SS:はっ、必死に努力し続けたら誰でも三冠ウマ娘になれるってか?
1 : お前   2025/04/12 04:23:15 ID:P/2vHxlbPE
・独自解釈独自設定を含みます。おおらかな人だけどうぞ
・細かい部分が気になる方はこの先はご覧にならない事をお勧めします

彼はそう笑った
傑作だというように、私を嘲るように
そして続けた
――そんなんでなれるわけねえのは、お前が一番分かってンじゃねえのか?
――ココの連中はみんなみーんな、お前のいう一生懸命な努力をずぅっとずぅっと続けてるぜ?
――で、その結果そいつらはG1はもちろん、メイクデビューも未勝利戦も勝てねえのが半数ってとこだ、そいつらは一生懸命努力してなかったのか?
彼は睨むように、でもまっすぐに私を見ていた
私は答えた
「それでも――私は三冠ウマ娘になります」

449 : 相棒   2025/05/06 08:23:20 ID:7TAy3LOsGo
🍚「あふ、ぅ。 長く入りすぎちゃった……」
 「あっはっは、寝るまでは仰いであげるからね」

 『ブルボン、うつ伏せになれー』
🤖「はい、マスター」

🕷️「いやー楽しかったですね、合宿」
🌻「また来たいですね♪」

「来年またきます?」
「ああ、いいですねえ。 今度はもっと酒とかもってきて」

『おーいブルボン大丈夫か?』
🤖「はい、長湯によるオーバーヒート。 意識が50%混濁
ステータス:ぼんやり」
『ったく、ほら』

🌻「わあ♪膝枕ですよ、ほらトレーナーさんブルトレさんが膝枕してます」
🌸「こ、これは――健全なのでセーフです!セーーーフ!!」


 『ほら、仰いでやるから。 無理せず寝ようなブルボン』
🤖「いやです、マスター。 今日は最終日です――いや、です――」
450 : アンタ   2025/05/06 08:29:04 ID:7TAy3LOsGo
🌸「いやー、名残惜しいですね」
🕷️「でも、帰ったら我が家が一番って言ってそうだなあ僕ら」
🍚「言ってる言ってる。 でもまた着たいもんですねえ」
🌻「あれ? ブルトレさんは?」
🕷️「ああ、ブルボンちゃんの実家の方にご挨拶して帰るってさ、別行動だよ」


 『大したご挨拶もできず申し訳ありません』
 「いえいえ、菊花賞が終わったらまた、ぜひいらっしゃってください」
🤖「頑張ってきます、お父さん」
「ああ――ブルボン、勝っても、負けても、菊花賞が終わったらちゃんと帰ってきなさい」
🤖「――はい」

 「――あと、学園は治外法権なとこあるからね」
 『お父さん???』
 「こういう事はよくあることだから退学とかそういうのないよ、勿論トレーナーがクビとかもない」
 『女子高生の親御さん?』
🤖「はい」
 「巧いことやりなさい、レースもそっちも応援してるよ」
🤖「ありがとうございます、お父さん」

『あーもう感動の出立が台無しだよもー』
451 : アネゴ   2025/05/06 08:41:49 ID:7TAy3LOsGo
セントライト記念
中山2200M

 『まあ――2200Mでレースカンを取り戻そうって感じで前哨戦いくぞ』

🤖「マスター――こうしてマスターに背をあずけ後ろからハグされてるとまるで恋人トークのようですね」

 『うーん恋人同士は2200Mを走る相談をしないと思うから君はウマ娘で俺はトレーナーだなあ現実にもどってこい?』

🤖「キスをしてくれたら戻ります」

 『そっかーじゃあハグはやめるかあ』

🤖「質問ですマスター。 菊花賞前哨戦としてはダービーより短い距離です」

 『よーし現実に戻ってきたな偉いぞブルボン。 今更レースで長距離を試してる余裕はない。 菊花賞までトレーニングしっぱなしで行くんだから前哨戦は短いほうがいい、特に――今回は結構ハードなレースかもだしな』

🤖「……ライスシャワーさんとマチカネタンホイザさんですか」

 『ああ、正直言って菊花賞前に消耗したくないかなー』

🤖「……強い二人です。 ですが――勝ちます。 」

 『ああ、そうだな。 ブルボンなら勝てる』

🤖「もっと強くぎゅーってして言ってください」

 『ん? こうか? ブルボンは最強ブルボンは無敵ブルボンなら勝てる。 お前は一番すごいウマ娘だ』

🤖「マスター……マスターはなぜこういうときだけは積極的なのでしょうか?」

 『そうじゃないほうは我慢してるって言ったよね?』
452 : トレーナー君   2025/05/06 08:47:30 ID:7TAy3LOsGo
なでくりなでくり

 『てかさ、君は女の子なわけじゃん? 男にはこうもっと頼りがいがあるーとかクールでかっこいいーとか望むもんじゃないの?』

🤖「マスターは頼りがいがある方です。 クールさより表現が大きい方が私は好きです。 マスターのように嬉しそうに撫でてくれる人が好きです。」

 『ふーん、そんなもんかねえ……なんか男の勝手なイメージだと女の子ってのは高身長高学歴でイケメンで優しい頼りがいのある男ってのが好きってなるからな』

🤖「私はマスターにぎゅってされるのが好きです。 そしてマスターをぎゅっとするのも好きです。 撫でられるのも好きですしマスターを撫でるのも好きです」

 『はいはい撫でなくて良い撫でなくて良い』

🤖「? なぜですか?」

 『いや、ちょっと照れる』

🤖「……誘ってますか?」

 『なんで?』
453 : トレーナーさま   2025/05/06 09:03:38 ID:7TAy3LOsGo
 『うわ、コーエイボーガンも来るのかセントライト記念』

ミホノブルボンと同じスタート走法をするウマ娘、低迷期を逃げで打開し重賞2連勝
夏の上がりウマとして2000M以上も勝ち上がった

🌻「というか、今年のセントライト記念メンバーすごいよね
菊花賞をあきらめきれないナリタタイセーにヤマニンキセキ
ミホノブルボン、ライスシャワー、マチカネタンホイザもってなったらG1みたいなメンバーだよ」

🍚「あー、タンホイザちゃん回避だってさ」
 『へ?なんで???』
🍚「なんか謎の蕁麻疹でちゃったんだってさ。さすがにレースでれないって。
 ブルトレくんに謝ってたって言ってくれってずっと奥さんと一緒に付き添ってるよ」
 『へー、菊花賞は大丈夫なんすよね?』
🍚「うん、どっか他で一回出してから菊花賞行きたいっていってるから菊花賞は確実に出れそう」

🌸「いやでも変な話っすね、ライバルの出走に安心する間柄ってのも」

 『いやね、しょーーーじき言うとそら菊花賞死ぬほどほしいんだからライスシャワーにもマチカネタンホイザにも出走してほしくないですよええ』
454 : キミ   2025/05/06 09:09:23 ID:7TAy3LOsGo
🍚「ま、実際こんなに仲良くして良い間柄じゃないよねえ、ライスシャワーとブルボンたち自身もね。 どっちが勝っても悲しい悔しいがあるからね」

 『まあでも、ここまできちゃったらもう一蓮托生というか菊花賞全力でやりあってで良いんじゃないかなって。
ライスシャワーもタンホイザも強かったけどそれに勝って三冠でしたのほうが――かっこいいでしょう?』

🌸「でも本心は?」

 『コーエイボーガンもライスシャワーもマチカネタンホイザも全員回避しねーかなー』

🌸「ゲラッwww」

🍚「まあ? でも実際は多分今一番回避してくれって思われてるのはミホノブルボンちゃんでしょう? 」

🌻「あー、まあ確かに。 トレーナーというか出走するウマ娘陣営からはね」



――あ、あ、あのっ!!!
455 : キミ   2025/05/06 09:18:34 ID:7TAy3LOsGo
『ん?』

立っていたのはライスシャワーよりも小柄かもしれず、しかしライスシャワーと対比的に豊満な、ピンク髪の少女だった。
ちょっとおっとりめの眉、長いピンクの髪。そして大きなウマミミ。
全体的にむっちりした感じだが肥満体型とはちがう、ダイエットが必須の女性から恨まれそうな体つきをしている

 「ありゃ、コーエイボーガンちゃん」
 「こうしてみると小柄だね、ライスシャワーより小さい?」
 『重賞2連覇おめでとうさん、どしたの?』

🏹「あの!ミホノブルボンさんのトレーナーさんですよね?
 私、コーエイボーガンです! ミホノブルボンさんの大ファンです!」

 『ほほう? 次のセントライト記念で私がハナ獲って逃げ切りますよっていう宣戦布告かあ、いい度胸だなあ?』

🏹「ぴきゃあ!? ち、違います! いえ勝ちたいのはホントで……でもその、あの、ミホノブルボンさんがトレーニングしてる大坂路、ぜひ目の前でみたくて、その、そのっ!」

 『なに? 見学? 』

🏹「はいっ、ぜひ見せてほしくって……でも、ライバルですしだめ、でしょうか?」

 『えーーーーどうしよっかなーーーーー!! どーーーーーしよっかなーーーーーー!!』
456 : 使い魔   2025/05/06 09:21:58 ID:7TAy3LOsGo
🌻「ま、マスターさん!」
🌸「お前ほんっとヒールみたいな態度うまいな」
 『別にいいよ、そっちのトレーナーさん連れてきたら走ってもいいし』

🏹「え、え、えっ!? いいんですか? あの、私も菊花賞狙ってて、今度のセントライト記念も出走して……」

 『え? だって午後からみんな来るし一緒に走れば良いと思う』

🏹「みんな?」

 『えーと、タンホイザは駄目だろうけど……バクトレさんとこもニシトレさんとこも、あと――ああ、あいつも来るか。』
457 : お前   2025/05/06 09:32:03 ID:7TAy3LOsGo
「タイセー! もう一本もう一本!頑張れ!」

「ライス、最後100Mダッシュダッシュダッシュだよ!」


🏹「えっと――これは」
 『大坂路だが? 』
🏹「いえ、そうじゃなくて! そっちはすごいなって思いましたけど
 なんでみんないるんですか!?」
 『いや、言ったじゃん午後はみんな来るって』
🏹「いやだって――」

――ミホノブルボン
――ライスシャワー
――ニシノフラワー
――サクラバクシンオー
――ナリタタイセー


――あら、貴方……コーエイボーガンさん、でしたっけ?

👁️「貴方も大坂路でトレーニングですの?」
🏹「え、の、ノーザンコンタクトさん!?」
👁️「……なんですのそんなおばけを見るような顔して」

 『そりゃお前春にマイル転向して惨敗してそのまま契約破棄してるウマ娘みたらお化け見るような顔になるだろ』

👁️「ブルトレさん!?」

 『ほらほら、ここでくっちゃべっててもお前を見下してたトレーナーたちを見返せないぞ止まるな動け走れ動け走れ』

👁️「……くっ、トレーニング終わったら覚えてなさい!」

🏹「あの、これは?」

 『……なんだろうな、合同トレーニング?』
458 : あなた   2025/05/06 09:38:09 ID:7TAy3LOsGo
🏹「あ、あの。 私もですけど、菊花賞に出るウマ娘もいますよね?」

 『コンタクトとタイセーも出ようとしてるな。 まあコンタクトはまず走りでトレーナー捕まえなきゃいかんし、タイセーはセントライト記念だから俺等とモロかぶりだし』

🏹「……いいんですか? わ、私もですが」

 『あー、敵同士なのに一緒にトレーニング? いいじゃね? 正直俺もやりにくくないのかと思ってたけど』


――まちなさいタイセーさんまちなさいっ!
――しつこい! 貴様のような春の落ちこぼれに負けるか!
――キイイイイ! このエリートに向かってなんですのその口は!

『……な? 楽しそうじゃん』

🏹「……はあ」
 「いや、本当にいいんですか? 」

『あ、はじめましてボーガントレさん』
「あ、どうもご丁寧に」

『いやあブルボンが集中できないならさせてないんですが――人がいるほうがブルボンもやる気が出るようで』
459 : お兄ちゃん   2025/05/06 09:44:02 ID:7TAy3LOsGo
――2本め終了、低速で一周後そのまま3本目に入ります
――ブルボン、次並走をお願いしたい
――承知しました、タイセーさん
――まちなさい! あなた達がやるなら私も並走しますわ!

『ね? すっごい楽しそうでしょ?』

「は、はあ……ではボーガンも一緒にいいんでしょうか?」

『もちろん。 おーいブルボン! 次ひとり並走入るからアップ待ってやってくれ!』


🤖「………………」
🍚「………………」
👁️「なんでボーガンさんをそんなに見てますの?」
🏹「あ、あ、あのっ?」
✪「おい、ボーガンが怯えてるぞ」
🤖「……ライスさん、これは」
🍚「ゆ、許せないよっ…………」
🏹「ひっ!? なにかしましたか!?」
🍚「ライスより小柄なのにそのおっぱいはなに!? 合法ロリ巨乳なんて犯罪だよ!!この乳が! この乳がライスも欲しかったんだよ!!」
🏹「ひにゃああああああ!?」
460 : アナタ   2025/05/06 09:52:42 ID:7TAy3LOsGo
🍚「ライトハローさんといいボーガンさんといいなんでおっぱいがいっぱいなの!? ライスは、ライスはああっ」
🏹「ライスさん叫びながらおっぱい揉まないでくださいよおおふえええん」
👁️「別に胸の大きさなんてどうでもいいじゃあありませんの、ライスさんはそのままでも素敵ですわよ」
✪「……まあ、気持ちはわからんでもない」

『よし、お前らおしゃべりそこまでだ。 ブルボン3本目でざっと全員団子になって大坂路のぼってけー』

👁️「タイセーさん! 負けませんわよ!」
✪「……なぜ私に張り合う」
👁️「そんなの貴方がNHKマイルを勝った強者だからですわ!マイル失敗しましたのわたくし!」
✪「……メンタル強いなお前は」
461 : アンタ   2025/05/06 10:04:58 ID:7TAy3LOsGo
🌸「コンタクトちゃん、頑張るねえ」
 『ビビりましたよ、突然ここにおしかけてきて』

――わたくしを菊花賞に出走させてくださいまし!ついでにトレーナーを見返したいの!

 『ってトレーニングにとびいってくるんだもの。 自主トレだけでずっとやってたんだろうけど全然実力おちてないな。 菊花賞はともかくとしてすぐトレーナーから引っ張りだこになるだろあれ』

🍚「名家ノーザン一家の天才、秋に復活。 いいねえなんか話題になりそう」
🌸「あれなら夏も普通にトレーナーついたんじゃない? 実力普通にOP級でしょ」
✪「一家の意向もあって本人も引退するつもりだったらしいですよ。 急に「納得いきませんわ」って全部ひっくり返したらしいけど」
 『ワガママお嬢様が最後の意地かあ……タイセーさんとこは菊花賞どうすんです?』
✪「……セントライト記念次第ですね。 本人もそこで走れなければ菊花賞はあきらめると」
🌻「でも、すごい光景だね、こんな合同練習みたことないよ」

――パシャ パシャ パシャッ
――いやあすごいですねチーム「菊花賞」! んんんこれはいい記事になりそうです!
462 : アナタ   2025/05/06 10:13:55 ID:7TAy3LOsGo
🏹「あれ、えっと――乙名史記者さん、ですっけ? トゥインクルの」

✒「はい! ボーガントレさん、貴方もチーム菊花賞に参加とは、菊花賞の意気込みを一つお願いします!」

🍚「んっふっふー、ボーガンちゃん菊花賞出てくれるんだあ嬉しいなあおじさんうれしいなあ。これは逃げ競り合いでライスちゃんにチャンスあるなあ」

🌸「うわあ、悪い顔してる。」

🏹「ところで、チーム菊花賞ってなんですか?」

 『ああ、実際そんなの無いですよ。 ただここで練習してるメンバーをチーム菊花賞って言ってるだけで、各トレーナーが各自自由に練習させてるだけです。』

✒「はい! でもそうした方が非常に記事は書きやすく!
古豪たる名門一家の天才の復活! 距離の壁を諦めない巨星が菊花賞にいどむ!
ダービーでブルボンに迫ったダービー馬2着4着ウマ娘」

――それを迎え撃つ無敗の2冠 坂路の申し子 サイボーグミホノブルボン!

✒「いやあ、筆がはずみますよこれ」

 『だれかを極端に持ち上げたり極端にヘイトあつめなきゃいいんで良い記事かいてくださいね』
463 : 使い魔   2025/05/06 10:56:02 ID:7TAy3LOsGo
🏹「――ひ、ひ、ひっ、し、死ぬ――死んじゃう――おかあさん、おかあさん――」


 『見事なまでにピクピクしてんな』
🌸「はじめてでここまでやりゃそりゃピクピクするよなあ」
🍚「うんうん頑張った頑張った」
🌻「こうやって見るとフラワーとか着実につよくなってるんだなあって」
 『ボーガントレさん、ゆっくり歩かせたあとしっかりマッサージお願いします』




🏹「すごいな……みんなあんなトレーニングをずっとやってるんだ……
 私なんて、ちょっと勝って調子乗って……」
👁️「ちょっとボーガンさん!?」
🏹「ぴょえっ!? ごめんなさいごめんなさいヘタレなのに練習参加してごめんなさい!」
👁️「??? 何言ってますの? それより貴方やりますわね、このあーしのライバルとして認めて差し上げますわ。」
🏹「はい?」
✪「……はあ、 すまない。 このお嬢は速いウマ娘を見るとすぐにライバルにする習性があるんだ」
👁️「ちょっと、習性とはなんですの習性とは!」
🏹「え、私、頑張れたのかな……全然駄目だったと思うけど」


👁️「なに言ってますの、わたくしは初日であの半分でダウンしましたわ! 貴方はその倍! すごいですわよ!」
✪「……お前ほんとそのメンタルすごいな」
464 : あなた   2025/05/06 11:29:32 ID:7TAy3LOsGo
――ノーザンコンタクトいいじゃん
――模擬レースとかでない? マジであれでフリーなの?


🍚「コンタクトちゃん、もう注目集めてるね」

 『そっすね、次の模擬レースで結果でればすぐ契約できるんじゃないですかね』

✪「さすがに今からタイセー以外の面倒はきついからねえ」

🌸「お嬢お嬢言われてたからプライドだけ高いお嬢様っての想像してたけど努力家というかメンタルつよくない?」

 『トレーニングでカエルみたいにぶっ倒れてても次の日ケロっとして来ますよね、丈夫なのもあるけどメンタルがめちゃ強い』

🍚「泥まみれのダイヤモンドって感じだよね。 いい子だようんうん。
 最悪契約だけってのも考えたけど、あれなら問題なくトレーナー選び放題だね」

🌻「良いか悪いかわかんないけどボーガンちゃんも初日から二本しっかりやりきってたね、これからもくるかどうかわかんないけど素質はすごいありそう」

 『強力なライバルばっかっすね、ほんと……でも、なんか楽しいですね、こういうの』
465 : 使い魔   2025/05/06 11:35:24 ID:7TAy3LOsGo
セントライト記念前
おしまい

ちなみに史実はセントライト記念はライスシャワーのみ出走、その後京都新聞杯でブルボン、ライス、キョウエイボーガン、ナリタタイセイが戦ってます
マチカネタンホイザの蕁麻疹は有馬記念出走回避時ですが話の構成上ここをひとまとめにさせて頂きました(カシオペアSから菊花賞)
この都合で京都新聞杯ではなくセントライト記念に変更してます。 ご了承ください
466 : マスター   2025/05/06 12:17:11 ID:8ihoFKvi1Q
ほんと好き、早くブルボンに食われろ♥️
467 : 使い魔   2025/05/06 17:35:13 ID:7TAy3LOsGo
――コンタクトさんは後ろ
――スパートかけてきそうならブロックして

「――甘いですわ」

バ群がノーザンコンタクトを完全に塞いだはずだった
しかしほんの僅か――ウマ娘1人分のスキマを縫うようにノーザンコンタクトが潜り込む。 焦って斜行になるような角度でブロックしようとするウマ娘
第四コーナーを回ったところでノーザンコンタクトと接触し


「甘い!甘い!甘いですわ!あの地獄のトレーニングで身についた筋肉こそ最!強!
――そんなブロックウエハースチョコのようなものですわーおーっほっほっほ!
おどきなさい木っ端! ワタクシが最強! 最強なのですわ!!」


接触してきたウマ娘を逆に跳ね返し阪神の直線を一気
明らかにノーザンコンタクトを意識したシフトとブロックをすべて跳ね返し後続を突き放す

 『うっわあ……高笑いしながらはねのけやがった。』
🕷️「超名門のお嬢様とは思えない強引なやりくちだなあ、今ぶつかってきたウマ娘を避けるどころか迎え撃っただろ」
👁️「コンタクトお嬢様…………本当に、本当にご立派になって……」
🌻「ああ、泣かないでくださいコントレさん」

――強い!強すぎるノーザンコンタクト!
――一度は堕ちた名門のダイヤモンドがサファイヤ特別を圧勝し菊花賞に名乗りをあげたーっ!

『圧勝だよ、ありゃまだまだ余裕ありそうだし菊花賞でも手ごわそうだ』
🍚「うっはー、ありゃ強いなあコンタクトちゃん」
🕷️「おいおい聞いてないよ? 後方一気の強敵とか」
👁️「お嬢様! お嬢様最強! 筋肉こそ最強!筋肉最強!」
468 : あなた   2025/05/06 17:45:32 ID:7TAy3LOsGo
――完全復活おめでとう御座いますノーザンコンタクトさん
――やはり目標は菊花賞でしょうか?

「――はい、名門一族の看板に泥を塗るようなクラシック春でしたが、チーム"菊花賞" のお力添えもありこうしてレースで力を証明することができました。
菊花賞でもノーザン一家の名に恥じぬレースをしたいと思ってますわ。」

 『うわあ、TPO弁えられるんだ』
🕷️「超名門のお嬢様は伊達じゃないなあ、カリスマっていうかオーラが有るね」
🍚「トレーニングで、しゃらくせえですわとか言ってライスやブルボン追っかけてるとは到底思えないやつだ」
🌸「汚れることを厭わないエリートってこえーなー強い」

――チーム菊花賞というのは?

「はい、 今やURAを代表する今年度2冠ミホノブルボンさんを中心に、菊花賞を目指すウマ娘の方々、それにその運動学、トレーニング学に共感するメンバーで合同トレーニングをしてますの」

「ライバルとして、友として全力で取り組むトレーニングのおかげで今の私があると思っており、チーム菊花賞の皆様――特にそのトレーニング学を共有していただいたミホノブルボンさんのトレーナーさんには本当に感謝してますわ」

――ざわっ、妥当ミホノブルボンさんではなくその中心にミホノブルボンさんが
――素晴らしい環境なのですね、菊花賞では共に鍛え上げたライバルとの激闘が見られると

「はい、期待していただいて結構です。
 間違いなく今年の菊花賞はURA史上に残る大レースになりますわ」
469 : キミ   2025/05/06 17:57:57 ID:7TAy3LOsGo
 「お嬢様! お嬢様! 」
👁️「あーもう、うるさいですわ、じい」
🌸「……じい?」
 『コンタクトのトレーナーさん、本当はトレーナー引退してノーザン一家で執事してたんだよ。 チーム菊花賞でのトレーニングや模擬レースを見た親御さんとトレーナーさんがいたく感動してね』

👁️「――本当に、感謝してますわブルトレさん。皆さん」

ノーザンコンタクトは深く、頭を下げて

👁️「一家に居場所もなく実家に帰る事すら憚られ、一時は山に籠もり修行をする始末……」

 『山に籠もってたの!?』
🌸「あー、だから合宿の時って捕まらなかったんだ……居なかったから」
🕷️「逞しすぎだろこのお嬢さん」
🌻「その時点で実家の方々許してくれそうだよね」
🍚「うんうん、実際ずっと陰で見守ってくれてたんじゃないかな」

👁️「OPとはいえレースでも結果を出しこれで堂々とノーザンの門をくぐれますわ、インタビューでの事は本心ですのよ? 本当にチーム菊花賞には感謝してますわ。
このお礼は――菊花賞で」

 『ほぉう? たかだか1ヶ月2ヶ月の大坂路でブルボンに勝とうと?』

👁️「あら? ご存じない?
 ――才能に溢れたものが努力をしたら最強なんですのよ?わたくし、天才ですの。」

 『上等だ、菊花賞で付いてこれなくて垂れる様見てわらってやらあ!』

🌸「うーんこのメンタルおばけよ」
470 : 貴様   2025/05/06 18:06:09 ID:7TAy3LOsGo
👁️「ところでブルトレさん――"一門おかかえ"ってご存知かしら」

 『え? メジロ専属みたいな?』

👁️「まあそうですわね、メジロもノーザンも一家一族というより家族間の集合体ですし……その一門の専属トレーナーに、ご興味はないかしら」

 『え? ないなあ今ブルボンのトレーニングもあるし学園トレセンの回収案とかでマジで忙しいし。 お前も大坂路周辺のトレーニング場大改修してるの知ってるだろ。 やる暇ねえよ』

👁️「なんでですの!? メジロ、ダイイチ、サトノ一家に勝る名門ノーザン一家のおかかえなんて人生勝ち組どころかトレーナー人生で最高の勝ち組ですわよ!?」

 『いやブルボンの専属だし俺……お前俺にトレーニング後マッサージされててわかるだろ? ヒマがないんだよヒマが。
金は欲しいし名誉もほしいよ?でもヒマがないの』

👁️「ま、まあそれは分かるのですが――菊花賞が終わったら貴方にも暇ができるんじゃないんですの?」

『いや、まあ……来年とか再来年はしらんけど……うーん』


🤖「――拒否します。 マスターは私のマスターに専念すべきです」
471 : トレピッピ   2025/05/06 18:13:13 ID:7TAy3LOsGo
 『おうブルボン、聞いたか聞いたか、俺ノーザンの専属だってようひょー勝ち組だぞ勝ち組』

🤖「拒否します。拒否します。 拒否します。 マスターは私のものです。 マスターにハグをする権利もハグされる権利も私に占有権があります」

👁️「あら、そんな大好きなトレーナーならそのトレーナーの人生がより良い方向に行くのを応援すべきではないかしらブルボンさん。
貴方のその!ごっつい大腿筋! トモまで届く超特急! その筋肉を鍛え上げる傑物は然るべき環境と報酬を受けるべきですわ」

🤖「…………だめです。コンタクトさんはマスターの事が好きなのですか?」

👁️「……え?」

 『え? 俺もしかしてモテ期? モテ期?』
🌸「お前自分が今年のURAの中心人物な自覚もて」
🌻「これが人生に1回あるって言われるモテ期かあ」


👁️「――??? 何を言ってますの?
 私が惚れ込んでるのは――ミホノブルボンさんですわよ?」

🤖🌻🌸🕷️🍚『はい??』
472 : お姉さま   2025/05/06 18:22:16 ID:7TAy3LOsGo
👁️「わたくし――名門出身のエリートとして活躍し、転落人生を味わい臥薪嘗胆の思いで今花開いて気づきましたの 」

――やっぱり筋肉はすべてを解決する

👁️「筋肉は鍛えてよし、筋肉痛の翌日の筋肉を愛でてよし、素晴らしい筋肉を眺めてよし! 世の中もっとも愛に満ちてるのは筋肉! レースを勝つのも筋肉!
筋肉さえあればバ群に飲み込まれるなんて事もありませんわ!」

 『……えっと?』
🌻「つまり、コンタクトさんはミホノブルボンさんのあのお尻とかトモの筋肉に惚れてるって事?」

👁️「そのとおりですの!! URA史上最高傑作と言われたあのお尻!まさにごっついお尻、 つまりG・O・D!」

『……なんて?』

👁️「ごっつい・おしり・臀部! G!O!D! GOD!GOD!」

コンタクトのGODコールに合わせGODコールを唱和する爺トレ

👁️「それにブルトレさんとお近づきになれば自然ブルボンさんとの距離も近くなりますわ。 ブルボンさん、今度ノーザン家のサウナにご招待させてくださいまし。 その時は私が直々にその筋肉にアロマオイルを……バンテリンを……ハアハア」

『うわあ……うっわあ……』
🤖「……………………」

473 : トレぴっぴ   2025/05/06 18:26:00 ID:7TAy3LOsGo
🕷️「実はあの子スプリングSの敗戦がトラウマになってたりしてない?」
🍚「まあミホノブルボン相手に唯一1番人気になった実力者がバ群に呑まれてレースにすらなってなかったからね」
🌸「あの一戦で苦手なマイルに転向はちょっと酷い話ではあるなと思うけど」
 『そろそろ離れなさいブルボンさんや、人前ですよ』
🤖「……がるるる、マスターは私のです」

『次は俺達だぞ、菊花賞前に2200Mで勝てるかもなんていうスイートな考えもってるやつらに絶望を与えてこいミホノブルボン』
474 : アナタ   2025/05/06 18:47:25 ID:7TAy3LOsGo
 『ニシトレ先輩』
🌻「ん? どうしたのマスターくん」
 『実際、名家お抱えって勝ち組なんですかね?』
🌻「名家お抱えってだけで学園内でのヒエラルキーは一番上じゃないかなあ」
🌸「名家お抱えってだけでサブトレーナー増やして素質有るウマ娘沢山抱えてチーム作ってなんてトレセンのハーレムだと思うわ」
🕷️「専属気質かチーム運営したいか、ってのもあるけどチーム組むトレーナーからしたら絶対勝ち組だね。 しかも最上位の意味での勝ち組。 トレセン業界のビルケイツかアーロンマスクかみたいな」

 『うへあ……そんなレベルなんですね』

🍚「いやあね、でも実際ブルトレ君て、自分の理論とかウマ娘一人のあれこれじゃなく、トレセン学園を根本から変えたいわけでしょ?
――正直言うとそれなら一門とか名家のコネは会ったほうが良いよね」

🌻「影響力というか説得力違いますよね……学術論というかレポート一枚の重さが違うから通しやすいしURAや学園の協力は自然にとりやすい」

🌸「権力使わなくても肩書って大事だよな、実際無敗の2冠ウマ娘のトレーナーならトレセン中のトレーニング施設の改修にOK出るわけだし」

『元々、秋元理事長が俺の理論に同調してたってのが大きいですけどね
理事長の一存じゃ底辺な俺の意見を通せなかっただけで』

🟩「ブルトレさん、今よろしいでしょうか?」

『あ、たづなさん。どもです』

🟩『秋川理事長がお呼びです。お時間頂けますか?』
475 : ダンナ   2025/05/06 18:57:03 ID:7TAy3LOsGo
🌻「忙しそうだよねえマスターくん」
🕷️「講演会とか記者へのサービスとかセレモニーライブの打ち合わせだろ?」
🍚「しかも学園のトレーニング場の改修計画にも噛んでるし」
🌸「なあなあ、さっきコンタクトちゃんの関係でノーザン一家の話でたじゃん?
――あの噂ってどうなの? 」


――秋川やよい理事がノーザン一家の中枢の娘って噂


🕷️「あー、だからあの年で学園の理事やってるって話か」
🌸「そもそもあの人ポケットマネーで学園のあれこれやってるんでしょ? 俺等の一生分の金とか学園に突っ込んでるって噂あるじゃない」
🌻「いやあ、ない……いやでもそうなるとあの人は何者なんだってなるし」
🌸「コンタクトちゃん一人の話ならいいけどノーザンがブルトレを見初めたって話だと、理事長も囲ってくるとか」
🍚「いやあ、流石にないでしょ学園の理事長だよ?」
476 : トレーナー君   2025/05/06 19:10:57 ID:7TAy3LOsGo
『コーエイボーガンが4番、ライスシャワーが1枠1番でブルボンは大外10番か』

👁️「ブルボンさん!ブルボンさん!今日も大腿筋がキレてますわーっ!」
🕷️「いやあ実際レースだとあのケツはごっついよね」
✪「タイセー、頑張れ、タイセー」
🍚「うーん完全に道中のライバルだよねえ、ライスとタイセー」
🕷️「ブルボンとボーガンでハナの取り合い。そして先行争いはタイセーとライスシャワーちゃん。 んっふっふー、これはチャンスあるよおタンホイザちゃん」
 『実際、ハナ獲りますか? ボーガントレ先輩』
🏹「うん、ほしい。 正直ミホノブルボンのハナ奪うって風当たり強いけど、ハナとれなかったら勝てないと思う。
あの子ハナ見えてないと気分良く走りに集中できないからね」
🕷️「ブルボン陣営は、ハナ譲らないの?2番手?」
 『んー、レース内容としてはハナ獲ってるほうが強い内容なんです。 なんで簡単には譲りたくないですね』


――スタートしました―――おおっとコーエーボーガン出遅れた!

🏹「うっそぉ!?」
🕷️「うわあ……」
477 : アナタ   2025/05/06 19:14:03 ID:7TAy3LOsGo
――誰が勝っても、恨みっこなし!
――ライスも、ブルボンさんに勝ちたい!
――皆さんとするトレーニングは、楽しいです、ステータス:充実
――私にも、意地はある

🏹「みんなみんなすごいウマ娘で――」
🏹「でも、私だって、出遅れちゃったけど……重賞2個かって」
🏹「逃げで――ブルボンさんみたいに、勝ちたい」

バンッ

――おっと出遅れたのはコーエイボーガン! ライスシャワーは良いスタート、するするっと前にいきます

🏹「――ええっ!?えええええええええっ!?」
478 : モルモット君   2025/05/06 19:25:08 ID:7TAy3LOsGo
(ボーガンさん出遅れた? 左に見えない、タイセーさんと……大外からブルボンさん!)


 「あの加速ずるくない? 2秒かからずトップギアじゃない」
🌻「ますますスタートの加速強くなってますね」
🏹「ボーガンもスタートの加速負けてないのに、負けて、ないのに!!」
🕷️「あー、ボーガンさんがバ群に、がんばれ、がんばれ……」
 『よーし、ペースが一定になってきた。 ブルボンのレースだ』
🍚「……ライス、焦るな。 勝負は3コーナーから、3コーナーからスパートだよ」
🏹「よし前空いたいけいけ、せめて2番手で」
🌸「……ペースはやくない?2200Mなのにラップタイム全部12秒前半だけど?」
🍚「いや……ブルボンは垂れない。 ここでついていかないと届かないよ」
✪「ダービーでも同じレースをされてるからね。 ブルボンは追い詰めても最終直線で2の脚がある」
『油断も勘ぐりもしてくれないか……ブルボン全部蹴散らしちまえ』
479 : 使い魔   2025/05/06 19:29:03 ID:7TAy3LOsGo
🏹「は……は……ぜ、ついて、行かなきゃ……」
✪「……くそ、くそっ、私では――やはり――」

――おおっとここでコーエイボーガンがずるずると後退! ナリタタイセイも下がっていく。


🏹「ボーガン!!」
✪「くそ、タイセー! ひょっとして故障じゃ……タイセー!」
 『……ッ』

――さあ第三コーナーライスシャワーが差をつめていく! リードはもう2バ身 1バ身! 第四コーナーを抜けて直線に入ります!!
480 : お姉さま   2025/05/06 19:38:24 ID:.y19aqtznY
――息遣いが聞こえる
――足音が後ろから聞こえる
――このプレッシャーは


「――わあああああっ!ブルボンさん!ついていくだけじゃなくて――勝ちたい!」
「――ライスさん」

――さあ最終直線でついにライスシャワーが並んだ!並んだ!
――ライスシャワー黒のドレスがついに超特急を捉えた! ダービー2着がミホノブルボンを追い詰める!


「勝ちたい!勝ちたい! 憧れのブルボンさんに勝って――私だってヒーローになりたい!」

――ライスシャワーミホノブルボンをかわして――いや
――譲らない、譲らないぞミホノブルボン! 超特急ウマ娘が2冠の意地を見せる!

「……負けません、ライスさん。」

「――そんなッ!?」

――ミホノブルボンさらに加速!ライスシャワーを引き離す!
――なんという豪脚なんという二の足!これが追い詰められた逃げウマ娘の豪脚なのか!
――強い! ミホノブルボン! ライスシャワーを引き離し今

――一着でゴールイン! 2冠ウマ娘ミホノブルボン! これで無敗の7連勝です!!


 『――ふーっ』
👁️「きゃーっ!きゃーっ! ブルボンさん! 強いですわ美しいですわ―っ!」
🍚「…………あー、だめかあ、まあ――本番は捉えられる、かな」
 『…………かわせませんよ、ブルボンは』
🍚「でも、追い詰めた。 次は3000Mだからね。」
 『…………ブルボンのケア行ってきます』
🕷️「だめだよおライトレくん――で、実際どうなのよ」
🍚「菊花賞で――コーエイボーガンがハナ奪ってくれたら、3000Mで届かないってことは、ないかなって」
🕷️「んっふー言うねえ、でもそれを差し切っちゃえばあ? タンホイザちゃんが菊花賞勝利なんだよねえ、むふふー」
481 : トレーナー君   2025/05/06 19:46:35 ID:.y19aqtznY
 「ボーガン! 大丈夫? 脚のケガは?」

🏹「大丈夫です、大丈夫です……スタート、失敗しちゃいました。えへへ」

 「ああ、よかった。よかった…………大丈夫、今日はスタートでハナを穫れなかったけど、ハナを穫れば菊花賞では勝てる。」

🏹「住む世界が――違うんだなって、思ってました。」

 「ボーガン、それでも君はあの子達と同じレースに立ってるんだ。 重賞を2連勝、君だってその世界の一員だよ」

🏹「スタートからみんな容赦なくて――先行争いも中盤もすごいペースで、でもみんなみんなバテる事なくて追いかけて――」

🏹「でも――不思議なんです。
  私――今度は負けたくないって、ハナを切って逃げ切りたいって、思うんです」


✪「…………」
 「……タイセー、良かった。 ケガがなくて。」
✪「ここまでだな、トレーナー」
 「タイセー……」
✪「ダービー7着、セントライト記念大差のシンガリ。 実力の差は明白だ」
 「…………悔しいな。トレーナーである僕の実力不足だ」
✪「いや、むちゃを行ってクラシック路線を走らせて貰って感謝してる。
 ――クラシックを夢見てきたが、ここまでだろう。でも
 ――でも、もう少しだけ走ってたい。 全力で走るのは、強者と戦えるのは、心地いいんだ。」
✪「もうすこし――今度は高速のマイル路線に付き合ってくれるか?トレーナー」
482 : 貴様   2025/05/06 19:55:48 ID:.y19aqtznY
 『……今日のレースで全力だな?』

「……はい、マスター。 ライスシャワーさんに、初めて捕まりました
 かわされると思いました。 2200Mだから、余力がありました」

 『…………3000Mだったら?』

「…………かわされていた可能性が高いです」

 『……俺も同意見だ――くそ、ライスシャワーのスタミナは明らかに長距離向きなんだ、もう菊花賞まで時間がねえ』

「……マスター」

 『やめろ、わかってる。 分かってるよ――四本のままじゃ、勝てないって言いたいんだろ? 』

「はい。 勝てない菊花賞に出るより、故障による回避を想定してでも」


 『させれるわけねえだろうが! お前一回故障してんだぞ!!!』


「――ッ!!」

 『くそ、くそ、3000Mを走り切るスタミナはある、あるんだ! それでも、それでも3000Mで追い詰めてきたライスシャワーに確信を持って勝てるとは言い切れねえ。』

「…………マスター、マスター。落ち着いてください」

 『――!? ブルボン』

「四本しかできないなら、最高の集中と効率で四本をこなします。  
大丈夫です――貴方の作った脚も心臓も――菊花賞で勝てます。 勝ちます。
だからマスター、大丈夫です」

 『………………すまん、ブルボン』
483 : 大将   2025/05/06 20:01:01 ID:.y19aqtznY
――ついに、ミホノブルボンを捉えましたね
🍚「いやー、2着でしたけどね。ですが――今回で確信を得ましたよ。 3000Mならアイスの勝ちだ」

✪「クラシック路線は撤退します。 菊花賞ではなく今後はニシノフラワーさんやバクシンオーさんのいる短距離路線に集中したいと思います」

――今年のメンバーだけでもマイル、スプリントも競合揃いですね、タイセートレさん

🏹「スタートがすべてです、敗因はスタミナやスピードの差ではありません。 結果は惨敗ですが次はハナをきって勝ちます」

――しかし――ハナを切るというのはミホノブルボンの邪魔をするということでしょうか?

🏹「……ボーガンはハナを切らないとレースになりません。 今日もバタバタして失速しました、菊花賞はハナをとります」

――ミホノブルボンさんも逃げで皐月賞以来ハナを切って勝利しています。 ハナの奪い合いになったらライスシャワーさんやマチカネタンホイザさんに塩をおくってしまうことになるのでは?
484 : トレ公   2025/05/06 20:05:53 ID:.y19aqtznY
🌸「……あれ、なんか空気おかしくね?」
🌻「勝ったはずのブルボン陣営がピリピリしてるね」
🌸「いやそうじゃなく――なんかボーガン陣営へのインタビューが辛辣っていうか」
🕷️「明らかバッシングされてるねあれ……記者が栗東贔屓なのかね」
🌻「ああ、栗東寮許可もらってる記者か……」
👁️「どういうことですの? どういうことですの? ボーガンちゃんをいじめたらただじゃおかないわよ?」
🌸「あれだよ。 トレセン学園ってでっかすぎるから記者たちもウマ娘や学内のインタビューの時、寮でインタビューとかあるんだけど、寮で名前とか許可もらえてる記者っているんだよね」
🕷️「自然とそっち贔屓になるよね」
👁️「それでなんでボーガンちゃんがいじめられますの?」
🌻「嫌な話なんだけどね、ミホノブルボンは栗東寮で、ボーガンちゃんも栗東寮なんだ」
485 : 大将   2025/05/06 20:15:16 ID:.y19aqtznY
👁️「わかりませんわ。 栗東贔屓の記者なら栗東寮生のボーガンちゃんたちに優しくすべきじゃありませんの」
🕷️「ここがめんどいとこなんだけどさ――過去の三冠ウマ娘って全部美浦寮なんだよね。 ゲンを担ぐ意味でも実際の実績でも、美浦寮のほうが人気あるわけ。
無敗の三冠ウマ娘シンボリルドルフも美浦寮だよ」
👁️「だったらますますボーガンちゃんを応援すべきじゃありませんの!」
🌻「……ほんとに嫌な話なんだけどさ――ライスシャワーが美浦寮なわけ。 で――今回のレースでミホノブルボンの三冠を阻めるライバルとしてライスシャワーが持ち上げられるんだけどさ――キョウエイボーガンは栗東で、栗東寮のミホノブルボンのハナを奪うって言ってるわけ」
👁️「…………」
🕷️「栗東の記者からしたら三冠ウマ娘が出るのが一番いいんだけど、それを栗東のウマ娘が邪魔したせいで菊花賞勝利が美浦になる。って構図が一番きにいらないんだよ。 」
👁️「そんなの、おかしいですわ。だってレースで真剣勝負をしてるじゃない。 だったらブルボンさんのハナを奪っても、わたくしに斜行ギリギリのタックルをしたって――それは勝ちたいからじゃない」
486 : アナタ   2025/05/06 20:21:17 ID:.y19aqtznY
🌻「うん、その通りだよ。 全力でレースを戦うウマ娘からしたら本当にくだらない事だよ。 でも、それを記事にする人ら第三者からしたら気に入らない人もいるってことだよ。本当に下らないし同意はできないけどね」

👁️「…………納得いきませんわ。
 私はブルボンさんが大好きですの。 でもボーガンちゃんの小柄でむちむちっとしたハムスターなとこも、ライスシャワーちゃんの儚げなところも大好きですの。
それでも菊花賞では全力で打ち破るつもりですわ」

🕷️「うん、それでいいんだ。 本当にそれでいい。 今日だって今までだってうちの子もライスちゃんもブルボンちゃんも一緒に切磋琢磨してやってきたんだ。
ボーガンちゃんだって今はチーム菊花賞として一緒にやってる。 あの子が一生懸命なのもみんな知ってるし、今日の大敗だってあのこの実力じゃないのも知ってる。」

🌸「滅茶苦茶くだらねーことだけど、こういう仲間意識とか対立思想って結構すきなやついるんだよな。 あの記者変なことかかなきゃいいけど」
487 : キミ   2025/05/06 20:29:30 ID:.y19aqtznY
 『もうすぐ、菊花賞だな』

🤖「はい。 三冠最後です。 マスター」

 『なんだ、というか俺重くないか?』

🤖「大丈夫です、マスタニウム摂取のためもうすこし背面からの抱擁を続けます」

 『後頭部かぐのやめない? めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど』

🤖「いい匂いがします。落ち着きます。 ずっとこうしてぎゅっとしてたいです」

 『普通男が女をハグするもんじゃないの?』

🤖「マスターは可愛いので問題ありません」

 『やめなさいよ、――ところで、菊花賞獲ったらその後どうすんだ?』

🤖「お父さんに報告しに行きたいです。 あとマスターにご褒美であのにんじんハンバーグのお店に連れて行ってほしいです。」

 『ああ、その時は好きなだけ食っていいぞ。 なにせ三冠ウマ娘だからな。
 ――いやまあそうじゃなくて、レースの方
 お前、三冠が大目標だったしクラシック終わったらどうしたいのかなって』

🤖「……考えた事はありませんでした。 トレセン学園に入学した動機も三冠でしたので、終わったら自然に引退なのかと思ってました」

 『んー、どうする? シニア走る? 俺はブルボンはもうゆっくりしてもいいと思ってる』

🤖「…………マスター、それは菊花賞が終わったら担当契約を解除するということでしょうか? だめです、私はマスターと一緒がいいです。
シニアも3年ぐらい走ります。 ドリームトロフィーも走ります。

ずっと――一緒がいいです。 だめですか?マスター」
488 : トレーナーちゃん   2025/05/06 20:33:32 ID:.y19aqtznY
 『いや、走りたいならずっと一緒にいるし契約なんかありでもなしでもいいんだけどさ――お前ジュニアからずっとずっと頑張りきりだし、しばらくはゆっくりしてもいいんじゃないのかなって』

🤖「しません、ゆっくりしません。 マスターと一緒にいます」

 『いやいや、そうじゃなくて。 買い物だってお前の電子機器壊す体質だと一人じゃあんまり遠くいけないだろうし。 長期休暇のあいだ――お前がね』

🤖「?? なんでしょうか、マスター」

 『いや、さ』

🤖「? マスターの頬に紅潮を感知、体温上昇」

 『いやさ、お前が長期休暇の間も、お前さえよければ――
 ――一緒に旅行したり、アミューズいったり、そのおでかけしたりとかね』

🤖「マスター、つまり誘ってるのですね。 もうこれは合意なんですね。後ろからむりやりしてもいいのですねマスター」

 『だめだよ? ねえだめだよ?』
489 : トレぴ   2025/05/06 20:42:15 ID:.y19aqtznY
🤖「マスター」

 『なんですかミホノブルボンさん。 あとそろそろ手首を掴んでる手を離して起き上がってくれると嬉しいです。 絶対しないかんな』

🤖「……ヒトミミはウマミミには勝てません」

 『負けたら三冠も終わるってことを理解してるか? ねえ菊花賞目前でこんなことで出走できないとかいやだよ?』

🤖「はい、そこは漏洩に気をつけます。 ところでマスター、今の態勢は逆ぴょいチャレンジですが」

 『そのチャレンジは失敗しような、トレーナーからの命令だ失敗しろ』

🤖「はい、事に及ぶ前にマスターの趣味嗜好を確認したいです。 マスターはこういう行為に極めて古風で真面目だと、お父さんからも分析をされています」

 『お前のパパボン最悪の分析を娘にしてるんだな』

🤖「つまり男が組み伏せられる逆ぴょいより正統な男子上位のうまぴょいを好んでいるのではないかという懸念点があります」

 『ねええやめようよ大の男が高校生にそんな話するわけないでしょおおお?』

🤖「しかし、恋人同士で叡智の好みを話すのは若くても結構普通だとお父さんも、お母さんもいってました」

 『お母さんもっ!? ねえまってお母さんって海外でしょ?』

🤖「菊花賞の観戦のために帰国するそうです」
490 : トレーナー君   2025/05/06 20:47:02 ID:.y19aqtznY
🤖「マスター、諦めてください。
本人の同意もあり両親が歓迎しています。 あとはマスターが堕ちるだけです」

 『ぜってーおちないかんな! 』

🤖「マスター、実際私が成人してそのような行為に禁則事項がないと仮定してどうなのですか? 私を組み伏せたいとかそのような欲望があるのでしょうか」

 『言えるわけないでしょおおお!? 勘弁してよー』

🤖「問題ありませんマスター、最近ではフラワーさんと『恋せよ乙女。 お兄ちゃんを堕としたカワイイテクニック』というチャンネルで勉強をしています。」

 『なにそれ怖い、ねえまってそういう生々しい話やめて』

🤖「大丈夫です、マスターには才能があります。 いっぱい可愛がってあげます。
マスターは私のマスターですが夜は私がマスターですマスター」
491 : アナタ   2025/05/06 20:51:50 ID:.y19aqtznY
『……くそ、ブルボンめ最近調子にのりやがって……スマホ忘れていってるし』

栗東寮
自宅デートでブルボンが忘れたスマホを届けにやってきた。
基本トレーナーは寮室は入室禁止なので一階のロビーで待つことになる

――ちょっとまっててねブルボンさんと遺伝子的に相性がいいトレーナーさん

『遺伝子的にってなんだ?……お?』

小柄でピンクのふわふわした髪の毛。 太ってるわけではないが豊満な肉つきの体躯――コーエイボーガンだ。

『ボーガンじゃん、おーいボーガ―――』


――ねえ、ボーガンさん言ったよね?
――菊花賞、回避しろって。 ブルボンさんの邪魔しないでって
――なんで回避しないの? セントライト記念だって8着からも大差で9着でしょ?
492 : トレぴっぴ   2025/05/06 20:57:20 ID:.y19aqtznY
『――――』

直感的に空気でわかる。
これは、いじめってやつだ。
コーエイボーガンを囲んでるのは同期のウマ娘達だろうか。 見知った顔がないあたりOPクラスにあがってるかどうかもわからない生徒がコーエイボーガンをかこんでいる。
ライスシャワーよりも小柄なコーエイボーガンはおびえたように身をすくませてまるまっていた。


――アンタ、ライスシャワーさんをそんなに勝たせたいの?
――ミホノブルボンさんがハナ切って逃げるの邪魔して喜ぶのライスシャワーさんじゃない
――アンタがもっともっと強くて勝てるかも、だったらいいけどセントライト記念であんなんだった子がブルボンさんの邪魔して前ふさいで

――それで、ライスシャワーさんが勝ったらどうすんの?
――三冠の邪魔するだけなのに菊花賞出るの?


『…………』

事実、ハナを奪われたくはない。
居ても問題ないかどうかでいえば問題は有るだろう。 ペースを思い通りにコントロールしにくくなり、ブルボンではなくボーガンをペースメーカーにしたほうが間違いは減るだろう。
正直出走を回避してもらえるならして欲しい――ライスシャワーもマチカネタンホイザも、菊花賞では強力なライバルだ

しかし
493 : お姉さま   2025/05/06 21:03:27 ID:.y19aqtznY
🏹「回避――したくありません」

――はあ?なんでよ
――わかったわかった、じゃあアンタがハナきるのだけやめて
――ブルボンさんの邪魔しないでよ
――栗東寮初の無敗の三冠――ううん、会長を超える無敗の4冠ウマ娘のレースの邪魔しないで

🏹「ハナは――獲ります。 私、ハナじゃないと、勝てないから」

――アンタじゃブルボンさんに勝てないでしょうが!
――ほんと栗東寮どころか学園にいられなくなるよアンタ


🏹「勝ちたいんです、勝ちたいんですブルボンさんに――菊花賞で勝ちたいんです!」


『よーーーしよく言ったボーガン! ハナを穫れるもんなら獲ってみろ!』

――あ、ブルボンさんの、トレーナーさん

『なあ――お前らも菊花賞でたら?』

――へ? いやいやあたしらは

『いやいや出るべきだ。 菊花賞G1:3000M 1着を取れるもんならぜひ出走しろ。
――なあ、ボーガン』

🏹「うひゃいっ!?」
494 : お前   2025/05/06 21:12:40 ID:.y19aqtznY
『夏に3連勝、さらにG3 G2連勝。 しかもG2は2000M。 夏の上がりウマとしては最有力候補のコーエイボーガン――
――ハナは譲りませんミホノブルボンの前はもらいます』


『あのさ――これの何がいけないんだよ?』

――え、だって、だってライスシャワーさんに有利なんじゃ

『ああ、ライスシャワーにもマチカネタンホイザにもノーザンコンタクトにも有利な展開だな。 菊花賞に出るやつらが一番望んでるのはミホノブルボンとコーエイボーガンが逃げで潰し合ってほしい、って事だ』

――じゃあやっぱり

『勝ちたいんだよ、みんな』

――っ

『ミホノブルボンを潰したいとかじゃなくて――菊花賞に勝ちたいんだ。
勝ちたいってのは――未勝利でも、重賞でもG1でも――一緒だろ?』

――…………それ、は

『記念出走ってのはあるよ。 勝てないけどG1に出たい、重賞の出走したっていう建前だけ欲しい。 ある、わかるよ
でも、ブルボンもそうだけど――ライスシャワーだってマチカネタンホイザだってノーザンコンタクトだってナリタタイセーだって、みんな勝ちたくて戦ってる。
ライスシャワーなんて今じゃ菊花賞最強のライバルだけどさ――あいつだってスプリングSで負けて皐月賞でまけてダービーでようやく2着だ。』


『でさ――勝つために、ハナとっちゃ悪いのか? その結果負けても――勝つために全力でやることなら、頑張って努力してやった結果なら――よくないか?』

――でも、いいんですか? ブルボンさんが

『負けるか、ばーか。 うちにブルボンがまけるわけないだろ。
本当に不安なら今度大坂路にこい。 ブルボンのケツを見たら一発でこりゃ菊花賞はミホノブルボンだなって思うよ』
495 : トレーナーさん   2025/05/06 21:16:02 ID:.y19aqtznY
『なあ、ボーガン。 菊花賞、勝ちたいか? ミホノブルボンのハナとってハナ誰にも譲らず、一着で3000M走りきれるか?』

🏹「…………勝ちます、勝ちたいんです。私だって――戦える!」

『よーーしじゃあ菊花賞で勝負だな。 ほれみろこいつはすごいんだぞ、ブルボンのトレーナーの前で勝利宣言だ、こんにゃろこんにゃろ』

🏹「いひゃひゃブルトレさんやめてください」


🤖「……マスター」

 『…………』

🤖「楽しそうですね。マスター。 栗東寮でコーエイボーガンさんに抱きついて抱擁とは楽しそうですねマスター。」

🏹「ブルボン……さん」

 『まてこれはボーガンちゃんのためにだな』
496 : モルモット君   2025/05/06 21:22:50 ID:.y19aqtznY
翌日
トレーナー室で正座させられるマスター


🤖「……そんな軋轢があったのですね。」

 『無罪は証明できましたか?ミホノブルボンさん』

🤖「いいえ、ボーガンさんの小柄で柔らかいおっぱいはいかがでしたかマスター」

 『揉んでるわけないよね? 触ってもおらんわ!
 ――それにしても、結構大事になってるようでなあ……』

🤖「解決したのではないですか? 流石にこれ以上手出しはできないのでは」

 『栗東寮生だけの問題じゃないってこった。 ボーガンのトレーナーにも妙な脅迫文とか届いてるらしくて……こういう根回しって好きじゃないんだけどな。
ブルボン、今週末ちょっとあけといてくれ』

🤖「何かあるのでしょうか?」

 『合同記者会見ってやつだ』
497 : 相棒   2025/05/06 21:32:52 ID:.y19aqtznY
――菊花賞という1レースにしては異例の大きな記者会見ですね、ミホノブルボンさんのトレーナーさん

『はい、皆様にはこのような機会を用意してくださった事、出席いただいたこと誠に感謝しております。』

――そうそうたるメンバーが揃いました。 ディフェンディングチャンピオンという立場であろう、2冠ウマ娘ミホノブルボン陣営の意気込みをお願いします

『疲労をしっかり抜くという意味での休養以外、今でも菊花賞に向けてのトレーニングを続けています。 最終追い切りなどタイム計測がすくない事、ご容赦頂きたく存じます』


🌻「出走メンバー殆どの同時記者会見とかすごいね」
🌸「なんか有馬とかよりでかい規模だな、しかもこれ、乙名氏記者とかに通してブルトレが企画したんでしょ?」


🕷️「えー、セントライト記念は回避しましたがカシオペアSでなんとか菊花賞への出走をきめたマチカネタンホイザ陣営です。 目立ってはいませんがタンホイザちゃんはね、すごいんで……菊花賞は勝ちますよ」

👁️「名門、ノーザン一家のノーザンコンタクトですわ! 名門の名に恥じぬよう、この身体を鍛え上げ菊花賞の名誉をノーザンの額に飾ってみせましょう!
ほら、爺もなんかいいなさい、TVも来てるわよほら爺」

――続きまして、中日スポーツ賞、神戸新聞杯勝利ウマ娘、コーエイボーガン陣営の表明になります
498 : トレーナーさん   2025/05/06 21:40:47 ID:.y19aqtznY
――失礼します。 月間トゥインクルの乙名氏です。 コーエイボーガン陣営に質問よろしいでしょうか?

🏹「……どうぞ」

✒「今回、出走にあたりミホノブルボンさんの前を奪うという事で激しいバッシングがありましたが――菊花賞への出走は回避しないということでしょうか?」

🏹「――しません。 菊花賞には出走します。 
  出たいではなく勝ちに行く以上、ミホノブルボンにハナは譲りません」


――ざわ、ざわ。
――ブルボンブロックか
――ライスシャワー陣営からしたらいいけど3冠あぶないんじゃない?

✒「質問を続けます。 トレセン学園でも栗東寮初の三冠――しかも無敗の三冠、ジュニアを含めれば前人未踏の無敗の四冠馬の誕生になります。
一方、ライスシャワーさんは美浦寮ということで、今回ライスシャワーさんに優位になる展開になってしまうとの見解がありますが」


🌸「おいおいおいおい乙名氏ちゃんどうしちゃったのよお!?」
🌻「でもこの記者会見て乙名氏さんとこの主導なんでしょ?」


🏹「――その通りです。 ミホノブルボン陣営からすれば厳しくライスシャワー陣営、マチカネタンホイザ陣営、ノーザンコンタクト陣営からしたら大きなチャンスになると思います。
ですが――譲りません。 ハナも、菊花賞も貰います。」
499 : お姉ちゃん   2025/05/06 21:46:09 ID:.y19aqtznY
 『あー、乙名氏記者さん。 そのことについてちょっとブルボン陣営から皆さんに、いいですかね?』

✒「はい、もちろん」

 『えー、あー、皆さん――三冠って、なんですごいんでしょうか。
――いやまあ三冠ってすごいんですが……G1 一個勝つのってすごい事だと思うんです。 ……なんですごいんですかね?』

✒「それは――超一流、その時の一番強いウマ娘達が集まって戦う大レースだから、ですよね?」

 『そうですよね、みんなG1の栄誉のために、センターのために戦う。 
 みんな苦しいトレーニングして遊びたいの我慢して――
 それでも勝てなくて、また勝つために努力して――そんなウマ娘達の集大成がG1レースです。
しかも皐月賞もダービーも菊花賞も一生に一回きりだ。 』


 『そんなレースだからみんな勝ちたい、必死になるんです。 一生かけてそこに合わせてくるんです――だから、どんな無理をしても菊花賞に勝つためにブルボンのハナを奪う。それが菊花賞に勝つためなら良いと思います』
500 : アナタ   2025/05/06 21:53:38 ID:.y19aqtznY
 『ありがたいことに――URAで今ミホノブルボンの三冠への期待が高まってます。 ミホノブルボンの三冠を願ってくれてるファンが凄く多い事にちょっと俺自身びっくりしてます。
 最初は距離の限界とずっと言われてた中――次3000Mですよ?  なのにスプリングSや皐月賞より勝利を期待されてます。
 とてもありがたい事です。』


――でも、みんながどうぞどうぞって菊花賞を走りやすく、勝ちやすく譲るってちがくないですかね? みんなが見たいレースってそうじゃないでしょ。

 『本当に強いウマ娘が勝つと言われる菊花賞をなんで譲る必要があるんですか? 勝てるならブルボンの前で走れば良い。
勝てるならブルボンの背中にぴったりくっついて最後に捉えれば良い
菊花賞って――本当に強いウマ娘が勝つんでしょう?
だったら――ミホノブルボンに、菊花賞に勝つって奴らが17人集まってそれで18人で1着を決めるのが正しいんじゃないですかね。』

――それで3つ勝つから――三冠ってすごいんだと思うんですよ。

『だから――菊花賞に勝てる確信や自信があるウマ娘なら、菊花賞に出て欲しい
今年の菊花賞は、きっと歴史に残る大レースになります。
――ここのメンバーは、誰一人負けても良いって思って出てません。』
501 : 相棒   2025/05/06 23:55:08 ID:.y19aqtznY
🏹「改めて――うちは勝つために菊花賞に出ます。
 ですから絶対にミホノブルボンにハナ譲りません。 勝つためにハナを譲ります」

出走ウマ娘側から、手が上がる

 「……ヤマニンキセキです。 朝日杯からずっと負け続けてますが――菊花賞に"勝つために"出走します。 ミホノブルボン陣営に質問があります」

 『……どうぞ、ヤマニンキセキさん』

 「チーム菊花賞――ミホノブルボンさんの陣営の練習場である坂路トレーニング場が菊花賞出走勢等、多くのウマ娘の強化のために開放されてると聞きました
――私も、菊花賞を勝つためにその大坂路を利用させて頂いてもいいのでしょうか?」

 『――勿論。 あそこはレースに勝ちたいウマ娘ならトレーナー引率を条件に自由に使わせてますよ。』

 「――ありがとうございます。 つまりブルボン陣営からしたら挑戦者はだれでも歓迎というスタンスなのですね、ぜひ大坂路を使わせてください」


 「んー、ライスシャワーのトレーナーです。  うちも夏の合宿からずっとミホノブルボンちゃんたちと一緒にやってますよ、そのおかげで――セントライト記念、惜しかったでしょう? みんなおもったはずですよ、3000Mなら勝てるんじゃないかって。
 ――ライス、今日はちょっと、ライスがブルボンにどう思ってるか――菊花賞どうしたいか、言ってみて欲しい」

🍚「ふえ、ええええっ?」



 
502 : キミ   2025/05/06 23:59:33 ID:.y19aqtznY
🍚「あ、あの――あのっ、あのっ!!
 ――ブルボンさんは、ブルボンさんはとっても凄くて、強くて、はやくて――ライスなんかじゃ、勝てないって思ってて
――ブルボンさんは、そんなライスとも、ずっとずっと仲良くしてくれて、ブルボンさんについてく、頑張ってついて行こうとして、ましたっ」

🤖「……」

🍚「一緒に合宿して、楽しくて、練習はすっごく辛くて――でも、やっててよかったなって――あの、この前のレースで、ようやく、ようやく捕まえたんです!
届きそうだったんです!
だから――だから!

――ライスはブルボンさんを追いかけて菊花賞で、勝ちたい!
勝つために、戦いたいです!」
503 : お兄さま   2025/05/07 00:05:11 ID:vZFiy8/1SM
🤖「私は――三冠ウマ娘になることばかり考えていました
 三冠ウマ娘の話を父から聞いて、憧れただけのウマ娘でした。
でも――今その夢の最後のレースです。
そのレースに、大事な仲間と走れる事を誇りに思います。
皆さんは、強敵ですが――私は」


――それでも、三冠ウマ娘になりたい






『すいません乙名氏さん。 こんな意地悪な質問をさせちゃって。』

✒「いえいえいえ、ネットでは盛り上がってますよ。 賛否はあっても誰を応援するかとか、今まで三冠かライスシャワーが阻止かだけの空気が、ほんとに応援したいウマ娘は誰かって事で盛り上がってます」

『ヤマニンキセキにも感謝しなきゃいけませんね。 あの子わざと大坂路の話題ふって来た感じだ。』
504 : マスター   2025/05/07 00:11:52 ID:vZFiy8/1SM
🌻「ちょっとちょっとマスターくん! 街頭ジャック広告みた?」
 『え、なんすか広告って』
🌸「ほら、この前の合同出走会見のやつなんだろうけど、菊花賞の広告で街頭ジャックされてて」
 『はあ? トゥインクルにそんな金とか広告出す力ないっしょ?』


――勝ちたいもの
――強いもの
――すべて挑んで来い――菊花賞
――勝ちを掴むために

🕷️「うへあ、三冠どうこうじゃなく会見のメンバー全員出てるじゃん」
👁️「そうでしょう? うまくできてるでしょう?」
 『ん? 今なんつったノーザンのお嬢』
👁️「うまく出来てるでしょう? と」
🌸「お前んところか犯人」
👁️「URAや菊花賞が盛り上がるのは素晴らしいことですわ。 これでブルボンさんのために忖度するような空気もなし! ボーガンちゃんも気兼ねなく戦えますわ!」
🏹「ありがたい、けど、良いのかな。 練習まで一緒にさせてもらってるし」
505 : トレピッピ   2025/05/07 00:17:37 ID:vZFiy8/1SM
🤖「……練習場周辺の応援する声には、コーエイボーガンさんを応援する声もあります」
 『……てかあれ、この前ボーガンを囲んでた女子たちじゃね』
🏹「ひぃぃいっ?」

――指の方向にいる女生徒たちが大きな布を持ち一斉に広げる


――"コーエイボーガン"

🕷️「あ、横断幕ですよ、横断幕。 いいなあボーガンさん。」
🍚「でもあの子たち、ボーガンさんをいじめてた子なんでしょ?」

自分たちの横断幕を見られてると気付いた少女たちは、横断幕を大きくひっくり返す。裏面には

――"ごめん"

 『えらいじゃん、ちゃんと謝れて、応援にきたらしいぞボーガン』

🌻「すごいよね、本当は14人だったらしいけどあの会見あの直後から滑り込みの申請がすごい量きたって。学園がのこり4枠どうするかってなってるらしいよ」

 『じゃあフルゲート18人か』
506 : トレぴ   2025/05/07 00:22:40 ID:vZFiy8/1SM
 『てか、コンタクトちゃん。 この広告ジャックって金すごい掛かったんじゃない? 街頭全部一時的に広告一色にしたわけでしょ?』
👁️「ええ、はしたないですがちょっとポケットマネーを出しましたわ」
 『一家とかノーザン一門じゃなくお前のポケットマネーなの!?』
👁️「え、ええ……お母様からポケットマネー用にいただいてますから」

🌸「予想の100倍はすごくて笑うわこんなん」
🌻「お金持ちのレベルがちょっと違うよね・・・」

👁️「それに、これだけ注目される菊花賞で二冠ウマ娘のミホノブルボンさんに勝つのだからノーザン一門の名声にもかかわってきますし、悪い話じゃないですわよ」

 『勝つ前提で話をすすめやがって、みっともなく垂れ堕ちるがいいわ』

👁️「キイイイッ、ブルトレさんはいつもいつも口ばかり達者で!!!」
507 : お姉ちゃん   2025/05/07 00:32:53 ID:vZFiy8/1SM
――菊花賞、当日

🏹「――あの、ブルボンさん、ブルトレさん。」
 
🤖「ボーガンさん」
 『お、ボーガン。調子はどうだ』

🏹「すっごくいいです! あの――私、ブルボンさんに憧れて、菊花賞まで、これました。 ブルボンさんの真似してスタートの練習して――今日、菊花賞でブルボンさんと戦えて―――だから」


🏹「今日、わたし勝ちに行きます。 スタート、自分の脚ぶっ叩いても――前行きます」

 『おう、今日は出遅れるなよー』
🏹「ひどっ!?」
🤖「今日は、お互いに全力で」

🕷️「今日も、レース、がんばるぞっ、えい、えい、むん!」
👁️「調子は万全ですわ――えい、えい、むんですわ!」

🤖「マスター」
 『どうした無敗の二冠ウマ娘』
🤖「強敵ばかりです――ですが、不思議です。 
 菊花賞がこんなに強敵ばかりなのを、ステータス:嬉しい と思っています」

 『じゃあ、最高の嬉しいのために、菊花賞穫るぞ』
 「はい、マスター」
508 : トレ公   2025/05/07 00:33:28 ID:vZFiy8/1SM
菊花賞直前終わり

菊花賞は明日以降です
509 : 相棒   2025/05/07 00:51:02 ID:vZFiy8/1SM
※以後、完全なオリジナル展開、オリジナル設定が増えます。 ご容赦ください

蛇足ですがノーザンコンタクト(ノーザンコンダクト)ちゃんは身長149cm自称150cmのスレンダーなお嬢様です。 スリーサイズは皆様の妄想にお任せしますがスレンダーな方で描かせていただいてます。
細身であまり筋肉質ではないのですが外見にでない筋肉質でぶつかったりするとその力強さがわかるかんじ。
ラフプレイは自分からはしませんがタックルなんかきたら嬉々として弾き飛ばすタイプです。


コーエイボーガンは140cm B92W58H84のむっちりちゃんです。 太ましいわけではなくフトモモとおっぱいに栄養が行くタイプの小柄体型ですが後頭部です。 もちろん合法ロリじゃないですライスちゃん
虐めてた生徒たちは自分たちのほうがダサかったと反省し菊花賞では全力でコーエイボーガンを応援して横断幕を掲げます


ナリタタイセーは身長176cmのスレンダー褐色美女。 シンボリクリスエスより長身でスレンダーなちょっと口がよろしくない系クール美女です。
凸凹っぽいですがよくノーザンコンタクトとつるんでいるそうです
510 : トレピッピ   2025/05/07 10:26:18 ID:vZFiy8/1SM
パドックは異様な空気に包まれてる
出走するウマ娘すべてがミホノブルボンを見つめていた
真剣に―――あるものは敵意を向け
あるものは憧憬に近いそれを向け
あるものは敬意を向け
しかし、想いは一つ

――ミホノブルボンに、菊花賞に勝つ

🌻「なんか――すごい空気ですね」
 『ミホノブルボンが逃げな以上、レースではミホノブルボンを中心にレースが動くからな。 ――まあ』

コーエイボーガンがブルボンにハナを取らせない宣言をしている。
当日、わざわざブルボンに向かって改めて宣言をする辺り、なにがあってもハナを奪うだろう
並のウマ娘相手ならブルボンのスタートの加速に敵うものではないがコーエイボーガンのスタートの加速はミホノブルボンに匹敵する
511 : キミ   2025/05/07 10:48:32 ID:vZFiy8/1SM
🏹「……すー、はーっ……すーっ」

――心臓の鼓動が早すぎる。 全然収まらない。
――緊張してるんだ、私。
――また、スタートに失敗したらブルボンさんの前なんて絶対走れない
――なのに、緊張してうまくいく自信がない


「ボーーーーーガーーーーン!!」

パドックに少女たちの大きな声が響く!
コーエイボーガンと描かれた横断幕をバンバンバンバン振って叩いて
彼女に菊花賞を回避しろと脅した少女達がコーエイボーガンの名を叫ぶ

「まけんなーーー!あんたも栗東寮の代表だー!」
「ブルボンにだってまけんなー!」
「全力でがんばれー! ボーーーーーガーーーーン!」


――ごめん

あのあと、少女たちはコーエイボーガンに頭をさげにきた
酷いことをいったと、あんたは菊花賞を本気で勝とうとしてるのに
馬鹿にしたと、無責任に断じだと

――私は、ミホノブルボンに勝つんだ
512 : ダンナ   2025/05/07 10:53:46 ID:vZFiy8/1SM
――プライドは高く持ちなさい
――しかし傲慢になってはいけません
――誇り高くとはそういう事です
――今のコンタクトはとても誇り高いノーザンの子です
――でも、なにより貴女は私達の大事な子です

春の大敗のまま失踪した自分を母も父も暖かく迎え入れてくれた
父は初めて、娘にげんこつを落とした。 心配をさせるなと抱きしめてくれた
ノーザンを背負うとか代表だとかは言いたくはない
私にはその刺客もない
でも――歴代最強の逃げウマ、伝説になろうとしたウマ娘に勝って
もっとも強いウマ娘を決めたと後世に言われるであろう今日の菊花賞に勝てば
私は――胸をはって両親にノーザンを継がせてくれと言える
お父様、お母様に一番孝行ができる


「ブルボンさん――感謝しますわ、私の代に貴女という最強のウマ娘がいてくれて! さあ、勝つわよ菊花賞!」
513 : あなた   2025/05/07 10:56:33 ID:vZFiy8/1SM
――ねえトレーナーさん、なんか今日の菊花賞すごいね
――ブルボンさんもライスさんもコンタクトさんもボーガンさんもすごくて
――私なんて普通だから負けちゃうかなって思うんですよ
――でも、ちょっと今日はちがってて
――負けないぞ、勝つぞ、むん!って気持ちがすっごくて
――えへへ、今日だけ、私も特別なのかもしれませんね
――トレーナーさん、トレーナーの奥さん
――あなたのマチタンちゃん、今日はいつもよりいっぱい頑張っちゃいますね
――いくぞー菊花賞。 えい、えい、むん!
514 : アンタ   2025/05/07 11:01:51 ID:vZFiy8/1SM
菊花賞、3000M。
春までの自分は弱くて、自信もなくて、ただただ、ブルボンさんについていくしかできなくて
ついていくしかできないからずっとずっとついてくして
気がついたらブルボンさんの後ろには自分が居て

――それは、君がとても強いからできることなんだ
――ブルボンについていけた子が他にいたかい?

おじさまに励まされて
少しづつ、ブルボンさんとの距離が近くなって
ようやく、手が届きそうなぐらい、目の前にブルボンさんがいる


「ライス――もうついてくだけじゃないよ。
 ブルボンさんに――菊花賞に勝ちたい。 ブルボンさんたちと、肩を並べて、堂々と立ちたい。
だから、ライス――絶対に勝つんだ、菊花賞を」
515 : お姉ちゃん   2025/05/07 11:06:27 ID:vZFiy8/1SM
『……調子は』

🤖「悪くありません。 形容しがたいステータスです」

『どんなだ?』

🤖「高揚、緊張、達成感、充足、恐怖――それらがすべて混じってそれらとは言えない感情です。
ただ――一番大きい感情は」

🤖「皆さんの視線を感じた時――とても"わくわく"しました」

『わくわくか。そっか』

ぽんぽん、と頭を撫でる。 一緒にトレーニングをこなしたメンバー
すべてを逃げ潰す事ができない、明らかな強敵
最強と言われるミホノブルボンをして苦しめるであろうライバル

『――あいつら全部逃げ潰して、お前が三冠ウマ娘だ。 いくぞブルボン、全ウマ娘で一番努力して頑張ったってのがどういう事か、ライバルにも全観客にも日本中にも見せろ
距離の壁も常識も全部ぶっつぶしてこい!』
516 : 相棒   2025/05/07 11:18:16 ID:vZFiy8/1SM
8枠7番

🌸「ライスシャワーちゃんが隣かあ」
🌻「でもコーエイボーガンちゃんは12番だよ」
 『正直、偶数枠の方がよかったですね。 ブルボンもライスシャワーを意識してますから。 先にゲートインする奇数よりは外枠でも偶数の方が良かったです』
🕷️「気合乗ってたよ、タンホイザちゃん。 あんなわくわくして闘志を出してるタンホイザちゃん初めてみたかな、今日は勝てるよ、うん」
 『わくわく、してました?』
🕷️「ああ、うん。 わくわくしてた」
 『奇遇ですね、ブルボンもわくわくって言ってましたよ』
🍚「ライスちゃんは、ブルボンに勝ちたいってさ。 菊花賞に勝ちたいって
 あんな自信のもてない子がね、ついてくだけじゃなくて捕まえるってさ」

🏹「――ありがとうございます。 本当は回避も考えていました。 ボーガンの意思を無視してしまうほどだった」
 『しゃーないっすよ。 あんな状況で出走して負けたら、ボーガンだけじゃなくトレーナーの責任問題や信用問題になる』
🕷️「本当に気に入らないけど、三冠ウマ娘の邪魔をして負けたトレーナーって肩書ついたらトレーナー業、最悪廃業まであるからね。
その回避は人生をまもるためだったし、貴方に非はないですよ」
🏹「でも――私達は堂々と出走できた。 本当にありがとうございます。
 でも、今日は負けません。 出走したのだから、勝つために。」
👁️「お嬢様も、チーム菊花賞の皆様には感謝をしてました。 だからこそその皆様に完勝したいと。 歴代最強の菊花賞を勝つ栄誉が欲しいと、いってました」

✪「あいつはメンタル化け物だからな。 こういうタフなレースにはすこぶるつよい。  私がなにを言っても何も効かないからな」
517 : お姉さま   2025/05/07 11:24:54 ID:vZFiy8/1SM
 『ナリタタイセー、マイル転向か』

✪「ああ、悔しいがあのメンバーと菊花賞は不可能だ、マイルなら負けないがな」
🌻「マイルにはニシノフラワーっていう超一流ウマ娘がいるよ?」
🌸「はいはいはい! うちのバクシンオーだっていますよ、いますよ?」
✪「……マイルなら負けん。 バクシンオーにもニシノフラワーにも――ミホノブルボンにもな。 だが長距離は無理だ
ノーザンコンタクトなら、勝てるかもしれんが」

 『メンタルはうちのブルボンも強いんだが?』
🕷️「差し脚ならタンホイザちゃんだってまけないよ? ねえタンホイザちゃんつよいんだよ?」
🍚「順調に行ったら宣言通りボーガンちゃんがハナでブルボンが追走?」

『あー、うん。 それなんですが』


――さあゲートイン完了
――ゲートが開きます
518 : ダンナ   2025/05/07 11:27:45 ID:vZFiy8/1SM
――ゲートが開きました
――おっとロケットスタート、最高のスタートを切ったのはコーエイボーガン

🏹(よし!今までにない最高のスタート、絶対にハナは貰う――)

――コーエイボーガンに並ぶのはミホノブルボン!
――譲らない!譲らない!スタートから激しくコーエイボーガンと競り合っていく! 無敗の二冠馬ミホノブルボンがコーエイボーガンのハナを阻む!


――私も、負けません。 だから――スタートも、ハナも、譲りません

🏹「そ、うっ――でも、ハナは、貰うんだから!」
519 : トレ公   2025/05/07 11:31:56 ID:vZFiy8/1SM
✪「驚いた――ミホノブルボンが競りかけるか」
 『はっ――出ても良い、だけどハナまでどうぞどうぞとか誰も言ってねえよ
 ハナ切れなきゃ走れないボーガンちゃんには退場して頂きましょうかねえ!』
🏹「――っ、負けるな、ボーガン負けるな!」
🍚「うひょおおいいよいいよいいよ競り合って逃げ同士で潰し合って」
🕷️「飯が!飯がうまい! うまいよタンホイザちゃん!」
👁️「あ、あのお二方本音が、本音が!」
520 : 使い魔   2025/05/07 11:43:55 ID:vZFiy8/1SM
――400Mまでは無茶しない程度にハナを狙え
――コーエイボーガンだってハナで気持ちよく逃がせばライスシャワーやタンホイザ以上に強敵だ、だから序盤でセリかけてハナ取れればよし
――序盤から競り合う展開で3000Mのペースを崩せばハナ取っても勝てん
――お前の体内時計と完璧なペース配分なら競り合っても中盤後半で取り返せる、まずはコーエイボーガンに最強の洗礼を浴びせろ


「200M、 ハイペース……想定内。 残り200Mで先頭を奪います」

――開始直後から壮絶なデットヒート! 
――コーエイボーガンに譲らない、これは作戦か、はたまたサイボーグのペースが狂ったか!

🏹「――私は、ハナを切れないと勝てない――だから、だから――序盤は誰よりも、ブルボンさんより――がんばってきたんだ!」

「……っ」

――ミホノブルボン、400M前で2番手に下がります
――壮絶な序盤のデッドヒートを制したのはコーエイボーガン!
――スプリングS以来先頭を走り続けたサイボーグ超特急からハナを奪いコーナーを回ります


「さすがです、ボーガンさん……」


ミホノブルボン追走、その後ろにはライスシャワー、そしてノーザンコンタクトがライスシャワーにピッタリくっついて並走
その一歩後ろをマチカネタンホイザが追走します
やはりこの四人! この四人です!
ミホノブルボンのハナをコーエイボーガンが、その後ろをライスシャワー、マチカネタンホイザが、ノーザンコンタクトが追う

二冠馬には、ミホノブルボンには負けない
それが菊花賞に勝つ手段だと言うように、レースが展開されます!
菊花賞3000M序盤戦から激しい戦いです!
521 : ダンナ   2025/05/07 11:50:58 ID:vZFiy8/1SM
 『ち、 ハナは奪えないか』
🏹「はー、はーっ、よかった、ボーガンよくやったぞ。 これでやっと同じ土俵だ」
🌸「でもこれ結構消耗戦じゃない? ペースも自然に早くなるし後ろのプレッシャー考えたらペース落として一息入れられないでしょ」
🏹「…………まあ、普通はそうですね。 でもあの子は――そういうの得意なんです」

――さあ、レースを引っ張るのはコーエイボーガン! 1000Mを通過、タイムは
――タイムは1分ジャスト、3000Mとしてはハイペースです。 ミホノブルボン大丈夫か、ミホノブルボン、未知の3000Mをこのペースで大丈夫か

 『…………1分』
🌸「かなり速いな、ここのタヌキ親父たちがにんまりしてそう」
🕷️「え? いや……あれ?」
🍚「1分きらないか、残念だ」
 『くそ、タヌキはこの親父どもじゃなくあのロリ巨乳か!』
🏹「騙しては居ないんですよ、あの子ハナきると、ほんと自然にスローペースにできちゃうんです。 だから400までは超超ハイペースで、あとは自然にゆっくりゆっくり――きっと後ろ全員が気づく頃には、ね?」
522 : トレ公   2025/05/07 11:57:18 ID:vZFiy8/1SM
ふーっ、ふーっ

息を整えろ、走りながら、ペースを下げずに息をつけ
息がつける速度まではほんの少し、ほんの少し、身体がびっくりしないように
しっかり、じっくり、ハナを維持しながら、しっかり

――ブルボンさんの圧がすごい
――でも、私の真後ろで追い抜きはしない
――大丈夫、息をついて、最後まで走れば勝てる


「…………ペースは、最初以外は遅いです。」

とはいえブルボンが追い抜きをかけようとレーンを変えるとライスシャワー、ノーザンコンタクトの進路を塞ぐ可能性もある
ミホノブルボンはじわじわとペースを上げ、コーエイボーガンを"つつく"
しかし、息を入れたコーエイボーガンはペースを上げない、むしろスローにスローに、ミホノブルボン以外が気付けないほど、ほんの少しづつペースを落とす
違和感すら与えないそのペースに巻き込まれる
ミホノブルボンは気づいている、自身の体内時計がこのペースがコンマ秒レベルでゆっくりとスロースローになっていく。
しかし、そのせいで、ライスシャワー、ノーザンコンタクトとの距離が近い。

――追い抜くべきなのに、進路を変えられない
523 : アンタ   2025/05/07 12:01:33 ID:vZFiy8/1SM
🕷️「1800Mで1分54秒!?」
🍚「ああああライスちゃん気づいて!気づいて!」
🌻「いやでも、そんなペースを落としてたならブルボンさんが抜いてるんじゃ?」
 『ペースが遅いことに気づいても、コンタクトとライスシャワーとの距離がちかすぎて進路変更できねーんですよ、ああやって何度もボーガンつっついてるからブルボンは気づいてるんです』
🏹「そうだ、ゆっくりだ、ペースが一定だハイペースだと思わせてゆっくりなんだ」
🕷️「ああああ気づいてタンホイザちゃん!タンホイザちゃん気づいて!」
👁️「お嬢様、お嬢様!」
524 : アネゴ   2025/05/07 12:06:16 ID:vZFiy8/1SM
「…………ふん」

――おっとノーザンコンタクトが少し下がる。 ストレートで先頭集団はやや縦長の展開か?

――横が空いた

ミホノブルボンは素早く外に進路を変え、じわじわとコーエイボーガンに詰める
そのタイミングでコーエイボーガンもペースをミホノブルボンに合わせ、抜かせないギリギリで速度を保つ

――ハナは譲りません。 ここまで、1800Mまでで十分息はつかせてもらいました、ブルボンさん!

――おっとここでミホノブルボンが早くも競りかける。 しかしコーエイボーガン譲らない、バックストレートで先頭を奪い合う動き。
第三コーナーを前に早くも動きがあります菊花賞。
後続も先頭集団との距離を詰めますが先頭の競り合いでペースがまた上がっていきます
525 : トレーナー君   2025/05/07 12:10:00 ID:vZFiy8/1SM
 『コンタクトがしかけやがったな』
🌻「コンタクトが下がったアレ、まさかブルボンに行けって事?」
 『多分な、ペースダウンに気づいたコンタクトがミホノブルボンの進路を確保させるために下がったんだろ、こうして!バックストレートで! 競り合わせる!ためにっ!くそっ、あの腹黒お嬢が!』
👁️「戦術も完璧でございます、全身筋肉のお嬢様は全身が脳で皆様より賢い!」
🌸「いやそれは脳も筋肉じゃねえかな」
🕷️「んふふ、でも行くしか無いもんねブルボンちゃんは」
🍚「うんうん――これは本当に最高の展開だよ。さあ、ここからはライスが主役だ!」
526 : 相棒   2025/05/07 12:16:05 ID:vZFiy8/1SM
第三コーナーでライスシャワーがペースを上げる。
今までの付いてくためのペースアップではなく――先頭を捉えるためのペースアップ

「坂道は――小柄なライスだって、得意なんだ。」

京都のバックストレートの坂を登り、三角四角の下りへと向かう。
ライスシャワーのペースアップに、先頭集団が反応し、全員のギアがあがっていく

「えい、えい――むん、まけ、ない、ぞッ」
「うふふ、今日は前がこんなにすくない――全員ごぼう抜きですわ」
「ライスだって、ライスだって――輝くんだ――ブルボンさんに、勝つんだ!」

――先頭はまだ私なんだ
――絶対に譲らない、この先頭はまだ私のものだ


――さあ、ライスシャワーがミホノブルボンに並びかける。
――第三コーナーコーエイボーガンにミホノブルボンとライスシャワーが競りかける、並ぶ、並ぶ、並ぶ!!

――しかしコーエイボーガン譲らない。 3コーナーから早くもスパート! 最後の力で淀の下りを駆け下りる!!
527 : 大将   2025/05/07 12:18:46 ID:vZFiy8/1SM
🏹「ボーガン!ボーガン! 頑張れ!お前のペースでずっと走れたんだ!
 頑張れ!お前は菊花賞でも勝てるんだ!!!」
🍚「ライス! ブルボンさんに勝つんだろう? そこで勝ちを掴むんだ!」
👁️「お嬢様!お嬢様!」
 『…………』
🕷️「…………ブルボンは、コーナー得意じゃないもんね、タンホイザもあんなには得意じゃない」
 『はい、京都の直線で、勝負です』

🕷️「…………できる? タンホイザちゃんやライスちゃん相手に。 これ3000Mだよ」
528 : 大将   2025/05/07 12:24:17 ID:vZFiy8/1SM
コーエイボーガンの顎があがる。
表情も脚どりも一杯なのに――それでも絶対にハナは譲らない
スパートをかけたライスシャワーに競りかけられても譲らない
しかし――京都の長い4角で


「ライスは、負けないんだ!」

――ライスシャワー、第四コーナー最後で先頭か、コーエイボーガンはいっぱい
――ライスシャワーミホノブルボンが先頭!いやライスシャワーか!!
――ああっと大外まわってきたのはヤマニンキセキ! 大きく回ったヤマニンキセキが直線で先頭集団に襲いかかる!
その間から伸びてくるマチカネタンホイザ、ノーザンコンタクト!

最終直線は6人の叩き合い
コーエイボーガン苦しいか、まだ追いすがる
先頭はわずかにミホノブルボン、差がなくライスシャワー
大外はヤマニンキセキ! その間はマチカネタンホイザとノーザンコンタクト!!

マチカネタンホイザの脚がいい!先頭に並ぶか
529 : トレーナーさま   2025/05/07 12:28:05 ID:vZFiy8/1SM
――苦しい、苦しい、苦しい!
心臓が張り裂けそうで
肺がいくら呼吸をしても満たされない
意識すら飛びそうなほど

ライスさんに並ばれて――後ろの足音はマチカネタンホイザさん
マスター
マスター、苦しいです
3000Mは、苦しいです。マスター
はじめて――抜かれます。 負けてしまいます

――ミホノブルボンも限界か、ここでライスシャワーが先頭、わずか先頭はライスシャワー! その外から競りかけるマチカネタンホイザ!
更に外からノーザンコンタクト! 大外ヤマニンキセキも追走する!
ライスシャワー、マチカネタンホイザ、ライスシャワーが先頭だ!
530 : モルモット君   2025/05/07 12:31:40 ID:vZFiy8/1SM
苦しい
辛い
脚を、止めたくなる
ああ、もう負けてしまったのか
――私は、マスターとの約束を

「やああああっ!勝つんだ、勝つんだ!」
「むん! むううううんっ!」
「負けませんわ、負けませんわブルボンさんには!」


――私は、もう抜かれてるのに
――気づいてない
――みなさんも、限界で、もう、誰が一位かわかってなくて


――私は、勝手に諦めてた
――このレースは、菊花賞は、みんなが必死なのに
――頑張らなくては
――最後まで、最後まで
531 : トレーナー   2025/05/07 12:35:38 ID:vZFiy8/1SM
――先頭はライスシャワーか、マチカネタンホイザか!
――いやその間を押しのけるようにミホノブルボン!!ミホノブルボンが再度のびてくる!!!
――ダービーで、セントライトの直線のようにミホノブルボン再始動!!
――並ぶ、並ぶ、並んだ! ミホノブルボンライスシャワー、マチカネタンホイザ!!
――離れて外からノーザンコンタクト突っ込んでくるが先頭3人、3人完全に横一線!!

「ブルボン――さんっ、負けない、勝つのはライス、なんだああッ!!」
「私の、脚は――マスターの脚です! 負けません―――っ!!」
「まけない、まけない、今日は、がんばる、がんばるん、だっ――っ」


――――

『――――――――』
532 : 使い魔   2025/05/07 12:43:59 ID:vZFiy8/1SM
――完全に横一線でゴールイン!
――ミホノブルボン、マチカネタンホイザ、ライスシャワーの壮絶な、壮絶なデッドヒート!!! 一歩とどかず、ヤマニンキセキ、ノーザンコンタクト!
そしてコーエイボーガンが惜しくも入着ならず

――一着は…………写真判定です、写真判定となります!!!


『……誰が勝った?』
🕷️「タンホイザちゃん、タンホイザちゃんだよ……あんなに必死に走ったんだもん……タンホイザちゃんだよお……」
🍚「…………ながくない?写真判定でこんな長いこと有る?」
 『……ああ、くそ。 神様や仏様なんて信じちゃいない、信じちゃいないけど――勝たせてくれ、勝たせてくれ。』


――URA審査委員会です。
――写真判定の結果が遅れたこと深くお詫びし、その理由を説明致します。
――写真判定の結果がスクリーンに出ます

 『……わかんねえよ!写真判定でも横一線かよ』
🕷️「いや、これミリでタンホイザちゃん勝ってるよ、絶対そうだよ」
🍚「……これ同着だったりする?」

――スクリーンでご覧の通り写真だけでは1着の判断ができず
――この写真を拡大し精密にAI処理もふくめ精査した結果
――着差1cmの差で

――1着、ミホノブルボン
――2着、ライスシャワー・マチカネタンホイザと確定致しました
533 : お兄ちゃん   2025/05/07 12:50:40 ID:vZFiy8/1SM
―――わあああああああああああああっ!!!

「ねえ、ライスさん。 ブルボンさん」
「……はあ、はあ、な、な、なにかな、タンホイザ、さん」
「なんかすごい騒いでるけど、誰が勝ったのかな?」
「……あはは、ライスわかんないや。 ゴールしたのも、わかんなかった」
「ゴールの瞬間、マスターの、声が聞こえました」
「え?」

「聞こえないはずのマスターの声が聞こえました。
頑張れ、とか負けるな――ではなく
ただ一言
――止まるな
ずっと、大坂路で言われてた言葉が、聞こえました。」

「……そう、なんだ、マスターさんの声かあ」
「ねえ、これ、ブルボンさんコールじゃない?」


――ブールボン!!――ブールボン!

「まけちゃった、かな」
「かもね、三冠おめでとう、ブルボンさん。 ねね」


「次は、まけないから」
「うん、ライスも、負けない。次は、ブルボンさんに勝つんだ」

「なにしてますの? ブルボンさん貴方の勝ちですわよ
――勝者は、観客に答えないと」

「ノーザンコンタクトさん……」

「負けましたわ、さすがあーしの生涯のライバルですわね!
ライスシャワーさんもマチカネタンホイザさんも、これからずっとライバルですわ。次はけちょんけちょんにしてみせますわよ!」

「……強いなあこの人」
「あはは、そうだね」
534 : トレぴっぴ   2025/05/07 12:56:16 ID:vZFiy8/1SM
『ブルボン!』

「……戻りました、マスター」

『いいから、先に脚を出せ』

「いいえ、マスター。 大丈夫です。
私は、勝ちました。
マスターの作り上げた脚で、三冠を獲りました。
ですから――マスター。
先にハグをして、撫でてください。
貴方のミホノブルボンは、三冠ウマ娘になりました」


『――ッ、ほんとに、本当に、本当によくやった!
さいっこーだ、お前本当に、最高だよ、ブルボン! あんなすごいレースを
最後に抜き返して、ほんの1cmでもあんなすごい奴らに勝ってさ』

「――いいえ、ゴールの瞬間。 私の脚は止まってました。
限界でした。 完全にとまっていて、きっと1cm以上の差で、ライスさんとタンホイザさんに負けてました」

「ですが、声が聞こえました――止まるな、と。 マスターが怒鳴ってる声が聞こえました。
その声で、自然に脚が動きました――ですから」


――ぎゅうっと、ミホノブルボンがトレーナーを抱きしめる


「あの1cmは、マスターがくれた1cmです。マスターが私に、菊花賞を――三冠をくれました。マスター」
535 : トレ公   2025/05/07 13:03:39 ID:vZFiy8/1SM
『……あれ、マチタントレとライストレは?』
🌻「先に帰るって」
『……そうですか。
 あれ、フラワーちゃんは?』
🌻「自主トレだってさ、来週エリ女だから。 今日のレース見て火がついちゃった、みたい。」
『すごいレース、だったなあ……まだブルボンが勝てたの夢みたいですよ』
🌸「マチタンとライスに完全に抜かれてたのにあそこから差し返すってどうなんよありゃチートだよチート、やばいって」
🌻「号外でてるってさ、URAで号外って初めてじゃないの?」
『なんか、すごいとこ言っちゃったんですねブルボンって』
536 : お姉ちゃん   2025/05/07 13:06:50 ID:vZFiy8/1SM
🏹「……ごめんなさい、負けて、入着もできなくて」

――すっげーーー!!ボーガンさんすごいじゃん!
――あんなすごいレースで最後の最後まで粘ってさ
――ブルボンあんなに苦しめたのってボーガンさんが前奪ってたからだよね
――サイボーグの時計を狂わせた魔法使いってみんな言ってるよ
――よっ、栗東の魔法使いっ!

🏹「え、あ、はいっ? 」

――次、どこ走るの?
――ねえねえ今度並走してよ、私も、私も
537 : キミ   2025/05/07 13:10:01 ID:vZFiy8/1SM
👁️「……爺」
 「はい、お嬢様」
👁️「負けましたわ」
 「……はい、お嬢様」
👁️「ミホノブルボンさんだけでなくマチカネタンホイザさんにもライスシャワーさんにもヤマニンキセキさんにも負けましたわ、5着ですわ」
 「はい、お嬢様」
👁️「ねえ、爺」
 「はい」
👁️「今日のレース、どうでした?」
 「……負けはしました。ですが――このレースはURA史上最高の激戦でございました」
👁️「ならばヨシ! 次回も最高のレースにして次こそ勝つわよ、爺!」
 「はい、お嬢様」
538 : お姉さま   2025/05/07 13:13:41 ID:vZFiy8/1SM
✪「お前はもうすこし悔しいとかへこたれるべきだ」
👁️「ッはあ? なんでですのなんでですの!? すっごいレースだったじゃありませんのわたくし自室で10回はリピりましたわ!」
✪「そんなんじゃ次も勝てないぞ?」
👁️「はあ? 勝つに決まってますわ!というか次負けても勝つまで続ければいいじゃありませんの。 はーもう、おじさま、牛丼おかわりですわ」
✪「お前本当にメンタルだけは最強だな」
539 : モルモット君   2025/05/07 13:18:32 ID:vZFiy8/1SM
🕷️「負けちゃったね」
🍚「……うん、ブルボンさん、すごかったね」
🕷️「えー、私はー?」
🍚「ひぇうっ? も、勿論タンホイザさんも、凄かった……」
🕷️「えへへ、ライスさんもすごかったよ、最後負けちゃうって思った」
🍚「うん、悔しいなあ……悔しいなあ……今日は、勝てるっておもったのになあ」
🕷️「私ね、負けても別になんも思ってなかったしレースでそんなに必死になったこと、なかったかもなーっておもったんだー」
🍚「えっ、そう、なの?」
🕷️「うん、私はあんまし目立たない普通っぽい子だし、マイペースに生きてれば良いことあるかなーって
でもね――今日は必死だったし――正直、悔しかった」
🍚「うん……うん……!ライスくやしい、くやしいよ!」
🕷️「つぎは勝つぞー!!えいえい、むん!」
🍚「勝つぞ―、おー!えい、えい、むーん!」
540 : トレーナー   2025/05/07 13:28:24 ID:vZFiy8/1SM
――快挙ッ!!! ブルトレくん無敗の三冠ウマ娘おめでとう!!
――なにより自発的に記者たちを焚き付け、今年の菊花賞を一大ムーブメントとしURAを社会に大きくアピールした! 
――連日報道では三冠ウマ娘への称賛だけでなく、そこで戦った菊花賞メンバーの称賛が断たない!
――友情!共闘! 勝利ッ!! 三冠ウマ娘ならびにURAへの多大な貢献を認め、君たちにプレゼントを用意させてもらった!
――もっというとこのまま学園にいるとパパラッチとか生徒へのインタビューとか職員への質問とか色々面倒なので君たちには少し雲隠れをしてもらいたい!!



 『――って、事で、理事長から旅行券いただいたぞブルボン。』
🤖「旅行、ですか」
 『そう、南の島7泊だってさ、ホテルにはちゃんと日本スタッフいて安心、施設内利用料全部込おサイフ無用リゾートだって』
🤖「つまり、マスターとの新婚旅行ですか?」
 『うん結婚してないね』
🤖「婚前旅行ですね」
 『違うね。 3人までだから親御さんとブルボンの3人で言ってほしいなって』


「あっはっは、良いじゃないか海外旅行。 マスターくんもこれから三冠トレーナーとして一気に忙しくなるんだろう? 最後にブルボンと楽しんできなさい」

「そうですよ、マスターさんブルボンをよろしくお願いしますね♪」


ブルボンパパと――海外から帰国してたブルボンママはにこやかに旅行チケットを押し付ける.
お土産はお酒がいいだとか海外のあれこれを伝授するだとか
しかし両親の目は笑っていない
――ここでブルボンとあれこれしてもらおうね
そう言っている
541 : モルモット君   2025/05/07 13:38:41 ID:vZFiy8/1SM
『しっかしすげーなセレブの旅行って
飲食どころか全施設なに使ってもなに食っても無料なんだろ?
まあ、セレブはがっついたり元取ろうとかおもわないんだろうけどさ
庶民には想像できねえわ』

🤖「ウマ娘がたくさん食べてもいいのでしょうか」

『いいらしい、ウマ娘専用でご満足頂けるよう大量に準備してるとことかもあるらしい、施設内のコンビニも全部無料ってどうなってんだよ……』

🤖「すごい世界ですね。 南の島」

『まあ色々準備しようよ』

🤖「ところでマスター――水着は何色がいいでしょうか? 
 ビキニ、競泳、ワンピースなどお好みのデザインとカラーを教えて下さい」

『言うわけ無いんだよなあ教え子相手に男の性癖なんか言えるわけ無いんだよなあ』

🤖「マスター」

――ぎゅー

🤖「私は三冠ウマ娘です。 マスターの言う通り頑張りました
大坂路を4本毎日毎日頑張りました。 頑張ったことでマスターのご褒美が会ってもいいと思いますマスター
恥ずかしくありません、大好きな人の好きな事を知りたいだけですマスター」

『はなせー!俺は負けない、負けないぞーどんないい匂いしても柔らかで眠くなっても負けないんだ』


――黒の上品なビキニとお腹の空いたクロスのワンピース赤をご用意して頂くことになった
542 : トレ公   2025/05/07 13:43:27 ID:vZFiy8/1SM
🤖「マスターはこういうのが好きなのですね、ふーん、ほーん、へー」

 『やめなよおおロボットエミュ切ってまで俺の趣味をへーんほーんいうなよおおお!! 耳に息かけるのは反則じゃんもおおおおお!!』

🤖「ところで、私がマスターの水着をリクエストするのはいいのでしょうか?」

 『女が好む水着ってどんなの? まさかもっこりでちゃうブーメランとか言わないよな?』

🤖「それも捨てがたいですがサーファートランクスが好きです。 ちょっとケミカルな花がらのような細かい模様のはいったアレです」

 『ハワイ!みたいなやつ?』

🤖「はい、それの黄色やオレンジとかがいいです」

 『たしかそんなのあったような気がするな。 まってろ――水着、水着、と』

🤖「……ステータス、わくわく」

 『お、あったあった。これかな? おい、こんなのどうだ?』

🤖「わかりませんマスター、ここはやはりここで履いて頂かないと。
 水着ショーを要望しますマスター」
543 : アナタ   2025/05/07 13:49:59 ID:vZFiy8/1SM
菊花賞おしまい

真冬ですが南半球の南国にバカンスです
チーム菊花賞でバカンスにいかせるか迷ったのですがブルボンへのご褒美にトレーナーと二人でいかせることにしました
一瞬、身の危険を回避するためにトレーナーが3人目にライトハローさんを呼ぶという愚行を考えましたが、「安易なハーレムかよunkが」と言われるのを避けるため回避しました。ご了承ください

なお、史実でもミホノブルボンはライスシャワーに捕まりマチカネタンホイザにかわされてますがそこから差し替えしてハナ差2着でありレコードを更新してます。
ハイペースで狂ったならばこのタイムで走りきれないのでシンプルにキョウエイボーガン関係なくライスシャワーが強かったんだろうなと思ってます
ボーガンちゃんはこの後もレースに頑張ります
小柄でおっとりめのデカπピンク髪おねえさんっていいよね運営実装して
544 : 相棒   2025/05/07 13:54:31 ID:vZFiy8/1SM
追記
大きな話としてはおしまいです
ここからは話としても完全な蛇足、もしくは本当に完全なパラレルが多くなります
殆どが"だそく"ぐらいの感覚になります
ここまでご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました
545 : モルモット君   2025/05/07 14:17:58 ID:7TmSgQgzIU
滅茶苦茶面白かったです!マスターのその後が気になる…
546 : 貴方   2025/05/07 21:22:17 ID:vZFiy8/1SM
だそく

👁️「ブルボンさん、ブルトレさんと付き合ってないってマジですの?」
🤖「はい、まだ恋人同士の関係ではありません」
👁️「でも、トレーナーのアパートに行くことが有るって聞きましたわよ? 何をしてますの? もっとこう――ショッピングとかカラオケとか神社でおみくじとかあるのではなくて?」
🤖「ハグをしてます」
👁️「ハグ」
🤖「ずっとトレーナーに後ろからぎゅっとされて1日を過ごします
 時々私がトレーナーを後ろから抱きしめます。
 そのまま色々なおしゃべりを行いリフレッシュします」
👁️「……もうそれ恋人同士の行動ですわよブルボンさん」
547 : トレーナーちゃん   2025/05/09 11:29:10 ID:/eg5JQArCU
>>1です
すいませんGWが終わりいそがしくなたので毎日更新は難しいです
ただこの後もバカンスや存在しないシニアや三冠セレモニーなど、いくつか話はありますのでよろしくお願いします
548 : 相棒   2025/05/09 11:58:17 ID:NDvoxFumZ6
>>547
完走するまで完走しろ

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