずの父親であるトレーナーさんは息子君じゃなく基本アタシにかかりっきり、その事実に議論なんて差し挟む必要もない――――だってそういう仕事だもん。
そうなるとアタシも女だから燻っている現状の姿が良くわかるよ、……まあわかるのは奥さん視点だけじゃないけど、ちゃんとトレーナーさんががんばっていることもわかってる。息子君は甘やかすアタシに会いたいと思っているはずだし、アタシがママだったらよかったのに――――なーんてこぼしてくれたら上々、だけどまあその可能性はないわー

まあアタシがはっきりと言えることは、アタシの弟にそんなことはしないってことだけだね。だってそんなことしても将来どこに出しても恥ずかしい人間になるだけだし、さ？
息子君、息子君はアタシを好きだって言ってくれるけど――――ごめんね？　アタシは、ナイスネイチャは君に心底興味がないんだ。トレーナーさんに似ているだけの別人で、アタシが欲しい物じゃない。
君が将来道を踏み外すお手伝いをしている身で何言っているんだって後で思うかもだけどさ、アタシの中に君が座る席はどこにもないんだ、まあ言えないけどね――――とはいえ、あとあとアタシやアタシの子供が襲われないように小さい内のどこかで足や手かどっちか事故に見せかけて不自由にしとくべきかな、歪んだ欲がいつこっちに向かうかわからないし。
なんならトレーナーさんの家庭を壊す要因の一つになりそうだし？
仮にトレーナーさんと奥さんが離婚したとしたらどうなるんだろうねってちょっと調べて見たら、奥さんが有責であっても親権は基本的に母親が取る形になっているそうだね。
子供には母親が必要だっていう意識が根付いちゃっているのか、……へー、父親は二割くらいもとれないんだ……男女不平等極まれりー、なんちゃって。まあそういう事で、息子の親権は奥さんが取る可能性が非常に高いって訳、アタシが甘やかして甘やかして腐らせた息子君はアタシに転がり事もなくバイバイ……――――ってわけ
ネイチャさんから見た奥さんは息子を放り出すくらいに無責任でもないし、何より女のプライドが許さないって。悪意の有無はともかく高校を卒業するかどうかの小娘に家庭を壊されて息子まで取られるとかそりゃあ認めたくないでしょ？
息子はそっちに上げるから、トレーナーさんはアタシがもらうね？
まあ人に乗り換え上手を教えるのは、ネイチャさん大の得意ですから――――

>>511の人も悪くはないしいいと思うけど、私だったらこうしちゃうなーって思いながら書いたわ
イイですよね、ブロンズがプラチナを越えていく物語
男の子のロマンが詰まってる

あと親権類のあれこれとマウスピースの保険適用は調べて見たらこっちの世界でもマジできくらしいから悩んだ人はやってみれば

>>567

…まって、私だったらこうする、って何だよ…！？

>>568
ID:V5z71sd.Ak と >>511 は別人ってことか。
確かに1レスに収まるようなヤツではなかったね。
湿気らせマイスターは1人じゃない。

わりかし綺麗に伏線入れててワロwww

ワロ…

天才か

胃液は思いつかんわ・・・

どうしてネイチャの湿度を上げたい奴らに文豪が揃ってるんだ…

全部>>1の所為だろ
こうなる事が分からなかったなんてあるわけないんだから

ふと思ったんだが
3レス毎ってことは999まで、つまり333段階上がるってことだろ？
次に上がるのが>>576だから192段階目だろ？
つまりあと141段階湿度が上がるってことだろ？

…やばくね？

なあに、晴らすメント攻撃があるし、湿気りきることはないさ

…それ出来る奴まだこのスレに残ってんの？
あの人が暴れ回ったからみんな逃げてない？

マズい！ネイチャの湿度が上がる！
トレセン音頭を流すんだ！

>>578
ネイチャ　クリスマスキャンドルの灯は揺れているかい　ネイチャ　お前の愛の灯はまだ燃えているかい

盆踊りの季節だし振り付け練習しようぜ！
あと一緒に踊ろうぜ！
きっとたのしいぜ！

雨でも盆踊りはできるのか？

オラっ！晴らすメントの時間だ！

無駄だ
そんな事をする奴はもうこのスレには残ってない
このスレはもうほぼ深海だ、私達はオオグソクムシのようにじっと動かずに待ち
この深海を思わせるスレの鈍い進みの中でたまーに落ちてくるレスを餌みたいに食めばいいんだよ
息がしやすいこれこそ環境整備のおかげだな

まあ600くらいまでは環境進めようか

トレーナーさんの一着はゆずらないとか言ってたアタシだけどふと――――今のナイスネイチャの価値ってどれくらいなんだろって、思い込んだわけなのね。言い換えればアタシはアタシを一着と納得させるだけの指標が欲しくてさ、とはいえまだまだ学生のアタシにできる事なんて片手で数えるほどしかなくて、逆に言えばそれは他の女にお先に失礼される可能性も高いよね、心当たりも一人いるし……
その心当たりが、珍しく上げた写真をよくよく見てみれば――――ああ、映っている本人の右後ろあたりに、トレーナーさんが映っている。顔どころか体の三割も映ってはいないけど、その指の先はアタシに幾度となくトロフィーを折ってくれた優しさを持つ指。
もうこれは、さ――――匂わせどころか宣戦布告なわけ、アタシがスタート地点に立つ前に全て決めるつもりだと言外に示してた
そうなると、もうアタシだってなりふり構ってられない。どうにかしてトレーナーさんの視線をナイスネイチャに留めさせておくって言うのが発端だった。そうして、グランドライブという舞台を共同で作ったアタシとその心当たりは、不日水面下での攻防を始める事となったんだ

そういえば話は変わるけど――――トレーナーさんの昨日の昼食はコンビニの弁当だったね、例えば明日適当に昼食でも作っていって、あの人がコンビニ弁当よりおいしいって言ってくれたらアタシの弁当の価値、ひいてはナイスネイチャっていう子はそのコンビニ弁当よりも価値が高くなるんだろうかとも考えたけど。でもそれはやっぱり心当たりの方もできると言えばできる気がして、明確なアドバンテージにはなりえないと知った。何回か作って持ってたんだけど、トレーナーさんの反応は確かにうれしいって言うそれではあるんだけどさ、何もかも犠牲にしてそれでもナイスネイチャが欲しい――――っていう渇望の陰すら見えなかったのね、ああこりゃあダメだと。今のアタシが例えば、トレーナーさんのおじいさんの形見であるその腕時計をくださいなんて言っても、……ああこれさすがにたとえ話ね、トレーナーさんの腕時計は先日買ってた量産品よ――――まあ、ともかくくれるわけがない。もしくれたら、アタシはおじいさんの想い出よりも価値が上なんだって確信できただろうけど。そもそもトレーナーさんの人生の一部を切り売りできるような代物なんてそうそう都合よくあるわけもなく、とはいえさっきの通り、アタシにできる事なんて片手で数えるほどしかなくて。それでも何かできるかなーなんて、スマホ片手にまあふと思いついたナイスネイチャの値段――――なんて調べればそこにつくのは必然でさ、未使用の……いや使用済みのぱかプチってなんなのよ、どんな使用法だ。あー……やっぱ聞きたくない。まあそんなものがぞろぞろ出てくるわけよ、テイオーやらマックイーンやらのぱかプチと比べるとやっぱ値段が低くて、在庫が大量に余っているからだろうね。つまりそれだけアタシは人気が劣ってて、ナイスネイチャは――――価値がない、なんてね。たはは……

アタシにはトレーナーさんがいたけど、この子達には誰もいない。なーんて殊勝な事を言うつもりは全然なくて、寧ろ雄弁に語ったのはスマホをいじるアタシの親指。非力……とはまあ言わないけど、それでも女の子の親指一本、その意思が乗るには頼りない一本で、この子たちはただアタシのエゴの為に消費される未来に乗せられた。その子達がアタシの所に来たのは、寮の部屋に置くわけにはいかないからまあ当然実家の方なんだけど、休みの日に帰ってその子らがきちんとどいているかを見て、その数におふくろに囃し立てられた。まあ自分のグッズを自分が能動的に集めてればそうなるよね、自信の現れって感じで嬉しかったみたいだけど――――真実は逆なんだよね

心当たりのあの人にできなくてアタシにできる事と言えばやっぱりレースで、当然出て頑張ってはいるけど、それだけで万事が万事うまくいくこともないわけで、そりゃあどうしたって負けはこむよね。テイオーに負け、マックイーンに負け、時に先輩に、後輩に負けて――――アタシがアタシの価値を信じられなくなりそうだった時、アタシはナイスネイチャのぱかプチにお願いしてアタシを元気づけさせてもらって、さ。例えば今日のテイオーもすごかったなーって思った時、あのステップが羨ましいなーって思った時、テイオーのぱかプチから足を裁ちばさみで切り取って、針と糸――――アタシの尻尾の毛を使ってアタシのぱかプチに付け替えて飾っておくんだ。有名なウマ娘なら大体ぱかプチあるしね、通販サイトからアタシの人形と一緒に買って来るなんて当然の事。……ただ一つ、心当たりの女――――ライトハローさんのぱかプチは、見当たらなかったんだよね。未勝利バだからなのか、それとも世代が古すぎてもう残っていないのかは知らないけどアタシの手に入る事はなかった、だからあの人の体のどこかに羨ましい部分があっても、アタシのぱかプチに移植する事は出来なくて、だからこそいまだに悩んでいるんだけど
ともかくとしてアタシは、アタシを負かした子達のぱかプチから欲しい部分を選り好んでアタシのぱかプチに移植する行為を続けてた、そうしたらプラシーボ効果なのかな？
それとも本当に呪いがかかったのかな――――最近その子達の動きが鈍いって言うか、ああネイチャさんのトレーニングの成果が出てきたって話じゃないんだよこれ、だったらよかったんだけどナイスネイチャは本格化の時期も過ぎてきてるし、ほとんど伸びしろもなくなってきているからね。特に後輩は、まさにこれからっていう時期だし……

そうそう、呪いだっけ――――トレーナーさんは、ひとりかくれんぼって知っているかな？
降霊術の一つなんだけどね、人形を使ったものなんだって
ちょうど、さ……あるじゃん？　アタシにパーツを取られた、ライバルたちのぱかプチがさ――――やり方を調べて見たら、下準備としてぬいぐるみに名前をつけるんだって、ここではテイオーでいいか。テイオーのぱかプチだし、でさ、次に詰め物を全て出して代わりに米と自分の爪を切って入れて縫い合わせる……うん、裁ちばさみで人形を切るのももう慣れたもんですよー、お腹をバッサリ切り開けてそこにアタシの爪じゃなくテイオーの一部と米とを入れちゃってお腹をテイオーの尻尾の毛で閉じる。
テイオーのお腹をテイオー切開ー…なんちゃって……いやいやこれはさすがに怒られるわ。そうそう糸を赤くするにはマジック使っちゃったけど、まあいいでしょ。縫った後余った糸はある程度ぬいぐるみに巻きつけて結んで、終わり。あと細かい作法はあるけどここで書く事じゃないし、ただアタシはやったって言う結果だけを見てくれればいいし？　ただし、ただしアタシはその作法をちょっとだけ捻じ曲げて行った――――それがどういう結果を誘ったかは、今はまだわからない

そうそう、中に入れる米はぬいぐるみの内臓を、赤い糸は血管を表しているんだってさ――――あ、そうそう手足があるぬいぐるみじゃないといけなかったから、テイオーのぱかプチにはちゃんと他の子のぱかプチの足を移植してあるよ？　もちろんネイチャさんの一部は絶対に入れないようにして、さ。中古品の人形だったら頭おかしい奴が人形の中に呪いの触媒になるなんかを入れていたかもしれないけど、このぱかプチ全部未使用品だからそういう心配もないんだね。一応見てはおいたけどさ……
話を戻して――――隠れ場所を決めておき、そこに塩水を用意しておく。これが問題だよね、一人になれる場所とかそうそう思いつくかと言われればちょっと首を傾げてなやむ。ひとりかくれんぼって言うくらいだから周りに人がいちゃきっとダメなわけでしょ、しかも何より寮でやったらさ――――凡百の霊より怖い人がいるし、多分雑霊なんて散らされちゃうよね……ってことは選択肢は自宅なんだけど、それも怪しい。おふくろと弟いるから万一二人にも危害が言っちゃまずいしね、しかも最適な時間は丑三つ時、ざっくり午前三時になってからの上、それも二時間以内に行えってあったから中々に厳しい。他の心当たりとして例えば廃墟で行うとかは考えたけど、当然門限は切れているし――――外泊届けにもなんて書くのさ。深夜の散歩でーす、……なんていける訳ないじゃん！

この前誰かがそれかいて嘘でしょってはじかれてたし、あとテレビの砂嵐ってのも地味に面倒、スマホかなんかで動画があるとしても逆に言えば道中でそれ回収しなくちゃいけないってことでしょ。いろいろ問題があるよねー…だからさ、試せるものはなんでも試したよ――――ホテルや旅館の一室でとか、休みの日実家に戻れるときは補導されないようにこっそり抜け出したり、弟が高熱を出して入院の為におふくろが病院に連れて行ってそのまま帰ってこないなんてときは最適だったね。おふくろはその時バーで少し酒飲んでたからさ、そのまま車運転したら飲酒運転になっちゃうのよ。当然アタシも車は運転できないし、深夜だったから他の家に運転してくれなんて頼む訳にもいかないし、救急車だって迷惑でしょ、だってさ。
……いやそれはその為にあるんだから呼ばなきゃダメでしょって言ったけど酒が入ってたからか、緊急時らしからぬ対応しかできなかったっぽいね。最終的に割増とはいえタクシー呼んで、そのまま朝まで病院にいて帰りはバスで帰ってきてた。アタシは弟が心配で眠れなかったなんて言い訳をしながら、その実怪しい儀式に傾倒してたんだよね。ごめんね、お姉ちゃん最低だね――――
でもまあそんなことを続けてたら、アタシの様子がおかしいと思ったのかお友達を監視につけていたのかは知らないけど、ともかく見つかったカフェさんに散々に怒られちゃってさ、まあ確かに人を呪わば穴二つとか言うし、ひとりかくれんぼで、呼び出される霊はこの世に未練があり力のないふらふらとしている霊。テイオーやらマックイーンやらの姿に乗り移ってしかも人形に付けた名前と同じくその本人が目の前にいるわけだから当然執着はナイスネイチャじゃなくそちらに向かうだろうけど、……何故ってアタシもその光に焼かれた方のウマ娘だからわかるよ、これを始めたきっかけがまず羨ましいって言う感情だったんだから。

まあそりゃあアタシにも呪いは降りかかるかもしれないとも言われたけど。でも、だからこそって言うかな、そこでアタシが衰弱してトレーナーさんがアタシをどう扱うかで――――アタシの価値って言うのがおぼろげだけど見える気がするんだ。言うなればさ、ライバルたちへの呪いなんて成就なんてしなくても最悪良い訳で――――って言ったら、すごい顔されちゃって、ともかくもうひとりかくれんぼは行わないようにって釘刺されちゃった。
次にやったらあなたのトレーナーさんにも通告しますなんて言われたら、さすがにアタシとしても辞めざるを得なかったわけで、ただしアタシはわかっていない体で――――使った人形は、テイオーにはテイオーのぱかプチっていう風に、それぞれ人形と同じ人物の部屋にあるベッドの下に隠しておいたんだ。本来人形は最終的に燃える形で処理しないといけないんだけど、アタシは燃やさずにおいておいた。あとあとでわかった事なんだけど、どうしてひとりかくれんぼを二時間以内に終わらせなくちゃいけないのかは、なんかそれ以上すぎると霊が帰れなくなっちゃうんだって。

人形を見つけた時にナイフかなんかで刺すのも、糸で用いた血管を切るそれ自体を始め人形という形代だか憑代だかを壊して、霊を解放するためなんだって
ところがアタシは、降霊術の作法を捻じ曲げて行った。刃のついている包丁とかナイフとかではなく錐で刺したから血管に則する糸等は傷つけず、時間も二時間どころかたっぷりとったから人形から霊が抜け出ている可能性は限りなく低い。そんな呪物を、人形と同じ外見をした娘の所に何ておいたら、どうなるかなんとなく想像はつくんじゃない？
――――まるで木バだよね、歴史にもあるでしょ？　トロイア戦争の木バって、ウマ娘のライブの先駆けになった出来事って教わったんだけど、諸説あるみたいだね。単純に木バ――――ウマ娘を模した木造建築物に兵士のウマ娘を隠して持ち帰らせた後、出てきて奇襲をかけるとか。逆に持ち込んだのはウマ娘のライブの舞台みたいな建築物で、日本で言う天照御隠れの時と似たようなどんちゃん騒ぎをして相手の開門を引き出したとか、正直アタシは後者だと思っているけど。逆に前者からとられた様な由来のコンピューターウイルスもあるってのが面白いよね、一見無害な様子を装ってその実有害な物をまき散らしたりするやつ、まさにそれ。

一見無害な人形で、特に気にはしないけどその実ってやつ――――作られた薄氷の道を、アタシはただ栄光を求めて倫理に蓋をして走り抜けた。
でも、さ――――まさかこう事態が転ぶとはね。アタシはアタシが思っていた以上に、光り輝いていたみたい。うーんちょっと違うかな、深海の闇の中にいた奴は少しの光でも眩しいと感じる物って言ったほうがしっくりくるかもね。
あの匂わせ以降に時々アタシはライトハローさんのウマスタに上げた写真を見るんだけどさ、あれ――――って、なんか違和感を覚えた様な。自分と似た様な匂いを嗅ぎ取ったっていうか、そこで気づいたんだよね、あの人の部屋の中にアタシのぱかプチがあるって。しかも――――足が二つ、ある筈の場所からなくなってるぱかプチがさ。そこで何よりもアタシが感じた感情は、理解だったな……何故ってアタシもその光に焼かれた方のウマ娘だからわかるよ、これを始めたきっかけがまず羨ましいって言う感情だったんだから――――どうやらこの人が持っていた羨望は渇望の域に達していたようで、あの人はきっとトレーナーさんと一緒に走りたかったんだろうなって言うのが、たった数十センチしかないピクセルのさらに片隅からありありと見えた。

そっか、未勝利バには――――G2でもG3でも重賞を勝ち抜いた事自体が眩しいんだ……ってさ。そこでようやく、アタシはライトハローという大人よりも優位な物を一つ得た様な気分になったんだよね。だからグランドライブの裏にあったあの人の嫉妬、よりにもよってアタシがセンターになっちゃったあの一件にどれだけの感情が渦巻いているか、その一端をも知った。
同時にこうも思ったんだ……ああ――――この人を悪者にしてトレーナーさんを助け出せれば、恋敵の地位を落としたまま、アタシはトレーナーさんにとっての人生を変えられた存在になるんだってさ――――いうでしょ人を呪わば穴二つって、ライトハローさんにはまあ……アタシを呪った報いを受けていただきましょう――――

ぱかプチって割と万能とまでは言わんけど可能性のある道具だよね
腹の中の綿抜いて布団にするとか
逆にネイチャのぱかプチに何か入れ続けて妊娠したようにお腹を大きくさせていくとか
いろいろ考えたけど、一番面白くなりそうなのがこれだったな
さてまたつくらんとな、もう対抗用しかない

新鮮な湿度だぁ…ありがたい…

（シリカゲルを絨毯攻撃のように散布する俺……）

これでまだ600ってマ？

何だかんだで600か

あと333…だと…！？

何言ってんだお前

ループものって難しいのな

今度は何やる気だよ…

今度はどんなものがお出しされるんだ…

夏合宿の夜と言えば、恋バナと相場が決まっている。
それが、女の子しかいないトレセン学園なら、さらに倍率ドン、というところで。
合宿最終日、アタシは大部屋でクラスメイトをはじめ、みんなに囲まれていた。
「ねえ～、今度はネイチャの番だよ。観念して吐いちゃいなよ」
みんな、テレビで見る男性アイドルだったり、カッコいい先輩だったり。
でも、アタシは。
「――アタシ、トレーナーさんが好きで」
「キャーッ！」という嬌声が飛ぶ。
それはそうだろう。アタシでもそうする。
「アタシに凄く優しいし、折り紙のトロフィーもくれたし。何でもアタシのこと優先に考えてくれて。お出かけとかも積極的にしてくれるし、小さな違いにすぐに気が付いて気を使ってくれるし」
話しているうちに、トレーナーさんへの恋心がまた、募ってくる。
――会いたいよ。いつも、一緒にいたいよ。

「で、ネイチャはどうしたいの？」
「えっ？」
「あるじゃん。『お買い物デートしたいー』とか、『一緒に遊園地に行きたいー』とか、さ」
――アタシ。アタシは。
「……トレーナーさんに、身も心も服従させられたい。トレーナー室で無理矢理押し倒されて、抵抗できないままエッチされて、そのままトレーナーさんの言われるがままになんでもしてあげて……。ペットのようにぞんざいに扱われて、奴隷のように好きにされたい」
「……そ、そうなんだ――」
ドン引きしているみんな。少し、願望を出し過ぎたかな。まだまだ、足りないんだけど。
その時。
「こらー！　まだ起きてるのかー！　明日は帰るだけとはいえ、帰るまでが合宿だぞー！」
声だけでも、匂いだけでも間違えるはずもない、最愛の人。
「トレーナーさん？」
「ああ、ここネイチャの部屋だったのか。今晩は俺が当直だから、怒られないように早く寝るんだよ」
「はーい」

そこに、みんなから割って入る声が。
「ねえねえ、ネイチャのトレーナーさん！　ネイチャったら好きな人いるんですよ～。誰だと思います？」
その言葉に、トレーナーさんはこちらに視線を向けて。
「ん？　なに？　ネイチャって好きな人いるの？」
「……ええ、イマス、ケド」
そうすると、笑顔になって。
「そっかー。恋は人を成長させるからな。命短し恋せよ乙女、だ。俺も好きな女の子がいるんだけど、全然でね～。お互い頑張ろうな、ネイチャ」
そのまま、襖を閉じて部屋を出て行ってしまった。
「――ごめん、ネイチャ」
トレーナーさんに、先ほどの質問をした娘が、すまなそうに謝ってくる。
「ううん、大丈夫。――アタシ、もう寝るね」
布団をかぶって潜り込む。

――アタシに、あんな言い方をしたってことは、好きな娘はアタシじゃないんだろう。誰なんだろう。桐生院トレーナーだろうか。樫本理事長代理だろうか。ライトハローさんだろうか。たづなさんだろうか。いや、ハッピーミークちゃんや、リトルココンちゃんや、ヴェニュスパークちゃんのことを褒めていたし、そっちかもしれない。
――ねえ、トレーナーさん。なんでアタシじゃないの。アタシの何がダメなの。アタシ、多分学園で一番、トレーナーさんに近い女の子だよ。トレーナーさんのこと、誰よりも知っている自信があるし、誰よりも何でもしてあげるよ。どうして、ドウシテ、ＤＯＵＳＨＩＴＥ……。
その夜は、泣き腫らしたまま、一睡もできなかった。

結構なお点前か？

身に潜めている異常感がとても好きだな…だが湿度という点ならば、こんなの湿度四天王にも及ばん

四人もいるか？

文才の発揮の仕方が恐ろしいな

隣の某ネイチャスレが乾燥したな!
やったなネイチャ!ハレルヤ!ネイチャ!

>>614
隣が乾燥したならこっちは湿度上げてバランス取らないとな！

これじゃまるでネイチャさんの湿度が高いみたいじゃないか！

>>616
お前の目はリハクか！

いつしか雨は止み、そこには虹がかかるんだぜ☆

それってジンクスですか？

(湿度が)上からくるぞ！気をつけろ！

あーもうそろそろ一か月か
ネタは尽きてくるし
外敵ももういないから意識して早く書き上げる必要性もないしでほっといたら早いね
最近はスレの流れもゆっくりだねえ
まあいいや、大具足蟲も一か月飲まず食わずじゃ辛いよね
ちょっと一個落とすね

はい、寝る前にネイチャさんのお話聞こうね
トレーナーさんの一着はゆずらないとか言ってたアタシだけどふと――――今のナイスネイチャの価値ってどれくらいなんだろって、思い込んだわけなのね。言い換えればアタシはアタシを一着と納得させるだけの指標が欲しくてさ、とはいえまだまだ学生のアタシにできる事なんて片手で数えるほどしかなくて、逆に言えばそれは他の女にお先に失礼される可能性も高いよね、心当たりも一人いるし……
その心当たりが、珍しく上げた写真をよくよく見てみれば――――ああ、映っている本人の右後ろあたりに、トレーナーさんが映っている。顔どころか体の三割も映ってはいないけど、その指の先はアタシに幾度となくトロフィーを折ってくれた優しさを持つ指。
もうこれは、さ――――匂わせどころか宣戦布告なわけ、アタシがスタート地点に立つ前に全て決めるつもりだと言外に示してた

そうなると、もうアタシだってなりふり構ってられない。どうにかしてトレーナーさんの視線をナイスネイチャに留めさせておくって言うのが発端だった。そうして、グランドライブという舞台を共同で作ったアタシとその心当たりは、不日水面下での攻防を始める事となったんだ。
ただその攻防もまさか――――トレーナーさんが記憶喪失になっちゃったことから一気に予想できない方へと転がっちゃったのにはどうしようって言う狼狽を通り越して笑っちゃったな、最初に気が付いたのはアタシで少なくとも天秤はアタシに傾いてた。トレーナーさんが倒れたって聞いた時は勿論驚いたけど、そのあと目覚めた当人から君は誰だ――――なんてあんな真面目な顔で言われちゃあ、さすがにアタシも冗談じゃないわこれって思ってさ、行動を起こすのはアタシにしては考えられないほど早かった、……かな？

――――じゃあ何をしたかって言えばさ、結論から言うなら襲っちゃったんだよね。
……記憶の無いトレーナーさんを、さ――――
まあ勿論、そのまますぐに襲ったって訳じゃないよ。そんな事したら、……と言うかそれができるほどにアタシって自分に自信がある方じゃないし、……いやアンタはなんて顔してんの。こっちはアンタらのキラキラした光に焼かれ続けたんだから、もうネイチャさんは煤けて灰だらけよ。…だからその顔やめなって
まあ……だから前段階として、倒れて病院に運ばれたトレーナーさんが初めてアタシを見た時の――――君は誰だ、と言う問いからあなたの担当ウマ娘ですってトレーナーさんの位置付けを始めてさ、ふわふわだった彼の立ち位置に一つの舫いって言うか支えになる柱を通したわけね。そこでトレーナーさんの警戒に似た狼狽が少し緩やかになった事をアタシは確信した。それと同じくして、アタシはアタシがトレーナーさんに不要だと思ったものをこの時期に排斥し始めた。

……え、一手目で得た信頼を無に帰すようなことを二手目に起こすもんじゃないって？　まあまあ、ソウダヨネ……うん……でさ、携帯、まあスマホの認証を解くためにトレーナーさんに指を当ててもらって――――普段ならしてくれない事でも、記憶が無くなったせいでそういう警戒心も薄れてきちゃったのか、アタシが何をしているのかもわからないままでじっと、トレーナーさん自身が折った折り紙のトロフィーを見ていたようだった。あとは――――そうだね、アタシが摘んできたクローバー。三つ葉のクローバーを不思議そうに、見てたかな……四葉じゃないのかって、まあ昔色々と有ったのよ。ともあれその間にアタシはいずれめんどくさい手合いになるであろうライトハローさんの番号をブロックして繋がりを断った後、携帯を返すと共に――――医者の許可をもらって少しトレーナーさんと歩いてみたのね。そうこうしているうちにアタシたちはいつの間にか堤防の上まで登っててさ、四葉をあえて三つ葉にしたのはこの時の一件があったんだけどさ、まあそれは別の時にね。

まあそこからは数日特に何の波風もたたなかったかな？　学園側もあまり大事にはしたくなかったようで、生活のあれこれは医者と――――アタシに同等の一任を許された。
トレーナーさんがアタシを軸にして自分の生活圏を少しずつ取り戻して、ようやく記憶の無い事に折り合いをつけようとしていたその一瞬を狙ってさ――――うん、遠征先のビジネスホテルでアタシは本懐を遂げましたー、たはは……言葉にすると結構恥ずかしいのねこれ……
そのホテルはさ、まだトレーナーさんに教えてないカード式のロックだったのよ。だからいろいろ教えるついでに間取りとか覚えておいて、こっそりカードはアタシのと取り替えておく、トレーナーさんがシャワー浴びるころにアタシも合わせるようにあらかじめ浴びておいて――――いやウマ娘の耳なら壁の向こうのパイプに流れる水の音ぐらいは聞こえるでしょ？
まあトイレと一体化しているからどっちの水音かわからないかもしれないって言えばそうだけど、そこはほら、長さで判別できるじゃん？
まあ人間の耳には聞こえないかもしれないけど、逆に聞こえてたら事に及んでいる時分に人呼ばれてるってそりゃ――――で、個人的に一番神経使ったのここね、バスタオル姿で隣の部屋までとは言え廊下歩くなんてさ誰かに見つかったらナイスネイチャの全てが壊れちゃうし……カードを使って扉を開けたら、バスタオル一枚でベッドに座ってるトレーナーさんがいて――――自分で図ったとはいえなんというか手間が省けたよね、後で気が付いたけど服を無理矢理脱がせる手間の無いお互いのシャワー後って最高のタイミングだったみたい。

だーいじょうぶですって、トレーナーさんの人生はアタシが責任もって責任取ってあげますからねー、なーんて口上からバスタオルを取って、近づいてくるナイスネイチャ。それをぽかんと口開けてみているトレーナーさんを押し倒して、スーツのベルトであの人の両腕を縛り付けて、何をされてるかもわからないあの人を貪った。
トレーナーさんはアタシの事大好きだもんね？
アタシとこういうことしたいんでしょ？　――――違うの？
だってさ、アタシにはこういう事したいって毎日言ってくれてたじゃん？　ライトハローさんにはそんなことしないって言ったじゃん？
アタシが一番、仲良しでしょ？
――――なーんて真っ赤な嘘を織り交ぜながら、さ。
存在しない事実であろうとも人にそれを信じさせることができたのならそれは真実になるんだって誰か言ってたな。誰だったっけ……

まああっちも半信半疑って顔だったんだけど、それじゃあって聞き方を変えてアタシの勝負服、どう思うかって聞いたの。ジュニア期に着てたやつじゃなくてシニア期から着始めたあのチアリーダー式の方、トレーナーさんの前でも何度か着たことあるんだけどね――――あれって、テイオーのと比べても露出高いでしょ？　
レースで使う自分の魂の分身の様な勝負服も、まさか籠絡に使われるなんて思ってもいなかったでしょうけど、まあともかくとして露出が高いってことはそういう目で見られることも考えられるよね……じゃあその変質的な情欲の的をこさえたのが、他ならぬトレーナーさんだったら？　いいかえればトレーナーさんはもともとからアタシの事をそういう対象として見ていた、……なーんてネイチャさんは嘯いたわけですよ、そこでもうトレーナーさんのキャパがオーバーしちゃったみたいでさ、もう完全にトレーナーさんは常日頃からアタシをそういう目で見てた不届きもの――――って視点が植えつけられちゃったみたい。

テイオーは知ってるかな、ベッドの上でもなんでもちゃーんと仲良し好き同士でそういうこと――――しないと法律違反になっちゃって逮捕されちゃうんだって……年下の女の子であるアタシじゃなく、責任も立場もある大人の人が――――ね？
――――あはは、なんて顔してんの。あの時のトレーナーさんと同じような顔してるわ、……うん、ほぼというよりギンギンの恫喝だよね。
真っ暗な瞳をしているトレーナーさんにも、話の流れは大体伝わったようで、アタシを拒絶すれば、すぐに逮捕されて周りの人間にも被害が及ぶ――――
ここでトレーナーさんの記憶がないってことが不思議に作用しているんだね、周りの人間に迷惑がかかるって言う前提が記憶喪失で大まか打ち消されているのに。トレーナーさんが迷惑をかける事の出来る周りの人間って誰だろうねって聞いても沈黙しか返ってこないはずなのに、それでも自分の事を最優先にしないのは記憶以前の生来の性格かな――――トレーナーさんはコップみたいなもんだと思う、なみなみと縁までナイスネイチャって言う情報や信頼を注ぎ込んだ後、それを不意に叩き割った状態のコップ。
ちょっと哲学的だね、もう割れたコップにはなにも入らないよ、それこそナイスネイチャの情報だって入らない――――けど、アタシがそのコップに入っていた事実だけはもうずっと残るんだ。過去の無いトレーナーさんに残った唯一で最後の過去、しかも直近でド鮮明な4K画質。

そして未来の景色が過去から繋がり生まれる物なら、きっと今のトレーナーさんがいる未来は、アタシが望んだ未来と同じもの――――ナイスネイチャだけが、存在する未来。そりゃあ一番信頼していて依存してたナイスネイチャって存在からこういう手ひどい裏切りを受けたんですからねー、ごめんね、アタシ酷い子だよね。でもさ、こうしちゃえばもうトレーナーさん誰かが手を差し伸べてきても、絶対に受け取らない――――言い換えれば裏切りのトラウマに怯えて受け取れないんだよね、例えそれが、例えそれがさ――――トレーナーさんが現在担当しているウマ娘がトレーナーさんを救おうとして100％の善意でそういってきても、……さ？

前にいったよね――――ただその攻防もまさか――――トレーナーさんが記憶喪失になっちゃったことから一気に予想できない方へと転がっちゃったのにはどうしようって言う狼狽を通り越して笑っちゃったな、最初に気が付いたのはアタシで少なくとも天秤はアタシに傾いてた――――うん、最初に気が付いたのは、ライトハローさんでも、現在の担当ウマ娘でもなく、ナイスネイチャって言う――――まあ、そういう事。
アタシが一番、仲良しでしょ？
――――なーんて真っ赤な嘘を織り交ぜながら、さ。……なんて事もいったね
存在しない事実であろうとも人にそれを信じさせることができたのならそれは真実になるんだって――――こうしてアタシは再びあの人の担当で、一番のウマ娘になったって訳
テイオーも見たことあるっけ、アタシが特別移籍でトレーナーさんの下から追いやられた後に収まった、なんていうか……カタバミみたいな娘？　……あー、知ってる？　そうそう前にアタシが隠れて堤防に見に行った時の子、四葉の話の子ね
でも考えてみればおかしい話だと思わない、そもそもあの子がいればアタシがこういう行動に出られる前提がまずない訳――――トレーナーさんが記憶喪失になる前後に姿を消したってことは、きっとあの子がなんかしたんだろうね……記憶喪失になる位の。

でも――――わかるよ、恋ってさ、乙女の感情や衝動思考回路とかを正常でなくさせちゃうんだよね。でもアタシたちだってまだまだか弱い女の子デスカラ、危険な所に行くには足がすくむって言うか、勝機がなきゃ踏み出していけない部分もあるって、そこがレースとはちょっと違うよね。負けて逃げたくなる気持ちも、走る事が出来なくなってトレーナーさんに寄りかかりたくなる気持ちも、拒絶されて全てが真っ暗になって消えたくなる気持ちも良くわかる――――でも、わかるからこそ逃げちゃだめだったんだよカタバミちゃんは、結果虎視眈々と狙ってたアタシにとられちゃうんだから。
え、だいぶ知ってた口ぶりだって？　まあ焚きつけたのは……あ、やっぱ何でもないわ
そういえばさ、ところでなんでテイオーは協力してくれたの？　別にアタシへの友情だけって話じゃないんでしょ？　――――ああ、そういう事か……そうだね、テイオーが似たようなことやろうとするなら実際に一回誰かに試してもらった方が確実だし、その誰かに丁度いいのがアタシだったって訳かあ……いやいや怒りませんって、その代わりとしてカタバミちゃんやハローさんの方はうまく遠ざけたり処理してくれたんでしょ？　抜け目がないわー、いや褒め言葉ですってば
まあお礼って訳じゃないけどさ、勿論アタシもテイオーが動くなら協力はさせてもらいますよー、経験者は語る…って奴？
ん？　アタシはカタバミちゃんに隠れてた伏兵で、がんばり屋で、独占力があって、恐れぬ心でワンチャンスを取りに行くノンストップガールって……テイオーはさっきから何言ってんのさ
アタシはただ、運命を差し切っただけ
ただアタシにできる事を、最高のタイミングでやっただけ――――
うん、お話は終わり
寝ていいよ

ネタがないときは、はい寝スズカさんスレに行くのが吉だね
先人の知啓って本当に偉大だわ、私も二つネタを拝借したからこの場を借りて感謝の意を
人髪醤油とか出てきたときはこいつ天才だなってマジで思ったし
材料は髪と塩酸だって、塩酸で煮るらしいけどそれ自体は指輪を溶かした時の残りで賄えるでしょ、ウマ娘は毒に強いし
ただ問題は私の対抗札の一つにそれっぽい奴が既にあるんだよね、差別化はできるし面白そうだから取り掛かるけど
皆もスレを湿らせていこー

>>633
相変わらずすげえ文章力、本職は小説家か何かでいらっしゃる?

んなわきゃないでしょうが

🐜ごす、えさ、ありがとう。らいげつ、まつ。

>>636
（『ごす』はご主人→ごすずん→ごす、と言う意味です。）

にしても湿度に重力が加わって別の何かになってきてるな…

湿度
深海
瘴気←New！！

どこでこんなに湿度が上がったんだと思って見返してみたら最初の方から割とおかしかった

ちょっとだけ湿度下げない…？

は？

は？

>>640
あはは…やっぱりちょーっとネイチャさん重かった…あー…イヤ、ゴメンナサイ…うん、ちょっとじゃないもんね。アタシ結構重いよね…そうだよね、湿度だ何だって言われてるけど結局いちばん綺麗で元気そうな子とかみんな好きそうだもんね…あ、ほらターボとかどう？あの子まだちょっと子供っぽいけど将来いい女になると思いマスよってね！
うんうん！ほらトレーナーさんとターボも相性いいと思うしどうどう？あの子なら将来の相手にピッタリだろうし、恋人としてもパートナーとしてもいい線いくいく！
ほら早く早く！ターボ待ってるかもしれないよ〜？ネイチャさんの事はいいから！行って行って！！え？アタシが袖掴んでるから迎えない？え、あー……あはは！ごめんごめん！なんか掴んでて！！どうしちゃったんだろうなー！あー！おかしいおかしい！大丈夫大丈夫！ネイチャさんのこと気にしなくても……あの、ほら無意識！無意識、だから……
……………………………………………あの、ねトレーナーさん。その、うん……ネイチャさんのわがまま聞いてくれるなら…その、ターボより…………ううん…ごめん、なんでもない…です……

この前久々にネイチャの育成シナリオ見たけど
ネイチャも重いけどネイトレもまぁまぁ重くない？

(´・ω・`)つ　布団乾燥機

>>645
今そんなもん使っても即壊れるわよ

400レスくらい遅かったよな

むしろ今以上の値をこれ以上観測することはないだろうと言う点で言えば今布団乾燥機を出して湿度を抑えるのは………ごめん自分で何言ってんのか分かんなくなった

おちつけ

なんかこのスレ蒸し暑いな……

アニメ2話でネイチャさん出てきたけど良い娘だな！

きっとみんなを元気にしてくれる明るいウマ娘なんだろうな！

ネイチャはいいトレーナーになれるよね

失敗作が出来ちゃった
供養させておくれ

ウマ娘は毒やマヒに強い？
…誰から聞いたのそんなの、イクノあたり？　…グラス？　ふーん、仲のよろしい事でー
担当ほっといて他の子にご執心ですかー？　ネイチャさん拗ねちゃうぞー？
なーんてね、うん、たぶんグラスの言うとおりだと思うけど…実際どう強いのか試すわけにもいかないし、…まさか服毒しろって言う話でもないでしょ？
まあ――――アタシもウマ娘でよかったなーって思う時はあるけど
え？　心当たりあるのかって？　まあそりゃあアタシだって女の子デスカラ？
秘密のヒトツやフタツ？　…アリマスケド？　ダーメ、言えないから秘密って言うんだから、言いませーん
ふふ、あのね――――毒と薬の境ってなんだと思う？
人の、まあウマ娘の体に善になるのが薬で、その逆が毒って？
うーん、まあそれも一つの意見だよね、でも保健室の先生が言ってたんだけど実際毒と薬って結局のところ使用量に因るんだって、少量を使うから薬で、多量は毒になるってことだと思うよ、毒にも薬にもならないって聞いたことある？
じゃあさ――――トレーナーさんは果たしてウマ娘、とりわけアタシ……ナイスネイチャにとっての毒か薬かっていう疑問からさちょっとアタシもやってみたわけ
トレーナーさんはさ、自分が食べられるって経験したことある？

――――あはは、ソウダヨネ
まああるわけないって答えるのが一般的かな、でも実際人間って結構食べられることあるんだよ、別にワニとかライオンとかに頭から食べられるようなレベルの話じゃなくともさ、蚊を始めとした血液とかレベルの話なら、もっと言えば皮膚の中にいるブドウ球菌やらアクネ菌とかは人の皮脂とか食べたりしてさって言う話よ、トレーナーさんも蚊に食われたことくらいはあるでしょ？
……ああ、そう。トレーナーさん結構食われるってことは、トレーナーさんの血がおいしいんだろうね――――まあ見るからに健康だし薬とか服用してなさそうだし、少なくとも虫にとっての毒にはならないわけでしょ？
勿論物にもよるかもしれないけど虫にとって毒にならないなら、ウマ娘にも毒になるはずないんだよね。
飛躍しすぎだって？　うーん、そうでもないんだな――――だって今のところは何の自覚症状もないしさ、何の話かって？

――――だからさ、やってみたんだ。トレーナーさんは醤油……は勿論知っているだろうけど、それについてどのくらい知ってる？　……質問の意味が分かってないようだから先にいっちゃうね、大豆――――以外から作る醤油って知ってるかな？
ふふ、あのね――――トレーナーさんこの前、醤油飲んで腹痛起こしたでしょ。
あれたぶんアタシが飲んでても特に病害起こさなかったんじゃないかな――――って……
ううん、そんな類じゃなく、起こさなかったって断言できちゃうんだよね。だってあれアタシ用の……もっと言えばウマ娘だから耐えられる類の毒物だし
何より――――アタシ飲むのはあれが初めてじゃないし、さ
さっきの話に戻るけど、トレーナーさんは醤油――――人の髪の毛から作る方の人髪醤油、或いは人毛醤油って知ってるかなー？　何をバ鹿なって思うかもしれないんだけどさ、結構理にかなっているんだよ。
アタシはよく知らなかったけど人の髪の毛ってタンパク質の一種だし、塩酸で10時間から24時間ほど煮てアミノ酸やペプチドに加水分解した後なんか苛性ソーダで中和するんだって、味は本当に醤油っぽいらしいよ。毒性は比べ物にならないかもしれないけど、言うまでもなくさ人間もウマ娘もどっちもさ、下処理もしないで肉でも髪でも爪でも血でもどこでも、かじりついても正直おいしくなんてないわけなんだよね。
というかもしもおいしかったら牛や豚なんて手を出さずにそこらでスプラッタな日常が繰り広げられてるはずだし、ウマ娘の食欲を考えたらもうこの地上が壊滅して最後は餓鬼地獄だよ。でも――――下処理さえすれば、さ。
そうしたら、アタシはトレーナーさんをおいしく食べる事ができるようになりましたって訳、醤油って万能調味料だしね、たははー……我ながら何考えてるんだろうねー……って何その顔

あれ――――まさかトレーナーさん信じちゃいました？
うーん――――あのですねトレーナーさんや、学生の身で早々塩酸や苛性ソーダなんか用意できるわけないでしょーが、ちょっと冷静になりなよ……そうそうそうですよ、未成年は両方買うことはできません、大人が買うにしても用途と名前や住所を書かなくちゃ売ってもらえませんし――――まさか料理用って言って売ってもらえるとでも思ってます？
うーん、まさかこんな冗談を信じるなんて、見たところ……って言うよりは見るまでもなくトレーナーさん結構疲れてるみたいだから、もう帰って休んだ方がいいんじゃないかなーってネイチャさん考えましたー
はいはい、お疲れー。
じゃあ後片付けはしとくからさー
……さーて、と――――どうやらアタシにとってのトレーナーさんは毒じゃなかった――――けど、逆にトレーナーさんにとってのアタシはどうやら猛毒みたいで、じゃなきゃ確かに塩酸とはいえ中和はしたし、いくら水銀やヒ素が含まれているとはいえ微量だし、人由来のあれであそこまで苦しむってことはなかったんじゃないかな。病院で見てもらった時は食あたりだって言われてたけど、まあ確かに食あたりだよね
まあいいや、でさ、トレーナーさんはおかしいと思わなかったかな。
アタシが、色々と――――妙に詳しい事に、さ

人の髪の毛から作る方の人髪醤油、或いは人毛醤油――――何でアタシが知っているかなんて、そりゃその事を調べたからに決まってるじゃん。
じゃあなんで調べたかって言えば、さ。うん、ほら――――そういう目的、を持って動いてたからに決まっているでしょ
そう、人由来――――だって醤油の原料である髪はトレーナーさんが、アタシの庭である商店街で散髪した後に出たものを片付けると言って洗髪中――――トレーナーさんはもとより理髪店のおじさんもトレーナーさんの方に集中している時にちょろまかした奴だし、そんなこと言うは易いけどそうそうできるのかって？
……出来るんだなあそれが、あのおじさんもう結構な高齢だからそこんとこ甘いんだよね。なんなら商店街で育ったアタシが商店街の皆に信用をされてないわけがなく、おじさんもネイちゃんとのデートなんだからキッチリ気合い入れさせなきゃなー……なんてこっそりアタシに言うくらいだから、トレーナーさんの方に意識を傾けてたのには論ずるまでも無くて、まあそうはいっても男の人の散髪なんてそうそう量が出る訳でもない、だから足りない分はアタシの毛やら何やら混ぜて量の嵩を増した後――――あ、勿論アタシの方はきちんと念入りに三回は洗ったよ？　そりゃ塩酸で大体消毒なんてされるって言ってもさ、乙女心としては綺麗なアタシを食べててほしいじゃん？

逆にアタシは、別にトレーナーさんが汚れててもいいわけで――――あの人が染髪剤とか使ってないのは知ってたから、さ。埃とかをドライヤーの風とかで振るい落として、煮た後もちゃんと濾してキッチリこだわって作りましたって訳
ああ、塩酸に関してだけどさ、実はそんなの簡単に用意できちゃうんだよね――――自分の胃液を利用さえすれば、さ。勿論胃の内容物まで戻ってきちゃうから万全を期すならそのために一日ぐらいは食事を抜く必要があるけど、逆に言えば足のつかない材料さえ用意できればもうこっちのものだよね。
ただ苛性ソーダだけは、どうしても用意できなかったなあ――――じゃあってことで同じアルカリ性の重曹を使って中和をしてみたんだけど反応式の結果から言えば、塩酸と重曹を掛け合わせると、水と二酸化炭素と塩化ナトリウム、ざっくり言っちゃえば塩ができるみたいね。
こっちは掃除用と料理用があったから、勿論食用に適する料理用で――――まあいろいろやったんだけど、その色々やったせいで、どうやらアタシも当初のトレーナーさんをおいしく食べて一つになりたいって欲求が、トレーナーさんにもアタシをおいしく食べて一つになってもらいたいって言う欲求にレベルアップしちゃったみたいでさ
こうなると厄介で――――定期的にトレーナーさんに毒を飲ませたいなって言い換えたらちょっとヤバさがわかるかな、そう何度も病院に行けばさすがに怪しいと思われちゃうだろうけど――――
毒を喰らえば皿までって言うし、まあいろいろ試して妥協点を探るとしましょうか――――

とりあえず、大口叩いた割には私の対抗弾の一つの下位互換にしかならなかったわ
あとさー、今だから言えるけど私大嘘書いてたわ、ごめん
>>622から始まる話の事なんだけど
日本のホテルは、高級な所でも部屋の中の声や音が聞こえるように設計されているんだってね
確かに考えてみれば扉の下とかに隙間とか空間もあった気もしなくもないわ
もうホテルに泊まったのがウン年前だから正直記憶にないけど
で、そのエアプの所為でネイチャがトレーナー襲う時に人の耳だと聞こえて人呼ばれてるってあれが完全に嘘になっちゃっているんだよね。余裕で助けてって外に聞こえるわ

そういう所とか今後はもっと気を付けるわ、すまんね

徹底するところがコワイヨー

湿度が上がるってスレタイだろけど今果たして上がってるのか？これ以上上がりようなくないか？

商店街の街並みが切り取った
縦長のフレームの中で、
彼女は控えめに笑っている。

手のひらに太陽をのせて、
子どもっぽいねと笑っている。
当人もまだ、子どもだというのに

小さな肩に圧しかかる内川と、
胸に灯る闘志と、
うすく固く蓋をする諦観。

それらすべてをひっくるめて、
あの子は笑う。
だから、思うのだ。

太陽ひとつ。
直径約140万キロメートルの、
世界で1番大きい金メダルは、
彼女の手にこそ相応しい。

彼女に願う。
どうか笑っていてほしい。
この時だけでも、無邪気に。

空に願う。
あの子が太陽を掴む時、
そのやわい手が焼けてしまわぬよう、
包んでやれるのが、
自分でありますように。

内川？

これを渡しておこう
耐えられぬ時に使うがいい
https://okamoto-life.net/okamoto-zousan/

ネイチャを晴らすのはイメ損に当たる

【朗報】あと333レス

【悲報】あと333レス

ところでこれって湿りきったらどうなるの？

わからぬ
が、このまま湿らせていけばわかるだろう

湿度が高いネイチャvsだぜネイチャvsダークライ

そろそろ新鮮な湿度が欲しいです

わかった
でもまだ本命は書き上げてないから
持ってる四つの対抗弾である
洗脳、遺骨ダイヤ、口噛み酒、想像妊娠
そのうちの一つ上げるね

ウマ娘は毒やマヒに強い？
…誰から聞いたのそんなの、イクノあたり？　…グラス？　ふーん、仲のよろしい事でー
担当ほっといて他の子にご執心ですかー？　ネイチャさん拗ねちゃうぞー？
なーんてね、うん、たぶんグラスの言うとおりだと思うけど…実際どう強いのか試すわけにもいかないし、…まさか服毒しろって言う話でもないでしょ？
まあ――――アタシもウマ娘でよかったなーって思う時はあるけど
え？　心当たりあるのかって？　まあそりゃあアタシだって女の子デスカラ？
秘密のヒトツやフタツ？　…アリマスケド？　ダーメ、言えないから秘密って言うんだから、言いませーん
ふふ、あのね――――毒と薬の境ってなんだと思う？
人の、まあウマ娘の体に善になるのが薬で、その逆が毒って？
うーん、まあそれも一つの意見だよね、でも保健室の先生が言ってたんだけど実際毒と薬って結局のところ使用量に因るんだって、少量を使うから薬で、多量は毒になるってことだと思うよ、毒にも薬にもならないって聞いたことある？
……まあそんなだからさ、トレーナーさんも酒には気をつけなよ？
酒は百薬の長とか言われているけど、それで体壊した人なんてアタシ結構見ているから、さ――――はーいはい、お小言じゃありませーん、じゃあ……今日もいつものあれで最後ね。はい、ナイスネイチャが作ったナイスネイチャって言う名前のカクテルでーす。……トレーナーさんさあ、酒にアタシの名前付けるのなんか恥ずかしいんだけど……今日も変わらぬ優しい味って、なにそれ。ふふ……おふくろの味みたいなって事？　ダメデスヨトレーナーさん、何入っているかわからないんだからさー、あはは……

さて数年前のことになります、学園を卒業してからのアタシの進路は、商店街の中にある実家のバーを手伝いながら考える事にしました。
おふくろとアタシの共同経営って訳じゃないけど、最初は裏方に回ってたアタシが化粧をして、綺麗な着物なんか来ちゃってお化粧も教えてもらって、いつの間にかおふくろと出る頻度が逆転しちゃってて、まあこういう生活も悪くないかなーなんて最近は思ってきちゃったのね。
ただアタシが思っていたよりは、結構波乱万丈な日々だったわ、なんせどこかのバ鹿がネットの掲示板にでも場所を書いたのかしらないけど、アタシが本格的に手伝ってからファンやら厄介ファンやらが出るわ出るわでもう対応に追われまくっちゃってさ、一時期はチームの皆とか知り合いのウマ娘とかが警護兼顔見せで来てくれたりしてたんだけど、それが逆にそっちのファンも集めちゃってさ。毎日が入店規制の嵐よ、でもさすがに数年もするとそういう輩はだんだんと数を減らしていって、まあまあ良識のある客と主に仕事帰りのトレーナーさんとで店は回っておりましたとさ。
めでたしめでたし……
そうね、あの時の商店街チームにはほんとにお世話になりましたわ、ありがとね……
で、トレーナーさんは大丈夫？　結構店に来てくれるけど――――懐具合とか、さ。アタシ誰でもないトレーナーさんから絞るって気はないからね？　まあたまには来てくれなきゃちょっと……さ、アタシも寂しいし

――――うん、まあアタシが厄介なファンにストーキングされてるかもしれないなーんてこぼしたおかげなのかもしれないけど。その前にあんな大量のファンが押し寄せてきてたから信憑性は低いってことはなかったよね、まあアタシ自身そんな奴に心あたりはないけど、さ。なによりストーカーの時点では警察も強く言えないのよねこの時代、実害が出てからじゃないと――――でも実害なんて出たら優しいトレーナーさんは後悔に後悔を重ねちゃうでしょ？　長い付き合いなんだから知ってる知ってる、言わないけど。次の担当も決まらず毎日毎日アタシに付き合ってさー、……うん？　難しい顔してるって？　ああ、これは特に関係ないよ、ただこめかみがちょっと痛いだけ――――うん、そう、こめかみね？
ところでトレーナーさん本当においしそうにお酒飲むよね、その割に弱いけど。うん、もうそろそろお店もおしまいだからちょっと閉めてくるね。
トレーナーさんは適当になんかつまみながら飲んでて、トレーナーさんは閉店後も好きなだけいていいからさ――――はい、ただいま。
……ちょっとちょっと、そんな甘い酒でよくそんなものと一緒に飲めるね。そんなものよりさ、トレーナーさんはちょいと酒の肴にネイチャさんのお話でも聞いてよ。……あー、スルメは噛んでていいから……
あのさ、トレーナーさん知っているかな――――？

口噛み酒っていうものがあってね、読んで字の如く噛んで作るお酒。
たまーに、創作物とかで見るブツですよね、具体的には米などの穀物やイモ類、木の実などを口に入れて噛み、それを吐き出して溜めたものを放置して造る酒のことなんだけど……要はデンプンを持つ食物を口に入れて噛むことで、唾液中のアミラーゼがデンプンを糖化させるんだってさ。それを器か何かに吐き出して水と一緒に溜めておくと、野生酵母が糖を発酵してアルコールを生成して酒にしてくれるんだって。
不思議だよねー、最初にやった人何考えてたんだろうね、まーざっと言えばこれが口噛み酒、……なんだけどさー。大抵の場合はできずに腐敗しちゃうんだよねー、口の中にいる雑菌とかが悪さしちゃって、だから歯磨きは必須――――塩や重曹で磨けばなおよくて、虫歯持ちは論外。
ちなみにネイチャさんはそんなものはありませーん、トレーナーさんがネイチャさんの事ちゃーんと見てくれて、健康管理のお仕事してくれてたおかげでね。ありがとうね
基本原料は生のまま口に入れて噛むんだけど、他には煮炊きしたり、原料を酸敗させた後で口に入れて噛む製法があるんだって。メリットとしては原料を煮炊きすることで糖化しやすくなるとか、あと何より米で考えてみれば生米より炊いた後の米の方が圧倒的に噛みやすいでしょ？
トレーナーさんも今度生米噛んでみればわかるよ、おにぎりがどんだけおいしいかって。後は原料を酸敗させることで乳酸による酸性下での発酵となるため、雑菌の繁殖を抑えることができるって、でも酸っぱいの噛むのはちょっとやだよね。スルメならいけるのにね

まあ――――そんなこんなでつくられたお酒は、味はどぶろくに近い形で、状態としては清酒ではなくなんかにごり酒に近いんだって。糖化したお米がそのまま残っているから、一般的に想像されるような清酒の味よりも甘みがあり、発酵によるヨーグルトのような酸味も感じられます――――ん？　どうしたのトレーナーさん、そんな鳩が豆鉄砲喰らったような顔して……ああ、そのお酒確かに甘みがあるだろうね。
お米で作ってるから優しい甘味がするでしょ？
ありゃ――――ヨーグルトの風味はお嫌いでしたか、なんてね……？
酒の名前？
さっきから言ってるでしょ――――あなたが名づけてくれたナイスネイチャだよ？
アタシが作った、トレーナーさんだけにしか出さない、アタシ特製のお酒……ふふ、ここまで言えばもうわかっちゃったかな……？
――――って、んなわけないでしょーが。
あはは、なんて顔してんのまったく……はー……笑ったー……あのね、普通にそれは酒かすと米と水の甘酒だよ、ただし酒粕のアルコールは入っているけど、ヨーグルトの匂いは飲むヨーグルトが入っているからだね。パルファムって言うカクテルをちょっと参考にしてさ、そっちはウォッカとやっぱり飲むヨーグルトをベースにリキュールとかいろいろ入れるんだけど、レシピはネットに落ちてるから調べて見たら？
え、美容系と香水しか出ない――――？　あ……ソウデスカ……
………あのね、そもそも、この国だと免許ない人がそういうの作っちゃだめなんだってさ。ちょろっと見て見たら、懲役、罰金、禁錮、とりあえず物騒な文字がバンバン並んでんの。
やばすぎてソウナンダ……って言っちゃったよ。
トレーナーさんも悪い事考えちゃだめだよ、免許ない人は酒なんか作っちゃだめなんだから……ね？　あ、梅酒はまあいいみたいだけど免許ない人は基本的にダメなんだから
――――免許ない人は、ね

カクテルとかは見做し製造とも見えるけど、すぐに飲んで保存しなければセーフなんだって。逆に言えば残ったの瓶とかに移して保存した時点でアウトだけど、だからトレーナーさんが飲まないなら、この子たちは全て排水溝にさようなら……あ、飲むんだ。
なんかアタシが催促したみたいでヨクナイデスネー
ところで、さ。最近アタシも勉強してきてトレーナーさんをイメージしたお酒、カクテル系の試作品とかいろいろ作ってたのね、もしトレーナーさんが気に入ったのがあればトレーナーさんの名前をお酒に付けても……いいって？　そ、アリガトウゴザイマース
あ、トイレ行くの？　場所はわかるよね？
そうそうそっち、トイレの中で寝ちゃだめだぞー？
……あーあートレーナーさんたら、お酒で頭働いてないなー。そりゃアタシは言いましたよ、それは酒かすと米と水の甘酒だよ……って
うん――――それ、はね
でもアタシはこうも言いましたよね、何が入っているかわからないって、後は……そうそう、こめかみが痛いっていったわ。
そのこめかみってそもそも――――米を噛み続けたら痛くなる部分が、米噛みなわけ。
あれ、違ったかな…？

まあいいや、でさ、トレーナーさんはおかしいと思わなかったかな。
アタシが、色々と――――妙に詳しい事に、さ
口噛み酒とか、酒税法違反したら懲役、禁固、罰金だとか、懲罰の三女神だね――――何でアタシが知っているかなんて、そりゃその事を調べたからに決まってるじゃん。じゃあなんで調べたかって言えば、さ。
うん、ほら――――そういう目的、を持って動いてたからに決まっているでしょ。ちゃんと言いましたよ、免許に関しては――――含みはありましたけど
まあ、あと少しで目当ての免許取れるから待っててよ……とは言えないんだなあ、これはさすがにね。正直免許を取るには個人じゃ無理って言うのがアタシの判断、しかも取ったらとったで一年の酒造量を一定以上にしなきゃいけないし、三年間それ下回ってたら剥奪されちゃうんだよね、免許申請に三十万くらい、剥奪されたらその後三年間は申請できないし、申請にはまた三十万かかる――――明らかに現実的じゃない、後三がいろいろくっついてくるのは何の呪いデスカネ
じゃあもう割り切ってネイチャさん犯罪に走っちゃいますかーっていうのには、ちょっとまだ決心が持てなかったんだ。そしたらさー、笑っちゃったよ。世の中には天恵もあればアタシと似たようなことを考える――――渇望に近いレベルでどうにかしようとする人もいるんだなあって感じで、色々調べてたら、その渇望にアタシもぶち当たってさ。

棚から牡丹餅十三連打。うん、自動車免許を持ってないなら持ってる人に運転してもらってアタシは助手席にいればいいように、さ。
アタシが作れないなら、作れるところに委託って言う形で作ってもらえばよかったんだ――――とある酒のサイト見つけちゃって、初めて見るロゴだけど不思議と目を引いててさ商店街の酒販店やっている人に聞いたけど見たことないメーカーだかブランドだか言ってたから一般店に卸しとかはあんまりしてなさそうだね。ネットのページから既製品を注文する感じみたい、ただそれだと採算がとれなさそうだから、……まあそこら辺の秘密は後でわかったけど
スタッフはウマ娘が多数、と言うか全員ウマ娘……でね。まあ力仕事とかあるんなら人間の女性よりウマ娘の方がいいのかもしれないし――――でも、男性を雇わないのには何かあるかなーって思ったわけよ、それこそ……ウマ娘にのみ共有を許す、一般的にお出しできない秘密でも抱えているんじゃないかなーって、ここら辺は直感でいったからもう類は友を呼ぶって感じとしか言いようがない。
――――で、醸造体験ができるらしくってアタシも申し込んでみたのよ。
結構、いやかなりガチだったわ、二泊三日でスタッフさんの自己紹介から始まって、御祓いの神事までしてからようやく始まり、蒸しから麹室への引き込みに関わる作業してたんだけど。休憩時、蔵人さんと話す機会があってさ、ナイスネイチャって言う名前で、うすうすわかってたんだろうけど、あっちも来たのがウマ娘だと言う事に関して何か思う所があったんだろうね、まさかあっちから口噛み酒の話題が出るなんて思ってなかったから、少し面喰っちゃった

でも話を聞いてみればアタシの他にも、時々訪ねてくるまあ、その――――お客様、って語で濁しちゃうけど、そういう事だよね。そういう時のお客様は例外なくウマ娘だから、あっちももう手慣れたもんだけど、そもそもこの醸造所を始めた経緯も初代の社長がそういう事に使いたかったからだって、もうこれはウマ娘が持つ性癖とかを突き抜けた、業――――って言うしかないでしょ。
結構苦労したらしいよ、何しろ人間には理解してくれないというか理解なんてできないんだから、それでも燻る渇望と折り合いをつけながら同じような性癖を持つウマ娘を集めて、育てて、表の商品を売れるように営業をして、ようやく軌道に乗せた。だからこの蔵人たちは秘密保持には絶対の信頼をお互いに得ていて、仲間や家族というよりもはや共犯者だね。この醸造所はそういう委託や寄付を始めとした入金を本収入とは別に設けており、そのおかげで細々ながら維持できているという事だろうね、後ウマ娘の再就職先の一つとして理事長には認知されているようで、ウマ娘に格別の愛を注いでいる理事長の権限で学園の食堂にも料理酒として――――いやいやいやそれ答えじゃん、例えば牛丼の煮汁なんて醤油と酒とみりんを一対一対一の同じ割合で使うし、その内酒とみりんを扱っているんなら、ウマ娘の健啖をなめちゃいけないし、需要と供給ができているんだねえ。で、肝心な口噛み酒の事だけど。アタシの家がバーやってるって言うのもとんとん拍子に進んだ一端かもね、卸売――――って言うよりは、この酒造所に寄付という形で入金したら珍しい酒を返礼品として贈るというという形で事は進んでさ、歯磨きの方法もそこでみっちり仕込まれたわけ、勿論売り物の酒と一緒にするわけにはいかないから、ちゃんと別枠で部屋を取ってあるんだって、そもそもうまく運べばアルコールが発生するから、衛生的にはそこまで悪いって言う訳じゃないらしいけど

まあ勿論そんなものは建前で、アタシが噛んだ米はアタシが帰ってからすぐ廃棄されて、瓶詰めされた酒はキッチリ正規の方法で作られたもの、そういう事もあるかもしれないよ。というか寧ろそっちの方が健全だし、リスクに対してリターンが釣り合ってないから国のどっかに嗅ぎつけられた時を思えば、爆弾は持たないに限るし……？
――――でもあの蔵人さん達の目は、本気だった。
本気でアタシと同じような欲を抱いていたし案内された秘密の部屋の中には、アタシ以外にもいろいろな名前の――――おそらく名前のつくりからしてウマ娘だろうね、というかディクタやプリヴェールなんて日本人がいてたまるか。
それらが噛んだと思われる物が鎮座してた、たまーにシリカ水と米麹入れるみたい
まそんなこんなで仕込んでから数か月、そろそろ機は熟すころかなー？
……トイレ長いけど、本当に寝てないよね――――まあいいや。さて、トレーナーさんの許可ももらった事だし。
今からお前さんはトレーナーさんです。
アタシの名前をしたお酒と、トレーナーさんの名前をしたお酒、こちらを一つどころに混ぜまして、かるーくシェイクさせていただきますれば……おおっと、なんかそういう悪いことしてるみたいだわー、なんて……たははー……誰かさんはマティーニを作るとかよく言ったもんだわ、まあよくあんな恥ずかしげもない事を……
――――うーん、トレーナーさんの味の方がよく引き立てられてる、かな？
……なーんか甘酒ってさ、ちょっとドロってしてるし男の人のあれ――――みたいだよね
アタシが酒に酔ってたら、間違って飲んでもおかしく――――いやおかしいな、無理がありすぎる……さてはアタシも酔ってるな？
まあ、いいか。勝利の美酒ってことで？
昔醤油で失敗した分さ、それを取り戻すって訳じゃないけど
今度こそトレーナーさんには、本当のナイスネイチャを飲んでもらうから、さ――――

※作中に犯罪行為がありますがあくまで小説上の演出となっており、犯罪等を助長するものではありません。

口噛み酒を始めとした密造酒は本当に捕まって上に書いてある通り最悪懲役まで行くから
フリじゃなくマジで絶対やるんじゃないぞ

一応これが、人髪醤油の上位互換だね

外すげー雨だと思ってたら
やっぱ新しいのあったのな

このスレまだ生きてたのか

>>687
ネイチャの湿度を人が求める限りは不滅…

湿気のあまり腐った草が枯れてる……

言い方

なんだこのスレネチャネチャしてんな

いいだろ？
吹きだまりだぜ？

湿度が最後に行き着く場所

ここらで一気にドバーって来て欲しいもんだな

笑顔が一番だぜ☆

湿度なんてダセーよな！！！！！

もう十一月も終わりか

じゃあ、12月分行こうか

遺骨ダイヤは洗脳見てなきゃ話判らないからまず洗脳からね

吾輩はトレーナーである
担当はまだ――――ない

恐らくほとんどの者が聞いた事のある書生の言葉を引用してみれば、似たような言葉の帯が己にも降りかかるような錯覚を、沈む夕日の窓から仰いだ瞬きを、外に入り混じる様々な色の残響を皆全てが愛しいと思わずにはいられない。
ただ僕は失った身であるがために、こうも思う――――ああ名もなき猫よ、お前は何も考えず、ただ撫でられるだけで幸せであったと思うべきだった――――と
果たして書生はこう綴っている
どこで生れたか頓と見当がつかぬ、とは
……果たしてどこで僕という確たるものが生まれたか――――そんな僕の逡巡にかかり
何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している、とは
……事の重さもわからぬままただ甲高く鳴いていたことを記憶している――――そんな僕の無力感にかかり
吾輩はここで始めて人間というものを見た、とは
……僕はここで初めて姉からの憎悪と言う物を見た――――そんな僕の後悔にかかり
しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ、とは
……それはトレーナーという姉の知る人間の中で最も姉という存在に好悪問わず爪を立てつづけた人間であったそうだ――――そんな僕の呪縛に繋がっている
僕は長い溜め息と共に、どこで僕という確たるものが生まれたという疑問をもう一度空に投げかけ――――いつもと同じような帰着にて諦観を迎えるのみで。

いつからなど――――言うまでもなく決まっている、二十年前のあの時に彼と、同時に僕は死んだと結論をつけざるを得ないと漂着を見た。広い背中をしていた彼の悼みを事故と、一言で片づけられればどんなに楽になっただろうか、だがあれは間違いなく人災でなによりその主犯の片棒を担いだのは紛れもない僕自身であって――――
只何て事の無い日のはずだった、記憶にも残らないような心地良くも悪くもない。一年前の適当な日付を暦で指示して、その日の天気を記憶のみで語れと言われたら、大体の人間は首を横に傾げよう。では二年前のその日は、三年前は――――二十年以上前の天気は、僕にとってはそんな程度の事であってほしい筈の出来事だった
因果であるか、運命であるか、三女神様がデータの中ではなく現界に本当にいらっしゃるなら、よりにもよって僕にこの部屋を渡したのはどういった思惑ですかと問いたい心地を抑えきれず、外と隔絶された冷ややかな部屋の中で一人眦を天に向ける
果たしてこの部屋は――――かつてとあるウマ娘と、それを支えるトレーナーが小さな城としてこさえた二人の歴史の語り部を成す空間であった。その城はたった数年の治世の下で、持ち主を移ろう時よりも早く次々と変え、その度に歴史に綴られた本の題名も主人公も変わっていったが、それでも煤切れかけた古びた本の一説に細々と残るであろうそのどちらの名も、僕はよく知っている……

二十年前のあの日、姉や母、姉のトレーナーさんに連れられ公園であそんでいた僕は、母がトイレに行っている際に、恐らく道路の中ほどで鳩が集まっていたのが面白かったのか、巡る風に好奇心を誘われたのか、ともかく姉の静止を聞くことなく幼かった故の僕は周りを見る事無く外に出てしまった――――らしい
当時の歩行者信号は赤で、当然やってくる己よりも大きな車の陰
そこからの光景は想像するに難くなく、一際高く響くブレーキと、何か重い物が吹き飛んだような音と、聞きなれた声の姉が生まれてこの方漏らさなかったような悲痛。それらをないまぜにした坩堝を思わせる一瞬のフラッシュバックが罪を糾弾するように、或いは自戒を求めるように、僕はいまだに時たま夢に見る。月の裏側の様な巨大なかさぶたは塞いだ傷裏を治すどころか腐食させてゆきながら、まだまだ僕自身についてくる影のように剥がれてくれそうもない
まだ物心がついていたかすら怪しい僕は、ただ立ち尽くすばかりで、恐らく事の重大さに気が付いていたかどうかだろう。ただそれでも記憶に深く根ざしているのは姉に本気で頬を叩かれて、火が付いたような痛みにたまらず泣き出した事と、肩を掴まれて更に大きな声で姉が叫んだ事。耳の奥に火が付いていたような感情を盾に、何も聞こえないと周りの状況を全て幼稚な拒絶で抑え込んだ炎を思わせる感情のさらに上からぽつりとつぶやいた、聞こえないはずの姉の冷ややかな一言
あの時の姉が放った言葉は、恐らく永遠に僕を苛む呪いになるだろう
ふざけるな――――
アンタは一人の人生を奪ったんだから、アンタがあの人になれ――――
その言葉をトレーナー、……元トレーナーの容体が不明な状態で発したという事は、逆説的に見た時点ですでにそれとわかる状況、……手遅れだと分かる様相であったのだろう

僕の姉――――かつてナイスネイチャと呼ばれたウマ娘は、少なくとも僕の前では優しい姉だった、時折変な事もしてくるけど――――主にチアガール衣装で応援の動画送り付けてきていたりしたとか、……まあそんなレベルでだが
ともかくとして中学生だった姉は、恐らく儚いというには力のある輪郭の整った恋心を抱いていて、姉もそれを自覚していたはずだ。――――だが彼女にとって幸であり不幸であったのは姉がまだ中学生の身空だったことだろう、その人を失って尚立ち上がれる強さはまだ姉にはなく、心模様は地に鏡を叩きつけたような有様になった
例えば粉々になった物、例えばまだ形を残している物、例えば鏡の役割を放棄し切っ先が天を向いている物、粒子になり風に吹かれてどこか遠くに行き僕からは見えもしない物
だがそれは形を変えても全て鏡で、それは例外なく姉の姿を映していた――――大小の像を同じように結びながら細断された心の全てに姉がまだ生きて、その所為で姉の人格に揺らぎが生じていたんだ
――――アンタは一人の人生を奪ったんだから、アンタがあの人になれ――――
その揺らぎが全て、様々な色の感情をそれと同じくらいの色をした炎に宿しながら僕を見て、同時にその後ろのトレーナーを見ていた
もしも姉が例えば、トレーナーとの間に落胤を授かっていたならばまだ目はあったかもしれない。姉の心を繋ぎとめる機会さえあれば、姉のトレーナーが血脈と共にその子の中に面影でもあれば、金継ぎのように鏡は――――またいつの日か離散から収束へと向かったかもしれない、ブロンズコレクターに金継ぎってある種の皮肉ですよね、などと言うひねくれた様な軽口をいずれは見せていてくれたかもしれない
だが、姉は中等部の身でそれを望むべくはなかったわけだ――――

故にあの人が、トレーナーの生きていた証は、姉の走りの中にしかなく、しかして既に時は姉に背を向け始めていた。残酷の一途である、最後の寄る辺であるその身体能力ですら衰えさせていくという事実を前に――――本格化の時期を終えるにつれて段々と姉は焦っていったのだと思う
それは同時に、今度こそあの人が消える――――……劇的な刹那にして彼が奪われ、緩やかな漂泊に再び彼が完全に奪われる事を予見しており、それを是としなかったからこそ姉は最後の手段として、自らを吹き出す熱で焚き続ける絶望のような希望に縋り付いた
闇の中で探し物をするのに、場を照らすのに必要な火は、自らをくべ燃やす事でしか得られなかったのである。
だからこそ、だからこそ――――自らが灰になる痛みをおしてでも……物心のつく前の純粋さがまだ残る僕に――――自我の無い内にトレーナーである彼を継承させようと目論んだともいえる。善悪や倫理、可能か不可かなど論外の範疇で、姉にとってはそれが全てだった。全てと言えるほどに姉の中にある彼の占有率は高かった、先に上げた善悪や倫理などの芥を前にひとたび躊躇でもすればその陰で僕はお構いなしに成長し、時間は待ってはくれない。

姉はすぐさま彼の親御に会いに行き――――当然あちらからすれば、息子を奪った仇と言えど過言ではない。口に出すのも憚られる罵声と思える謗りを姉は受けながらも、それでも一切の反論をすることなく頭を下げ懇願し、幾度も追い返されてもそれでも諦めずにトレーナーさんの全てを理解しようとした。思考、嗜好、技能、癖、食生活、生活環境、服装、利き腕、口調、筋肉の張り、……なぜか時折の折り紙、その他の諸々姉がおぼえているトレーナーさんの特徴は全て僕に引き継がせるつもりの様で、彼の親から聞いたトレーナーさんの友人関係や、恋愛経験等々を含めおおよそ人の身に再現不可能だという結論に真っ向から爪を立て、牙をむき、心を摩耗させてでも、そうすればトレーナーさんは生きていてくれるという盲目的に近い衝動のみを武器に、僕の中に段々と自我が目覚めてくる前にトレーナーさんの一部でも残そうとしてそうなったのだろう
故に僕の人生は、ナイスネイチャのトレーナーの人生であると言える。節目節目に彼がしたことと同じことをし、彼がウマ娘のトレーナーを志したのは六歳の頃にレースに連れて行ってもらい、当時のダービーウマ娘に頭を撫でてサインをもらったことが原因だそうだ。僕も同じことをまるで洗礼の様な面持ちでなし、トレーナーを目指すと宣言した――――させられた、とは口が裂けようとも天が割れようとも言えない
つまりそれは言い換えれば、僕の全ての夢は六歳の頃既に生まれる前に潰えたとする事に通じる。ウマ娘のトレーナーに興味などない、僕がそんなことを口にする事は勿論、それに通じる思考の一端にすら気をつけねばならなかった、だが姉がそれを許さなかったのではない……そういってしまうと語弊がある、姉は勿論その思考すら許さないだろうが、その禁則自体を口にだした訳ではないのだ。

振り返ってみれば僕は、僕が、もしもそんなことを考えれば即座に姉の感情に狂奔が生じると確信し、逃げよう、或いは逃げたいとすら思いつかぬほどに追い詰められていたのだ。僕の罪の意識が、何より強く僕自身を縛る鎖となる――――だからこそ、僕は恐ろしかった
先の通り姉の心は細断している、だから一見矛盾に思える物でも姉の中では共存を果たす。彼女にとって僕は、彼女のトレーナーさんであり、同時に弟と言う事であり。さらに言えばこの二人は姉の中では同一人物と言う事に落ち着いている、だから――――今日もトレーナーさんは励んでマスネー、立派立派などと言う軽い口調で僕を揶揄するかと思えば、どこかで彼との相違点が見え隠れした場合に、トレーナーさんはそんなことは言わずにただウマ娘の為に努力し行動する、お前はトレーナーさんなんだ――――トレーナーさんなんだよ、という口調の静かな恫喝を僕に向けながらも、時折に弟として僕の頭をやさしく撫ぜる。
二律背反、どころの話ではない――――
故に僕は、あれほどの事があったにもかかわらず、事故当時における激情からの行動を除いて当の姉から肉体的な暴力を受けた記憶が一切ない

真綿で首を二十年間は締められ続け、いっそ殺してくれと心のどこかで願いながら、圧倒的な力を秘めて表に出さぬ姉の、それでも尚漏れ出る狂気的な感情に、現役時代をはるかに超える八方睨みを行う彼女の未だ衰えぬ視線にただ慄くだけだ
ところで姉はウマ娘の例に違わず、弟の僕から見ても美人な方であると言えた。中等部から高等部になるにつれて、大人への変遷を終えるにつれて、性格に捻くれた部分が持つシニカルな可愛さと言う物は年相応の美しさに、どことなく影のある雰囲気はさらに深みを増し、少し緩くなったとはいえ体は見苦しいと思えるほどではなく、ところどころの締まりを保ったままで言うなれば高嶺の花というよりは、多数の男が自らの手で摘み取ってもよいと思えるような隙がある野花であった
群がる男性からの誘いは少なくなかったはずだ、だけど浮ついた話の一つもないと言う事は、姉はそれをすべて断ったと言う事で、一度恐る恐るその理由を聞き、てっきりトレーナーさんはアタシにそんなことは言わない、言外に察しなさいという回答が来るかと思ったが、存外トレーナーさんは朴念仁であったようだ。寧ろその質問の仕方に褒められた僕への回答は、食事をしていても話をしていても、誰かさんの顔がちらついて胸が痛くなるから――――あの人以上の男性はこの世にいない、……らしい
誰かさんと、あの人と。ぶれる三人称を冠する同一人物、その分身と言っても間違いのない、姉の左薬指に輝く光。

その光から目を逸らすように視線を捩れば、その行為自体を糾弾するかのように、昔販売されていた、今はもう手に入れようと思わなければ手に入らない姉のぱかプチが僕を見た。昔トレーナーさんに取ってもらって、そのまま捨てられずに鎮座しているようだが、ただ少し前に見た時と違うのは、その腹が、腹の部分が不自然に膨らんでいる事だろう。一見すれば臨月を間もなくに控えた妊婦の様な様相だが、明らかな異物がそこにあると言わざるを得ず、わざわざ元々入っていたであろう綿を抜いてまで何を――――逡巡を覚えた僕に姉の……黙ってないでトレーナーさんに挨拶しなさいと、冷ややかな言葉が僕の胸を強かに撃った――――そこから考えられる可能性は、一つしかない。
トレーナーさんの骨壺をその腹に収めた姉のぱかプチ、間違いなく法に抵触するであろう静かな狂気が込められたそれを目しながら、そこで僕は、今更ながらに自らの見通しが甘すぎた事を悟る。つまり姉はもう、何年も前……高校生になってからか、あるいはもっと前かに、その若い身空で誰かと添い遂げることをやめた――――ただ生きて生きて、天へのお迎えが来る日を一日一日と待ちながら夭逝すれば天にてトレーナーさんに会えるという希望と、同時に己が眠ると同時にトレーナーさんが自らから消えるという二律背反をその身に孕んでいる

あえてまだ希望がある方に言い換えれば、明日にも消えそうな雰囲気を持つ姉の命は、しかしトレーナーさんが生きた証という抑止力に守られていると言う事だろうか
ところで――――トレーナーさんはトレーナー試験に一度落ち、そこから一年かけて奮起したそうだ、当然僕はそれをも再現し、一度目はわざと落ちるような点数を。そこから一年かけて今までよりもさらに血反吐を吐き捨てるような努力を続けた結果、当然の如くに合格し姉の前で合格の喜びを抑えきれないトレーナーさんの仮面をかぶらされる羽目になった。
そして今日僕は、電脳世界へと潜る。その目的とは、二人の旅路を目すためだ――――果たしてナイスネイチャが現役であった時代にもその技術のはしりが実用化に至っていたVR世界だが、二十年を経てその技術は遙かに進化しており、今はもう過去数十年のレースの結果だけでなく、ナイスネイチャの世代まで遡った初代機器からも吸い出した多数のウマ娘の練習データが――――互換性を持った女神の一部になっている物や、女神に不具合があった時のためにライブラリに保存されている。言い換えれば様々な色の人生の一部、当然ナイスネイチャが歩いてきた道筋の一部がまた、データとして三女神様の中に保存されている――――それを僕はこれから、体感するわけだ。名目上は、新人トレーナーの経験値の底上げと質の向上。学園側もこちらの複雑な事情をすでに理解しているようで、通常このような処置はほとんど行われず今回を特例という形でもって封殺するようだ
さて電脳世界のメモリーには当然、外界での出来事はない。だが二人の出会いは、姉から散々と聞かされた。百聞は一見にしかずとは言うが、その逆というならば、三百万聞はやがて一見を超えるのだろう。ありとあらゆる情報を総合して加味すれば、その場にいたのと同じようになるのかもしれない

ジュニア期の、クラシック期の、シニア期の――――様々な苦楽が、姉の三百万聞と補完を成していく
そういえば、二十年で七千とんで三百日、閏年も入れればもっと行くが、三百万をそれで割ってみれば……一日約四百回は話を聞くことになった――――のか？
さすがに無理がある故、あくまでも比喩だろうが、まあ彼の体感ではそのくらい……
――――？　はて……彼？　……とは？
生まれた疑問の種は、しかし情報の奔流に上書きされて消えてしまう
そうしてようやく、三年目の最後の節目、キラキラした輝きに爪を立てて挑むナイスネイチャ本格化の上でも恐らく最後になるであろうG1、事故の寸前にして、旅の終着点――――違う。ここに来るために、僕は二十年を積み上げてきた。
それを忘れてはならない

つまりは、ここが。ここからが本当に俺の始まり――――ああ、そうかこれが……俺の――――……俺？
ふと僕は、自らが口をついて出した言葉に尋常でない衝撃を受ける。平素ならば頭をかくだけで終わっていたその事態は、今この時に置いてその限りではなくなっていた
果たして今の言葉は、誰の口から出た誰の言葉であったか――――俺の、そのあとにどう続くはずであったのか。姉の三人称のブレを憐憫で覚えていた自分が、一人称にブレを起こすとは――――意味を問うのが、怖い

ふざけるな――――この憤りは僕の言葉ではない、ましてや俺の言葉でもない
姉の言葉が頭の中に根を張り、生まれたてのそれを守るかのように包み込んでいく。消さなければいけない物、その冠が僕に。生まれたての俺ではなく、たまらず首を横に振った僕に……

アンタは一人の人生を奪ったんだから、アンタがあの人になれ――――
ヘッドギアを外し、強制でログアウトしようとした――――はずだった
人生で最初の、そして本能的に最後になると理解できるたった一度の反抗は、行動を起こそうとした矢先に思い浮かべた長く鬱屈した姉の恫喝が、その反抗が生まれる二十年前既にその威勢を押し留めていた
手から、足から全ての意志と力が抜けていく。ネイチャとの、いや姉との、昔隣にいた愛バとの、いや違う……違うんだ……
僕は、僕なんだ――――俺という存在でしかないんだ――――……
ああやめてくれ、やめてくれ――――俺の心の中を歓喜の形で黒く塗りつぶさないでくれ……

吾輩はトレーナーである
担当は、まだない――――

深度が700を超えました
危ないですので速やかに避難してください

1つの世界でネイチャが成功した裏で
10000の世界でネイチャが曇り湿気ている

エゴだよそれは！

怖いよこのスレ

みんな生きてるか？

え
うん

もうこのスレも終盤かぁ

流石にもうネタ尽きたよな…？

>>673で4つ持ってるって出てる
その内2つが出たとして
同レベルのがあと2つはあるって事になる

いや本命ってのもあるな
3つはあるのか

そろそろ今年も終わるってのにまだ海にいやがるのかお前ら

2024年はどんな湿度が現れるのだろうか…

正直300行かず落ちると思ってたわ

あけましておめでとう!
年も明けたしカラッとして行こうぜ!

んじゃあ年もあけましたし雑においていきましょうかね
一月分、洗脳の裏側というかネイチャサイドの遺骨ダイヤ

スマホから流れたアラームが、ぼんやりしていたアタシの思考を舫いで繋ぐ。時計の針は、どうやら些か手を抜いていたようだ。遅れたそれらに手を入れて正しい時刻に直した後、あの人が良く聞いてたあの人の時代の曲をかけ、空気の色に少しの郷愁を混ぜた。秒針の音が、耳の良いウマ娘とは言え今日はやけにアタシの耳に煩わしく響く――――
ふざけるな――――
アンタは一人の人生を奪ったんだから、アンタがあの人になれ――――
その言葉は……今でも一言一句違わずに思い出せる、そして――――そのあとに何を言ったのかも。ともかくアタシが弟にそんな呪いか枷をかけたのが、もう二十年程前の話になる。アタシが叫ぶようにこぼした一人の人生とは、言い換えればその一人は果たして本当にトレーナーさんのことだけを指していたのかと言えば、答えは多分、違うと思う。少しばかり落ち着いた今でこそ述懐すれば、あの時のアタシはトレーナーさんだけでなく半々の割合でアタシの人生を狂わせた――――なんて憤りが籠ってても特段おかしくはないと思うから
アタシの大事な物が、輝きが、本当に欲しかったものが一瞬にして崩された日にアタシは弟にその激情をぶつけた。

後から考えれば、裏切られたような気がしたんだろうね――――大切にしていた弟が、アタシにあんな仇を向けるなんて。その時の事は、未だに夢に出るものの、どこか擦り切れたようで、ところどころがぼんやりとしたおぼろげな物になってきている――――或いはそれが、ナイスネイチャという魔女が放った魔力。呪いの終を予兆する物なのか、それともトレーナーさんがまたアタシから少し消えていった証左なのか他の誰でもないアタシには判断が付かない。
――――アタシがかけた呪いの言葉は一言一句ですら忘れられないのにね、不思議だね…
そうして過去に浸っていたアタシも、もうそろそろ店は閉めて、トレーナーさんの月命日に行かねばと水仕事で少し荒れた手を撫ぜながら、煙草の独特な香りが染みついたカレンダーに描かれたバツ印をみた。線香の残りはあったかどうか思い起こし、すっかりとアタシに馴染んだ現在の勝負服――――殊更色に深みを増した喪服をそう自嘲して、左手の薬指をさすりながらそれに唇を落とす。そうしてその光景を見ていたアタシのぱかプチは、いつも通りトレーナーさんの骨壺を腹に収めたまま、変わらぬ笑顔だ
なんでカレンダーのバツ印を丸にしないかって？
……それはこれが罰だからだよ、…なんてね

今のアタシは常に喪服を着て、左手の薬指に輝くものを身に着けた中年の一人身の女――――勘の良い人はそれで何があったかわかるし、或いは何が……ではなく最低でも何か……があった――――って理解してくれるんだけど、それでも踏み越えようとしてくる奴はいてさ、だからそういう奴には現役時代の睨みを利かせながらこう言ってやったんだ
今あそこに見える高速で向かってくるトラックに突っ込んでぐちゃぐちゃになったら考えてやるって、さ――――ふふ……
それで終わり。やろうとする奴はだれ一人いなかったし、アタシの言う事を無視して纏わり付こうとする奴はアタシが力ずくで車道の前に持って行ってやった。アタシの拒絶が本気を通り越して狂気の域に入っているのを知ったらそいつももう顔見せ無くなったけどね………

ざ　ま　あ　み　ろ――――

たまにアタシの心は万華鏡のように二転三転する事があるっておふくろからは聞いたけど細分化された心の共通認識はそれでもトレーナーさんを至上に置くことを善しとしているみたい。だからアタシの一つが弟に生涯を費やすであろう難題を振りかけた時にもナイスネイチャの誰も文句は言わなかったし、それはそれとして弟を弟としてかわいがることも、逆に仇としてみる事も全てのアタシが一つのアタシを尊重し全てが許容されていた。ただし、トレーナーさんの肉体を傷つけるわけにはいかないから――――弟に暴力をふるう訳にはいかなくて、それでも逆に恐怖を感じて勝手に追い込まれていったのは好都合だったかな。寧ろ暴力を奮っていたら、あそこまで素直にはならなかったかも。
たはは……なんてシニカルな笑いを忘れたのも、今はもう昔――――
今のアタシの職場がある商店街からは少し距離があるけど、トレーナーさんの実家が例えば北海道とかじゃなくて日帰りで行ける距離でよかったよ。日がとっぷりと暮れたとある寺、墓地が施錠されてなくて誰でもいつでも通れるようになっている感じの、誰の視線にも当たらない裏手にあるトレーナーさんの所の墓石はいつも通り綺麗で、花はアタシが持ってきたものに差し替えておく――――先に置かれてたのも状態のいい花ってことは、遠からず既に誰か来たんだろうな。

うん、既に周りは暗いけど、明るい内からきて万一でもトレーナーさんの親達と鉢合わせるわけにはいかないしさ、後ろ暗い事があるアタシには、夜に擬態できる喪服も合わせてまさしくちょうどいい。そんな面持ちで線香に火をつけて、月白にかき消されるような煙と、線香の先の火を拠り所に手を合わせてみれば未だに黄泉返ってくる、あの全ての終わり、もしくはこの宿痾の始まりの日――――
まだこの手に皺もなく、心に波のような感情の揺らぎを残し、今でこそ緩みや綻びの見えるこの体にまだ力が残っていたころの事、十数年前の事――――遥か昔のトレーナーさんの葬式の日に、久しぶりに……アタシはトレーナーさんと対面して、あんな有様だったトレーナーさんの体は、事故にあったとはわからぬほどに綺麗になっていた。本当は何もかも悪い夢で、頬を叩いたら情けない声を出して目が覚めるのではないか――――なんて、そんなことはあり得ないってアタシが一番よくわかっているはずで。眠っている彼の肌は、アタシが落とした涙の雫よりも冷たかった、アタシはナイスネイチャのトレードマークともいえるもふもふ髪を斬り落とし、彼の棺の中にそっと置く。せめてあの人の近くで、あの人と共に死んでくれと、一緒に燃やして、灰にして、せめて一部でも煙になってアタシはあの人の傍にいたかった。

でもアタシは、自分で思ってたよりも強欲で、何より焦ってたんだよね――――本格化の時期は既に半ばを過ぎ去っていてトレーナーさんはアタシの中から段々と、或いはどんどんと消え去っていく。弟の完成を待つにも時間が足りなさすぎる、だからアタシは生涯でこれ以上の無い我儘をこぼし、アタシ以外の全てから諌められた。でもまあそりゃそうだよね、アタシが逆の立場だったら同じことしてるよ。それでもアタシは、どんなに恥知らずと罵られてもここで引くわけにはいかなかった。たった一つ、たった一つの願いを口の中から吐き出すように呟いて、それでまた罵られる。折れたのはアタシでもトレーナーさんの遺族でもなく、アタシのおふくろだった。
味方に後ろから撃たれた――――なんて言おうものなら場の空気がさらに悪くなってたね、間違いないわ。ただおふくろも子供を育てる苦しさと喜びは知っているからこその――――英断、まあそう評するしかないよねーって感じ、だけど、だけど、だけど、だけど、だけど……さあ――――アタシはどうしても諦めきれなかったわけ、トレーナーさんの骨の一部だけでもアタシにくれって、ただそれだけ。それだけの事だったのに――――
うん、まあ――――アタシは結局見てることしか出来なかったんだけどさ。結局アタシの願いはかなわず、彼の骨は全て骨壺に収められてアタシの手元には一つも残らなかった。

それでも――――それでも――――それでも――――諦められないアタシは、石の下に消えていくトレーナーさんを見てふと心模様の万華鏡。その間仕切りにある悪魔の存在に気が付いた。ナイスネイチャはもう、トレーナーさんに触れえる事はない。そんな前提を受け入れるのもいいけどさ――――なんて言葉で接触を図ってきたそいつは、とんでもない事を言ってきて……でもお墓って、どこもかしこも似たような作りで、どこもかしこも――――不用心だと思う、あんなただの野ざらしにされた石なんかウマ娘の力なら無理矢理こじ開けて納骨堂から誰かを取ってくるなんて簡単じゃん……だってよ
…すごいこと言うよねこのアタシ、もう常識も何もあったもんじゃない
そんな悪魔がアタシの耳元でささやいて、そんな悪魔がアタシの背中を押した。ナイスネイチャの誰もアタシも、止めるべき天使の言葉どころかその姿すら視認できないままで、もとからアタシたちの中にはそういった良心は見せ掛けだけでなかったのだろうと納得するのと同時に、懲役とか罰金とか、そんな小さなことはもう何でもいい、失うものは何もないのだと、不日に墓の下のトレーナーさんの骨壺から大小問わず形の残っているそれらを適当に見繕い一見それとわからないように戻して。いよいよ後に引けなくなったアタシは、保存という観点からあらゆる全ての情報を欲し、どこから聞きつけてきたのか、或いはアタシの様子を心配で見に来たカノープスの面々に問い詰められながらも、全てを知ってやがて哀れに思ったイクノがアタシに教えてくれたそれ。ナイスネイチャの琴線に引っかかった、その輝きに全てを賭けた。永遠を冠するその輝きは、女の子であれば大体が知っているある意味憧れであるダイヤモンド――――

つまり――――トレーナーさんの骨、髪、肉、その他もろもろの部分から取り出した炭素を使いダイヤモンドを結晶化する遺骨ダイヤモンドの作成をアタシは矢も楯もたまらず依頼した。ダイヤモンドの大きさにもよるけど、勿論費用は学生に払える額じゃない。
0.1カラットでざっくり15万円、通常作れるダイヤモンドは最大でも1カラット、つまり最大でざっくり150万円――――給料の三ヶ月とかいうレベルじゃないね、でも……さ？　それはアタシを躊躇こそさせたけど、止める理由にはなりえなかった。
とはいえ当時アタシはまだまだ高校も卒業していない学生で、そんなアタシにそれほどのお金を借りられる信用なんてものはなかったに等しい。だからおふくろに頭まで下げて、アタシの大学進学資金――――それを全て費やす事で納得してくれた。将来の可能性を全て燃やし尽くしても、なんだかんだで工面したアタシは、それでも足りない台座部分の指輪をこさえる為にもう一度頭を下げて――――そこからは借金の返済生活が始まって、ナイスネイチャって言うウマ娘はそんな激動の中で完全に潰えた。つまりそれは、走るという能力が潰えたアタシからトレーナーさんが完全なる消失を果たしたという事であり、何も行動を起こさなかった場合でのナイスネイチャの絶望をも意味している。そんな折、注文を入れてから大体数か月で、アタシの手元に輝きになったトレーナーさんがやって来た。熱も言葉もないけれど、その輝きからは確かに昔見た笑顔の面影がある様な――――アタシの髪も入っているから、その輝きの残滓をも持ってアタシとトレーナーさんとの思い出を編み込み積み込んだ一つの希望は、アタシの手をこれでもかと汚した後にようやくアタシだけのものになったんだ――――当然ここまで妨害が入らなかったと言う事は、カノープスの面々が誰にも話さず墓まで持っていく事を決心してくれたと言う事でもある

そんな過去から現在に戻ってきたことを知らせる虫の鳴き声に呼応するかのように、アタシは長い長い息を吐いた。少しの間だと思っていた逡巡は、どうやら線香が燃え尽きるまで長くかかっていたようで、同じ姿勢でいたからか膝のあたりが少し痛みを発している
もう帰れ――――と、トレーナーさんに言われたようなアタシは、彼に語りかけたくなり指に輝く証か、目の前に座す魂の寄生木かどちらに話しかけようかと迷ったけれど結局は両方に話しかけ始めた
……トレーナーさん、聞こえる――――？
今アタシは、弟を使ってアナタをアナタにしている途中なんだ。まだ担当はいないけど、きっとトレーナーさんになればまた自分の使命を思いだしてトレーナーさんの人生を歩んでくれるはずだよ、だってアタシはそう育てたんだから。自分の半生を使ってまで、ね
――――ん？　月は太陽にはなりえないって？　またまたキザなこと言うねー、それならアタシだって、月が太陽になるまで続けるだけだよ？
聞いてトレーナーさん、アタシはトレーナーさんがいい人に逢って、弟に子供ができたら、アナタが取りえなかった未来に祝福されたら――――アタシはその娘か息子にも同じことをするよ、何回も何回も成功するまで、それこそこの命が尽きるまで、ううん。

この命が燃え尽きた後でも、アタシは手の善悪を問わず魂だけでも何らかの干渉をつづけるよ。例えば昔アナタと入ったウマレーター、あの機器ももう何度か世代交代を果たしているようだけど、まだあそこにはアタシとトレーナーさんが残っている。だからあの中にある限りアタシは、決して諦めず消える事も出来ない。弟が自分の子供をトレーナーになるように教育させるように仕向けて、アタシにとって甥か姪かになるその子も自分の将来の子供にトレーナー教育をさせるように仕向ける。親と同じ人生を子が歩み、子と同じ人生を、また孫が歩む。はっきり言っちゃうとあの子には、自分の血が絶えるまで永遠のループを人生という形で続けてもらうんだ――――だってトレーナーさんは、結婚なんてしてなかったでしょ？　血が続いていくなら、それはそもそもトレーナーさんじゃないじゃん？　そこにハッピーエンドなんてないよ、七代先までも、もっと先も、呪いが解けるのは血が絶えた時だけ――――それでももしもトレーナーさんが弟たちを哀れだと思うんならさ、もしも魔女の呪いを解きたいと思うんなら、さ……
アナタに口づけを落とすから、この永遠のなかで、せめて月よりも輝いていて――――

遂にあと一個になっちゃったね
つまり二月終わるまでに書きあげなきゃね
ループものコピペの分際でここまでつくるのに苦労するとは思わなかったよ

新年からなんてもん見せるんだ…

あーもー絶対明日雨だよ

もうこれ以上湿度上げてなんになるってんだ

いいんだよ
昨今はハッピーエンドが飽和してるどころか
しすぎてるきらいまであるんだから
少しぐらいのビターエンドもバランスのためにいるってこった
そういうことだろ深海ネイチャ！

湿度を上げろ！
もっとだ！もっと湿度を！

新衣装イベントの期待が高まる

ああ～
失恋させてぇな～
曇らせてぇなあ～

乗り換え上手ですか…

たいした物ですね

ついにネイチャが目覚めたか

雨雨曇雨雨雨曇
ぐらいがネイチャにはちょうどいいよ

あと半月暇っちゃあ暇だな

まあ一ヶ月ごとに落としてくれる分どぼめ先生よりマシです

そもなんで一ヶ月に一度になったんだ？

振袖ネイチャ引けなかったんだけど衣装のイベントどんな感じだった？

あと1週間

業

業

ネイチャ！！

なんてね

ログインボーナスまだ？

鬼は外!湿度も外!!フクも外!!!

おまたせ
じゃあ、二月分いこうか

セミの鳴き声が少しずつ耳に煩わしさを落としていくようになったとき、風の中に熱がこもり始めアタシたちの体を煽り始めてきたのと同時に、気の早い蝉が地面に足を開いて横たわり、死を待つだけの状態になって落ちている様をアタシは睨みながら、少し大回りをしつつ寮に帰る。
夕凪に照らされた命の行く末は干物か、アリにたかられて活け造りか、明日になればわかるだろうか
そういえば、アタシの誕生日から逆算すれば――――丁度このあたりでおふくろはアタシを仕込んだろうなーって思ったのが始まりだった。
ウマ娘の誕生日というか誕生月というかは、なぜか大体偏る傾向にある。
レースに全てを注いでいる周りの子も、こうやって少しその事を忘れて季節の声にでも気を向けてみれば、きっと同じようなことを考えると思う。
だってアタシたち、一皮剥いたら例外なくアスリートの前に思春期の女の子だし――――そこで少し、アタシのおなかが痛くなった。アタシが女の子であるべくしてある理由の一つが、まあ月の物って言っちゃった方が早いよね。
それが、なんだか少し重くなったような……そんな感覚が最近大きくなってきたんだ。

レース直前に生理になったらそりゃあ勝負どころじゃないから、レース前に体調を鑑みて薬で一時的に止めてレースに集中できるようにっていうあれでピルは学園から配られててアタシも貰っているんだけどさ、ウマ娘って毒の効きが悪くて逆に言えば薬も効きにくくて……特にアタシは最近症状が重くなってから、さらに効果が薄くなった気がする。
でも男性のトレーナーさんにどうやってその事を伝えるかは、アタシの中に答えがあるものではなくて――――保健室の先生に相談するのが関の山かな、トレーナーさんに生理なんてこないし、来ててもトレーナーさんならなんか軽そうってイメージあるわ。
テイオーとイクノは症状がすっごく重い方なんだけど、なんか想像つくって言うか、……わかるでしょ？
そんな時だったわ、アタシとのトレーナーさんと同室のあの子がなんか楽しく話しているんだよね。目を輝かせて――――……ってのはなんか違うかな、あの子の目なんかそもそもあれだし、いやそもそもどうなってんのあの目。
しかも学園にもう一人いるんでしょ、同じ造りの目、昨日も奇声発してたよ。
……ともかくとして、あまりいい気分ではないよね――――そもそもアンタには自分のトレーナーがいるでしょうが、人のトレーナーさんに何色目使ってんのさ？
トレーナーさんもトレーナーさんだよ……他の子褒めた口でアタシと話すの……？

今はその影すらないけど、きっとトレーナーさんにいい人ができたら、その人に触れた手で折り紙を折ってトロフィーを作ったり、他の女と重ねた唇でアタシを激励したり、他の女に汚された心で、それでもナイスネイチャの面倒を見る――――そう思ったらまた一段とお腹が痛くなって、脂汗まで出てきた。
まあその時点であっちもなんか察したのかな、マーベラスの方が駆け寄ってきてアタシの崩れ落ちそうな体を支え留めてそのまま部屋まで運んでくれた。
それでもなんかアタシの気持ちがアタシの手を離れて勝手に舵を取っているような違和感が残ってて、思えばそれが既に初期症状の現れで――――アタシの体調が本格的に変化し始めたのは、その日を境に超えてからだ。
ある日の事、いつもより早いなーと思っていた女の子の日の出血が、何故かすぐに――――と言ってもいつもよりは、って言う頭が付くけどね、大体二日以内かそこらで止まっちゃって、そこからアタシは長い微熱と眠気に襲われるようになった。
保健室にいってはいたんだけど、どうやら夜更かし気味とは根を異にするタイプの眠気らしく、何なら通っている途中で肌荒れも目立つようになってしまってさ……そんな時かな、アタシが不注意で自分の勝負服を破っちゃったのは。

バッドコンディションに次ぐバッドコンディション、精神の不安定さも加わってナイスネイチャは荒れに荒れた――――それでもトレーナーさんは見捨てないでいてくれたんだから、もう感謝しかない。
ともかく元の勝負服を治すか、新しい勝負服か、どちらにしろアタシはしばらく前の汎用勝負服を着る事になったんだけど、きっとそこでトレーナーさんは優しいからアタシを元気づけようとしてくれたんだろうなーってことはわかるよ
ナイスネイチャに新しい勝負服をと言う名目でアタシのやる気を出させようとしたけど――――勝負服って高価なんだね、アタシとトレーナーさんの財布を空にしても尚足元に及ばないレベルの、でもまあそれもそうかって……そもそもあれなんだろうね、特に気にせず着ちゃってるけど、どう考えてもあの衣装で走るのかって言う娘もいるでしょ？
一見走りにくい姿でもきちんと早い所を見るにオカルトの領域の話なんじゃって思ったこともなくはないかな。
どうやらデザイナーさんが、ウマ娘の力を引き出せるような力を持つ服にするために糸から選んでいるらしい、素材を遠心分離器にでもかけて能力引き出せる因子を濃く注いだ糸ーとか、引き出せる力のある布ーとかだったら楽で便利なのにね。
逆にウマ娘の力を引き出せない、一般人レベルにまで制限するレベルの素材は――――縄にでもして柱にウマ娘を繋いでおくとか、そういえばスペちゃんから似たような話聞いた気もするな

ああ、話を戻すね。元の勝負服の方は学園が費用出して治してくれるけど、新しい方はさすがに自費でやってくれと……クラウドファンディング、だっけ？　まあ寄付って言っちゃったほうが近いわ、学園の許可を持ってそれを募ってみたんだって。
そうしてやって来た服は、よりにもよってお腹の出ているチアガールを思わせる佇まいの服、後地味に耳カバーがない。
本来はウマ娘がデザイナーさんに要望を伝えてそれにそったつくりになるんだけど、今回は寄付をした人のみのコメントを残せる掲示板があってさ、寄付金額も表示されるから、まーそこで割と醜い争いがあったみたい。寄付金額でマウントを取り合うのはネイチャさんも予想できたんだけどさ、俺はこれほどの寄付をしたんだから勝負服のモチーフに口を出す権利だってあるはずなだなんていったバ鹿がいたみたいで、レースで輝く為にあるはずの勝負服は、不特定の欲望の手垢が付いたアタシにとっても煮え切らない物になった。
チアガールのモチーフは、それでもトレーナーさんがバ鹿どもに最大限の配慮をしたものだってことはわかる。
けど露出が高いってことは、勝負服の部分にコメントしたような奴らがアタシに注目する機会も時間も増えるってことで、ちょっと胸がざわっとするよね。顔も知らないやつが、中学生のアタシに女――――それを見ているって思っただけでも、正直気味が悪い。

その心地悪さが、ナイスネイチャの体を更に悪い方に変質させていく――――今だけはアタシに視線を向けてほしくなかったって、ずいぶん贅沢な望みだってことはそりゃわかってるよ、でも、さ――――やっぱり見てる人は見てるんだよ、天網恢恢疎にして漏らさずってまさしくこのことだわ、悪い事なんて考えない方がいいみたい……配信サイトでちょろっと見てもさ、ライブやダンスの内容の是非とは少し毛色の違ったコメントが増えてきててさ、ネイチャ少しお腹出たか……とかネイチャ少し胸が大きくなったのか……とかさ、いやこれ控えめに言ってもセクハラデスヨネ？
まあ実際アタシもそういう部分が張っているような自覚はあったから何も言えなかった。
ただそれらのコメントをもとにしたのか、そういう特徴を鑑みたのか何なのかは知らないけど――――これネイチャもしかして妊娠してないか――――なーんて意見が出たのにはさすがに、どうしようかと思って。
以前に一度レースを熱があるという形で直前に回避したのも、それに拍車をかけた。
37度前後の微熱が続く、下腹部痛やお腹の張り、胸の張り、胃のむかつきや吐き気、付随する特定の臭いへの拒否感、むくみ、気持ちの不安定さ、だるさ――――全部妊娠した女性に起こる可能性のある症状で、全部にアタシの自覚が乗って、勿論トレーナーさんもそのコメントに何か思う所があったんだろうね。問題発言は炎上と共にまとめサイトにもあげられて、なんならアタシの検証動画までつくられたみたい。
主に体型等々から説を唱えたようだって、まあトレーナーさんに見ないように止められてはいたからそれ自体は見なかったけど。ただそれでも耳に入った理事長からすぐさま通達が来たんだろうね、妊娠検査薬を持ってきて複数人立会いの下検査をすることになってさ。
言うまでもなく……とんでもない大ごとですよこりゃ

んで結果は――――陰性、……いやそりゃそうでしょ！　アタシが誰と致したってのさ！
陰性に対する安堵の様な、逆に原因が他にある事への苦悩の様な、その時のトレーナーさんの何とも喩え様のない顔がアタシは忘れられない。ともかくとして、理事長が公式にナイスネイチャの体調について声明を出したおかげで、事態はだんだんと下火に向かい。この一件でアタシも、今ナイスネイチャに起こっていることが何なのか、ぼんやりと輪郭を掴んだ心地だった。
うん、アタシはきっと――――妊娠しているんだ。
たった今陰性が出た分際で何をのたまってるんだとか思うでしょうねー、でも実際ウマ娘だけでなく人間の女性にもそういう症状――――所謂、想像妊娠ってことはあるみたい。症状としては少量の出血、着床の際に起こる着床出血を思わせる短い期間のそれ、微熱が続くとか勿論思い返してみれば自覚はあったし、話を聞いて行けばいくほどに、ああと胸に納得がすとんと落ちてきて憑き物が落ちた気にさえなった。

相変わらず生理はこないし、体のあちこちに異常の後は見え隠れして――――けど、アタシはそれと付き合っていく覚悟を決めてそのまま生理がまた始まらないように、提供されているピルをまた飲み始めた。お腹の中にあるアタシであってアタシでない何かに怨嗟の言葉を吐くこともなく、母親気取りで……さ
成分は十割ナイスネイチャだから当然なんだけど、どうやらこの子はアタシに似て我儘なようで――――時折食欲が消えたり、つわりに似た症状も現れたり、お腹が痛くなることもあったけど、それはこの子の偏食だとかお腹を内側から蹴っているからだとか、そういう理由で納得をしていた。
でも、夏は過ぎ去る物なんだね。
ある日遂に――――時間が動き始めたんだ。
熱風の中に時折違う景色の匂いがこもり始めアタシたちの体を煽り始めてきたのと同時に、夏の間に攻められ苦しめられ体力を使い果たしたであろう蝉が地面に足を開いて横たわり、死を待つだけの状態になって落ちている様をアタシは睨みながら、真正面に歩き、躊躇なくそのまま踏みつぶした。短い悲鳴が彼の命が最後に瞬いた証なんだと思う、そういえば蝉と言えば鬱陶しい鳴き声だけど――――主に鳴くのはオスだけで、メスは鳴くこともできないんだなあ、鳴く必要がないのかもだけど。

一生声を出さず、ただ消えるのみ――――そう考えた途端、今までにない位の息が止まる激痛が、お腹の底から響いてくる。明らかに異常だと理解したアタシは同時にそれが……
それがあの子のあいさつで、声なき産声でも……遺言でもあったことをすぐに理解する事になった。
一生声を出さず、ただ消えるのみ――――ああ、この子もメスの蝉だったのか。
青い顔を隠さず、寮長に連れられて部屋に戻り、トイレに体を預けるように或いはうずくまる様に体勢をとりつつ、アタシは自分の体から流れていく感触に――――それが意味するその光景を見るのを何度も躊躇して、それでも、それでも、それでも――――顔の無い我が子の顔を意を決して覗き込んだんだ
一粒種なんて言葉があるけど、一粒どころかデシリットルで表されちゃうなんて、もうこれは白旗を上げるしかないよね――――ああ……アタシは、ナイスネイチャは間違いなくただの病気だったんだなあ、と納得するしかなくて。

トレーナーさんには何でもっと早く言わなかったんだ――――なんて、まあ……言われちゃうんだろうなー……うん。
……でもさ、素直に言ったとしてどうなるって言うの、そんなん治されちゃうに決まっているでしょ？　以前から長い療養に入るべきだなんて言ってたんだし、この子に対していい印象を持っているわけがない。
想像妊娠――――なんて病名は、断じてアタシのこの鬱屈した感情や、この世に産んであげられないナイスネイチャの凝った部分を指す物じゃない。
トレーナーさんの言葉から始まった、あの人とアタシの忌児。あの人には言えないし、当然認知もしてもらえないならせめてアタシだけはその子を大事にしてあげたかったんだ。
そのはずだったのに、さ――――トイレで流れたアタシだったもの、惨々たる様相だったけど一周回ってその状況にアタシの悲しむ心まで全部流されてしまったような、胸の中がぽっかり空いたような、空虚が心を占めているというそんな感じだった
帰りに見た蝉の姿がちらついてしばらく動けず、アタシは何も考えずぼんやりしてた。
トイレは部屋で共用だからあの子がそろそろいいかって催促してきてそのままアタシは明け渡したのね。アタシがベッドに横たわるのと、あの子が便座カバーを開けて叫ぶのはほぼ同時だった――――うん、トイレの中が凄い事になっているって言うのはよく分かってるよ。
結構な出血した感がアタシの体を巡ってるし、何よりいつもとは違うリズムで痛むお腹がアタシの思考力を半分ぐらい削り取ってて、それでも相変わらずナイスネイチャの頭の中には、蝉がけたたましく鳴いていた。

半身を起こして覗いた窓から寮の門の前に、先ほどとは違う蝉がアリに解体され切った様相が目に入る。もうバラバラになって、どこがどこだかわからない死骸が――――そのままの姿を持ってアタシの忌児に降りかかってきて、アタシのお腹で抱えたその子は蝉とは比べ物にならないほどにバラバラになって水に流れて、アリの命ですらを繋ぐこともないと糾弾されているようだった。
――――こんな袋小路に迷い込むなんて、アタシはどこで間違えたんだろう。
月の物が来ないうちは大丈夫だと思ってた、なんならそれが来ないように薬にも頼った
想像妊娠なんて、アタシ自身に身重だと騙されていた体をさらに騙して使って、レースなんて激しい運動をしすぎたせい？
それとも、勝負服が敗れたせいで別種の勝負服に変えたがためにお腹を出して、それが冷えたせい？

――――ウマ娘だから、薬が効きにくいから、……ピルの薬効をトレーニングで強くなった体が超えたせい？
理由の所在が、体をいじめたせいなのか、鍛え抜かれた体の逆襲なのか正負どちらにも押し付けられない現実にも、引き裂かれた心臓の鼓動が叫んでいる
血相を変えて飛んできた同室のあの子の言葉も半分だって耳に入らないで、それでもアタシの体調とトイレの処遇については聞こえた――――悪いとは思ったけどもうアタシの堰は決壊寸前で……
お願いアタシとトレーナーさんの赤ちゃん、やめて、流さないでって――――つい言っちゃったんだよね、いや……言っちゃったって言うよりは半狂乱で叫んじゃったっていう方が正しいかも
そしたらいつもは何かある度マーベラースって言ってたあの子が、見た事もないとんでもない顔して黙っちゃって、こちらの顔までつられて青くなったわ。
ああ、とんでもないこと言っちゃったなーってアタシは気絶した体で狸寝入りを決め込んだ。あっちから見れば、きっとナイスネイチャの顔が青くなって意識も朦朧としている状況かな――――救急車を呼ばれたら困るから、あっちが混乱しているうちに、先手を取って誰にも言わないでってうわ言のように呟いたんだけど――――聞こえたみたいだね、返事したもんね

足音からすれば、もう一度トイレに向かって、流すかどうか決めきれずにやっぱりこっちに帰ってきたようだ。
……ふふ、そうだよね、母親の心情としては自分の中に宿った命が流れちゃってトイレにあっても、自分の手で水を流すなんてまるで物のように扱えなんて言われても割り切れないよね――――わかるよ、今アタシが本当にそんな状況だからこそ、わかる。先延ばしにはしているけど、いずれはアタシがアタシの手であの子を、ナイスネイチャの鬱屈を水に流さなければならない。ああ、もう――――それこそ背筋が凍っちゃうよ。
やりたくないというのは簡単だけど、だからと言ってその心情を慮れる明るくて優しい子が、その母親の了解を得ずに流せるかって言ったら、やっぱり無理だわね
しかも誰にも言うなって言っちゃって、あっちが承諾もしちゃったからその時点であの子には心理的な枷がかかっちゃうのよ。
あっちも自分のトレーナーにも言う訳にはいかないし、事態がそもそも異常だもん。アタシは陰性って言う公式発表が出てきたのに、アタシの口から出てきたのはその逆。しかも父親がトレーナーさん――――うーん、意味わかんないよね。
誰にも事情を離せず悶々というか、そのまま悩んじゃって頂戴ね？
そもそもアンタがアタシのトレーナーさんに話しかけなければよかったんだから、さ。

いや……違うな、アタシは結局誰のせいにしたいんだろう……？
まあこんなに汚れちゃってるんだし、もう少し汚したって誤差の範囲かな――――？
さよなら、アタシの忌児。
誰にも祝福すらされない熱した鉛の様な、アタシの虚ろ――――

これで私が持ってた四大問題児は全部消化したね
じゃあ三月までにまた一つでもかかなきゃね
ループものより別のが先にできそう
あと生理に関してはよくわからない生理エアプだからこれが全部正しいかはわからないや

Female Athlete Triad
って本当にあるみたいだね
利用可能エネルギーの不足が引き起こす骨粗鬆症や運動性無月経って
書いて貼った後に知ったわ、もうちょっと早く知りたかった

ついに雨どころか雪降らせたぞ

怪文書

軽い気持ちで開くべきではなかった…

はい寝スズカさんのところとは別ベクトルでいかれてるからここ…

ハッピーバレンタイン

ねいちゃの幸せとトレーナーさんの幸せは
必ずしも一致しない

重い…

アニバーサリーとか関係ないのだ

2月早い

できた
これで3月末まで猶予ができる

もう2月も終わりか

お金持ちのイケメン彼氏が遠くへきたもんだ

某パン祭りのお皿欲しいけどさ・・・そもそもパンが買えない・・・

じゃあ三月分

はい、寝る前にネイチャさんのお話聞こうね
トレーナーさんの一着はゆずらないとか言ってたアタシだけどふと――――今のナイスネイチャの価値ってどれくらいなんだろって、思い込んだわけなのね。言い換えればアタシはアタシを一着と納得させるだけの指標が欲しくてさ、とはいえまだまだ学生のアタシにできる事なんて片手で数えるほどしかなくて、逆に言えばそれは他の女にお先に失礼される可能性も高いよね、心当たりも一人いるし……
その心当たりが、珍しく上げた写真をよくよく見てみれば――――ああ、映っている本人の右後ろあたりに、トレーナーさんが映っている。顔どころか体の三割も映ってはいないけど、その指の先はアタシに幾度となくトロフィーを折ってくれた優しさを持つ指。
もうこれは、さ――――匂わせどころか宣戦布告なわけ、アタシがスタート地点に立つ前に全て決めるつもりだと言外に示してた
そうなると、もうアタシだってなりふり構ってられない。どうにかしてトレーナーさんの視線をナイスネイチャに留めさせておくって言うのが発端だった。そうして、グランドライブという舞台を共同で作ったアタシとその心当たりは、不日水面下での攻防を始める事となったんだ
でも結果から言えば――――さ、アタシは負けちゃった。

今でも思い出せる当時の頃はハロウィンだったかな。……うん、皆思い思いに仮装してたからちゃんと覚えてる、商店街の皆もこれ幸いとちなんだ催しものをしてて商魂たくましいというか、なんというか。
あの人らだってもうそんなイベントに適応する若い柔軟性なんてないと思ってたんだけどね――――あ、失礼だって？　そうかな、そうだったかもね
アタシも言葉の上では一歩引いた態度をとってたけど、ターボやマチタンは全力で楽しめるタイプの子だし、若いっていいね、なーんて話してた先のイクノまでなんかやる気でさ当然ネイチャさんだって押し切られちゃうじゃん？
知り合いのギャル勢はここぞとばかりにとんでもない衣装来てるし、パーマーとかなにあれ完全に担当のトレーナーさん落としに来てるじゃん。
そりゃこれ以上なく似合ってるけどさー
まあそんなこんなで、時計の針が寛容な顔を見せる間にネイチャさん達は学園やら町やらへと繰り出していったんだけど、あちこちでお決まりの文言を流せば流す程アタシたちの手に収まらないほどのトリートが返ってきてさ、ターボ辺りはもうその辺で食べてたんだけどアタシは何か、なんていうか女の勘って言うのかな――――ともかく何かを感じて一度お菓子を部屋に置いてくるって言う理由づけと共に学園に戻っていったのね
そしたらさあ、……居たのよ。

アタシのトレーナーさんの隣に、ライトハローさんが仮装をしてさ、恐らく彼の前でしか見せないような笑顔で二人で歩いてた。まあさ――――正直、心に来るよね。うん、やられたって思う暇もなかったし考える余裕もなかったわけなんだけど、そうこうしているうちに目ざとくトレーナーさんがアタシを見つけて近寄ってきたんだ。
けど実際最初に話しかけてきたのは魔女の仮装をした妙齢のウマ娘の方。
トレーナーさんはトレーナーさんでまたなんか別の人と話しこんじゃったし、うーん……いや何話せばいいってのよ、恋敵と――――なんてアタシが考えていたそれ自体がもう甘かった、甘すぎたんだよね。十月の終わりに昇った輝く月は、輪郭や表情こそはっきりしていなかったとはいえ、門限前の西日の残響に煽られても尚輝きを損なうことなく綺麗だった。それは欺瞞なく、きっとトレーナーさんに取ってもついにぞ感想は変わらなかっただろうことは明らかで、ただ一つだけ――――月が綺麗な事を談笑する相手はアタシでなかったって言うだけ。
夏目漱石だっけ、名前と逸話だけはよく知ってる。愛をああいう言葉で訳せるのはそれだけ感性が独特だった証拠なんだろう。はたして彼はどの言葉を持ってライトハローさんにそれを囁いたのか、なんてアタシの届く範疇にはないけれどさ？

ナイスネイチャは学生、あの人は成人済み。どちらを選ぶかなんて初めからわかりきっていたことって言えばそうなんだけど、この期に及んでもアタシは心のどこかでスタート地点に立てることを疑いもしてなかったんだよね。
だってトレーナーさんはいつもそうしてくれて、有馬に三度も挑めたの何てまさにその手腕ありきでしょ？　そ、今目の前で話を聞いているアンタ、トウカイテイオーって言うウマ娘に挑めたことも含めてね？
でも、屈託のない顔で笑みを浮かべる隣の魔女が――――ああ勿論ハロウィンの恰好の身に限った話だよ？
……建前上は、ね……言い換えればアタシからトレーナーさんを奪っていく女の口から当人同士の結婚話がいざ持ち上がった時、アタシったらまず呆けちゃってさー。そんな話があった事はおろか今日彼の隣に立ってる現実――――ライトハローさんと会うなんてトレーナーさんの予定も約束すらもアタシは知りもしなかった。
言い換えれば二人の間に入れていなかったことを如実に示されてマウントを取られながらも努めてアタシは平常であろうとしたって言えばそれっぽいけど。真実は逆で、アタシは学生――――繰り返すようだけど、そんな人生経験二十もない小娘に何ができたか、そんなのは耐える事しかできなかったが正解だった。

昔、冗談交じりであの人に――――トレーナーさんはアタシに首ったけか。
なーんて言ったら、当然――――って返してくれたトレーナーさんもまあまあ悪いけど。順位は三番でも一番努力したのはアタシだと思ってたし、だってトレーナーさんの時間のほぼ全てをアタシは独占して浪費していたんだから
実際はそう思ってただけだったんだから笑っちゃうよね、笑っちゃう
アタシの心から熱が逃げていくのと、夕日が完全に沈むのはどっちが早かったんだろうね。門限が近づくにつれてだんだんと数を増していた忙しない帰りの足音はある時からぱったりと消えて、気が付けば周りには誰もいない――――夜が来るまで嬉々としてライトハローさんが話してたトレーナーさんとの思い出はどこか別の話のようで耳に入らなかった……けど当のトレーナーさんは少し離れたところで、何かの対応に追われてて、ネイチャさんの事を話しながらアタシを見てないその声だけは素直に耳に入ったんだ
お前は負けた、アタシは負けた、負けたんだ――――月を背にした夜はアタシの顔を隠してはくれたけれど、そんな心配りもむなしくナイスネイチャはもう涙も出なかった、本当に絶望した時って、そういうものだってアタシは知りたくなかったよ。

そうして――――いくつかの季節が過ぎた後、結論から言えばトレーナーさんは学園に併設されている寮を出て、ライトハローさんのマンション……正確にはライトハローさんの部屋だと二人以上は狭いんで、二人で新しく部屋を借りてそこに籍を移す事になる。ネイチャさんの恋心は土に堕ちたまま芽も出ず水も与えられず、心にぽっかり空いた穴の中で小さな竜巻がいつまでも叫び続けているような――――まあ、丁度半年後かな。日取りのいい時に、二人の式は行われてさ。
光を受けて輝く二人、ああ……綺麗だったなあ――――アタシが喉から手が出るほど欲しかった主人公の輝きとは全然違うのに、それに負けないような眩しい笑顔が皆から溢れてた。教会の鐘も、どこからやって来たか小鳥の声も、テレビで聴くそれとは違って洗練すらされているような錯覚すら覚えてさ。まあトレーナーさんならここで閃いたーとか、トレーニングに活かせるかもしれないーだなんだとかいうんでしょうねー。ずっと見てきたからワカリマスヨー
……なんだっけ、地獄への道は善意で舗装されているだっけ――――？

式の数か月前にトレーナーさんがおずおずとできれば参列してほしいって言った時、二つ返事で諾したのはアタシの最後の意地だった、涙よりも先に鬱屈した感情が胸から口から吹きこぼれそうな心地になりながらも――――G1、予断を許さない状況で調整に調整を重ねてきた宝塚記念の出走を見送りまでして、この地獄に足を踏み入れたのもすべては諦める為だった。
だからその時点でって言っちゃあなんだけど、トレーナーさんはトレーナー業より……って感じで、ともかくナイスネイチャって言う物語は最終章――――三年の契約が終わり、アタシも大人になるしかなくて、本格化の時期はとうに過ぎ伸びしろどころか能力は下降の一途をたどって――――有馬までは、正確に言えば四年目の有馬までは持たない、現実的には夏まで騙せるかどうかの体。そんなアタシにとって宝塚記念はそれこそ最後になるかのG1挑戦だった……って言えばその思いがどれほどなのかわかるとおもう。
ああ、すごい皮肉だなあって自分でも思うよ――――出会った当初はアタシはどちらかと言えば諦めがちな気質でさ、でもそれを少しずつでも前向きにしてくれた人を、今ナイスネイチャは永遠に諦めなきゃいけないんだから。アタシの心を誰であれアタシが殺し切らなきゃならない――――どんな勝負に、どんな相手に負けたってここまでの激烈は覚えなかったと言えるほどの、熱。
悔しいなんて言葉じゃ一端だって言い表せないようなそんな熱が、じゃあ果たして殺し切れるかって言ったら――――主人公でもないアタシにそんな膂力はなかったって言っちゃうね、世間なんて知らない女がさ、何言っちゃってるのかって思うでしょ？　アタシも成長していけばあの人以上の男が徒党を成してやってくるってテイオーは思う？

うーん、そうかもしれないけど――――さ、でも逆なんだよ、世間を知って他の男を色々と見て知ってきたら、そりゃあ乗り換えるのも胴体着陸とはいえできるのね――――でもね、未だ無知なアタシの世界にはトレーナーさんが太陽の様な物だった。その太陽が選んだ月が綺麗って言う話に戻ると収集付かないから外すけど、人は太陽がなければ生きてなんか行けないし、話を戻すけど太陽の熱をすべて殺し切れるか――――要はそのレベルだったって事。
トレーナーさんは言ってたんだけどね、太陽ひとつ～って、直径約140万キロメートルの、世界で1番大きい金メダルは、彼女の手にこそ相応しい～ってさ――――あの子が太陽を掴む時、そのやわい手が焼けてしまわぬよう包んでやれるのが自分でありますように。
ひどい嘘吐き――――大嘘吐きだよ、あの人は。アタシの太陽はあなただけだったのに、ふさわしいって言ってくれたのにね。
まあ……そう、結局アタシは諦めきれなかった――――そして道を踏み外しちゃったんだ。
どこから話せばいいかなー、発端はトレーナーさん……もう元が付くけどまああの人がトレーナー寮を引き払う際の事から始まるのね。よくよく考えてみれば二人で引越しするってことは家具とかも一新するわけでどうしてもマンションだとキャパシティを越えちゃって処分する物も少なからず出てきちゃうって訳、寮にあるトレーナーさん……彼の私物の中でいくつかはもう持って行ったらしいんだけどまあ新婚さんにくたびれたあれやこれは必要ないってことでイスや机や什器漆器のetc.はさ、処分する事になったのよ。

正直あんまり気分はよくなかったよ、二人で練習や出走するレースの会議をした部屋程ではないけど、トレーナーさんが大まかな練習メニューや戦略を一人で練っていたこの部屋全体もまたアタシと彼が駆け抜けた三年間の香りを色濃く継いでいるわけで、トレーナーさん……ううんあの人がアタシとの思い出を捨てた――――ナイスネイチャが片付けの手伝いをすることの意味がそんなふうにも思えたから。
トレーナーさ…彼は未来を、アタシは過去を選んだだけの話――――
まあ思い出もいい事ばかりじゃないし、処分も悪い事ばかりじゃなかったんだけどね？
……そう、悪い事ばかりじゃない。正直、アタシがその事について比較的早めに考えが及んだのは幸運だったかな――――そんなこんなで、ネイチャさんは処分品をまとめ、使える者は許可を取ってもらった後、部屋を引き払う準備を終えたのでした。粗大ごみの時期はまだ先、ごみは腕力のあるアタシが処分するからって言う事で話は終わる――――筈だったんだけどね、少なくともトレ……あー、もういいやトレーナーさんで。
テイオーも想像できるんじゃない？
まずナイスネイチャは家具を捨てる事はしませんでした、って事。まあそれはおいおい話すとして、次に行くね。で、次にアタシは家具の配置を手伝って――――ウマ娘が台頭してきて一番割喰ったのは引っ越し屋さんかもしれないね、本格化が終わったアタシやライトハローさんでも家具の移動ぐらいならできるから、二人が新居用に買った家具は自宅郵送か車に積めるものはつめていたのか知らないけど、もうあとはレイアウトを決めるだけの状態だったからライトハローさんに挨拶をするついでに、少しトレーナーさんの新居を見させてもらったんだ。

そんでまあ――――彼に連れられて新居にお邪魔した時、ふと部屋に入った時に覚えた違和感を、アタシは一生忘れない。
まずさ、酒の気配がどこにもなかったのよ。ライトハローさんって結構酒飲む人で、トレーナーさんは程々人程に飲むって感じだったからそれを鑑みるとどこにも酒瓶やビール缶もないのが少し違和感を覚えるって言うか。冷蔵庫には入っているかもしれないけど、二人分に足りるかは程遠いんだよね――――それだけならまだ買い足してないからって考える事も出来たけど、問題は次。
家具の配置量なんだけどさ、これウマ娘二人も必要かなって。
ライトハローさんとトレーナーさん二人で十分いけるんじゃないかって思ったんだ。そう、逆に言えば何らかの理由でライトハローさんを動かしたくない、彼女の体に負担をかけたくない思惑の気配がしてさ――――ああ、さすがテイオーだね。
もう言わなくてもわかったか、そうそう後に生まれた娘ちゃんの誕生日からすればもうこの時点でデキてたんだよね。
ウマ娘かどうかはこの時点ではわからないし、まあわからないとはいえお腹の子供の為に酒は控えるかって感じでしょ。
それでさ――――その時かな、部屋に盗聴器を仕掛けたのは。

アンタはいきなり何言ってんだって顔しないでほしいんだけど、よくあるコンセント型――――だといくらなんでもちょっとばれちゃうから、少しひねって延長コードのコンセントハブに擬態した……そう、よくアタシとトレーナーさんが部屋で使ってた見覚えのあるそれと同型の奴にして色々と忍ばせておいたんだ。
あっちにしてみれば新婚生活で見慣れないものなんかがあったらすぐにばれちゃうからね、懐かしさに付け込んでまだ使えるから持って来たなんて言えばまああの人の性格なら通るでしょ――――ううん…通ると思いたかったってのが本音。
まあ他にもダミー用のをいくつか持ってきてはいたんだけど、ライトハローさんにばれる危険性が高かったからそっくりそのまま全部仕掛けずそのまま撤収したよ。まあ一番発見しにくいのは有線式っていう電波を全く発さないタイプのなんだけど、そんなのアタシに用意も設置もできる訳ないじゃん？
逆に――――そもそも、どっから調達してきた話は戻るけど。どこから話そうか……うん、うーん……まずさアタシは色々と絶望してたわけよ、でまあ…そうね。
絶望しているのはアタシだけじゃなかったって言うか、なんというかさ………歴史上でそういう事になったウマ娘、担当トレーナーに恋して破れた子なんてそれこそ掃いて捨てるほどいたってことなんだね。そう言った子が、多分己の恋情や性に基づいて設立したのが、アタシが見つけた盗聴器を扱っている会社だったって感じ。

社長さんも今のアタシと似たような境遇で会社を興す事を決意し、同じような悲しみを持った子を勧誘して少しずつ人脈を増やしていったらしくてどんな形でも、どんなに時間をかけたとしても諦められない誰かと繋がっていたいって言うのが理念にあったんだ。
まあ多分その分野に限らず失恋をエネルギーにして同志を集めた会社なんて知らないだけど結構あるんじゃないかな――――例えば酒販とか、……いや本当に知らないけどさ？
さっきのトレーナー室の処分する家具類とここでつながってくるんだけど、アタシはまずアタシの城を作った。
盗聴器の電波範囲はせいぜい100から200メートル、当然その近辺にアタシの実家も何もないし、アタシたちの耳がいいって言ってもさすがに届くわけもない距離――――じゃあどうしたかって言えばさ、トレーナーさん達の部屋からその範囲にあった貸倉庫、湾岸にある様なでかい奴じゃなくよく個人個人の荷物を詰め込むストレージ式の奴あるでしょ？
あれを借りる事にした――――なんでって……倉庫には物を入れるでしょ？
さっき言ったように家具類はそこに詰め込んで青春の抜け殻を飾る様に？
ナイスネイチャはどこか自分と重ねて――――デスヨ？
思い出を捨てられないのは良いけどやっぱり扱いにはアタシも困ってたから、そのまま収納できる倉庫は一石二鳥だったって訳。ただ、倉庫の多くは防音じゃなくて――――防音だったら中で楽器とか弾き鳴らされる例もあったからそういった処置は仕方ないって言えば仕方ないんだけど、仕方ないから通販で買った防音用のシートをこれでもかっていうほどにはった。後で言うけどそれがなかったら大変なことになっている所だったわ。

当然の如くに盗聴機器の代金も合わせて、まーいろいろ出費は確かに嵩んだけど、これでアタシはまだトレーナーさんと繋がれる位置にいられるって思ったら嬉しさの方が勝って、アタシは夜な夜な世間様が寝静まってから盗聴器の受信機を持って、倉庫に向かってた。
テイオーは知ってる？　最近の盗聴器ってすごいんだよ？
音声検知自動録音機能だっけかな……V？　……O…S？　とかいうの周囲が無音の場合は録音を自動的に停止してくれて音声を効率よく確認できる奴。
盗聴器と受信機は一対一の関係、チームトレーナーさんとウマ娘のように一対多はできないんだってさ、まああの長いタップに盗聴器を二つ受信機を二つ紐付すればいいだけなんだけど――――問題が一つあって、倉庫の中には電源がないのよ。乾電池やUSBケーブルで充電運用できるんだけどね。だからアタシのルーティンは、夜倉庫に入ってトレーナーさんとライトハローさんの生活を聞き取りながら、充電された新しい受信録音機器と今まで稼働していたそれとを交換して古い方をまた家かなんかで充電するって感じ。
おふくろもウマ娘だからね、部屋で聴いてたりしたらもしかしたら聞こえちゃうかもって思ったらやっぱり防音仕様にした倉庫の中が一番安全で……卒業も果たして門限が無くなったに等しいアタシは、実家の手伝いをしながらそこに足繁く通ってた。

ところで現在のトレーナーさんの担当は居残り練習をよくするタイプのウマ娘ちゃんだったみたいだね、聞いている分にはなんというか寮の門限ギリギリまで練習をみてから明日の調整やレースへの出走手続きやらなんやらやってたみたい。
世間様がもう寝る準備を始める頃合いから仕事から帰ってきて食事って感じでさ、まあ帰ってくるころにはライトハローさんが食事を作っているんだけど、基本的に二人でするってことはあんまりなかった印象だね。
二人で話しながら食事をして風呂に入って……そのまま倒れるように寝るっていうのが彼の方のルーティンだったから、聞くのは毎日数時間。
なんならアタシの方がトレーナーさんより先に倉庫にたどり着く事もあったかな。
そういう時は録画分を先に聞いてトレーナーさんが返ってきたらそっちに切り替えるんだけど――――正直ライトハローさんの独り言とかあんまり興味ないからほぼ聞き流してたし、さっき言った通り無音の時間は基本的に盗聴器は稼働してないから、二人それぞれがどの時間に帰ってきてどんなふうに過ごすのかも、稼働した時間から逆算出来たってワケ
そしてある日の事、いつもの通りアタシが倉庫に行って盗聴を始めた時――――ついにって感じだった。なんていうかさ――――考えてなかったわけじゃないのよ、ただ想像よりちょっと……いや大分…なんていうか…重すぎる現実って言うのが寝室のコンセントを通してアタシに語りかけてきてた。
そ、――――寝室。まあ、アンタにはもう言わなくてもわかるか。

普段はそれぞれ一人ずつが入る風呂に、二人が一緒に入って、いつもより早い時間に寝室に入って、息遣いに色めくものがあって――――後でわかったんだけどこの安定期に入ったからか、二人は新婚の夫婦に違わず二人でお互いを貪るように求め始めた。
それと分かった時のナイスネイチャは尋常じゃいられない、背中からうなじから、普段汗なんてかかない所からもう言いようもない感情が吹き出るように、その奔流たるやレースの前の緊張なんて目じゃないよ。
なんなら――――アンタに負けた時でさえこんな気持ちにはならなかった。アタシも一度、二度、幾度となく録音を進めてはその度に手が二人の営みを拒絶した。
止めて、進めて、止めて、進めて――――耳が絶望したってああいう事を言うんだろうね――――ウマ娘の耳はさ、テイオーも知っての通り聴力が人のそれより優れてるわけ、だから人間なら或いは聞こえない音も鮮明に、さ――――ごめん、ちょっと待ってて、話してたら気分が悪くなってきちゃった。
……あはは、大丈夫。別に悲しくて泣いてるわけじゃないから――――ちょっと殺した感情がせりあがって来ただけ

ともかく……さ、盗聴器を仕掛けた…時、に………あの部屋で見た新しいベッドがギシギシギシギシギシギシギシギシキシキシミシミシギシギシキシキシキイキイキシキイと
その――――なんだ、あ…抽送に合わせてすごく……ひどく耳障りで微かな悲鳴を上げている様子や………………それよりも遙かに鮮明で不快な水音。今聞いても吐きそうな肉同士がぶつかるあの独特の手拍子を思わせる音。
……なにより極めつけはアタシの決して届かない所でアタシ以外から呼ばれるトレーナーさんの名前。惚れた男の聞いた事のない――――おそらくこんなことまでして聞こうと思わなければ一生聞く事のなかった字の通りの成人した男の性――――綺麗ごとだけじゃない生々しさを含んだ性の声
それがネイチャさんの耳を陵辱したかと思えばライトハローさんはもう何度も果てるような様子が見てとれた――――聞いて取れた、時には声を我慢するような装いが聞こえてきたしかと思えば快楽の大波にのまれたのかネイチャさんもドン引く様な嬌声を上げちゃってさあ
……あんなに嫌がってないイヤなんて言葉そうそうないよ、なんて言ったらいいのさ。
でもそれはある意味二人の中では通過儀礼でもあったようでさ、その言葉を皮切りに明らかにトレーナーさんの動きと言うか意識が変わったの、三年間アタシが見てた頃は歩くにしろ走るにしろ運ぶにしろそんなに早く動けなかったでしょって言う過去すら振り切る様な、彼主体の交合の音がね。

ひとしきり低い声と湿ったような吐息、さっきまでしていた不快感を形にしたような耳障りな音が消えて逆に現れ祟った数秒の、それでもなお上回る様なさらに言いようもない嫌悪感。
ああ、トレーナーさんはあの女の中で吐きだしたんだって――――暗闇に任せてとんでもない悲鳴を上げちゃってさ、頭を抱えてもう自分でもどんな顔をしてたかなんか考えたくない位に、もしもあの時に鏡なんて見たらその醜さに耐えられずアタシはアタシの首を絞めてたよ。
それぐらいに命の危機もかくやなんて声を倉庫の中で上げ続けて、気が付けばアタシの肌に爪が喰い込んで血が滲んで、その痛みすらどこかに置き去りにして、凌駕するほどに喉が完全に枯れてた。アタシとトレーナーさんの、二人だけの思い出にも同じように爪を立てられて血が滲んでいるような、いくら回顧しようとするもライトハローさんの嬌声があちこちにこびりついてきてさ。
もう完全にネイチャさんの情緒は犯されて汚されちゃった――――ひとしきり冷静になってきたら、自分のしたことに背筋が寒くなってきて、まあ幸い入口もしっかり締めてたし、さっき言ったよね？
なにより倉庫は防音じゃない所も多いからってことで自腹で買ってきた防音シートをこれでもかとはってたせいか、或いは人が出歩くような時間帯でもなかったから誰にも聞かれず通報もされずに済んだんだけど――――って、いやー……たはは……悪くすれば人生終わってたわー。
……いやわかってるって、そんな顔しなさんなー。

アンタだって、他人事じゃなくなる時が来るかもしれないんだから――――さ？
しっかり捕まえておかないと、テイオーだってこうなるかもよ？
はいお話終わり、寝ていいよ

――――って訳でもなく、……まだ終わらないんだよね。

ぐしゃぐしゃになった心を持ち帰ったアタシが、理由をつけて翌日新居にお邪魔して――――いや、わかってるって…どんな顔していったんだって話でしょ？
一睡もできなかったせいか顔はやつれて、歯を何度も磨いたはずなのに口からは吐き戻した胃液の匂いがまだ漂っているような気すらした。
まああっちにしてみれば盗聴されているなんて夢にも思ってないし、カワイイ教え子が顔を見せに来たってことで断る理由は特にないみたいなんだよね。ただ――――偶然を装ってトレーナーさんのいる時にお邪魔したのはまずかったかなあ、今思えば毎日夜まで忙しいトレーナーさんが偶然に休んでかつ二人でどこにも出抱えていない時に訪ねてきたって、これ本当に偶然かなんて疑念を持たれてもおかしくなかった。
手土産だけ渡して帰ろうとすれば逆に見かねてあっちは部屋に上げてくれるってことはアタシの想像通り、途中で御手洗いとか嘘ついてこっそり寝室に忍び込んだんだけどそこに漂ってた情事の残り香を一口吸ったとたん胸に猛烈な吐き気と記憶の底にかさぶたのように張り付いたトラウマがフラッシュバックしちゃってさ――――トイレをお借りして――――早い話二人の新居で吐いちゃった。
たはは……どう言いつくろったかって言えばさ、言いつくろう必要なんてなかった。

だって――――ライトハローさんにもあったんだね、今度はあっちの記憶の底にあった苦い経験を引き出して――――どうやらあっちからみればナイスネイチャはつわりなんだってさ、現役妊婦が言うから間違いないんじゃないかな……っていやいやネイチャさんにそんな予定あるわけないでしょ、想像妊娠じゃあるまいし？　そもそも当時のアタシ幾つよ、まあそこまで考えが至る人だったらとっくに盗聴器なんてばれてるでしょうけどさ
まあ……ね、なんて適当に言葉を濁して。当たり障りの無いように数か月後に流れたとか別れたって言い訳をした裏で――――遂にトレーナーさんとハローさんとの間に娘さんが生まれたわけよ。
事件は……そうだね、その娘ちゃんの事。少し時間が飛んで数年後のことになるからしっかり聞いてね、因みにその間何度もアタシは、二人の情事を聞いた。
胸を引き裂かれながら春が過ぎて、涙を嗄らしながら夏を迎えて、肺腑をえぐりながら秋を見送って、暗闇を食みながら冬に迎えられて――――娘ちゃんが生まれたとしても昼間は保育園で、大体はお母さん時折にお父さんが迎えに来て、殆ど変わり映えしない時間にこれまた変わり映えしない日常があてはめられる――――ああ、こういう抗いがたい流れの中で全ては風化していくんだなって、ナイスネイチャは悟った。
いいかえればさすがにアタシも、もうやめようかな。潮時かななんて思ったんだ――――思ってたんだよ、これは本当に。

でも現実ってかなり残酷だよね、ウマ娘は知っての通り人とは比べ物にならない膂力や強靭さを思っているけど、それっていつのころからだと思う？
例えば小学校の頃なんかでももう既に同世代の男の子でも追いつけない足の速さを持つ子もいるんだってね。でもその子は――――娘ちゃんはどうやら相当の才能を持って生まれてきたらしく、まだまだ赤子の分際で既にウマ娘の膂力の片鱗を見せていた。
さてもあの年の頃といえば様々な事に興味が出るようでアタシの所にも弟がそうだったからよくわかる、だけどその子はアタシの想像すら超えていた。初めて自分の足で歩いて嬉しかったんだろうね、歩くって言うのは走るの前段階だから壁に捕まって何処へ行きたい気持ちはわかる――――この部屋じゃなく、もっと広い所で。外に出たいって言う願望が彼女の頭の中にあったかは知らないよ？
あのマンションの一室の中で、外に出るのは玄関だけど――――そこはお母さんが目を光らせているから、勝手に出たら怒られるし鍵もチェーンも厳重にかけてある。じゃあってことで、娘ちゃんは窓に目を付けたんだろうね――――外は夜で、逆に言えば窓から街灯やら目を引く光が彼女を誘ってた。それこそ玄関に比べれば窓なんて簡単に開く、鍵を開いて横にずらすだけでいいんだから

普通の人間には、何ならウマ娘の大半、正直ナイスネイチャにだって無理だよ？　でも娘ちゃんには才能があった、そうしてベランダに出てきた娘ちゃんは人の膂力に収まらない腕力で自分の体をベランダから乗り出させて……でもこの年で自分の体を全部自由に扱えるわけもないし、あの年の子が自分の頭の重さを理解しているわけもない。何かの拍子に暗い中でバランスを崩して頭が下になる、手すりにひっかけようとした手が空を切って、重力に従って――――確か下は生垣も何もないコンクリート、猶予なんて数秒もない。

――――ドンッ……

なーんてさ、ドサッって言うレベルじゃない何か重い物が固い地面に落っこちた大きな音が――――アタシの頭の中でだけ響いてた。
うん、アタシの頭の中でだけ。
いわゆる錯覚、願望ともいうかもだね。
実際はハローさんが娘ちゃんの体を掴んで落ちる事もなく大事にはならなかった、盗聴器から聞こえてくる怒号を聞く限りそうみたいだね。
安心と残念さが奇妙な混ざり合い方で同調したアタシの心にも、一つの確たる信念が生まれたのがその時かな――――アタシとトレーナーさんとは一心同体だから、トレーナーさんの禍福はナイスネイチャもまた受け入れるべきだと思ったの。
現金な物だよね、少し前まであれほどやめておこうかなって思った口が今や掌を返してもっと続けるべきだーなんて。もしここで娘ちゃんが助けられずに落ちてても、その時の衝撃は盗聴器を通してアタシの心の中にきちんと落ちてくる――――トレーナーさんも娘ちゃんの訃報は見る訳じゃなく聞くはず。ある意味アタシと同じようなもんじゃんって思った時、アタシのぐちゃぐちゃに壊された心に一筋の安らぎがともったってワケ
トレーナーさんはもうアタシの誕生日より娘の誕生日を嬉しく思うようになっているけど、じゃアタシもこの娘ちゃんがどういうマツロをたどるのかトレーナーさんと一緒に見ていこう、……聞いていこうって思ったのね。

それから盗聴の目的に、少しの不幸を願う心が見え隠れするようになった――――今までで一番心躍ったのは不始末から来る火事になる直前かな。
ただ、集めた情報を使って少し考えれば無数に出てくる悪意の手管に身を任せなかったのは、ひとえに盗聴と言う繋がりを断たれることを恐れる可能性を見越したもので――――例えば方法は問わず沢山の男にライトハローさんや娘ちゃんを浚わせて襲わせるなんて、どう考えたって渡りをいれたアタシへのリスクの方が高い。
大事な物を手の届かない所で玩弄されたトレーナーさんの心を思うと、盗聴の先で寝取られたアタシの心と更に一体化したって気分になれるから惜しいって言えば惜しいんだけどね。
きっとここまで盗聴がばれていないのは、あの家に実害がないから――――盗聴した後誰もいない時に泥棒が入ったって感じだったら、或いは疑われるかも？
まあもう盗聴器入りのコンセントハブの出所なんて時間の経過の中で忘れ去られているかもしれないけど、だったら仮に盗聴がばれてもアタシにたどり着かない可能性もあるなあ。

盗聴器の電波範囲は100から200メートル……それだけ言われると当然その間に受信機及び本拠地があるって考えるけどアタシの実家やらははその範疇にないし、あーでも盗聴器の方からメーカーに問い合わされたら顧客情報ってどうなんだろ？
警察が提出しろって言ったらさすがに出されちゃうかな？
…やっぱこのまま潜伏が吉かも、ね？
まあいろいろで、現在――――トレーナーさんはアタシのレースの映像を見せたみたいね。ライトハローさんじゃなくアタシなのはそれだけウマ娘としてアタシの方を評価したのか、それともただの回顧で初めて育てたウマ娘の至らなかった点でも面白おかしく話しているのかな？
どっちでもいいわ、聞けば分かるから……ただ娘ちゃんの目の色だけは、今のアタシには届かないなあ。もう中学校に上がる彼女が、アタシにどんな感情を抱いているのかはわからない。だから今度また、行ってみるよ。

娘ちゃんの趣味嗜好はもう聞いてわかってるし、それ持っていけば食いつくでしょ――――ここまでが、まあネイチャさんの長い長～いストーカーの歴史デスヨ。もう十年位かな？
はい、お話終わり。今度こそ寝ていいよ

じゃあまた四月に

闇が深すぎる

こっわ

モチベーションどっからでてんだこれ…

深度が800を越えました
可及的速やかに浮上して下さい

不浄せよ

雪！！

年明けてからかっ飛ばしてんな

大雨

3月もう半分とか嘘でしょ…

生きろ
このスレは悍ましい

もうそろそろ3月も終わりか

ネイチャ-1.0

超深海の住人で草
これここのことだろww

深海ネイチャ

まだ生きてたのかここ

たった一人に生かされてるゾ

まあ今書いてるのあの人しかいないし

度々深海から顔を出す

最近雨が多いのは

できたわ
クッソが

――――その日は酷い雨だった、ただ冷たい雨ではなかったことを記憶している。
暦に綴られた六月という時期は例年通りに雨の気配が濃く、常に傘を携帯せねばならぬほどに太陽は萎縮していた。
このままの環境が続くならば、次のレースは重バ場の可能性が高い――――そんな予感を覚えながら、帰り道に丁度降られた通り雨に追われる様に、傘を抜けて叩いてくる風の吹き抜けに邪魔をされつつ俺と、俺の担当バであるナイスネイチャは、靴の泥を落とし、一先ずトレーナー寮に割り振られた部屋へと避難した。
俺が乱雑に脱いだ靴を彼女が直しつつ、体に這う怖気を思わせるようなそぞろの寒気と共に出たくしゃみを見かね、これ以上体が冷えぬようにと俺は彼女に先にシャワーを浴びさせた。着替えはとりあえず適当に見繕うとして、何か良い物はあったかと思案しつつクローゼットから適当に二、三枚引っ張り出し、体を温められるものを探しコーヒーかホットミルクでもと冷蔵庫の中身に足を進めた途中、俺は何かに足を引っかけてしまう。

部屋の薄暗さにまだ目が慣れていなかったかと思ったが――――真実は概ね逆であった。
それは理由の一部分だけにすぎず、言い換えればこの部屋の全体を俯瞰で見れば、何かを取るにも散らかった無精の日々の重ね、不規則につまれ埃をかぶっている付喪神のなりそこないで溢れており、どこかへ向かうにも家主である俺の躓きを待つ罠となっている。
我々を掃除せず放っておいて、良いご身分だな――――外を叩く雨よりも雄弁に、今日この現在においてそれらは俺が強いたぞんざいな扱いに対し見事に報復を果たし。
やや、見事なり――――とはやし立てるかのように舞い上がった埃が、小さくせき込む俺を尻目に、薄暗い外よりもさらに薄い色をした影ともつれ合う様に舞曲を演じていた。
湿気を吸い本来は重く舞い上がりにくい埃が舞った事実は目を逸らす事を許してはくれない、そもそも思い返せば、稲光に追い立てられるように部屋に一歩入るなり、或いは着替え一つとるその間にみせたネイチャが部屋か俺かに向けた視線の色が、忘れられない。
そう――――恐らく永遠に、……忘れられないのだ。
ところがその当時の俺と言えば、ああ、まあそうだよな――――と。そんな暢気も暢気な一言で――――汚い、それに尽きる部屋に彼女が不快感を覚えたのだろうという感覚しか抱いてはいなかった。いや、恐らくそれは当たっていたのだろう……幾分かはと言う枕は付くにしても、だ。だが逆に少しは当たっていたからこその――――後手であった。

ところで俺は自分が片付けに無頓着であると自覚をしている。
というか片付けよりも多くの優先順位が目の前にありすぎてどうしてもそちらを後回しにしてしまうと言ったところで、まあ惰性に似た義務感からそれでも無精無精とアイロンをかけたスーツやシャツに比べ、私服は本当にただ雑然と洗濯後干されたままの状態で食事は菓子パンやカップめんの遺骸、時折エナジードリンクの抜け殻も――――不摂生ここにありという面持ちで
だから、見かねたネイチャが掃除をします……などと言ってても特に苦笑いを返すだけで否定も肯定もしなかった。
聞き流せば、或いは他の道があったのだろうか――――そうではなく、既に先の一文をくどくもなぞる様だが、聞き流してしまったから俺は現在の苦境に立たされていると言っても過言ではないのだろう。確かにこの時の浅慮が、後に腐臭を放つ結末になるとは――――まったくこの時の俺という奴は度し難いほどに愚かであった。
せめて、家からなくなった物を埃や塵以外に認知さえしていたらと思わずにはいられない。
よりにもよって、あれを、……あれを、持ち出されるとは――――
もう遠い昔の様な錯覚と、もう遠い昔の様な正確が矛盾をはらんだまま歪なメビウスの輪を形成している。
どれが本物で、どれが錯覚なのかという問いすら今の俺自身が発したものかどうか――――確証が持てなかった

①ともかく次に目覚めたのはいつだっただろうか、ああ――――そうだ。
確かネイチャのための新たな練習方法についてのレポートを作っている時に、机に突っ伏して寝ていた状態からの覚醒だっただろうか。
概要から大筋はできており後は細かな点をネイチャと詰めるだけにはなっていたが、目覚まし時計が喧しく呼び起こす朝は、それと同時にかかってきた電話からこちらの状況を見透かすような担当の呆れた声、今日は……練習と休養どちらであったかと聞く俺に、他の誰でもない俺が――――違和感を覚える。カレンダーを見れば、本日は休養日で、明日からはトレーニングである――――筈だが？
口で言い表せない、漠然とした不安感から俺の長い旅路が始まり――――そして…未だ漂着に至ってはいない。ともかくその第一歩目が、ここだった。
彼女とはとりとめのない話を一通りした後に電話を切り、それでもまだ頭がぼんやりとしている俺は、一度両腕を高く伸ばしていく。伸ばした筋と骨が少し穏当でない音を立てながら、体の内の空気をあくびで一度すべて出し切り、新鮮な朝の光と共に再び体に入れる。
始まる朝は――――いつかと変わらずさわやかな陽気であった。

俺は冷蔵庫にあるネイチャが作り置きしてタッパーに詰め込んだ食材を手に取り、レンジで温めると同時に、綺麗にアイロン掛けされて畳まれた私服を手に取り組み合わせを考えていると、判断が遅いと言わんばかりにこれ見よがしの音を立ててレンジが朝食を温め終わった。結局コーディネートが決まらずトランクスとシャツだけを無造作に袖を通し、空いた手でタッパーと箸をテーブルに持ち込み、作法も何もない様子でかっ込んでいく。朝は、鮭の塩焼きと甘めに味付けられ巻かれた卵焼き、もう一品きんぴらでもつけるべきかと思い至ったが、朝目覚めたばかりの腹にはその席がない。
ふと時計を見れば時刻は七時を少し過ぎて、食べたら七時半ほどにはなるだろう。まだまだ慣れぬものである、自分の部屋では無いように思える埃ひとつない部屋も、ネイチャが作った惣菜がふんだんに詰め込まれ充実した冷蔵庫も――――この着替えを待つしっかりと張りの付いた服にも、何もかも。逆に亡くしたものは罪悪感と、躊躇と……どうせ、ぞんざいに扱ってももう意味はない物ばかりだ。担当する生徒にここまでの事をさせて、どの口で罪悪感などと言えるのか。

途中で二、三度水を取りに行き、やがて朝食を平らげ空になったタッパーをシンクに沈め、こんなことをしているから部屋が片付かないのだと自分を律しつつも――――俺は二度寝を決め込んだ。私服を選んでいる時は確かに外出も少しは考えたのだが、結局レポート作成にて質の良い睡眠から遠ざかっていたという理由も相成ってか、質の良い指導は質の良い睡眠と食育からと自分に言い訳を許し――――ネイチャの心遣いにも感謝せざるを得なかった。
事実、先ほどネイチャとは今日は休養の日であるから、掃除や家事の礼にどこかに連れて行ってあげようか――――俺の提案は、少し呆れたような口調からまた今度ねと彼女に断られてしまっていた。
どうやらあちらはこちらの状態が手に取るようにわかっているらしく、どうせ徹夜してて、もう今は寝たいんでしょ……などと言う皮肉めいた声の調子に諭されればこちらは無言で首を縦に振るしかない――――ただ今回は本当に機が悪く、どうやらネイチャも試したいことがあるそうだ。

基本的に、ウマ娘自身の体に影響がなければ俺は彼女に放任主義を許している――――放任主義を許されていると言ったほうが正しいやもしれないが。ともかくとして彼女のやりたい事というのが何であるかは明日にでも聞けばいいだろうと、休養日とあって全力でだらける事。己の中には一片の罪悪感も存在せず、狭く仕切られた自分だけの世界で惰眠を貪る意志を空の向こうのネイチャに示し、心の中でおやすみという挨拶をし、朝日に晴れた部屋の中でもう一度俺は眠りにつく。
ところで――――ここで出たネイチャのやりたいこととは、確かに振り返ってみれば明日にはわかる物であった。
そう、明日――――には――――
ともかくとしてその日の以降の記憶としては、時間の感覚が曖昧な事と泥の様な眠気に纏わりつかれた何時かに雨が降っていたような感覚が残響の様に頭の中に残っていた。
たったそれだけだ――――

②ともかく次に目覚めたのはいつだっただろうか、ああ――――そうだ。
確かネイチャのための新たな練習方法についてのレポートを作っている時に、机に突っ伏して寝ていた状態からの覚醒だっただろうか。
概要から大筋はできており後は細かな点をネイチャと詰めるだけにはなっていたが、目覚まし時計が喧しく呼び起こす朝は、それと同時にかかってきた電話からこちらの状況を見透かすような担当の呆れた声、今日は……練習と休養どちらであったかと聞く俺に、彼女は少しトーンの落とした声で――――今日は遊びに連れて行ってくれる日でしょと、忘れちゃいましたかねーなどと念を押すように非難をする。
カレンダーには確かに休養日と書かれてはいるが、それ以外に予定が入っていた記録はない。
ただいつもの癖で何か忘れたかやらかしたかと――――そう促している様にも聞こえた彼女の中に、いつもと違ってどこか白々しいような雰囲気があったような気がしたが、何かを隠しているのかと頭の片隅で他人事のように思いつつも、昨日の雨が体に障ったのではないかと彼女の体の調子を問いただしつつ、ややあってすまないという謝罪から始まる朝は――――始まる朝は――――いつかと変わらずさわやかな陽気であった。

俺は冷蔵庫にあるネイチャが作り置きしてタッパーに詰め込んだ食材を手に取り、レンジで温めると同時に、綺麗にアイロン掛けされて畳まれた私服を手に取り適当な組み合わせで試し試し着ると、いつの間にかレンジの中の食材は温めるを通り越して少し冷め始めているようだった。
ずいぶん放置してしまったか、中にあった牛肉の時雨煮が不機嫌そうな顔をして無言のままこちらを糾弾しているのが目に入る。時雨煮というより牛丼の上側と言った方が通りがいいかもしれないが、今日はそれに少し贅沢をして卵も付けようか。
――――などと考えていた俺がふと時計を見れば時刻は七時を大幅に過ぎて、食べたら八時近くにはなるだろう。平時であれば急ぐところだが、遊びに行くなら話は別だ。
あまり急いでも目的地の方が開いていないこともありうるため、準備の方を念入りにしておいた方が良い。さて、それにしてもまだまだ慣れぬものである。
自分の部屋では無いように思える埃ひとつない部屋も、ネイチャが作った惣菜がふんだんに詰め込まれ充実した冷蔵庫も――――この着替えを待つしっかりと張りの付いた服にも、何もかも。逆に亡くしたものは罪悪感と、躊躇と……どうせ、ぞんざいに扱ってももう意味はない物ばかりだ。
担当する生徒にここまでの事をさせて、約束すらも忘れてどの口で罪悪感などと――――……？

一度……顎に――――首に近い場所に右手を沿わせる。
その行動は考える時の所作であるものの、後になって考えてみればその行動自体にも、大きく意味があった。
ただ当時はと言えば頭の隅に芽吹いたというには憚られる、疑問の形を保てもしなかった違和感も、その正体の輪郭もつかめぬままであって、最終的には時雨煮をこれ以上待たせてはならないという焦りと服の装いの話題に塗りつぶされ、どこか優しい醤油の匂いに呼び起こされた空腹の導きに従い作法も何もない様子でかっ込んでいく。
途中で二、三度水を取りに行き、やがて朝食を平らげ空になったタッパーをシンクに入れ、こんなことをしているから部屋が片付かないのだと自分を省みつつも――――自分の中にあるネイチャが占める割合の大きさに嬉しいような複雑なような表情をかもしてしっかりと部屋に鍵をかけ彼女との待ち合わせ場所に出向いて行った。

その日の記憶は、まあまあ楽しかったという漠然とした輪郭で縁取られてはいるが、各々の激務の中で生じたわだかまりを一つ一つ解いていくような一日であった。
お出かけ途中でテイオーを始めとしたほかのウマ娘とも出会いはやし立てられ、結局夕方を過ぎ門限近くになるまで遊び歩いてしまった。
ネイチャ自身最初は強張っていた機嫌もだんだんと氷解を果たし、午後に入る頃には完全に自分の知っている彼女に戻っていた。
さても明日は何を食べようかなどと言う他愛のない会話をしながら最後に二人でファミレスに入り、カバンに詰めていた練習方法のレポートを交えつつ次のレースの事を話し合いながらにんじんハンバーグに舌鼓を打つなどをして――――そういえば、彼女はどんな服装をしていただろうか。
囃し立てられた時にテイオーは服装にも言及はしていたはずだが……思い出せないのは……なぜだろうか
ちなみにだが、結局牛丼に卵は付けなかった――――何故か彼女の服装よりも、そちらの方を思い出すのは、不思議でしかない。

③ともかく次に目覚めたのはいつだっただろうか、ああ――――そうだ。
確かネイチャのための新たな練習方法についてのレポートを作っている時に、机に突っ伏して寝ていた状態からの覚醒だっただろうか。概要から大筋はできており後は細かな点をネイチャと詰めるだけにはなっていたが、目覚まし時計が喧しく呼び起こす朝は、それと同時にかかってきた電話からこちらの状況を見透かすような担当の呆れた声、今日は……練習と休養どちらであったかと聞く俺――――は？
不可解な沈黙が、不意にそこに転がった――――当時の俺は何故かこの後、ネイチャが俺に連絡をしてくるような気がしたのだ。
そしてその答えが正しかったのを知るのにそう時間はかからない。こちらの漠然とした霧が滑稽ともいう様に、ネイチャの感情は快活な声から始まりを告げた、確かに少しばかりいつもの声とは高さが違う物の、朝と言う事を鑑みればあちらもまだ体が起きてないと見える。
だが今日は――――言いよどんだ俺の態度に何か思う所があったのだろうか、昨日の雨で体の調子を落としちゃいましたか――――果たしてその言葉と同じ様な事をいつか誰かが、誰かに同じように言った気がする。
曖昧な返事しか返せなかった俺を、彼女はどう見たのであろうか。
気が付けば電話は切られており、後でネイチャにはフォローをせねばならないと切り替え、首の骨と筋をゆっくりと伸ばして小気味の良い音を立てながら始まる朝は――――いつかと変わらずさわやかな陽気であった。

………いつか――――とは？
という言葉を飲み込んだ事を、初めて自覚したのもこの時点である。夢の奥から何か恐ろしい物が現実に這い出てくるような不安さえあった、根腐れた夢の終わりは――――おそらく近い。
ともかく俺は冷蔵庫にあるネイチャが作り置きしてタッパーに詰め込んだ食材を手に取り、レンジでたたき込んだ。レンジが回っている間にそのまま歯を磨くためコップに入れた水、薄く揺れる波紋に映る己の顔色に、再び思案に浸る。
何かが、おかしい――――心の底からわくような正体のわからない焦燥に侵されながらしかして時計の針がその逡巡を咎め。
鼓動の速さが時計の秒針を追い越し、しばらくして並び、再び先を譲る頃になれど、未だにレンジからの応答もなく――――もうなってもよさそうな物なのにと思いながら様子を見やれば、どうやら叩き込んだだけで実際に温めてはいなかったようだ。
それならもういいと、冷えたままのごはんをインスタントの味噌汁の中にぶち込み、おかずも冷えたままでこれ見よがしの音を立てて朝食をすすっていく。

口の中に何か――――にんじんハンバーグのような風味が残っているような、漠然とした不安ごと俺は味噌汁で全てを流し込んでしまったのだ。
そこが間違いでもあったのだろう、俺という奴は大事な選択肢をいつも外してしまう。
食事を終えれば時刻は七時を大幅に過ぎて――――直感に、そんな気がしていた。
平時であれば急ぐところだが、例えば遊びに行くなら話は別だ。だが、今日は結局どちらであったのか――――再びネイチャに連絡する事は俺の中で何となくの範囲ではあるが好ましくはないと……いや――――はっきり嫌だ、と言ってしまうべきか……？
自分の部屋では無いように思える埃ひとつない部屋は何も語らない、時間の感覚を狂わせ己の存在すら希薄にする様な。
――――あり得ない、その言の葉は何に対して発したものだったか。
この部屋を片付けてくれたネイチャに何か作為的な物を感じてしまった事だろうか、もしくはこの部屋がまるで獲物を絡め取る様な蜘蛛の巣を思わせる何かになってしまったような感覚か、或いはネイチャにフォローも今日の予定すらも聞くことなく、このままどこかに姿を晦ましてしまいたいと思う己自身にだろうか。
亡くしたものは罪悪感と、躊躇と……本当にそれだけだろうか？

当然本来であれば、俺はネイチャの所に向かうべきであった。だが何を考えたか俺は、ふと――――首の辺りに指を這わせ、一つため息をついた俺は自嘲するように小さく笑い
部屋を出た――――鍵は、あえて特にかけなかった。
理由は……意味がないから――――それに、尽きる。
その日の記憶としては、ふと海が見たくなりスマホを部屋に置き去りにした俺はせめて太陽に己の姿を捧げながらどうか見失ってくれるなと恐々のままで自転車をこぎ出していた――――筈だ、その…筈だ。
……ただ結局俺は海を見られたのだろうか、片隅にある月の景色はどこで見た物であったか。
一度……顎に――――首に近い場所に右手を沿わせる。考える行動の癖としてあるものだが、そういえば――――俺が最後に髭を剃ったのはいつだっただろうかと、つるりとした肉の感触にやはり恐ろしい物を覚えた。

④次に目覚めたのはいつだっただろうか、ああ――――そうだ。
確かネイチャのための新たな練習方法についてのレポートを作っている時に、机に突っ伏して寝ていた状態からの覚醒だっただろうか。
概要から大筋はできており後は細かな点をネイチャと詰めるだけにはなっていたが、目覚まし時計が喧しく呼び起こす朝は、それと同時にかかってきた電話からこちらの状況を見透かすような担当の呆れた声、今日は……練習と休養どちらであったかと聞く俺に、少し訝しげに――――何言ってんの、レポートができてきたから今日は詰めるって言ってたじゃんと念を押すように彼女は何か含んだような笑い声を電話の向こうで響かせていた。
視線の先にあるカレンダーにはそんなことは書かれていないのだが、最近はレポートに追われていたのだから疲れて書き間違えたのだろう――――そう諭された彼女に対しても何故か俺は、心の内で首を縦に振る事ができない。

そういえば、この服は何日着ているのだろうか。
答えは昨日雨に奪われた体温を戻す時にシャワーを浴びた時からである――――昨日はそもそも雨であったか？　…いや、雨であったその筈なのだが、頭に掛かった靄の向こうに恐ろしい物の姿が見え隠れしているような錯覚を覚えるような。
果たして――――バ鹿げているというしかない、彼女は俺の大事な担当であり常に二人で歩いてきた。彼女が俺を陥れる理由も嘘をつく理由も俺には思いつかず、恨まれる心当たりも詐取されるいわれもない。
そうなれば畢竟彼女の言う事は真実であると結論をつけるしかない。或いはまだ自分が寝ぼけているのだろうと、俺は一度伸びをして不安を振り払うようにいっそ大袈裟をあてこする様にカーテンを開けた。始まる朝は――――いつかと、いつもと――――やはりどこかと変わらずさわやかな陽気であった。

俺は冷蔵庫にあるネイチャが作り置きしてタッパーに詰め込んだ食材を手に取り、レンジで温めると同時に、綺麗にアイロン掛けされて畳まれた私服を手に取り適当な組み合わせで着ると、それと同じころをして丁度良く朝食が温まったようだ。
温かなビーフシチューと白米の取り合わせが色合いにも対比となっていて美しい、そういえば世の中にはシチューとごはんを一緒に食べる事を許さない人種もいるようだが、ナイスネイチャはどちら側で、ライトハローさんはどちら側だろうか、正直どちらも許容する性格のような気がするとシチューの人参にかぶりつく。
少し早く起きた為に時刻は七時前というよりも寧ろ六時の中ごろに近い、この分であれば食べた後少しゆっくりしても時間に遅れると言う事はないだろう。レポートの詰めはウマレーターで行い、AIである女神様の監督及び意見を鑑みて行う。
ウマレーター内であれば昨日の天気がどうあれ良バ場、重バ場問わず様々な環境が設定されるため単純に学園のトラックで走るよりも多くの情報や知見が得られたりするのだ。なんなら三女神様にお願いすればグレーには違いないが擬似的な温泉施設にも行け、身体へのフィードバックで疲労は取れる。
勿論現実の肉体が発する発汗などの新陳代謝は抑制できないため現実での栄養補給を始め歯や体や頭は定期的に洗う必要があるが、それを踏まえてもウマレーターの中で眠っていても疲労は取れるというのは素晴らしい、だから見ようによっては、家に帰る必要がなくなるともいえるが――――まあ、それは家が綺麗になった現在において関係はないといえる。

ともかくとしてそんな便利な物が満員になる可能性も考え、当然少し急ぐ必要があるのだが。もう慣れたものである、自分の部屋では無いように思える埃ひとつない部屋も充実した冷蔵庫も――――この着替え方にも、何もかもになれてしまった。
逆に亡くしたものは罪悪感と、躊躇と……どうせ、ぞんざいに扱ってももう意味はない物ばかりだ。
美しい朝日だった、それこそ心が洗われるような――――外の朝日に照らされる部屋にそんなものを持ち込むなどバ鹿げていると言わんばかりに、タッパーの料理を平らげた俺はそのまま少しぼんやりとして――――ふと、首筋に指を這わせている事に気が付いた。
微かな違和感を覚えた様な面持ちでその正体を探ろうとはしていたのだが、あいにく時間が足りない。時間が――――後に考えてみれば、触った場所が顎ではなく首であることとこの時間という語は非情な皮肉を孕んでそこにあったというべきだろう。

ネイチャとの待ち合わせは学校で行う事とした――――その日の記憶としては……そうだ。ネイチャが妙にいじらしかった……というのだろうか。
ネイチャは太陽に照らされながら――――トレーナーさんがこんなことするなんて初めてだし、もしかしてアタシの作った料理の中で好みじゃないとかまずかったのかなーなんて思ってさ、ネイチャさんちょっとびっくりしちゃった。でもちゃーんと食べてくれてて安心したよ――――確かにそんなことを言っていた……その時に俺は、この子を疑っていたことを一瞬だけ恥じたのだった。
そうだ、この子に俺を貶める理由などあろうはずがない
だがもしもあるとすれば………それは担当バであり愛バではないから――――どこかで、そういわれた気がした。

⑤ともかく次に目覚めたのはいつだっただろうか、ああ――――そうだ。
確かネイチャのための新たな練習方法についてのレポートを作っている時に、机に突っ伏して寝ていた状態からの覚醒だっただろうか。
概要から大筋はできており後は細かな点をネイチャと詰めるだけにはなっていたが、目覚まし時計が喧しく呼び起こす朝は、それと同時にかかってきた電話からこちらの状況を見透かすような担当の呆れた声、今日は……練習と休養どちらであったかと聞く俺にも、段々と事態が何か恐ろしい方向に向かっているのではないかという不安感が晴らせぬところまで上がってきている。
考えて考えて無言になったこちらを訝しむようにネイチャが催促を始め。
ああ、すまないという謝罪から始まる朝は――――やはりいつかと変わらずさわやかな陽気であった……などとか次に俺は言うんだろう。

晴れと言えば、そういえば昨日は雨だった、……雨だったはずだ――――ただ梅雨の割にはここ最近は晴れが多い。
ネイチャとぬれねずみになって帰ってきた後、次のレースは雨だと懸念した述懐がなかったことの様なと錯覚するほどの晴れが続いて――――いや、カレンダーの上では、雨に濡れてからたった一日しか経っていないはずなのだ。
ここ最近とはいったい俺はいつの事を話しているのだろうか、おかしい――――まるで、まるで――――俺の中に多数の俺である記憶が無造作に詰め込まれているような心地である。
昨日の夕食は白米を食べた俺と、何も食べなかった俺と、パスタを叫んだ俺と、外で食べた俺と、夜更けに雨だった俺と、レポートを破り捨てた俺と、ウマレーターにいた俺と、海で月を見て慟哭した俺と、俺と俺と俺と、俺――――。
今日は……――――先手を取り一人にしてほしいと言った俺の願いを、ネイチャは特に反論もすることなく快諾し、それで担当バとの会話は切れた。
果たして――――ここは、どこか……場所の話ではない。
もっと比べ物にならない事象の話である、次元が文字通り違うのではないか。震える手をどうにか止めようと、俺は冷蔵庫にあるネイチャが作り置きしてタッパーに詰め込んだ食材を手に取り、レンジで温めると同時に、昨日は一体何を食べたのか――――日常であるはずの疑問が拙さを覚える仮面をかぶっているような感覚に襲われる。
これは、何回目の俺であろう――――？
何度も、幾度も手が普段なら止まらない所で止まっている。震えているのではない、止まっているのだ。
それでも綺麗にアイロン掛けされて畳まれた私服を手に取り適当な組み合わせで着ると、それと同じころをして丁度良く朝食が温まったようだ。時刻は……七時よりも大きく過ぎてしまった、当然だが食べたらちょうど八時になるだろう。

もう慣れたものである――――とでも言うつもりか。
錯覚が頭の中で嘲笑を呈し、自分の部屋では無いように思える埃ひとつない部屋も充実した冷蔵庫も――――この着替え方にも、何もかもになれてしまったなどと俺の姿をしているお前は言いたいんだろう。
逆に亡くしたものは罪悪感と、躊躇と……どうせ、ぞんざいに扱ってももう意味はない物ばかりだとも。
だが、その意味合いが、少しずつ変質をしているような――――ぞんざいに扱う理由が剥がされ、その下からさらなる真の理由が見え隠れしてきたような覚えが体を駆け巡り始めていた。
朝食を平らげ空になったタッパーをシンクに投げ込み、一度テーブルを拳で叩く。
手が勝手に怒りを覚えたような心地になった俺はそのままふと――――首の辺りに指を這わせ、一つため息をついた俺は自嘲するように小さく笑い部屋を出た――――鍵は、あえて特にかけなかった。
理由？　理由は……意味がないから――――それに、尽きる……

時刻は八時を越えた頃だろうか、待ち合わせ場所に歩いている途中にしまったと――――ネイチャは………――――待ち合わせ？
いいや、今日俺は彼女に一人でいたいと伝えたはずだ。だからこれはあり得ない事態なのだ。一人でいたいと思うならば、家に引きこもるという選択肢だってあるはずだった。
何故か俺は私服を選んでまで外に足を伸ばし、適当に放浪でもすればよかった選択肢を投げ捨ててまで何故かその場所にたどり着き、三女神様が見下ろすその噴水の下で何故かナイスネイチャというウマ娘が、まるで、まるで――――全てが分かっていたかのようにおしゃれをしてそこに立っているなどとは。
偶然？　……よくもそういえたものだ、どこかあどけなさを残す少女の顔で、頬を赤くして目を潤ませて、震えを見え隠れさせてはいるが、こちらが断れない事をよく知っているような口調で――――顔を上げた先には常に美しさをたたえる始祖の三女神像がこの日常と変わらず佇んでいる。
私の救済にはなりえない女神様――――あなた方は何故、ここまでの蛮行を許しておくのでしょうか。
その日の記憶など――――思い出したくもない。
だがそういったものこそ、俺の頭の裏にへばりつく類の物なのは皮肉と吐き捨てるしかない。
愛ある罰――――唾棄すべき言葉である

⑥ともかく次に目覚めたのはいつだっただろうか、ああ――――そうだ。
確かネイチャのための新たな練習方法についてのレポートを作っている時に、机に突っ伏して寝ていた状態からの覚醒だっただろうか。
概要から大筋はできており後は細かな点をネイチャと詰めるだけにはなっていたが、目覚まし時計が喧しく呼び起こす朝は、それと同時にかかってきた電話からこちらの状況を見透かすような担当の呆れた声、今日は……練習と休養どちらであったかと聞く俺に、他の誰でもない俺が――――俺が――――俺が……何かがおかしい、段々と事態が何か恐ろしい方向に向かっているのではないかという不安感が晴らせぬところまで上がってきて、それすらいつか感じた杜撰な思惑の亡骸であることをなぞる様に、眠っている誰かを殴りつけてでも起こそうとする意志の代理人が、宙に浮いていた右手の形で俺の頬を振りぬいた。
花火を思わせる瞬きが目の中に走ると共に、岩壁を破る様な熱を持ったじんわりとした痛みが流れ込んで、それでも右手は幾度となく自らを殴ってくる――――殴ってきたその単語が霧を掃う様に頭の中を通りすぎ、鼻から血が流れて床に数滴落ちる。
そしてその瞬間に、俺は全てを思い出した――――
話は数日前、と言うと少し語弊があるかもしれない。
この狂ったループが始まる前の正真正銘の数日前――――暦の上ではともかく、感覚的には二度と届かないような遠い昔の風格すらある時の頃。そう、あの時は確か新しいトレーニングを試そうとしていたはずだ。
そう――――ウマレーター、確かそんな名前であったはず。

VR機器のその中であれば、昨日の天気がどうあれ良バ場、重バ場問わず様々な環境が設定されるため単純に学園のトラックで走るよりも多くの情報や知見が得られたりするのだ。
現実のフィードバックも可能というある種人知を超えた技術だが、更に常駐しているAIの三女神様にお願いすれば、色々とグレーゾーンには違いないが擬似的な温泉施設にも行け、身体へのフィードバックで疲労は取れる。
勿論現実の肉体が発する発汗などの新陳代謝は抑制できないため現実での栄養補給を始め歯や体や頭は定期的に洗う必要があるが、それを踏まえてもウマレーターの中で眠っていても疲労は取れるというのは素晴らしい、だから見ようによっては、家に帰る必要がなくなるともいえる――――だからそれに依存した俺にとって家は、いつの間にか安息の場所ではなく、ウマレーターにそれを求めてしまった。
名目上は睡眠勉強法、ウマレーターのなかでさらに睡眠をすることで疲労回復がフィードバックされるらしい――――そんな眉唾物の話に乗っかっただけだ。
だからこそ、沈黙と埃が降り積もったそこに執着を無くすのにそう時間はかからなかったのかもしれない。……だからこそ、目覚めた時にウマレーターの中ではなく家の中であったことに違和感をまず覚えるべきであったのかもしれない。
ともかくそれこそが命取りであり、せめて――――せめて家からなくなった物を埃や塵以外に認知さえしていたらと思わずにはいられない。
だが――――結果論になってしまうが、ネイチャは気付かせる気など毛頭なかったに違いない。

いらない物を俺の部屋から追放にするに留まらず、逆に俺の身を案じると偽って――――それが偽らざる善意だったとしても、食事や洗濯物等々の仕事までされては、重荷を一つ卸した心に油断を生じるのも無理はない。
そう、もしも俺が気づくことができたとすればこの一瞬が最初で最後であっただろう、ネイチャの動きに少なくとも違和感を覚える暇はなく、ただたった一つだけ――――ネイチャが俺の部屋に持ち込んだ食料のタッパー、その量だけに関してみればだが、考えてみれば奇妙なほどに多かったと言える。
一週間分、そう彼女は話していたが、実際に持ってきたのは男一人のやもめにしては数週間で三食すべてを賄っても、それでも食いきれないほどの山として鎮座していた。
また種類も多岐にわたり、組み合わせ次第では両の手どころか足の指を含めても優に超えるような、例えば煮つけに合うのは白米か炊き込みご飯か、白米でなければ炊き込みご飯か栗のふんだんに入った栗ご飯か、或いは米から献立を始めるのならば赤飯に逢うおかずは何にするべきかと、こちらに色々と考えさせる喜びを語りかけるような気遣いが合った。
対して俺は、その光景に――――ウマ娘基準ならこれが一週間分なのかもだの、まあ多い分にはいいかなだの――――愚鈍にもほどがある、いうまでもなく最初からネイチャは俺をこの牢獄に閉じ込める気であったのだろう。
毎日同じものを食べるとなると、やはりどこかで無理が出るからだ。或いは、それこそが気づかせないための布石であったのか。
結論、彼女が手にした時の力――――俺の部屋から持ち出された大量の目覚まし時計という箱庭に俺はまんまと閉じ込められてしまったのだ。

目覚まし時計と言っても、当然市場に出回る一般的なそれではない。
大きさは流通している物よりははるかに小さいが、無論重要なのはそこではなくその物品が恐ろしい事に、時を戻す事ができるというこれまた人知を超えた危険物であると言う事だ。
俺が知る限り、目覚まし時計が戻せるのは一個につき一日だけ、つまり目覚まし時計を奪ってもあまり早く使いすぎれば、部屋も散らかった状態である昨日に。
言い換えればまた掃除や洗濯をしなければならず、何より持ち出した大量の目覚まし時計自体がネイチャの手から俺の部屋に戻ってきてしまう。
つまりネイチャは全ての準備を終えて、その上であえて最適な日に戻れるように一日待った――――結果的に待つのは一日で済んだという話ではあるが、しかしてその一日で彼女は木下藤吉郎、豊臣秀吉に負けないほどの一夜城を作り上げたと言う訳だ。
だがここまで理解を繋げてきたとしても俺ができる事はなく、はっきり言ってもはや詰んでいると――――目覚まし時計をよしんば取り戻せたとしても、ネイチャが一つも隠し持っていないとは思えない。
隠し持っているその一つを発動すれば、先ほどの話を逆回しにするように、時を戻したせいで取り返したはずの目覚まし時計はネイチャの目論見通り当日朝の座標に、つまり全て再びネイチャの手下に置かれてしまう――――目覚まし時計は時を戻せば役目を終え、その自壊自体は遡行の範疇の外にあり一日に一つ消費するが、さて俺は一体いくつ目覚まし時計を持っていたか。
少なくとも百や二百ではない、恐らく……今からでも三年分は優に賄えるのではないか。
目覚まし時計の入手方法はいろいろあるが確実なのはたづなさんから買う事だろう――――では、何故そんなものをたづなさんが所有しているのかと言えば、一つ……彼女にまつわる噂話がある。

彼女は人の名前の他に一つ、ウマ娘としての名前を持っておりそのウマ娘は――――東京優駿、早い話ダービーの数週間後に突如引退を喫したらしいのだ。
全戦全勝にしてパーフェクトの異名を持つウマ娘が彼女であるとするならば当然、その無念は期待の高さの裏返しであろう。先の通り目覚まし時計は、過去へと戻れる――――もしも彼女がそう――――望んでいたとするならば、彼女の無念こそが目覚まし時計の正体であり、それを配布という形で実際に使用した際のデータを取っているのではないだろうか。
その遡行の原料と可能性のある物なら、これまた夢の煌めきという――――ウマ娘が夢を掴んだ証と言われるアイテムが存在する。新米トレーナーは何の用途に置かれる物かすらわからず、経験を積んだ中堅及び熟練トレーナーにおいてもウマ娘の強化につながるそれがそもそも何なのかは答えに届いたものはいない。
だがその込められた夢という思いの物品こそが時間遡行装置である目覚まし時計の原料にはなりえないだろうか。
いずれにしろ、とにもかくにもウマ娘の思いの力と言うのはバ鹿にできない、時折女神像から啓示をうけ飛躍的な成長を遂げたりするのを俺は目の当たりにしている。まさしく見方を変えれば目覚まし時計と同種の人知を超えた力である。
さて、そんな目覚まし時計は、供給という方法がある以上ループ開始時よりも増えている可能性も視野に入れるべきかもしれない……当然俺がたづなさんから時計を得たとしても、それで帰れるのは何度も繰り返した今日――――否、俺にとっての昨日だ。
実際には始まりはいつも意識の無い状態から始まるため厳密には昨日の零時に戻るのかそれとも時計を使った時から丸々二十四時間戻るのかの判別がつかないが、一日の始まりに大きな差異がないと言う事はおそらく前者であろう。

さても千個以上の時計、三年分の煉獄。
ふと――――首の辺りに指を這わせ、一つため息をついた俺は自嘲するように小さく笑い。その感覚が錯覚ではない事を思い出す、あれは夢のようで恐らく夢ではない。
言い換えれば――――何回か前の時間軸において、俺自身が……俺の首を縄で括って彼岸の渡しに逃げたとしても――――時間を戻された結果はこのザマだ。
自分の体重で首や背骨の骨が幾つか脱臼し、それによってすぐに気絶をしたとは言え死を選ぶ恐怖。とりわけ――――自分が自分を殺す恐怖というのは筆舌に尽くしがたい。
人がその恐怖を身近に感じないのはそのまま死と自分との距離が遠いから、明日アナタは車に轢かれて死ぬなんて言われても多くの人はピンと来ないが、逆に戦争の最前線であなたは明日撃たれて死ぬなんて口にも出せば反応は激烈であろう。
死の気配の濃さの違いか、或いは死というイメージがそちらの方が根付いているからか、いずれにせよ日本人の大半はあえてそれを見ないようにして社会を回している。だから逆に言えばその恐怖を、或いはそれもネイチャの計算の上でしかないのかもしれないが、二度三度行えるかと言えば、道の先に無駄という結果しかない事を理解してしまった俺にそんな胆力はなかった。
おぼろげながらも覚えている死後の世界は闇だった、そこから引き上げる光が希望の様相を持っていないのは皮肉であるというしかない。目覚まし時計の仮定限界数、即ち三年でネイチャはこちらの心を完全に砕ききるつもりらしいが――――もはや、俺の心は既に完全に隷属し白旗はあげられていると言わざるを得ない。

いつだったか擡げた反抗心で、ネイチャが作って冷蔵庫の中に置いていた物を全てぶちまけどこかへと逃げた次の朝、彼女は俺が逃げる前、朝早くに気配を消してループ以前に鍵を開けておいたのであろう窓から部屋に入り込んだ。
その記憶の残滓が、もはや戸締りにどうせ意味などないという歪んだ結論へとこぎつけたのであろう。
やがて風の気配で目覚めた俺の顔先にいつも通りの雰囲気を纏わせながら立ったと思えば徐に台所にあったはずのフライパンで、覚醒しきっておらず反応が遅れた俺の腕と足を砕き、一呼吸おいて絶叫している俺の口を塞ぐようにスプーンで一口ずつタッパーの料理を運んでいった。
それでも俺が首を体を振って暴れ、途中床に落とした物こそあれど、綺麗にすると言ってそれらを自分の口に放り込み、口移しでそれを流し込んできた――――以降の記憶は頭が封印して思い出せないようにしてしまったようだが、それを見越してネイチャは、その時にいったと推測されるセリフをことあるごとに囁いてくる。
そう、確か校舎で彼女が言ったセリフそのままで――――トレーナーさんがこんなことするなんて初めてだし、もしかしてアタシの作った料理の中で好みじゃないとかまずかったのかなーなんて思ってさ、ネイチャさんちょっとびっくりしちゃった。でもちゃーんと食べてくれてて安心したよ――――などと……
扉を閉じ鍵をかけ鍵穴までも潰した開かずの間――――その外から音は閉鎖の拙さを笑うかのように恫喝を繰り返して。
そしてその後、ネイチャは俺の目の前で窓から飛び降りた。

呆気にとられた俺の前で時間は巻き戻される、彼女がコンクリートの地面にどのような様相を残したかは視界の外にこそあるが、固い地面に肉をぶちまけた様な言いようのない鈍い音は俺の耳の底の底に残り――――漠然とした恐れを次回以降に強いる事になった。
目を逸らしても無駄だと、彼女は聴覚をトラウマに迫る。
そんな事が続いたからだろう……俺はあの子から逃げようという気すら起こらず、あの子の人生に都合のいい存在に成り下がってしまった。
そのラベルにトレーナーだろうがそれ以外の物が付くかなど、些末な問題でしかない。
やがてループが過ぎ去った次の日に、時間軸の影響を受けていないように見える周りからすれば、一日でナイスネイチャのトレーナーは別人のように変わったなどと言われるのだろうか。だがいずれにしろ――――その程度までだ。
時間を遡行し幾度となく繰り返したなどと誰が信じてくれるだろうか。もしかしたらたづなさんだけは信じてくれるかもしれない、時間遡行を繰り返した貴重なサンプルとしてではあるが。カウンセリングを受けて心を癒そうにも、カウンセラーとなるものはこの鬱屈とした熱と質量をもった悪夢に爪を立てて挑まねばならない。
それも、その悪夢に対して遙か格段の理解を持ったネイチャの妨害を受けながらでは、さすがに不可能と言うしかない。
では――――ループさえ過ぎれば、俺も死を選んで真の安寧を得られるのだろうか……
などと思っていたわけではないが、どうやらあちらはそうは思わなかったようだ。
両手で数えるにも飽いた回数に差し掛かったループの途中、不日ネイチャが俺を殺しに来た――――抵抗は障子紙よりも儚く破り捨てられ、俺は様々な――――畢竟人が一生で一回ですら覚えたくない感覚を、無作為に。

時には朝扉を開けたら目の目にいて、時にはデートの後に。
なんなら練習が終わって俺が自室やウマレーターの中で眠った後にも彼女の手に掛かったことはあったらしい――――出来るだけ苦しませたくないとは彼女の弁だったが、夢の中で夢を見るそんな夢は、悪夢にさらに悪夢を上塗りした様相となり俺が耐え切れず狂乱すらしても、次の今日に、或いは更に次の今日になりさえすれば再び夢の残滓という形で記憶の一部を持ったまま否応なく復元される。
例えるならばそういう物語の本を読んだ感じに近い。
喜劇であれ悲劇であれ読後は感情を揺さぶられることもままあろうが、数日を過ぎれば日常にならされてしまうのが常だ。
それと同じく元に戻る――――どころか時間遡行をした後は、何故か調子が上がりやすい傾向にある――――昔ネイチャのレースで遡行を行ったところ、彼女の調子が一回目で普通から好調へ、二回目で好調から絶好調に上がっていた。それと同じ事が、恐らく俺の心身にも起こっているのだろう。
自死を選べない俺が、死から遠ざかっていたいと願っていた俺が、死を連れたものに頭を垂れぬ道理がどこにあろう――――心を折らぬ道理がどこにあろう。

ところで夢日記、と言う物がある。その名の通りに寝ている時に見た夢の内容を書いた日記の事だが、自信の潜在意識からのメッセージを受け取る、夢を自在にコントロールし、明晰夢を見やすくする効果も期待されるなど――――……ただ、俺が思いついたのは明らかにデメリットの方だ。
本来忘れるというプロセスを経るはずの夢を書き記す事で覚えるという真逆の手順を踏んだ場合薄れるはずの夢の現実性がまし、最悪夢と現実の区別がつかなくなる、またトラウマから発生する夢を書き留めた場合何度もそれがフラッシュバックするなど寧ろ危険の方が大きい。

ところで夢日記、と言う物がある。その名の通りに寝ている時に見た夢の内容を書いた日記の事だが、自信の潜在意識からのメッセージを受け取る、夢を自在にコントロールし、明晰夢を見やすくする効果も期待されるなど――――……さて、目覚まし時計は便利を遙かに超えてある種危険な物だが、使う量はトレーナー差の裁定に任せられている。
だが、三年間の内――――或いは同一の担当を行っているうちは決められた数を超えて使用してはならない、現在の指数で言えばおおよそ五つ。
ともかく矛盾をはらんだこの制約の意味がようやくわかってきた。恐らく目覚まし時計を使いすぎると、泡となった世界での記憶が、夢の範疇で収まらず段々と鮮明に定着してしまうのだ。吹けば飛ぶ様な水滴が集まり大きな雫からやがて水たまり、池や海になるまで。
これは本当に夢なのかという疑問から始まり、吹き飛ばされた現実であるという確信にまで至るその危険性は果たしてどう例えるべきか――――俺を見てみれば百聞よりも手早い。

ところで夢日記、と言う物がある。その名の通りに寝ている時に見た夢の内容を書いた日記の事だが、自信の潜在意識からのメッセージを受け取る、夢を自在にコントロールし、明晰夢を見やすくする効果も期待されるなど――――……そもそもこの世界がループを呈しているのならば、何故記憶を保持しているのが自らとネイチャの二人だけで外部からイレギュラーな干渉が起こらないのか――――その理由として考えられるものといえば、現実的な答えとして目覚まし時計の効果がその周りにまで及んでいない可能性がある。混濁したとはいえ記憶の上では、少なくともそのすべてが目覚まし時計のベルが鳴ってから発動する物である――――逆に言えばその音の届く範囲がそのまま逆行の範囲として適用されるのではないだろうか。目覚まし時計の発動音をそれこそ高い頻度で聴いているのは確かに俺たち以外には存在しない、一度や二度であれば数えるくらい入るだろうが、一度や二度では記憶は定着しないのだろう。

ところで夢日記、と言う物がある。その名の通りに寝ている時に見た夢の内容を書いた日記の事だが、自らの潜在意識からのメッセージを受け取る、夢を自在にコントロールし、明晰夢を見やすくする効果も期待されるなど――――……だからこそ、ネイチャの言ったような、現在ある目覚まし時計を一度にすべて使ったらどうなるかの答えなど持っていないに等しい。その説明を聞いた俺にも、しばらく何の事かはわからなかった。
目覚ましによって囲われた今の状況を例えるならば、濁った水場だ――――本来清流が流れる川の一部を岩場で多い、周りから隔絶された流れの無い水、時の流れから隔絶されたこのループは記憶から齎される淀みを段々と増していき、やがて腐臭と共にヘドロが堆積するか、口を動かしても息すらできぬ死海にしかならない。然しそんな時の流れから切り取られたその池を、ネイチャはあろうことか真逆の方法で――――その池にダムからの水を多量に放流し囲った岩場ごと汚れも何も根こそぎ洗おうとしているのだ。
一度に三年の逆行は一日を繰り返す小さな世界から見ればまさしく奔流と言うべき物であり、なるほどここまで凝り固まった記憶や汚れは激流の中で散り散りになる公算が高い。
そして逆に言えば、つまり俺がネイチャから仮に二つ目覚まし時計を奪い両方を発動させて二日前に戻ったとしたら、大量の目覚まし時計は片付けのされていない俺の部屋に戻る事になる。或いはそこが盲点であった――――たった一日という大きな壁すら乗り越えられず打ちのめされた俺に二日目が味方となるという発想は出す事が出来なかった。

ところで夢日記、と言う物がある。その名の通りに寝ている時に見た夢の内容を書いた日記の事だが、自らの潜在意識からのメッセージを受け取る、夢を自在にコントロールし、明晰夢を見やすくする効果も期待されるなど――――……だが確かにたづなさんが真に遡行を望んでいたならば、自らの青春であった東京優駿まで一日を繰り返すのは不可能に近く、一度に何個も目覚まし時計を使う方が自然であると見える。
そして、それを承知でネイチャが俺に話したと言う事は――――もはやダムが決壊寸前なのだろうという結論までそれこそ容易にたどり着ける。昔何かで見た事があるが、世界を一巡させると、人は変わらぬ不可避の未来をそれでも予兆という形で見る事があるらしい。
世界を正転させるそれとは違い彼女は世界を逆転させ得た、だからそこに予兆が宿りうるかは正直断定ができない。洪水の後の光景を想像に置くには易くないと言えばいいだろうか、それは海に流れ着くやもしれないし、存外近い陸のどこかで引っかかって残るかもしれない。最善はネイチャも俺もすべての記憶を時の彼方に押し流され夢と認識して、そのままもう一度三年間をやり直す。次善であれば、俺はもう別の子の担当になっている方がよいだろう、ただしその前提としてネイチャの記憶がない事があげられる――――彼女の明確な意思があれば俺を逃がす事は許さないだろう。逆に最悪は俺の記憶だけがないまま、ネイチャに先手先手を取られ、疑う事も知らぬままで依存する事だ。
どうかそれだけは、許してほしい

ところで夢日記、と――――
ところで――――
ところで――――
次に目覚めるのはいつだろう――――
どこかで――――どこかで、目覚まし時計が鳴っているような気がする。
その日は酷い雨だった、ただ冷たい雨ではなかったことを記憶している。暦に綴られた六月という時期は例年通りに雨の気配が濃く、常に傘を携帯せねばならぬほどに太陽は萎縮していた。だからこそそんな雨の中で、なぜ俺の足はそこに向いていたのだろうか。
胸がざわつく様な予感が、正体を悟らせることもないままで。
例えるならばそれはきっと未来の記憶――――過去でも、現在でもなく――――
夢の残滓に示された、予兆と名のつく確信。
パンドラは何故箱を開けたのか、この足が進む先にその答えがあるような気すら覚えている。
心臓の動きが、一歩ごとに早くなり
吐息の強さが、やがて尋常でないものになる
そうして――――聞きなれた様な高い声、初めて聞いたはずなのに、どこか懐かしい遠い昔か、どこか懐かしい遙か未来かに聞いたような出会いの言葉が運命を再び逆廻しに歪めていく。
見つけた、見つかった――――そしてもう――――逃げられない

はいお疲れ次五月
間に合わないと思うけど五月

特級呪物

怖えよ

ここもじき腐海に沈む…

ここが腐海だよ

たんおめ

そろそろ4月も終わりか