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SS:はっ、必死に努力し続けたら誰でも三冠ウマ娘になれるってか?
1 :
お前
2025/04/12 04:23:15
ID:P/2vHxlbPE
・独自解釈独自設定を含みます。おおらかな人だけどうぞ
・細かい部分が気になる方はこの先はご覧にならない事をお勧めします
彼はそう笑った
傑作だというように、私を嘲るように
そして続けた
――そんなんでなれるわけねえのは、お前が一番分かってンじゃねえのか?
――ココの連中はみんなみーんな、お前のいう一生懸命な努力をずぅっとずぅっと続けてるぜ?
――で、その結果そいつらはG1はもちろん、メイクデビューも未勝利戦も勝てねえのが半数ってとこだ、そいつらは一生懸命努力してなかったのか?
彼は睨むように、でもまっすぐに私を見ていた
私は答えた
「それでも――私は三冠ウマ娘になります」
2 :
使い魔
2025/04/12 04:28:20
ID:P/2vHxlbPE
――短距離路線を受け入れられないなら君とは契約を続けられない
たったそれだけで彼女、ミホノブルボンは契約を解除された
三冠ウマ娘になりたい。 それだけを目標に彼女はトレセン学園に入学した
入学前にはトレーナーだった父の指導のもとずっと厳しいトレーニングをつづけていた。
多少は自信もあった。メイクデビューではない、三冠ウマ娘になれるという方の自信だ――しかし現実はその自信をいとも容易く砕いた。
ブルボンの特性は短距離であるのは幼少期からわかっていた。それでも、その短距離ですらブルボンは学園内で"並"かそれ以下の評価でしかなかった。
淡々と状況を理解し次の方法を模索するブルボンですら多少は落ち込んでしまうほどに
3 :
トレ公
2025/04/12 04:32:54
ID:P/2vHxlbPE
さらに、トレーナーから短距離路線に今から絞る事を求められた。
トレーナーの判断は正しい、短距離路線ですら今の実力、タイムではメイクデビューで勝てる率は限りなく低く、掲示板に入れたら十分褒められる程度だ。
それでも、ミホノブルボンはそれを受け入れなかった。
彼女にとっての夢は三冠ウマ娘でありそれは大好きな父がその偉大さを教えてくれたからだ。 自分にとってこのトレセンの全ては三冠ウマ娘になることであってメイクデビュー前から路線変更など考えたくもなかった。
しかし、トレーナーはあっさりと契約を打ち切った。
「……」
ステータス、悲しみ……ステータス……落ち込み……ステータス……
4 :
ダンナ
2025/04/12 04:38:10
ID:P/2vHxlbPE
彼女は気づく、自分は迷子になってしまったのか
トレセン学園はあまりに拾い。 これだけのウマ娘を抱えられるトレーニング場を準備するだけでこの学園一つが一つの小さな町のようだ
その町の疎外地……要は誰もこなさそうなとこまでトボトボ、ふらふらと歩いてしまっていたのだろう。 ここがどこなのかわからなくなる
ブルボンの視界の先には未整備のトラック場がいくつか。
雑草があり石ころが転がり、練習場ではなく今はただの空き地のようで
そして―――
―――なぜか一つの小さな小さなトレーニング場だけに山のように土が盛られている。
――土を保管しておくばしょだろうか
「なんだ、お前」
5 :
トレーナー
2025/04/12 04:43:53
ID:P/2vHxlbPE
『なんだ、お前』
手に持ったシャベル・赤茶色の土まみれの作業着。 軍手、手ぬぐいを頭に巻いて、顔にも土が沢山こびりついている。
背は低い、声も殆ど声変わりしてないが男性だろう。ひたすら目つきの悪い若い男が迷い込んだミホノブルボンを睨むように見ていた。
「あの、私は」
『ここらは危ねえぞ? 空き地だったり何かを放っておいたりするトコだかんな。』
『ここで勝手な自主トレとかすんなよ? マジでココ危ねえしここらでの自主トレ禁止だかんな』
「そうなのですか? いくつかトラックがありますが」
『こんな石だらけ、未整備の硬い硬いとこでトレーニングなんかしてみろ、1日で足が壊れる。 壊れなくても2日め3日め――爆弾爆発まで引き伸ばすだけだ。』
やめとけやめとけ、と男は手を振った
6 :
大将
2025/04/12 04:49:47
ID:P/2vHxlbPE
「詳しいのですね。」『当たり前だ、トレーナーだからな』
ミホノブルボンは少々驚いた、とはいえ彼女の表情は全然変わることがないが
感情はあり考えたり喜んだり悲しんだりはあっても彼女はほとんど表情に出ない。態度にも出ないが、自称トレーナーを名乗る男は言葉を止めしばらく固まる彼女を見て
「……あーそっか、このカッコじゃただの作業員だよな、悪ィ悪ィ」
「でもま、俺は所謂底辺な零細トレーナーでな、担当ウマ娘なんかいやしねえし今日もこうして土を盛るわけだ」
『土を? ……これは、なんですか?』
彼女は大量に盛られた土を見て問いかけた。 遠目から見ればただただ大量に土を山のように盛った土山にしか見えない
『―――これか? これは何に見える?』
若い男はにやっと、逆にミホノブルボンに問いかけた。
7 :
アナタ
2025/04/12 04:57:02
ID:P/2vHxlbPE
「私には……山、に見えます。土でできた山です」
『おーそっかそっかあ、山ね。うんうんいいないいな……じゃあちょっと山を見てみるか』
男はミホノブルボンについてくるように目配せし、そのトレーニング場に向かう。
このトレーニング場だけ大きい――1周 6ハロンだろうか。
山はその直線に盛られていた。
直線だけに、容赦なく山のように
『で、これ――何に見える?』
「…………壁、です。 巨大な壁」
ミホノブルボンは思った事をそのまま言った。
厳密には山なので傾斜がついて直線をつくっている
ありえないほどの高低差のついた――坂だ
『アッハッハッハッハ、いいな、その反応とそのたとえ! こっちが欲しい反応をそのままくれるじゃんお前』
男は愉快そうに笑う。そしてにやりと笑いながらブルボンに向いた
8 :
お兄ちゃん
2025/04/12 05:07:39
ID:P/2vHxlbPE
男は愉快そうに笑う。そしてにやりと笑いながらブルボンに向いた
「長さは気に入らないが勾配は4%以上、直線の高低差30m以上。
――最高にキツい"坂路"だ」
壁、ではなく坂
直線にだけこれがあるせいでゴールであろう頂点からはゆっくりと下り坂でようやくそれが終わったと思えばもうこの直線。 つまりこの坂だ。
『お前、そのトモだとまだメイクデビュー前か? いきなりこれを登れとは言わねえよ。 中山競馬場の最終勾配ですら2.24% これの半分だからな』
男は坂の頂上を見つめながら、夕日に少し目を細める
『これなら同じトレーニング量でも確実に心肺能力がつく、しかも足への負担がかからねえ。 これが最強のトレーニング……なんだが』
男は締まらない顔で肩をすくめる
『いかんせん俺みたいな実績もないトレーナーの理論言い分なんか相手にもされなくてなあ、土を運んでもらって、重機でならしてもらうだけありがてえ。 あとは』
9 :
貴様
2025/04/12 05:14:09
ID:P/2vHxlbPE
『"これ"だ』
男はシャベルを持ち上げ肩に担ぐ。本来、重機でやるコースの地均しを手作業でやるという
『盛ってもらえば手作業で全部坂路作って、まあローラーだけはどうしても理事長にしてもらっちゃいるが、ここまで好き勝手やらせてもらってるならありがてえってもんだな』
「ずっと、このトレーニング場……坂路トレーニング場を作っていると?」
『ああそうだ。これが認められればウマ娘の能力だけじゃなく確実に故障が減る。』
「故障? 坂路は足への負担が減るのですか?」
『そりゃな、まずスピードが出ない。 ウマ娘ってのはヒトミミより圧倒的に筋力が高い、スピードも加速も車みたいなもんだからな。』
『だがな、その反面――関節や骨みたいなとこは実は筋肉ほど極端な違いはないんだ』
10 :
トレーナーさん
2025/04/12 05:22:05
ID:P/2vHxlbPE
『とんでもないスピードで走って、その蹴った足はそのスピード……つまりエネルギーと衝撃を全部受けながら前で接地する……そこにかかる負担やダメージがえげつないのぐらい想像できるだろ?』
「坂路なら、スピードが落ちる分その負担が減ると?」
『そうだ、坂路イコールスピードが落ちるってすぐ出てきたのは大したもんだ。
勿論負担はそこそこに掛けなきゃいけない。 トレーニングってのは筋肉を痛めつけて超回復で筋肉を太くする。 そこはヒトミミもウマミミも一緒だ。 脚への負担を減らすためにスピードを落としたらなーんの意味もねえ』
「坂路であれば、全力でトレーニングをして負担を平地より増やしつつ脚への負担を減らせるわけですね」
『そゆこと、そもそもひたすら走ってるだけ、筋トレだけ、頑張るだけのトレーニングなんかなんの意味もねえよ』
男はトレーナーにあるまじき発言のような言葉を口にする
「一生懸命に努力して頑張るのは……無意味でしょうか?」
11 :
トレーナーさま
2025/04/12 05:26:09
ID:P/2vHxlbPE
「一生懸命に努力して頑張るのは……無意味でしょうか?」
『あ? 』
「私は――三冠ウマ娘になります。 そのために今までずっと、努力して頑張ってきました。 幼い時からずっとずっと、父とトレーニングをしてきました」
『……で、三冠ウマ娘になれそうか?お前』
男はまっすぐに問いかける。 ミホノブルボンは首を横にふって
「いいえ、今の私では無理です。ですが、もっと努力をして、頑張ります」
『はっ、そんなんで三冠ウマ娘になれるなら世の中みーんな三冠ウマ娘ばっかだぞ?まさかお前頑張ってるのは自分だけだとでもおもってんのか?』
彼はそう笑った
傑作だというように、私を嘲るように
12 :
あなた
2025/04/12 05:31:47
ID:P/2vHxlbPE
「…………」
『俺はな、お前が最初"駆け込み寺"にきた奴かと思ったんだよ』
「駆け込み寺? それはなんですか?」
『…………』
苦いものを飲んだかのような男の顔。 今までの少し軽薄な男の顔とは少し違う
『なあ、トレセン学園で"1勝"できる割合って知ってるか?
未勝利でも良い。 勿論メイクデビューでもいい。 中央にきてたった一回……
一回でも、"センターに立てる"確率』だ
「……50%ほどでしょうか」
『35%だ。 メイクデビューから夏の未勝利戦線が終わるまでに勝てるのは50%ぐらいかもだがな』
「??」
13 :
アンタ
2025/04/12 05:37:20
ID:P/2vHxlbPE
「メイクデビューも未勝利も同じ1勝というならば50%が勝てる可能性があるなら35%というのは低すぎます。計算が合いません」
『ああ、そうだ――だってその前に入学した30%以上がメイクデビューにも出れないからな。…………能力不足で地方にいくならまだいい。 この30%には沢山の故障者がいる。』
苦い何かを飲み下すような、そんな顔をして男は続けた
『勝てないから、トレーナーがつかないから、模擬レースで結果が出せないから、選抜レースで結果が出せないから』
『みんなそうやってオーバーワークを繰り返して――最悪一生走れなくなる。
地方に行くとか、競争ウマ娘としてじゃなく――歩くことすらできなくなるやつもいる……メイクデビュー前にココを去る30%の中にはそいつらがいて』
『メイクデビューを無事果たした70%のうち――1勝出来るのがその半分、35%ってとこだ。』
14 :
相棒
2025/04/12 05:43:20
ID:P/2vHxlbPE
『トレセン学園に入学できて、メイクデビューをして、人生競争にかけたんだから――1回は立ちたいよな、センター。
一回だけでいい。 人生をかけたもので主役になりたい。
最後にはな、こういう勝てない奴らはこう思うんだ』
――脚なんて壊れてもいいから、それでも私は強くなりたい
「っ……!!」
『学生時代の競争人生だ。 そこからだって十分やり直しが効く。
それでも、自分が人生かけた夢を一回掴みたいって思う奴らがいて
――ハードワークだとしても度外視で1勝を掴むために異常なスパルタをするトレーナーがいるってこった。』
「……それが"駆け込み寺"ですか」
『で、お前三冠ウマ娘になるって言ってたけどさ、この自分の人生、脚と引き換えに1勝ほしいですって奴らに勝てるのか?』
15 :
トレぴっぴ
2025/04/12 05:50:14
ID:P/2vHxlbPE
男はまっすぐ、ミホノブルボンに向き合う
男の背は低い、身長が160のミホノブルボンと殆ど変わらない。
それでもミホノブルボンが一歩だけ足を下げるほどの圧があった
『一生懸命結構。 努力も結構。 お気楽に手軽に勝てるやつなんてそういない。』
『でもな――努力すれば勝てる? 努力を増やしてもっと頑張れば三冠ウマ娘になれる? 嘘つけよ』
『ここにいる連中はみんな一生懸命に、必死に、命も人生も自分の脚もかけてやってるんだ』
『脚が折れたら三冠どころかレースも、トレーニングもできねえ。 脚が折れてでも、一生走れなくなってもいい……それでも大舞台に立てねえのが中央だぞ』
「……確かに、貴方の言うとおりです。 今の私には、無理です。
――ですが、一つだけ出来ることがあります
――この坂を、登り切ります」
16 :
トレ公
2025/04/12 05:54:10
ID:P/2vHxlbPE
『無理だ、やめとけやめとけ。 俺はお前を虐めたいわけでもねえし三冠路線をやめろって言ってるわけでもねえよ。 ただただ根性論でなんとか出来る話じゃねえってのを受け入れろって言ってんだ。』
ミホノブルボンはトモからモモ、ふくらはぎ、かかと、立ち位置も歩き方もどう見ても短距離型だ。
それでも三冠に固執してるのはなにか理由があるのかもしれないが、どういう方向でも"夢を掴もう"とすることには違いない。
それのために必死になるウマ娘をトレーナーが愛さないわけもないのだ。短距離であっても、三冠路線であっても。
――そうでなければ、トレーナーの時間もなにもかも掛けて、この坂路を作っていない
17 :
大将
2025/04/12 05:59:29
ID:P/2vHxlbPE
『この坂路はジュニアじゃさすがにいきなりで一本登り切るのすら無理だわ
基礎から鍛えて身体が出来上がってくる時期からじゃないとな』
4ハロンには届かぬ3ハロン600Mの直線
中山の大勾配の倍の坂路を全力で走り切るのには並ならぬ馬力と、それを全開で回し続ける心肺能力がいる。 メイクデビューもまだのジュニアがやれることではない
「やります。 ……修正します、"やれます"」
『っ』
「私は、この坂以上のものを知っています。だから、やれます」
『……好きにしろ。 まずアップしてこい』
18 :
トレぴっぴ
2025/04/12 06:04:31
ID:P/2vHxlbPE
言っても無駄。 実際にやってみれば痛感するだろう、この坂路はそんな生易しいものじゃない。 そんなただのいじめ、スパルタ、無意味に見えるものだからこそ、公の承認がおりずに一人でやっているのだ。
しつこいまでの陳情に理事長のお情けで土と運搬、盛るための重機を何回かにわけて手配してくれた。 盛り土をならせば理事長はローラーで乗り込んでくれた。
それ以外は全部自分で坂路を、何年もかけて作った。この無為に見えるものには――自分が人生をかけて良いだけの理由と根拠がある。
『直線前の4角からスタートだ。 坂路である直線はレースの最終直線と思え。 登りきったらゴールだ』
「オーダー了解しました。」
パァン
両手を叩く音と共にミホノブルボンが飛び出す。
19 :
トレピッピ
2025/04/12 06:09:05
ID:P/2vHxlbPE
上半身が強そうだ、トレーニングを一切怠ってないどころかかなりハードなトレーニングをしていたのは間違いない。 ジュニア期でそこまで集中してトレーニングをできるのは先程の話と矛盾はするが貴重なほう。 身体が出来上がってないウマ娘も多い、なにより脚や身体が丈夫でないとハードなトレーニングができない。
『だが……動きがガチガチだ、トモが強くなさそうなのに力がありそうってのは無駄な肉が多いんだろうな』
贅肉、ではない。 "無駄な"筋肉だ。 競争に必要な筋肉、身体を支える体幹、腕をふりきり胸を張る背筋……これらが必要以上にあるのだろう。
20 :
使い魔
2025/04/12 06:18:20
ID:P/2vHxlbPE
『まあ……やっぱ無理だろうなあ。』
4角からゴール地点に向かいながらミホノブルボンを見つめる。
坂路に差し掛かるとミホノブルボンの速度は一気に落ち込む。
「くっ、ぅっ……」
モモに、ふくらはぎに、足首に、アキレス腱に
まるでおもりがついたように重い。今までのトレーニングでは感じない重さを感じる。【登りきれない】という男の言葉の意味は、確かにわかる
――だが――ミホノブルボンには一つの大きな才能がある
『さすがに止めるか……お――』
大声でミホノブルボンを止めようとして、異変に気づく
確かにラストスパートとは思えない鈍足さ、正直力尽きて止まると思ったが
確実に、しかし倒れることなく、ゆっくりと
ミホノブルボンは坂を登る。 減速したきり、加速できない坂路を
『……いやおい、そんなノロノロが全力なのに、……まさかまさか』
男の広角が上がる。
根性論を否定し、一生懸命なのは皆そう。 だからそれだけじゃ意味がない
そういった男が見たものは
――幼少期から山でスパルタトレーニングをうけ、そして決して諦めず身体を動かし続けることを愚直に、愚直に繰り返したミホノブルボンが
止まってしまいそうな坂路を、それでも走ることをやめず。ノロノロと――確実に
自分がつくったこの壁のような坂路を登り続ける姿
21 :
使い魔
2025/04/12 06:24:03
ID:P/2vHxlbPE
――脚が重い
――それ以上に心臓が張り裂けそう
――肺が悲鳴を上げている
――心拍数、レッドゾーン危険。肺活量、レッドゾーン危険。
――それでも、私は
『もう少しだ……もう少し―――いけっ、ミホノブルボン!もうすぐゴールだ……頑張れっ、頑張れっ、頑張れっ!』
いつしか
男はミホノブルボンにそう叫んでいた。 アップでようやく自己紹介をした、さっき出会った並程度の才能しかない――努力と一生懸命だけで三冠ウマ娘になろうとしてたウマ娘の名前を、必死に叫ぶ
『いけえっ!ミホノブルボン!!』
「わたしは――」
―――視界がひらける。 その瞬間脚が空を駆けた気がした。
坂を登りきりゴールをした瞬間、レッドゾーンのままフル回転してた心臓が、肺が、からだが全力で悲鳴をあげた
22 :
トレーナーさん
2025/04/12 06:27:51
ID:P/2vHxlbPE
「全身、エラー……活動限界」
『――――止まるなっ!!!』
突然の怒鳴り声に、ミホノブルボンは閉じかけた目を開く。
脚が動かず前のめりに倒れそうになった身体にムチをうちギリギリで脚を一歩前にだし、踏みとどまる
『そのまま止まるな!ジョグでも無理なら歩いてでもいいからゆっくり歩きながらすすんで4角まで回ってこい!! いいか? 絶対止まるな、クールダウンしながら4角だぞ!!』
ミホノブルボンはもう返事もできず、歩くような速度でゆっくりと歩をすすめた
23 :
トレぴ
2025/04/12 06:35:52
ID:P/2vHxlbPE
『おいおいおいおいおい! お前なにもんだよ、あの坂路のぼりきっちまった』
「……いえ、あれはもう最後は走ってたというようなものでは」
『関係あるもんか、お前本当にすげえよミホノブルボン!最高に根性がある……それに一本でもアレを登り切るまで動けるのはほんとすげえんだって』
確かに遅い
しかしこの坂路トレーニングをするのに必要なのは最低限の馬力だ。 たった600Mのトレーニングとはいえ、それを途中で切り上げるのと最後まで登りきり、止まることなくクールダウンが出来るかは大きい。
「私は、山でくらしてました。 だから、勾配のある坂を走り回ってました」
だから、もう少しうまく走りきれると思ってました。 心臓が、破れそうでした。」
『ああ、普通は心肺に限界が来てどんなに頑張っても限界が来る。文字通り脚がとまってリタイヤだ。 本当によくやった。』
「あの、飯山トレーナー」
初めて男を……飯山と、トレーナーと呼ぶ
「このトレーニングは、心肺機能にも効果がありますか?」
『……ある』
24 :
お前
2025/04/12 06:43:29
ID:P/2vHxlbPE
「そう、ですか。 では――このトレーニングを続ければ、3000Mを走り切れますか?」
『……レースの3000M……菊花賞の話だよな?』
「はい、私は短距離適正なので菊花賞を走り切るスタミナが必要です。
スピードも、心肺機能もパワーもすべてが必要です。 これをつづければ――私はクラシックを戦い切れますか?」
『…………そりゃ無理だ――普通はな』
「普通は……ですか?」
『そりゃ心肺機能もつく、競争に必要なパワーもスピードもつく。それでも、短距離ウマ娘がクラシックまでに3000Mを走り切る心肺機能を得るのは難しい。』
「では、普通ではないやり方なら可能ですか」
飯塚はミホノブルボンを睨むように見る。
『可能じゃない、だが……不可能って話でもない。』
「では飯塚トレーナー、私と契約してください。 」
『いやいやいや待てよブルボン。 不可能じゃないけど出来るよって話じゃねえよ? そもそも……うーん……』
「脚を壊すか、壊れなければ走り切る心肺能力がつくかということでしょうか」
25 :
トレーナーちゃん
2025/04/12 06:47:55
ID:P/2vHxlbPE
『…………』
「トレーナー、私はずっと山でハードなトレーニングをしてきました。
トレーニング内容だけでいえばトレセン学園でのトレーニングよりずっとハードです。
だから……私はトレセン学園でも三冠ウマ娘として努力できる自信がありました。」
『……』
「でも、それでも私は"短距離なら並"のウマ娘でしかありませんでした。
それじゃダメなんです。 私は、三冠ウマ娘になりたい。
私は、丈夫さなら自信があります。 父とのトレーニングでも脚を壊したことはありません。」
『……この坂路はトレーニングで故障する馬鹿な根性論を減らすためのもんだ』
26 :
モルモット君
2025/04/12 06:51:45
ID:P/2vHxlbPE
『ウマ娘ってのは、走れば走るほど脚に負担がかかって故障する。
一度故障すればまた故障しやすくなる。 その脚をかばえば逆の足がぶっ壊れることもある。
でもな』
「……はい」
『ウマ娘が強くなるには、走るしかねえ。 だったら出来るだけ低負荷で最大効率のトレーニングが必要だ。
そしてそれの実績を、坂路トレーニングの実績をトレセン学園が認めてこの坂路トレーニングを一般化する必要がある。 勿論坂路のトレーニング場もトレセン学園にはある。タイム計測もあるが大した勾配じゃない。 タイムを取るには良いだろうがトレーニング効率はそんなでもない』
27 :
トレピッピ
2025/04/12 06:55:33
ID:P/2vHxlbPE
『俺は、実績が欲しい。 実績があればこれの脚部への安全性が認められる』
「……三冠ウマ娘は実績にはなりませんか?」
『そのためにブルボンを実験台にしろってか? 馬鹿言うな。 ウマ娘の脚砕いてまで認められたかねえよ』
「砕けません。 私の脚は強いです、スピードもスタミナもパワーも足りないですが……私の夢と身体はとてもとても丈夫です。」
『……』
「私は、トレーナーを信じます。 トレーナーも私を信じてください。」
「私は、必ずあなたのオーダーを完遂します。」
28 :
トレーナーちゃん
2025/04/12 06:59:17
ID:P/2vHxlbPE
『負けたよ、オーケーわかった。 お前を三冠ウマ娘にすりゃいいんだな?』
「はい、宜しくお願いしますトレーナー。」
『その代わり、俺のオーダーは絶対だぞ。 それ以下も、それ以上も許さねえ。
俺の指示以外の自主トレも禁止、食生活にも口出しをするけどいいな?』
「はい、わかりました。」
メシは絶対食え、トレーニングでメシが食えなくてもなんとしてもつっこめ
21時には就寝できるように風呂に入ること
それだけを指示し、翌日ミホノブルボンに尋ねる
29 :
マスター
2025/04/12 07:05:42
ID:P/2vHxlbPE
『昨日はメシちょっとは食えたか?』
「おはようございますマスター。 昨日の食事は人参ハンバーグが1kg コロッケが1kgと……」
『いやいやいやいやいやまってまってまって?』
「?」
『聞きたいことがもう複数あるんだけど、まずマスターってなに?』
「はい、私を管理しすべてにオーダーをいただく存在としてトレーナーの事を"マスター"と呼ぶことにしました。」
『……お、おう? で、メシ食えたの? そんなにいっぱい? なんで?』
「??? たくさん運動したらご飯がとても美味しかったので。食事制限をしたほうがいいでしょうか?」
『……嘘だろこいつ、あんだけ心肺限界まで回してメシ食えるのか?』
もちろん喜ばしいことだが競争能力以外の必要な事はすべてクリアしてる事になる
とても丈夫で、トレーニングで食欲が落ちず、愚直になにかをこなす
『……じゃあ、俺も覚悟決めますか。 んじゃ行こうか』
「どこにでしょうか?」
『もちろん――お前の親御さんとこだ』
30 :
相棒
2025/04/12 07:06:05
ID:P/2vHxlbPE
1話終了 2話は明日以降
31 :
お姉さま
2025/04/14 10:49:17
ID:eC0EMjgj5.
ほす
32 :
アンタ
2025/04/14 18:57:44
ID:hpHokQLCjk
ミホノブルボンと飯塚トレーナーは電車に揺られる
トレセン学園のある都市からかなり遠いそこに特急を使いさらに鈍行に乗り継ぐ
平野から山あいに景色が変わっていき
『嬉しそうだな、ブルボン。』
「はい。 学園に入学して以来父とは殆ど話もできてませんでした。」
『スマホがあるだろ。 親御さん厳しくてそういう電話も嫌がるのか?』
「否定します。 私の体質による問題でスマートフォンで父と通話が殆どできません。
通話をする時は他の生徒にお願いしてスマホを持ってもらう必要があります」
『?? なんでまたそんな面倒な事を』
「私は得意体質で電子機器に触れると壊してしまいます。」
やはり不思議そうな顔で眉を寄せるトレーナー
しかし車窓から見える山々を見つめるブルボンの表情に、細かいことはどうでもいいか。と話を忘れる。
33 :
トレ公
2025/04/14 19:04:23
ID:hpHokQLCjk
「マスター」
『そのマスターってのやめろ。 俺はトレーナーであってお前の御主人様でもなんでもないんだ。 お前の親御さんに娘がトレーナーにマスターなんて呼ばせてると思われてみろ。 契約だトレーナーだ担当だの話の前に殴り倒されるわ』
「否定します、マスター。 この呼び方はもう父も承諾済みです」
『……は?』
「昨日、食後寮室のフラワーさんにお願いして父と通話をしました。 その時に新しい担当トレーナーが決まったことと、その手腕から"マスター"と呼ばせて頂く事にしたと伝えました」
『お、おう……で、お父様はなんと?』
「なんと、とは?」
『いやその俺に対してなにかこう、ほら、苦情というかそのマスター呼びにたいして苦言というか』
「理解不能、父は頑張れと応援してくれました。マスター呼びに対しては特に言及はありません」
『…………なんかお前んち行くのこえーなーこえーなー』
34 :
アンタ
2025/04/14 19:13:38
ID:hpHokQLCjk
「マスター、私から質問があります」
『ん、なんだなんだ?』
「前のトレーナーは家族に挨拶はしませんでした
周囲でも担当契約を結んだことで家族に挨拶をするという話が私のメモリーにはありません。
担当契約を結ぶ際に"オヤゴサン"に挨拶をするという理由があるとは思えませえん」
『あー……』
トレーナーは電車の天井を仰ぐ。
何かを考えるように、一度車窓から景色を眺めて
ミホノブルボンの瞳をまっすぐ見つめる
『お前、どうやったら3000Mを走りきれると思う?
3000Mを走り切るなんて実は簡単なことなんだ』
35 :
使い魔
2025/04/14 19:20:32
ID:hpHokQLCjk
息を呑み、トレーナーの言葉の続きを待つ
トレーナーは意地悪なガキのような顔をして
『3000Mゆっくりマラソンで走れば良い。 ジョグでもいい。 そうすりゃ3000Mだろうが5000Mだろうがいくらでも走りきれる』
「……」
『もちろんビリッケツだ。
重要なのは"どうやったら1着になれるスピード"で、2000Mを、2400Mを、3000Mを、走りきれるか、だろ。 そもそもお前はスプリンターだ。 それに……そのスプリンターとしてもスピードは足りてない』
「…………はい」
『ないないないない、ないもの尽くし。才能ある奴らが必死こいて努力してそれでも届かないG1、しかも人生一度きりのクラシック三冠を全部勝つための能力
それはスタミナだけじゃない。
今のお前を根本から――お前の身体も脚も全部作り直す必要がある』
「作り………直す」
36 :
トレ公
2025/04/14 19:26:33
ID:hpHokQLCjk
『そうだ。 お前は幼少期からずっと続けてきたハードトレーニングで大きなメリットとデメリットを抱えてる。』
「デメリット……ハードトレーニングは、いけない事なのでしょうか?」
『いいや、お前はそのハードトレーニングのおかげで俺のこしらえた坂路を登りきった。 それは今殆どのジュニア級のウマ娘ができるこっちゃない。
お前のやってきたハードトレーニングは無意味な事でも逆効果だったわけでもねえ、自信もて。』
「はい、マスター。 ステータス状況"安堵"です」
『だが、その卓越したパワー……いや馬力のために色々と無駄な筋肉がついてる。
無駄っていうか、非効率的な筋肉だな』
37 :
貴方
2025/04/14 19:32:20
ID:hpHokQLCjk
「筋肉に非効率があるのですか?」
『早く走るために筋肉を鍛える。 筋肉を鍛えるってのは筋繊維にダメージと栄養と睡眠……休息を与え超成長を起こさせるってことだ。 ここまではわかるな?』
「はい、習ったことはあります」
『筋繊維を負荷などで傷つけ、そこに栄養と休息を与えると傷に耐えられるように前より強靭になる。 当然ここで筋肉が重くなる。お前の身体の重量が増すわけだ』
「はい……あーー」
『お前は身体にウェイトを巻きまくった状態で走ってる。あの坂を何度も登り切るための身体づくりからしなきゃならん』
「それは、どのような身体づくりをするんですか」
『簡単なこった――坂路しかしない』
38 :
トレ公
2025/04/14 19:58:56
ID:Q/YY/qjh6Q
『簡単なこった――坂路しかしない』
「それだけ、ですか?」
『お前には十分すぎる馬力がある。 さっきも言ったがあの坂路を登り切る基礎体力や身体ってのはまずそこから造る必要があるはずなんだ。
でも、お前はアレを登りきれる能力がある。ならもうひたすらそれをやる。 坂路に不要な筋肉は使われないから勝手にシェイプアップされる。 ひたすら坂路をはしるためのロボみたいにそのための身体になってもらう』
「わかりました、マスター。 オーダー"坂路を登るだけのウマ娘になれ"を今後遂行します」
『いや、まってまって? なんであっさり納得してんの?
不安になったりしないの? 色んなトレーニングがあるのに坂路しかしないとか本当に大丈夫ですか? とかもっと別のトレーニングを混ぜるのが王道なんじゃないですか?とかさ』
「不要です。 私はマスターのオーダーを信じます。なぜなら」
――こんなに私を真剣に、3000Mで1着になれる方法を考えてくれる人だからです
39 :
アナタ
2025/04/14 19:59:54
ID:Q/YY/qjh6Q
『……』
「私の適性は短距離です。 長距離どころか中距離にもまったく適正はありません。
過去のトレーナーも短距離路線に切り替えることを推奨していました。
周囲も同様でした。 私は才能があるわけでもありません、短距離なら速いわけでもありません。
長距離にも中距離にも才能のない並かそれ以下の短距離馬です。」
ブルボンの表情には憂いも悲しみも自嘲もない。
ただ、事実を述べるように言って
「だから、マスターがはじめてです。 出来るかどうかではなく――どうしたら――3000Mで1着になれるか
どうしたら、私を三冠ウマ娘にできるかを真剣に考えてくれた人は
だから――私はマスターの言葉をすべて信じます。
脚が折れるまで、いいえ、折れても復帰したらマスターのオーダーに従います。
ですから、私がマスターのオーダーに拒否や疑問を抱く必要がありません」
『そうか……そう、か』
嬉しくないはずがない
学園の関係者には狂人扱い、ときに駆け込み寺としてたった1勝を掴むためにやってはいけないハードなトレーニングをする
そのせいでトレーナーの間では"壊し屋"なんてあだ名がついた
そんな自分の理論をただ信じてくれる人がいる
40 :
トレーナー
2025/04/14 20:00:32
ID:Q/YY/qjh6Q
『じゃあ、先に言っておく。俺は超高確率でお前の脚を壊すトレーニングプランをやらせようとしてる』
「はい」
『……もうちょっとなんか、こう、ない?』
「ありません。 その必要があるからマスターがそのプランを選んだのだと推察しました。」
『いやまあ、そりゃその通りなんだけど……』
「それに――そのミッションをクリアしたら、三冠ウマ娘になれるのですよね?」
『ああ、なれる。 菊花賞までにお前に最強の脚をプレゼントしてやる。』
「承知しました。 マスターのオーダー通り、脚を壊さずミッションを完遂します。」
『で、まあ非常識……というか、俺がやるプランってのが"医学的に見てもタブーで絶対やってはいけないコト"をする。
前提が脚が壊れるであろうしこんなのはやってはいけないわけだ。
だから、お前の親御さんにも先に挨拶する。
娘さんの脚をぶっ壊させてください、一生歩けなくなるかもしれません。 でもうまく行ったら三冠とれます。
ってな。 多分俺はお前のお父さんからぶん殴られる』
「それは」
『覚悟決める。って言ったろ? 嘘でも五体満足でお返ししますってのが常識だ。
でもな……こんな非常識なURA人生選ぶならもう正直に言うしかねえんだ。 それぐらいしないと』
「私が三冠を取るのは不可能」
41 :
アネゴ
2025/04/14 20:10:55
ID:Q/YY/qjh6Q
『……そうだ。 真っ当な一流どころが毎年毎年毎年3冠を目指す。
仕上がりが早ければ2000Mならと長距離には向かないウマ娘が皐月賞に挑戦し
第一コーナーで勝負を決めたいウマ娘が枠順と奇跡に祈ってダービーに挑戦する
春までに頭角を出せなかったウマ娘、2400でも距離が足りなかった長距離向きも含めて大成したウマ娘が3000Mでぶつかり合う菊花賞
一個取れるだけでとんでもないことだ。それを3つ取らなきゃいかん。 こいつらを全部ぶちのめさなきゃいけないんだ。
そんなの並の短距離ウマ娘ができるわけねえだろ、ちょっと才能あるウマ娘がクラシック回避して短距離路線行ったら無双して伝説になりました~……とか漫画かよ、それと一緒だ。 化け物が揃ってる中そいつらを全員ぶっ倒す化け物になるにはシンプルに一番つよくなるしかねえ』
「それでも、私は三冠を取ります。 マスターのオーダーをすべてコンプリートします。
そして、マスターが正しいことを証明します。 マスターの造る、私の脚で」
『……そうだな。まずは親御さんに承諾して貰うことから、だな』
「? 父はすぐ了承すると思いますが。 きっと喜びます。」
『そんなワケねえだろ……娘の脚を壊すような男だぞ』
『ですが……その坂路を登り切るようになるほどのスパルタなトレーニングをしていたのが父です』
『…………』
「…………」
『サンキューブルボン、俺ちょっと緊張で胃が痛くなってたとこだわ。ちょっと楽になった』
「???」
42 :
キミ
2025/04/14 20:23:44
ID:Q/YY/qjh6Q
[遠路はるばるお越しくださったのに、なんのもてなしもできず本当に申し訳ない。]
『いえ、我々も日帰りで帰らなくてはなりませんから。多少複雑な話ですので長くなります、本題に入らせて頂くのは速いほうがいいです』
畳の上
挨拶をしてブルボン父と正座で向かい合うトレーナー
同じく正座をして向かい合うブルボン父、 その様子にミホノブルボンは父に
「お父さん――マスターに異常を検知しました。 非常事態です。」
『……はい?』
[ああ、いや、ひょっとして……挨拶とか喋り方のことかい?]
「肯定します。 マスターは普段もっと――比喩表現"ワイルド"であり"フランク"です。このような喋り方をしません。 マスターのステータス"緊張"の可能性がありあす。 今すぐリラックスさせる事を提案します」
『ブルボンさん? 大人というのはね初対面の相手には敬意をもってお話をするんでございますよ? だからふだんとはちょお~~っと違う喋り方になっちゃうんですよ』
「危険です、マスター、お父さん。」
[あっはっは、申し訳ありませんトレーナーさん。 娘はちょっと変わっておりまして。 マイペースというか独自の感性をもっておりまして。 いやはやお恥ずかしい。]
「いえいえ、とんでもないです。今回はその」
[ええ
私もトレーナーだった人間です。 担当と契約をしただけで挨拶に伺うことが普通ではないのは存じてるつもりです。
娘からは担当として契約をした。 と伺ってますが……なにか大きな問題があったのではないでしょうか?]
『…………』
[もしかして、娘の夢である三冠ウマ娘の事ですか?]
『よく、お気づきで』
43 :
お兄さま
2025/04/14 20:30:37
ID:Q/YY/qjh6Q
[ええ、三冠という夢を熱く語った私の影響で、娘はずっと三冠ウマ娘になることを固執していました。
理解はしてます……娘はどう見ても短距離適正です。 親の贔屓目にみても才能ですべてを解決できるわけではない。
それでも――娘は三冠ウマ娘になろうとしてる。]
『……その件で
……その件で今回は挨拶と、お許しを得たく参上いたしました。』
[お許し? それは、一体]
『俺たちは、三冠路線……いいえ、三冠ウマ娘になるためにミホノブルボンのレース人生を歩むことにしました。
しかし、そのためには大きな大きなリスクを背負う必要があると
そのリスクを常に背負ったまま、クラシックが終わるまで戦い続けることが必要だと』
トレーナーの言葉がとまる。
息を飲み込み、吐き出す。 なんども、なんども
大きなトレーナーの呼吸音だけがしばし続いて
『そのトレーニングプランは、前提として
……前提として、 脚を壊す可能性のほうが高い事をご理解いただくためにご挨拶にきました。』
44 :
貴方
2025/04/14 20:36:44
ID:Q/YY/qjh6Q
「……っ、お父さ――」
ブルボンの父は立ち上がっていた
ブルボンが知らない顔をしている。 こんな顔をした父は見たことがない
父は立ち上がり、ブルボンが見たことがない顔で、目で、トレーナーを見下ろしてから……大きく、息を吐いた
[大変、みっともないところを見せました。 申し訳ありません。]
深々と頭をさげて平伏する父を、トレーナーが狼狽したように制する
「お顔をあげてください。娘の脚をこわすような事を言われて黙ってる親はいません。 お父様の反応は至極全うで正統なものです。」
[いえ、貴方の言葉を最後まで聞けなかった。
私もトレーナーだった身です。 ウマ娘の脚が脆いのはよく知っている。 だからこそ、脚に細心の注意を払う必要があるというのも知っている。
――そして、それをいたずらに博打で壊すコトを是とするトレーナーなどいない。
ましてや、それをわざわざ娘の親に伝えるために会いに来るトレーナーがいるはずがない]
『……』
[あるんですね、貴方の中に――娘を、三冠ウマ娘にするプランが]
45 :
お兄さま
2025/04/14 20:47:30
ID:Q/YY/qjh6Q
『アスリートのトレーニングの基本は、超回復を目的とした筋肉へのアプローチと心肺機能を高める有酸素運動です。
このうち筋肉の超回復の基本は負荷などで傷をつけた筋繊維に栄養と休息を与え、筋繊維が完全に回復したときにもっとも大きな強化が起こります』
『私のプランでは坂路によって強い負荷と心肺機能の向上の両立のために完全な回復を待ちません。 意図的に筋繊維が完全回復をする手前での同一のトレーニングをします。』
[……それは、ハードというより]
『ヒトミミのマラソン選手などが筋力を維持しながら心肺機能を高めるための手法です。 勿論これは本来マラソンとは比較にならない速度と脚部への反動が生まれるウマ娘のトレーニングとしては禁忌です。』
[筋肉への負担は蓄積します。 その疲労の蓄積は筋肉のクッション効果を減らして甚大な故障、事故へのリスクが増えます
……脚が壊れるのも当たり前。 脚が壊れる前提のプランですね、確かに]
46 :
お前
2025/04/14 20:52:41
ID:Q/YY/qjh6Q
『私の知る限り……いえ、他の手法で心肺機能をいくら向上させても限度があります。 3冠になるには、スピード、パワー、スタミナすべてが高次元で必要です
今からどんなトレーニングをしても菊花賞までに3000Mを走り切るスタミナをつけさせる方法が、これしかありませんでした。
もっとも心肺を鍛えられ、筋力を向上させられる坂路トレーニング。 それで限界ギリギリ……いえ、それ以上の危険なトレーニングを、故障させないように続けるしか手がありません。
父親として娘の脚を壊すようなことが許されるわけありません。
ですが、
ですが……』
トレーナーは深く、平伏する。
土下座をして、大きく叫んだ
『娘さんの脚を、俺にください。 彼女を三冠ウマ娘にするには、これしかないんです!』
47 :
ダンナ
2025/04/14 20:59:19
ID:Q/YY/qjh6Q
[……]
すぅ
はぁ
今度は、父が深く、深く呼吸をしていた。
なにか考えるように。思い悩むように。
[バカバカしい、とは思いませんでしたか?]
[短距離向きの、長距離の適正なんかこれっぽっちもないウマ娘が三冠を狙うなんて、そんな荒唐無稽なわがままのような事を強請るのは]
『わかりません。 俺はトレーナーです。 彼女たちの夢がなんなのか、どれほど大きいのかはわかりません。 適当に"なれたらいいな"と思うウマ娘もいます。 身の程をわきまえないウマ娘もいるかもしれません。
でも、彼女の根性も、覚悟も、努力も、本当です。
だったら――俺がそれを出来る可能性があるならやらせるしかないじゃないですか。
全力で――必死に――その夢へ向かうのを支えるしか無いじゃないですか』
[でも、父親としては脚は壊してほしくない。
ウマ娘が大きな事故を起こせば、走るどころか一生歩けなくなる事もある]
[ブルボン――覚悟はできているか? 三冠か、脚一本か――お前が選びなさい]
ブルボンは、まっすぐ父を見ながら即答した
「両方です。 マスターは私を壊さず、三冠を取らせてくれます」
48 :
トレーナーさん
2025/04/14 21:05:43
ID:Q/YY/qjh6Q
「マスターだけが、真剣に私を三冠ウマ娘にする方法を考えてくれました。」
「私はまだ浅慮で、頑張れば、もっと努力すれば――そうしたらなれると思ってました。でも、そんなことは全然なくて――でも、マスターは真剣に、その危険も考えながら方法を考えてくれました」
ブルボンは正座をして父に向き、頭を下げる。
「お父さん……私は三冠ウマ娘になりたいです。
でも、きっとこのままではなれません。 そんなのはいやです。
私はマスターの事を信じたい……この人といっしょに、戦いたいです。」
[はあ……頑固なところは母さんみたいだ]
[飯塚さん。]
[この子は変わり者で、それでいてちょっと抜けていてね]
[とても不思議なことを言い出したりする。]
[人見知りはしないんだがあまり折り合いがつく相手が少ないんじゃないかと心配していました。でも貴方のようなトレーナーに会えて本当に良かった]
父は深々と頭を下げる。 平服でもなく土下座でもなく、心から娘のことを頼み込むように
[どうぞ、娘をよろしくお願いします。]
[脚一本覚悟した娘です、もし迷うことがあっても――その覚悟で進んでください]
49 :
アナタ
2025/04/14 21:13:13
ID:Q/YY/qjh6Q
電車での帰り道
『…………緊張した。もう二度とこんな思いはごめんだ』
「お疲れ様でしたマスター。 マスターがマスターでなくなったときはステータス:驚愕 になりました」
『いや俺だって最低限の礼儀は……って、そういやお土産になんか頂いたんだよな、瓶だと思うけど。水の綺麗そうなとこだったし日本酒かな』
「きっと、バーボンだと思います。 父はバーボンが好きなので」
『へえ……』
「父は気に入った相手にバーボンを送るんです。 きっと、おと――父はマスターの事を気に入ったのだと思います。 嬉しそうでした。」
『そりゃ良かった、今後ともうまくやっていけるといいけど』
「?」
『じゃあ、明日から坂路トレーニングだ。 登り切るかぶっ倒れるかだ。
来月までにまともなタイムにするぞ。 そっから本数を増やす』
『最終的にあの壁を4本、これをずっとずっとやってもらう。
朝日杯までに1600M 皐月賞までに2000M ダービーまでに2400M
……菊花賞までに3000M
それまで時間がない、全力で取り組むぞ』
50 :
トレ公
2025/04/14 21:17:12
ID:Q/YY/qjh6Q
だそく
「はむ、あむあむ、あむあむあむあむあむ」
『よく食うな……駅弁10個めか』
「はい、このシュウマイはとても美味しく……はむはむ」
『あーたしかにそれ美味しそうだ』
「……申し訳ありませんマスター。 あげません」
『いやいらんて』
「そうですか、はむはむはむ」
『…………』
「……どうしましたかマスター」
『……(うずっ)一個もらおっかな―』
「がるるるるる!!ステータス:独占欲を開始」
『ごめんごめんうそだってごめんて』
「……」
『普段めっちゃ従順なのにメシの邪魔すると怖いな』
51 :
お兄ちゃん
2025/04/14 21:17:49
ID:Q/YY/qjh6Q
2話終了
3話は明日以降
ほすあったので続けた
52 :
大将
2025/04/14 22:28:22
ID:eC0EMjgj5.
ほすしたものです
こういうところでしか読めないSSにしかない栄養素は確かにあるので
ありがとうございます
53 :
キミ
2025/04/15 19:28:10
ID:xTwPv0Nb6w
『昨日トレーニング後の食事と就寝時間は?』
「はい、先日の食事量は――」
契約後1ヶ月、毎日食事と就寝時間を確認するのがルーチンの一つだ
ミホノブルボンの食事量をチェックしつつ、トレーナーは難しい顔をする
「トレーナーの表情の変化を検知しました。 食事量に問題があったのでしょうか? シェイプアップのために食事量を減らすのはステータス【はらぺこ】になる懸念があります」
『いやメシは食え。 食えるならもっと食え食えるだけ食え。 こういうハードなトレーニングを毎日してると普通メシを食えなくなるんだよ。 疲労が蓄積していくとどんどん食欲が失せてくもんなんだ。』
呆れたようにトレーナーは言う。 食事を取るのもアスリートの大切な仕事だが通常はこのように厳しいトレーニングを続けると食欲がなくなるのだがミホノブルボンには関係ない話のようだ
『丈夫で内臓も強くて健啖ねえ、完璧じゃんいいねいねえ。
お前マジで強くなるぞ。
――で、痛いところはないか? 痛くなくても違和感とかないか?』
「いいえ、システムオールグリーン、とても順調で……あんっ」
『あ、すこし強かったか? さすがに俺もそんなに慣れてなくてな』
「いえ、このままでお願いします。 とても、気持ちいい……です……んっ」
『じゃあ、もう少し強めにいくぞ。 ここは、んっどうだ?』
「ッ、 ソコ、はい、とても、いい、です」
54 :
お姉ちゃん
2025/04/15 19:36:59
ID:xTwPv0Nb6w
『そうか、じゃあじっくり全部ほぐして行くぞ』
「はい、続けて、くだ……さ、いっ」
『あんま大きな声だすな。 トレーナー室だって外に人くるかもしれないんだ、ぞっ』
「はい、しか、し、これは流石にミュートは厳し、くっ」
トレーナーはミホノブルボンに馬乗りになって、ミホノブルボンはうつ伏せでトレーナーが動くたびに声を漏らす
「マスターのこれは、とても気持ちいいです」
『まあ、トレーナーだからな。 マッサージ師の免許はないが資格が取れるぐらいには勉強してるわ』
「しかし、毎日とても長い時間マッサージをして頂いてます。マスターの握力や疲労が心配です。マスターは疲れませんか?」
『そりゃ疲れるさ。 今だって腕がパンパンだ。 それでも、これでお前の脚の疲労がちょっとでも抜けるなら安いもんだ。 』
「……マスターは、厳しいようでとても優しいです。 私の脚の事をいつも心配してくれてます」
55 :
貴方
2025/04/15 19:52:45
ID:xTwPv0Nb6w
『なーにいってんだ、トレーナーが担当の脚を大事に大事にすんのは当たり前だろうがよ』
「マスターの"大事"は、とても優しい気がします。」
『はいはい、そういう事は照れるからやめなさい。 トレーニングのピーク時間は短いけどな、お前がしてるトレーニングってのはトモから脚全体への疲労が半端ないんだ。 それを毎日できる限り緩和してちょっとでも多くトレーニングをするためだ』
「はい、まだ私は坂路トレーニングを2本に増やすことはできません。 トレーニングの目標である4本に至るまでは遠いです」
『ああ、でも焦らなくていいぞ。 菊花賞は3000Mだが道中は1600M・2000M・2400Mだ。 今の目標は1600Mを完璧に走り切るだけでいい。
坂路の本数もそれと一緒だ。今は1本をしっかり仕上げればそれでいい』
「マスターは、私が三冠ウマ娘になれると思いますか?」
『知らん』
「……」
『だが、俺のオーダーを今後も完全にこなせばなれる。』
「はい、マスター」
56 :
トレピッピ
2025/04/15 20:19:23
ID:xTwPv0Nb6w
『そのために、こうしてオーダーを完遂させるために脚の疲労を全力で取るわけだ。
怪我をしたらその時点で全部おしまい。 前提が脚を壊す覚悟でといっても脚が壊れたら全部おしまいだし脚を壊すつもりもないからな
――よし、だいたいおしまいだ。 ブルボンちょっと立ってみてストレッチなりなんなりしてみてくれ』
「はい、ありがとうございますマスター」
ソファから起き上がって、身体を動かすミホノブルボン。
「トレーニング直後なのにとても身体が楽になりました。 マスターの手は魔法のようです。」
『ははっ、そうだろうそうだろう。この手でブルボンの脚をURAで一番の脚にしてやるからな。 痛いところや疲労がたまってそうなところはあるか?』
「ありません。 ……ですが」
『ん、どうした?』
「あの、マスター。 マスターの手で頭をさわってみてくれませんか?」
『ん ……こうか?』
「…………ステータス"安堵""安心""充足感"を確認。 マスターの手はやはり、父のように魔法を使えます」
……なんか犬撫でてるみたいだな
トレーナーはそんなことを考えながらミホノブルボンを撫でる手を止める
「……」
じっとトレーナーを見つめるミホノブルボン。 仕方なく頭を撫でるトレーナー
57 :
お姉さま
2025/04/15 20:33:18
ID:xTwPv0Nb6w
『ナデナデ……ナデナデ……』
「……」
『満足してる顔なんだよな…多分だけど』
ひょいっと手を離すと、ミホノブルボンはまたトレーナーを見つめる
黙ってまたミホノブルボンを撫で続け
『なあ、そろそろおしまいでもいい?』
「もう少しだけ、この魔法をお願いします」
『じゃ、じゃあほら、明日トレーニング終わったらまたしてやるから…』
パアアア
『お前普段あんまし表情動かさないけどなんか雰囲気を表情にするんだな』
「ぜひ、トレーニング"なでなで"を組み込んでください」
『これはトレーニングじゃねえよ』
『じゃあな、今日もメシたくさん食って早く寝ろよ? それだけでお前は強くなるからな』
「はい、お疲れ様でしたマスター」
『…あいつほんと犬みたいだな。頭撫でるだけであんなに喜んじゃって、まあ…』
トレーナーはスマホを取り出して、なにかを打ち込みながらトレーナー寮にかえっていった
58 :
お姉さま
2025/04/15 20:54:11
ID:xTwPv0Nb6w
「はあっ…はあっ……ぜっ、ぜっ、ぜっ――!!」
『止まるな!!!
そのままジョグでゆっくり戻ってこい!!!』
いつものように坂路をゴールし、そのまま進み、1角、2角…短いバックストレート、3角、4角と戻って来る。
脚が重い、心臓が破裂しそう、肺が悲鳴をあげている
しかし
『ブルボンっ!!』
「マス――きゃっ」
トレーナーは興奮しきった様子でブルボンを抱き、背中を何度も叩く
『お前最高だよ、もう2本めやりきりやがった!
ははははっ、お前は間違いなく最強のウマ娘になれるぞ! 誰にも負けない無敵の三冠ウマ娘だ!』
「マスターのステータス:高揚 がレッドゾーンです」
『当たり前だろ、こんな短期間にこの坂路を登りきれるようになるなんてそうそうねえよ、ああ最高だお前は最高のウマ娘だよミホノブルボン!』
まるで子供がはしゃぐように喜ぶトレーナーをじっとみつめて
「嬉しいです、マスター」
『2本を続ければ、これからはもっともっと効率的に強くなれる。 これからは今までの倍以上苦しいし、辛いけどお前は絶対に三冠ウマ娘になれるぞp』
「はい…ですが、マスター」
「私が嬉しいのは、マスターがそんなにも喜んでくれることです。
私は三冠ウマ娘になるために今まで努力してきました。頑張ってきました。
たしかに、ハードなトレーニングは辛いこともあります。
ですが三冠をとるためには必要なことでした。 私は父のもとで、トレセン学園でも、三冠のため…自分自身のためにそうしてきました」
59 :
大将
2025/04/15 20:59:24
ID:xTwPv0Nb6w
「ですが」
「私の走りでマスターがこんなにも喜んでくれる。 興奮してくれる。
そう思うと、私の中に……とても大きな充足感が満ちます。
ステータス:幸福 です。
私が頑張るのを、喜んでくれるというのはとても、とても嬉しい。 私のデータにはなかったことです。
私の走りが、マスターをこんなにも喜ばせるなんて。」
『……お前は、それだけ凄いことをしたんだよ。』
ぽんぽん、と頭を撫でる。はやくクールダウンとストレッチをしてあがろう、と。
ミホノブルボンが、トレーナーの服の裾を掴む
「マスター、あの、"なでなで"を要望しても、いいでしょうか?」
『……先にクールダウンとマッサージをしてからな。 あとでいっぱい褒めてやるから』
パアアア
(ホントに犬みたいだな、なんかわかりやすい)
60 :
お兄ちゃん
2025/04/15 21:08:03
ID:xTwPv0Nb6w
トレーナー室・マッサージ後
『明日、暇か?』
「スケジュールを確認。 特にスケジュールはありません」
『オーケー、じゃあ明日昼、なんかメシ食いにいくぞ』
「食事ですか?」
『ああ、お前が坂路2本をクリアしたご褒美だ』
ナデナデ
トレーナーはソファに座るブルボンの頭を撫でる。 気持ちよさそうに目を細めるブルボン。 本来は年頃の少女の頭や髪の毛を撫でるなどよろしくはないのだろうが、所望するのならしょうがない。 それでやる気があがるならいっぱい褒めていっぱい撫でるべきだろう。
「ありがとうございます。」
『ところで、メシは食えそうか?』
「…………???はい、今日は2本の坂路をクリアしたのでお腹が減っています。 ステータス:非常に空腹」
『マジか、すっげえ健啖だな。まあそれは良いことだ。 ほんとにお前最高だよ。
ところで何が食べたい?』
「はい、…………あの」
『なんだ?』
「ご存知だと思いますが、我々ウマミミはヒトミミより大量の食事を摂取します。
それは、大丈夫なのでしょうか? お腹いっぱい、食べてしまっても」
『ああ、もちろんだ。 ブルボンへのご褒美なのになに遠慮してんだ。 腹いっぱい食べに行くんだぞ』
ッパアアアアア
あまり表情が変わってないが雰囲気でめちゃくちゃ喜んでるのがわかるのでトレーナーは苦笑する。
61 :
マスター
2025/04/15 21:12:35
ID:xTwPv0Nb6w
『じゃあ、お疲れ。明日な』
「今日もありがとうございました、マスター
…あの」
『?』
「明日、楽しみにしています」
『ああ、おう、ゆっくり休めよ』
『しかし、こんなに早く2本め突入か。 しかも連日のハードトレーニングに加え今日は一番辛かっただろうに、食欲がまったく失せない。 メシが食えるうちはトレーニングの強度は落ちないし精神も折れない。
…………親御さんはとんでもない娘さんを作ったもんだ』
62 :
相棒
2025/04/15 21:28:03
ID:xTwPv0Nb6w
「おまたせしましたマスター」
『よう、ブルボン。 時間通りだな』
「しかしマスターのほうが早く到着して…あ」
『ん? どうした?』
「これが、クラスメイトの方々が言っている
特殊ステータス:ごめん待たせちゃった? ううん、いま来たところ
という挨拶でしょうか? 失礼しました、挨拶を最初から修正します、マスター」
『いやいやデートじゃないし別に待ってはいないからな?』
昼食には早いので買い物、ウィンドウショッピングをする。
ゲーセンのプライズコーナーにて
「……あ」
『ん? UFOキャッチャーか……ああこれ取れそうだな』
「本当ですか、マスター。 このうさぎが取れるのですか?」
『おう、やってみるか? ってああ、お前機械触れないのか……よし、まあ見てろ』
チャリーン…ピロピロ…デッデッデッデ…パラリラリーン
『よし楽勝…ほれ、ブルボン』
「ありがとうございますマスター、 うさぎ男爵さんを入手します」
『男爵? それそういう名前なのか?』
「はい。 いつも部屋の留守を警備してるうさぎさんのバディになります。」
『……? あー、寮室にもううさぎがいるのか?』
「はい、留守番をしてもらってます」
『ああ、そういうことか。 まあ仲良くしてくれるといいな』
「はい……はいマスター。 うさぎさんはとても優しいのできっと仲良くしてくれます。」
63 :
モルモット君
2025/04/15 21:40:14
ID:xTwPv0Nb6w
もともとマイペースというか個性的なタイプだとは思うが、時たまとても幼い情緒をしてるんだなと思う。 この年でぬいぐるみ、人形とこのように戯れるのは年頃の少女だと恥ずかしがって思ってはいても本人の趣向に反して離れてしまうこともあるが。
ナデナデの要求が強かったり、子供っぽいところも多い
―――しかし、高身長とも言えないがそれなりに背は高く、腰はすごくくびれてるが発育も良い、下世話な言い方をすれば女性的なボディラインをした美少女だ。
そんな美少女がこんなに幼い情緒をしてることが不思議でならない。
『そっか、きっとその男爵も紳士なうさぎさんだから仲良く出来るな』
「……パアアアア」
「はい、うさぎさんはいつも完璧に留守番のオーダーをこなしてくれます。 とても優しいウサギさんで」
――これ、テンションあがってるのか
うさぎさん談義をしつつ、昼食のためにちょっとだけお高めのハンバーグ屋に入る。 ウマミミOKで学園のウマ娘からも評判がいいお店だ
『ここのハンバーグがうまいらしいぞ、栄養バランスのためにサラダもしっかり食べてもらうがいくらでも喰っていいぞ』
「ステータス:期待・高揚を確認しました。 とても楽しみです」
『うまいか?』
「はい…あむあむ、もぐもぐもぐもぐ」
ミホノブルボンは元々淡々と何事もこなすタイプだが、食事もあまり会話をしない。
これは淡々と、というより食事に集中してるのだろう。
夢中でハンバーグを食べるミホノブルボンの邪魔をしないように黙ってる。
「……はっ マスター、ごめんなさい。 食事に集中しすぎていました」
『いいんだよ、お前のご褒美のためにここにきたんだろ? まずは腹いっぱい食え。 話なんていつでもどこでもできる。』
「はい、マスター。」
64 :
トレぴ
2025/04/15 21:45:21
ID:xTwPv0Nb6w
もぐもぐもぐもぐ
――よく食べる。 昨日も空腹だと言っていたし翌日も食欲が落ちる様子がない
今後もこの調子であればありがたい、ありがたいのだがそうそうはいかないだろう。
正直坂路1本でも食欲が失せるもののはずだ。 平地のトレーニングと違って坂路…いや、ミホノブルボンが"壁"と例えたあの大坂路でのトレーニングはそれほどに身体に負担がかかる。 負担をかけるためのものだから当然だ
『おいブルボン、おい』
「……ふぁい、マスター」
『いっかい手を止めて顔こっち向けろ。 ソースついてる』
「はい、むぐむぐ、むぃむぃ」
『ほれ、きれいになった。 汚れたらまた拭いてやるから食え食え』
「はい、マスター。 もぐもぐ、むぐむぐ」
「マスター、ありがとうございます」
『おう、腹一杯になったか?』
「はい、ハンバーグをこんなにいっぱい食べたのは初めてです」
チラッ
『……あれか、いいぞ。あとであのでっかいパフェも食べような』
「パアアアアア」
『お前の喜んでるときの顔なんかわかったような気がするわ。』
「ところでトレーナー、父から連絡がありました」
『おう』
「父は、私が坂路を二本クリアしたことを存じてました」
65 :
貴様
2025/04/15 21:51:53
ID:xTwPv0Nb6w
『そうか、まあ俺が伝えたからな』
「はい、父から教わりました。 マスターはトレーニングの進捗や状況、脚や身体の具合などを毎日のように必ず教えてくださると
大坂路の画像や私のトレーニング風景の動画も送っていただいたと。
父はとても感謝していました。 心配は尽きないが、マスターのおかげで安心できると」
『そりゃ心配するだろ、特にお前の親御さんは元トレーナーだ。
お前が今やってるトレーニングがどんだけ危険か、よく分かってる。』
『インターバルトレーニングってのは高負荷と低負荷を繰り返す。ここまでは一般のトレーニングとしてやれる。
坂路も元々心肺向上と脚力、スピードの効率的な向上のためのものでむしろ故障率は下げられるはずだ』
66 :
アンタ
2025/04/15 22:00:07
ID:xTwPv0Nb6w
『だが、お前さんのしてるのは坂路でのラストスパート……心拍を限界まで上げた状態で長い距離を全力疾走させられてるようなもんだ。
心肺を鍛える、スピードを鍛える。 しかもクラシックの全ウマ娘最高の脚と心肺を得るための負荷をかけ続けるんだ。
今はまだ坂路の本数が2本だが3本、4本になればもっともっと危険になっていく。
親御さんからしたら毎日爆弾抱えて走ってる娘の姿を想像しちまうだろうよ』
「ですが」
『ん?』
「私は、マスターのトレーニングをこなしているのがとても楽しいです」
『楽しい?』
「はい。 マスターは私をいっぱい褒めてくれます。 私をいっぱい撫でてくれます。 タイムが良いとまるで自分の事のように喜んでくれます。
だから、トレーニングをしながら頑張ろうと思えます。」
『そっか、俺も楽しいよ。 ブルボンが走ってるのを見るのは好きだ』
「はい、私もマスターが大好きです。」
『はいはい、そういう言葉は聞くやつによっては勘違いをされるから程々にな?』
「ステータス:疑問を検知しました。 勘違いというのはなんでしょうか?」
67 :
トレぴ
2025/04/15 22:05:45
ID:xTwPv0Nb6w
『あー……んー……、 お前、お父さんは好きだろ?』
「肯定です、おと――父のことは尊敬していますし大好きです」
『うんうん、人参ハンバーグ好きだろ?』
「肯定です、 とても美味しくて大好きです」
『うんうんそうだなそうだな。 でも、男と女でいう「好き」はちょっと違うだろ?』
「理解できます。 少女漫画などでいう恋愛の好きですね。 LikeとLoveの違いだと表現されるものです。」
『おおおお良かったブルボンちゃんとわかるんだなあ偉いぞ偉いぞ』
『つまり、お前はお父さんや人参ハンバーグのように俺を好きだというが、人によってはLoveの方の好きと勘違いされる事もあるわけだ。』
「理解不能、それは問題があるのでしょうか」
「私は、両方の意味で好きだと表現しても差し支えないと思っています」
68 :
モルモット君
2025/04/15 22:15:03
ID:xTwPv0Nb6w
『………………………………えっと
一応聞くが、それは告白とかそういう?』
「否定します。 一般用語:愛の告白 とは違う感情です」
『あ~~~~よかった。 そうだよね? 違うよね? びっくりしちゃったよ
ごめんごめんごめん、俺が勘違いしちゃったよごめんな?』
「マスターは父のようです。 厳しいところも多いですが優しくて、いつも私のことを見てくれてます。 マスターに撫でられると安心できます、充足感に包まれます。」
「同時に、そのようなマスターを恋愛的な意味でいう好きという男性を見る意味で好きだと思っていても私は問題ないと思っています」
69 :
アンタ
2025/04/15 22:20:31
ID:xTwPv0Nb6w
『…………えっと、それはどういう?』
表情に照れとか恥じらいとか、そういうものは出ていない
相手はミホノブルボンだ。 年不相応の情緒を持つ無表情の少女である。
きっと、まだ男性女性の恋愛という感覚がわからないのだろう
わからないからこそ親御さんとにている、だから好きというのを混同してるのだろう。
「マスター、質問があります」
「マスターは私の事をどのような人物だと思っていますか?」
『んー? んー……高等部にしては情緒が幼くてマイペースで、努力家で、感情が表面に出にくいけれど実際の感情は強くて周囲から無感情と思われることに困ってるタイプ?』
「はい、私には感情があります。 そして高校生です。」
「マスターはなぜ」
「そんな私が恋愛感情や男女の性欲を一切理解してないという誤解があるのでしょうか?」
『…………え?』
70 :
トレーナー
2025/04/15 22:30:22
ID:xTwPv0Nb6w
やばい
本能的に感じた。
それはトレーナーと担当ウマ娘という意味合いのものではなく
ヒトミミとウマミミという生物の根源としても警鐘
「私はまだ子供です。 ですからマスターの言う通り【父への愛情】と誤解して混同してしまっているのかもしれません。 ですが」
「私は私の中でそれとの区別をつけたうえで【そっちでもいい】と思っています」
『いやいやいやストップストップ。俺等まだ1ヶ月の契約だし、更に言うと君は学園のウマ娘、俺は学園のトレーナー。 オーケー?』
「はい、世間一般で学生とトレーナーが公に交際をすれば大事になるのは理解しています。マスターにそれを求めたりはしません。
ですが――実際にそのような事例が多く存在してるというデータも存在しています。」
『いやいや待って待って待って、まずブルボンのお父様に殺されるよ俺!?』
「先日の坂路の件で父にも相談しました。 父は私が本気なら構わないが三冠をとるまで本分をおろそかにするなと許可をくれました。」
『お父さん!?まってなんで?』
「はい、父は言っていました。 一介のトレーナーが契約の許可を取るために娘の脚をくれと言いに来る胆力が非常に気に入ったと。」
店内の白い天井を仰ぎ見る。
ミホノブルボンはこう――見た目に反して頭の中身幼女というか子供と勝手に思っていた。まあ年相応の情緒というわけではないようだが
愛情として好きだから告白というわけでもなく
そっちの感情であっても構わないと――そう、好きを伝えているのだ
71 :
アネゴ
2025/04/15 22:39:00
ID:xTwPv0Nb6w
――なんとかその時の話をうやむやにして
栗東寮まで送るために河川敷の横を二人で歩く。
トレーナーは身長もそんなに高くない、というより低い、ちびだ
顔だって童顔なほうで、背格好と相まって「子どものよう」という評価を異性同性とわず受ける。
ミホノブルボンのような美少女は将来もっと良い男性との出会いがあると思う
そもそも自分と彼女は担当契約の間柄だ。
「あの、マスター」
数歩、ミホノブルボンが前にすすみ、トレーナーの前を塞ぐように向かい合う
「私は、トレーナーから見て魅力的に見えませんか?
担当としてではなく、女性として魅力的には見えないでしょうか?」
『お前は美人だし魅力的だよ。女としても』
「っ…」
『そのパアアアってのやめろ。 でもそういう付き合いはする気ないぞ。
お前は三冠ウマ娘、俺は自分の理論と坂路などの運動学トレーニングの普及のために互いに頑張る間柄だ。 恋愛ラブラブイチャコラするための関係じゃない』
「…………はい、あの」
「トレーナーには、そういう女性はいるのでしょうか?」
『いねえよ悪いか、トレーナーなんてのは年齢イコール彼女いない歴ばっかだ。
安心しろ彼女のためにトレーニングをおろそかにするマスターはいねえよ。
……クソクソクソっ、なんで高校生にこんな事ッ、クソクソクソ』
呪詛のように彼女いないモテない自分にクソクソ言っている
「良かったです――マスター」
『なんだ?』
72 :
トレピッピ
2025/04/15 22:46:49
ID:xTwPv0Nb6w
「マスターは故障を覚悟してやりきれ、そして三冠を穫れると言いました。
私は、三冠を獲ります。 故障はしません。
恋のレースも、出走できるなら獲ります。
三冠を獲ったら――もう一度、マスターに【好き】を伝えようと思います」
ミホノブルボンは表情の変わらないウマ娘だ。
しかし、その時のミホノブルボンは――笑っていたように見える
恋する少女のような――捕食者のような
トレーナーは逃げるように、真っ赤にした顔をそらした
『………知らん、勝手にしろ。もう知らん知らん知らん!
明日からまた坂路だからな! 二本に増えるからしっかりストレッチして寝ろよ!』
「了解しました、マスター」
翌日
『おはようブルボン』
「おはようございます、マスター」
『よし、アップ軽くしてストレッチだ。 今日から坂路2本きっちり走るぞ。
覚悟決めて全力でいくぞ』
「了解しました。 ミッション:大坂路2本トレーニングを開始します。」
73 :
お兄ちゃん
2025/04/15 22:51:56
ID:xTwPv0Nb6w
『昨日のアレはなんだったんだ……』
特になにもなく――何事もなく、今日のトレーニングが始まったことに安堵と肩透かしをくらったように、ため息をつく。
まあ、実際ミホノブルボンは魅力的な少女だ。
顔立ちだって超がつく美少女だし身体は正直めちゃくちゃスゴい
胸もお尻も出るところは出てるくせに全体の骨格はそこまでなので、相対的に胸が更に強調されて大きく見える。 腰はアスリートとは思えないほど細い
表情の変化は薄いものの感情がないわけでもないし、機微の変化は結構わかる。
なんというか、可愛げがある子供なのに美少女なのだ。
実際トレーナーもそう思うし、学園に"間違い"がそこそこ起きるのもあんな美少女達と間違いが起こるのはまああるだろうな、ぐらいは思う。
とはいえ、彼女は三冠ウマ娘を狙う存在で自分とは契約した関係だ
間違いが起こってはいけない
74 :
トレぴっぴ
2025/04/15 22:55:20
ID:xTwPv0Nb6w
「マスター、忘れ物をしました」
アップに向かったミホノブルボンが戻ってきた
『ありゃ、そうか。 まあ早めに戻れよ?』
「いいえ、マスターに忘れ物をしました」
ミホノブルボンはマスターの前に立って、無表情のまま
「マスター、好きです。 行ってきます」
『っ!?』
表情を変えず、いつもどおりの距離で、いつもの口調で
ミホノブルボンはトレーナーにそれだけ行って、アップに向かっていった。
呆然としたままのトレーナーはしばらくその場に硬直していて
――心拍、激しく上昇
――緊張、緩和
――ステータス:歓喜を確認
――トレーナーのステータス、戸惑いを確認
75 :
トレーナー君
2025/04/15 22:55:36
ID:xTwPv0Nb6w
3話おしまい
4話明日以降
76 :
トレ公
2025/04/15 22:59:26
ID:xTwPv0Nb6w
だそく
「と、いう状況です。 マスターは私の【好き】を信用していません」
🌻「それなら、ちゃんと毎日アピールしなきゃですねブルボンさん」
「アピールですか。 考察…考察」
🌻「ちゃんと、ブルボンさんが好きだっていうのをトレーナーさんに理解してもらわないと。 こう、誘惑したりちょっと際どい格好をしたり、きゃー♪」
「好きをちゃんと伝える……理解しました」
🌻「応援しますねブルボンさん!」
77 :
アナタ
2025/04/15 23:22:04
ID:oU9XjjpFyM
フラワーGJ!
78 :
使い魔
2025/04/16 13:43:27
ID:xi55cQe5Lg
多分、本気ではないだろう
情緒がまだ育ちきってないであろうブルボンが一般的な女子高生程度の恋心や性欲、二次性徴を迎えていたとして……それでも恐らくブルボンがやたら投げかけてくる【好き】は一般的な愛の告白ではない。
本人も混同してるかもしれないと言っていたし、本当にソッチであれば情緒が幼い故もっと照れたり恥ずかしがるはずだ。堂々とそのような言葉を発して反応を楽しむ小悪魔的な性格でも情緒でもない。
要は父親やうさぎのぬいぐるみに言う【好き】であり、そこに男性要素があっても構わないと思い込んでるだけだ
そう、思わないとやってられない
『いやこれが学園関係者だとか記者さんだとか……外部のちゃんとした大人ならなあ……まあ、しゃーねーけど』
ちび、細、ガキのような物言い さらに実績ゼロの底辺トレーナー
要は「子どものよう」と形容されるトレーナーには色恋は全然縁が無い
そんな出会いも個人的な縁もあるわけない。彼女居ない暦=年齢を舐めるな
「トレーナー、クールダウン終わりました」
ノックの音がして、トレーナー室にミホノブルボンが入ってくる
『おう、ソファにうつ伏せになってくれ』
79 :
トレ公
2025/04/16 13:47:33
ID:xi55cQe5Lg
アップ、ストレッチ、有酸素運動、それらが終わってから高負荷のトレーニング
心肺に大きく負担をかけてから一切止まらせず低負荷の運動に切り替える。心拍に負担をかけ、それをゆっくりと運動をさせながら下げ、今度は坂路で一気に身体を追い詰める。
脚にかかる負担だけでも、マッサージで最低でも1時間かけて疲労をぬきたい。筋肉をもみほぐさなくても皮膚を撫でて刺激と血行をよくするだけでもいい。
「あの、マスター」
『動くな動くな。なんだ重いか? またがってるけど痛かったり重かったりしたら言うんだぞ』
80 :
お前
2025/04/16 14:38:22
ID:xi55cQe5Lg
「いえ、マスターの体重はとても軽いので問題ありません。
クールダウンのあと、シャワーを浴びては居ますがそれでもトレーニングの影響で汗をかきます。」
『そりゃそうだ、あんだけのトレーニングをしてんだからしょうがない。
ちゃんと汗かいたら肌着は寝る前に変えるんだぞ。 睡眠も重要なトレーニングだ』
「いえ、その……マスター」
『なんだなんだ、珍しく歯切れが悪いな……もしかしてなんか違和感とか故障か』
「否定します。 私が危惧してるのは、マスターがマッサージをしていて…………汗臭くないか心配です」
『あーーーーなるほど。 安心しろ言われて初めてそんな事考えたぐらいだそんな臭いしたことがない。
なんつーか、果物みたいな甘い匂いはするなと思ってる。 制汗剤かシャンプーの匂いなのか知らんが』
「よかったです、マスター。」
そんな事気にしたことはなかったが、この状況は確かに距離も近いしいやらしい行為ではないが少女の身体をベタベタ触っていることになる。
逆に大人のはずのトレーナーが意識してしまう
81 :
モルモット君
2025/04/16 14:44:02
ID:xi55cQe5Lg
「マスター、気分を悪くしましたか?バッドステータスでしょうか?」
『ふわへっ? あ、いやなんでもない…ど、どうしたブルボン』
「マスターがマッサージ中ずっと黙っていたのは初めてだったので」
「……ああ、すまんすまん。なんつーか、その、そういう話されて、その、意識しちまった。すまん」
「……やはり、汗臭いでしょうか?」
『いやいやそうじゃなくて、その……うーん、そういう話で、ブルボンも女の子だから、俺がこうやって脚をべたべた触るのは良くないなって。
まあ? とはいえ? 他所にマッサージを頼めるような大富豪でもなく?
マッサージは絶対毎日やらなきゃだから? やるんだが』
「マスターは、ちゃんと私の事を女の子として見てくれてますか?」
『え?あ、ああ。そりゃお前は女子高生としてもウマミミとしても美少女だしスタイルもいいだろうよ、脚長いし腰細いし』
82 :
トレーナー君
2025/04/16 14:54:00
ID:xi55cQe5Lg
「―――」
『わっ、おいおいおい尻尾をばたばたすんなマッサージできなくなる』
「つまり、マスターの評価として私の外見、容姿は対象として見れるということですね?」
『はいはいお前が女子高生じゃなく成人した大人で学園の関係者だとかURAの記者だとかでこういう関係なら一回はデートにさそったかもねーうんうんうんそうだねうんうんうんうん』
わざと茶化すトレーナー
「では――卒業したらいいのでしょうか」
『あほか、そんな担当とトレーナーがホイホイホイホイ入籍してたら学園にトレーナー残っとらんわ。っと、ほら、マッサージ終わったから。軽くストレッチして座りな』
「了解」
『てかさ、お前なんで俺がいいんだよ? みろよ、俺お前と身長もかわらんちびだぞ?もっとほら、高身長イケメン高収入だとかさ』
「??」
『いや、万が一お前がもうちょっと身長伸びちゃったら俺のほうが小さいことになるんだが』
「……」
ミホノブルボンはしばし考え
――――
『え、なんでお前ちょっとうれしそうな顔してんの?!』
83 :
モルモット君
2025/04/16 15:02:41
ID:xi55cQe5Lg
『ちょっとまって俺の身長が伸びるわけじゃないんだよ? 高校1年の君の身長が伸びるかもって話だよ?』
「はい、理解してますマスター」
『なんで嬉しそうなの? 女子って高身長イケメンとか高身長マッチョとかが好きじゃん!?』
「肯定します、女子の多数は高身長な男性に惹かれるというデータはあります。
ですがマスター、私は身長を気にしません。
マスターはニシノフラワーさんのトレーナーをご存知ですか?」
『そりゃまあ勿論。 童顔でそういうのが好きそうな奴にはモテるな』
「マスター、マスターもそっち側です。 私はマスターのような容姿は好きです」
『はあ!?』
84 :
マスター
2025/04/16 15:13:57
ID:xi55cQe5Lg
ニシノフラワーは飛び級で学園に入学した天才少女だ
マイル、スプリントの類まれなる才能があるウマ娘でもありまだ幼さの残る年齢ながらもうすでに将来を期待されている
彼女のトレーナーは確かに小柄で童顔、まあそういうのが好きなお姉様がたから人気なのもトレーナー間で話題になることがある
というか変な気を起こしたトレーナーから襲われるんじゃないかとよく心配されるような所謂「可愛い」系の男性だ。
同じ低身長でも目つきも口も悪いトレーナーとは存在が違う
『いやまって? ニシトレさんと俺を比較したり一緒にするのはニシトレさんに失礼だろ? 』
「この前、カフェでフラワーさんとお茶を飲んでるときにマスターと遭遇したときの事を寮室でフラワーさんは『可愛いトレーナー仲間』と称されてました」
『………いや俺大人の男性ッスよブルボンさん? 可愛いとか言われてもあんましちょっと』
「……お嫌ですか? 気分を害しましたでしょうか?」
耳をしゅーんとペタンとさせるブルボンにトレーナーは難しい顔で
『いや、嫌だとかムカつくってのはない。 意外とそういう気分にならないのは俺自身意外だけど……でもなんつーか手放しで喜べないと言うか複雑というか』
「それに、マスターの容姿外見は好きですが、マスターの事をすきなのはそこではありません」
85 :
トレぴ
2025/04/16 15:23:08
ID:xi55cQe5Lg
「私が初めて坂路を登りきった時、興奮して私を抱いてはしゃいでるマスターにステータス困惑と――ステータス:嬉しいを覚えました。
自分が自分のためにやりきったことなのにトレーナーはこんなに喜んでくれる。 自分自身のための事なのにマスターは真剣になって夢中になって本気で喜んでくれる。
私は三冠ウマ娘になる夢を叶えるために、自分のために努力してきました。必死に努力してきました。
でも――マスターはそんな私の事を真剣に見て真剣に怒って、真剣に喜んでくれました。 きっと、そんな人はトレーナー業をしていてもマスター以外に見つからない気がします。」
『うーん……うーん……』
「マスターはよく怒ります。 口が悪い時もあります。
でも――とても優しくて私の事を真剣に考えてくれます。
そんな人を好きになるのは、男性を好きになるとは違うのでしょうか」
『…………わ、わ、わ』
『――わかるわけねえだろ、年齢イコール彼女居ない歴を舐めるな小娘!』
86 :
アネゴ
2025/04/16 15:30:19
ID:xi55cQe5Lg
ミホノブルボンは、トレーナーが見たこと無いような顔をしている
怒ってるとか悲しんでるとか失望してるとかじゃなく、ただただポカーンとしてるような顔―――こんな表情の猫がネットのミームでいた気がする
『あ――いや、その――俺だって女性経験豊富じゃないんだ。その――すまん』
『……な? ほらな? 俺こんなみっともねえ男なんだ、ほらブルボンもこんなのが彼氏とか恋人とかイヤだろうなーって』
「否定します、その狼狽は私の感情にステータス:高揚を与えます」
無表情のまま耳をピコピコ、尻尾をブンブンしている
『まてまてまてステイ、ステイだブルボン。 お前が真剣なのはわかった、 なにかの勘違いという事ももう言わない!
だが、アイ・アムトレーナー、ユーイズ担当ウマ娘アンド未成年、オーケイ?』
「はい。 菊花賞を勝つ時は17歳です。 その翌年には18歳です」
『生々しいからやめて!? 』
87 :
モルモット君
2025/04/16 15:38:43
ID:xi55cQe5Lg
「マスター、提案があります。」
『……なんスか? もうなんでもいい……』
疲れ切った表情のトレーナーにブルボンは
「いますぐ私の好きに答えて頂かずとも、三冠を取るまで期間があります。
ですのでその間を猶予期間にしていただけないでしょうか?」
『猶予期間ってなんだよお俺はなんも悪いことしてねえよお……』
「どの道、三冠達成まで私にもトレーナーにも遊び歩く時間はありません。
本分を達成するまでを、私からマスターへの【アピール期間】と考えていただければ。
もちろんオフの日にマスターをデートに誘いますし、断られたらやる気はさがりますしもしかしたら片頭痛や寝不足気味になるかもしれません。」
『ねえまって!? バッドステータスを人質にしないで? 君の夢の三冠だよ?』
「私は三冠のためにも全力で努力をします。
――同時に、大好きなマスターと結ばれる事も全力で努力します。」
『あーもう好きにしろ、どうなろうと知らん。トレーニングおろそかにしたらその瞬間契約切るからな、絶対にトレーニングを最優先しろよ!?』
「その事ですが、マスター」
「次回のトレーニングで―――"4本"に挑戦したいです」
88 :
トレーナー君
2025/04/16 15:50:06
ID:xi55cQe5Lg
いつもより1日多い休養、その休養明けのトレーニング日
『調子は?』
「ステータス:絶好調 体調:万全
全力を出せます、マスター」
『しかし前倒しも良いところだぞ? いけるのか?』
「いけます。 マスター、最近の私は――ステータス:最強 です」
坂路を3本に増やしてから明らかに負担と疲労が増えた
今までの坂路前の高負荷トレーニングが全部坂路に置き換わるんだから当然だ
正直、トレーナーとしてもこれはもう、4本ではなく菊花賞まで3本で行こうかという感想すらあった。 しばらくは――クラシック期に入るまでは3本で行く予定だった。
ジュニアのメイクデビュー前にするような行為ではない。
ブルボン以外のウマ娘なら一番ハードなトレーニングでごく稀に1日3本をいれるかどうかだろう
だが、最近の彼女の躍進はめざましい。
毎回毎回、メキメキとタイムを伸ばしていく。 上半身はいい具合にシェイプアップされ前よりしなやかに、下半身――特にトモと呼ばれるおしりから太ももに流れる大きな筋肉は、明らかに筋肉で力強いラインを描くようになった。
――いいケツしてる――というのは一般では完全にセクハラだが、学園に限って言えば競争能力を評価する見た目、筋肉の付き方として重要な言葉だ。
『そういや……』
――菊花賞を勝つ時は17歳です
『はっ、三冠を"勝ちたい"と言ってた奴が今は"勝つのは"になってやがる』
「……?マスター?」
『ああ、独り言だ、すまん。じゃあアップと柔軟してこい』
89 :
使い魔
2025/04/16 16:07:34
ID:xi55cQe5Lg
――正直言って、ミホノブルボンの評価は"並"だった
よくいる短距離適正のウマ娘。 OPに行ければトレーナーからよく頑張ったなと手放しに褒めてもらえるような、G1勝利どころか出走にも縁もない程度の短距離バ
しかも、トレーナーだった父親からハードなトレーニングを受けて学園に来たというのは、それは"伸びしろが少ない"という可能性も高い。
三冠路線ではなく短距離路線を強要して契約を破棄したトレーナーが悪いわけではない。むしろ一人のウマ娘の人生としては正しい。短距離路線で並の才能のウマ娘が三冠路線を進んで――そもそもが皐月賞どころか、そのトライアルにどうやって出走するというのか。 並というのはそういう事だ
彼女のハードなトレーニングで身についた、坂路を登り切るパワー
淡々と黙々と、トレーニングを続ける事ができる性格、集中力
そしてずっとずっとハードなトレーニングをしても疲労で落ちない食欲
睡眠時間や就寝時間、食事を指示通りずっとつづける勤勉さ
トレーナーが作った大坂路でのハードトレーニングを続けるための条件をすべて兼ね備えてる、"並"であっても稀有な才能をまとめて持ったウマ娘
一本目――二本目
タイムは落ちない。想定タイムより良いタイムを刻む
『……タイム、一緒だな…最初から、最後まで』
『………1本目も、2本めも…………まさか、な』
90 :
お姉さま
2025/04/16 16:25:02
ID:xi55cQe5Lg
――3本目
100mごとにラップを刻むストップウォッチを持つ手が震える…………
『おい、おいおいおいおい……? いやそんな事が可能な訳が
いや、待て現実を受け入れろ。偶然でこんな事が出来るわけない』
3本目を終え低負荷のジョグを続けるミホノブルボンを3角で待って
『ブルボン、同じタイムで4本目いけ。 登りきれなくてもいいから"3本目までと同じタイム"だ』
「オーダー了解しました」
ミホノブルボンの表情も声も、もう余裕がない。
当たり前だ、3本でもシニアでも厳しい強度のトレーニング、ジュニア級でやれるものではない、クラシック級でも倒れてもおかしくない。
なのに――この"並"のはずだったミホノブルボンはジュニアで、メイクデビューなのに
『すげえな……本当に努力だけで、ここまでなっちまった』
91 :
ダンナ
2025/04/16 16:33:28
ID:xi55cQe5Lg
根性、努力、丈夫さ、馬力
そして、さっき確信したもう一つの才能
それはもし本当にそうならば――ブルボン以外が持ち得ない才能になる
そんな才能がある訳が無い、もしその才能を持つウマ娘がいたら――それは最強のスキルでありギフトだ
――体内時計
心拍が限界まで上がっていて疲労で身体も脳もすべてが悲鳴を上げてるのに?
歩くだけでもその時計は正しくないのに?
機械のような少女は――本当に機械のような正確さをもっていると?
『ありえない――ありえないが』
ただ走ってるだけで完璧に坂路のinからgoalまで同タイムというのはもっとありえない。しかもインターバルをはさんだ2本め、常識的な限界であろう3本目まで同じラップを刻んでいるとかありえない。
トータルタイムだってかなり良い。 断言できるがこのタイムを出せるウマ娘は恐らくクラシックですらいやしない。 シニアの、G1ウマ娘でもこのタイムを全員が出せるとは限らない。
――そんなレースのペース同然の状況で、全く同じラップを刻み続けるなど、かの三女神ですら不可能な芸当だ
92 :
お兄さま
2025/04/16 16:50:32
ID:xi55cQe5Lg
――嬉しかった
自分の夢を笑わないでくれたことが
真剣に聞いて真剣に考えてくれたことが
頑張った結果を本気で喜んでくれたことが
だから、自分のため以上に――マスターのために
頑張りたいと思った、努力じゃなく、マスターが喜ぶことをしたい
自分の走りを褒めてくれるマスターのために、走りでマスターを喜ばせたい
私が、4本のトレーニングを続けるためには全力で頑張るだけじゃなくて
想定するタイムから逆算したラップで走り続けること
淡々と機械のように同じ事を続けること
マスター、貴方のつくってくれた"脚"は――とても強いです
お父さんが作ってくれた身体で、貴方が作ってくれた脚なら
―――――私は、三冠を穫れる
『ブルボン!!!』
最後の最後、ゴールまであと100Mで失速し
ほぼ意識もなく、それでもふらふらと前に進み
最後はもう、たった100Mを50秒以上かけて――ブルボンは4本目の坂路をゴールした
『止まるなブルボン!』
トレーナーの声に、ブルボンの上半身がまっすぐ起きて――ゆっくりと、歩く。
ヒトミミの少年が簡単に追いつけるような、ふらふらの歩き方で
『よくやった、よくやったぞブルボン! お前は最高のウマ娘だ!
最高だよブルボン、お前は本当に最高だ!』
嬉しいのか、心配すぎて泣いたのか
くしゃくしゃのぐずぐずの顔で、ブルボンを褒めちぎる言葉をつづける。
横に立って手を伸ばし、くしゃくしゃと頭を撫でる
93 :
お前
2025/04/16 16:51:06
ID:xi55cQe5Lg
「……ミッション未達成です。 4本目を走りきれませんでした」
『いいんだ、いいんだ、そんなのはこれから走りきれるようになるから。
お前はずっと同じラップで想定タイムを出そうとした。 間違いないな?』
「はい……私は体内時計で一定のペースで走ることができます。 それを4本分に当てはめれば、4本を走りきれる計算でした。
ですが、スタミナ切れというのが――距離の壁というのがどういうものか、よくわかりました。」
努力や根性、精神でどうしようもない領域。 心臓の、肺の限界。脚が自分のものでなくなるという錯覚、動かない身体。
スタミナ、という言葉だけでは表現できぬ距離の限界
『大丈夫だ、それはこれを続ければ必ず伸びる。 そのための坂路だ。
お前は誰よりも厳しいトレーニングをやりきったんだ。 俺はもうどんな事でもおまえにしてやりてえよ』
「ほんとう、ですか? ではコンプリートのリワード:ごほうびがほしいです」
『ああ、なんだっていいぞ。 そうだな、前にいったハンバーグ屋でも、もっと高い店でもいいぞ』
「マスターに、ちゅーをしてほしいです。キスです」
『アホか』
結局なんやかんやで、ハグで許してもらうことにした
94 :
お兄さま
2025/04/16 16:58:50
ID:xi55cQe5Lg
『しっかし、100mごとのラップを全部体内時計でね……負荷とか感覚じゃないんだろ?』
「はい、数えているような感じですがうまく説明はできません。 ですが距離の目測と所要時間は完璧に計算ができます」
『それ、最強のスキルだぞ。 一定のペースを保てるかどうかって大事だからな。
例えば2000MのとあるG1のレコードタイムが1分58秒2だとするだろ?
これを最初の1000Mで59秒 後半1000Mで59秒で走りきればこのレコードをあっさり塗り替えることになる。 後ろもまずついてこれない』
「……それは合理的な作戦だと思います」
『まあ、まず1000Mを59秒、残り1000Mを59秒で返ってこれる能力が必要って前提が辛いが……普通はまずこのペース配分ができない。
理論上できたら最強だけどできないよね、というやつだ』
――でも、ミホノブルボンは出来る
95 :
トレーナー
2025/04/16 17:04:44
ID:xi55cQe5Lg
この、何を考えてるかわからん事も多いやたらトレーナーに積極的に見える機械的少女はそれを可能にする能力を得られる。そして、天賦の才であろう体内時計が本当に壊れない時計であれば
『ブルボン――お前メイクデビューまでずっと坂路でいくぞ。 合わせや合同訓練もしない。 正直メイクデビューは今走っても楽勝なだけの能力があるが、今は1600を完璧に走り切るスタミナと、皐月賞に向けた能力向上をしたい。』
「了解しました。ミッション:一生坂路 を遂行します」
『んっ、しかし流石に、筋肉もパンパンというかいつもより張ってるな。 痛かったり違和感がすごいとか、ないか?』
「ありません。 疲労感の大きさは確かにいつもの数倍ですが、マスターのマッサージがとても気持ちいいです。」
96 :
あなた
2025/04/16 17:11:15
ID:xi55cQe5Lg
そんなこんなで、マッサージも終えて
黒のスパッツに白基調にシンプルなパステルペイントの水玉のおちたようなTシャツを着たミホノブルボンがぶ厚めのソファに座ったまま両手を広げる
「マスター、私の準備は万端です。」
『あ、あー……どうしてもしなきゃだめっスか?』
「? マスターは私が初めて坂路を登りきった時、感情を爆発させて私を抱きしめてくれました。
あのような行為は常識的範囲でハグと呼ばれる行為で淫行にはあたらないので社会的にも問題はないと思います。
ですので、今、ここでマスターが私をハグする行為は問題はないと判断します」
『あのね、倫理ってやつもあるんスよ社会には。 気持ちが高ぶってハグはいいけど、こうして準備しましたバッチコーイでするのは倫理的にヤバいんすよ……』
「…?? 理解できませんマスター。
私はマスターにハグをされるのは大好きです。 もっともっと頑張ろうと思えるようになります。 つまり、これは心の栄養の摂取です。
なので
さあ」
97 :
お姉さま
2025/04/16 17:34:02
ID:xi55cQe5Lg
『あーもうわかったわかったわかった、しょうがねーな』
かがむような格好で、ミホノブルボンをハグする
――うっわ身体やわらか――てかすっげえ甘くていい匂いする……
ミホノブルボンが少し強引にトレーナーを抱き寄せ密着する。
ブルボンの肩に顎をのせ、あまりにも近すぎて横のブルボンの表情が伺えない
栗色の髪のシャンプーの匂いと、ブルボンの身体の匂いであろう甘い果物のような匂いを同時に嗅ぐと、頭がとろけて力が抜けて、このまま目を閉じて眠ってしまいたくなる。
「マスター 私は今、ステータス:幸せ です。」
『うん……俺も、気持ちよくて幸せ……』
「………」
なにか変なことを言った気がするが脳が完全に溶けたトレーナーは自分の言葉すら覚えてない。 ブルボンは何も言わずに、優しくトレーナーをハグして
『――言っとくが今日だけだからなハグは』
「否定します。ステータス:不満を主張します、トレーニング後には毎回マッサージとハグをしてケアをすべきです」
『しません、アイ・アムトレーナー・ユーイズ担当ウマ娘』
「マスターも気持ちよくて幸せと言っていました」
『言ってません、てかトレーナーが言ってたらやばいだろソレは』
「…………」
『なんだよまだ不満かよ』
「いえ、なんでもありません」
『なんか怖いな。 はよ寮にもどって飯食って休め。 2日ぐらいはオフにするけど自主練とかは禁止な』
「了解しました。 マスター、ご褒美のデートはありませんか?」
『あるわけねえだろ。 まあこの前のハンバーグ屋さんならつれてってやるぞ』
「楽しみにしています、マスター」
ミホノブルボンは振り返り、トレーナーに歩み寄って
ぎゅ♪
「まだ"今日"ですから。 おやすみなさいマスター」
そう言って、ミホノブルボンは踵を返しトレーナー室を出ていった
98 :
トレぴ
2025/04/16 17:54:36
ID:xi55cQe5Lg
だそく
トレーナーが
なんで女子高生に本気でときめいてるんだ俺は
とトレーナー室で発狂してる頃
ミホノブルボンは坂路トレーニングとは違う胸の高鳴りと、男性とはいえ柔らかく細いトレーナーの身体とその匂いを思い出し、尻尾をブンブンさせながら「心の栄養」と口ずさみつつ、寮に帰っていった。
「と、言うことでミッション:ご褒美ハグ作戦 成功しました」
🌻「おめでとうございますブルボンさん、ブルボンさんのトレーナーさんも可愛い方ですね♪カフェで見た時ああ、私のトレーナーさんみたいに可愛らしい方だなあって」
「恐縮です、前で言うとおこられますが私のトレーナーさんはとても可愛いです」
🌻「ですよね~」
「はい、うさぎさんもそういっています」
🌻「ブルボンさんはスタイルもいいし、美人ですしきっとうまく行きますよ!」
「はい、マスターも言ってました。 私とのハグは気持ちよくて幸せ、だそうです」
🌻「わあっ♪ほ、ほ、ほんとですか? うわあっ♪」
「はい、マスターは言った記憶がないようでした。陶酔上の言葉であれば本心だと革新します」
🌻「と、と、陶酔っ? そんな蕩けた声だったのですかブルボンさん!」
「はい、あれはとても気分が高揚しました」
99 :
マスター
2025/04/16 17:54:52
ID:xi55cQe5Lg
4話おしまい
100 :
キミ
2025/04/16 17:58:47
ID:xi55cQe5Lg
おかしい
ちょっとスポ根めの必死で泥臭い話の予定が変な方向いってる
101 :
大将
2025/04/16 18:09:13
ID:NrCVlEnEvA
このまま三冠取ったらマスコミの前で結婚宣言(一方的)してその夜に夜のゲートイン(意味深)でも全然いいよ
102 :
アナタ
2025/04/16 18:10:28
ID:xi55cQe5Lg
>>101
ダイワスカーレットじゃん・・・
103 :
>>1
2025/04/16 21:13:56
ID:xi55cQe5Lg
>>1
です
個人的にインモラルなものや誘惑などの妖艶、色気があるものが好きなのですが皆さんはどうですかね とは言ってもミホノブルボンの場合素直クールの延長のようなものになると思いますが
正統派の純情のほうがやっぱみんなみたいものなんでしょうか
104 :
トレーナー君
2025/04/16 22:04:34
ID:mRyyLqidEo
お疲れ様です
個人的には、「作者の思う物」を書いて貰えるほうが好きなのですが、人を選ぶ自覚があるようであれば、軌道修正してもらってもいいのかなと思います。
ただ、基本的には俺はこういうブルボンの話が書きたいんだ!で始められたと思いますので、その気持ちのままでいいのではないでしょうか?
105 :
貴方
2025/04/17 00:36:34
ID:5AusdZVO8Y
個人的に実はバリバリそっちの知識あって周りが思ってる程幼く無いブルボンばドストライクなので規約に引っ掛からない程度にぬちょぬちょして欲しい
106 :
トレーナー君
2025/04/17 07:25:51
ID:rJU9jBX5Zs
>>104
>>105
ありがとうございます。 ガイドラインを遵守する範囲で書きます
基本的にこのブルボンには性欲も性知識もそれなりにはありますがちょっとズレてる感じです。
107 :
あなた
2025/04/17 20:33:17
ID:c7.9i4fNpQ
『ブルボン、来月メイクデビューな』
マッサージをしながらトレーナーが言う
低負荷と高負荷を繰り返すトレーニングは坂路を4本にしてから、すべての高負荷を坂路で行うことになった
ゲート練習すらまったくしてない、バ群を想定した並走もしてない
ただただ大坂路を走り、登りきったらゆっくりと降りてくる。 そして再び坂路に向かう。
『不安か?』
「いえ、ペースを上げても身体がついてくるようになっています。 私は着実に力をつけているのは自覚しています。」
『そうか。 まあ安心しろ、今のお前ならメイクデビューは問題にならん』
ぎゅ、ぎゅ、とマッサージを続けていく。最近ではブルボンの尻尾の動き方で心地いい力具合が分かってきた
「私は、大した実力もないウマ娘でした。 ですからメイクデビューが楽勝、という感覚がよくわかりません。」
『まあ、才能と実力にあふれてても同じレースに出走する中に、ウマ娘の歴史に残るようなバケモンがいて負けるとか普通にあるからな――今年デビュー組はちと不幸かもな』
「不幸、ですか?」
『ああ、ミホノブルボンっていう絶対に勝てない三冠ウマ娘と同期とか不幸でしかねえよ』
108 :
トレピッピ
2025/04/17 20:39:35
ID:c7.9i4fNpQ
「マスター」
『とはいえ、坂路4本っていうトレーニングばっかのブルボンにはピンとこないか
と、いうことでメイクデビュー前に一本、普通のトレーニング場での模擬レース出るぞ』
「模擬レース」
『ああ、ジュニア級の有力馬、目玉になるウマ娘を探せみたいな記事の企画でな、トレセン学園が公開トレーニングに応じることになった。
デビュー予定の模擬レースを行う。
模擬レっていっても3人1組で行う500Mの直線トレーニングと思って良い、コーナーもなしの直線500Mのタイムを計測する。』
『で、そのコースがトレセン学園で新設した坂路トレーニング場らしい。』
「坂路」
『勿論"大坂路"のようなのじゃない低勾配のもんだ。 そこで今のお前がどうなってるか、実戦に近いコースではしってみりゃいい』
109 :
貴様
2025/04/17 20:46:12
ID:c7.9i4fNpQ
トレセン学園、坂路トレーニング場
新設された新しい試みということで、トレーニング場もかなり綺麗で新しい
そこに沢山のトレーナー、記者、見学のウマ娘が集まっていた
『どうだ、これだけの人に見られながらの模擬レース。 緊張するか?』
「感情、異常ありません。 緊張も問題ありません、マスター」
『そっか、じゃあ多少短いがここの連中を驚かせてやれ』
「オーダー了承しました。 ミッション:模擬レースを開始しま――」
ミホノブルボンの言葉が止まった。ブルボンの視線を追うように振り返ると別のトレーナーが立っていた。ベテランで堅実、腕の良さはブルボンのトレーナーも認める存在だ。
「ミホノブルボンくん、久しぶりだな」
「……お久しぶりです、トレーナー」
110 :
アネゴ
2025/04/17 20:46:42
ID:c7.9i4fNpQ
めちゃ眠いんで今日はねます。4話明日以降続きます
111 :
お姉さま
2025/04/18 05:18:32
ID:45NzUEcmiU
「飯塚トレーナー――君が今の担当トレーナーか」
『……そッスね。』
ミホノブルボンはコースに向かい、それを遠巻きに囲むトレーナー、記者陣
バツの悪そうな顔でトレーナーは、ベテラントレーナーと並んでいた
「彼女は、まだ三冠路線を」
『ええ、勿論穫る気ッスね。 短距離路線に行く気はゼロですか』
「……それで――君のような"壊し屋"を"駆け込み寺"に使ったと?」
『……まあ……誰が見てもそんな構図なんでしょうね。しかも、"並"かそれ以下のタイムすらなかった』
「夢に掛ける、人生に掛けるのは私も悪いことじゃないと思う。 彼女たちの人生は彼女のものだ。
――でもね、もっと良い方向がある。良いやり方があるのにそれを示し、導けないなら、私は彼女と契約を続けてはいけないと思ったんだ。」
『まあ、見てられないッスよね。 明らかに破滅に向かって頑張ってるウマ娘なんて』
「彼女は2000Mを走れるような適性はない。 それでも、新しい担当とならマイルのオープンを勝って出走ぐらいはできるのかもしれない。 」
『ウマ娘の競争能力は天性のもの。 それを引き出すのがトレーナーの役割
天性以上のものを求めたらまっているのは』
「故障、破滅だよ。残念ながら努力は才能をひっくり返せない。ウサギとカメの話のようにはいかない。 なぜならここのウサギたちはみんな努力家だからね」
『俺ぁ、あんましそう思ってない方なんですよ。 まあ、見ててください
ベテランの1流トレーナーのアンタならわかるはずだ、 たった500Mのコレでその常識がひっくり返るのがわかる。』
112 :
アネゴ
2025/04/18 05:37:30
ID:45NzUEcmiU
3人1グループとなってウマ娘たちが模擬レースを始めていく
その様子を見ながら、ベテラントレーナーは少し目を見開き、しかし飯塚トレーナーの方には目を向けず
「強気だな。 そんなにいいタイムが出せるようになったのか?」
『ここの記録のレコードってわかりますか?』
「坂路かい? なにせ出来たばかりのコースだからね。 ジュニアだと、えっと……」
『ああ、いえ……全部ので。 シニアも含めた記録ってどうなのかなって』
「……30.4だ。シニアでも31秒前半をだせればG1級だろうな」
『じゃあ、ジュニアでそんなタイムを出せるようなウマ娘なんていないッスね』
「当たり前だ、今走ってる子たちのタイムを見ればわかるだろう」
『そっスね――常識的に、ね』
「……私は、君が苦手だ。 根性論やスパルタトレーニングはウマ娘の人生を奪うやってはいけないことだと思ってる。
君のその態度が悪意のないものなのはわかっているがね、そんな態度でそんな事をしていたら、本当に君は未勝利のウマ娘をつまむ、壊し屋でしかないぞ。」
『……そっスか。 俺はアンタを尊敬してますよ。 アンタは優しいし適正に合わせ他指導で決して無理をしない。だからブルボンが破滅の道を歩むのをそばで見てられなかった。』
113 :
お兄ちゃん
2025/04/18 05:43:42
ID:45NzUEcmiU
『それでも――ウマ娘の自由も意思も強制して捻じ曲げたくはなかったんでしょ?
ブルボンは、アンタの愚痴や文句をいったことがない。
的確なトレーニング指導をする優しいトレーナーだった、ただ…三冠路線だけは認めてもらえなかった。 私では、その可能性を示せなかった。
そう、言ってましたよ』
「ああ、そうだ。 彼女では短距離路線のオープンにいければ良いほうだ。」
『だから俺も、アンタが間違ってるってあんま思ってないんスよね。
アイツが可能性を示せなかった、だから俺等トレーナーは……アイツに方法を示せなかった』
「…………」
『常識的に、それが間違ってるわけじゃないんスよ。 ただ……あいつは』
『あいつには、常識を打ち破る事ができる事ができる、武器があったんで』
114 :
トレーナー
2025/04/18 05:51:14
ID:45NzUEcmiU
ミホノブルボンが出走する。スタートは良い。 そのまま一足で加速する
『……はあああ、良かった。ゲート練習全然してなかったからゲートだけが心配だったんスよね』
「彼女は胆力もあるし反応もいいからな。スタートの良さは間違いなく才能だよ
しかし――良い加速をしてる。」
ミホノブルボンは残り2人をどんどん引き離していく。まるで全力で短距離走を走るように。
「500Mとはいえ坂路だぞ。 ジュニア級であのペースで保つ訳が」
『いやあ、良いペースだ。 それで良いぞブルボン』
ベテラントレーナーが飯塚トレーナーの方を向く。 もはや飯塚トレーナーはベテラントレーナーにではなく。 キラキラした目でコースを見つめていた。
『よおし、行けブルボン――常識をぶちのめせ!』
115 :
トレーナー君
2025/04/18 06:06:38
ID:45NzUEcmiU
300Mを超える頃には観客席がざわついていた。
二人をぶっちぎり圧倒的なペースで走るミホノブルボンにトレーナーも、記者たちも注目した。
スパートをかけたような序盤のスピードから一切落ちない。もっとも心肺に、脚に負担がかかってスピードが落ちるであろう坂路の直線をその最高速でかけていく
――おい、あれ誰だ?
――本当にジュニアかあれ
――このタイムって…シニアじゃないの?
「――飯塚さん、何をしたんです。」
『なんにも……ただあいつは頑張っただけですよ。
スパルタなハードトレーニングを黙ってずっとしたんです。』
残り100Mの白い標識で
――ミホノブルボンは更に加速し、スパートをかけた
どよめく観客。 ストップウォッチを握りしめる飯塚トレーナー
ミホノブルボンという、並の短距離ウマ娘が出した記録は
29秒9という学園のレコードタイムだった。
500M坂路という場で、シニアも含めた学園すべてのウマ娘の頂点のタイムを出したのだ。
――見たか? おいおいおいおい見たか見たか見たか?
――アレがミホノブルボンだ、見たかあの走りを?
――最高だろ! あんな走りが出来るウマ娘なんかいやしねえぞ!
――ブルボン、あいつは最高のウマ娘だ!
観客席で子どものように歓喜し叫び周囲のトレーナーに抱きつく飯塚トレーナー
その姿が記者によって写真を公に公開されるのはブルボンのメイクデビュー前週の話になる。
116 :
ダンナ
2025/04/18 06:26:06
ID:45NzUEcmiU
『お疲れ、ちゃんとクールダウンしたか?』
「戻りましたマスター。クールダウンはいつも通りの時間行いました。
各部位異常なし、心拍、体調すべてオールグリーンです」
トレーナー室、ミホノブルボンはゴール後会心の走りができた実感から、すぐにトレーナーのいる観客席に向かってきて
『あほかっ! さっさとクールダウンしてストレッチしてシャワーだ!』
と、トレーナーに怒鳴られた。
耳がぺたんとなるほど落ち込みながらクールダウンを終え、シャワーに向かおうとした時。 ベテラントレーナーに声をかけられた
ベテラントレーナーは、ミホノブルボンに一言だけ
――応援してるよ、君の三冠挑戦を
とだけ言って、踵を返した。
『よし、模擬レースおつかれさん。 ちょっとそこに立て』
「はい、マスター」
ミホノブルボンがトレーナーの前に立つ。 すると
がばっと、情熱的に抱きしめられた。 トレーナーはバンバンバンバンとミホノブルボンの背中を何回も叩きながら
『よーしよしよし、よくやったよくやった! 29秒9だってよ!
お前本当によくやった!学園レコードだぞ学園レコード!』
「……はい」
口調も、態度も子どものように、嬉しさを爆発させたようにミホノブルボンを強く抱きしめて背を叩き後ろから頭を撫で回す。 ミホノブルボンの髪型が崩れてもお構いなしだ。
「今日はスタートもよく、ペースも完璧な運びでした。 結果:よくやった という事になります」
『ばか、そうじゃないだろそうじゃないだろ』
ブルボンの言葉を否定しつつも、トレーナーはハグをやめずブルボンの頭を撫で回す。 それがブルボンにとってはとても心地よく、髪の毛が乱れることなんかどうでもよかった。
ずっと撫でてもらいたいしずっと褒めていて欲しい。
きっと自分が今日頑張ったのはこの為だったのだろうと思えるぐらいに嬉しいし、幸せだった
117 :
アンタ
2025/04/18 07:18:14
ID:45NzUEcmiU
『お前が学園レコードを出したのはな、今日頑張ったからじゃなくて今日までずっとずっと頑張ってきたからだ。
だからお前は本当によくやったんだよ。 見たか? トレーナーや記者たちのあの顔。 お前はこれから学園で一番注目されるウマ娘だ』
――マスターは
――自分が頑張るとこんなに喜んでくれる。 褒めてくれる
――三冠ウマ娘になるとかなれないかじゃなく、自分の努力をこんなにも全身で喜んで、褒めてくれる。
――それがたまらなく、嬉しい
『っと、すまんすまんちょっと頭なでくりまわし過ぎた。髪の毛ぐちゃぐちゃになっちまった』
トレーナーは我にかえってブルボンから一歩離れる。
するとブルボンはいつもの感情を出さない表情のまま一歩前に寄り、トレーナーと同じぐらいの身長のまま顔を近づける。
「マスター」
『な、なんだよ』
「要望:おかわり を希望します。 もっとハグをしてもっと頭を撫でる事を希望します」
『あー……』
今日は確かに頑張った。 そのぐらいはしてやっても全然いい。
しかしさっきまでの自分の感情に任せたものと違ってこうして冷静でいるときにハグをしたりしてると、やはりミホノブルボンが女の子であることを意識してしまう。
おそらくは香水や制汗剤でおしゃれをするようなタイプではない。
しかし距離がちかいと、こう――少女がもつ甘くて頭が幸せにとろけるような匂いがするのだ。
「マスター。 私は頑張りました。 よくやりました。」
『う"っ……』
「マスター」
『わかった、わかったわかったわかった』
118 :
アネゴ
2025/04/18 07:27:32
ID:45NzUEcmiU
ぱああああ
ミホノブルボンは嬉しそうな雰囲気で両手を広げる
はあ、とため息をついてトレーナーはミホノブルボンをぎゅうっとハグして、頭をポンポンと撫でてやる。
長くて綺麗な尻尾がぱたぱたぱたと揺れてる。 よほど嬉しいのか止まる気配もない
――うっわー、すっげー甘くていい匂い
ミホノブルボンは担当ウマ娘であり邪な感情や劣情を抱いてはいけない対象だ
それでも、鼻腔から脳に直接くるような甘い匂いは心地いい
色々と、間違いを犯して担当と永遠を刻んでしまうトレーナーが毎年現れる気持ちが少しわかる気がする
きっと彼らも理性を鋼のように固く抗ってはいたのだろう
「マスター、私はマスターにハグをされるのが好きです」
『……おう』
「マスターは、イヤですか? 私とハグをするのが」
ミホノブルボンが両手でぎゅっとトレーナーを包むようにハグをしてくる
「私はマスターとこうしているのがとても好きです」
119 :
トレーナー君
2025/04/18 07:36:25
ID:45NzUEcmiU
『嫌、じゃない』
「じゃあ、もっとハグをしましょう」
ミホノブルボンは更に身体を密着させる。 大きく柔らかい胸が強くあたってたわみ、太ももが互いに絡み合うような格好
『――はいストップ! おしまいだ!』
「マスター」
『そんな顔してもだめだ。 ほらソコソファに座れ』
ソファに座るブルボンの対面に座って
『お前は三冠ウマ娘になりたい。そのためには俺の指導と大坂路が絶対に必要だ』
「はい、マスター」
『つまり俺達はトレーナーと担当という関係をずっと維持しなきゃいけない。 ソレ以上踏み込んだ関係になってはいけないということだ。
万が一ソレ以上の関係になったのが外部にバレたら俺はクビ確定。 そうじゃなくても担当契約は学園で解除されるだろう』
「……」
『わかるな? お前が俺のことを好きだと言ってくれるのはまあ……嬉しいは嬉しいんだが、それを受け入れるつもりは一切ない。
お前の夢を叶えるための担当契約を破棄する状況はあってはならない。
…………わかるな?』
ミホノブルボンは、しゅんとしたような雰囲気でこくりと頷いた
120 :
アナタ
2025/04/18 07:42:51
ID:45NzUEcmiU
――危なかった
あのまま身体を絡め合っていたら本当に間違いが起きていたかもしれない
心臓がまるで心臓破りの坂を走ったようにバクバクしてる
こんな美少女がいい匂いさせながら抱きついてπだ太ももだ密着させるのだから頭壊れてしまう。
「……あの、マスター」
『なんだ』
「わかりました。 過度なスキンシップは禁止だとメモリーに記憶させます
ですが、一つだけ教えて下さい」
「もし、私とマスターが担当契約関係のない状況であれば、マスターは私をうけいれてくれますか?」
『知らん、それなら俺はお前の魅力に気づけてない。お前の走りをみてもいない。
美少女でめちゃスタイルの良い女だとは思うが接点がない』
こう答えるのが精一杯だった。
そりゃこんな美少女が年齢的な問題もトレウマ関係でもなく言い寄ってきたら間違いなく付き合うし結婚したい。しかもミホノブルボンは性格も良い子だ。
多少世間とズレてる部分はあるがわがままであったりとか他人に悪意をむけるような子ではない。
それに、こんな腰が細くてπが大きい子は正直めちゃ好みだ
だが――だからこそ間違いはあってはいけない。
多少冷たい言葉を使ってでも距離感を保たねばいけない
121 :
アネゴ
2025/04/18 07:47:30
ID:45NzUEcmiU
『まあ、ツキナミな言葉だが』
手を伸ばして、ソファに座るブルボンの頭を撫でる
『お前が学園を卒業して大人になって
それでも俺のことを今みたいに思ってくれてたら、その時はそれはそれでデートとかしような』
妥当な逃げ口上だが、実際こんな好みの美少女と付き合えるなら付き合いたいものだ。 そこは嘘ではない。
ブルボンは耳をピンっと立ててコクコク頷く。
ふう、と安堵のため息を胸の中でついてから
――立ち上がって近くで見下ろすミホノブルボンを見上げる事になる
122 :
トレーナーちゃん
2025/04/18 07:56:15
ID:45NzUEcmiU
「マスター」
『……なんスか?ミホノブルボンさん』
「私の頑張りに、努力に、マスターはいっぱい褒めてハグをして、頭を撫でてくれました。 それは"担当契約"の範囲なので問題ありません」
『………そっスねそのぐらいは大っぴらに見られなければ問題ないと思いますよミホノブルボンさん。』
「では」
「今度はマスターの"頑張り"に私が感謝を伝えるべきだと判断しました」
「ミッション:マスターをハグ&なでなでを開始します」
『………はい?』
「これは男女の行う行動ではなくあくまで担当トレウマのスキンシップです。問題ありません、さあマスター立ってください。
立たないと私がソファでマスターを抱きしめることになります。」
トレーナーは素直に立ち上がった。
その後ミホノブルボンのハグ攻勢を――マスターは耐えた。
甘い匂いと柔らかな感触で間違いを起こしてしまいそうになったが――耐えた
123 :
トレーナーちゃん
2025/04/18 07:56:30
ID:45NzUEcmiU
4話おしまい。
5話明日以降
124 :
お姉さま
2025/04/18 08:26:23
ID:7B3IeuRaaA
あまあああああい!!!(井戸田)
125 :
トレーナーさま
2025/04/18 17:37:13
ID:6bUpmEOfC6
『メイクデビュー決まったぞ、9月1週の土曜日。 開催は中京 距離は1000Mだ』
トレーナー室
書類を片手で、パンパンと音を鳴らしてブルボンの視線を誘う。
追い切り――というわけではないが全開の模擬レースを見るにミホノブルボンの能力はもうメイクデビューに十分すぎるだろう、9月予定ではあったが予想以上の仕上がりに安堵していた。
「了解しました。 1000Mというのはなにか理由があるのでしょうか?」
『ある。 お前は3冠のためにもっと長い距離を走りたいと思うか?』
「肯定しますマスター、今の自分がもっと長い距離のレースに耐えれるかテストしたい気持ちはあります」
『じゃあ先にそっちの回答だけしてやる。 今のお前は3000Mどころか2000Mの皐月賞も距離的には耐えられん。 試す必要すらない』
トレーナーはばっさりと言い切った。ミホノブルボンは表情を変えない。
変えないが――尻尾が垂れ耳がへにょっと下がったのを見るに少々落ち込んだらしい。 ミホノブルボンというウマ娘は感情が表情にでないだけで内部ではとても感情豊かなのだろう。 最近は耳や尻尾、雰囲気でその機微を感じられるようになってきた。
126 :
お兄さま
2025/04/18 17:38:08
ID:6bUpmEOfC6
『そもそも今からあと1年以上ある菊花賞もそうだが短距離ウマ娘がそんな数ヶ月で3冠を穫れるほどのスタミナを得るというのは不可能だ。だからお前が弱いとか努力不足という話じゃない。
むしろトレセンの坂路500Mで30秒を切ったという現実を誇れ。お前は今でもスタミナは足りないが最強に一歩も二歩も踏み込んでる。
お前はめちゃくちゃ頑張ったしつよい。 ずっといっしょにいた俺が保証してやる。
ミホノブルボン、肯定か否定かで答えろ。 俺はウマ娘にきやすめで慰めるために誇大的な評価をする男か?』
「っ! 否定します。 マスターは事実のみで評価をします。」
『そうだ、俺はお前が三冠を穫るために気休めは言わない。 黒を白とも言わない。
そんな俺がお前は強いと言ってるんだ。 十分頑張ってるぞ』
ぱあああ
――あ、立ち直った。
このミホノブルボン、無感情どころか表情がマスクデータなだけで非常に単純で感情がこうしてすぐ明るくなる。基本的に犬のような性格だ
あまり浮かれたり調子に乗ってケガややけどをするタイプでもないので常時褒めちぎってる。
127 :
大将
2025/04/18 17:48:58
ID:6bUpmEOfC6
『で、メイクデビューが決まったから今後の目標を立てていく。』
ホワイトボードに黒ペンでカキカキと描いていく
メイクデビュー
1600Mのレース
朝日杯FS
皐月賞
日本ダービー
(長期休養+合宿)
菊花賞トライアル
菊花賞
『描いてみると予想以上にシンプルだな。』
「……」
『どうしたブルボン。レース数が少なくて不服か?』
「いいえ、マスター。 ステータス:感慨深い です
こうして作戦会議をしてると、私は本当に三冠に挑戦するのだなと」
『確かに……お前はここのレースを全部勝つのが目標だからな。』
『んで、この全体の目標と、お前の心肺……要は「スタミナ」の目標を同期する』
「同期」
『お前のスタミナ、心肺はまだまだ足りない。 しかしクラシックは2000M・2400M・3000Mと伸びていく。 朝日杯も含めれば1600Mから3000Mまで順番にやってくるわけだ。
なら、朝日杯までに1600Mを全力で走りきれるスタミナを、皐月賞までに2000Mを、2400はダービーまでにトレーニングで身につける。それでいい。
最終的にこの坂路トレーニングでしっかり3000Mまでを走りきれる心肺をもって菊花賞に望む。
だからメイクデビューはあえて1000Mにした。 この時点で長い距離を走る必要なんかない。どうせここでスタミナが足りないとわかっていてもやることは…』
「坂路を今まで通り走ること、でしょうか」
128 :
トレーナーさま
2025/04/18 17:52:44
ID:6bUpmEOfC6
『そうだ。 どの道脚への負担や菊花賞までの持続的なトレーニングを考えたら一回二回、坂路を5回に増やしても意味がない。 結局スタミナ足りないと思いますだろうとなんだろうと結果今までの坂路4本をひたすら繰り返すほかない』
「……あの、マスター……質問と提案が同時なのですが」
『珍しいな、お前がそうして聞くのは。 なんだなんだ』
「私はこうして4本の大坂路トレーニングをしています。 現状トレーニング進捗は順調。 ――ならば、5本目に挑戦するのは」
『絶対やらん』
冷たく、厳しい口調だった。 ミホノブルボンが、言葉を飲み込むほどに
129 :
トレーナーちゃん
2025/04/18 17:57:21
ID:6bUpmEOfC6
『模擬レースの坂路あったな? あれは直線が500Mちょい。変則なコースで直線がな長いが、一周が約800Mだ。
一応はそんな大坂路より傾斜がゆるい800Mの坂路も一部の重賞勝利者などが使ってる。
そこで問題だ――シニアのG1級のウマ娘たちがやってるその坂路、1日何本してると思う?』
「……あの坂路は傾斜がかなり抑えられてます。 シニアのG1級であれば5本以上は」
『2本だ。 3本以上やるトレーナーを俺は見てない。』
「……」
『お前は、あんな坂道じゃなく"壁"のような大坂路を1日で4本やってる。
お前のやってる事はお前が思ってるより限界ギリッギリをやってんだよ。』
130 :
お姉ちゃん
2025/04/18 18:04:16
ID:6bUpmEOfC6
『重賞級、G1を勝利してる、させてるウマ娘とその実績をもつ実力派たちがあの坂路で2本。 かたや俺達は大坂路で4本……正直いつお前が故障しても"当たり前の事"でしかないんだ。』
「すいませんでした、マスター……私は、もっと、もっと頑張りたくなって」
『あー……うーん……』
ものすごく落ち込んでるミホノブルボン。 表情は相変わらず無表情だが、耳がこれ以上なく垂れ落ちてる。 質問と要望――それは三冠を穫るため、ではなく
『なあ、ブルボン――お前が5本にしたかったのは、もしかして……俺のためか?』
「……はい。 すいませんでしたマスター。
マスターは私が頑張れば頑張るほど、褒めてくれます。 いっぱい、褒めてくれます。 だから、私はもっと頑張ろうと思いました。 もっとミホノブルボンは頑張れるんだと、マスターに……思って欲しかったんです。」
『馬鹿だな、ブルボン』
トレーナーはソファに座るミホノブルボンに近寄って片膝をついて、ぎゅっと抱きしめる
『お前は毎日毎日、すっげえ頑張ってるよ。 こんなに頑張れるやついないって。
俺はいつもそう思ってる。 だからこれ以上とか考えるな……俺にとってお前は世界一頑張って努力してるウマ娘だよ』
「……はい、マスター」
131 :
キミ
2025/04/18 18:09:05
ID:6bUpmEOfC6
『……と、まあ話が脱線しちまったが。
メイクデビューは正直ぱぱっと踏み台にしたい。 ここで楽勝するのが前提のルートだ。 一番短い1000Mで疲労を貯めずレースというのを体感してこい』
タンタン、とペンでホワイトボードを叩いてから
『で、ミホノブルボン。お前の作戦は『逃げ』一本で行く。 お前の体内時計なら同じペースで走りきって勝つという紛れがないレースが可能だ。
全レースそのハイペースかつ同一のラップを刻んで勝つのがお前のスタイルになる。』
「はい、マスター」
『今回の想定タイムは59秒。 100Mあたり5.9秒だが、できるか? 6秒よりコンマ1速いペース』
「可能です。 私の体内時計はコンマ2桁まで可能です。」
『……いやほんとそれなんで? 普通は1秒誤差でも59秒数えるのきついよ?』
132 :
トレぴっぴ
2025/04/18 18:14:27
ID:6bUpmEOfC6
「私は……ロボットですから」
『……ブルボンロボ、発進!』
「了解しましたマスター・ミホノブルボン、発進します」
ロボットのような起き上がり方でソファから立ち、パントマイムのような動きをする。 ミホノブルボンも多少はノリがいい。
『あっはっは、ああそうだ。 万が一出遅れたら……まあ適当にいけ』
「オーダーに不明な単語を感知しました。 適当、とは」
『いや前に適当についてけ。 ほんと雰囲気でいい、焦って逃げようとすんな。
いいか? お前のその体内時計は最強の武器だが、お前の脚はソレ以上だ。 だからついて行って最後の直線がみえたらスパートして全部抜け。』
「オーダー、承認。出遅れた際には作戦名:適当について行って全部抜けに変更します」
『まあ、そもそも出遅れないのが一番だが――とはいえゲート練習も殆どできないからな。 ここまでやってもギリッギリなのが現状だ』
133 :
モルモット君
2025/04/18 19:48:50
ID:6bUpmEOfC6
ニシノフラワーさんの協力を頂いて、お父さんに電話をした
「お父さん――メイクデビューが決まりました」
――そうか、精一杯頑張りなさい。お前は、頑張れる子だからね
「承知しました、頑張って来ます」
――さっきもね、飯塚トレーナーから連絡があったよ。 律儀にね、レースまでのスケジュールもLaneで見せてもらったよ。
「マスターは優しいです。 お父さんにもちゃんと連絡をしてくれるなんて」
――ブルボン、もしかして飯塚トレーナーが私に毎日Laneをくれてるのを、知らないのかい?
「……毎日、ですか?」
――ああ、毎日、ブルボンはは先日なにをどのくらい食べたとか、今日のタイムはどのくらいだったとか、特に3本目、4本目と増えたときには事細かく報告をくれてね
――父親として心配するだろうと、毎日食欲が落ちてない事や脚に異常がない事を必ず1行だけでも連絡をくれてたよ
――娘さんの脚をこのような形で頂く以上、貴方の心配を減らす手段がこれぐらいしかおもいつかない、と言っていた。
――ああ、29秒9の…坂路の学園レコードを出した時は、凄く嬉しそうに電話をくれたよ。あんなに子どものように喜んでくれるトレーナーはそうそうはいない
――ブルボン、本当に良い"マスター"に巡り会えたね。 頑張りなさい
――私はいつでも応援してるよ
少しだけ他愛のない会話をして、通話を切って
「ミホノブルボンさんのマスターさんは、すっごく優しい人なんですね」
134 :
お姉ちゃん
2025/04/18 19:54:51
ID:6bUpmEOfC6
「フラワーさん……はい、マスターは口こそ乱暴ですが、とても優しいです。
私がミッションをコンプリートすると、かならずいっぱい褒めてくれます。
毎日、長時間マッサージをしてくれます。 マスターの腕がどんなに疲れても、握力がなくなっても、ずっとしてくれます。」
「……私、ブルボンさんがマスターさんと契約をしてから、ずっとずっと、よくない噂を聞いてました。 ブルボンさんのマスターさんは……とても怖い人だって」
「肯定します。 マスターは口調も強く、相手を緊張させる事があります
――ですが、"壊し屋"ではありません。 ウマ娘が壊れるのを誰よりも嫌う人です。」
「はい、ブルボンさんはマスターさんと出会って、契約してから毎日がとても楽しそうです。 部屋に戻ったらマスターさんの話をいつもしてくれます」
「ステータス:不安を確認。 もしかして、ご迷惑だったでしょうか?」
「とんでもありませんむしろばっちこいです!!」
135 :
ダンナ
2025/04/18 20:00:23
ID:6bUpmEOfC6
「だって、ミホノブルボンさんのマスターさんってすっごく可愛いじゃないですか! こう、ガキ大将の男の子!って感じで!
私のトレーナーさんは少しおとなしめの男の子って感じでとっても可愛いんですけど、ブルボンさんのマスターさんみたいな男の子もいいなって思うんです」
「同調します。マスターは――可愛いです。 隠しステータス:萌えが止まりません」
「ですよね、可愛いですよね。 あんな可愛いトレーナーとハグ出来るなんて私もブルボンさんもそれだけでダッシュ3本は出来ちゃいます!」
「いいえ、私は坂路4本はイケます。その先に、マスターのハグがまってますから。」
「あーわかります。でもこっちからハグするとちょっと蕩けちゃうんですよね、きゃー可愛い~♪」
「あの、ブルボンさん。 次のメイクデビューで勝ったら、特別なご褒美をおねだりしてはどうですか?」
「特別な
ご褒美」
136 :
あなた
2025/04/18 20:05:09
ID:6bUpmEOfC6
「はい、 ハグ以上のご褒美です。 デートでも――キスでも」
「………キス」
「さすがにキスは拒否されるかもしれませんが、デートならってなるかもしれません。 メイクデビューの結果次第ではもしかしたら、その場の勢いでキスとか
――っきゃーブルボンさん大胆です♪」
ほっぺに手を当てて身悶えてるニシノフラワー
想像をしたのかオーバーヒートして宇宙ブルボンのままフリーズしてるミホノブルボン
栗東寮は平和である
137 :
貴方
2025/04/18 20:13:28
ID:6bUpmEOfC6
『よし――調子は?』
「ステータス:絶好調 万全です」
『作戦は?』
「ミッションはスタートから100Mラップ5.9秒 59秒以内にゴール」
『よし、十分だ。 緊張してるか?』
「ほのかな高揚は確認されますが、手足の痙攣や行動を阻害されるようなステータスはありません」
『じゃあ、勝つのは?』
「ミホノブルボンです」
『よおし勝ってこい』
パンッと体操服姿のミホノブルボンの背中を叩く。
その手に押され、ミホノブルボンはパドックに向かった
138 :
マスター
2025/04/18 20:28:20
ID:6bUpmEOfC6
――ぶっちぎりの1番人気ですね、飯塚さん
『あ、どうも。 まあ雑誌の記事でデカデカとでちゃいましたからね。』
競馬場にトレーナー専用ルームがあるわけではない。しかし、観客席と控室直通の通路がある席ぐらいは用意されてる。
当然そこにはライバルたちのトレーナーもあつまるわけで
レース当日のミホノブルボンはぶっちぎりの1番人気。 投票者のなんと6割近い得票を得ていることになるほどだ。
――今日は楽勝ですか?
『はは、メイクデビューを黙って勝たせるようなトレーニングはしてないでしょう?』
たぬきとキツネのばかしあいはゴメンだ。もうすぐ始まるレースの手の内を隠す必要もない
ただ
『まあ――正直圧勝するペースは想定してます。』
――ペースっていうと、ブルボンは逃げ想定ですか。ああ、こりゃ奇遇ですね
――うちのホーエーマーチもね逃げなんですが、こいつが凄くてね、ありゃ才能ってやつだ。
(逃げかぶりか。 それでもブルボンのスタートと加速についていける奴はいないと思うが)
――まあ、レースが始まるし、見てみましょうや
だあんという大きなゲートの開く音、その音と同時に飛び出す影がある
まさにロケットスタートというにふさわしいとんでもないスタートだ。 ソレと同時に一気に加速する黒い影
『うわ、えっぐいスタートしたなブルボン。 うちのブルボンはスタートはよくて……いやまてアレ黒くね?』
――うちの子ですねえ……マーチはほんとスタートは才能だ。
『えげつないロケットスタートだったな………で、ブルボンは――出遅れて最下位…え、マジ?』
139 :
トレーナー君
2025/04/18 20:35:47
ID:6bUpmEOfC6
数度のスタート練習以来のゲート
本当のレースのゲートは予想以上に狭かった。 初めて入るそこに緊張の空気がつつまれる。
初めてのメイクデビュー、初レース
緊張するウマ娘たちの空気が伝染し、ゲートすべてを満たすような重い空気になる
ただ一人を除いては
――勝ったら、デート
――勝ったら、キス
――勝ったら、一晩なでなで
気を抜いていたわけではない。いや嘘である本人はそういうかもしれないが完全に上の空であった。
妄想で恥ずかしがるマスターを抱き寄せ、頬に手を当てこっちをむかせる
そして、ゆっくりと顔を近づけて
――ゲートが開いた
「……」
一歩の出遅れが致命的、結果ミホノブルボンはとんでもない出遅れスタート
ゲートを出た瞬間、周囲を壁に囲まれた
他のウマ娘がコースラインを確保するために争っていて先頭が見えない
ペースは、先頭までの距離は
そう、計算しようとして――頭の中に声が響いた
――適当に行け
「……承知しました、作戦――適当についていきます」
140 :
トレーナー
2025/04/18 20:42:44
ID:6bUpmEOfC6
『出遅れて完全に前ブロックで、最後方集団か』
――1000Mだが、大丈夫かい? おたくのブルボン
『さあね、それよりマーチちゃん良い逃げっぷりじゃん』
――あの子は先頭を気持ちよく走れれば、最後まで粘るよ。今日はもらったかもねえ
ぐんぐんと加速し気持ちよく逃げるホウエイマーチ。
1000Mという短さもあって、焦って追いすがる他のウマ娘たちを、マーチのトレーナーが目を細めて見ていた
――ありゃあだめだ、ペースもへったくれもない。 焦って追っても、スパートできやしないね。
――おたくのブルボンは、まだこないね。
『ああ、…出遅れたら適当についてくだけでいい、って言ったからな』
――ふうん、賢い子じゃないか。メイクデビューでここまで我慢できるとはね
『とはいえ、そろそろじゃねえの……ブルボンさん? おーい』
――やれやれ、ウマ娘よりトレーナーがあせってどうするんだい
141 :
トレぴっぴ
2025/04/18 20:49:15
ID:6bUpmEOfC6
(ゆっくりとてきとうに――ついていく。 そして、直線がみえたら――)
第三コーナーからその先のコーナーが消える。
第四コーナーに入った証拠だ。 この先が直線である
(ギアチェンジ――モード、スパートに変更)
――あんな後ろじゃ、流石に届かないんじゃない?
『……そっすね、内側は全部埋まってるし、よし……外に出た』
――いくら中京の直線が長いからと言って流石に無理だよ、マーチの勝ちだ
『すんません、ちょっとあいつは、違うんスよ』
――んん?なにが?
『――脚が、っすかね――まあ、見ましょうや』
142 :
トレ公
2025/04/18 20:56:29
ID:6bUpmEOfC6
コーナーが終わった。でも前が塞がれてる
前が見えるとこに――外に膨らんで、前が開けた
――お前の脚は、最強だ
この脚は――父と、マスターが造ってくれました。
スパート
コーナーでは窮屈そうだったミホノブルボンが直線にはいるころには絶望的な差になっていた。 誰もが出遅れのせいでミホノブルボンは沈んだと思っていた。
だが、彼女は外側に進路をかえ、直線が開けた瞬間
とんでもない豪脚で先頭に迫っていく
――おおっと外からミホノブルボン
――とてつもない勢いで上がっていく、差を詰める差を詰めるこのまま先頭になる勢い。しかしホウエイマーチも粘る
脚が軽い、身体が軽い――もう一つ、ギアを上げれそうだ。
ホウエイマーチは最初のペースが嘘のように粘り、最後の踏ん張りを見せる
残り200Mでまだホウエイマーチは先頭を守り
しかし、残り100Mでさらに加速したミホノブルボンが彼女を抜き去った。
143 :
貴方
2025/04/18 21:01:02
ID:6bUpmEOfC6
――ミホノブルボンは、逃げだって言ってたじゃないか……あれじゃまるで
『……ほんとですよ。 俺は逃げ指示しかしてない。 万が一出遅れて前がつまってたら――適当について行って直線で勝負しろ、って言っただけです』
――めちゃくちゃが、すぎるじゃないか……あんなにも、出遅れて
――それで、コースレコードなんて
身体は軽かった
万全の状態だった、出遅れはしたけど脚はいつもより軽かった
フットワークも軽くて、すっと外に出れた。
疲労なんかなかった――マスターがいつもこの脚を大事にしてくれたから
だから、何も考えずに全力ではしったら、いけるかなって
自分の脚が、自分の脚じゃないみたいに地面を蹴って――自分はどこまでも早くとんでいけるって思えた
144 :
アンタ
2025/04/18 21:05:10
ID:6bUpmEOfC6
「………」
『よ、出遅れ逃げウマ娘』
「マスター、申し訳ありません。 作戦名:59秒 を失敗しました」
『どうでもいい、どうでもいい。 ライブの前に脚、見せろ』
今までになく真剣な面持ちで控室で脚をマッサージするトレーナー
『正直に答えろ――出遅れは、脚の不調が原因か? それとも何か体調不良か?』
「…………」
『ミスならミスでいい、だがお前がそういうくっだらないミスをするタイプじゃないのは知ってる。足の痛みとか、ないだろうな?
いいか、朝日杯を蹴っても皐月賞には間に合う。 もし脚になにかあるなら正直に言え』
「ステータス:罪悪感 罪悪感罪悪感」
145 :
トレぴ
2025/04/18 21:12:33
ID:6bUpmEOfC6
―――こんの阿呆がっ!ポンコツロボットがあっ!!!
今までにない特大のカミナリが、ライブを終えたミホノブルボンに落ちる。
罪悪感から正直にトレーナーに出遅れの理由を言ってしまったのだ。
シミュレーション:デートとキスに没頭した結果ゲートが開いた、と。
あんなにも脚を心配していたトレーナーはにこにこ顔で「まずはライブに行ってきなさいミホノブルボンさん」と背中を押され
ライブを終えて帰ってきたら容赦なく怒鳴られた
『お前俺言ったよなあ? トレウマの関係を続けて3冠を穫るのが目標だって
それを終えて、お前が大人になって、もしお前の気持ちがかわらんかったらって。
そーれーなーのーにー?
お前はメイクデビュー戦のゲートでぼんやりデートの妄想してましたってか!
あほかっ! お前のメモリーDMM製かFANZA版か!』
ばんばんばんばんと、革張りのソファより高いベッドのような寝台を叩いて
『まあいい、しょうがねえ。勝ったんだしこれ以上は言わない。はよここにうつ伏せになれ』
「マスター?」
『マッサージだよ、マッサージ。 はよ疲労ぬくぞ』
146 :
トレぴっぴ
2025/04/18 21:19:52
ID:6bUpmEOfC6
ぎゅ、ぎゅっ
脚をマッサージする、台座が沈む音が響く。
『ブルボン、お前自分のタイム確認したか?』
「……はい、58秒1でした」
『中京のジュニアコースレコードだってよ、毎回お前はレコードだしてくな』
「……しかし、私はマスターの指示を」
『勝てばなんでもいい、正直ぼんやりしてようがあっぱらぱーしてようが勝てるかどうかだ。 そういう意味じゃコースレコード出して勝ってるんだからいいんだよ。』
ぽんぽん、とうつ伏せのままのミホノブルボンの頭を撫でて
『お説教はさっきまで、だ。 よく頑張ったな、ブルボン』
「マスター、私は頑張りました」
『そうだな。 よくやったブルボン、偉いぞ』
「コースレコードも出しました。マスターの造ってくれたこの脚で、一つレースをかてました」
『そうだな、俺も嬉しいよ。 ありがとなブルボン』
「出遅れの原因は私にあるので、キスは要望できませんがデートと1日ハグはできますか?」
『ミホノブルボンさん? お前本当に反省してる??』
147 :
モルモット君
2025/04/18 21:25:31
ID:6bUpmEOfC6
結局のところ
デートというか食事を奢るぐらいはしてもいいだろうと言うことで妥協した
しかしブルボンはそれを固辞。
――マスターとの1日ハグチケットを要望します
と、いうことでレースの休養期間にトレーナーの部屋にブルボンを入れる約束をした。 おうちデートである
🌻「ブルボンさん、ついに大人の階段を登るのですか?」
「はい、おうちデートでずっとハグをしてもらいます」
🌻「ついにキスまでしちゃうんですか? しちゃうんですか? きゃーブルボンさん大胆ですよぅ♪」
「キスは拒否されました、私の出遅れもありそれはこれ以上強要はできません」
🌻「それは残念です、でもまたの機会に」
「しかし」
「マスターは私のハグを、甘くていい匂いがして、幸せ。と形容しました
デバフ:恍惚状態であれば……勢いで間違いが起こる可能性はあります」
🌻「――っきゃー♪ブルボンさん! デート応援してますね」
『……うう、なんだ今の悪寒。』
148 :
トレーナー
2025/04/18 21:26:24
ID:6bUpmEOfC6
5話おしまい
149 :
アンタ
2025/04/18 21:54:48
ID:q9JTyUS3lc
ここのフラワー面白くてすこ
150 :
アンタ
2025/04/19 08:50:10
ID:cExjvntY26
『あの、ミホノブルボンさん?』
「はい、マスター」
『たしかにね、今日はお前のメイクデビューレコード勝利のご褒美に俺んち……つつってもトレーナー寮のアパートだけどさ、そこで過ごすって約束をしたよ?』
「マスター、修正をお願いします。おうちデートです、デート。」
『いいや違うよ? アイ・アムトレーナー・ユーイズ担当ウマ娘だよ?』
「ユーアーですマスター、担当関係であっても男女が一緒に過ごすのをデートというのは何ら問題がありません」
『わざと言ってるんだよ生々しいから――まあ、ハグというのも納得はしてるよ? うんうん勝ったから俺んちでハグね。でもさ』
『――でもなんで俺がお前にハグされてんの?逆でしょ??』
「マスターは"トレ吸い"というのをご存知でしょうか?」
『知りませんねミホノブルボンさん、俺は真っ当な底辺トレーナーなもんでね』
「トレーナー成分であるトレニウムを摂取することでウマ娘の精神の安定ややる気向上によるトレーニング効率の上昇が認められてます」
『なにそれ怖い、トレニウムってなんだ』
「トレニウムはトレーナーとのスキンスップやハグ、キスなどで摂取可能です。
濃厚な接触であればあるほど多くのとレニウムを摂取可能です」
『だからそういう生々しい単語やめてよお』
151 :
トレーナーさん
2025/04/19 09:22:43
ID:cExjvntY26
「マスター」
『なんですかミホノブルボンさん。キスとかは禁止ッスよ』
「そこです、マスター。」
「私はトレセン学園に入学する時、お父さ――父から何度も何度も繰り返し注意されました。」
――男というのは自分の欲求で時には女性を不幸にしてしまう
――そこにブレーキをつけていてもそれは容易く外れてしまう。
――悪い男もいる、そして悪くないはずの男もいとも容易く間違いを犯してしまう。
――だから、男女関係には十分気をつけなさい
『うんうん間違ってないですね、特に悪い男じゃなくても間違いを犯してしまうとかマジでブルボンのお父上はとても素晴らしい教育をされてると思いますよミホノブルボンさん。』
「ですがマスターはいつも欲情に耐えています。」
『そりゃそうだ、耐えなきゃ今言った間違いを犯してしまうからな』
「節度をもった関係を維持すればいいのではないでしょうか?」
『あー……うーん』
ミホノブルボンはカーペットの上にあぐらを崩したように脚を前に出して腰をおろして
トレーナーはブルボンを背にして脚の間、脚の中に座ってる。
ブルボンが後ろから好きなだけハグできる格好だ
152 :
トレぴ
2025/04/19 09:31:07
ID:cExjvntY26
『まあ、結構色んなとこで大事な話だな……
例えばブルボン―――お前今後俺とのハグ禁止、1ヶ月に1回だけにしましょうってなったら――うわおっ?』
ミホノブルボンが後ろからがばっとトレーナーに抱きつく。身体を密着させトレーナーの肩におでこをスリスリしながら
「拒否します――抗議します。拒否します。 そのオーダーは受け入れられません。
むしろ1日1時間はハグをすべきです。
禁止になったら私はマスタニウム欠乏症で死んでしまうかもしれません」
柔らかいものが背中にあたってる。
ものすっごい甘い匂いが鼻腔をくすぐる
正直ずっとこうしていたい欲求にかられる
『落ち着けブルボン、例え話だから一応今は禁止にしないから落ち着け
と、まあ自分がしたい事を取り上げられるのは嫌だし耐えられないわけだ。
これは色んな事に当てはまる。
おやつ、間食、ダイエット
勉強、ゲーム、宿題
不純異性交遊、スキャンダル、行き過ぎた欲求
もっともっといえばドーピング、ドラッグなど明らかに禁止行為、法に違反する行為にも及ぶ。』
「……」
『でだ、お前俺と出会う前までハグなんかしてたのか? 男と』
「いえ、してません。」
『うんうんそうだな、じゃあその間耐えきれなかったのか?』
「……いえ」
『ハグっていうものを知ったからハグをしたい。
こういうのは一回やったらずっとずっとそれをしたくなるんだよ。
だからみんな最初の一回をしないようにする。 悪事も、薬物も、借金とか散在とかギャンブルもそうだ。』
153 :
トレピッピ
2025/04/19 09:38:18
ID:cExjvntY26
『もちろん、恋愛やその延長、愛を確かめ合う行為なんかは犯罪でもなんでもない。悪いこっちゃねえが、俺等の場合担当契約ってものがある。
万が一露呈すれば、間違いなく俺は学園にいられない。 お前は三冠を穫れない。
バレなくても――そっちばっか気になって考えてトレーニングに集中できないなら絶対にあってはならないんだ
――あっるぇー?ところで前のレコードを出したレース、なんで出遅れたんですっけえ? ミホノブルボンさぁん?』
「それは……その……」
『お父さんもいってるだろ? ――善い人でも間違いは犯す。
俺が良い奴悪い奴はさておいて、一回そういう経験をしたら次も、次もとなる。
俺だって彼女いない歴年齢だよ? お前みたいなのが彼女になってそういうコトしたら、そりゃ人生の歯車狂うかもしれない。
だからシない。
お前が気をつけるだとか、トレーニングを疎かにしなくても俺が間違いを犯すかもしれない。 』
「………マスター」
『なんだ?』
「危険性について承知しました。 ですが、マスターに一つだけ確認を」
――私はマスターにとって魅力的に見えますか?
――その、そのような対象に、見えますか?
154 :
お姉さま
2025/04/19 09:49:58
ID:cExjvntY26
『………』
背中からハグをされてるので、トレーナーの顔はミホノブルボンには見えない。
しばしの時間、ゆっくりとトレーナーは口を開く
『そりゃあね、お前はめちゃくちゃ美人だしめっちゃスタイルもいいよ』
「マスター、スタイルがいいとは」
『……そ、そ、そりゃあね、その』
「???」
『だあああ、もういい、おっπがでっかいとか太ももが綺麗とか腰がめっちゃ細いとかそういう身体つきの方! やめてよお社会的な立場のある成人男性に少女が言わせる話じゃないよお勘弁してよお』
「……マスターは、私の身体でそのような欲求を感じるということでしょうか?」
『はいそうです、俺って男は教え子の身体にそういう欲求を感じる男なんです!
わかったらはよハグやめて離れなさい、気持ち悪いだろトレーナーが教え子をそんな目で見てるってのは』
半分以上ヤケクソだ。とはいえあまりに距離が近すぎて支障が出るのならば、このように幻滅させるほうがお互いのためであろう。
155 :
マスター
2025/04/19 09:56:55
ID:cExjvntY26
「マスター、マスターは大きな認識のエラーを抱えています。」
ミホノブルボンはぎゅうっとトレーナーに抱きつきながら言葉を続ける
「男性が女性にそのようないやらしい視線を送るのは汚らわしい事、気持ち悪いことであるという一般常識はたしかにあります。
そこに間違いはありません。社会的同義、道徳観念からしてそのような視線や欲情を表に出すべきではないというのは正当性があります」
「ですが、それは男性だけの問題ではありません。女性も男性にそのようないかがわしい欲求と視線を送っています」
ミホノブルボンのプロフィールは体重や管理のために一応はスリーサイズも含め把握している。
しかしミホノブルボンは腰周りもかなり細く、肩、肋骨周りも他より細めだ。
つまり――B90に至らずともその膨らみは正直B90ステークスに出走してると言って良いのである
そんな双丘を押し当てられ、愛する担当に抱かれているのに――なぜかトレーナーの背に、ぞくっという悪寒が走った
「具体的にに言えば――トレセン学園の生徒の方が、男性――主にトレーナーにえげつない妄想と欲望の眼差しとそのような会話がされます」
156 :
使い魔
2025/04/19 10:04:34
ID:cExjvntY26
――はーなの♡しょうがないの脱げなのブチ犯す♡
――産むから
――トレーナーさんってマゾですよね♡
――12人は産むのよね♡アンタがパパになるのよね♡
――おしるこ!
――お兄ちゃんこの下着履こうね
『やめてやめてやめてもう聞きたくないやめて』
「女子高生や性自認をした女子中学生はこのような話題で盛り上がる事があります。 勿論このような会話――俗的な擁護で猥談とよばれる会話を嫌う生徒もいますがそれはむしろ少数派であり、法的規制のかからない少女漫画などでは実際にそのような行為が規制にふれないよう、描かれています」
『やーーーめーーーてーーー』
「たとえば同室のニシノフラワーさんですが、トレーナーと恋愛的関係になっているというのは生徒内で認知されてます。」
『やめて、ほんとやめて聞きたくないそんななってはいけない周知の事実聞きたくないのやめて』
「ニシノフラワーさんのトレーナーは世間一般の評価でいうと『とてもかわいい』という評価です。 女性だけではなく多くの男性ファンもいるそうです」
『生々しい話やめようよお!ミホノブルボンさん!?』
「そこで私達は寮室でこのような妄想での会話をします」
――ニシトレxマスターのBLがあったら絶対売れるよね
『うわあああああああああああああ』
157 :
トレーナーさん
2025/04/19 10:11:05
ID:cExjvntY26
「マスター、理解して頂けましたか?
トレーナーたちが教え子をそんな目で見てはいけないと思っているその時間、ウマ娘はトレーナーたちを"そういう目"でみています。」
『知りたくなかった……知りたくなかったよお……しくしく』
「もちろん、誰しもが自分が好きな相手以外にそのような視線を送られることは嫌います。しかし私はマスターにそのように見られるというのは――とても嬉しいです。 もちろん私もマスターの事をそういう目で見ます。
そしてニシノフラワーさんとそのような会話をします。」
『やだー、俺等の知らないとこで俺等を汚さないでよお!』
「大丈夫です。 マスターにそのような目でみられるのは、状況:ばっちこい です」
ミホノブルボンが満足し、ツヤッツヤの表情で帰っていった。
その夜のトレーナーは、ベッドの上で横たわり時々枕を涙で濡らした
勿論あのあとミホノブルボンとなにかしたわけではない。
『ああ、汚された。ってこういう気持ちなんだ――』
ベッドの上でトレーナーはそんな事を考えていた
158 :
トレぴ
2025/04/19 10:26:48
ID:cExjvntY26
――ミホノブルボンの勝負服が届いたらしい
トレーナー室に運ばれる2つの大きな箱。縦長で簡易的なキャスターがついてておそらくはハンガーに吊るされた状態での納品なのだろう
『…………2つ?』
「はい、2着お願いしました」
『ああ、予備みたいな?』
「否定します。別デザインのものを2着用意しました。」
『ああ、気分で使い分けるようなもんか。 最近は勝負服複数登録オッケーになったんだっけ』
「2着をまったくの別コンセプトで発注しました。 これがプランΒです」
『β? メイド服じゃん、とはいってもチョコレート色なのはちょっとめずらしいな』
ヒラヒラしたチョコレート色に白のフリルがたくさん。
胸元とエプロンの下部には大きなピンクのジュエル――
「マスター、いかがでしょうか?」
隣の空室を更衣室にして勝負服に着替えたミホノブルボンが入ってくる。
歩くたびに胸元のフリルと宝石が揺れている。 スカートもふわりと広がってかわいらしい。
『いっすね、めちゃくちゃ可愛いぞブルボン。 メイドカフェとかのモデルさんみたいだ。』
「ありがとうございますマスター。
ところで――これはマスターの好みでしょうか?」
『……はい?いや、可愛いと思うぞお世辞抜きで』
「違います。 マスターの趣味嗜好に沿うかどうかの話です」
『…………ノーコメントです。』
「マスター」
『はいおしまい、試着おしまいでーす』
「マスター」
159 :
アナタ
2025/04/19 10:53:10
ID:cExjvntY26
『…………』
「こちらがプランα、 本来注文していたデザインです。
いかがでしょうかマスター、機能美とロボットをイメージしたデザインです」
『ロボ? 水着衣装ってやつじゃないのソレ。そもそもその腰のはどうやって浮いてるの?』
「わかりません、しかし電子機械であれば私が触れると故障しますがこれは故障しません。 ですのでこれは機械ではないと判断します。」
『…そッスか。 で――本来って?』
「はい。 今着ている勝負服が本来予定していた勝負服でした。 ですがある時思ったのです」
――マスターはメイド萌えなのではないかと
『…………はい?』
160 :
あなた
2025/04/19 15:12:37
ID:cExjvntY26
――服装にも幾多の趣味があります。
チアリーダー・メイド服・水着もワンピース、ビキニなど
「つまり――勝負服をマスターの好みに合わせればマスターに喜んでいただけると判断しプランβを準備しました。」
『………お、おう……まずは朝日杯目指して頑張ろうな』
「マスター、どちらの勝負服が好みか、ご指示を」
『ねえやめてよおなんで教え子に俺の性癖言わなあかんのよお』
161 :
トレピッピ
2025/04/19 15:40:30
ID:w9JBfR9oug
「マスターはメイド萌だったのですね」
『いいえ違いますよミホノブルボンさん。 俺はふわふわだったりサラサラな生地がすきなだけですよブルボンさん。
正直萌え萌えキュンとかピンとこねーもん』
「ではメイドカフェには」
『行ったことはございません。
そういやブルボンが好きな男の衣装とかってあるの? こういうコスプレみたいな話ってあんまし女性がキャーキャーいうイメージないんだけど』
「それはマスターにどんなコスプレをしてほしいかという事でしょうか?」
『いや着ないけどね?』
「作務衣とか浴衣が、好きです。」
『あー、まあなんとなく分からんでもない。』
「あとは、マワシでしょうか」
『……相撲の?』
「肯定です。 そしてニシノフラワーさんのトレーナーと相撲を」
『しないよ?』
162 :
トレ公
2025/04/19 16:13:41
ID:w9JBfR9oug
「マスターとカフェに行けるのは嬉しいです。
マスター、ここはトレセン学園。 合法的に担当ウマ娘にサンドイッチをあーんできる場所です」
『しませんよミホノブルボンさん――あ、ニシトレ先輩。ちっす』
🌻「あーあ」
「出会ってしまいました」
『こんにちはニシノフラワーさん、ミホノブルボンさんがいつもおせわになってるようで』
「マスター、口調が違います。」『わざとに決まってんだろ要らん事ブルボンに教えやがって』
🌻「こんにちはブルボンさん、ブルトレさん。 一緒に食べませんか」
『ん、いいかブルボン』「喜んで」
163 :
相棒
2025/04/19 16:23:03
ID:w9JBfR9oug
🌻「ここはクラブハウスサンドが美味しいんですよ。はいトレーナーさん、あーんしてくださいね」
――いや、フラワー今は
『……大丈夫です先輩俺は何もみてないっす』
🌻「……トレーナーさん?」
(びく)――は、はい(もぐもぐ)
🌻「うふふ、可愛いです♪」
『……うっわあ、俺は見てないしこの記憶は消去するけどうっわあ』
「マスター、私もマスターにあーんしたいです、特別ミッション:あーんを希望します」
『しませんよミホノブルボンさん。
てかアレだよ、普通はこういうのって男が女の子にサラダとかつまんで食べさせてあげるもんなんじゃないのか?』
🌻「うーん、そういう方も居ますが結局はスキンシップなので、どっちでも良いと思いますよ、それに――私はトレーナーさんをお世話するのも大好きです♪
こうしてカフェっていう色んな方がいるところであーんをすると――こう――トレーナーさんのリアクションが可愛らしくて♪」
『こわっ』
「マスター、あーんを希望します。マスター、マスター」
164 :
アナタ
2025/04/19 16:33:10
ID:w9JBfR9oug
『トレーニングのコツ、スか? ……うーん………』
🌻トレ「うんうん、ブルトレくんって今すっごい注目されてるんだよね。
坂路でメイクデビュー前の子が学園レコードタイムだしたり、デビュー戦も電撃的な追い込みでジュニアのコースレコード。 坂路調教っていう新境地を開いた新鋭って言われてるよ」
『俺全然新鋭じゃないじゃないスか、もう4年目っすよ、ただの底辺トレーナーです。 俺じゃなくてミホノブルボンが凄いんじゃないんですかね。』
🌻「そんな事ぜったいないですよ、いつも寮室でブルボンさんはマスターさんの話ばっかりしてます。 マスターさんと契約してからブルボンさんはいつもこう、エネルギーに満ちてるっていうか、なんかこう……雰囲気がちがうんです」
『あっはっは、ありがとなニシノフラワー。でもま、俺は坂路のトレーニングプランを出してるだけでトレーニングを全部こなすブルボンが凄いんですよ。』
「いいえ、マスターはいつも私のメンタル面、脚のケアを欠かしません。 トレーニング後にはいつも1時間以上丁寧に脚をマッサージしてくださいます。 その後はかならずハグの時間を儲けてくれます。
私は常時、ステータス:やる気超絶好調 です」
🌻「きゃー♪ハグなんて大胆です♪」🌻トレ「君も担当と…」
『いやまってあと先輩なんスか、"も"ってなんスか』
165 :
トレ公
2025/04/19 16:45:54
ID:w9JBfR9oug
『まって、ニシノフラワーって飛び級でしたよね? ニシトレさん…………』
🌻トレ「聞こえません 聞こえないんです。ただただ、ボクはフラワーが一番大事なウマ娘というだけです……。」
🌻「きゃっ♪ 嬉しいですトレーナーさん♪」
『………間違いが起きちゃったかあ……』
「マスター、間違いは起きます。 しかしその結果幸せになれるきっかけかもしれません。」
『あーんしてあげるから勘弁してよお』
「パアアアア」
166 :
お姉ちゃん
2025/04/19 16:51:15
ID:w9JBfR9oug
『いやまあ、実際のとこブルボンがこんなに強くなったのはブルボンの才能だと思いますよ、ブルボンはとにかく胃腸が強くて――大坂路4本こんだけしててもメシが食える、これはデカいと思います。』
🌻「ああ、トレーニングが激しいと結構食欲落ちちゃいますよね」
「??? そうなのですか?」
🌻トレ「うんうん、身体が資本のウマ娘ってトレーニング後にご飯いっぱい食べれるのは大きいよねえ」
『良いかブルボン、普通はな、ハードなトレーニングをしてバテバテの時は食欲おちたり肉肉しいモノや脂っこいものはちょっと困るんだ。 でもお前は食える、それだけ強くなれるんだ、良いことだぞ』
「マスターが食べさせてくれるなら、もっと私は食べれます」
🌻「ああ、それいいですね♪ トレーナーさん、もっとご飯食べて成長できるように、私にもあーんしてください」
🌻トレ「まってまってここじゃアレだから二人きりのときに」
167 :
アナタ
2025/04/19 17:29:36
ID:w9JBfR9oug
「では、私達は午後の授業へ向かいます」
🌻「また一緒にお昼しましょうね、マスターさん」
『ニシノフラワー、いい子ですね。 飛び級ってことはまだ年齢的には初等部でしょ? できた子だなあ』
🌻トレ「うんうん。まだ身体がしっかりしないのが悩みだけど、才能はすごいし優しくてすっごくいい子。」
『……可愛いし?』
🌻トレ「う"っ、それは、その、あの……まあ実際困るよね、あの子はまだ年齢的には中等部未満だけど、結構積極的でね。 恋に恋する乙女って感じなんだろうけど、最近は距離間近くてね。 くっつくぐらい隣に座ったり、ハグを求められるんだ」
――あれ? 俺ハグしてるけど俺って実は結構ヤバい事シてる?
168 :
トレ公
2025/04/19 17:45:28
ID:w9JBfR9oug
『メイクデビューは出遅れ最後尾――1勝クラスでダッシュつかず2番手か」
「申し訳ありません、マスター……」
『あーいやあまりいいこっちゃないが悪いことばかりでもない。
なあ、前に言った"まぎれのない"レースの勝ち方の話、覚えてるか?』
トレーナー室でのミーティング。 互いに向き合う形でソファに座り、いくつかの資料を右手にトレーナーがミホノブルボンに向き合う。
『有力なウマ娘が負ける――いわゆる波乱や番狂わせの原因の主なものは、掛かり――まあペース配分の問題だな。 それにブロック――バ群、集団に阻まれて抜けない。垂れたウマ娘に押しつぶされる。
スパートのタイミングや調子の良し悪しはまああるが、"勝てるはず"だったウマ娘が負けることは実は結構多いんだ』
特に集団に囲まれたまま視野を保てずスパートのタイミングが遅れて届かない事は多い。 単純にブロックされて前にいけないだけの問題ではない。
『あとは、そのバ群にツッコんでいける思い切りの良さ、恐怖心の克服。 斜行、進路妨害、タックルでペナルティをうけるかどうかの判断。 まあいろいろとめんどくさい。
その点、逃げでハナをとればこの問題はすべて解決する。 なにせバ群もクソもないからな。一番前だし。最も合理的な作戦は逃げだ。』
『しかし――逃げを作戦で選ぶことは実際多くない。 事実差しや好意差しのほうが有利に働くのがレースだ。
これだけのデメリットを抱えても、2番手、3番手、あるいは中団の方が勝率が高い、作戦として選ばれやすいのはなぜかわかるか?』
「……はい、マスター。 ペースメーカーとして利用されるからです」
169 :
使い魔
2025/04/19 17:49:28
ID:w9JBfR9oug
『そうだ。 逃げウマは先頭にたってレースを引っ張る。 ペースもすべて自分が決めることになる。
強いウマ娘が逃げればそれはもっとはっきりする。 なにせそいつをゴール前で抜けば勝ちってシンプルな話になるからな。
ついて行って直線で抜く。 これが今のレースでシンプルに勝ちやすい。』
「メイクデビューの時のように、ですか。」
『そうだ、出遅れようと最後尾だろうと最後に1番を抜いて1番になれば勝ちだ。
ホウエイマーチのスタートは芸術的なモノだったし、序盤の展開は完璧だった。
普通なら、あのままゴールして、レコードタイム。
だが、あのレースの1着はブルボンだしレコードタイムもお前のものだ。』
170 :
トレーナーちゃん
2025/04/19 17:58:36
ID:w9JBfR9oug
『まあ、そもそも逃げに必要なのはスピードと、それをどれだけ持続出来るかだから、脚、というか筋肉の質の適正もある。 直線でキレのある、電光石火の脚。これは爆発力があるが長く続かない。
最近のウマ娘でいうとダイイチルビーがそうだな。 爆発的な豪脚を持ってるが最初は逃げ、先行路線でスピードを活かそうとして燻ってた。
たしかどっかのレースでとんでもない出遅れをして、あの豪脚に偶然気づいたんだっけな。
勿論逆もありうる。 キレる脚や豪脚はないが、持続的なスピードや性格的に前にいって好き勝手走ったほうが強いってやつもいる。』
「作戦というのは個人個人だけでも大きく変わるのですね」
『ま、適正はあるからな。 それで、ミホノブルボン。 お前の適正だが』
「はい、マスター」
『基本的には逃げだ、お前のそのスピードと心肺もそうだが、その体内時計は確実に武器になる。 徹底して同じラップを刻んで走れるのは最も効率的な走り方だからな。 勝てるペースできっちり走って最後の直線しっかり頑張る。
これだけで皐月賞もダービーも菊花賞も勝てる』
「…………」
『なんだ、ブルボン。 いつものパアアアって表情じゃなくなんか複雑なあれだが』
「……マスター。 ステータス:感慨です。私のデータにない感情です。」
171 :
大将
2025/04/19 18:06:13
ID:w9JBfR9oug
「私は、"短距離"の"並"なウマ娘で
三冠は不可能だと、短距離路線に進むべきだと。 実際、それは正しい選択で。」
『……そうだな』
「ですが、マスターとトレーニングをしてると思うんです
私は、本当に三冠に挑戦できるんだなと。G1に出れる、ではなく、三冠を獲りにいけるのだなと。
――ありがとうございます、マスター。 私の心臓を、脚を、こんなにも強くしてくれて」
『……ブルボン、お前は最初からすごいウマ娘だよ。』
トレーナーは手を伸ばし、ブルボンの頭をぽんぽんと頭を撫でる。
『言ったろ、メイクデビュー前じゃあの大坂路は登れないって。お前はそれを登りきったんだ。 それに遊びたい盛りの高等部で、ずっとずっとトレーニングばかりだ。 でもお前はいつも真剣にトレーニングを続けた。
お前の根性と頑張りはトレセン学園全部見たって誰もマネできやしないよ
競争能力が並でも、お前はすごいウマ娘だったんだよ』
「……マスター」
172 :
お兄ちゃん
2025/04/19 18:13:38
ID:w9JBfR9oug
「マスター、もう少しだけ……頭を撫でていてくれませんか?」
『……いいぞ。 お前は頑張った。 いっぱいいっぱいいつも頑張ってるすごい奴だ』
トレーナーは優しくミホノブルボンの頭を撫でて、労う。
マッサージを毎日していると、ミホノブルボンの疲労の蓄積がわかる。 毎日マッサージで抜いても、ミホノブルボンが睡眠時間をしっかりとっても、疲労がどんどん溜まっていっている。
――とはいえ、朝日杯は1600M 皐月賞は2000M、これを走り切る心肺と競争能力を手に入れるためにも坂路4本をやめるわけにはいかない。
脚の爆弾が大きくなっているのも、毎日のトレーニングがどんどんつらくなっているのも、きっとブルボン自身が一番わかってる。
ジュニア級でこれだ。 本数が増えなくても今後どんどん辛くなっていくだろう。
『……辛いか、ブルボン』
「はい――今までより、疲労が残る日が多いです。」
『そうだな、今後も辛いと思う。』
「ですが、三冠は穫れます。 私は、マスターを信じてます。
ですから
マスターも私の脚を信じてください。私は丈夫ですから」
『ああ、全くお前は凄いやつだ、偉いぞ、ブルボン』
わしゃわしゃと髪の毛が崩れるのを構わず撫で回す。 ミホノブルボンは気持ちよさそうにそれを受け入れていた
173 :
トレぴっぴ
2025/04/19 18:37:26
ID:w9JBfR9oug
――その、ホウエイマーチがまだ未勝利なんだよな
スタートのセンスも良かった。 序盤の展開も上手かった
ミホノブルボンが追った事で直線で全力以上のモノがでたとしても、ミホノブルボンが届かなければ彼女がレコードタイムだ。
そんな実力者がまだ未勝利である
『どうなってんだ今年のジュニアは。 こりゃ朝日杯も、クラシックもやべーのがそろいそうだ』
出走表明をしているのは京成杯ジュニアを勝利したヤマニンキセキ
京成杯ジュニアでは3着だがすぐ1400mの1勝クラスで大勝したエーピーターボ
府中ジュニアSで豪脚を発揮して乗り込んでくるマチカネタンホイザ
『エーピーターボちゃんがなあ……正直回避しねえかなあ』
エーピーターボがホウエイマーチ同様にスタートセンスがいい逃げだ。
ミホノブルボンには逃げ指示をするが、おそらくハナは譲ってもらえないだろう。最悪ハナの取り合いになる。 一定のペースとはいっても前に邪魔なウマ娘がいるか単騎でハナを走れるかは雲泥の差だ
恐らくエーピーターボ側も全く同じことを考えてるだろう。たとえミホノブルボンのほうが劣ってるウマ娘だったとしても、逃げがかぶるのは本当に勘弁だ
174 :
トレぴっぴ
2025/04/19 18:52:30
ID:w9JBfR9oug
「あれ、ブルトレ君じゃないか。」
『あ、どうもニシトレ先輩。 デイリー杯ジュニア優勝おめでとう御座います
札幌ジュニア、デイリージュニア、重賞2連勝。 阪神JF、最有力候補っすね』
「あはは、ありがと。 もともとマイル周りは自信あったんだけど、あの子はほんとすごいよ。 ボクなんかにはもったいないぐらいだ。」
『いやあ、真面目にニシノフラワーがティアラ路線で良かったって思ってますよ。 あの子と1600Mで競うなんてちょっとしたくないッスね』
あの小柄な身体で、とんでもない豪脚をもつニシノフラワーはある意味ミホノブルボンの天敵だ。
あの獲物に飛びかかるような末脚は、どのようなペース設定をしていいかわからなくなる。
「ありがと。 ところでブルボンさんのほうはどう?」
『あー、メンバーが強くて』
「うんうん……ああ、ヤマニンキセキさんにエーピーターボさん……あげくに後方からマチカネタンホイザさんかあ」
『くわしいっすね、この子らクラシック路線なのに』
「勿論だよ、彼女たちは素質に恵まれてるし、ティアラ路線でもトライアルでぶつかる可能性があったからね。」
『うーん、全然ゲートやスタートの練習してないんスよね。 本当はさせたいんスけど、スタート良くても"出ムチ"されてハナ取られるかもだし』
「エーピーターボさんがゲート上手なんだっけ?」
175 :
ダンナ
2025/04/19 18:58:21
ID:w9JBfR9oug
『ええ、正直ブルボンはマイペースに逃げてほしいんで。
――ただ、良かったですよ朝日杯で。』
「まあ、いい練習になるよね。 クラシックでいきなり前塞がれるよりは」
『いえ――ここで実力でぶっ潰せば、以後クラシックでハナの取り合いなんかしないでくれるなーって。 最悪、クラシック回避してくれるなーって』
「こわっ!? 怖いよブルトレ君!?」
『あっはっは、冗談スよ冗談。 レース決めるのは自由なんで。 一生に一度のクラシックですもんねあはは』
「目が笑ってないよ!?
――はあ、実際どうなの? みんな短距離路線、短距離路線、距離の壁。っていうでしょ?」
『あー、いつも言われますし記者からも言われますね。 まあ、そこらはアレっすよ』
『勝って黙っていただいて――距離の壁もミホノブルボンなら、って思っていただくってことで』
176 :
トレピッピ
2025/04/19 19:06:48
ID:w9JBfR9oug
『結構寒いな、しっかり身体あっためて行けブルボン』
「はい、マスター」
『どうだ、調子は』
「……」
『大丈夫か』
「……はい、大丈夫です。 ステータス:武者震い レースに支障はありません」
『よし、事前に言ったことだが、恐らくハナの奪い合いになる。
無理して付き合うことはない。譲ってしまって良い。 2番手でもペースを刻んで、その状況で垂れてきたら抜けばいい。 付き合うなよ』
「了解です、マスター」
「ミッション:朝日杯ジュニアに行ってまいります」
『おう、勝ってこいミホノブルボン』
177 :
トレ公
2025/04/19 19:13:35
ID:w9JBfR9oug
🌻「……勝てますか? ブルボンさん」
『ああ、勝つさ。お前だって勝ったんだ』
今やジュニアティアラ王者になったニシノフラワーとそのトレーナーと一緒にレースを見つめる。
支持率65%の圧倒的1番人気。 しかしその実は坂路の学園レコードとメイクデビューのレコードタイムをもつ2勝ウマ娘
ライバルは一流同士で勝利を収めたOP、重賞勝利者たちだ
🌻「ブルボンさんは逃げるんですか?」
『予定ではそうだが、他に逃げウマ娘もいる。 特にエーピーターボがそれをゆるさないだろ。 最初はハナを狙うが無理せず2番手3番手でもいい』
🌻トレ「……ブルトレ君、変わってないね。 その癖」
『え、なんスか?』
🌻トレ「レースの時の神様仏様ってやつ。 両手組んでお祈り」
トレーナーは無意識に両手を組んで、祈るような格好になっていた。
事実レース前にはいつも神様だか仏様だかに祈っている
――無事、レースを終えて帰ってきますように
178 :
トレピッピ
2025/04/19 19:18:55
ID:w9JBfR9oug
――これが――G1
観客席の声も、周囲の空気もはっきりと違う。
彼女たち全員が強い。勝ちたいという気持ちが空気を伝って肌に感じる。
頂点を決めるレース。 一生に一度の舞台
――これが、朝日杯ジュニアステークス
息を吸って、吐いて。
問題はない。 今日は偶数番号――奇数番号が入って、偶数番号が入ってからレースがはじまる。
1600M
それを走り切るだけのトレーニングをしてきた。
(マスター……証明します。
貴方と――貴方が造った大坂路は、貴方が造ったミホノブルボンは、最強だと)
ゆっくりとゲートに入り、準備を整えた。
――ゲートが開くと同時に、ミホノブルボンは会心のスタートを切る
179 :
トレーナー
2025/04/19 19:26:51
ID:w9JBfR9oug
🌻「一人、出遅れ!?」
『いや、別のだ! こっちのスタートは良い!』
🌻トレ「でもやっぱりエーピーターボが……いや、追走?」
『いやまてエーピーターボじゃなくてハナ塞いだのは誰だ』
――ハナはあげるよ、アタシはアンタの後ろで悠々ついてって最後に勝たせて貰う。
――せいぜいペースメーカー、ヨロシク♪
エーピーターボは、あっさりと前を譲り――しかし、ハナをきったのはミホノブルボンじゃなくマイケルアーサーだった
「きゃはははっ、今日はあたいが一番、いちばんいちばんいちばん☆
一番前をずーっとはしってればいっちばーん☆」
スタートからぐんぐん飛ばす。あっさりと先頭を奪って気持ちよく逃げる
「……オーダー通りです、マスター」
180 :
貴方
2025/04/19 19:36:58
ID:w9JBfR9oug
🌻トレ『うわあ、あの子、京成杯でエーピーターボに逃げまけてたのに、完全に開き直ってる』
🌻「あ、あのブルボンさん大丈夫です、大丈夫ですよね? 勝てますよね?」
『当たり前だ、あいつを誰だと思ってる。学園で最もスパルタに耐えたやつだぞ』
――お前には逃げを命令するが、お前は別に逃げ馬ってわけじゃない
――その体内時計を活かすための逃げだが、お前の脚は、お前の適性は
――長い脚で追える、スパートも可能な自在だ
後ろにべったりと張り付くエーピーターボ。 勿論スパートを同時にしかけて追い抜くつもりなのだろう。スピード勝負に絶対の自身があるようで
そしてその後方、逆からはゆっくりとヤマニンキセキがあがってくる。
京成杯ジュニア覇者は、ジュニアの段階で高いレースセンスをもっていた。 スパートではなくジリジリと上がっていき――3角4角で前にでるのであろう
そして――3コーナーに差し掛かった時、調子にノリすぎてすでに体力付きたマイケルアーサーが垂れ落ちてくる。
――モード、追い越し。ギアチェンジします
181 :
トレーナーさん
2025/04/19 19:41:22
ID:w9JBfR9oug
『アイツは素直な性格だからなのか、冷静だからなのか元からレースセンスがよくてね。 俺は一切ああいう捌き方を教えてない。 メイクデビューだって、前がふさがれてると思った瞬間、コーナーの勢いを利用して外に大きくステップできたやつだ。』
🌻「ええっ、でも垂れたマイケルさんをわかってたみたいにあっさりかわしてますよ、あんなのよほど練習しないと」
『多分、自分のペースが狂ってない絶対の自信があるからなんだろうな。
ペースが狂ってない自分と相手の距離が詰まるってことは――前のペースが落ちたから、スパートしながら抜いたんだろう』
🌻トレ「すごいよ……これならこのレース」
『……いや、どうやらもう一人の本命さんが起こしのようだ』
182 :
トレピッピ
2025/04/19 19:49:39
ID:w9JBfR9oug
垂れたマイケルアーサーを外に出てあっさりとかわすミホノブルボン
しかし同時に、その更に外から強襲する影があった
――ヤマニンミラクル、 京成杯ジュニア覇者
「負けません――ブルボンさん」
いつも過酷なトレーニングを積んできた。
期待をされそれに恥じないだけの努力はした
メイクデビューを圧勝した時はさすがだと持て囃され、しかし直後のGⅢでは1番人気だったのに4着
それだけで周囲の目は急に冷たく厳しくなった。
だけど――それでも腐らずに頑張って
頑張って、頑張って、努力して――OPから勝ち上がって京成杯ジュニアを獲ってきた
だから――勝ちたい、この朝日杯で勝ちたい。
ミホノブルボンには―――負けない。
「――ッ!!! 」
背後にとてつもないプレッシャーがのしかかる。スパートのためではなく、ヤマニンミラクルのプレッシャーに潰されたくなくて速度を上げたくなる。
それを――全力で耐えた。
自分はスパートをしない――直線までは
183 :
貴方
2025/04/19 19:54:31
ID:w9JBfR9oug
――スピードが早ければ早いほど大きな負担が脚にかかる
――同時に、コーナーってのは遠心力やソレに耐えるために斜めになった身体、脚が蹴る力が偏ってどうしても軸足――内ラチ側に妙な負荷がかかる
――外の蹴り足だってそうだ。 スピードをだしながらコーナーを回る力で地面を蹴ってるんだからな。
――だから、お前のスピードならコーナーで戦わなくて良い。 スパートするなら直線だ。
スパルタなトレーニング。 脚を壊す前提のようなトレーニング
だからこそマスターはいつもいつも脚を心配してくれる。
1時間以上のマッサージ、ハリが引かない時は2時間でも3時間でもしてくれる。
マスターは、私の三冠のために、私の脚を大事にしてくれる
――だから、私が無意味に、この脚に無駄な負担をかけるわけには行かない。
184 :
お姉ちゃん
2025/04/19 20:04:18
ID:w9JBfR9oug
🌻「ヤマニンキセキさんが!」
『大丈夫だ、大丈夫……あいつはまだ抑えてる』
🌻「抑えてるって――もう直線ですよ!?」
『アイツはお前ほどコーナー巧くねえんだ。 もう、直線なんじゃない――やっと直線がきたんだよ』
正面にみえた右手の内ラチが消える。
ミホノブルボンにとっては、それがGOサイン、外に並んで抜き去ろうとするヤマニンキセキの表情が変わる。
ーー負け、ません――ブルボンさん、貴方には!
「私も、負けません。 私の脚は、マスターが造ってくれたんです」
ヤマニンキセキが、強く強く芝を蹴る。
同時に、ミホノブルボンがスパートをする
――なんだあいつら……なんてスピード、次元が違う
――くそ、くそくそくそっ! アタシを無視すんなお前らッ!!!!
その後ろからエーピーターボが加速してくる。
しかし、その加速よりはるかに速く、ミホノブルボンとヤマニンキセキが競り合う
ミホノブルボンがたった一歩だけリード
勢いのあるヤマニンキセキがもう一歩加速した瞬間
――ッ!?
ミホノブルボンは同様に加速する。
たった一歩――それが足りない。届かない。
――負け、る。 いやだ、いやだ、負けたくない
――あんなに努力して頑張って、それでも負けるなんて嫌だ
――勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい
185 :
アネゴ
2025/04/19 20:13:06
ID:w9JBfR9oug
🌻トレ「また伸びてきた」
🌻「並ばれる、これじゃ」
『ブルボンッ、負けんなもう一歩ふみこめっ!!!』
――最後のひと伸びをしたヤマニンキセキは、ミホノブルボンを抜いた
――しかしそれは、ゴール板を超えた直後
――1着はミホノブルボン、ハナ差でヤマニンキセキ
――1着はミホノブルボン! ヤマニンミラクルわずか届かず
――朝日杯王者はミホノブルボンです!
実況の興奮した声。
ミホノブルボンに惜しみなく注がれる歓声
『勝ったか……勝ったんだよな?』
🌻「はい! ミホノブルボンさんやりましたよ!」
🌻トレ「ははは、実感、なくなるんだよねこの瞬間って」
『そっか、そっか……おおおっ、勝った、勝ったぞ!!よおおおおおおしっ!!
ブルボン、勝ったぞおおおおっ!』
🌻「あは、すっごい勢いで走っていっちゃいましたね」
🌻トレ「あの人、子供みたいで可愛いよね。 あんなに感情爆発させちゃって」
🌻「あはは♪」
186 :
キミ
2025/04/19 20:27:49
ID:w9JBfR9oug
ライブ準備のための控室で、ミホノブルボンがクールダウンをしていると
―――ブルボンッ!
勢いよくドアが開かれて、トレーナーが入ってくる。
そしてそのままミホノブルボンを抱きしめた。
ミホノブルボンは驚いたように棒立ちのまま熱い抱擁を受け止めている
「マスター……はい、マスター。 勝ちました
最初の重賞ミッション:朝日杯ジュニアをクリア、です。 マスター」
『ああ、よくやった。 ほんっとーによくやった。 っと、ああ、すまん。これからライブだな。』
くしゃりと頭を撫で回そうとして――手を止める。 まだライブが残ってる。髪型を崩すわけにも行かないだろう。
「いいえ、マスター。 あとで直しますので――撫でてください。
いつも以上に髪の毛がくずれるぐらい。 G1を勝ったのですから、いつもの何十倍も、ほめてください。」
トレーナーは言われた通り、頭をぐしゃぐしゃに撫で回す。
『ほんとすごいな、とうとうG1まで獲っちまって。 頑張った、頑張った頑張った、偉いぞブルボン。お前は自慢のウマ娘だ、ジュニア最強だぞジュニア最強
……ほんと、すごいな、努力と頑張りでG1獲っちまった』
足が壊れてもおかしくないスパルタトレーニング
故障をしてなくても辛いだろう、手を抜きたいだろう。
目標があっても、夢があっても――それを続けるのがどんなに辛いか
「みんな、努力をしてました。 勝ちたいと思ってました」
『……?』
「ゲートに入った時から、別世界でした。 みんなが勝つ気で、全力でくる空気をかんじました。
特に――ヤマニンキセキさんのプレッシャーは、最後の直線で、ずっとずっと――おしつぶされそうでした。 一歩間違えば」
――差し切られていた
187 :
トレーナーさま
2025/04/19 20:31:23
ID:w9JBfR9oug
ヤマニンキセキがそれだけの強さと、執念を持っていた。という話でもあり、今後はもっともっとそういったレースになっていく。
レースに多く出走して経験を積ませる事はできない。 スタミナを鍛えるためにもそんな余裕は一切ない。
『でもな、お前は勝ったんだ』
トレーナーは優しく、ミホノブルボンを撫でる。髪の毛をやさしく梳くように
『みんなみんな必死に努力して、実際一番努力したやつが勝つ世界ってわけでもない。 1着になれるのは一人だけで、もしかしたら2着以下の奴らには1着以上に人生かけて努力したやつもいるのかもしれない』
『それでも、勝ったのはお前だ。ミホノブルボン』
ぽんぽん、と背中を叩く。そっと身体を離して。
『脚は大丈夫だな?』
「はい、マスター」
『じゃあ、ライブ行って来い。 G1を勝ったさいっこーにキラキラしたウマ娘ってやつを見せてこい』
188 :
トレぴ
2025/04/19 20:38:03
ID:w9JBfR9oug
ライブ会場裏
🌻トレ「おめでとう、ブルトレ君」
『……あ、ども。 なんか実感ないもんスね』
🌻トレ「あはは、わかるわかる。 ボクも阪神JFを勝ったって自覚があまりないや」
『まあでも、勝ったんスね俺等。』
🌻トレ「そうだね。 あの子達がやってくれたよ」
『……いえーい☆』
🌻トレ「? あはは、いえーい☆」
こつん、と拳をぶつけ合う。
ライブは滞りなく終わって
ミホノブルボントレーナーは勝利者インタビューの会場に座っていた
――ミホノブルボンさんの適性はどう見ても短距離路線ですが、この先は短距離マイルで進むのでしょうか?
それとも皐月賞までは挑戦を視野にいれるのでしょうか?
(――ああ、この手の質問がくるよなあ……)
189 :
相棒
2025/04/19 20:44:46
ID:w9JBfR9oug
「否定します。 私の夢は三冠ウマ娘です。」
――えっと、それは
『あー、彼女はクラシック三冠が夢であり目標なのでクラシック路線に行きます。
NHKマイルなどの変則2冠などではなく王道3冠です』
――それは彼女の意思なのでしょうか? 彼女は短距離適正ですよ?
――せめてマイル路線などに進むべきではないでしょうか?
――今回の1600でもハナ差であり圧勝でなかったのは距離の限界だったのでは?
「否定します。 距離の限界はマスターがレースまでにスタミナを作り上げてくれます。」
――? マスターとは
『あーはいはいはいはい!
皆さんのお気持ちもお言葉も凄く理解できますしね、ご尤もな話ですよ
彼女の適性が短距離であるのもそのとおりです
ですが、彼女の夢は三冠ウマ娘なんでね。
きっと皆さん無理だ不可能だって言うと思いますよはい。
――でもさ、皆さんこういうの、大好きでしょ?』
――不可能を可能にするウマ娘って、ミホノブルボンはそういうウマ娘ですよ。
190 :
相棒
2025/04/19 20:51:32
ID:w9JBfR9oug
「マスター」「マスターさん♪」
G1勝利や今までの疲労を抜くことも踏まえ、少しの間だけ大坂路トレーニングをやめ休養期間ということにした。
そんな、冬休み前でありクリスマス前の冬
今年のジュニア最優秀ウマ娘は、特別に2人選出された
重賞3勝、うちG1:阪神JFを獲ったニシノフラワー
メイクデビューで中京の1000Mコースレコードを出し、朝日杯を獲ったミホノブルボン
東西最優秀ジュニアウマ娘として二人が決まったのだ。
🌻「それで、最優秀ウマ娘の表彰ついでにお祝いでトレーナーで集まって」
「酒の場でパーティー、その後むちウマ居酒屋、嬢バ倶楽部へ行ったという嫌疑がお二人にかかってます。」
『え、ああ……その』
🌻「私のトレーナーさんにはもう来てもらってますので」
「ご同行をお願いします、マスター」
――ウマミミにヒトミミは逆らえないのである
191 :
相棒
2025/04/19 21:05:38
ID:w9JBfR9oug
🌻「はい、トレーナーさん……こちらに座ってくださいね」
🌻トレ「はい」
🌻「ソファに座って良いとは言ってません♪ 正座です♪」
🌻トレ「…………はい」
「マスター」
『……はい、マスター正座します。』
マスターが何をしたというのか
単に最優秀ウマ娘ということでニシトレと飯塚トレーナーに学園から報奨金が出た。当然それを知った他トレーナーは祝勝会という名目で飲み会をしたくなるのだ。
なにせ報奨金、なにせ他人の金、なにせあぶく銭
マスターだってたまにはぱっと遊びたい
ニシトレは真面目だが周囲の押しに弱い
だからちょっとみんなで飲み歩いて、ちょっとだけお酌をしてくれる可愛いウマミミちゃんがいる店がいいと◯◯トレが言ってそういうお店にいっただけだ
🌻「ふむふむ、あは♪ 反省の色――ゼロですね」
🌻トレ「ひっ、ご、ご、ごめんフラワー! もうそういうお店行かないから!」
『いいや待ってくださいよ先輩。 俺等は悪いことをした覚えはねえ!』
「……マスター、嬢バ倶楽部というのはどういうお店なのかフラワーさんから聞きました。 浮気です」
『異議あり! そもそも俺らはちょっと露出の多いお姉ちゃんがお酌をしてくれるお店に行っただけで嬢バ倶楽部に行ったのは他トレーナーだ!俺は行ってないしニシトレ先輩はフラワーに悪いからって断ってるのを聞いている!』
🌻「まあ♪ 本当ですかトレーナーさん?」
🌻トレ「う、うん……」
🌻「でも、むちウマ居酒屋には行ったんですね?」
🌻トレ「ひっ」
『そもそも俺らは成人男性だしお前らと付き合ってるわけでも結婚してるわけでもな――いひゃいいひゃいひゃいちふぃれる!ちふぃれる!!!』
言葉の途中でミホノブルボンがマスターのほっぺたをつねって引っ張る。 ものすごくご立腹のようだ
192 :
トレーナー君
2025/04/19 21:13:46
ID:w9JBfR9oug
『なんでだよ不条理だろ、俺等はお前らに手を出したら犯罪なのに、合法のお姉ちゃんの店に行ったら犯罪者のように取り調べを受けるって、不条理だろっ』
🌻トレ「そうだよ、ボクだってそういうお店はあまり好きじゃないんだ。でもトレーナー同士の付き合いとか横のつながりってあるんだよ。」
🌻「トレーナーさん?」
🌻トレ「はい、今後断ります」
『よわっ!? 先輩相手小学生ッスよもうちょっとビシっと』
🌻「トレーナーさんをたぶらかさないでくださいマスターさん」
「私達ではだめなのに、接客業の女性に鼻の下をのばしていたというのが由々しき事なんです、マスター」
🌻「そんなにお酌がされたいのなら――私達がしてあげますね」
「マスターたちが望むのなら、お触りも問題ありません」
🌻「その時は一生分の責任をお支払いいただきますね」
出されるノンアル(どちらかといえば酒のフリをしたフェイクジュース)
寮室のそれぞれのベッドに座らされ、となりにぴったりと勝負服姿で寄り添うフラワーとブルボン。
「マスター、今日はバレンタイン衣装です。 どうぞ――ホットチョコレートです」
『………うす』
🌻「はい、トレーナーさん。おつまみ、お口あーんしてくださいね♪」
🌻トレ「…………やめようよおフラワー、ブルボンさんもブルトレ君も見てるよ」
193 :
お前
2025/04/19 21:17:29
ID:w9JBfR9oug
おめでとう飯塚トレーナー、おめでとうニシトレ
今夜は祝勝会だ
6話終わり
194 :
マスター
2025/04/19 21:34:10
ID:w9JBfR9oug
だそく
※今回の蛇足はパラレルであり本編とは別次元です
「マスター、質問があります。 ミッション:他愛のない雑談です」
『んー、なんだブルボン』
「学園には沢山の美少女がいます」
『そっすね。 ウマミミは美人多いよね、ブルボンも美少女だし。』
「ありがとうございますマスター。マスターの外見に限った好みは誰ですか?」
『……はい? それってブルボン以外の名前出したら俺のほっぺたちぎれたりしない? 絶対つねるでしょ君』
「つねりません。 私という選択肢がないときにマスターがどのような女性をピックアップガチャするのかという好奇心です」
『ガチャってなんスか』 「忘れてくださいマスター」
『見た目、見た目ねえ……アストンマーチャンとか?』
「――身長152cm 86-55-80、なるほど」
『ねえスリーサイズいうのやめようよ生々しいよブルボン』
「どのような部分がポイントですか?マスター」
『えーーーーー? うーん雰囲気とか垂れ目とかおっとりなトコとか、腰が細い、とか?』
「腰が細いのが好きなのですか、マスターは
私は86の54です、いかがですか」
『いやさっき自分は除外しろっていったじゃないの』
195 :
アンタ
2025/04/19 21:37:55
ID:w9JBfR9oug
「他にはどうですかマスター」
『んー、そっすね。 ……スーパークリークとか?』
「………………」
『? どしたん?』
「だめです、マスター。 クリークさんはだめです。」
『なんで、別にアプローチするわけでもないじゃん』
「彼女はだめです、私がマスターのお世話をするんです。
お世話されてはいけませんしでちゅねするなら私がマスターをでちゅねにします」
『ごめん何言ってるかわからん。いや実際背高いし、スタイルもいいしさ
――いふぁいいふぁいいふぁいいふぁい!!?』
196 :
貴方
2025/04/19 21:44:17
ID:w9JBfR9oug
だそくおわり
197 :
キミ
2025/04/20 20:59:03
ID:6FWg3.FBf6
『ブルボン、さんぽ行くぞ』
――マスターとおさんぽ。
――マスターは、いつも私の事を気遣ってくれて
――いつも、私に元気をくれて
――口は悪いけど、いつもいつも私を心配してくれる
――ちょっと子供っぽくて、でも、お父さんみたいに頼りがいがあって
――私は、マスターが大好きです
――今日は、どこに行きますか、マスター
――てきとう。 そうマスターは行って私の手を取って、一歩前を歩く
――河川敷を歩いて、他愛のない雑談をして
――私がハグを求めると、恥ずかしそうに拒否する
――そんな、いつもが、かけがえのない幸せ
――今日は、いつもと違う散歩道
――路地を抜けて、角を曲がって
――……なぜですか マスター?
――どうして? 私を…………騙したのですかマスター
――マスター、どうして、こんなところに
――――目白うまむす病院
『クラシックにもなったし、ちゃんと予防接種しないとな』
198 :
貴方
2025/04/20 21:03:54
ID:6FWg3.FBf6
「マスター…………マスターは散歩だと言いました」
『ああ、言ったな』
「予防接種だとは聞いてません」
『だってお前…というかお前ら予防接種って言ったら逃げるじゃん、ガチ逃げするウマ娘なんて捕まえられないだろ』
「騙したのですか、マスター」
『ああ いや高校生なんだから予防接種ぐらい受けろよ。 毎年毎年毎年この時期大戦争なんだぞ学園。 なんと国から特殊部隊も派遣されるようになりました。 恥じろ』
「……いやです。拒否します」
『はい、予防接種いこうねーいい子だからねー
いやーブルボンはいい子だから予防接種も頑張ってくれるんだろうなあ』
「マスター、マスター、マスター」
199 :
大将
2025/04/20 21:15:50
ID:6FWg3.FBf6
『てかお前どんだけ健康優良児なんだよ、病院つったら健康診断だとか脚の検査だとかあるだろうにまっさきに予防接種を思いつきやがって、まあ正しいんだけどさ』
中は阿鼻叫喚の地獄だった。
柱にしがみつくウマ娘、座ってはいるが一生ガタガタガタガタ震えてるウマ娘
トレーナーに全力で抱きついてトレーナーが泡ふいてるのもいる
『……おうちデート』
「………」
『これ終わったら門限まで俺の部屋来ていいから』
「……ハグは」
『いくらでもしていい』
「……オーダー、承認。 ミホノブルボン、耐えます」
『……はあ』
ハグが嫌なのではない。 実際のところめちゃくちゃ気持ちいいし甘い匂いするし許されるのであれば毎日どころか毎時間したい。
勿論ゆるされる事ではない、いつ間違いを犯すか起きるかわからない。
なので部屋に招くことは基本しないしハグだってトレーニング後にご褒美にするぐらいだ。
200 :
トレーナーさん
2025/04/20 21:23:31
ID:6FWg3.FBf6
――はっ! スカーレット、予防接種なんて余裕だろ。 俺は3本は打ってもらうぜ
――ばかねうぉっか、わたしは5本よ
『予防接種は数競うもんじゃねえよ……なんで予防接種だとみんなIQさがるんだ』
「あの、マスター」
『どうした』
「……カミナリと、注射は苦手です。 マスター」
『そっかそっか、頑張ろうなブルボン』
「あの、手を握っていてもいいでしょうか」
『先生ががいいよって言ってくれたらな』
『ほらブルボン、針じゃなく腕伸ばしたままこっちみろこっち。
はいもう終わるぞ―、ほらほら、よーしいい子だおわったぞー』
「あらー、ブルボンさんいい子でしたねえ。 トレーナーさんも助かります。 ウマミミの方は注射みると興奮しちゃって」
『よーし帰るぞブルボン。 帰りになんか食べてくか?』
201 :
アネゴ
2025/04/20 21:29:13
ID:6FWg3.FBf6
『なあ、ブルボン。 機嫌なおしてくれよー。なあブルボンってばさー』
「拒否します……マスターの声は聞こえません。 マスター」
『うわー、初めてブルボンが反抗期だ。
ん? ………こりゃ雨降るな』
「?」
『おいブルボン、雨降るからアパートまでのバス乗るぞ』
空はたしかに雲が多いが、雨が降りそうなほどではない。場所に寄っては日差しが落ちてくるぐらいだ。
しかし、アパートにつく頃には雨がふりはじめ、すぐに本降りになった
『あぶねーあぶねー、もうちょい遅れてたらずぶ濡れだったな。
まってろブルボン、紅茶いれるから』
「あの、マスター。 天気予報はくもりで降水確率は低かったのに、なんでにわか雨がくるとわかったのですか?」
『あー……俺以前、脚をケガしてさ。映画とか、漫画でよく言うだろ、雨の日は古傷がどうこうって。』
トレーナーはチノパンを履いた右足を軽くたたいて見せる。
202 :
大将
2025/04/20 21:33:54
ID:6FWg3.FBf6
『後ろから……こう、ハグすりゃいいのか』
「はい、お願いします。」
『よしよし、予防接種頑張った頑張った』
「……バッドステータスが、回復していきます。ステータス: ここちよい。です」
『そういやさ、俺ちょっと悩んでる事あるんスよ。ブルボンさん』
「マスターが悩みを」
『そうそう、なんつーのか……語彙力?』
「??? 語彙力、言葉や会話のバリエーション、でしょうか」
『そそ。 ほらさブルボンがこうして頑張った時、いつも褒めてるでしょ?』
「はい、マスターにハグされながら褒められるのは、グッドステータス:幸せ です」
『それなんだけど、いつも大体同じ事しか言わないじゃん?
頑張ったなーとか、偉いぞ―とかさ。 なんか聞いてて飽きたり、同じこといってんなこいつとか思ったりしない?』
203 :
トレ公
2025/04/20 21:39:59
ID:6FWg3.FBf6
「?? 私は十分幸せですが。 バリエーションが必要なのでしょうか?」
『なんか言ってて不安なんだよね、もっとなんか気の利いた事言えなきゃだめかなとか同じことばっかで薄っぺらく感じないかなとかさ』
「そんな事はありません。 私はマスターが褒めてくれるだけで幸せです。
もっと頑張ろうという思いが込み上げて体力値がいつも70回復します」
『100じゃないんだ』
「70が最高値です。 ですがキスをしてくれたら100回復するかもしれません。」
『しませんけどね……あ、光った』
「――ッ!?」
その瞬間、ミホノブルボンがトレーナーの腕にしがみつく。 一瞬の間があって、ゴロロロロと鳴るカミナリの音
「マスター、マスター……尻尾を取られてしまいます。マスター」
『あん? そういやさっき、カミナリ苦手だと言ってたな』
「お父さんが、お父さんが言ってました。 カミナリは、ウマ娘の尻尾をもっていってしまうと。 尻尾を、とられるのはイヤです。 マスター」
『あー……なるほど』
積極的にハグをしたり、キスをあんなにも求めたり、男に性癖聞いたりするわりにやはりちぐはぐなほどに子供っぽいところがある。
204 :
キミ
2025/04/20 21:44:57
ID:6FWg3.FBf6
『しょうがねえな、ほれ、大丈夫だブルボン、そんなガタガタ震えるな。
――ったく、ほら』
「あんッ …マスター?」
トレーナーはミホノブルボンの大きな尻尾に全身で抱きついた
『ほら、尻尾とられないように俺がこうして抱いといてやるから。 かみなりなんかにブルボンの尻尾はやらないぞ』
本気で怯えて震えるブルボンを安心させるために、両腕で抱き枕のように尻尾を抱く。
ブルボンは顔を赤くして俯いてから
「マスター――マスター」
振り向いたミホノブルボンは、がばっとトレーナーを押し倒す。
『ミホノ――ブルボンさん?』
「マスターが悪いんです、 尻尾を、あんなに、抱きつくなんて」
『まって、まってブルボン抱きつかないで顔に胸当てないでうわやわらかっすっげーいい匂いちょっとまって助けてまってまってまって』
205 :
お前
2025/04/20 21:48:15
ID:6FWg3.FBf6
🌻「っっっっきゃーっ♪ ブルボンさん大胆ですっ♪
ついに結ばれちゃったんですか? ウィナーズサークル入りですか?」
「いえ……最後の最後まで固辞されました。 キスを含めキス以上の行為は拒否されました」
🌻「えー、残念です。 」
「ですが、互いにソファに寝ながらのハグはとても新鮮でした。 マスターも最初は抵抗してたのですがしばらくすると、私のハグを受け入れてくださり――」
🌻「うわー、もっと聞かせてくださいブルボンさん」
206 :
使い魔
2025/04/20 21:48:30
ID:6FWg3.FBf6
予防接種終わり、続き明日以降
207 :
あなた
2025/04/21 06:48:46
ID:QC1k5eXN2.
『さて、朝日杯も獲って、このまま皐月賞に直行、のつもりだったが
――1戦挟むぞ。 G2スプリングステークス。 1800Mな』
タンタン、とホワイトボードを叩く音。
『正直これだけのハードトレーニングをしてる中レースに出走はしたくない。
しかし第一目標の皐月賞までくると相手もG1級だ、その中でぶっつけ本番でハナを切った逃げをするかどうかをここで決める。
合わせ――並走を一切してないからな。このレースを含めてレースの感覚を本番で覚えてもらうってのも理由の一つだ。』
出走メンバーを書き連ねていく
『最大のライバルはラジオたんぱ覇者、共同通信杯2着のノーザンコンタクト。
小柄だがその末脚はかなりのもんだ。 』
『それにサクラ軍団――ヴィクトリー倶楽部に所属していたサクラバクシンオーもここをトライアルに使ってくる。
実績は1勝クラスで特別のみだが、ハナを切った逃げにもかかわらず上がり3Fで34.6をマークしてる、あとお前とおなじ先行、逃げだ。 おそらくハナを奪い合うライバルになる』
ノーザンコンタクト・サクラバクシンオー・ダイヤーエース・ライスシャワー・マチカネタンホイザ
「……あ」
『どうした?』
「ライスシャワーさんも――出走するんですね」
208 :
大将
2025/04/21 07:09:43
ID:QC1k5eXN2.
『なんだ、知り合いか。』
「はい。 ライスシャワーさんは小柄で可愛らしくてとても優しい方です。 とても、仲良し、な関係です」
『で、競争能力的には?』
「……」
『……はあ、お前、三冠目指すんだろ? ライスシャワーやサクラバクシンオーとも戦って勝つのがお前の三冠ルートだ。』
「……はい、すいませんマスター」
『……今回スプリングS出走は大正解だったみたいだな。 ブルボン、今後は出来るだけハナを切れ。 友達だとかに気を使ってレースをしない一番の方法は最初からハナ切って並ばせずにゴールすることだからな。』
「はい。 あの、マスター」
『なんだ?』
「委員長、いえサクラバクシンオーさんは」
『ああ、そっちは俺が知ってる。 確か学級委員長してるって言ってたな。
こんなんだろ? ……ちょわっ!?』
トレーナーはサクラバクシンオーのマネをしてみせる。 手の動きまでそっくりだ
209 :
あなた
2025/04/21 07:22:51
ID:QC1k5eXN2.
『まあ、トレーナー同士同じ学園内のトレーニングだからな。 有力なライバルの偵察ぐらいはするさ。
最近、こんな場末の空き地みたいなとこに人が増えたろ? 殆どがお前のトレーニングの偵察だぞ』
見られたところで何かが変わるわけもない。
むしろ、この大坂路のトレーニングはマネのしようもないだろう
せいぜいが学園公式の坂路トレーニングの予約が埋まる程度だ
今更坂路は増やせない――しかしこのトレーニングを見て、結果を見れば必ず要求は増えるだろう
――坂路トレーニング場を増やして欲しい――と
『ま、俺もコンタクトちゃんや、いいんちょのトレーニングぐらい見に行ったさ
そしたら本人につかまっちまってな。』
――おやおやおやおや! 最優秀ジュニアウマ娘ミホノブルボンさんのトレーナーさんではありませんか! この学級委員長の偵察でしょうか!
――いいでしょう!! この学級委員長逃げも隠れもいたしません!!さあさあトレーニングの偵察なり私にインタビューなりしてください!バクシン的にお答えしますよ!
『まあ元気なやつだったなあ……聞いてるこっちが疲れたわ』
「バクシンオーさんはいつも元気な方です」
210 :
あなた
2025/04/21 07:36:16
ID:QC1k5eXN2.
『で、まあノーザンコンタクトは後ろからのレースだから置いといて
ハナを取るのは大前提で、序盤をわざとややハイペースにする
――サクラバクシンオーにさっさと潰れて貰うぞ』
「……バクシンオーさんを……潰す」
『何度かトレーニングを見させてもらったが、あいつは間違いなくスタミナ不足だ。 まあ元々短距離向きなのかもしれないが、明らかにスタミナが足りてない。 今回の1800Mはいっぱいいっぱいだろうな。 それでもジュニア期で上がり34秒を出した脚を持っている実力者だ。 だからそのスパートをさせなくする。
お前がペースを作って逃げ潰せ』
『逃げ同士でつぶしあいはご法度だが、お前には最強の体内時計がある。お前が自滅することはないだろう。』
「………オーダーを承認します。」
『辛いか? 友達をこうやって潰すのは』
「……はい。 ですが三冠を穫るためです。」
『そうだ。 タックルや悪質なブロック、違反ギリギリの進路妨害をする必要はない。 ライバルたちを正々堂々と――その逃げと心臓で潰すぞ、ブルボン。 お前の背中を掴ませさせるな』
「了解しました、マスター」
211 :
アナタ
2025/04/21 07:49:11
ID:QC1k5eXN2.
「あの」
『ん』
「ライスシャワーさんは……その」
『友達、だったっけか』
「はい」
『んー……』
正直言ってデータを見る限り、力不足。 ミホノブルボンの敵ではないしこのレースで善戦出来るウマ娘に見えない。
とはいえ、友達を酷評するわけにもいかないだろう
『お前のほうが強い』
と答えるのが精一杯だ。正直同じレースを戦う者同士を同じ学級や空間で共同生活をさせるのはどうなのだろうと思う。
「……はい」
『さっきもいったが、レースではいくらでも"勝たせない"ためのテクニックがある。 タックル、進路妨害――走りにくくするために肘を開いての双方。
わざと蹴り足を深くして相手に泥や土を被せるなんてものもある。』
「………」
『審議や処罰うけなきゃ勝ちは勝ちだ。 卑怯だとは思うが本当に勝ちたければそういう事もある。 だがお前にはやらせるつもりもない
正々堂々ってのは綺麗事すぎるが、お前の逃げで全部潰せ、背中を捕まえさせるな。 友達であろうとなんだろうと、それで全部カタがつく。
スタートをしくじらずに最初の先頭争いを制してそのまま1着でゴールすれば互いに汚い手段もへったくれもない』
212 :
キミ
2025/04/21 08:02:15
ID:QC1k5eXN2.
『その、ライスシャワーってのはそんなに頑張ってるのか』
「はい、彼女は少々内向的な性格ですが、いつもいつも頑張っています。
状況をエミュレートします」
右手をまっすぐあげて伸ばしてから、両手を胸辺りにおさめて
「がんばるぞ ライスがんばれ、おー」
「――と、いつも自身を鼓舞してます。 私は三冠を獲りますが――彼女にも頑張ってほしいと、ステータス"矛盾"を抱えています」
『あー、いいんじゃね?いいじゃん、友情、努力、勝負だっけか。ウマ少女スポ根の合言葉って。 ブルボン、三冠ってすごいじゃん?』
「はい、三冠ウマ娘は過去にもいますがすべて伝説のような存在です。 栄光と称賛を受けるに値する最強のウマ娘たちです。」
『じゃあさ、なんで三冠ってすげーんだろうな?』
「?」
『2000Mのレースなんていっぱいある。2400Mだってそうだ。
現状長距離レースは開催数は少ないが実際最長は天皇賞春でも菊花賞でもないG2の3600Mだ
でも三冠ってのは皐月賞・ダービー・菊花賞だろ? 』
「それは……」
『皐月賞、ダービー、菊花賞、それぞれみんなすげーやつらが来るからな。
菊花賞は距離的にきつくても2000Mなら、今の仕上がりならってその時の一流どころがあつまって。
中央レースの祭典、一生に一度の晴れ舞台のダービーをクラシックの大目標にしてるトレーナーや一族だっている。
更に春には間に合わなくても夏、秋で実力を開花させた奴らはスタミナ豊富な奴が多い。 そいつらが最後の1冠菊花賞になだれこんで下剋上を狙ってくる』
『どのレースも強者がひしめいてたった一人の1着を狙う。 誰一人弱いやつなんかいない。ワンチャンあれば最低人気でも1着を狙ってくる。
それが皐月賞、ダービー、菊花賞――一生に一度のクラシックだ』
213 :
キミ
2025/04/21 08:06:31
ID:QC1k5eXN2.
『なんで三冠がすげーかってさ、強い奴らがわんさか集まるんだよ。
だからそこで一着になるってのは特別な事だし、それを全部勝ったやつは伝説になるんだ。
お前が夢見た三冠ってのはすげーから三冠なんだろ?
だったら、そこに出走するライバルが強いほうが――勝ったお前はもっと凄いし、三冠らしいだろ。 弱いやつしかいないレースで当たり前にかった栄冠より、よっぽど価値がある』
『だから、いいんじゃねえの? ライスシャワーがいっぱい頑張るのもさ。
頑張れーライスってやってたら、がんばれーライスって言ってやれ。』
トレーナーは、ブルボンの頭をぽんぽんと撫で
『お前はそれより頑張ってライスシャワーに勝てば良い』
「はい、マスター」
214 :
大将
2025/04/21 08:27:58
ID:QC1k5eXN2.
「ライバルの君に相談していい話ではないのは承知してるんだが……このままではライスシャワーが故障してしまう。助けてくれ」
ライスシャワーのトレーナーが頭を下げてきた。
正直他所様のウマ娘事情に首をツッコミたくはないしライスシャワーはクラシック戦線をともに戦うライバルだ
🤖「マスター、ライスさんを助けてください。 バッドステータス:心配 です」
『………まあ、話を聞くだけでもいいなら』
「最近ライスシャワーがオーバーワーク気味でね、どうしてもスプリングSでミホノブルボンに勝ちたいって制止を聞かないんだ。」
『……まあ、故障はだめッスけど、それ当のライバルとそのトレーナーに言われてとまるもんじゃないでしょ』
「それはその通りなんだが、ミホノブルボンが超ハードなトレーニングをしてるのは有名な話なんだよ。 最近じゃ彼女はロボなのかサイボーグなのかと言われているぐらいだ」
🤖「肯定、それは正しい情報です。 私はロボットでありマスターの手によって改造されたウマ娘サイボーグです。」
『あーいいからいいから。で、それがライスシャワーとなにか?』
「まあ、そのミホノブルボンに触発されたというのが問題なんだが、そのハードトレーニングを無故障で続けてる君というトレーナーの手腕も話題になっていてね」
『そんなの明らか俺の手腕じゃないじゃないスか。 ミホノブルボンが滅茶苦茶丈夫なだけでしょ、ライストレさんならそのぐらい分かってるでしょうに』
「ウマ娘たちからしたらそうは見えてないって話だ。 俺達からしたら無茶なトレーニングに見えても彼女たちからしたら君は今ゴッドハンドのような扱いをされてるんだよ」
215 :
アナタ
2025/04/21 08:54:52
ID:QC1k5eXN2.
『ああ、そういう……』
ジュニア級というのは才能とセンスで1年を終えることもよくある。
名家だったり話題性のあるスターが入学しそのままジュニアの最優秀になって、という王道パターンだ。
無名なウマ娘が無敗で朝日杯を勝ち最優秀ウマ娘になれば、ウマ娘もトレーナーもそれなりに話題になるだろう
「僕はライスに故障してほしくない。 だから今のライスの脚の状況をみてもらって、遠回しにでもオーバーワークに釘を刺してほしいんだ。」
🍚「うわあ、うわあ、ブルボンさん!」
🤖「こうして練習場でお会いするのは初めてですね、ライスさん」
🍚「嬉しいな、嬉しいな。 ブルボンさんと並走できるなんて」
🤖「……」
『並走していいぞ、一本。 ただし一本きりな分一杯までやっていい』
「どう、ですか? ライスの走りは」
『身体柔らかそうですね。 バネも良いモノもってますよ。』
「素質は良いんだけど、結果が伴わなくてね。」
『……うーん』
🍚「はあ、はあ、やっぱり、ブルボンさんにはかなわないな、すごいな、ブルボンさんは……すっごく早いし――強いなって」
🤖「ライスさんも、いい走りでした」
『よーし、こっちこい。 ライスシャワー、ここに座ってもらえる?』
芝生の上、ブルーシートにライスシャワーを座らせて――おもむろにお腹を触る
🍚「うひゃうっ!? な、な、なっ?」
「ちょっとブルトレくん?」
『あー、やっぱ骨盤とかまだしっかりしてねえなあ。じゃあ次うつ伏せなって?』
🍚「あ、あ、あのおじさま? おじさま?」
『……ライストレさん教え子におじさまとか呼ばせてるんスね……』
「マスターと呼ばせてる君に言われたくはないよ!? それより急になにしてんの!?」
『え、触診スよ触診。 こうして骨や筋肉や内臓の成長確認してるんス。はい、次うつ伏せね。』
216 :
お姉さま
2025/04/21 08:55:18
ID:QC1k5eXN2.
うつ伏せになったライスシャワーの背中を軽く押すようにマッサージしていきながら
『ふーん、じゃあちょっとくすぐったいかもだけど我慢してね―』
と、膝立ちのままライスにまたがっておしりのあたりを両手で揉む。
🍚「うひゃあっ? ちょ、ちょっとブルトレ、さん? きゃうっ」
🤖「……………マスター」
『黙ってろブルボンこちとら真剣なんだ。うんうん…なるほど』
『単に調子悪いだけ、ってかまだ未成熟なだけっすね』
🍚「へ?未成熟って」
『本格化はきたけどまだ内臓や骨盤の骨がしっかり出来上がってないって事。
だから今焦って強度の高いトレーニングをしても骨の育成に良くないから。
しっかりトレーナーが身体を造るメニューつくってくれるだろうから、それに従ってな』
🍚「まって、まってください。 でも、もうクラシック期で、その……」
『身体が出来上がるかどうかは個人差大きいの。 お前ブルボンに勝ちたいんでしょ?』
🍚「そ、そ、それは……その」
『なに、勝ちたくないの? ブルボンはスプリングS出るぞ。 多分バクシンオーやコンタクトも出る。 そこでブルボンを倒そうって思ってるだろうし、俺等は全員逃げ潰して1着を穫るつもりでいる』
『お前は? ……お前はミホノブルボンに勝ちたくないの?』
🤖「ライスさん」
🤖「私は、ライスシャワーさんと全力で戦いたいです。」
🤖「ライスシャワーさんがいっぱいいっぱい頑張って、努力してるのを知ってます。だから――ライスシャワーさんの全力と、戦って、勝ちたい」
🍚「私も……私もブルボンさんと戦いたい! 全力で、勝ちたいっ……!」
217 :
お前
2025/04/21 09:01:01
ID:QC1k5eXN2.
『……じゃあ、今の全力でスプリングSにぶつかってこい。 勿論負けるつもりもないし、実力差を思い知らせてやる。 でも、レースはスプリングSだけじゃないからな
身体をしっかり作って、いっぱい頑張って……それでまた勝負してこい。
もし、ブルボンが不甲斐なければスプリングSで勝ってみせろ』
「すごいな君は。 触診だけであんな内臓や筋肉が未成熟だなんて」
『え? ああさっきの半分ぐらいは適当っすよ? そんなの医者でもあるまいしわかるわけないないじゃないッスか。』
「………………え?」
『まあでも、身体柔らかすぎでお尻からトモが甘いとか骨盤が弱いとかそのつなぎ目が細すぎて、体幹からしっかりつくらないといけないとは思いました。
あれであの走りができるってのは良い素質持ってると思いますよ』
「…え、えっ? さっきのは?ねえさっきのは?」
『でまかせ半分ですよ。 オーバーワーク、してほしくないんでしょ?
あの子はまだ身体できあがってないってのは間違いないんで嘘ってわけでもないスけどね。 春でしっかり身体できたら良いレース出来ると思います。』
「ええっ、君あんなに自信満々に触診してたじゃん!?」
『まあええ、あれはほらマッサージとかであるじゃないですか』
「普通は女の子のお尻をわしづかみにしてもまないよ!?」
『え、しないんスか?』
「しないよ!?」
『だめですよ、おしりからトモまでしっかりマッサージしないと』
218 :
使い魔
2025/04/21 09:09:52
ID:QC1k5eXN2.
トレーナー室で、トレーナーはミホノブルボンにじっと見られていた
無表情だが、なにかトゲのある雰囲気、オーラだけが出ている
『あー、うんミホノブルボンさん? 何をそんなに怒っているのか、ナ? 僕ぁ親友であるライスシャワーちゃんに適切なアドバイスをしたと思うん、だけど、ナ?』
🤖「ライスさんのおしりは、柔らかかったですか? マスター」
『ええ、お前もソレいうの?
確認だけするけど、俺がライスのおしりや太ももをベタベタ触ったのが気に入らないと?』
🤖「破廉恥です、マスター」
『えー……』
わきわきと動かす自分の手を見つめるトレーナー。
そのような意識がかけらもなかったが、確かにやっていることは、少女のお尻を触りまくっているということだ
『いや、俺お前のマッサージ毎日してるじゃん? なんかこう、お尻を触るのがいやらしい事とか考えもしなくなってんだよね』
『まあ確かにそうだなあ、うーんブルボンにマッサージしてたけどたしかに良くないよなあ、どうするか』
🤖「問題ありませんマスター。 マッサージの継続を希望します」
🤖「ところでマスター、マスターはお尻を触ることで性的興奮をおぼえないのでしょうか? 男性は乳、尻、太ももが好きだと」
『あー俺尻フェチではないんで。 安心しろ魅力とか関係なく邪な感情を抱いたりしない。大丈夫だぞ』
🤖「………」
『ねーなんでそんな不機嫌オーラ出すんだよ―、そんなエロオヤジみたいなのにケツさわれたくないだろブルボンだってさー、俺誠実に向き合ってるよねえ?』
219 :
アナタ
2025/04/21 09:29:25
ID:QC1k5eXN2.
『いやさ、俺思ったんですよミホノブルボンさん』
🤖「?」
『世間一般のトレーナーはマッサージしても臀部までしないんだと。 でも臀部ってトモにも腰にもつながってるから俺はするじゃん?』
🤖「はい、マスターが悪意ある欲求で触れてないのは理解してます」
『ブルボンって理解あるし、そもそも距離近いじゃん?』
🤖「もっと縮めることは可能です。マスター」
『結構ですミホノブルボンさん、いやまあ、今日のライスシャワーもびっくりしてたし、俺ももうちょっとブルボンとの距離感かんがえないとなって
『確かによくよく考えたらセクハラだよなあって、まあでもマッサージはしますよ? 脚の疲労ぬくのはもう絶対に必要だし』
🤖「他の女性に配慮する分私とのスキンシップはもっとすべきだと進言しますマスター、マスターがケツフェチでなければ、おっぱいでも問題ありません。 私は86の54です。カップは」
『やめなさいやめなさいやめなさい。 ブルボンが魅力的なのは知ってるからかわいいから、やめなさい』
220 :
お姉ちゃん
2025/04/21 09:34:18
ID:QC1k5eXN2.
『いつも言ってるけど、お前の本分は三冠なわけですよ。 わかりますよねミホノブルボンさん。』
🤖「はい、そのためのトレーニングでも良好な結果をだしています。 トレーニングは順調です、マスター」
『くそ、タイムも何一つ申し分ないしトレーニングもしっかり集中してるから言い返せねえ』
🤖「よって、その時間以外は私のメンタルややる気を向上させる事で今後更にトレーニング効率が上昇する可能性が高いのでミッション:らぶらぶちゅっちゅを提案します」
『しませんよブルボンさん。俺は犯罪者にはなりたくないんですよブルボンさん』
🤖「なぜですかマスター。 マスターには性欲がないのですか?」
『ありますよブルボンさんでもそんな話を教え子としたくないんですよ、わかってくださいブルボンさん』
🤖「わかりません。 モード力ずくを使用するか、協議が必要です」
『やめてね?マジで人生終わるからやめてね?』
221 :
トレ公
2025/04/21 09:34:37
ID:QC1k5eXN2.
休憩
222 :
お前
2025/04/21 13:09:35
ID:QC1k5eXN2.
『あのね、もう言っちゃったから言うけど、お前は美人だし身体もイイしハグしてると滅茶苦茶いい匂いすんの』
🤖「ッパアアアア」
『でもね、君は学生なの手を出したら犯罪なのバレなきゃOKって思うかもだけど世の中の犯罪ってのはみんなバレないようにしてバレてるんだよ俺は犯罪者にはなりたくない』
🤖「……ステータス:理不尽」
🤖「わかりましたマスター。 その代わりに――先程の「美人」「かわいい」「おっぱい大きい」「いい匂いする」を沢山言ってください。
そうしたら我慢します」
『やだよ恥ずかしい。あとお前はそういうの言ったらかかって我慢できなくなるから無しだ。 スプリングS圧勝したら考えてやっても良い』
🤖「ッパアアアア」
223 :
キミ
2025/04/21 18:04:44
ID:O0V8.L1QMU
『さて――いい話ばかりじゃない。 今後の事もちょっと話しておく。』
🤖「はい」
『今回のスプリングSは1800Mだが皐月賞2000Mの前哨戦だ。 ほどなく日本ダービーが控えてる。
もし、スタミナ、距離適性が原因で敗戦した場合―――2000Mの皐月賞まで時間がない事から皐月賞を走り切るスタミナが足りてない。 と判断する。
――意味は、わかるな?』
🤖「――はい、クラシック路線を走りきれない、短距離路線への変更を考える、という事ですね。」
『随分あっさり言うじゃないか、三冠しか興味ないって感じだったろう』
🤖「私はマスターを信じています。 マスターが鍛え上げた脚と、心臓を信じています。 ですからそれを作り上げたマスターの判断に、すべて従います。
――三冠路線を諦めるとマスターが判断すれば、従います」
『……いいのか?お前の夢だろう?』
🤖「マスターは言いました。 才能があるウマ娘が頑張って、努力してそれで最強が集まるのがG1、クラシック戦線だと。ならば適正を考えるのは選択としては正しいと思います。
朝日杯1600Mの僅差が私の距離限界を示しているとの見解は見ました」
『個人的にはありゃヤマニンキセキが覚醒しすぎた感じだったけどな』
224 :
お姉さま
2025/04/21 18:13:38
ID:O0V8.L1QMU
朝日杯のヤマニンキセキの覚醒した走りは限界を超えたものだった。
あと20Mあれば確実に差し切られていた。
ミホノブルボンの上がりは35秒5 良馬場とはいえ曇りの湿気の含んだ中山11Rとしては十分なタイムだが、ヤマニンキセキの上がりの走りはそれを凌駕した。
『限界を超えるってのはいいこっちゃないんだ。
事実ヤマニンキセキはあのあと骨膜炎を発症、この前の弥生賞で復帰したが走りに影響が出ていいとこなしの4着だ。』
――己のスピードの限界を超えればそうなる
――それはスタミナの限界を超えても一緒だ
『スタミナが切れれば上半身を支えられなくなる。 乗っていたスピードが支えられない身体と脚に一気に襲い掛かる。
当然故障すれば全てはパーだ。
これ以上の無理は出来ない。わかるだろ?
スタミナが足りなくてもレースは勝てない
――故障をしたらレースに出れない』
225 :
マスター
2025/04/21 18:18:30
ID:O0V8.L1QMU
🤖「私は――マスターを信じます。 ですが、私はまだ、証明していまいません」
――スプリングステークスで、マスターに証明します。
――マスターが作り上げたミホノブルボンは、誰しもが認める最強のウマ娘だと言うことを
『……そうか。 わかった、まずスプリングSで俺にも証明してみせろ。 』
個人的には
皐月賞までのスタミナは鍛え上げたと思っている。
しかし、そこからさらに400M――その400Mの距離はあまりにも長過ぎる。
東京の長い長い直線。 あの直線を後続を突き放して走り切るスタミナ。
このスプリングSでもし――スタミナに不安が出れば、その400M いや600Mの距離は絶対に間に合わない
226 :
モルモット君
2025/04/21 18:23:22
ID:O0V8.L1QMU
『……準備はできたか、ブルボン』
🤖「――――」
『……ブル―――』
言葉を飲み込む。 ミホノブルボンは初めてレース前に瞳を閉じて、集中していた。
しばしの沈黙のあと、ミホノブルボンは目を開き、立ち上がる
🤖「システムオールグリーン。 ステータス:超絶好調
ありがとうございます、マスター
――今日は最高の状態だと言えます。」
『……おう』
ミホノブルボンはあまりレースでの自意識が過剰な方ではない。
しかし今日のミホノブルボンには強い自信と――強者がもつ威圧感、風格というものがあった。
最高の状態、というのは間違っていないようだ
『いってこい。 2枠4番、偶数番号はゲートインから開くまでがはやい。 逃げには絶好だ。』
🤖「はい、マスター」
227 :
お兄ちゃん
2025/04/21 18:33:58
ID:O0V8.L1QMU
※
>>226
に表記ミスがありました。 スプリングSの枠順は1枠1番です。訂正してお詫び申し上げます
『どうですか、ライスシャワーの仕上がりは』
「ああ、悪くはない。 悪くはないがまだ万全じゃないね。 君の言う通り今は身体を作り上げることにしてるよ。 皐月賞までは苦戦するだろうね。
今日のミホノブルボンの調子はどうだい?」
『世辞抜きに最高ですね。 集中もしてました。 これで万が一スタミナ足りなくて負けるようなら――』
「……短距離に転向かい? 惜しいね。 でも、今日は枠番も味方してる。
中山の1800Mはスタート直後がコーナーだ。 1枠1番は良い枠順だろう。」
一瞬、互いの言葉が止まって――
ゲートが開いた
228 :
トレーナー君
2025/04/21 18:46:27
ID:O0V8.L1QMU
🌸「バクシン的……ロケットスタート!」
最高のスタートを切ったのは4番サクラバクシンオー
そのまま先頭を伺い――
🌸「ちょわっ?」
スタートはバクシンオーに劣ったものの、一足、二足と加速して先頭に立とうとするサクラバクシンオーに並ぶ
🤖「――ッ」
🌸(なんという加速、なんというバクシン! しかしスタートでそんな加速をしては1800Mという距離が保つのですかブルボンさん。コーナーが目の前ではこれ以上は競れませんね……バクシン的撤退です。二番手から脚が鈍ったブルボンさんを差します)
――第一コーナーに来てまだ加速してますの?
――ミホノブルボンさん、貴女は中距離――1800Mを甘く見てますわ
『ノーザンコンタクトは抑えたな。 さすが名家の一族、ハイペースには付き合わないか。』
「重賞で2000M勝利、1800Mを2着。 1800M以上のレースの経験があるからね。 ジュニアに多いマイルまでのペースでは通用しないのが分かってる。」
『さすが、ミホノブルボンを抑えての1番人気だ。』
「それにしても――はやすぎやしない? 今日、不良馬場に近い重馬場だよ?」
『……俺もそう思います。 ですが、ミホノブルボンが掛かってるとは思いません』
「途中で息をいれるにも、もうバックストレートに入ってる」
229 :
トレぴ
2025/04/21 18:52:08
ID:O0V8.L1QMU
――キミの適性は短距離だろう
――三冠路線なんてもってのほかだ
――まず、OPクラスまで無難に勝つ方法を
短距離適性しか無い、並のウマ娘
それが私、ミホノブルボン
でも――今は違う。
マスターに出会って――マスターが私を最初から作り直してくれた。
あの人の作り上げた脚は、心臓は――最強なのだと
私が思う三冠への夢と同じぐらい――証明したい
――マスターは、最高のトレーナーなのだと
🍚「――ッ、だめだ、今いかないと――きっとブルボンさんは垂れてなんかくれない」
🌸「……ええい、ッこれ以上は離されません、離されませんとも、私は学級委員長!私はサクラバクシンオーなのです!」
――だから! そんなペースで1800Mを走りきれるわけないじゃないですの!
――そんな甘いレースじゃない、距離が200M変われば別世界なのがレースですの!
――でも
――もし――ミホノブルボンさんが―――
――もし――このまま垂れ落ちなかったら?
――あり得ない
――だって追走してる子たちの表情だって精一杯だ
――ついていくだけで潰れてしまうなんて相手――そんなのはありえませんわ
230 :
アナタ
2025/04/21 18:57:50
ID:O0V8.L1QMU
『……俺は、1800Mなんかでミホノブルボンがいっぱいになるって思ってはいなかったんスよね。 スタミナの壁に悩まされるのはきっと、日本ダービーぐらいかなって。』
「いや、しかしこのペースは……サクラバクシンオーが、もう表情からして限界だ。 後ろの子たちがスパートをかけたら」
『できます? 今日、ほぼ不良馬場なんですよね?』
「……まさか、彼女は」
『俺は、逃げ競るサクラバクシンオーを潰せとは言いました。 でもあれじゃ
――ついてくるウマ娘全員潰すような、走りじゃないですか』
――背中が遠い
――なのに、あの背中は、トモは大きく見える
――これが強者の、背中
――ついていくのがやっと、ううん、気を抜いたらライスも潰れそう
――でも――ついてく――――ついてく!
――今日は勝てないと思う。 それでも
――今日、ついてければ――いつか勝てるから
231 :
あなた
2025/04/21 19:08:12
ID:O0V8.L1QMU
🌸「負けません、学級委員長として! 負けま、せんっ」
🍚「バクシンオーさん……ライスは、ついてく、絶対に、絶対に!」
🌸「っぷ、あっ」
第四コーナーを回ったところで、ライスシャワーに並ばれたサクラバクシンオーの顎があがった。 完全にいっぱい――スタミナ切れだ。
「サクラバクシンオーがいっぱいだ! ミホノブルボンは!」
『まだです! まだ! ほらブルボン、最後の一本!! 四本目だ!!
いけ!いけいけいけいけ!!』
重馬場としては異様なペース
サクラバクシンオーが追走しきれず潰れ
後方待機の殆どのウマ娘が差を縮められない――追走だけでいっぱいなのだ
そんな――後方待機で潰れたウマ娘に囲まれ沈んでいくノーザンコンタクト
――どいて、どいてっ!
――私はまだやれる!このために耐えてましたのに!
――邪魔をしないで、私はここから――勝てるのにっ!!
「ノーザンコンタクトは――バ群に揉まれたか」
『進路妨害もへったくれもねえ、完全に潰れたウマ娘の下敷きだ。 あれじゃ進路がない。 ブロックするつもりもねえんだろうが、進路ミスだな』
「いや――外に出た子いるぞ――マチカネタンホイザ」
『ああん!? あいつ目立たないと思ったらいつの間に外に?』
最後の直線
ミホノブルボンが先頭で――しかし外にはマチカネタンホイザ
そして――ずっとミホノブルボンについてきたライスシャワーが内から出てくる
「ライスシャワーの進路が開いた! 」
『ブルボンっ!最後の一本!』
「いけっライス!ライスライス!!」
『ブルボンッ!!!』
232 :
貴方
2025/04/21 19:16:52
ID:O0V8.L1QMU
🕷️「ふん、ふん、ふん――ドロドロバ場は走りづらいけど――でも、外は走りやすそう~……じゃあ、行きますよブルボンさん。むんっ」
🍚「ブルボンさんっ……行きます」
ここまでのハイペースでも潰れなかったウマ娘たちが最後の直線でミホノブルボンの背中を捉えようとラストスパートを仕掛ける。
しかし
――マスター
――証明できました
――私にはこの直線を走るだけの力が残ってます
🤖「ギアチェンジ――モード:ラストスパート システム――"四本目"」
ダンッ
🕷️「…うっそ、ぉ~……む、むんっ!!」
🍚「まだ、スパートが出来るの!? 届かない――ううん、どんどん離される」
「……たまげた。 ちょっと強すぎる」
『いや、俺もちょっとビビってますよ。 あのペースで押し切るのかと思ったら――直線で更に伸びやがった』
「ライスシャワーも直線までしっかりついていって内のいい位置から伸びた。正直ありゃだめだ――次元が違う」
『いや、凄いっすよね。ブルボン、すごいっすね……
っしゃあっ! どうだ、俺のブルボンが!こんなにも強いっ!!よっ……しっ!!』
「そんな全力でガッツポーズするトレーナー、始めてみたよ。 キミは、良いトレーナーだ。」
233 :
トレぴっぴ
2025/04/21 19:23:55
ID:O0V8.L1QMU
――強い!残り200で差は5バ身いや6バ身!さらに差を広げてゴール
――圧勝ですミホノブルボン!これは強い!
――圧倒的な逃げ切り!
場内は歓声とどよめきに包まれている
あまりの強さに、観客もどのような反応をしていいかわからなかった。
重バ場のレースとは思えないペースでレースを引っぱり、直線に出る頃には追走するウマ娘たちが潰れていた。
それを追走しきったウマ娘のスパートを上回る直線の豪脚
淡々とレースをこなした
というにはあまりにも強すぎるミホノブルボンの圧勝だった。
🤖「戻りました、マスター」
『よし、タオル。 後ろ向け全部拭くから。
全部拭き終わったらまず着替えろ。 ライブ用の勝負服で今日はライブするぞ。』
🤖「あの、あのマスター」
『いいから、まず身体拭いて、アイシングとマッサージだ。
よくやった。 本当によくやった。
今気を抜いたら全部やるべきこと忘れて全力ではしゃいじまいそうなんだ。
先にマッサージとアイシングだけさせてくれ。 あとでいつもの100倍はほめてやるから。』
🤖「……はい、マスター」
234 :
貴方
2025/04/21 19:32:18
ID:O0V8.L1QMU
――ミホノブルボンさん
ライブが終わって、声をかけられた。
きらびやか、という雰囲気の似合う、お嬢様といった雰囲気のウマ娘、今日の一番人気だったノーザンコンタクトだ。
――なんなんですの……あの、あの走りは、なんなんですの!?
――あんなペース、保つわけがありませんわ。 なのに後続がバタバタ潰れていって、それなのに先頭を走る貴方はさらにスパートをして
――貴方は、なんなんですの!?
よほど、ショックだったのだろう。1800Mも2000Mもすでに経験していた彼女にとって、まるで別次元のレースだったことに。
🤖「……私は、ミホノブルボンです。
三冠を穫るために、この脚と心臓を鍛えてきました。
だから、このレースも勝てたんです。」
――このレースは三冠のための踏み台?
🤖「いいえ、否定します
今の私に出来る最高のレースでした。 それでも――まだ強くなる必要性があります。
皆さんも、これからどんどん強くなります。 今勝てた相手が、今度はもっと強くなります。 ライスさんも、マチカネタンホイザさんも
――ノーザンコンタクトさん、貴女も。」
――――私達が、まだライバルだと?
🤖「私も最初は弱いウマ娘でした。 ですから――今勝った相手に次も勝てる保証は存在しません。 全員が、強敵です。」
――は、ははっ
――潰れたウマ娘にブロックされて轢かれた私もライバルだっていうの!?
🤖「はい。 貴女も強敵です。ですから―――」
🤖「次も―――負けません。」
235 :
貴方
2025/04/21 19:35:24
ID:O0V8.L1QMU
🍚「ぶ、ブルボンさん!!」
🤖「ライスさん」
🍚「ぜ、全然勝負にならなかったよ、えへへ……ブルボンさんは、やっぱすごいな、強いな……」
🤖「内から黒い影が見えました。あれがライスさんだったのですね。」
🍚「え、き、気づいてたの?」
🤖「はい」
🍚「すごいな、ブルボンさんは」
🤖「ライスさんも――あのペースをずっと付いてこられるのはプレッシャーを感じました」
🍚「そ、そうかな? ライス、頑張れた、かな……」
🤖「はい、とても」
236 :
トレーナー君
2025/04/21 19:44:28
ID:O0V8.L1QMU
『ライブお疲れ、脚や腰に違和感はないか?』
🤖「ありません、マスター。」
『よし、ここ今日は使われないらしいし許可もらったからもう少しマッサージしていくぞ』
🤖「マスター」
🤖「今日のレースは、証明になりましたか?
――私は、マスターが最高のトレーナーだと、証明できましたか」
『……っ、あーもう、お前は自分の三冠のことだけ考えてろ』
🤖「っ、マスター」
ぎゅうっと、強く抱きしめる。いつものように頭を撫で回したり背中をたたくような事もせず、ぎゅうっと強く、深く抱きしめる
『びっくりした。 驚いた。 ブルボンがこんなに凄くて強いって、いつもトレーニングを見てる俺がびっくりしたんだ。
本当によくやった。 本当にすごかった。 証明なんか要らん、お前は誰がなんと言おうと最強のウマ娘だし、今日レースを見たやつはお前が最高のウマ娘だって思ってるさ』
――嗚呼
――私は――マスターに出会えて、よかった
🤖「マスター……」
『ブルボン――』
ミホノブルボンとトレーナーは見つめ合い、ゆっくりと顔を近づけ
『――あぶねえ!?』
ギリギリのところでトレーナーが離れた
237 :
アネゴ
2025/04/21 19:48:45
ID:O0V8.L1QMU
🤖「…………マスター それはバッドステータス:空気読め なのではないかと進言します。」
『うるせえっ!うるせえうるせえ!! あぶねええええっ、ほんとに危なかった!!!』
🤖「……」
上気した頬、潤んだ瞳、ハグで伝わる柔らかい身体、甘い匂い
――間違いを犯すとこだった
心臓破りの坂をのぼったように心臓をバクバクバクバクさせて、トレーナーは
『ほら、これ見てみろこれ! 触ってみろ』
🤖「あっ、マスター……?」
『心臓の音わかるだろ? 死ぬほどバクバクしとるわ、小娘が良い年した大人をときめかすんじゃない! 間違いはおこさないって約束だろう?』
🤖「……つまり、 これは――状況:惜しかった という事ですねマスター」
『間違いを犯すなって言ってんだよ!』
238 :
トレピッピ
2025/04/21 19:56:44
ID:O0V8.L1QMU
『後でタクシー呼ぶから。 怒られるギリッギリまでマッサージするぞ。
学園と寮には事情説明してあるし許可貰ってるから門限は気にするな』
マッサージ用の寝台にうつ伏せになったミホノブルボンの脚をゆっくりとマッサージしていく。
お尻からトモの部分の筋肉の発達が素晴らしい。 鍛え抜かれた筋肉の張りと美しい曲線美が出来上がっている。
いいケツ、とかデカいケツ。というと性的に聞こえるがそうではなく、そういう丸いケツではなく、鍛えられたのがよく分かるトモまでの筋肉がそのままお尻に伸びてるというアスリートとして垂涎の臀部だ。
🤖「マスター、マスターは私のおしりには興奮しないのですか?」
『なんなんですか、ミホノブルボンさん突然のセクハラよくないですよ?』
ぎゅ、ぎゅ、とマッサージを続ける。
『ちなみに、トレーナーって基本おしりと太ももずっと見てるけど職業柄なわけで。 まあ勿論チチシリフトモモって言葉はありますよ? 男性はそういうとこをいやらしい目で見るのはまちがいないですよ?』
🤖「では、私のお尻には魅力がありませんか?」
『ちがうんスよ。 なんつーかほら……下着メーカー勤務の男性が女性用下着にそういう邪な視線をむけないような。 もうトモにどんだけ筋肉がついてるかとか大臀筋からトモのバランスはどうかとかで見てるからいやらしい目で見る習性が消えてるんスよね、多分俺だけじゃなく殆どのトレーナーそうよ?』
239 :
トレぴっぴ
2025/04/21 20:03:14
ID:O0V8.L1QMU
🤖「……そうですか、残念です。 マッサージのたびにマスターの理性を削れると思っていたのですが」
『あのね、最近は女性から男性へのセクハラも認められる世の中だからね? やめようねほんとにやめようね。
それにしても、こうしてトモとかをマッサージしてると、だ』
🤖「?」
『脚にも腰にも、いい意味ですっげー筋肉ついたなって。 手に余るというかマッサージ出来る範囲がどんどんどんどん狭くなる。
前はここ手のひらで届いたのになって――お前ほんとに頑張ったんだなって』
🤖「はい……頑張りました。」
『次――皐月賞だな』
🤖「はい、 三冠の1つ目です。」
『今日より200M長い。 朝日杯より200M長かった今日、どうだった?』
🤖「……200Mは、予測より遥かに大きな差でした。
結果、7バ身差でしたが最後はとても心配――スタミナがいっぱいでした。」
『ああ、もうすぐに皐月賞で、さらに200M伸びる。 』
🤖「問題ありません。 ペースとデータを更新し最適なラップを割り出します」
240 :
大将
2025/04/21 20:06:17
ID:O0V8.L1QMU
『よし、そろそろ帰るぞ。 タクシー呼ぶからちょっとまっていてくれ』
🤖「マスター、ご褒美のハグは」
『さっき滅茶苦茶したじゃん。 キスまでしそうになったじゃん』
🤖「マスター、今日私はとても頑張りました。 とてもとても頑張りました」
『くそ、要求の仕方覚えやがって。 もう帰らなきゃいけないからおしまいです。 おしまい』
🤖「……」
『ま、今度また俺の部屋にきて、いっぱいご褒美やるから。 今日は確かにすげーレースだったもんな。感動したよブルボン』
🤖「ッパアアアア」
241 :
お前
2025/04/21 20:06:36
ID:O0V8.L1QMU
スプリングSおしまい
242 :
トレーナーちゃん
2025/04/21 20:07:04
ID:O0V8.L1QMU
今日はだそくなしで明日以降に次話書きます
243 :
トレピッピ
2025/04/21 20:15:56
ID:O0V8.L1QMU
>>1
です
閲覧ありがとうございます。 今回の枠番のミス、申し訳ありませんでした。
また史実をご存知の方は実際のレース内容と違う部分があります。
マーメイドタバン・ダッシュフドーなど史実でライスシャワー、マチカネタンホイザより上位入着したウマが登場してない部分は、
・文字だけで表現することで発言や心理描写の混戦が起こる
・この掲示板の文字数制限改行制限で細かく描写ができない
などの都合であえて登場させていません。 筆者の表現限界と思いご容赦いただければと思います。
今後も、このような史実との乖離、ご都合主義による史実、アプリストーリーとの乖離、改変などありますが、どうぞ暖かくスルーしていただければ幸いです
244 :
アネゴ
2025/04/22 18:03:17
ID:HcyNelBreg
『皐月賞――G1――かあ』
スプリングSの圧勝から1ヶ月にもならない。
しかしスプリングS以外のトライアルから続々と出走登録は出ている
人気薄ながらOP、重賞と連勝。 その報知新聞杯ではヤマニンキセキ、サクラワールドオーを破って2000Mを勝利したアサカリーゼント
OPクラスを2勝、クラシック期に入って実績を詰むナリタタイセー
勿論、ライスシャワーやマチカネタンホイザも出走表明してきた
堂々たる顔ぶれ、人気の上位から人気薄まですべてが強者
――ミホノブルボンさんは初の2000Mという事ですがどうですか?
――距離の壁に苦しむのではありませんか?
――トレーナーとして彼女の適正に合わせ短距離路線を進ませないんですか?
――彼女に2000Mは走れますか
記者会見とかいう大仰なものは初めてだったが殆どがネガティブな距離への不安の質問ばかり。
うっとおしい、だめだと言おうがスタミナは余裕だと言おうがレースは変わらないのだ。もうここまできたら走るしかないのだから。
スプリングSのあの圧勝を見てもこれだ。 半分以上は話題性のためのゴシップなのだろうが、ここまでくると黙って見ていろと怒鳴りたくなる
――とはいえ、ミホノブルボンに逆風になるような事は言うつもりはない。
ゴシップであるなら最もそのような記事で盛り上げれば良い
短距離ウマ娘が距離の限界を超え三冠ウマ娘に――その方がよほどセンセーショナルだ。ファンも記者も、URAもすべてが一つの物語の体験者になる。
余計な事は言わず、その限界を、距離の壁を超えられるのがミホノブルボンだとだけ、記者が喜びそうな言葉を選んで答えておいた
245 :
キミ
2025/04/22 18:10:13
ID:HcyNelBreg
距離の壁を、努力で克服した三冠ウマ娘
伝説的な存在、歴史に名を刻む事件だ。 ミホノブルボンはスターになるだろう
『……ま、あんだけ頑張ったんだ。 本当に三冠馬になったら、スターになるぐらいいいじゃんな』
「あの、ミホノブルボンさんのトレーナーさんですよね?」
『……はい?』
ミホノブルボンや自分よりちょっとだけ低い背丈
左耳にリボンのついたウマミミ
とはいえ学生ではない。 佇まいも体格も明らかにアスリートではない
太っている、というわけではないがアスリートのしまった筋肉質な体躯ではなく、ッ全体的に豊満、といった柔らかい雰囲気の女性だ
『あー、記者会見で話した事以外話せる事ないっスよ? 皐月賞は走りで距離の壁を克服してるって証明するしかないんで』
学園にまで入り込むとは随分熱心な記者だ。 パパラッチの類かもしれないがその時はさっさと警備員の方にお願いしよう
246 :
アネゴ
2025/04/22 18:13:47
ID:HcyNelBreg
「ち、違うんです。 私――ミホノブルボンさんの特別なライブ――三冠グランドライブを企画したくて――」
『三冠、グランドライブ……すか?』
三冠ともなればURAも特別なセレモニーをするのだろうか? とはいえまだ皐月賞前なのに随分気の早い話だ。
「はいっ! ミホノブルボンさんは三冠ウマ娘になれるって信じてるんです! 私ちょっとしたファンです! トレーナーさんに是非お話伺いたいなって思いまして」
「私――イベントプロデューサー、URAのイベント企画をしているライトハローと言います」
247 :
アンタ
2025/04/22 18:27:16
ID:HcyNelBreg
最初からライトハローの身の上を信じたわけではなかった。
ゴシップ狙いの記者ならいくらでも身分を詐称する。なので質問をした
――アンタはミホノブルボンのどこが好きなんだ?
『――はい、次のビール来ましたよライトハローさん!
今日は皐月賞の前祝い! はいかんぱーい!』
「かんぱーーーーい☆ ブルトレさんは話がわかる方ですね、素敵です☆」
商店街、小さな居酒屋
トレーナーはライトハローとすっかり意気投合して酒を飲んでいた。
明らかに身分をさぐるようなトレーナーの問いに、ライトハローは即答したのだ
――ケツです、お尻です! あんなすっごいお尻見たことありません!
――私スプリングSのパドックで見た時「うわ、尻すっご」って言っちゃいましたもん
トレーナーは尻フェチではない。しかしミホノブルボンというウマ娘を語る時、まずケツの凄さから語る人間は間違いなくミホノブルボンを理解してる。
鍛え抜かれたトモ、ハムストリングス、それを支える大臀筋
恥じる事なくここを絶賛する人間は間違いなく本気でURAに取り組んでる人物だ
流石にトレーナー同士でこの時期に酒はのめない。 ライバル関係になる陣営も多いからだ。 一人で居酒屋でちびちびも淋しいもの
そこに現れたミホノブルボンファンであろうライトハローと酒を酌み交わしガハハと笑うのは必然だった。
『いやあ、ミホノブルボンへの評価の第一声が尻ごっついなあとはライトハローさんはわかってらっしゃる。 はい、飲んで飲んで飲んで』
「えへへ、三冠ウマ娘のトレーナーさんにお酌していただけるなんて光栄です。」
『ライトハローさんも、学生時代はURAで走ってらっしゃったんですか?』
248 :
トレーナーさん
2025/04/22 18:33:29
ID:HcyNelBreg
「はい、でも私は未勝利で終わってしまいました。 それでもURAのキラキラした世界に関わりたいなって――今回は表彰ウマ娘などの大記録や記憶に残るなにかを達成したウマ娘のセレモニーとして、特別なライブ――グランドライブを立案、企画して学園やURA関係者にプレゼンしたいなって」
『おおお、そりゃ凄いですねライトハローさん。 素晴らしいアイデアだと思いますよ、ご褒美のおかわりをどうぞ、まだ飲めますよね』
さすがにブルボンのように頭をくしゃくしゃぽんぽんはできない。
その代わりというようにライトハローのコップにビールを注ぐ
「んっ、…んく、んく――ぷはー☆ 今日は一層ビールが美味しい☆
さささ、トレーナーさんも一献、お注ぎしますよ☆」
『いやあ、こんな美人さんにお酌されるなんて光栄ですよ、おっとっと。
本人の意思は尊重したいですがセレモニーの件、トレーナーとしては勿論喜んでお願いしたいぐらいです。
それにブルボンの話でこんなに盛り上がれる酒なんてなかなかね、ほら――正直? ブルボンが? ぜーんぶ? クラシックとっちゃうからねえ!』
悪酔いである。 とはいえ本当はブルボンを自慢したくてしたくてしょうがないのだ。 とはいえトレーナー間だとG1の栄誉を奪い合う間柄、自分の担当の栄誉はそのトレーナーたちの雪辱の上に成り立ってる。
酒で騒ぐ時はあっても、自分の担当の強さ自慢はなかなかにできないものだ
249 :
ダンナ
2025/04/22 18:40:52
ID:HcyNelBreg
「よっ、ミホノブルボン! 歴史上初の無敗の四冠ウマ娘っ☆」
『まあまあまあまあ、ほらライトハローさんグラス空ですよカラ、飲んで飲んで
――あれ? 史上初?』
「そうですよ☆ "皇帝"シンボリルドルフの無敗の三冠は朝日杯が入りません。
菊花賞まで無敗で行った時は――史上初の無敗の4冠です。」
『あー、そっすね。 そういや栗東寮でもすこし話題になっていたような』
「栗東寮?」
『ええ
トレセン学園って栗東寮と美浦寮ってありましてね
まあ昔からトレーナーも栗東ひいき、美浦ひいきってあるんですよ。
昔からの慣習なんでいがみ合い、みたいなのはないですけどね』
「へえ、そんなのあるんですね」
『で――シンボリルドルフは美浦寮――というか過去の三冠ウマ娘はみんな美浦寮だったらしいです。 まだ栗東寮からは三冠ウマ娘が出てないとか。
今回、ブルボンが三冠路線ってことで、ちょっとだけ盛り上がってるらしいんですよね。』
実際、美浦寮の方が新入生から人気があるそうだ。 美浦寮を希望してこぼれた結果栗東にくるとなればそれが誰かわからずとも栗東寮からしたら気分はよくない
あくまで気分の問題だが、ミホノブルボンに三冠を獲ってもらいたいと思ってもらえるならいい話だ
250 :
ダンナ
2025/04/22 18:45:04
ID:HcyNelBreg
「でも、実際スプリングSみたいなレースならもう皐月賞も、ダービーも、貰ったようなもんじゃないですか? ブルボンさんって逃げでも序盤から直線まで全く同じペースで走れるような子じゃないですか。」
『お、お、お? ラップみました? わかります? いっやーブルボンの体内時計にきづいてくれるなんてライトハローさん流石だなあ!
おっちゃん、ハイボール大ジョッキでもってきて、あと唐揚げ!
じゃあちょっと、ミホノブルボン試験しちゃおっかなー、ライトハローさんのブルボン愛をテストしちゃうぞー』
「きゃー、お手柔らかにおねがいしますねトレーナーさん」
『正解したらジョッキ一本奢りますね、今日は何本でも飲んでいってください』
「やりますやりますやりますっ! 私のミホノブルボン愛語っちゃいます」
―――マスター、そろそろ明日の準備をしてはいかがでしょうか?
251 :
アンタ
2025/04/22 18:52:55
ID:HcyNelBreg
冷水を頭から被ったら、このように人間は戦慄するのだろうか
勿論トレーナーは冷水など被っていない。 ミホノブルボンは間違っても実力行使に訴えるようなウマ娘ではない。
単に、静かに、とても静かに――後ろからトレーナーに声をかけただけだ。
『…………………ミホノブルボン、さん?』
🤖「…………こんばんは、マスター」
🤖「マスター」
🤖「質問に答えてください」
🤖「私は今冷静さを失おうとしてます、マスター」
『まって?ねえまって? ねえ今門限すぎてるよね? 』
🤖「寮長であるフジキセキさんに夜間外出の許可を頂いてます。」
『そもそもなんで俺がここいるって知ってるの!?』
🤖「マチカネタンホイザさんから伺いました。 商店街の方がここでマスターが女性と飲んでいると」
『い、いいじゃないスか、たまにはこう、ハメをはずしてもいいじゃないスか!』
🤖「明日はミーティングです。 そろそろ明日の準備をすべきです、マスター」
ミホノブルボンに首根っこを掴まれ、ずるずるとお会計に引きずられるトレーナー
ライトハローは呆気にとられたままそれを見送っていた
252 :
あなた
2025/04/22 19:02:31
ID:HcyNelBreg
『えー、今日は皐月賞のミーティングです。
――だよね? なんで俺は床に正座させられてるの?』
🤖「……」
🌻「だめですよマスターさん、浮気はだめですよ☆」
🍚「お、女の人と夜のお酒とか、ライスよくないと思うな」
『ちょっとまって、俺下心なかったよ? ねえ俺ギルティなの?
ブルボン愛を語れるライトハローさんと酒のんでブルボンの話でもりあがってたんだよ?』
🌻「同じ趣味や好きを共有していつしか恋仲とかよくある話ですね」
🍚「うわあ…うわあ……マスターさんギルティだよぉ」
🤖「マスター、浮気はだめす。 浮気はだめです。」
🌻「ライトハローさんはどんな方でしたか?」
🤖「おっぱいもお尻も大きいかたでした。 目視での計測は90をゆうにオーバー」
🍚「ふ、ふえ、そんなのだめだよ、だめだよお」
『そういうのは女の子だけで語っててよ男を前に生々しいのやめてよお』
253 :
トレーナーさん
2025/04/22 19:11:14
ID:HcyNelBreg
『商店街の刺客だったのか――マチカネタンホイザは。 くそ、いかにも無害な普通のウマ娘って感じなのにくそっ
ええい、俺はライトハローさんといかがわしい間柄じゃねえ、単に三冠セレモニーの企画を打診されてただけだ。』
🌻「セレモニー?」
『ああ、引退式とかあるだろ? あんな感じで三冠の戴冠式みたいな大きなセレモニーと大規模ライブをしたいらしい。 とはいってもまだ構想段階だし――ブルボンが三冠を穫るって前提の話だ』
🤖「三冠……はい」
『まあ、お前がそういう企画を受けるかどうかってのはあるがまずは目の前の皐月賞をとってからだ。 あと桜花賞おめでとうニシノフラワー!』
🌻「あ、はい。 ありがとうございます。」
『まあ、ニシノフラワーはティアラ路線というのが確定してる。 しばらくライバルとして戦う事はない。
だが?
ここに?
スパイがいるな? なああああ?』
🍚「きゃああああごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
わざと怖い声をだし両手をあげライスシャワーを脅かすトレーナー
『まあいい、他の奴に一切漏らさないこと。それだけが条件な』
254 :
お兄ちゃん
2025/04/22 19:17:53
ID:HcyNelBreg
🤖「いいのですか? マスター、最終ミーティングですが」
『じゃあなんでライトハローさんの尋問とはいえライスシャワーを連れてきたんだ。
――どうせやることは変わらん。スプリングS同様に逃げて逃げて追走しても潰れるほどに逃げる。 速く仕掛けてきたらスタミナ切れ、遅けりゃ届かん。 非常にシンプルで潰しようがない戦法だし、そもそも手の内はもうスプリングSと同じなんて全員わかってる。 』
🍚「う、うん……おじさまも、ブルボンさんはスプリングS同様に最初から飛ばすだろうって」
『朝日杯のマイケルアーサーみたいな先頭じゃないと気がすまないってのがいない。 敢えてブルボン対策にハナを奪うような博打はブルボンの先行力を考えたら自爆行為だ』
スプリングSでも、スタートはサクラバクシンオーが上回っていた。
しかしそれでも、ミホノブルボンの先行力はサクラバクシンオーすらも上回っていたのだ。
255 :
トレーナー君
2025/04/22 19:27:47
ID:HcyNelBreg
🌻「マスターさん、そもそもブルボンさんみたいな逃げより無理して前にいかなきゃいけないって事はあるんですか?」
『あるぞ――走り方が前傾姿勢や小柄で蹴り足のドロをもろにかぶるやつ
それで集中できないでイライラしたり掛かったり――自分のペースを保てなくなる逃げウマは結構いる。
あとは、シンプルに性格だな、バ群に入れない、競り合うのが苦手、追い抜きが下手、あとは――自分の前に他のウマ娘がいるのが気に入らないとか、走る気なくすとかだな。』
🌻「脚質って色々なんですね」
『例えば、過去に伝説となったダービーウマ娘はダービーで最初の1000Mで58秒6ってタイムで通過した。 誰もが明らかなペースの狂い、潰れると思われたが逃げ切った。 明らかにへばってるのに後続馬が詰め寄ると加速して決して追いつけない。
これだけ聞くと、どっかの誰かさんを思い浮かべるんだが』
🤖「……」
『実際、ペースは滅茶苦茶。 実のところを言えばこのダービーウマ娘は滅茶苦茶な怖がりでな、後ろの足音だけで心臓が跳ね上がるし並び掛けられると思うと恐怖心が湧き出したそうだ。 闘志むき出しで並走してくる相手が怖いと思い文字通り必死に逃げてただけなんだとよ』
256 :
アンタ
2025/04/22 19:35:59
ID:HcyNelBreg
『まあ、ペースメーカーにされがちな逃げって戦法を好んで使うのは大体が性格的な理由とかそんなんだ。 怖がりなやつ、前や横に誰かがいると集中出来ないやつ。
――だが、ブルボンは違う』
『強いから逃げる。 丁寧に勝てるラップを刻んで追ってくる奴らが届かない、つぶれるようなレースをする。 追い詰められてもそこから更に伸びる。
戦術はシンプルに、それに勝てる方法がないから、強い』
🤖「はい、マスター」
🌻「こうして聞くと、ブルボンさんってとってもすっごい方なんですね」
🍚「ブルボンさん、やっぱ凄いな、凄いな……ライスも、頑張ってついてくね」
『ついてくじゃなくて勝ちにこい。 強いやつがG1勝つんだから。』
🤖「ライスさん、お互い全力を尽くしましょう。 たとえどちらが勝っても、すべてを出し切れるように」
🍚「う、うんっ! 頑張るねブルボンさん!」
その後
『――で、実際のとこ、どうだ? 調子は』
🤖「問題ありません、皐月賞は全力でミッションを遂行できます」
『そうか、レース間隔が狭いからな……しかもダービーまでも殆ど時間がない』
🤖「……」
257 :
アナタ
2025/04/22 19:43:19
ID:HcyNelBreg
『……ブルボン、あくまで俺の見解だが――皐月賞よりダービーの2400Mがきなってる。 予想以上にお前は強くなった。
正直お前の脚も、トモも大したもんだよ。 クラシックでそんなに出来上がった脚をしてるウマ娘なんて他にいやしない。
お前のトモと脚をみるだけで、あれはミホノブルボンの脚だってわかるぐらい、お前の脚は凄いと思う。』
🤖「ありがとうございます、マスター。 」
『だが、まあわかっちゃいたが――筋肉ってのは重いもんだ。
走りにだけ集中させて、走りに無駄な筋肉は自然に無くしていって
今度はその必要な脚の筋肉の重さが、スタミナを奪っていく』
🤖「確かに――以前のようにタイムが一足飛びで良化することは少ないです。
以前より心肺への負担がどんどん減っていく実感は、なくなっていきます」
『ここから、2000M,2400M この400Mは、多分大きい。俺等が思ってるより、きっとな』
🤖「マスター、皐月賞を獲ったら――もし、皐月賞をマスターが納得行くレースができたら」
――ダービー、菊花賞のために、私に"五本目"を挑戦させてください
258 :
トレピッピ
2025/04/22 19:48:57
ID:HcyNelBreg
皐月賞
中山2000M――もっとも"早い"ウマ娘が勝つと言われる三冠路線最初のG1
しかしクラシックすぐの4月に2000Mを"速く"走りきれるウマ娘は多くない。結局のところこの時期でもっとも速く、もっともタフなウマが勝つレース
早熟なだけでは決して勝てない。
――朝日杯でもギリギリだったんだぜ?
――でもスプリングSを見ろよ、あんなの普通のウマ娘じゃできっこねえって
――ミホノブルボンって短距離ウマ娘だろ? ただの早熟な子じゃねえの?
『気合は?』
🤖「上々です、マスター」
『調子は?』
🤖「絶好調――いいえ、状態:超絶好調です、マスター」
『今年の三冠を穫るのは?』
🤖「……私です、ミホノブルボンです」
『よおし、皐月賞いってこい!』
259 :
トレ公
2025/04/22 19:54:50
ID:HcyNelBreg
――ミホノブルボン、あれが
――…………うわ、ごっつい尻……
――なんか、雰囲気あるね。
パドックで堂々と立つブルボンに、観客は勿論出走するウマ娘も呑まれている。
『ほんと、大したもんだ。
並、短距離、適正、散々言われて阿呆みたいに頑張る、努力言ってたひよっこが
――ほんとに強者になっちまった』
ゲートに入る
2枠4番――奇数からゲートインし偶数が後からはいる。 コーナーから近く、ゲートが開くまで短いそこは絶好の場だ
――集中――ゲートの、気配を――音を
「ミッション――コンセントレーション」
皐月賞のゲートが開いた
260 :
お兄ちゃん
2025/04/22 20:03:20
ID:HcyNelBreg
ホーエーマーチがしたようなとんでもないロケットスタートというわけではない
するりとゲートから飛び出したミホノブルボンは――しかしたった数歩で並んだ一列から飛び出す
――各ウマ娘まずまずのスター……いやもうミホノブルボンが頭2つは抜けてる! とんでもない加速、ミホノブルボンがスタート数歩で先頭に立ちました
スタートのカンもいいが、あの加速は尋常じゃない。 無理やりの加速ではなくスタートから流れるように加速して一瞬でトップスピード。
このスタートの加速についていけるクラシック級は存在しないかもしれない。
――身体は十分軽い。 確かに徹底した坂路トレーニングで増加した筋肉は重いのかもしれないが、その筋肉は十分な推力をブルボンに与えている
――見ていてください、マスター
261 :
相棒
2025/04/22 20:08:05
ID:HcyNelBreg
🌻 「ペース、やっぱり速くないですか? 」
🌻トレ 「もうすぐ1000M……59秒8」
🌻 「っ、今日雨ですよ!? 発表は良バ場ですけど、こんなペースじゃ」
『……証明したいんだ』
『きっと、このぐらい重い場所で、こんなペースでも走りきれるスタミナがあるって、証明したいんだ。』
――五本目を、やらせてください。 ダービーまでの間だけでも
――私が、強くなったと思えたなら、させてください
『……くそ、ダービーまで全然ねえんだぞ。
残り400M、 どうすんだ』
262 :
お兄さま
2025/04/22 20:13:21
ID:HcyNelBreg
自分には大した取り柄がない
クラスメイトからは怖がられる、上手く溶け込めない
表情をうまく顔にだせない。会話のリズムがあまり噛み合わない
――大人たちからは三冠路線を否定されて
――同級生からは、すこし距離を置かれた
――それが、最近は三冠路線を応援されるようになった。
――話をすると、ブルボンさんは怖そうにみえたけどいい人だって言われた時はすごく嬉しかった。
――頑張って、努力して、それを正しく努力するようになって
――自分がどんどん強くなれて、世界が変わった。
――ファンからも応援されるようになって
――クラスメイトからも皐月賞前には囲まれて沢山応援された
「っ、っ、ラップ、継続。100M――5.98」
――マスターは、私の世界を変えてくれた
――私の脚も、心臓も――世界を全部創り変えてくれた
――三冠のために、マスターのために
――もっと、もっと強くなりたい
263 :
あなた
2025/04/22 20:19:28
ID:HcyNelBreg
――さあ第四コーナー、外からスタンドマン、セキテイドラゴンあがってくる
――しかし追走勢の脚色が辛いか、じわじわと差が開いてくる
――最後の直線、 差が縮まらない、むしろどんどん開いていく
――ミホノブルボン、更にスパート! 差が更に広がっていく!!
――はやい、はやい! 堂々としたスピードを見せつける、ミホノブルボン!
――圧倒的な強さをみせつけミホノブルボン、今ゴールインです!!!
――勝ったのはミホノブルボン! 無敗の5勝目皐月賞を圧勝です!!!
うわああああああああああああああああああああ!!!!
ブルボンつえええええええ!!
圧勝じゃねえか、距離の壁ってなんだったんだ!?
割れんばかりの歓声に包まれる
圧倒的な強さで皐月賞を逃げ切ったミホノブルボン
ついて行った後続がバテて潰れていくという逃げ
観客はミホノブルボンの三冠を期待し、歓声を送った
264 :
お姉さま
2025/04/22 20:22:55
ID:HcyNelBreg
🤖「……マスター」
『よーーーーしよくやったよくやったよくやったよくやったよくやった!!
皐月賞制覇だ! 圧勝だったじゃねえかブルボン!
偉いぞ偉いぞ偉いぞ! 今日はマッサージして、帰りにうまいもん喰って帰ろう! 少しぐらい遅れてもちゃんと祝勝会だって寮にも電話してやるから!
…なんだったら明日は俺んちでずっと撫でててやるぞ』
控室――戻ってきたミホノブルボンをトレーナーが褒めちぎる
肩を何度もたたき、頭を両手でぐしゃぐしゃと撫で回し
――だが
「すいません――想定のラップを維持できませんでした。
最後の1Fでの急激な原則を、確認しました。」
265 :
トレぴ
2025/04/22 20:27:15
ID:HcyNelBreg
脚が止まったわけではない
あのペースを維持できないのは当たり前の事だ
だが――そうではなく
あのペースはダービーを想定したペースなのだろう。 後続が追走できず潰れるようなペースで、しかもスパートしたように見えても
その実、後半は大きくペースダウンしている。 そのペースダウンの中圧倒的に早かったのがミホノブルボンであっただけだ
🤖「……マスター」
『…………だめだ』
🤖「しかし」
『言っただろ、五本は絶対させない。 今までだってずっとずっと無理をしてる。
筋肉が付いて坂路でも立派にスピードに乗ってる。 その分重くなった筋肉が脚にずっと負担をかけてる。』
『坂路4本、これでスタミナ切れならだめだ。 これ以上はさせない』
266 :
相棒
2025/04/22 20:32:31
ID:HcyNelBreg
わかってる
前半59秒8 トータルのタイムは2分1秒4
雨の中の良バ場としては十分立派なタイムだが、そのタイムの変化の方が問題だ。
2000Mをブルボンの完璧な体内時計をして、59秒8でかえってこれなかった。
スタミナ切れだ――400M伸びるダービーはわずか1ヶ月と少ししかない。
本当は、出来るんじゃないかと思ってる。
というか、やらないと完全なスタミナ切れで脚が止まる可能性がある。
2000Mの皐月賞は足が止まるまでに至らなかっただけで、400Mのびるダービーでどうなるかはわからない。
時間がない――ギリギリまでハードトレーニングをしても足りない。
6月になればクラシックから頭角を現したライバルがトライアルから参戦してくる
🤖「マスター、お願いします。 今のままでは――ダービーの勝率は大きく下がります」
267 :
アナタ
2025/04/22 20:36:31
ID:HcyNelBreg
皐月賞から1週間後
――いつもと違う重苦しい空気で、大坂路の前にミホノブルボンが立っていた
『……いいか、タイムがちょっとでも悪いようなら途中で止める。
五本目登りきっても絶対に脚は止めるな。登り切るのが目標じゃなく目的は心肺の強化、登りきって心拍をゆっくり下げるクールダウン、インターバルまでセットだ。
脚に違和感、背中に違和感あったら即終了しろ。
――いいか? 目的はダービーだ。 五本こなすことじゃない、怪我したらダービーも終わるぞ。』
🤖「オーダー、了解しました」
268 :
トレーナー君
2025/04/22 20:40:30
ID:HcyNelBreg
怒っているような、トレーナーの顔
🤖「大丈夫です、マスター。 マスターの作り上げた心臓も――脚も、まだ、戦えます。」
「よし――いくぞ、あと五本! 行って来い!」
――やりたくなんてない。
――博打をするなんて、しかも掛けるのが脚なんて、絶対にごめんだ
――こんなこと、本当にごめんだ。
――いいじゃないか、ダービーだって勝てる可能性はそこそこある
――相手がよわければ、ブルボンの逃げに焦ってくれれば
――ペースをうまいこと操って息をいれれば
――勝てるかもしれないじゃないか
――――かも、ではなく……私は三冠ウマ娘になりたいんです
269 :
キミ
2025/04/22 20:44:54
ID:HcyNelBreg
――どうか、お願いします。 私に、戦わせてください
そう、深く頭を下げられた。
誰もがみとめる圧勝した無敗の朝日杯、皐月賞ウマ娘が、東日本ジュニア最優秀ウマ娘が――
まるで――未勝利のまま、脚を壊す前提で、たった一勝のために"壊し屋"に頼みに来るような、そんな頭の下げ方をされた。
『俺は――壊れず4本走りきったら――三冠穫れるって、言っちまったんだ』
だが、スタミナは足りない。 あと400Mを全力で走り切るだけの心肺がない
ミホノブルボンを最強たらしめるトモと脚の筋肉が、その重量が、そのスタミナをうばっていく。
『止まるなブルボン!! あと4本!』
270 :
マスター
2025/04/22 20:47:34
ID:HcyNelBreg
この大坂路を2本やるのだってかなり過酷なトレーニングだ
シニアでだって常時やるようなもんじゃない
それをジュニアからずっとずっと4本やってきて
『あと三本! ペース落とすな同じペースで入れ!』
五本に増やしてもダービーまでに間に合うかどうかもわからない
危険ばかりでリスクばかりでリターンなんか殆どありゃしない
『あと二本! 走れ走れ走れ! 』
271 :
貴様
2025/04/22 20:52:47
ID:HcyNelBreg
いつもどおりのペース、いつもどおりの限界を超えるためのメニュー
しかし、ここから更に一本の追加、変則コースをおりていって、そのまま3角4角でゆっくり降りた脚を加速させていく
――ラスト一本! タイム出ないなら五本はさせないぞ行け行け行け!!
坂に入る前から今までの4本で心臓はパンクしそうだ
脚も腕も動くことを拒否してる
――レッド、レッド、危険、危険――危険
心臓が裂けそうだ、気を抜くと走ってるのか倒れるのかすらわからなくなる。
それでも、上半身をまっすぐ立て、早いピッチで大坂路を上がる
――私は、この坂で強くなりました
――この坂のお陰で、だから――もう一本、五本目を登りきって
――もっと、強く、強く――強く
目の前の坂が消える。
登りきった瞬間、坂が消え、視界が広がる
ミホノブルボンは、五本めを登りきって―――
――そして、その頂上でばったりと倒れた
272 :
あなた
2025/04/22 20:59:03
ID:HcyNelBreg
心臓が、まだ痛い
――否定、心臓に痛覚はなく、しかし――心臓が痛いという表現以外の表現方法がありません。
頭の血管が、まだズキズキとする。
血液が脳に送られるたびにずきずきと疼くような痛みがする
――私は、何をしてたんだろう
『ブルボン! ブルボンッ!!』
坂路のゴール地点で、トレーナーに抱かれたまま倒れていた。
ゴールをした瞬間限界以上に身体を酷使した結果、意識を失って
(マスター……なぜ、そんなに泣いているのですか)
子どものように泣きじゃくるトレーナーに抱かれたまま、ミホノブルボンはぼんやり考える。自分は、トレーニングをして――坂路の五本目に挑戦して――五本目の頂上がみえた瞬間、景色が真っ白になって――
『ブルボンっ、返事しろ! ブルボン!! 』
泣きじゃくりながら、必死にミホノブルボンの事を呼ぶトレーナーに、手を伸ばす。
――泣かないでくださいマスター……私は
――私は、子供みたいに喜ぶマスターが、見たいんです
273 :
トレピッピ
2025/04/22 21:01:35
ID:HcyNelBreg
『ブルボン! いいか動くな、今救護を呼んだ。 すぐ車両まわしてくれるって』
🤖「すいません、マスター。 脚、止めてしまいました。」
『いいから、だまってろ。 お前、がんばったから』
ボロボロと大粒の涙を流しながら
――止めなかった俺のせいだ、ごめん、ごめんブルボン
と何度も何度も、トレーナーの謝罪を聞いた、むせび泣く声を聞いた。
――自分は
――自分は、マスターを、悲しませてしまったのだろうか
274 :
アナタ
2025/04/22 21:07:26
ID:HcyNelBreg
幸い、大きな異常も故障もなかった。
限界を超えて走ったせいで一時的な貧血を起こしたという診断だった
それでも――右足の脛に発熱があり、少しの期間坂路の使用は勧めないと医者に言われた
『……しばらく、プールでのトレーニングに切り替える。』
ベッドで横になるブルボンにトレーナーが有無を言わせないような口調で切り出した。
『どのみち熱が引くまで坂路はできない。 筋肉や骨への負担を抜く意味でもプールでしっかり心肺と全身を動かしてトレーニングする』
「……できます。 今日は、だめでしたが……今度は、五本、走りきってトレーニングに」
『だめだ!
――もう、これ以上は、だめだ』
🤖「マスター、私は三冠ウマ娘に」
『お前は、走れなくなるって事がなんだかわかってない。』
275 :
貴方
2025/04/22 21:12:50
ID:HcyNelBreg
『今まで当たり前にできてた行為ができなくなる。
周囲はそれをずっとしてる。 じぶんだってできたはずだ。
歩く走る――そんな当然のことまで、できなくなるんだ。』
トレーナーは『見ろ』と右のズボンのすそをまくる
「―――――ッ、マス……ター」
『学生のときに、事故で無くしたよ。 トラックの居眠り運転。
右からぶつかったと思った瞬間意識がとんでさ――目覚めたらこれだ』
細い金属の球体関節、板バネのような脚部分。
トレーナーの膝上から下はすべて義足だった
『大したもんだろ、十年以上身につけてると義足だって誰にも気づかれない。
歩くぐらいならホントに困らねえ。
事故の前までは、これでもヒトミミの陸上選手だったよ』
276 :
お兄さま
2025/04/22 21:17:58
ID:HcyNelBreg
『脚をなくしても、義足をつけて生活して――
それでも、何年もしても夢を見るんだ―――自分の脚があって
ああ、なんだ俺の脚あるじゃんて思うんだ―――ほら、夢の中って滅茶苦茶なことでも納得しちまうだろ?』
ミホノブルボンは俯いたまま、返事もできない。それでも、トレーナーは続ける
――もう、ミホノブルボンは十分強い、これ以上脚に爆弾をくくりつけさせてはいけない
『でさ、目覚めて、自分の脚を見て思うんだ
――何年経とうと、思うんだよ。 ああ、やっぱ夢だったよな、脚ねえじゃん、って』
『――他人事でも他所の不幸な話でもないんだ。
むちゃをしすぎたウマ娘ってのの故障は――走れなくなる。歩けなくなる。
脚があるかないかの違いがあっても一緒なんだ。
俺はもうこれ以上お前に無理をしてほしくない。』
277 :
トレーナーさま
2025/04/22 21:21:22
ID:HcyNelBreg
『……しばらくは、プールトレーニングだ。 いいな?』
「ごめんなさい。 マスター」
嗚咽の混じった声、ショックを与えすぎた事に、トレーナー自身の胸が痛む。
――それでも、これ以上の故障との綱渡りをさせるわけにはいかない。
「ごめんなさいマスター、私は―――」
――私はそれでも、三冠ウマ娘になりたい
『――ッ』
ゾクリ、と背筋が凍った。
トレーニングで倒れて
目の前に脚のない義足をみせられて
脅されたようなものだ、脅迫といっていい
278 :
大将
2025/04/22 21:25:54
ID:HcyNelBreg
それでも――ミホノブルボンは
「坂路五本ができないなら四本、今まで通りの継続をダービーまで。
熱が引くまではプールでも。
ですが、ダービーまでに――残りの400Mを走るために、少しでもやれることを」
『………』
トレーナーは大きく、ため息をついた。
正直今回の発熱は故障の兆候だ。 骨膜炎一歩手前だっただろう
だからこそ、これ以上の無茶はさせれない
自分の"右足"をも見せて止めたかったが――それでも止まらない
現状を嘆かず、出来る範囲で、なんとかしようとしてる
279 :
使い魔
2025/04/22 21:30:10
ID:HcyNelBreg
『――くそっ、俺の負けだ。
いいかブルボン、お前の脚の発熱は骨膜炎だ。 本来なら休養が必要だがプールトレーニングで患部に負担をかけないようにする。
プールへの移動や学校内の移動は熱が引くまでは杖を補助にする。 本来不要なもんだが少しでも移動で患部に負担掛けさせないためだ。』
「はい、マスター」
『当然――周囲は故障だダービー回避だ騒がれるが全部無視しとけ、ダービーには出ます程度にあしらっときゃいい。
熱が引くまで徹底してプールで心肺のトレーニング
――熱ひいたら、坂路戻るぞ、ただし四本だ。 五本は絶対にやらせん。』
「はい、マスター。ありがとうございます」
280 :
マスター
2025/04/22 21:35:48
ID:HcyNelBreg
――はい、はい。
――ミホノブルボンにも、私の脚の事は話しました
――私の不届き、不徳で娘さんを故障手前までさせたこと、本当に申し訳ありません。
ミホノブルボンを休ませて
ミホノブルボンの父親に連絡をする。 無茶な五本目を試してミホノブルボンが倒れたこと、骨膜炎の前兆である発熱が脛におきたこと。
それらを詫び、以前に話しておいたトレーナー自身の右足の件を知らせた事を伝えた
驚くほどあっさりと、父親はトレーナーを許した。
ブルボンがどうしてもダービーを獲りたいとせがんだのだろうと
皐月賞で最後の最後でスタミナがきれたことを悔いていたと知らされた
――これからも、娘をよろしくお願いします
とだけ言われ、通話を切る
281 :
お姉ちゃん
2025/04/22 21:36:57
ID:HcyNelBreg
皐月賞、おしまい
曇らせのようで申し訳ありませんが、ハピエン厨なので曇らせたままはありません
282 :
トレーナー君
2025/04/22 21:45:22
ID:HcyNelBreg
蛇足
🤖「マスター、あの」
『なんスかミホノブルボンさん』
🤖「泳げるのでしょうか? マスター」
『義足はずしたらめちゃ泳げるよ。
ただ脚ないから目立つじゃん? あとはしごないと無理だな。上にあがるのきつい
いやーブルボンに脚の話したからお前と二人の時はプールはいれていいわ』
🤖「あの、あの……マスターはその、義足な事を気にしたりは」
『ないもんはない。 そりゃ、お前らが羨ましいと思うことはあるようんうん。
でも、お前にはどっちにしても言おうとは思ってたんだ』
🤖「そうなのですか?」
『だって――今は、お前のその脚が俺の脚みたいなもんだろ。
丹精込めた俺の脚だ、ブルボン――その脚でダービーにつれてってくれ』
283 :
トレーナーちゃん
2025/04/22 21:52:35
ID:HcyNelBreg
だそく
『義足の話してからなんかブルボンが気を使ってるように感じるな
――よし、おーいブルボン』
🤖「はいマスター、どうしましたか?」
『俺は今日からマスターロボだ、見ろ見ろ、ロケットキーック(義足蹴って飛ばす)』
🤖「…………………」
『あれ? あれ? ブルボンさん?』
🤖「マスター、バッドステータス:自暴自棄。 今すぐ精神のケアが必要です
緊急ミッション:父への相談、学園長への相談」
『ええええっ!?まって? まってジョークだってジョーク!!』
🌻「で、義足でロケットパンチの真似事をしたと?
🍚「うわあ…うわあ、ちょっとドン引きだよライス…うわあ」
『えー!? 』
284 :
大将
2025/04/22 22:02:45
ID:HcyNelBreg
だそく
🤖「あの、マスター」
『なんですかブルボンさん 』
🤖「マスターは水着には興味がないのですか? 職業:女子高生 の水着姿です」
『あー俺、あんまし水着萌えしないのよ』
🤖「!? な、なぜですか?」
『いや知らんて、なんというか健康的すぎるというか。
つか、ブルボンはブルボンで男の水着姿とか萌えるのかよ』
🤖「はい、 マスターの水着姿が見れてプールトレーニングやれてよかったと思ってます」 『もうちょっと隠そうね美少女女子高生』
『まあでもブルボンの競泳水着姿は綺麗だなとかは思うようん』
🤖「/////」
285 :
トレピッピ
2025/04/22 22:27:14
ID:HcyNelBreg
🤖「マスター、陸上というのは」
『ああ、50M走』
🤖「短すぎないですか?」
『50Mだとヒトミミでもウマミミと争えるんだよ最初のダッシュ次第だから』
『こう見えてもクッッッッソ早かったんだぞ、親父もお袋も陸上選手でさ』
🤖「……」
『ああ、事故からちょっと疎遠でな。
でもブルボン、よーく考えてみな?』
🤖「?」
『俺が作った脚はヒトミミじゃなくてウマミミ……URAの頂点だぞ? やばくね』
🤖「あの、それは」
『頂点じゃないの?』
🤖「…頂点です、マスターの脚は世界一の脚です」
『よーしいい子だブルボン(わしゃわしゃわしゃ)』
286 :
マスター
2025/04/23 19:04:58
ID:p1A6Drlhh.
🤖「マスター。 好きです。」
『おう俺も好きだぞブルボン、めっちゃ愛してる』
🤖「ッパアアアア、ではハグを希望します。」
『しませんよブルボンさんトレーニング頑張ったらご褒美にしましょうね』
🤖「はい」
『……てかさ、俺愛してるとか好きって言われてるの一応わかってるよね?』
🤖「はい。 性的、恋愛的意味で本気でマスターが言っていないのは了承してます」
『いいの? 適当にあしらわれてるとか怒ったりせんの?』
🤖「大丈夫ですマスター。 マスターが私を好きな事実は変わりません。 怒ってもそこでその好意が愛情や性的好意に変換は不可能です」
『お、おう、なんか恋愛強者な言葉だな……』
287 :
キミ
2025/04/23 19:13:48
ID:p1A6Drlhh.
今日はお休みです
288 :
相棒
2025/04/25 00:44:43
ID:kEAghphoQw
ほ
289 :
アンタ
2025/04/25 08:03:45
ID:725.XAEgLo
『よし、坂路トレーニングに戻ってきたわけだが。
今まで通り4本。 ただし一本一本脚の違和感やハリを確認して少しでも違和感があれば途中で切り上げだ』
「了解しました、マスター」
本来ならば疲労を抜いていかなくてはいけないレース前だがギリギリまで追い切りを引き伸ばしての坂路。
疲労を抜いてもスタミナが足りなければ東京の長い坂道は走りきれない
ミホノブルボンが最強な理由は届かない事にある
手が届きそうでも突き放される二の足、それがスタミナ切れで届くとわかれば相手に希望が見える。 希望は最後の一滴のガソリンになりうる
『よおし、あと3本! 脚を止めるな3本目4本目のために今限界まで心拍上げろ!』
本当は休ませたい。 疲労を抜いてダービーに万全の状態で挑ませたい。
しかし、皐月賞から伸びた400Mはそれを許さない
290 :
貴方
2025/04/25 08:10:54
ID:725.XAEgLo
「マスター、脚の状態は良好
脚部への負担が少ないプールトレーニングの効果が出ています」
『リハビリじゃなくしっかり心肺に負担がかかるようにトレーニングしたからな。 今のお前はとにかく心肺をギリギリまで鍛えなきゃならん。一本一本集中しろ
ラスト一本! 走れ走れ走れ走れ!!』
レース直前までのハードなトレーニング
骨膜炎でプールトレーニングを行った時から学園でもURAの記者からも散々言われた。
――ミホノブルボン故障?
――ダービー回避?
――トレーナーの管理はどうだったのか
――なにをしてるんだあのトレーナーは
まあ、事実だ。
坂路五本を止めていれば骨膜炎は発症していなかったし
ただ、ミホノブルボンには申し訳ないとおもってもそいつらには申し訳ないと思うわけもなく。
しかし――それに納得しなかった者もいるわけで
当のミホノブルボンが、トレーナーへの風当たりに対して不満げだったのだ
291 :
トレピッピ
2025/04/25 08:14:23
ID:725.XAEgLo
マスターは今まで最高のトレーニング環境を提供し最も効率的でもっとも心肺、スタミナを効率よく引き上げるトレーニングを提示してくれている
短距離適正である自分が2000MのG1を勝てたのもトレーナーとしての手腕である
勝つためにハードなトレーニングをしているのだから故障のリスクは十分承知している。
――ダービーで、私は結果を出します。
――マスターの指導が正しい事を証明します。
ダービー回避のセンが消え、坂路トレーニングを再開したことでダービー出走への安堵が広まったのかミホノブルボン陣営の故障への避難は収まっていった
292 :
モルモット君
2025/04/25 08:27:43
ID:725.XAEgLo
『珍しいな、お前が自己主張、というか自分の意見を他所様に張っていくの』
「……マスターはく正しい判断をしています。
不当に批判をされるような事はしてません。」
『そっか、ありがとな。』
トレーナーはくしゃくしゃと頭を撫でる。 最近は頭をなでると目を細めたり目をつぶったり、気持ちよさそうな顔をするのが微笑ましい。
『ダービーまで時間がないが、休養できない。 ギリギリまで坂路で心臓も身体もいじめ抜く事になる。ダービーも含め辛いだろうが、できるか?』
「もちろんです、マスター。目標は三冠です、2400Mまでではなく3000Mまで保つスタミナを希望します」
『その意気だ。 ところで――もしダービーを獲ったら夏合宿なんだが。
ブルボンの親御さんにも挨拶したいし、多少の休養もかねてブルボンの実家に向かってからにしたいと思う』
「マスター、本当ですか?」
『ああ、朝日杯、皐月賞、ダービー無敗のウマ娘として親御さんに挨拶しにいくぞ。 ダービーまで全力だ』
「オーダー承認します。 ダービー制覇のミッション、開始します」
293 :
トレーナー君
2025/04/25 08:34:12
ID:725.XAEgLo
「さあ、ダービーの前祝いしましょう☆ かんぱーーーいっ☆」
『うす、かんぱーい』
「あれあれ元気ないですよトレーナーさん☆ 今日は私が奢っちゃいますから☆」
――ライトハローさんに捕まった。 前祝いという名目の酒のがぶ飲み会だ
スタイルもよく柔らかそうでしかもウマミミだから美人というふんわりほんわか系美女ではあるライトハローさんだが、この人のお誘いは酒を飲むための口実でしかない。 ライトハローさんの欠点を挙げるなら脳みそがアルコールで溶けてる系の人物ということだ。
普段はもうちょっとしっかりしてるが酒がはいるとてんで駄目な大人になる。
「えへへー☆ ダービーウマ娘をアテに飲むお酒は美味しいですねええへへ☆」
『ハローさんは年中お酒美味しくのんでそうですけどね』
「あはー☆ばれちゃいました? まあまあもういっぱい行きましょうよトレーナーさん☆」
294 :
アネゴ
2025/04/25 08:45:19
ID:725.XAEgLo
ウマミミはアルコールに強い子が多い、本当か都市伝説かは不明だが完全耐性を保つ個体もいるそうな
もちろんライトハローさんは違う。対して強くないしそのせいで完全にハッピーアル中だしもう気持ちよさそうに上半身がふらっふらしてる。
『あーもうハローさんペース落としましょうよ。 ふらふらじゃないですか』
「えぇ~酔ってませんよお☆ 私が酔ったらこんなもんじゃすまないですよお~☆」
『もうこれ飲んだらかえりましょ? ね?』
「あははー☆ 送ってもらってあざでした~☆ ダービー勝ったら祝勝会しましょうね~☆」
べろんべろんのライトハローさんを送って一人トレーナー寮に帰る。
『うーん、ダービーか。 しかも無敗の朝日杯、皐月賞勝利か。
なんかとんでもない世界に生きてるなあ今』
ミホノブルボンは平気だと言っていたがこの先レースはダービー、菊花賞のトライアル、菊花賞ぐらいだろう。 レースにでるより徹底して心肺をいじめぬいて菊花賞を走り切るスタミナを作らないといけない。
骨膜炎があったとはいえここまで無事にはしれたのはブルボンの丈夫さを考えても奇跡にちかい。
身体もしっかりして鍛え上げられた筋肉の重量や全身の体重を考えれば今後はジュニアのように鍛えるほどスタミナがつくともいえない。
あの鍛え抜かれた身体は消耗するスタミナもとんでもないのだ
295 :
アンタ
2025/04/25 08:47:50
ID:725.XAEgLo
――贅沢な悩みだ。
ダービー出走だけでも誉、そこに上位人気として出走できるだけで十分な話だ。
なのにトレーナーは勝つ前提でダービーを、その先を考えている
――頑張れば、努力すれば――本当に頑張って努力してすごいとこに立っちまったなあブルボン。
頑張ってほしい
勿論菊花賞まで無敗の三冠馬を貫いて欲しい
同時に――そのためのトレーニングやレースで故障なんかしないでほしい。
『ああ、本当に贅沢だ』
296 :
トレーナー君
2025/04/25 08:53:02
ID:725.XAEgLo
🌻「ブルボンさん! 私はオークス惨敗でしたけど――ブルボンさんなら勝てます! がんばってくださいね!」
🤖「はい、フラワーさん。 状態は良好――今日はダービー勝利のために全力でミッションを遂行します。」
『……やっぱ、ニシノフラワーはマイルですか』
🌻トレ「うん、本当は秋からマイルに向かおうかなって思ったんだけど……本人の希望は最後のエリザベス女王杯までは走りたいって」
『もうすぐくるティアラ路線の改正が来てればよかったんすけどね。 確か新レースの秋華賞が2000Mでしたっけ』
🌻トレ「エリ女は2400Mだからね。 とはいっても、近くでミホノブルボンをみてると自分も頑張りたいって気持ちはわかるよ。 今度、そっちの坂路で走らせてもらいたいんだ。」
『ああ、いいすよ。 並走でも単走でも』
297 :
トレーナーさま
2025/04/25 09:00:24
ID:725.XAEgLo
🍚「ぶ、ブルボンさんっ!」
小柄で黒の勝負服――ライスシャワーがブルボンに駆け寄ってくる。
🍚「今日、ライスすっごい調子がいいんだ! ブルボンさんとダービーを走れるなんて夢見たいだよ!」
『………』
🍚トレ「本来はファン数不足で出走できなかったんだけどね。 出走回避の子が多すぎるそうだよ。
今回ばかりはミホノブルボンくんに助けられたかもね。 有力な子もみんなNHKマイルや裏開催に回ってるのはミホノブルボンに勝てないってところだろう?」
ジュニアのメイクデビューとOPが一生づつ
ソレ以外は3着にも入っていないウマ娘がギリギリでダービーに滑り込み出走
まあ――過去の実績だけでみたら明らかに実力不足。
事実ライスシャワーの人気はドベもドベ。 支持率から見る人気指標――オッズでは一番人気のミホノブルボンが2.3に対してライスシャワーは114となっている。
『……ライストレさん。 ライスシャワーってあんなに雰囲気ありましたっけ?』
298 :
トレーナーちゃん
2025/04/25 09:03:32
ID:725.XAEgLo
何度か見たことはある。スプリングSまではトレーニングも見ることはあった。
もっとひ弱で線も細い子だったと思うが――体格は一緒なのに、こう
『前より全体がしっかりしてますね、ライスシャワー』
🍚トレ「ああ――皐月賞ぐらいから急に身体がしっかりしてきてね。
今日はもしかしたら――なんて思うことがあるんだ」
『ふぅ、ん……確かに距離が伸びたのは良い材料ですよね、あの子にとっては』
最低人気の実績なしのウマ娘ライスシャワーを見ながら、トレーナーは嫌な気持ちを抑えきれない。
299 :
あなた
2025/04/25 09:10:27
ID:725.XAEgLo
🤖「マスター……マスターもやはり小柄で可愛らしくて守ってあげたくなるような少女――はっきり表現すると可愛らしいロリっ子が好みなのでしょうか?」
『おおう、ダービー出走前なのにトバしてるねミホノブルボンさん、急にどうしたんですか?これからダービースタートするんですよ?』
控室に入るとミホノブルボンが唐突に切り込んできた
無表情といわれるが無感情ではなくクールと言われるがその実頭ピンクなミホノブルボンである。
クラスメイトが自分の無表情っぷりに怖がるのを気にしてしまうぐらいの情緒はあるし、マスターの事がすきなのでそこをストレートでなげつけてくるだけの感情はしっかりしている
🤖「ずっとライスシャワーさんを見ていました。
私もちょっとスケスケな黒のドレスに黒と濃紫の下着をつければマスターにずっと見ていてもらえますか? マスター」
『見ていたの意味があまりに違いすぎるんだよな。
実際どうだ? 今日のライスシャワー見た感想は』
🤖「強いです。 今までとまとっている雰囲気が違います。 突然バージョンアップしてMk2とついたような、超電磁コーティングをまとったかのような違いを感じました。」
『よーし頭まで茹で上がってはいないようで安心したぞ』
300 :
トレピッピ
2025/04/25 09:14:40
ID:725.XAEgLo
『とはいえ――ライスシャワーの脚は逃げができるほど長くない。 結局お前が逃げて他を潰す構図は皐月賞となんら変わらない。
ただただ400Mのびて大回りで直線が伸びただけだ。 東京の直線は長い坂と500M以上の大直線だが――その400Mよりお前はずっとずっと苦しい坂を毎日走ってた。』
『――最後の最後、どうしようもなくなってもその毎日を思い出して根性でなんとかしろ!』
根性論を嫌い――スパルタではあっても運動学、医学根拠と効率を求めたトレーナーが最後の最後に言う言葉が根性論である。
そのぐらいにはギリギリなのだ。 2400Mを走りきれるかどうかは正直わからない。 それを試すような機会もない。 ぶっつけ本番だ
301 :
お姉さま
2025/04/25 10:19:18
ID:725.XAEgLo
「オーダー:最後まで頑張れを承認します。 ミッション:日本ダービー……
マスター――ありがとうございます。
私を、ここまで導いてくれて。 」
『まだ終わってないだろう、ダービーだけじゃなく、菊花賞まで全部勝って無敗の三冠馬になってからそういう事は言うんだブルボン
――ただ、まあ―――』
ぽんぽん、といつものように手を頭に置く。
『ダービーまでのキツいトレーニングよく頑張った。
今日勝って、一緒に親御さんに頑張って良かったと報告しに行くぞ』
――はい、三冠ウマ娘のため、マスターのために、ミホノブルボン、発進します。
――うわ、前より脚も腰もすごくなってない?
――いやいや、皐月賞から1ヶ月ちょいしかなかったのに、いやでも
――うわあ、ごっつい尻しとんな
パドックに立つウマ娘の中で一際目を引く身体。
体格が良い、強そうとかではない
その脚の鍛え抜かれた筋肉は遠目から見ても他を圧倒するものがある
『ダービー、貰っていくぞ』
302 :
トレーナー
2025/04/25 10:27:13
ID:725.XAEgLo
――どうですか、ブルボンの様子は
『ご無沙汰してます。 ギリギリまでトレーニングだったので疲労は抜けきってないかもしれませんが――その分鍛え抜かれてます。
それに――その御蔭なのか、鬼気迫るほどに集中できてますよ。
それにしても――いいんですか? 娘さんと挨拶しなくても』
ミホノブルボンの父親は困ったように首を振り
「今私の顔をみて集中が途切れてもアレですからね。 親ばかのような言葉ですが、あの子はどうにも私に懐き過ぎていて。
最近は安堵してるんですよ、マスター……貴方のような立派な方とブルボンが巡り会えた事に」
『よしてくださいよ、私なんてただのうだつのあがらないトレーナーです。 ブルボンの担当をするまで未勝利か一勝かしか面倒みたことがない。』
「あの子がダービーをね……私も元はトレーナーです。 あの子がそういった未勝利、一勝クラスでウロウロする才能だとは思ってました。
それが今やダービーを獲ろうとしてる。 しかも朝日杯、皐月賞と無敗で掲げて――堂々と勝利を目指してる。」
――ブルボンの父は深く、深く頭を下げた
303 :
キミ
2025/04/25 10:30:42
ID:725.XAEgLo
――夢を、現実にしてくれてありがとう
『くすぐったいんで、頭をあげてください。 そういうのは三冠を獲ったときに一緒に酒でも呑みながらしましょう。 ダービーはふたつ目でしかないですから』
「勝ち目は」
『皐月賞直後なら半々でした。 皐月賞では終盤スタミナが切れてた、しかも私の不手際で坂路五本のせいで骨膜炎同様の発熱。 展開次第ではスタミナが保って勝つか、後続にギリつかまらなければいいなという塩梅でした』
「――では、今は?」
『そりゃ――勝てますよ。 あいつはそれだけの努力を皐月賞から今日までもしてますから』
304 :
お兄ちゃん
2025/04/25 11:04:54
ID:725.XAEgLo
「ダービーの1角までは短い。 誰も彼も優秀なスピードに富んだウマ娘達がスタートから最高のポジションを目指して競り合う。
――7枠15番、大外側から穫れますか? 一番手」
『確かにそうですが』
ダンッ!!!
ゲートが開かれ勢いよくゲートが開かれる
内側のウマ娘がロケットスタートを切って先頭に立とうとする。
「―――ッ!?」
確実に他の追随を許さないロケットスタートをきめた
なのにたった数歩で大外からチョコレート色の影が飛び込んでくる
並ぶ、という生易しいものではなくすでにトップスピードになっていたミホノブルボンは内枠のウマ娘をあっさり突き放し先頭で1角に入っていく
「皐月賞でも思いましたけど――スタートそのものじゃなく、スタートから一瞬で加速するんですね。あんな加速が当たり前のようにできるようになったんですか」
『ええ、坂路で身についた筋肉は急勾配に負けない力。 平地での使い方がうまいんですよね、加速がとにかく良い。 よほど出遅れなければスタートが良いウマ娘よりよほど速くトップスピードに乗ります』
「ええ、ええ――私もね、年甲斐もなく興奮してますよ。 あんなに素晴らしい加速のウマ娘なんてまずいない。 自分の娘がそんな走りができるようになるなんてね
――それに、ロボットに憧れてロボットのマネをしだした娘が決めた勝負服は、ちょっと、父親からみても露出が、ねえ?」
『そういや、今日はチョコレートメイド服ですね。』
305 :
あなた
2025/04/25 11:07:00
ID:725.XAEgLo
「ブルボンがね、男の人が喜ぶ服とはなにか? と聞いてきたときには本当に驚愕しましたよ。 今まで三冠ウマ娘とロボットのマネばかりだったブルボンが男性の事をきにして勝負服をデザインしたいなんて。
私も貴方の趣味までは知らなかったですから、とりあえず嫌いな人の少ないメイド服なんかを勧めましたが」
『まってチョコレートメイド服てお父さんの趣味だったの!?』
「ああいやあくまで万人向けの話ですよ? ほらもう一着の方が結構露出が多いでしょう? ですからもう一着は逆の方向性がいいかなって
トレーナーとしては、どちらがいいとかは」
『日本ダービーですよ!?そんなことより応援しましょう!?』
306 :
トレーナー
2025/04/25 11:22:41
ID:mI5oZHB2yM
――疲労があったはずなのに、疲労を感じない。
――まだ、ペースを速く設定できる。
――後続との距離、2バ身。 ペースを6.1秒に設定
2角を過ぎバックストレートに入る頃には2~3バ身の差をつけて先頭
しかし後続は3角までに差を縮めようと、ゆっくり、ゆっくりと距離を詰める
『後続が予想以上に落ち着いてるな。』
「2番手につけた黒い小柄な子……ライスシャワーか、スパートやペースアップとは言えないぐらいじんわりしたあげ方ですね」
『いやな上げかたですね……今ペースを上げたら潰れる、三角からじゃ間に合わない――きちんと目測のある詰め方です。』
「1000M 61秒2 ……ブルボン、頑張れ、いいペースだ。」
――第三コーナーに入って、じわじわと詰め寄られる
――コーナーは、焦らない。 スパートは直線から
――私の末脚は、マスターも褒めてくれた
詰め寄られる。 コーナーで後続が捕まえられると思えるほどの差しかない
皐月賞で敗れたがNHKマイルで勝利したナリタタイセーが
ミホノブルボンに何度も何度も苦渋を飲まされたマーネイドタバンが
期待に答えられなかったがNHKマイルでは2着に飛び込んだマチカネタンホイザが
――そして、その集団の先頭で、黒い刺客のライスシャワーが
――一斉にミホノブルボンに襲いかかろうとする
307 :
貴様
2025/04/25 11:31:06
ID:mI5oZHB2yM
――大ケヤキを超えて第四コーナー
――差がどんどんと縮まっていく、先頭のミホノブルボンとの差はもう1バ身、1バ身もありません!
――さあ、ここから東京の長い長い直線。 ミホノブルボンまだ先頭、後続が捉えようとする、東京の直線は500Mです!!
「……ブルボン、粘れ、頑張れ、ブルボン」
『お父さん、褒めてあげましょう。 アイツは、よく耐えたんです』
「耐えた? だって後続が、あんなに」
『メイクデビューの中京は410M 東京は500Mです。 あいつはちゃんと直線まで耐えた――いけぇっ、ブルボン!!』
――外に出る必要がない
――私は――マスターが創ってくれたこの脚と、心臓は
――ここから
「ブルボンさん、捕まえる――ライスだって、ライスだって――」
直線に入ってラストスパートしたライスシャワー。
しかし、1バ身もなかった差が更に開く。
NHKマイルを勝ったナリタタイセーが、それを追い詰めたマチカネタンホイザが
それよりも前でレースをし、一番ミホノブルボンに近かったライスシャワーが
ブルボンのラストスパートで逆に差を広げられる
――ミホノブルボンここでスパート!1バ身だった差を広げていく!
――強い! ミホノブルボン強い! 東京の坂を軽々と登っていく!
――さあ残り400M ここまでで2000M
――ミホノブルボンには未知の領域!!
308 :
トレピッピ
2025/04/25 12:08:07
ID:mI5oZHB2yM
――コーナーが巧いわけじゃない
――スタミナがあるわけじゃない
――スピードだって並程度
(マスター、それを貴方はすべて作り上げてくれた…
スピード、パワー、スタミナ。 それでもコーナーは得意とは言えない。
でも、直線に入れば……出遅れてなくてもスパートはできる)
必死で食い下がる後続がズルズルと沈んでいく。
3角、4角で詰め寄って直線で射程圏に捕らえたはずの逃げウマにスパートで突き放されるのだ
(ブルボンさん、まだこんな力が残って――強い、すごいよブルボンさん……
でも、ライスだって、ライスだって――ブルボンさんみたいに)
――さあ残り200! ミホノブルボン!ミホノブルボン先頭!!
――差がどんどん広がっていく、ミホノブルボン!
――残り100を切ってもう大丈夫か!もう一着は大丈夫か!
――ミホノブルボンゴールイン!
――今ここに6戦無敗、無敗の2冠馬が生まれました!
309 :
アナタ
2025/04/25 12:13:20
ID:mI5oZHB2yM
『――ッシャア! 見たか見たか見たか!! これが俺のミホノブルボンの走りだ!! 直線まで詰め寄られても逆にそれをぶっちぎるスピード!
うおおお最強最強最強!! よしよしよし!!
―――あ』
観客席で何度も飛び上がり全身で喜びを表現するトレーナーをブルボン父は微笑ましく見守っていた。
『あ、すんません。 はしゃぎすぎました』
「ああいやいやいやいや、自分の娘の事でそんなに喜んでもらえるのは嬉しいですよ。 ブルボンがよく言ってましたよ、マスターは自分のことのように喜んでくれるって」
『あ、はい。 いえ、お恥ずかしい事で』
「いえいえ、そのぐらいブルボンに入れ込んでもらえるのは父親冥利に付きますよ。それじゃ、私は帰りの電車もあるんで、ここらでね」
『え――会っていかないんですか? 絶対喜びますよブルボン、ダービーですよダービー』
310 :
アナタ
2025/04/25 12:17:50
ID:mI5oZHB2yM
「父親としては会いたいですね。
でも、これからマッサージをずっとしてね、その間いっぱいいっぱい褒めてくれる"大好きな人"からのご褒美の場に父親がいるのはね。
……夏休みは来ていただけるのでしょう? 山の反対側が海でしてね。 海水浴場になるほどは混み合ってないけど、海水浴場としても使える地元の穴場でしてね。
夏休み、楽しみにしてますよ。
――トレーナーさん、本当に……本当にありがとうございます。
娘をどうぞよろしくお願いします。」
――結局のところ、父親が来たことはブルボンには後で伝えることにして
『ミホノブルボンさん、無敗の2冠、ダービーおめでとうございます』
🤖「? マスター?」
『歴史に名を刻む大ウマ娘ミホノブルボンさんには今後生意気な口は効かないようにする所存です、ささ、こちらへ。マッサージの準備ができております。』
🤖「オロオロ マスター、マスター、マスター」
311 :
あなた
2025/04/25 12:23:42
ID:mI5oZHB2yM
控室の仮寝台にうつ伏せになるミホノブルボン
その背中に、手とは違うおおきなものが置かれる。トレーナーの額だ
『お前、本当に無敗で2冠馬になっちまったなあ……』
『すげえや、お前。 普通なら4本の坂路なんかできるわけない。
それを毎日やるどころか一本一本全力で、だれよりも真面目に手を抜かず走ってさ。 殆ど遊び歩かないしさ、練習を一回もサボるどころか休んだ事ないんだぜ?』
「……はい、頑張りました。 とても、頑張りました」
『そうだよな。 今日のダービーだって、スタミナが保たないって言ってたのに、直線であのスパートなんだよ、一体。 ナリタタイセーだってマチカネタンホイザだってマーネイドタバンだって凄いのにさ、そいつら全員置き去りでさ』
「はい、マスターも私の脚は凄いから――スパートは直線だけで良いといってました。」
『お前、すごいよ。 本当に400Mの壁埋めちまった』
「マスター、私は凄いですか? 頑張りましたか? 偉いですか?」
『ああ、すごい、めちゃ凄い。 レースも凄いしいつもいつもいつも頑張ってるのもすごいしめちゃ偉い』
312 :
アナタ
2025/04/25 12:33:28
ID:mI5oZHB2yM
「もっと――もっと褒めてください。
ステータス:ふわふわ です。 自分がダービーを勝てて嬉しいはずなのに、夢の中みたいな感覚で、嬉しいはずなのに実感がありません。
なのに――マスターに褒められると、とても嬉しくて、ああ、勝ったんだと思えます。 ですから――いつもみたいに全力で褒めてください」
『……いいの? 今日の俺はもう遠慮しないよ?』
「勿論ですマスター」
『――最高ッ!ブルボン、ブルボンブルボンブルボンブルボン!
ああああお前ほんっとに凄いじゃん、ホントに無敗でダービーまで獲ったんだぞ。偉いっ! 最高! 日本最強のウマ娘ッ! このチョコレート超特急!
可愛くてスタイルよくて日本一速いウマ娘なのに2400Mも余裕のスタミナとか神様贅沢盛りしすぎっ!』
「…ッパアアア。」
マッサージというか、ワシャワシャと尻尾も髪も背中も頭も全部もみくちゃにして
落ち着いたらマッサージをしていく
『そういや、夏休みの合宿さ――ライスシャワーやマチカネタンホイザとか一部のウマ娘と合同で学園の指定合宿所じゃないとこでやらないかって話出てるんだよね』
「……そうなのですか?」
『個人的には疲労を抜きたいから大坂路はなくていいんだけど学園の合宿場は設備はいいけど坂道とか走りきれるばしょなくてな
そこで、海と山があって、無敗の2冠馬サマが幼少期からトレーニングしてた坂道もある場所があるなって』
「……それはもしかして」
『そ、お前の実家の山の裏手、そこの民家にアポとった。
少数精鋭の強化合宿するぞ、ニシノフラワーやサクラバクシンオーもくるってよ』
313 :
お姉ちゃん
2025/04/25 13:12:56
ID:52VuIaSPTI
ブルボンを先に退室させ、ギリギリまで居残らせて頂いた礼をしつつ鍵を返し
そして帰るためにレース場から出ると、レース場の前の屋台に人が群がっている
🕷️「あ、ブルボンさんのマスターさんども。 ここの天むす美味しいですよ」
🍚「焼きおにぎりも美味しいよ、マスターさん」
🤖「もぐもぐもぐもぐ、むしゃむしゃむしゃむしゃ」
🕷️「もーブルボンさん、ほらマスターさんきたよ。 手とめて」
『馬鹿飯食ってるブルボンは』
🤖「シャアアアアアアアアっ!がるるるるる!!」
🕷️「うわぁっ!? 怖っ!?ブルボンさんこわっ!?」
『メシ喰ってるときのブルボンはそっとしとこうな、ほらブルボン口出して拭いてやるから』
🤖「もぐもぐ、 むいむい、ありがとうございますマスター。 もぐもぐもぐもぐ」
『しかしなんでレース直後なのに大量に食えるんだ』
🍚「……だよね」
🕷️「すごいよね」
『いやキミらもだからね?』
314 :
モルモット君
2025/04/25 13:15:01
ID:52VuIaSPTI
日本ダービーおしまい
キャッキャウフフのドキドキ☆夏合宿~ひとなつのあばんちゅ~る~は後日
315 :
トレーナーさま
2025/04/25 20:46:18
ID:52VuIaSPTI
🤖「現在、一つのバッドステータス:悩みを抱えています。」
🌻「ええ、あの無敗の二冠ウマ娘ブルボンさんに悩みが?」
🤖「はい、私のトモ――臀部はとても鍛えられてます」
🕷️「うんうん良いお尻してるよねブルボンさん」
🍚「お尻ごっついってよく言われるよね、実際はお尻とトモの部分だろうけど」
🤖「はい。 私のパワーとスピードの源であるこの臀部――今回はお尻と言いますが、鍛え抜かれた私のお尻は――触り心地が固くなってしまっているのではないかと」
🌻「――! それは由々しき事態ですね、ブルボンさん……!」
🕷️「え、それはどういう問題が? 競争能力としては良いことなんじゃ?」
🍚「ちがうんだよタンホイザさん! お尻の柔らかさは今のブルボンさんにとっては大事なんだよ!」
🕷️「え?え?」
🤖「私は毎日トレーニング後にはマスターに徹底してマッサージをして頂いてます。 時に2時間以上かけてくださる事もあります。
ふくらはぎからお尻までみっちりとされます。
女性のお尻を触るという事であっても、マスターは遠慮しません。 徹底しておしりをもみくちゃにします。」
316 :
貴様
2025/04/25 20:53:51
ID:52VuIaSPTI
🌸「ちょわわっ!?そ、それは破廉恥なのでは? いけませんよブルボンさん! 男女の付き合いは節度を持って健全にですよ!? そう、この学級委員長のように!」
🕷️「バクシンオーさんトレーナーさんと付き合ってたんだ……いいなあ」
🍚「うう、ライスのおじさまはイケメンナイスミドルだけど既婚者だよ……」
🕷️「おじさまって表現結構インモラルだよね。 私のトレーナーさんも既婚者で愛妻家だあ、たまに一緒に商店街でご飯ごちそうになるけど私のこと娘のようにしてくれるもん」
🌻「私やブルボンさんみたいに若くて可愛いトレーナーさんも捕まえておかないと皆から狙われちゃいますからね」
🤖「はい、そのためにマッサージするマスターの手にお尻の柔らかさを強引に刻める良い機会なのですが――このままでは筋肉で固くなったお尻で柔らかさがなくなってしまうのではないかと」
317 :
お姉ちゃん
2025/04/25 21:03:04
ID:52VuIaSPTI
🕷️「でもさあ、実際ブルトレさんって無敗の2冠馬――しかも朝日杯も勝ってるこの世代最強のウマ娘のトレーナーでしょ? 担当になってくださいとか狙ってる新入生どころか今クラシック、シニアの子もいそうじゃない?」
🍚「うんうん、たまにトレセンは婚活会場って思ってる子もいるし、独身だと狙われちゃうよね。 マスターさん、小柄だけど結構可愛い顔立ちしてるし」
🌸「むふふ、私のトレーナーさんは私に3600Mを走らせてくれるまで専属だと約束してくださいました! いつか3600Mを走らせてくれるまでずっとキミ一本だと!――こっちは嘘じゃないですよね?」
🕷️「こわっ!?」
🌻「私のトレーナーさんはファンクラブがあるそうですよ、ほらサイトもあるんです。 」
🌸「にょわっ? 凄い会員数ですね――あれ、男女比おかしくないですかフラワーさん、フラトレさんって男性でしたよね? なんで男性ファン会員半分なんですか」
🌻「えへへ、トレーナーさんは可愛いので。 でも私のです♪」
🕷️「あー、うん。 フラトレさんはなんというか男の娘って感じだよね、ちゃんと成人してるのに。」
🌻「ブルボンさんのマスターさんは小柄で可愛いんですがちょっと勝ち気なタイプですよね。 男性ファンというより女性ファンが多そうです」
🤖「だめです。 危険です。 拒否します。 先に既成事実が必要です。」
🕷️「でもさ、実際話題の人ではあるんだし申し込みとかどうなの?」
🤖「うけないそうです。 マスターも私以外の時間が取れないと
あと、学園にもっと坂路や運動学的トレーニング施設を取り入れたいので学園への企画立案や設計の案件でチームを作れる余裕がないそうです」
318 :
モルモット君
2025/04/25 21:10:15
ID:52VuIaSPTI
🌻「でもブルボンさん……例えチームを作らない、専属と言われても安心してはいけませんよ、うふふ♪」
🤖「? と、いうのは」
🌻「私のトレーナーさんも私の成長や体質を加味して専属なんですが、最優秀西日本ジュニア辺りから――トレーナーさんに言い寄る方が多くて」
🤖「はい、しかし専属ですから問題はないのでは」
🌻「それがですね……やはり優秀なトレーナーと契約したいってウマ娘は多くて――中には色仕掛けでトレーナーさんを惑わす方も」
🤖「―――!?」
🌻「トレーナーさんも女性の押しには弱いので危うく――その時は私が"わからせ"て事なきを得ましたが、ブルボンさんもお気をつけて」
🤖「ガタガタガタガタ――嫌です、マスターが他の女性と……ウマ娘と」
🕷️「でもさー、その話だと――ライトハローさん大丈夫なの?」
🍚「あ、あのすっごいおっぱいおっきな人だよね、今グランドライブの企画やってる人。 たしかにおっぱい柔らかそうだし――いいなあ、ライスもこうぽよんぽよんに」
🌸「大丈夫ですライスさん! 慎ましい胸もそれはそれで人気があるもの! 巨乳も好き、でも慎ましいのも好き! 慎ましいのも巨乳も好き! これらが実は大多数です!」
319 :
トレーナーさん
2025/04/25 21:23:11
ID:52VuIaSPTI
🕷️「あー商店街のおじさんたちもライトハローさんのおっぱいは気になってるみたいだよ、あれはG1級だとか凱旋門賞挑戦できるだとか」
🌻「実際おっぱいの大きな側のブルボンさんとしてはどうなんですか?」
🤖「正直あまり気にしたことはなかったのですが――マスターを男性としてみてから……誇らしくなりました。」
🍚「ほ、誇らしく!?」 🌸「ちょわっ!?」
🤖「マスターはお尻よりおっぱい派です。 そのマスターが時たま私の胸に視線を向けては慌てて私の顔の方に視線を戻します」
🕷️「あー、会話って基本相手の顔みて話すから相手の視線がどこいってるかってわかるんだよね」
🍚「ふええ、いいなあ、ライスもおじさまにチラチラ胸元に視線向けてほしいよ」
🌸「ライスさん、既婚者にそれはマズいですよ!」
320 :
トレーナーさま
2025/04/25 21:29:37
ID:52VuIaSPTI
🤖「チョコレートメイドの勝負服には胸元に宝石のイミテーションがあるのですが、走ったりダンスではそこが大きく揺れます。 厳密に言えば上下に跳ねます。
うごくそこに、マスターの視線が行きます。
――その瞬間、私は勝利の気持ちを感じます」
🍚「うわあ、ブルボンさん大胆だよそんなブルンボインをマスターさんにアピールなんて夜の三冠はもうブルボンさんのモノだよ副賞はマスターさんの人生だね」
🌸「くっ、学級委員長としてそれは破廉恥と言いたいですが視線誘導につられたトレーナーさんの言い訳を聞きたい気持ちが勝りますっ!」
🌻「あは♪ マスターさんも可愛らしいとこあるんですね♪」
🕷️「でも――おっぱいの揺れとか大きさとかだとやっぱライトハローさんの方が強いんじゃないの?
しかも合法だし」
🤖🌻🌸「……」
321 :
貴方
2025/04/25 21:36:16
ID:52VuIaSPTI
🍚「そ、そんな――ターフで未勝利でもあの人とのメイクデビューは1番人気1着センターお先に失礼なんてそんなのずるいよライトハローさん」
🕷️「でもまあ……あのブルトレさんがブルボンさん以外にお熱になるとかちょっと想像できませんけどね」
🌻「確かに……でも色仕掛けとかアピールは大人の女性の方が緑スキルも金スキルも豊富です……ブルボンさん」
🤖「…………問題ありません。 後方から追い上げられても私は逃げ切ります。 お先に失礼なんてさせません私がマスターのトキメキハートを頂きます」
🌻「きゃーブルボンさん♪この夏合宿で思い出作りですね♪ 応援してます♪」
🍚「が、頑張ってねブルボンさん! ら、ライスもがんばる!」
🕷️「いやライトレさん既婚者でしょ」
🌸「いやー、恋のレースに忙しいですね、青春ですねハッハッハー」
322 :
トレ公
2025/04/25 21:50:08
ID:52VuIaSPTI
『あほかああああああああっ!! この夏合宿は遊び回るためのもんじゃねえって言っただろうがっ!!!』
夏のビーチ、白い砂浜打ち寄せる波青い海
絶好のロケーションだが田舎の小さな浜辺は地元民以外はほぼ来ない穴場だ
そんな最高の海の砂浜で、トレーナーが合宿参加者にカミナリを落としてた。
「うわっ、こわ……」
「うーん、あそこまで全力で怒鳴れる指導者って最近減ったよねえ」
「昔は結構いましたけどね、今はああいうのに厳しいですから」
各トレーナーも集まっているが今回の主催――チーフトレーナーはブルトレ――マスターが行うことになった。
本人は柄ではないとベテランであるライスシャワーやマチカネタンホイザのトレーナーを推薦したがやはり実力的にもっともあるブルボンのトレーニングを軸にしたいというのが強いのだろう
『バクシンオーはスプリント路線――ニシノフラワーはティアラ路線変更なしか、エリザベス女王杯も2400Mだし、しっかりスタミナをつけて帰ってもらう。
ライスシャワー、マチカネタンホイザ、ミホノブルボンは菊花賞に向けてこの夏合宿で力をつけて帰ること、いいな』
🕷️「はいはいせんせー、質問」
『先生は質問じゃありません、なんだタンホイザ』
🕷️「バクシンオーさんとニシノフラワーさんは別路線だからいいんですが、私達菊花賞で争うのに一緒に合宿っていいんですか?」
『なんだ嫌かー? 作戦だとか妨害だとかお互いに腹の内探り合うドロドロした心理戦が好みかマチカネタンホイザ』
🕷️「ひいっ? いえちがいますそうじゃなくて――
そうじゃないですけど、ブルボンさんとブルトレさんからしたら無敗の三冠馬を邪魔されるとか、そういうのないんですか?」
323 :
キミ
2025/04/25 21:57:22
ID:52VuIaSPTI
🍚「あ、う、うん……合宿で、みんなが強くなったら――ブルボンさんたちからしたら敵に塩をおくることになるんじゃないかな……って」
『ああ、安心しろそこは各トレーナーで話し合った結果全力で鍛え合って全力で潰し合おうって話になってるぞうんうん、争え、お前らは争うのだ。』
🍚「ひあああああっ!??」
両手を上げ怪物のマネのような何かでライスシャワーをおどかすトレーナー
『まあ――気持ちは分からんでもないんだが、ブルボン陣営からしたら作戦なんかバレバレだ。 逃げてそれなりにハイペースでしっかり逃げ切る、追って来ようとスタミナもスピードも届かせない、潰れてもらいましょうってわけだ。』
「ライスシャワー陣営としては菊花賞の第一目標はミホノブルボンに勝つこと。 なので他のウマ娘どうこうではなくミホノブルボンをしっかりマークして追走になる。」
「タンホイザさんは、この二人みたいに先行力があるわけじゃあない。 そうしたらそもそもがマイペースに中団からか後方からだからね。 結局は互いの作戦を利用したあれこれなんかないよ」
『って事で、もう一個の強くなったら云々というのは――あれだ
実際お前らは学生で――一緒にクラスで生活して寮で生活しててさ――
まあ、URAというレース人生を選んだのは事実だけど、俺等もお前らに楽しくて良い学園生活を送ってほしいってのはあるんだ』
324 :
トレぴっぴ
2025/04/25 22:06:51
ID:52VuIaSPTI
『勿論、ブルボン陣営としてはこれ以上ライスシャワーちゃんにもマチカネタンホイザちゃんにも強くなってほしくはないが――互いに切磋琢磨してさ、レースが終わったら握手できるような奴らみたいだし』
マスターはウマ娘たちを見渡して
『朝日杯、スプリングS、皐月賞ってずっと戦って、ライバルになって
――それでもライバルとして友情を深めてるなら、もう全員でめちゃくちゃ強くなって、この世代はシニアになっても最強の世代だって言われたいだろ』
🍚「は、はいっ! ブルボンさんとも、タンホイザさんとも……ずっと仲良しでいたいですっ!」
『よし、よく言ったライスシャワー! 引っ込み思案だけど大事なとこはちゃんと言えるのは偉いぞ!
なので、お前らには友情も、レースも全力で頑張ってもらう。 この合宿は遊び回るためのものではない!
だが――遊んではいけないとは言っていない!』
🌸「おおおおっ、もしかして」
🌻「いいんですか」
『春の激戦の疲労を抜きつつ秋を迎えその間も各自鍛えるのがこの合宿の目的だ、そこには遊ぶことも――ふんだんに取り入れてよい!
今まで遊んで居なかった分、今日は海で徹底して遊んでこい!』
🕷️「おおおっ、いいですね話がわかりますね」
🌻「きゃーっ♪ いきましょう海です」
🍚「うわあ、うわあ、海だよ、遊んで良いんだって」
🌸「ここは私が水上走りの挑戦を」
🤖「……行ってきます、マスター」
『おう日焼けにはきをつけてこいよー』
「私達はここでのんびりしてるよ」
「僕達もバーベキューの準備しないと」
「ここは穴場だけど、モロコシもフランクもかき氷もないからねえ」
『あ、俺買い出し行ってきますよ。』
325 :
使い魔
2025/04/25 22:08:31
ID:52VuIaSPTI
おやすみなさい
326 :
トレーナー
2025/04/25 22:53:44
ID:cSkRYxl/1I
良い青春だ
327 :
ダンナ
2025/04/26 13:01:32
ID:hND/bexCRE
🌻 「トレーナーさんっ♪ 日焼けはトレーニングの大敵ですね? 肌がヒリヒリして集中できないとかだめだめですよね? ですからオイルを塗ってほしいんです❤️」
「え、あ、あっあっあっ」
🌻 「大丈夫です、担当のケアですから――合法ですよ❤️」
🍚「お、お、おじさまっ!! ライスと、ライスと一緒にとうもろこし食べてくだちゃいっ!ふえ、噛んだぁ……」
「あっはっは、フランクフルトも焼きおにぎりもあるよ。」
🌸「トレーナーさんっ! 3600Mは走れませんが海上は走れましたよ!
いつか本当に3600M、走らせてくださいね❤️」
「かひゅーっ、かふ、かふっ」
🕷️「いやあ楽しいですねえ、あ、トレーナーさんほっぺたにソースついてます」
「ん?ありがとうタンホイザ。 タンホイザは気が利くねえ、将来の旦那さんは幸せそうだ」
328 :
相棒
2025/04/26 13:07:51
ID:hND/bexCRE
『んー』
🤖「波打ち際をずっと観察してます。 マスター、どうしましたか?」
『いやさ、俺義足なかったら泳げるじゃん? こっから腹ばいで海に突っ込んで、腹ばいで上がれば泳げるかなと思ったんだけどさ』
🤖「はい、私がサポートします」
『さっき、ちょっとパラソルから腹ばいでこようと思ったんですよ、そしたらほら――砂があつすぎて真っ赤になっちまった』
シャツをめくって真っ赤になった腹を見せる。
🤖「――オーバーヒート、オーバーヒート。 うっすら薄い腹筋、マスターの健康的なお腹。ご職業はモデルですか?」
『いやトレーナーですよ? 君の』
🤖「いけません叡智すぎますマスター。 まさか夏の海で特殊ステータス:たくしあげ などと」
『いやたくしあげじゃないよ?違うよ?』
🤖「せっかくですからマスター、シャツの裾を口で咥えてちょっと恥ずかしそうな表情で見せて頂けますか?」
『お前そういうのって男が女に萌える話じゃないの!?』
329 :
アナタ
2025/04/26 13:20:07
ID:hND/bexCRE
🕷️「いっやー、今までずっとトレーニングとレースでしたけどクラシックの夏にはこんなご褒美イベントがあるなんて!最高ですね!」
🌸「夏! 海! 開!放!感!!!」
🍚「お、おじさまとひと夏の間違い探しイベントおこらない、かなあ?」
🌻「うふふ♪ライスさん間違いは待つものじゃなく起こすものですよ♪」
🤖「………」
🌻「どうしましたかブルボンさん」
🤖「夏は……」
🌸「夏は?」
🤖「夏は最高です。マスターのあんな無防備な姿が見放題サブスク無料とは」
🍚「わかります! おじさまも結構お年なのに腹筋とか結構出来上がってて!」
🌸「開放的なのは女性に限らない!ヒトミミ男性こそ気をつけるべきですね!」
🌻「トレーナーさんたちってとっても無防備ですよね―――
まるで襲うのは男性で襲われるのが女性と思ってるみたいです♪ ウマミミにかてるわけないのに♪」
『ねえええええ、目の前にトレーナーいるのにそういう話やめようよ君たちさあああ』
「うーん、まあ言っても止まらないよねえ」
「あっはっは、いいじゃないかいいじゃないか、合宿中は多少無礼講で」
「ふ、フラワーそういうはしたないこといっちゃだめだよフラワー」
「ウマミミってこわいなあこわいなあ」
330 :
大将
2025/04/26 13:29:09
ID:hND/bexCRE
トレーナーサイド
『しっかし海で泳いで帰ってきてバーベキュー食い漁って更にビーチバレーとビーチフラッグスかよ、あいつら電池切れまで動き回る幼稚園児かなにかか、疲れはないのか疲れは』
🌻「でも、普段は全然遊び歩いたりしないんだよねフラワーって。あんなに全力ではしゃいでるフラワーは初めて見るし合宿できてよかったなって思うよ」
🌸「あはは、うちの子はなんというかいつもバクシンしてるからいつもあんな感じですね。 でも、開放的な姿はやっぱ可愛いなーとか思ったり」
『マチタントレさんとライストレさんって奥さんいますよね? 実際担当からアプローチとかアタックされないんスか?』
🍚「されてるね、うんうん。 でもライスはいい子だし奥手だからね。 フラワートレさんとこやブルトレさんとこみたいにグイグイはこないからかわせるね」
🕷️「うちの子はどうなんだろうねえ、あの子はいつもマイペースで動じないとこあってねえ、でも世話好きというか甲斐甲斐しいとこはとてもいい子だよ。」
『俺がいうこっちゃないですが――ニシトレ先輩のとこは……こう、フラワーって結構サドなとこないですか?』
🌻「う、う、うーん……でもさ、アスリートって本質マゾじゃない?」
331 :
ダンナ
2025/04/26 13:35:34
ID:hND/bexCRE
🕷️「ああ、それはなんとなくわかるな。本質でしょ?」
『わからん、どゆことですか?』
🌻「アスリートってすごいストイックにトレーニングするでしょ? 要は自分自身をいっぱい痛めつけるわけじゃないですか? レースだってあの距離をずっと全力疾走とか実際つらいですよ」
『あー、そういう?』
🌻「そうそう、自分を痛めつけるのが好きなマゾじゃないとあんな事絶対続かないと思うんですよね。ウマ娘の本質はマゾですよマゾ」
🌸「プゲラッ」
🍚「いやあ斬新な着眼点だねえ、確かに辛いトレーニングもレースもそこに満足感ないと続かないもんねえ」
🕷️「いや、でもねでもね。マゾとサドって両方あるのが多いっていうじゃない?」
🌸「マチタントレ先輩食いつきますね」
🕷️「そりゃあ妻とこんな話出来ないじゃないか!」
🍚「うんうんうんうんわかるわかるわかる、こういう話はやっぱトレーナー同士だよねえ」
🕷️「でさ――そういう本質がマゾ?な場合でもサドとか支配欲みたいなのがあってさ――性癖としてはサド側ってあり得ると思うんですよ」
『いっやー、でもそうだとしたら世の中もっとウマミミが男にあれこれしてて大問題になってません?』
332 :
お兄さま
2025/04/26 13:44:39
ID:hND/bexCRE
🌸「いやあ、でも俺さっきのウマミミは本質的にマゾって意見は好きだなあ」
『根拠は結構しっかりしてますよね、確かにマゾじゃないと続かないってのはわかる。そこを否定できる要素もってねえわ』
🍚「あっはっは、でもフラトレくんの場合結構願望もはいってるでしょ? フラワーちゃんにしてやられてる感じだし」
🕷️「ねえねえ実際どこまで転げ落ちたの? おじさんたちにちょっとおしえてごらん?」
🌻「やめてくださいよお、フラワーと僕はそんな関係じゃ」
🌸「でもさあ、ミホノブルボンなんかは大目標どころか最終目標が三冠――菊花賞でしょ? その後どうするとか話したの?」
『いや、それはしてないですねえ……菊花賞終わったら本人の意思を尊重しつつ、長期休養で良いと思ってるんですよね』
🕷️「ええ、菊花賞からジャパンカップ、有馬じゃないの?」
🌸「トゥインクルなんかでは、もう今年のジャパンカップの日本総大将、ミホノブルボンって記事もあったぞ?」
🍚「あったあった、菊花賞がどうあれジャパンカップの東京2400はもうダービーで実力証明してるからね。あの逃げ足なら海外勢に勝てるって記事でしょ?」
『あー、うーん、本人が望めば許しますけどトレーナーとしては今年いっぱいはレースには出さないっすね。 だってずっとずっと坂路4本ですよ?』
🌻「うん、でもこうして見てると疲労が溜まってる感じゼロだよね、見てるだけで強さがわかるよ。 それだけスパルタトレーニングをしてると疲労が動きに出るし、そもそもご飯なんかたべれなくなるもの」
333 :
貴様
2025/04/26 13:52:12
ID:hND/bexCRE
🕷️「すごいよねブルボンちゃん。 さっきも一番食事量とってたでしょ」
🌸「結構大人しいと言うか穏やかな感じなのに食事の時だけなんか圧あったね」
『あいつメシのときだけはそこそこ凶暴なんで注意してくださいね……いやほんとあいつの食事量と内容は把握してますけど、食う量がどんどんどんどん増えてるんですよね』
🍚「うっへえ、ソレ全部トレーニングで昇華してその分また食べるの? いいよねえ、このトシになるとカツ丼1杯すらきついときあるよ」
🕷️「ああ、ちょっとわかります。 お前らもこうなるんだぞこうなるんだぞ覚悟しとけ」
🌻「それだけ食べてそれだけ動いてるならそりゃあ強くなるよね……真似しようと思っても真似できるものじゃないもんなあ」
『いやマジでそうっすね……食が細くなってトレーニングできなくなると思ってたんですがマジでそれが一回もなくて、まあありがたい事です。』
『でもまあ、骨や靭帯はちがうんじゃないかなと。 こっちが金属疲労みたいにいつか来ても全然おかしくないんで――菊花賞終わったら春まで長期休養っす。
その間、アイツがやってなかった遊びだとか寄り道だとか食べ歩きだとか――やりたいこと全部させてやりたいなって』
334 :
ダンナ
2025/04/26 14:17:59
ID:hND/bexCRE
「んんんんんんっ偉いですトレーナーさんっ!」
『お!?』
面積広め、エメラルドグリーンのビキニ、腰に白いパレオ
なによりそのビキニに収まる特大メロン
ムッチムチだが贅肉で垂れてるわけではない身体を揺らして、ライトハローがニコニコと立っている。
右手には大きなビニール袋、もちろん中身はビール、ストゼロ、ワンカップ、四角ハイボールなどなど酒ばかりだ
🕷️「おやおやライトハローさん、はやいですね」
🌸「……うお、でっか…………」
🍶「あははー☆ トレーナーの皆さんとお酒がのめるって聞いて早くきちゃいました☆ 夏の海――BBQを流し込む栄養ドリンク、お持ちしました!」
🍚「おお、じゃあアイスボックスこっちなんで。 モロコシとフランクどっちがいいですか?」
🍶「モロコシでお願いしますっ☆ じゃあ皆さんかんぱーい☆」
『はやっ? もうはじめる気でいる!』
🍶「大丈夫です☆ この距離なら設営も全部民家に運べます、皆さんも今日はハメをはずして飲んじゃいましょう!」
🕷️「ああ良いですねえ、ちょっとハイボール頂けますか」
335 :
相棒
2025/04/26 14:36:26
ID:hND/bexCRE
『酒はまあいいスけど、ちゃんとここでの事トゥインクルにもっていくのとライブのプレゼン用の資料おねがいしますよ、ライトハローさん』
🌸「え、あのメロ――いやライトハローさん来るのって決まってたん」
『ええまあ、流石にライトハローさんでもこんなとこまで酒呑みにこないッスよ』
🍚「彼女は今年の三冠のセレモニーライブ――三冠グランドライブだっけ? の企画をURAに通そうとしててねえ、要はミホノブルボンが三冠を獲ったらセレモニーを東京レース場でやるんだとさ」
🌸「え、東京レース場をまるままライブ会場にするって事!?」
🕷️「すっごい企画だよねえ、今後そういう一生に残る体験をウマ娘にも、それを見る観客にもさせたいから、なんとかして東京レース場を使えないかって今何度も交渉してるんだって」
🌻「すっご、じゃあ今後三冠とかトリプルティアラとか――それこそグランドスラムとかでそういうセレモニーライブが?」
🍚「そうそう、それのために第一回になんとかこぎつけたい、って事でね」
🕷️「でも、三冠ウマ娘のライブはいいが、そこに参加するほかのウマ娘の協力がないと成り立たない。 そこで、現状ミホノブルボンのライバルのタンホイザやライスシャワーの合同合宿でのシーンを切り取って、URAに打診するんだってさ」
🌸「凄いことやろうとしてんですねえ、すっげーなー」
『………まあ、その当人はもう酒でふらっふらなんだけどホント大丈夫だろうな』
336 :
キミ
2025/04/26 14:38:17
ID:hND/bexCRE
🍶「あはははは☆ だめですよ皆さんもっと呑みましょう呑みましょう、今日は難しいこと考えず呑みましょう、ほら🌸トレさんお注ぎしますよ」
🌸「うおでっかやわらかそっ…あ、どもども」
🕷️「いやあ、こんな美人さんにお酌してもらえると酒が美味しいですねえ」
🍚「いやいや全くですね。」
🍶「フラトレさん、すっごい可愛らしいですけどちゃんと成年ですよね? じゃあちょっとかっこいいとこみせてください☆ フラトレさんのかっこいいとこちょっと見てみたい☆」
わはは、あはは、それもういっぱい、もういっぱい
いやーん☆ お酒水着にかかっちゃいましたー☆
まあまあ、新しいの注ぎますからおっとっと
🤖🌸🌻🕷️🍚
『―――はっ!?』
🤖🌸🌻🕷️🍚「楽しそうですねみなさん☆」
337 :
お姉さま
2025/04/26 14:42:57
ID:hND/bexCRE
ざぱーん、ざぱーん
ココは当然海岸である。
黙々とウマ娘たちは穴を掘り――縦に深い穴を掘る.
トレーナーたちはそこにまっすぐ縦に埋まり、頭だけだした状況で砂を詰められうめられる。
🤖「……マスター、問題です」
『……はい』
🤖「今この海岸は干潮から満潮になっていきます」
🌻「5時間後にはここの水位って3Mぐらいあがるらしいです♪」
『………はい』
🤖「今――私達が民家に帰宅したら―――マスター達はどうなりますか?」
『―――ひぃっ!?』
🤖「その謎を解明するため我々は民家の奥地へ向かい3時間後ぐらいに様子を見に来ます。」
『やめてやめて頭ぐらいすぐ埋まるじゃんやめてやめて』
338 :
トレ公
2025/04/26 14:43:54
ID:hND/bexCRE
合宿到着日おしまい
339 :
アネゴ
2025/04/26 16:21:32
ID:hND/bexCRE
🌸「トレーナーさん? おっぱいの大きな女性と飲むお酒、おいしかったですよね? デカパイ感謝ですねトレーナーさん?」
🌻「わあ、やっぱりトレーナーさんも男の子なんですね♪ でもおっぱいに惑わされたらだめですよ♪」
🍚「お、おじさまもやっぱり、おっぱいの大きな人がすきなの? ら、ライスもっと大きくなるから! 晩成だから!」
🕷️「ねえねえトレーナーさん、やっぱライトハローさんみたいな女性って男性からしたらたまんないものなの?」
🤖「マスター…………」
『俺等はライトハローさん"も"込みで酒飲んだだけじゃん、いいじゃん別にー』
「ちがうんだバクシンオー、俺が一番女の子として可愛いのは勿論バクシンオーだ! でもそれはそれとしてお酒の場で揺れるメロンは、こう、ね?」
「ご、ごめんよフラワーほんとごめん、ごめん」
「いやあ、我々妻帯者だしねえ、でも若い女性にお酌とか楽しいよねえ」
「うんうん、しかも海で全員水着だとこぼれても全然いいから騒げていいよねえ」
🤖「バツとして――私達のお願いを聞いてもらいます」
『だからバツってなんだよお、俺達悪いことしてねえよお』
――それぞれ、担当が指定する服装をして頂く事になった
340 :
あなた
2025/04/26 16:28:46
ID:hND/bexCRE
🌸「はいはいはい、一番バクトレ行きまーす! トレセン学園指定競泳水着でっす!!」
えぐいもん見せるなー、ひっこめー、でもバクシンオーは満足そうだぞバクトレー
🍚「ふふーん、なんかこういうのは照れるねえ」
🕷️「でも、まだまだ若い子には負けてられないですから、ねえ」
ライス&マチタントレ:ビキニパンツでオイルテカテカの筋肉美を二人で披露
『うわ、あの二人ムッキムキやん……やば』
🌸「元々めちゃ武闘派、体育会系だったらしいよーふたりとも」
🌻「いやこれまってよお、待って待ってフラワーこれは勘弁してよお」
フラトレ:女装。ピンクのワンピース、リボン
『……うわ、美少年ってこんな身近にいるんだな』
🌸「ファンクラブ男女比率がおかしいトレーナー一番人気だもんなあ」
🕷️「いやあ、トレーナーからも人気あるのもなんとなくわかるわかる」
🍚「うーん、フラトレくーんこっち目線くださーい(パシャパシャ)」
🌻「やめてくださいよお!」
『………………』
ブルトレ
ミホノブルボン(通常)勝負服
ぎゃははははは
尻が担当に負けてるぞブルトレ!
きゃーかわいいこっち目線くださーい♪
341 :
アンタ
2025/04/26 16:33:43
ID:hND/bexCRE
🍚「すごい、すごいよおじさま! こんなのライスは大盛り5杯はおかわりできちゃうよ! すいませんがご職業はビルダーかモデルさんで?」
🕷️「いやあ、良いものみれましたねえ、はいトレーナーさん、お酒お注ぎしますね」
🌻「うふふ♪ 可愛いですよトレーナーさん――いえトレーナーちゃん♪」
🌸「いやあ、盛り上がりました。 今日は私がお酌をしてあげましょう!」
🤖「マスター、後でチョコレートメイドの方もお願いします。 あと部屋で特殊イベント:たくしあげをお願いしますマスター」
342 :
アネゴ
2025/04/26 16:33:55
ID:hND/bexCRE
おしまい、以後明日以降
343 :
貴方
2025/04/27 10:44:44
ID:GZdQk8zpz.
『俺、真面目にわかんない事あって』
🕷️「うんうん何かな、人生の先輩が教えてあげるよ」
『俺等男って、顔を除くとおっぱいとかフトモモとか腰とか尻とかをアピールポイントとして見ちゃうじゃないですか?』
🌸「そだねえ、てかライトハローさんはすごかったなあ」
🍚「すごかったねえ、あれはG1級ってのは納得だねえ」
『女って、どういうとこ見てるんスかね、よく筋肉美だとか筋肉が多い相撲取りが人気とか言いますよね』
🌻「お相撲さんはデブって認識しない女性もいるらしいからね。 確かにちょっと不思議かも」
🕷️「まあ男性が想像する美少年と女性が好きな美少年は結構ちがうっていうよねえ、我々のようなおじさんの筋肉でも結構好評だったしねえ」
🍚「んふふ、まだまだ若い子には負けられませんからねえ嬉しいねえ」
『ソコなんスよね、筋肉とかが人気あるのはわかるんだけど――ほかはどんなとこ見てるのかなーって』
🌸「メロンちゃんと違って俺等の特大ハロン棒がみえてるわけじゃないからな
あ。」
🕷️「あーそれ間違った男の認識だよ。 大きければいいとかってあんましないみたい」
🌸「え、マジすか?」
🕷️「うんうん、逆に大きいと――特に太さらしいけどさ、それだと女の子からしたら痛いだけで大変なんだってさ」
🍚「男には絶対わかんないよね、身体の相性ってさ。 私もわかんないものん」
344 :
トレピッピ
2025/04/27 11:36:18
ID:GZdQk8zpz.
🕷️「あーわかる、 妻は相性とっても良いって言ってくれるけどさ、正直男にはわからないからそれが本当なのか気を使ってるのかわからないんだよねえ」
🍚「男って大きければ大きいほど気持ちいいものなんだって思っちゃうよね。漫画とか動画とかさ」
『うわー滅茶苦茶意外』
🌸「心がDTじゃないとトレーナーなれないからそんな事は知るはずもなく」
🌻「そんなことはないんじゃないかな」
🕷️「まあ、よくいうのは鎖骨とか肩のラインとか全体的なシルエットらしいね」
🍚「だぼっとしたシャツとかスウェットよりスーツとかタキシードが女の子に人気な理由も、男性の体型が見えやすいからじゃないかな」
🌸「よくいう、逆三角形? 肩が広いと人気みたいな」
🕷️「それそれ! マッチョも行き過ぎると駄目って子も多いよね、それでも肩幅あって腰が細いのは王道みたいだよね」
🍚「あと腹筋だよね。 バキバキシックスパックみたいなのが苦手な子でもうっすら縦線入ってるほうがいいって妻が言ってた」
『んー』
🌸「どしたのブルトレさん、シャツまくって腹撫ちゃって」
🌻「マスターさんは結構鍛えられてる感じですよね。 筋肉質じゃないけど締まった無駄のない身体って感じで」
『あー俺、昔陸上やってたんで』
345 :
あなた
2025/04/27 11:59:23
ID:GZdQk8zpz.
🕷️「10年ぐらい前だっけ? 当時直接見たことはないけどビーチフラッグスの大会ででウマミミに勝って優勝したヒトミミがいたって話題になったよね」
🌸「うぇあ!?マジ? それブルトレさんなの?」
『ええ、まあ。超短距離だとヒトミミにもチャンスあるんスよね』
🕷️「勿体ないよねえ、そんなヒトミミのスターだったんなら色々言われたんじゃないの?」
🌻「……」
『……母も父も陸上関係の人でね、すっごい転落人生でしたよ――こう、上から下へ、すとーんって。 キツいもんですよ、自分を見る目がまったく変わるんです。 どうでもいい他人どころか、自分らに恥をかかせた敵をを見るような目に
まあ、世の中の親が全員そうじゃないのはわかるんスけど――やっぱ自分の価値や居場所をなくすような故障は、しちゃだめだなって』
🕷️「ミホノブルボンくんかあ、ほんとよく頑張ったよねえ」
『ええ、あいつは本当に故障もせず頑張ってくれました。 あんなに頑張ったやつはホントいないですよね』
🕷️「いやいやそうじゃなくて――君が本当によく頑張ったんだよ」
346 :
トレーナー君
2025/04/27 12:19:21
ID:GZdQk8zpz.
🕷️「私もヒトミミの陸上上がりでトレーナーになったからあの時期に結構盛り上がったのは知ってるよ。
ヒトミミの男女日本記録保持者同士の結婚で妊娠前から子供に注目がされるような話だったんだ。」
🌸「そんなに凄かったんですか? ブルトレさんのご両親って」
🕷️「すごいなんてもんじゃあない、ヒトミミじゃ世界陸上のファイナリスト同士の結婚だったんだ。
URAやウマミミの競技の影響でヒトミミの陸上って全然注目されないけど、関係者からしたら夢のカップルだった。 実際その子供は正式な陸上じゃなかったとはいえ、ウマミミもいた競技で優勝だよ? ヒトミミの関係者の興奮と期待はすごかったよ」
🕷️「――そんな君がだ、陸上でもずっと努力してきただろうにそれを断たれてもトレーナーになれるって凄い事だよ。
そりゃ今まで実績がなかったけど理論を重ねてベテラン以上の運動学理論をもってる。 実際坂路トレーニングの効果はブルボンの登場以来多くのウマ娘が証明してる。 実際うちも坂路頑張ってもらってるよ。
胸を張って良い――君は、本当にずっと、ずっと頑張ってる」
『………うす、あざます』
347 :
アナタ
2025/04/27 12:30:23
ID:GZdQk8zpz.
🍚「あっはっは、照れるもんだよねこういうの。 でもマチタントレって実は結構熱血なんだよ。 タンホイザにはあんまし見せないけどね」
🕷️「あの子は熱血、努力、勝利!みたいなのじゃなくてマイペースに普通にって言いながら凄いことしちゃう子だからね。 私が興奮してあれこれ言うことじゃないよ。 あの子の"普通"は絶対普通じゃないからね。」
🍚「…ライスシャワーは、ようやく次の菊花賞は滑り込みじゃない。 最近は調子もいいからね、春に我慢して本当によかった。 ダービーであの子が2着になったとき、年甲斐もなく泣いちゃったからね
――次は、3000Mだ。 確実にライスの適性は高いよ。 勝たせて貰う」
『……ずいぶん熱血じゃないスか、"おじさま"』
🍚「ライスが慕ってくれてる分、最後の冠ぐらいはあげないとね…素敵なおじさまにはなれないだろ?」
🕷️「おおう、怖い怖い。 まあうちも2400Mよりは3000Mの方が良いかな。 ダービーより確実に強くなってるし――別に菊花賞は君たちのマッチレースじゃないよ。」
🌸「うおぅ、結構バッチバチだあ」
🌻「でも――エリ女が終わったらその先は、フラワーはバクシンオーさんと競うんですよね」
🌸「あ、やっぱ中距離はキツいですかニシノフラワー」
🌻「でも勝てないならエリ女だって出さないよ。そのために合宿してるんだしね。 ただ今年はどうしても――クラシックのほうが注目されるよね」
348 :
お兄さま
2025/04/27 12:43:39
ID:GZdQk8zpz.
『実際、他のライバルってどうですかね。
俺実はナリタタイセーとノーザンコンタクトは合宿呼ぼうと思ってたんスよ』
🕷️「ああ……ダービーは惨敗だったけど皐月賞2着 NHKマイル1着だもんな。 菊花賞回避?」
🍚「明らかに2400以降は脚が悪いってさ、回避回避。 それにしてもノーザンコンタクト? スプリングSでもあまりパっとしなかったじゃない」
『あの子は明らかに2000M以上向きでしょ。 スプリングは明らか運が悪くて埋もれたし、その後マイル転向で揉めたらしくて――トレーナー契約解除してレースでてないらしいッス』
🌸「……お、俺の短距離転向は、バクシンオーの短距離転向は間違ってないよね? よね?」
🌻「いやあ、スプリングSでの負け方が違うから……バクシンオーは短距離向いてますよ」
🕷️「今年はクラシック回避の傾向強いんだよね。 夏の上がりウマ娘も中距離やマイル、あるいはG2開催に焦点あててる。 ちょっと傲慢だけどヤマニンキセキやノーザンコンタクトがこないならそれこそライスシャワーとうちのタンホイザとかしかミホノブルボンを止められないんじゃないのかな」
🍚「――一人いるよ、結構強そうなの」
349 :
トレーナー君
2025/04/27 13:05:41
ID:GZdQk8zpz.
――コーエイボーガン
1400Mのメイクデビュー以来1勝クラスで苦戦してたが契約トレーナーが不慮の事故で契約を現トレーナーに依願譲渡。 堅実なチームトレーナーではなく自由性を重んじるトレーナーの元で、レースも自由にやらせたところ
とハナを取り合う逃げに転向したところ強烈なスピードある逃げで連勝
夏にはG3まで三連勝で奪取
――私も
――ミホノブルボンさんみたいになりたい
🍚「動画ありますよ、ほら」
『……良いスタートしますね。 スタートというか出た直後の加速とか――これブルボンのスタートと同じ走法じゃん。よくこんな加速真似できたな』
🕷️「たしかに思い切りのいいレースだしこのスピードは脅威ですねえ
――でも、マイルまででしょう?」
🍚「まあ、スタミナは未知数ですね。 ただねえ、…欲しくないですかマチタントレさん」
――菊花賞でミホノブルボンの前走る逃げウマ
『………』
🕷️「あーあーあーなるほどそりゃ欲しい滅茶苦茶欲しい。」
『こンのタヌキども……』
🍚「いやあ、ライバルが増えるのは勘弁願いたいけどね、この子にはぜひとも頑張ってほしいねえ――妥当ブルボンのためにね」
🕷️「大丈夫だよおブルトレくうん、タヌキは本人の前でこんな話しないよお」
『くそっ、このオヤジども!』
🌻「あはは、でもさマスターくんって普段結構激しい気性なのに結構礼儀ただしいよね。 ボクみたいなのでもずっと敬語だし」
🌸「そういや俺にもちゃんと先輩扱いして敬ってくれるよなー良い後輩だようんうん。 口が悪いだの粗暴だのって評価あるけど」
🕷️「どっちかっていうとむかーしの体育会系だね。 熱血根性系だけど上下関係きっちり学んでるタイプ」
350 :
使い魔
2025/04/27 13:31:26
ID:GZdQk8zpz.
🌻「実際さ、菊花賞に望むブルボン陣営からしたらどうなの? ライバルとかそういうの」
『そりゃライスシャワーとマチカネタンホイザですよ。
マチタントレさんには悪いッスけど特にライスシャワーですね。あのダービー2着は結構怖い走りでした。』
🍚「いやでも4バ身差以上の大敗ですよ? いやあウチのライスなんて全然」
『あの直線で最後までブルボンについてきたのはライスシャワーとマチカネタンホイザだけです。 で―――ライスシャワーの方が近かった。 最後まで潰れなかったのも前に居たのではライスシャワーだけです。』
『うちは少なくともライスシャワーのダービーを滑り込み最低人気のおこぼれ2着とは思ってないです。 実力でダービー2着に切り込んできた現時点で最強のライバルです』
🍚「――まいったね、油断してもくれやしない」
🕷️「おいおいおいおいうちも入れておくれよお寂しいよお。 タンホイザちゃんは凄いんだよ? ほんとだよ?」
351 :
マスター
2025/04/27 14:00:15
ID:GZdQk8zpz.
『あ、そうだ。 もう一個皆さんに聞きたいことってあるんスよね――男として』
🌸「お? また男トークですかいいですねいいですね」
🍚「いやあいいねいいね、こういう話女の子の前でしたらもうセクハラだからね」
🕷️「真面目にクビだとか懲戒あるよねえ、世知辛い世知辛い」
『皆さんって――ウマ娘のケツに――興奮します?』
🌻「あー、ま、まあうん。 言いたいことはわからなくはないかな」
🌸「めっちゃ興奮する。正直バレないギリギリでめっちゃ見てる、フトモモとかチチシリとか!」
🕷️「うーん、正直職業病みたいなもんだよね、若い時は結構気にして指導してたけど今もう調子だとか脚の動きだとかしか見てないな。 意識したことすらないかも」
🍚「だよねえ、ブルボンちゃんのお尻ってすっごいなあって口にはするけどえっちな意味じゃないもんね。
でもあの尻はほんとすごいよ訓練と筋肉であんなにごっつくなるものなんだって知ったねえ」
🕷️「わかるわかるぅ、えっちな意味じゃなく指導者として興奮するよねえあれ」
🌸「皆さんってどんなトコがいいんですか? ほらライトハローさんのおっぱいとか、桐生院さんのような爽やか清楚とか」
『そりゃあライトレ先輩はオジサマと呼んでくれるロリじゃないの?』
🍚「私は妻帯者だよ!? 」
352 :
トレーナーさん
2025/04/27 14:07:27
ID:GZdQk8zpz.
🌸「いや実際チチシリフトモモに興奮しないならどこがポイントなのかって気になるじゃないッスか!俺はもうチチシリフトモモ大好きだしバクシンオーみたいなすっきりもライトハローさんみたいなワガママ大盛りボディもだい好きっす!」
🕷️「あっはっは、正直だねえバクトレくんは。」
🍚「私はそうだなあ、清楚というか奥ゆかしい子だなあ。 見た目はあまり気にしないほうでね」
🌻「僕も大人しかったり、でもちょっと芯があって一生懸命な」
🌸「はいはいニシノフラワーちゃん乙」
🌻「ちがいますよお! そうじゃなくて」
『実際、ニシトレ先輩ってフラワーちゃんとどこまでいったんですか?
付き合ってんでしょ? 一応トレーナーも学園も見て見ぬふりっすけど』
🌻「ええええええっ!?バレてるの!?」
🍚「バレてないと思ったの!?まずは最初に」
353 :
ダンナ
2025/04/27 14:22:45
ID:GZdQk8zpz.
……………
―――えええええっ!?
🕷️「いやあそれは駄目なんじゃないかなフラトレくん」
🌸「あーあ、ついにトレセン学園から犯罪者が」
『いやでも同意の場合って情状酌量とか減刑ってあるんですかね』
🍚「そりゃあニシノフラワーくんに頭あがらないよねえ」
🌻「まってくださいよ! 僕から誘ったり襲ったりしてないですよ!?」
『最近の女の子って肉食ですよね、でも犯罪になるのはトレーナーですよ先輩』
🌻「やめてよ!? いやほんとやめてよ!?」
🌸「でも実際理不尽スよね、だって担当側は性的知識もあるし性徴も迎えてて彼女ら自身に男性への性欲とかあってヒトミミはウマミミに勝てないのにそれで男が罰せられるって」
🍚「なんというか少女は清らかなものでそういう不純な事を考えてないっていう前提はあるよねえ、あと指導者、聖職者とよばれる人らを人間扱いしてない。
欲は人間にはあるようんうん」
『あきらめましょう、100%男に非がなくても事がおこったらそれは浮気なんですよ先輩がた』
🕷️「まって我々はまだ間違いおかしてないよ?」
🍚「そうだよ、それいったらこの中でニシトレの次にでっかい矢印をむけられてそうなのはブルトレ君じゃないか!」
354 :
お姉ちゃん
2025/04/27 15:38:34
ID:GZdQk8zpz.
『いや、実際問題起きたらブルボンの三冠も消えるんスよ? 俺だってトレーナー人生終わるし手出せるわけないでしょ?』
🌸「でもさ、実際どうなの?ブルボンちゃんの事、好み好み?」
『はあ、なに言ってんスか――めちゃくちゃ好みに決まってるでしょ?』
🌻「あ、やっぱりそうなんだ」
🕷️「でもさっき、お尻は興奮しないよねって話してなかったっけか」
『いやブルボンのケツは凄いけどそれは競争としてやっぱすげえなって思いますよ、逆にソッチの意味で興奮はしないんですが』
🌻「好みのタイプなんだ」
『めちゃ好みっすね。 腰細いのも好きだし胸大きいし。 小柄で可愛い少女ってよりちょっと美人ぽいナイスバディのほうが好きなんすよね。
しかも――グイグイくるでしょ? 実はああいうのが好きなんスよね』
🍚「うわあ、好みドストライクじゃんブルトレ君」
『そうなんすよ! なのに絶対手を出しちゃいけない対象なんですよ?
それなのにあんなにグイグイくるんですよ? 間違い犯す前に俺夜逃げしようと思ったことありますよ?』
🌸「ぶはは、いいじゃん手出しちゃって。 俺も3600M走るまでずっと面倒見るって言ってもうシちゃいましたし」
🍚🌻🕷️『え』
355 :
トレーナー
2025/04/27 15:49:56
ID:GZdQk8zpz.
『え、ちょっとまってバクトレ先輩アンタも担当に手をだしたの!?』
🌻「い、言っとくけど僕は自分から出してないからね実質襲われてるようなもんだからね!?」
🕷️「あのね、さすがに自発的にはやばいよおバクトレくん。」
🌸「え? え? だってダストレもロレトレもフジトレも」
『あーあーあーあー学園の治安も風紀もめちゃくちゃだよ』
🍚「私ら妻子持ちでよかったねえ」🕷️「ええまったくまったく」
🌸「でもさ、そのブルボンちゃん――三冠にお熱なライトハローさんいるじゃん? ブルトレ君的にどうなのよ、酒呑みだけど」
🌻「あー、おっぱい好きだとかならライトハローさんって結構好みなんじゃない?」
『あー、それは、その…正直めっちゃ好みです。
ライトハローさんって身体じゃなく雰囲気とか柔らかいでしょ?おっとりというか包容力ありそうな。 』
356 :
トレーナーさん
2025/04/27 16:08:44
ID:GZdQk8zpz.
正直めっちゃ好みです
正直めっちゃ好みです
正直めっちゃ好みです
――正直、めっちゃ、好み、です
🍚「ブ、ブ、ブルボンさん気をたしかに持って」
🕷️「だめだよ大声だしちゃ、バレるよ!?」
🤖「…………………」
🌻「これはだめです、一度部屋に撤退しましょう」
🌸「バクシンてき撤退、バクシン的撤退、後ろへバクシンですよ」
🕷️「ま、まああれだよ。 ブルボンさんが滅茶苦茶好みってのも事実なんだよ?」
🍚「そ、そうだよマスターさんにとってはブルボンさんもそういう対象なんだよ?」
🌸「はっはっは、レースというのは先にゴールしたものの勝ちです! ようこそヴィクトリー倶楽部へ!」
🌻「うーん、これはちょっと急がないと横からかっさわれますね。
もう少し見ていたかったのですが」
🕷️「でもさ、そもそもライトハローさんがブルトレさんを狙ってるかどうかはわからないんでしょ?」
🍚「! そ、そうだよ、ライトハローさんの好みとかもあるよ!!」
🌻「……確かにトレーナーさんやマスターさんのように小柄で可愛いのが好きなウマ娘って多数派ではないかも」
🤖「まだ――私は逃げ切れますか? 教えて下さい恋愛マスター」
🌻「良いですかブルボンさん、ライトハローさんがアタックをかけてる気配はありません。 今のうちにアピールを誘惑にするんです。」
🌸「先に結ばれてしまえばこちらのものです! 恋はスプリント! 1200Mで勝ってしまえば2400も3600も浮気になってしまうんですよ!」
🤖「承知しました。アピールのギアを2段階引き上げ。 マスターを誘惑します。」
🕷️「がんばってねブルボンさん」
357 :
トレーナーちゃん
2025/04/27 16:24:04
ID:GZdQk8zpz.
合宿初日
『自由行動ッ!!』
🌻🕷️🌸🍚「へ?」
『遊んでいいぞ、ただし部屋でゴロゴロ禁止。
海で泳ぐ、砂浜で鬼ごっこ、ビーチフラッグス、ビーチバレー、なにしてもよし!
初日はレース疲労を抜きつつ各自砂浜と海に慣れること!』
🕷️「あれ意外とブルトレさん話がわかる系ですか?」
🌸「今日から吐くまでマラソンとか思ってたんですがびっくりですね」
🍚「ほんとだよ、マスターさんは竹刀を振り回しつつ原付で追いかけ回す系トレーナーだと思ってた」
🌻「あら♪ じゃあトレーナーさんあっちの岩場で泳ぎ方のトレーニングしてください♪」
『お前らの望む通り竹刀で追いかけ回してもいいぞーやってやろうかー?
シンプルに明日以降曇りが増える。 なら日光の強い今日は休養にあてたほうがいい。なので海で青春できるのは今日までとおもって全力で遊べ。
その代わりゴロゴロすればその分自分のスタミナも競争能力も落ちると思え、いいな、遊び方ぐらい考えろよ
他のトレーナーにはお前らの行動に一切口出ししないように言ってるが注意監視はしてもらってるからな』
🤖「あの、マスター」
『ブルボンは今日は俺と一緒だ、こい』
🤖「と、いうと」
『まだしてねえだろ、親父さんへのご挨拶。 お前ダービーウマ娘なのに実家に凱旋してないんだぞ』
358 :
アンタ
2025/04/27 16:41:17
ID:GZdQk8zpz.
『電話でも言ってなかったのか。 お前のお父さん、ダービー見に来てたんだぞ。 色んな理由があって控室にもいかなかったし、レース後も会おうとしなかったけど。』
そんな事を耳にしながら、実家に戻る間
とてもとてもふわふわした不思議なステータスで車に揺られていた
父の事は尊敬している、愛している。
そんな父の話す三冠の話がずっと頭から離れなくて、自分も三冠を獲りたいと思ってた。 紆余曲折あって自分はマスターに出会い本当にダービーまで無敗のまま2冠ウマ娘になった。
ダービーというクラシック最大のレースを勝った
でも
すべてが幸せ過ぎて、その実感がどうしてもない
大坂路での苦しいトレーニング、それで強くなっていく実感
マスターは優しくて、いつも褒めてくれる
大好きな人と一緒にトレーニングが出来て、今はクラスメイトとも話ができて
ニシノフラワーさんやライスシャワーさんたち――親友ができて
毎日が、すべてが幸せ過ぎて
ダービーを獲ったのも、なにかの間違いじゃないかと思って
どれに自分が嬉しいのかもわからない
『ごきげんだな、ブルボン』
「……マスターには、そう見えますか?」
『ああ、耳とか、表情とか、色々な。 最近のお前はなんか幸せそうだ。
最初の頃の三冠ばかり言ってた頃とは違う。 レースで勝ててるかどうかじゃなく、毎日が充実してそうだ』
「はい」
「私は――マスターのおかげで、一番幸せです」
359 :
大将
2025/04/27 17:05:46
ID:GZdQk8zpz.
ブルボンの実家につくと、畳のしきつめられた大広間に通される。
親族会議にも使われそうな大きな和室
その中央で、ブルボン父は深く深く頭をさげた。
まるで土下座のように、しかし感謝を伝えるためにまっすぐと背をのばしたまま
「本当に、娘をここまで育てて頂いたこと、心から感謝します。 日本最高のトレーナーに娘を預けたこと、一生の自慢に出来ます。」
『頭を上げてください。 本当は無茶なトレーニングで骨膜炎の発熱が起きた時にここに頭を下げに来るべきだった事です。
――ですが、ダービーまでは――穫れました』
「本当に――娘が、三冠を。 ……ブルボン」
「はい、お父さん」
正座したままのブルボンに、膝立ちのまま近寄る。
「本当は、三冠を穫るまではと思ったが」
ぎゅう、とブルボンを抱きしめ、優しく頭を撫でる。 感極まってるのか、父の声も背中も少し震えていて
「よくやった、よく頑張ったなあブルボン――小さい頃からずっと山でハードなトレーニングをして、学園でもあんな立派な大坂路で頑張って
ほんとうによくやった、よく、やった」
「お父さん……お父さん、頑張りました、苦しい時も、頑張りました。
2400Mにスタミナがたりないかもって、苦しかった時も、頑張りました。」
親子の抱擁を邪魔するのもあれだ、自分はこのままお暇してもいい。
それを止めたのはブルボン父だった。
――ぜひ、ブルボンの話をトレーナーである貴方から聞きたい
360 :
トレーナー
2025/04/27 17:09:46
ID:GZdQk8zpz.
「前に持ち帰って頂いたバーボンは、飲んで頂けましたか?」
『ああ、はい。 とても美味しいモノでした』
「ああ、よかった。 バーボンもイケるほうでしたか。
これも年代物でしてね――お気に入りの17年モノなんですよ。 一杯いかがですか」
『ああ、 これはどうも。 んく……うわこれすご、アルコールじゃなくて薫香とかタルの香りがこう、素人の俺にもわかる』
「ははは、それは良かった。
――ところでマスターさん、今日は車でしたね?
『……え?』
――あ
――ブルボンの父親が笑った気がした
――以前ミホノブルボンが見せたような、肉食獣――捕食者の笑みを思い出した
――いやあ、飲酒運転はまずいでしょう? 三冠目前の大事な娘だ
――今日はここに泊まっていくといいですよ。
――娘も貴方をとても気にいってるようだし、なんならここに布団を二式並べて親子のように寝ても良い
――おっと、しかし私は夜は自治会の夕食会だ、もしかしたら帰れないかもしれないなあ
361 :
ダンナ
2025/04/27 17:29:57
ID:GZdQk8zpz.
『……あの、お父さん』
「ははは、貴方のような立派な男性にお義父さんと呼ばれるとは人生なにがあるかわからないな。 娘を今後ともよろしく頼みます。」
バーボンを舐めつつ、ご機嫌なブルボン父に酌をする。
しかしトレーナーには分かっている。 このブルボン父の視線はトレーナーを逃すつもりはない。 今日は絶対にここに泊めるつもりだ。
『あの、町内会でしたっけ自治会でしたっけ? 早めに帰ってきていただいて今日は親子水入らずであの広間で布団を並べては如何ですか? 』
「……おや? なかなかないですよ父親公認の同衾など」
『同衾しますといってないですが!? というか親公認でそういうことを許可しないで!? ブルボンさん高校生ですよわかってますかねえブルボンのお父さん!?』
「では、ちょっと考えを変えてくださいトレーナーさん
ミホノブルボンは今やURA、ウマ娘界を代表するウマ娘になりました。 今のままでも最優秀クラシックウマ娘は勿論、年度代表ウマ娘に選ばれてもなんら不思議じゃない。」
『いや――まあ正直そうですが』
「勿論、私は貴方とブルボンを信じてます。 菊花賞も穫れば――史上初の無敗の"四冠"ウマ娘だ。 ブルボンが夢見た三冠の夢すら超えるURA史上に永遠に残る偉業です――同時にそれは、大事な娘に大きな問題が起こる事になる」
『――大きな、問題?』
「はい、 ミホノブルボン――娘に沢山の有象無象のどこの牛の骨とも知れぬ男が接触するかも知れないということです」
362 :
トレーナーさま
2025/04/27 17:53:31
ID:GZdQk8zpz.
「親ばかなようですがブルボンは可愛く育った。 親が言う話じゃないですが体格だって良い。 容姿も知名度も実績もあるウマ娘なのだから悪い虫もつくし取材などで関係者との接点も増える。
父親ってのはね、こういう事にとても心配になるんですよ」
『ま、まあ気持ちは分かるんですが、俺――いや私だってミホノブルボンと出会うまでは底辺トレーナーですよ? 重賞どころかOP実績すら殆ど無いトレーナーです』
「いやいや、ブルボンはジュニアの頃から貴方に好意を抱いていた。
娘を溺愛する父親が、「お父さんみたい」だと言う相手を拒否なんかできませんよ。 それに――まあ、父親が言うのも恥ずかしい話ですが、ブルボンのアプローチをずっとかわし続けてるそうじゃないですか。
貴方は遊び気分どころか、一時の過ちでブルボンに手を出すような男じゃない」
「父親として、そんな男に娘を任せたら安心だと思うのは当然でしょう?
気に入っただけで17年もののバーボンを差し上げるほど私だって耄碌しちゃいない」
363 :
マスター
2025/04/27 18:11:33
ID:GZdQk8zpz.
「まあ、まあ、ここからは父とかトレーナーとかではなく男同士の酒として呑みましょう。 なんなら割るための炭酸水をもってきましょうか? ここは海がすぐそばだし魚も美味しいんですよ」
『あ、ども……』
「実際ねえ、脚一本とはいえ担当の脚一本くださいなんて挨拶をしにくるトレーナーなんかいやしない。 ウマ娘に故障なんかつきものだよ、レースの故障で一生あるけなくなっても病院で頭を下げて終わりだってある。
こうして脚一本預けてくださりありがとうございましたなんて挨拶なんかしやしない。
毎日毎日親ばかな父親のためにLaneでトレーニングとか調子とか報告しない。
それがただ単に――娘さんは今日も大丈夫です、怪我してません。
たったこれだけのために、毎日毎日、私を安心させるためだけにLaneを送ってくれる――娘を任せるのには十分だよ。」
『あー……あのですね。俺はそんな立派な人間じゃないし
――結婚とかそういうの、しにくいんですよね。 』
「……娘は好みじゃないかな? それとも、すでに婚約者が?」
『いやいやそうじゃないんですよ。 娘さん――ミホノブルボンはとても可愛いし好みですよ、お父さんが自慢するのもわかる。 あんな女性が年齢とかそういう問題なく付き合えたら人生バラ色でしょうね。』
「……じゃあ、いいじゃないですか。 娘も望んでる」
『いや……うーん。 俺、結構特殊な両親でして。 この"義足"、結構いいやつなんですよ。普通に無保険ならなんと4桁万円だそうです。すごいですよね』
『これが――俺の両親からの手切れ金でしてね』
364 :
トレ公
2025/04/27 18:30:56
ID:GZdQk8zpz.
『陸上にプライド持ちすぎたせいでね、脚の無い息子――ってのが認められなかったんでしょうね。 両親が家に帰ってこなくなって、ハウスキーパーさんが毎日くるようになった。
ああ、お父さんもお母さんも忙しいんだなと思っていたら別の家に住んでいた。
知ったときにはビビりましたよ、自分の子供を、なくなった脚を、見ていられなくなって別の家に行きます?』
「そんな事は、なんの問題も――君は君だし、ブルボンはブルボンだろう」
『わかんないんスよね、お父さんの気持ち、お母さんの気持ち
家族愛に満ちた関係とか――結婚の時は親族が集まるんだろうなとか。
でも、俺んとこ親族すらこないでしょ?』
『――そんなの、ミホノブルボンやお父さんの結婚式で恥かかせちゃいけないじゃないスか?
あと、そんなんだから明るく楽しい家族とか想像もできやしない。
――そんなの知らない俺のせいで、ブルボンや子供を不幸にしちゃいけないんでね』
「――怖いのか、"知らない"から」
『ええ、怖いです。 そこまで行ったら人生全部おじゃんです。
貴方に土下座しても頭残して砂浜に埋められても文句言えません。
間違いがあっちゃいけないことでしょ』
365 :
ダンナ
2025/04/27 18:42:47
ID:GZdQk8zpz.
「ふう……確かに"知らない"事は怖いな。」
目をつぶり、深く息をつく。
「私にも妻にも両親がいる。 いわゆる"普通"の家柄だ。 だから娘や家庭に普通だとかそんなことを考えたこともなかったよ。
結婚式に親族がこないのならこの家で小さな式だけあげればいい。
妻だってそんな事を気にする女じゃあない。
だが――君にとって重要なのはソコじゃないんだろうな」
嗚呼、そうか、と小さく呟いて、ブルボン父はバーボンを一気に煽った。
「真面目だな、君は。 いいじゃないか」
――いいじゃないか、遊びでつきあってしまえば
『は?』
「かまわん、父親の私が許す。 遊びで付き合ってしまいなさい」
366 :
トレーナーさん
2025/04/27 18:57:44
ID:GZdQk8zpz.
『何いってんですかお父さん。 もしかして泥酔してます?
娘が悪い男に捕まりたくないから俺とくっつけたいって話でしたよね?』
「何言ってるんだ、最初の一人目の彼氏彼女と結婚すると世の中きまっちゃいないよ。 むしろ君は責任を取ることまで考えてる。
私は君の心情まではわからない、ただ君が怯えてる事を、怖がってる事を
――失った右足以上に辛い喪失を軽んじるつもりもない。」
「だからね、ブルボンは今こんな彼氏と付き合ってるんだな
ぐらいでいいんだよ
結婚までしろ、責任をとれとか言わない。 だから娘と付き合いたいなら付き合ってしまいなさい。
――今日は帰らないから、父親公認で遊べるなんて名誉、早々ないぞ?」
『やっぱ酔ってますよね?』
「ああ、君と飲む酒は美味しい。 こんな気持ちの良い酔い方ははじめてだ」
367 :
相棒
2025/04/27 19:29:05
ID:GZdQk8zpz.
――くそ、くそっくそっくそっ
ブルボン父はよっぱらい顔で自治会の夕食会に向かった。
『あほがっ! 本当にっ! 年頃のっ!娘を放置して! 男を! 泊めさせる奴がッ!いるかああああああっ!!』
🤖「マスター、諦めてください。 父もウマ娘を嫁にしたトレーナーです
諦めて夜の新潟記念です、マスター」
『くそっ! ぜってえしねえかんな! 俺はトレセン学園トレーナーだぞ!』
🤖「トレーナーはウマ娘と結ばれるものなのです。 父も出かける前言ってました、マスターになら脚一本どころか17年モノの娘を渡して良いと」
『ああああああっ、バーボンじゃねえんだぞ娘はっ!』
広間――夜
🤖「質問ですマスター」
『なんですかミホノブルボンさん』
🤖「もしかしてマスターは特殊技能:男色 なのでしょうか?
同じ屋根の下ウマミミと布団を並べ二人きり。 しかも親の了承済です
ステータス:据え膳 ですマスター」
『耐ーえーてーるーにー決まってんだろ! ああもうめんどくせーからハッキリ言うけどお前の事をそういう風にみたいに決まってんだろ好みだし美人だし俺のこと好きだし!彼女居ない歴年齢の俺からしたらそりゃ好きになっちゃうでしょうよおおおお!!』
🤖「つまり何も問題ありませんマスター」
『耐えてるって言ったでしょお? 俺は一度の間違いでそれが当たり前のように毎日ウイニングライブとかになりたくないの!』
🤖「?? 男性はそんなことよりうまぴょいじゃないのですか」
『うまぴょいっていうな』
368 :
トレーナー
2025/04/27 19:39:22
ID:GZdQk8zpz.
🤖「そんな事よりマスター」
『最近君ロボットエミュ抜けてきてないか?』
🤖「……質問します、マスター。 先程の会話にあった好み、というのは」
『あーもー何回か話したじゃん! ブルボンは美人だしおっぱい大きいし腰ほっそいしなんつーかこういい匂いするし、そういう間違いが起こるよって事!
でも我慢してるし我慢しなきゃいけないの!
一回言ったけど卒業してそれでも気持ちが変わってなきゃにしようよ
あーもうなんで男が一生懸命ブレーキかけてんのこのポンコツ超特急』
🤖「……つまり、マスターが我慢できなくなったら喜んでということですね、承知しました。
ですが、マスターを強制的に逆ぴょいをするとマスターにバッドステータス:トラウマがつき最悪機能不全に陥る可能性があります」
『ねえええ君17歳でしょ? もうちょっと言葉を選ぼうよ生々しいよ』
🤖「なので、直接の強制は却下。 マスターが求めていただけるようモード:誘惑に移行します。」
『あの、ブルボンさん布団寄せないで近い近い近いって』
🤖「……一緒に睡眠を取るのですから、手をつなぐぐらいは許されると思います、マスター。 これは不純行為ではありません。」
『あー、はい……あのね、ブルボンさん。』
🤖「なんでしょうか、マスター」
『あのね、さっきのは嘘じゃないんスよ。 魅力がないとかそんなのじゃないから、傷ついたりしないでね。 今だってこう、めっちゃいい匂いして――そのね』
🤖「――マスター」
がばっ
『まって、ねえ待って待って待って、言ったじゃないか、強制はしないって言ったじゃないか』
🤖「マスターが悪いんです、マスターが、マスターが悪いんです」
369 :
モルモット君
2025/04/27 19:48:58
ID:GZdQk8zpz.
だそく
🌻「うわあ、ブルトレ君そんなことになってたんだ」
🕷️「……で、大丈夫だったの?」
『ええ、まあ……捕まる行為とかR18になる行為はなんとか………』
🍚「それもそれで鋼の意思すごいね君も」
🤖「マスターのフケウマ回避スキルは金スキル以上でした」
🌻「惜しかったですね♪ブルボンさん♪」
🕷️「そんなビッグチャンスでもノってくれないならもう流石に卒業まで無理じゃない?」
🍚「ら、ライスは実はBL趣味のブルトレさんが左のブルトレXニシトレでも良いと思うよ!」
🌸「はっはっは!いやしかし強敵ですねブルトレさんは! 真面目にそんな事だと合法のライトハローさん次第で差される可能性が出てきますよ」
🤖「………どうしましょう、フラワーさん」
🌻「大丈夫ですブルボンさん! 最近ウマスタのサブスクチャンネル限定でよさそうなチャンネルをみつけました! 表は超人気ウマスタグラマーなんですけど裏チャンネルですっごい実用的なの見つけちゃって」
――カワイイカレンチャン~お兄ちゃんも堕とせる誘惑テクニック~
370 :
トレピッピ
2025/04/27 19:49:17
ID:GZdQk8zpz.
ブルボン実家編おしまい
続き明日以降
371 :
お兄ちゃん
2025/04/27 23:10:20
ID:FxUFRH23t2
早くブルボンとズッコンバッコンして欲しい
372 :
貴方
2025/04/28 13:50:01
ID:9CyJPQJDhs
『ほら走れ走れ走れ走れ自分の一番キツい心拍数を維持しろ
ライスシャワー上半身ぶれてるぞ胸はって腕振れ腕!!』
メガホン片手に山の登り坂をひたすら走らされる。
ゆっくり降りていき止まることなくまた次のアップで全力疾走
🕷️「ぜはー、ぜはー、これ、きつ、きつ、きついっ」
🌸「まけっ、ぜーっ、ぜーっ、ぜーっ、まけ、ませんまけませんバクシンバクシ…ぷぁ、っ!?」
🍚「う、うわあバクシンオーさんが!? バクシンオーさんがあ!?」
🌻「これ、私も限界――かも」
『マチタンとライスはUターンして下りジョグ! 登りはダッシュで帰っていけ!
おいバクシンオーニシノフラワー、大丈夫か?』
🌸「ま、まだ…まだまだバクシン……」
🌻「い、い、い、いけます、いけ……かひゅ」
『よーしよく言った! 歩いていいからUターンして降りてそこでちょっと息の整えろ立ち止まっていいぞ。 降りて1分休憩したらダッシュで登って帰るぞ!』
「うわあ、フラワーもバクシンオーも完全に限界なのにトレーニングしつつ帰らせるんだ……えっぐ」
「太ももやふくらはぎマッサージしつつ痙攣してないからだろうねえ、心拍戻ったらそりゃ走れるけどさあ、ありゃキツいしそれ強要できるトレーナーあんまいないよね」
「こりゃあ心肺にかかる負担も精神的な負担も凄いね、トレーニングに手を抜いたら強くなれない。 一生懸命やればやるほど地獄のように辛い」
「色んな意味で潰れちゃいますよね普通――でも」
「ブルボンちゃーん! あと2本登ったらUターンだって! 同じペースでもどってこいってさー!!」
🤖「了解、ラスト2本後Uターン、同様のトレーニングをこなしつつ帰宅します。」
373 :
貴様
2025/04/28 13:51:31
ID:9CyJPQJDhs
「あの子つらそうな顔一切せずペースも落ちないんだけどどゆこと?」
「サイボーグって言葉がホントに似合うねえ、今はついてくのがやっとだよみんな」
「元からもってるものが違うんじゃなくて、ずっとずっと積み重ねてきたものの差なんだろうね――こりゃ強敵だ。 我々はこの合宿でこの差をうめないといけない」
『ほらほらほら止まるなフラワーバクシン! 下り歩いても良いから脚とめずに動け動け動け!! 出来る範囲で登り切るまでダッシュダッシュダッシュ!』
「いっやー、ブルトレさんにチーフ任せてよかったねえ。 あんなに容赦なく怒鳴れるトレーナーほんと居ないよねえ今。」
「ほんとほんと、合同だと気をつかっちゃうよね、そもそもあんなにいじめ抜け無い。」
「ああいうのだけ見てるとたしかにスパルタ、ハードトレーニングの鬼、壊し屋とか言われちゃうよね、貧乏くじっていうの?」
「あはは、実際こんだけ走っても歩調しっかりしてるしケガとか痛みないのって結構マジックですよね、ブルボンさんが丈夫なのもあるけどそれだけじゃない気もするなあ」
374 :
トレーナーちゃん
2025/04/28 13:59:19
ID:9CyJPQJDhs
『ほら頑張れ頑張れここ下ったら海だ!メシだ! かき氷だ!
よーし砂浜まで最後のダッシュ――いけいけいけ!!』
🌸「かひゅ、かふっ……かひゅっ」
🌻「あう……ぜ、ぜ、ぜ」
『よーーーしよくやったよくやったよくやったよくやった!
バクトレさーん、ニシトレせんぱーい、この子達のマッサージおねがいしまーす。
坂はトモ周りクるんでちゃんとケツまでもんでやってくださーい!』
「え、俺等がケツまでマッサージすんの? セクハラじゃん」
「え、あ、 ふ、フラワーに悪いよそんな」
『なーーーに言ってんですか、きっついきっついトレーニングしてからマッサージと担当を褒めちぎってトレーニングの疲れと疲労を抜くのはトレーナーの仕事!
ちょうどサンオイル塗ってあげながらだと滑りもいいですから
はいはいはいはいここからはトレーナーが頑張る番!』
🍚「うひゃあ、天国だよ。おじさまにライスのお尻揉まれちゃってるよお、こんなのライス結婚するしかないよお」
「あっはっは、私が20年若くて妻がいなかったらプロポーズしてたねえ」
🕷️「あ"あ"あ"、天国、極楽ぅ……トレーニング後のマッサージっていいですねえ」
「この、ぐらいだったら、帰ってからも、ふん、やってあげるよお。」
375 :
お兄ちゃん
2025/04/28 14:04:07
ID:9CyJPQJDhs
『じゃあ俺ブルボン迎えいって最後のダッシュさせてきます』
「うわあ、鬼だ鬼」
「ブルボンちゃんいつもこんな感じなのかねえ」
「いやでもさ、故障しない、やる気落ちないって前提だとミホノブルボンが強いってのは分かる気がするなあ」
🤖「マスター」
『よし、みんながいるトコで前のめりにぶっ倒れるまで燃料使い切るぞ。砂が柔らかいから前のめりにいっていい』
🤖「はい、マスター」
『よーし最後の最後の一本、行けっ! そうだそうだそうだ砂に脚とられるなしっかり下に蹴れらくして前に滑るなダッシュダッシュダッシュ!』
🕷️「……うわ」
🌸「……」
🌻「……ブルボンさん」
🍚「あぅ、…あぅ」
376 :
トレーナー君
2025/04/28 14:15:40
ID:9CyJPQJDhs
「みんなー、BBQ焼けてきたよー取って取って」
「午前がんばった分いっぱい食べてねー」
🍚「うわあ、毎日バーベキューだよ。 こんなの天国だよ。」
🌸「豪勢ですね! トレーニングとバーベキュー!」
🤖「もぐもぐもぐもぐもぐ」
『ブルボン、口拭くからこっち向け。むいむいだむいむい』
🤖「…むいむいむい……もぐもぐもぐもぐ」
🌻「はい、トレーナーさんあーんしてください♪」
🕷️「きついけど、夏の海でBBQみんなで食べれると思うとがんばれますねえ」
「これ俺等が出し合った金と学園の奨励金じゃ絶対足りなくね?」
『あー大丈夫ですよ。 ダービーとか2冠のトレーナー報奨とか最優秀東日本ジュニアのトレーナー奨励金出しますから』
「2冠だからボーナスでるのはわかるけどあれ大した上乗せなくなかった?」
『ええ、多分全部飛ぶと思います』
「マジ? いいのいいの?」
『いいっすよ、正直今ブルボンにかかりっきりだしこれ全部ブルボンのおかげでもらえた金なんで。 ブルボンって友達いなくて困ってたらしいんですよ――ほら、元々無表情に見られて怖がられるタイプだったそうなんですよね』
「あー、淡々としてるしおしゃべりってタイプじゃないもんね。 不機嫌とか怒ってるようにみられて距離置かれるのはわかるかもね。」
『だから今ってニシノフラワーとかライスシャワーがいて、マチカネタンホイザやサクラバクシンオーとこうして合宿で付き合い増やして
――青春、っていうんですかね。 こういうのさせれるなら最高に楽しい合宿にしたいなって』
377 :
マスター
2025/04/28 14:16:05
ID:9CyJPQJDhs
「……うおおお、ブルトレ!お前ホントに良い奴じゃん! よーし分かった俺のフィギュア貯金も出すからもっと肉買おうぜ肉!」
「流石に僕も出すよ。 まだ僕も独り身だしフラワーにいい思い出作ってもらいたいし」
「耳が痛いねえ、おじさんたち妻の許可がいるからねえ。」
「まあでも買い物いってくるぐらいは出来るからね、この体育会系おっさんたちにまかせなさい」
378 :
お兄さま
2025/04/28 14:26:34
ID:9CyJPQJDhs
🌻「あ、あの!ブルトレさん!」
『どうしたニシノフラワー。 しっかり腹一杯にしたか?』
🌻「午後もトレーニングしたいんです!」
🌸「勿論この学級委員長も追加トレーニングに参加しますよ!」
🌻「さっきのアップダウンも私達だけ先にバテちゃいましたし……」
『いいんだぞ、お前らは3000M走るわけでもないんだし』
🌻「ち、違うんです。 そうじゃなくて……これはレースじゃないし競争じゃないですけど――みんなと同じだけできないのは……悔しくて」
🌸「――私はスプリングSでクラシック路線を諦めました。 ですが、この合宿まで諦めたくないんです、皆さんと同じぐらいの、トレーニングはしたい。 バクシン的トレーニングを、したいです」
『……ふーむ、よし
バクトレさーん! ニシトレさーん! マチタントレさーん! ライトレさーん!』
🍚「トレーナーとペアで泳ぐんですか?」
🕷️「いやあ、いいですねいいですね。 まさかトレーナーさんと合法アバンチュールとは」
🌸「まってくださいブルトレさん!バクシン的追加トレーニングは!?」
『これもトレーニングだ。 今日はこれ以上は正直走らせたくない、結構な量の負荷が脚の骨や靭帯に掛かってるからな。
なので身体を海水でクールダウンさせつつ全身運動有酸素運動!
安全性をトレーナーに付き添って貰って泳ぐ。 浮き輪ライフジャケットを使っても良い、各自海で動き回ってしっかり心臓を虐めつつ遊ぶ』
🌻「トレーナーさん、ちゃんと両手もっててくださいね」
「うんうん、ゆっくり大きくバタ足。脚とめないよとめないよ頑張って」
379 :
トレーナー君
2025/04/28 14:42:07
ID:9CyJPQJDhs
🤖「マスター…私は」
『あ? お前も泳ぐぞ。俺もいく』
🤖「しかし、マスターの義足は海水の耐性が」
『そこでこれだ。 意外と重い巨大ゴムボート! 俺はこれ乗るから――引っ張ってくれるなブルボン。』
🤖「――はい、マスター。 ミッション:マスターを海で泳がせる。遂行します」
『よーしブルボンロボ発進だ!』
海
『そうだ、ゴムボートのローブ掴みつつ泳いで押すんだ。』
🤖「マスター」
『どうした? 今日はもうオフ同然だからゆっくり休んでもいいぞ。 ボートのるか?』
🤖「いえ、違います。 合宿は、ステータス:楽しい ばかりで不安になります。」
『なんだどうした、楽しいのに不安って何か心配事あるのか。』
「否定します。 私が知らない:楽しい:ばかりで、ステータスはハイテンションなのに、本当にこれは良いのかと心理的なエラーを抱えてしまいます」
『あー、うーん……まあ、わからんでもない。
ちょっとブルボン、休憩してボート乗れるか? 俺逆側体重かけるから。』
『いやあ、なんか青春だな。 ブルボンとこうして海で一緒にゴムボートなんかのって揺られてさ
――水着、競泳水着っぽいワンピースかなって思ってたんだ。 ほらお前の勝負服みたいな。 ビキニなんだな、似合ってる似合ってる。』
「…………本当ですか?」
『ああ、俺あんま水着萌えじゃないって言ったけど、今日はできるだけお前の胸元とかみないように気をつけてるもん。』
「……気に、なりますか?」
『……まあ、うん。
俺もさ、ダービーぐらいから結構ふわふわしてんだよ。 現実味ないっていうかさ。
だって、無敗の2冠ウマ娘でダービー圧勝じゃん? 一躍URAの主役じゃん?
そんなすげーウマ娘のトレーナーなんてさ、全然実感ねーんだよ』
380 :
お姉さま
2025/04/28 14:42:57
ID:9CyJPQJDhs
「マスターは、凄い人です。 私をダービーウマ娘にしてくれました。
スピードステータスも一流ではない、短距離でも一流でもない。そんなウマ娘を無敗の2冠にしてくれました。
マスターがいなかったら私はどうなってたかもわかりません。 学園に残ってたのかどうかも分かりません。」
『俺はお前に出会ってなかったら、一生あそこで土いじりしてたと思う。
土弄ってなんとか形だけの大坂路作ってさ、でもあれを登りきってトレーニングできるやつも、したいやつもいなくてさ
きっと専属担当もいないワンポイントの駆け込み寺をしてたんだと思う』
『俺はお前に出会えてほんと幸せだよ。
こんなに幸せな運命って、トレセンのトレーナーでも俺以外にいるのかなって感じ。 』
381 :
トレピッピ
2025/04/28 14:50:17
ID:9CyJPQJDhs
『しかもお前めちゃくちゃ美人じゃん? ウマミミって美人多いしスタイルいい子圧倒的に多いんだろうけどブルボンはその中でもめちゃ美人だろ?
そんなブルボンが俺のこと好き好きっていってくれるんだぞ?
トレーナーとしても一人の男としても急に幸せになりすぎてさ、全然実感ないんだわ。 こう――なろう系で急に人生バラ色になったらこんな気持ちになるのかなって
ありがとな、ブルボン。 お前のおかげで俺は今最高にしあわせだ。 でもふわふわは一緒だな、俺も実感なんかない。』
「マスター、好きです。 三冠の夢もですが――今はマスターのために、頑張りたいです。 マスターの作った脚は、ミホノブルボンはこんなに凄いんだと、証明したい。
毎日楽しくて、友達もできて、大好きな人と毎日をすごして
マスター、これは夢じゃないんですか?
実は目が覚めたら――私はジュニア級の、メイクデビューの前で、でも大坂路もマスターもいなくて。 私はただの短距離ウマ娘だったという結末は、ないですか?」
『ない
お前の頑張りも努力も根性も夢なんかじゃない』
382 :
お兄ちゃん
2025/04/28 14:54:08
ID:9CyJPQJDhs
『まあ、そうだな。 確かに夢で、目が覚めたらなーんもなかった。ってのは、わかるわ。 ありゃあ、嫌な気分になる。
なあ、ブルボン――今でもお話で、眠るお姫様は王子様のキスで目覚める、ってのはよく聞く話か?』
「――はい、よく聞く話です。」
『そっか、ブルボン。ちょっとごめんな』
――
――――
「――マスター」
『今は口同士でのキスはできないから、コレで勘弁な
――どうだ? 一応はお前の大好きな男のキスだけど、夢だったか?』
「――いえ、これは現実です。 夢じゃありません
夢なんかよりよっぽど幸せな、現実です」
383 :
マスター
2025/04/28 15:00:41
ID:9CyJPQJDhs
「あはー☆ ブルボンさんトレーナーさんおかえりなさーーーい☆」
🤖「……………………」
『うわあ、もう出来上がってる』
🤖「これは現実であってほしくないです」
『諦めろこれも現実だ。』
ライトハローはワンカップ片手にルンルンでブルボンたちを出迎える
🕷️「あ、ブルボンさん帰ってきた。おかおかー」
🍚「大変だよブルボンさん、私達の恋のG1に未勝利が格上挑戦だよ!」
🌻「うーんでも……あのおっぱいも美人さんぷりもむしろあっちが格上なような」
🌸「おのれ神様はなぜあんなおっぱいを大人の女にぃぃぃっ!」
「無敗の二冠ウマ娘に菊花賞で挑むライバル!
そして親友としてライバルとして別路線を進むスターウマ娘たち!
ライバルでもあり親友でもあるウマ娘の合同合宿~~~うーん青春☆
これはお酒がすすむってものです☆」
『この人365日なんか理由つけて酒のんでそうだなー』
「そーんなみなさんに和牛ステーキの差し入れです! コレ食べてスタミナつけてくださいね!」
384 :
お兄ちゃん
2025/04/28 15:46:14
ID:9CyJPQJDhs
―――うえええっ和牛!?
🌸「わ、ワギュウっ!? 伝説の食材のあのワギュウですか?」
🍚「わ、和牛のステーキとかご飯何杯たべれちゃうのかな!?」
🕷️「あれ結構量多いですがほんとあれ全部ステーキなんですか? え、ここは那須りんどう湖ファミリー牧場?」
🌻「わあ、すごいですね♪ トレーナーさん美味しいお肉ですよ一緒に食べましょう」
🤖「………………」
『どうしたブルボン、すげーぞ肉だぞ肉、さすがにあの量は俺も買えないぞすげーぞ。』
🤖「くっ、ステータス:葛藤 肉、お肉…………お肉」
「知り合いの業者さんからロスになりそうなのをいっぱい仕入れたんですよ今日のために☆ ブルボンさんも食べてください。あーん☆」
385 :
使い魔
2025/04/28 15:54:32
ID:9CyJPQJDhs
🍚「すごいよ、すごいよあふれる肉汁と脂のナイアガラファイアーだよ」
🕷️「す、ステーキソースくださいっ、もう食べたい!」
🍶「んふふ☆ マチタンさんステーキソースもいいですが、ここは一つオトナな食べ方をしてみませんか?」
🕷️「お、オトナな!? 」
🍶「そう――こうしてちょっと塩ふって、ちょっとだけお醤油たらして…………そこにわさびをこう載せちゃうんです!!」
🌸「ちょわっ!? お肉にわさびですとっ?」
🍶「それでカットして、お口に運ぶと――」
🕷️「こ、これはうまいっ! あふれる脂肪をわさびが引き立ててわさびのツンとする嫌味が和牛の脂でなくなって」
🍚「これはもう脂と和牛の特上握りだよ。 おじさまご飯大盛りでおかわり!」
🤖「むしゃむしゃむしゃあむあむあむあむ」
『あーもう口にソースついてるって、こっちむけブルボンこっち』
🤖「だめです今はステーキだすもぐもぐもぐもぐ」
『だめだブルボンが俺の言葉すらきかねえ』
🌻「あはは、でもウマミミの食事量考えたら和牛なんてなかなかむずかしいもんね」
🕷️「いやあ、しかも結構いいやつだよ? 」
🍚「私達だと結構アブラがきついもんね、トシはとりたくないねえ」
🌸「正直俺も腹いっぱい食いて―、でも流石にありゃバクシンオーたちにくわせてー」
🍶「そ・ん・な・みなさんには――はい、ビールですよビール☆ 夏の海で飲むビール最高ですよね☆」
386 :
あなた
2025/04/28 16:01:32
ID:9CyJPQJDhs
🌸「にぃし~、ニシトレぇ海、ニシトレぇう~み~」
🌸「ひがぁしぃ~、ブルトレ山、ブルトレぇやぁま~」
『ちなみにこの義足すげえいいやつなんで相撲ぐらい余裕っす、手加減いらないっすよ先輩』
🌻「もうやめよおよお、なんで僕らが相撲なんかしなきゃいけないの」
🤖「ニシトレxマスター夢のカードです。」
🌻「きゃー♪ きゃーっ♪ まさかこんなスモウがみれるなんて♪」
🍚「海は、夏は最高だよ! 今の私達はウマミミ発電機だようおーん」
🌸「はっけよぃ、のこったあ!」
『ふっ!』
🌻「く、はやっ!?」
『ふふふ、義足と思って甘く見るとぶん投げられますよニシトレ先輩!』
🕷️トレ「ニシトレくうん、フラワーちゃんがみてるよお?」
🍚トレ「後輩に負けちゃうなんて恥ずかしい弱々なとこフラワーちゃんに見せられないよねえ?」
『ふははは! だが現実は非常である! ウマミミにも勝った俺の馬力を見よ!』
🌻「わ、わ、うわわわっ」
🌸「勝負あり、ブルトレぇ山、ブルトレぇや~ま~」
『おっしゃあ! 見たかブルボン!』
387 :
お姉さま
2025/04/28 16:05:09
ID:9CyJPQJDhs
🤖「………………」
『5対1とはいえウマミミ対ヒトミミだ! 手は抜かないぞブルボン!』
「さすがに5人ならワンチャンあるよねえ、これ」
「おじさん達が前で壁になるから、全力でおすんだよ!」
「おっしゃ、トレーナーの意地ってもんを見せてやる!」
「僕だって、やる時はやるんです!」
🕷️「はいはい頑張ってくださいね。 はっけよーい、残った♪」
🍶「なんでヒトミミさんがウマミミに勝てるとおもっちゃったんでしょうね☆」
🌻「あはは♪ トレーナーがんばって♪」
🌸「トレーナーさんバクシンですよバクシーンッ!!」
388 :
大将
2025/04/28 16:08:55
ID:9CyJPQJDhs
――うおおおおおっ!
ヒトミミとは言え学園のトレーナー達
しかも2名は老いてなお筋肉ムキムキの叔父様である
『うおおお押せ押せ押せ押せ』
「いけるいけるいけるって俺らが押せてるって」
「ううううううううん」
🕷️「土俵際までおいつめましたね」
🍶「あー勝てそうです頑張って頑張って☆」
🍚「な、な、なんでトレーナーさんたちはウマミミが喜んじゃう事をしちゃうんだろうね、不思議だね」
🌻「そうですよね――本気になったら」
ピタッ
『とまってるとまってるあと一歩一歩!』
「いけ、えええっ!」
🌻「――ウマミミに勝てるわけないのに」
389 :
トレーナー君
2025/04/28 16:11:45
ID:9CyJPQJDhs
🤖「――行きます」
ずごごごごごご!
――ブルドーザーに轢き殺されるように
ミホノブルボンが前進するまま、トレーナーたちは押し返されあっさりカエルのように転がった
🕷️「はい、ミホノブルボン関のかちー♪」
『くっそー、5人がかりでも無理かあ!』
「最初から土俵際までずっと遊びかよお、強すぎんだろ」
「あっはっは、年甲斐もなく本気になっちゃいましたねえライトレさん」
「全くです、ちょっとは行けるんじゃないかとおもったんですけどね」
「ふええ、いたた」
390 :
トレーナーちゃん
2025/04/28 16:16:53
ID:9CyJPQJDhs
『俺ちょっと脚の砂はらってきちゃいますね』
と、ブルトレは離脱。日も落ちてきてそのままバーベキューパーティである
「いやあ、我々トレーナーからしても楽しい合宿だねえ」
「分かります、つーかみんな思ってたよりノリいいんスね。 もっと早く仲良くなってりゃよかったッス」
「うんうんホントホント。 ライバル同士だからトレーナーでこんな事になるとかそうそうないよね」
「ブルトレ君なんか口が悪いけど結構真面目なタイプなのかなと思ったけど結構自分から馬鹿なことしだすよね、理論型というかもうちょっとお硬いタイプだと思ってたよ」
「いやあ、それ言ったらマチタントレさんとライトレさんなんかもっと寡黙というかなんというか、こんな遊んでくれるっておもってませんでした」
391 :
トレピッピ
2025/04/28 16:20:17
ID:9CyJPQJDhs
🍶「はいはいはーい☆ お姉さん一気飲みしちゃうぞー☆」
🍚「いいのかな、ライス達はソフトドリンクだけどいいのかな」
🕷️「いいんじゃない? ライトハローさん思ってたより良い人だね」
🌻「まあそもそもライトハローさんがマスターさんをロックオンしてるって話がないですものね、この人お酒のめたらなんでもよさそうです」
🤖「…………いやしかし、この迫力ボディは」
🍚「わかるよブルボンさん。 こんなの反則だよ斤量オーバーだよ!」
🍶「きゃー☆おっぱい揉まないでくださいライトハローさん」
🌸「ええい、引退勢とはいえこんなにも駄肉を!駄肉を!」
🍶「お腹つままないでっ! お腹つままないでっ!」
392 :
お姉ちゃん
2025/04/28 16:25:00
ID:9CyJPQJDhs
🕷️「あっはっは、お疲れ様ですライトハローさん」
🍶「もう、引退したらちょっとお肉つくのは当たり前じゃないですか、ねえ?」
🍚「いやあ、でもずるいですよウマミミって。 今でも十分おきれいなシルエットですもの」
🌸「そうそう、言い寄る男多そうッスよね」
🌻「確かにライトハローさんはモテそう――というか下心ある男性凄い多そう」
🍶「ええ~☆でも私お酒大好きすぎていつもいつも逃げられちゃうんですよね☆」
🍚🌻🕷️🌸「それはわかる」 🍶「ひどっ!?」
🍶「ところで、ブルトレさんは?」
🌸「あー、あいつ脚のメンテらしいっすよ。 このぐらいじゃ壊れないし想定内だけど砂とか払ったりはしときたいって」
🍶「そうなんですか、じゃあちょっと皆さんにお聞きしたいんですけど」
🍶「――ブルトレさんって、彼女いたりしますか?」
🌸🍚🕷️🌻「…………"えっ"」
393 :
マスター
2025/04/28 16:28:31
ID:9CyJPQJDhs
🍶「ブルトレさんて優しいし、お酒も付き合ってくれてその後も飲むの逃げないし、なにより好みなんですよね。 小柄だし可愛いし、なんというかぎゅーっとしてあげたい感じで。
お酒の面倒見てもらう分、普段は私が面倒みてあげたいなー、なんて☆」
🌸「お、おう…………今正式な彼女はいねえんじゃ、ないかなー」
🍚「う、うん。そうだね社会人同士の彼女とか奥さんはいないかなー」
🕷️「あれーおかしいぞ楽しい海のはずが急に難破船航海に」
🌻「でもほら、ライトハローさんも元学園生だし――その、ブルボンさんと仲いいじゃないですか、ブルトレくんって」
394 :
お前
2025/04/28 16:31:20
ID:9CyJPQJDhs
🍶「そうですね☆ ですからニシトレさんみたいにもう付き合ってらっしゃるなら流石に横取りなんかできないじゃないですかー☆
――実際どうなんです? どうなんです? チャンスあったりしませんか?」
🍚「う、うーん? ブルボンちゃんとお付き合いはしてないよね?」
🕷️「うん、多分……ブルボンちゃんは大好きでアプローチしてるけど学生だからブルトレが逃げてる感じ?」
🌸「う、う、うん、俺等もほら絶対は言えないんだけど多分、付き合ってないの……かな?」
🌻「まって僕はフラワーとはその、いえ……なんでもないです付き合ってます……」
395 :
アネゴ
2025/04/28 16:33:42
ID:9CyJPQJDhs
🍶「きゃー☆じゃあ私もアプローチしちゃおうかな、っきゃー☆」
🕷️「うーん、困った」
🍚「ごめんねブルボンちゃん僕らヒトミミはウマミミには勝てないんだ」
🌸「ま、まあ修羅場は勘弁ですよ? ブルボンもみんなも菊花賞控えてますし」
🌻「そ、そうです! 大事な時期なんで!!」
🍶「勿論です! 菊花賞までは隠して我慢しときますね!」
🕷️🍚🌸🌻「…………うわあ」
396 :
アネゴ
2025/04/28 16:34:27
ID:9CyJPQJDhs
ミス
ライトハローさんがライトハローさんのお肉をつまんでますがライスシャワーです
397 :
お前
2025/04/28 16:34:42
ID:9CyJPQJDhs
2日目おしまい
398 :
使い魔
2025/04/28 23:33:42
ID:neoJUnpNZI
楽しそう…
399 :
使い魔
2025/05/02 00:44:10
ID:nuSezRGth2
ほ
400 :
モルモット君
2025/05/02 10:44:12
ID:fNjrK26StA
🍶「はい、ワンツーワンツー。 左手と右足、右手と左足がクロスで一本つながってるイメージです。 ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイッ」
🍚「な、なんか想像してたよりキツいよこれ」
🤖「ギアを一段上昇……バランスを修正」
🌸「いち、にー、さんっしっ……」
『ほらほらほら動きを緩めるな止めるな脚をしっかり上げろ砂を蹴るな脚をあげろっ!』
「いっやあ、ダンスの練習なのにこれはハードというか」
「心臓一切休ませる気ゼロですね」
「うおおお頑張れバクシンオー!すっごく綺麗だぞ!」
「ダンスレッスンってほんとやる時間とか移動とか大変だからねえ、こればかりはプロの人いるのはありがたいねえ」
401 :
トレぴっぴ
2025/05/02 10:51:39
ID:fNjrK26StA
『ほらバクシンオー、トレーナーがお前のこと綺麗だってよ頑張れ頑張れ! バクトレさん今のもっかい言って上げてくださーい!』
「うおおおバクちゃん頑張れバクちゃん大好き!」
🌸「――ふぉぉぉ! いくらでも、いくらでもステップしてやりますとも!」
🍶「テンポは上げちゃだめですよ☆ リズムに合わせてワンツーワンツー!
ワンツースリーフォー、フラワーさん頑張って胸張って頭真上まっすぐ」
🌻「ずっと、これ、きっつ――きっつ――いです。」
「ふ、フラワー!頑張って、頑張ってフラワー」
🌻「――はい、ッッ!!」
🕷️「むん、ふん、ふんふんふん、むんっ」
🍶「マチタンさんいい感じですよ! まっすぐ前見て、はい大きく飛びますさん、にー、いち!」
「タンホイザくん、あんましつらそうにしないね」
「ええ、あの子はダンスの得手不得手ってよりこういうずっと続けるの結構得意なほうなんで。 でも良いスタミナついてて良いねえ」
『実際午前あんだけ練習して午後これなんで心臓も肺活もめちゃくちゃきついはずなんですけど、みんなすげーですよこれ』
402 :
お兄ちゃん
2025/05/02 11:04:26
ID:fNjrK26StA
『じゃあ、ブルボン始めるぞ』
「はい、トレーナー……お願いします」
ブルボンの大きなお尻を鷲掴みにする。 ぴくんと跳ね上がるブルボンの背中
「あ、あの――私の臀部――おしりは、固くなっては居ないでしょうか?」
『そんなこたあないぞ、筋肉でしっかりしてて柔らかくて、手で抑えられないぐらいだ』
「……はい、マスター」
🍚「うわあ、こんなの野外ポルノだよマスターさんはそういうご職業の方だったんだよあだ名はチョコボールだよ」
🕷️「いやあ、遠慮なくお尻揉みしだきますね。 」
🌻「明日、私がトレーナーさんにアレしてあげますね♪」
『ねえええ、マッサージの実技講習なのにそういうのやめようよお!てかトレーナー一同もノってパシャパシャしてるんじゃないよ!』
――いぇーい☆
403 :
トレーナー
2025/05/02 11:11:09
ID:fNjrK26StA
『結局、肩だ背中だ腰だっていっても人間の後ろは繋がってるんです。
一部が固いと可動域減ってほかも無理な動きします。 なので腰背中がキツい人だって脚から柔らかくすべきですし、その中心的な接合部のケツは稼働する部分もあるし大事っすよ』
🍚「遠慮なくっていうか結構乱暴というか力込めてるね」
🕷️「うーん、どうしても女の子だからセクハラしてなくても遠慮出ちゃうけどここまで力いっぱいやるんだねえ」
『脂肪も多いんで、しっかり掴んでからじゃないと力逃げます。
痛いかどうかとかは担当の反応とか見つつしっかりやってください、筋肉の大きさやお尻全体の質量もあって一番腕がパンッパンになります。
――、と。ちょっと皆さんもやってみてください』
🕷️「いやあ、海、砂浜だとサンオイルとか汚れても気にならないしいいね」
🌻「フラワー、ちょっとひやっとするからね」
🌸「うへへ、バクシンオー俺様が滅茶苦茶のもみくちゃにしてやるぜえ」
🍚「バクトレくん犯罪犯罪」
404 :
トレーナー
2025/05/02 11:16:47
ID:fNjrK26StA
『とは、いえ、だっ…………ふ、ぅっ!
――ブルボン、お前のトモも尻もトレーニングですごくなってきて手でたりないんだよな。 手の大きさで困るとか人生で想像したことなかったわ』
「――お尻の大きすぎる子は嫌いでしょうか、マスター」
『いんや全然。 お前最近お尻が固くなったとか気にしすぎだ――あ、そうだちょっとブルボン、俺の左足のふくらはぎ触ってみ、ほれほれ』
「――マスター、それはステータス:誘惑でしょうか? 今ここにはライスさんたちやそのトレーナーが」
『違うよ?全然そんな話じゃないよ?』
「こう、でしょうか?――ふにふにでぷるんぷるんで可愛いです」
『まあ、そうだろそうだろ? で、爪先のばして力いれると』
「――っ、カチカチになりました。 ぱん、とはちきれそうです。」
『まあ、筋肉ってのは基本やらかいんだよ。 力を入れれば固くなるけどリラックスしてりゃ柔らかい。 だから細かいこと気にすんな』
405 :
貴様
2025/05/02 11:21:32
ID:fNjrK26StA
🍶「でも、ブルトレさんって脱毛とかしてたんですねえ意外です」
🤖「――っ! がるるる」
『いやしてないっすよ? 元々脚とか全然毛がなくて』
🕷️「ええ嘘でしょ? ニシトレくんもだけどうらやましすぎない?」
🍚「ニシトレくんなんてヒゲすら伸びなそうじゃないずるいよねえ」
🌻「えー、でも男らしくヒゲとかほしいですよ」
『あーわかる、俺もヒゲは剃ってますけどヒゲ伸ばしたいですもん濃かったら』
🌸「わかってないなー、ヒゲなんてのはね学生の時は憧れるけど脛毛も胸毛もヒゲも増えたらこれ以上なく邪魔だし一生無毛で居たいと思うんだよ」
『えぇ、マジっすか?』
🕷️「この苦労わかんないのは羨ましいねえ」
🍚「みなよーニシトレくんもブルトレくんもスネとかとぅるんとぅるんだよ? マジでこれで脱毛とか手入れしてないの?」
🌸「うへー、世の中理不尽だわーこれ」
406 :
トレーナーさま
2025/05/02 11:29:42
ID:fNjrK26StA
🍚「うわあ、うわあ、男トレ同士でくんずほぐれつだよ!ライスここの砂浜になりたいよこんなの全国の腐女子さんたちが聖地認定しちゃうよお」
🕷️「んふふーまかせてよライスちゃんこのスマホ結構カメラ機能いいんだよね」
🌸「ぜひ、ぜひ私にもそれください!」
🌻「ヒゲとか体毛とか無ければ無いほど良いに決まってるじゃないですか」
🤖「同意しますフラワーさん。」
『あ、じゃあちょっとライトレさん俺が腰もみましょうか? こういうのって自分でマッサージうけたら結構理解度上がりますよ』
「じゃあ俺マチトレさんのケツ揉みますよ押忍!」
「うはは、バクトレくんくすぐったいって、わざとやんないでわざとやんないでうははは!」
『どう、っすか、痛かったら言ってください。』
「あ"ぁ"ぁ"い"い"ね"え"――おしりとかって結構おもいっきり力はいってても受けてる方は痛くはないんだねえ、あああ効く効く効く」
🕷️「あああ合宿!合宿最高!」
🍚「こんなのがサブスク無料なんて!ライス頑張って良かった!頑張ってよかったよお!!学園着て本当によかった!」
🌸「こんなの我々を誘ってるとしかおもえませんよトレーナーさん!」
🤖「分からせないといけません――分からせないと」
🌻「今夜は寝れるとおもっちゃだめですよ♪」
407 :
アナタ
2025/05/02 11:44:50
ID:fNjrK26StA
🕷️「でもさあ――思うんですよ」
ちゃぽん
この民宿――屋敷のように広いせいで露天風呂がある。
もともとは民泊のような半分人を泊めるのが前提だったようで
🕷️「水着イベントもあるけど、こんな露天風呂もあるし混浴イベントとかないかなーって思うんですよ」
🍚「うんうんうんうんわかるよタンホイザさん! 混浴二人きりひと夏のあやまち!でも一回限りだったはずなのに一度覚えた甘い味は忘れられずトレーナー室でまたその味を貪り合うんだね!」
🕷️「い、いやーそこまでは……奥さんに申し訳ないんだよね。」
🌻「うふふ♪ 今度トレーナーさんと温泉旅行とか誘ってみようかな」
🌸「あ、良いですね良いですね、混浴の温泉旅行とか。」
🕷️「いいねえ、商店街のくじ引きにちょっと混ぜて貰って私たちが来た時にちょちょいっと特賞温泉旅行大当たり~って」
🍚「ええっ、そんなこと出来るんですか!?」
🕷️「昔そういうのあったらしいよ、商店街の人にお願いして自分で準備した温泉旅行をトレーナーと一緒に行く口実にしたって」
🌸「――嘘もなかなか良いものですね」
🤖「ここは混浴ではないのですか? 今は民宿でもなく空き家同然と伺いましたが」
🍚「ここは時間で男女わけてるって言ってたよ。 禁止だって」
408 :
ダンナ
2025/05/02 11:50:58
ID:fNjrK26StA
『お待ちしておりましたお嬢様がた』
「お風呂上がりのコーヒー牛乳をご用意致しました」
「あ、フラワーにはイチゴ牛乳を準備したよ――じゃないや、準備させて頂きました、お姫様」
「ささ、こちら王室御用達の特別仕様ガリガリちゃんとなっております。どうぞ」
「ただのスーパーの特売ガリガリちゃんでございます、どうぞ」
「ちょっとお、バラさないでよ!」
🍚「ふ、ふあ?ふわわわわ!?」
🌸「な、な、なんという至れり尽くせり!?」
🕷️「ええっ!? 合宿ってこんなお姫様扱いしてもらえるの?」
🌻「あは♪かっこいいですよトレーナーさん」
🤖「マスター、コレは一体」
『いや風呂上がりにマッサージして寝てもらったほうが疲労ぬけるかなって
さすがに学園寮はトレーナー入れないけどここなら民家の主さんとライトハローさんに前もって全員で行きますてちゃんと言ってるから』
409 :
ダンナ
2025/05/02 12:01:00
ID:fNjrK26StA
「こら、バクシンオーあんましジタバタするな。」
🌸「えひゃひゃくすぐったくて足裏はえひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」
「い、痛かったりしない? フラワー」
🌻「大丈夫ですトレーナーさん♪ もっともっと力入れて頂いても
……あは、これで全力なんですね可愛いです、ひょっとして誘ってますか?」
🍚「と、と、トレーナーさん今夜はライスがマッサージしてあげる、よ!?」
「あっはっは、明日のトレーニングのために今日はマッサージさせてねーライスちゃん」
『ブルボン、眠くなったら寝ていいぞ。 終わったら布団かけてやるから』
🤖「はいマスター、このまま眠るので終わりましたら一緒に布団に入って布団をかけてください」
『しないよ!?』
410 :
アナタ
2025/05/02 12:08:52
ID:fNjrK26StA
🕷️「さいっこおだったねえ、お風呂上がりのマッサージとかもうねえ」
🌸「こんなの、こんなの明日もバクシンするしかありませんっ!」
🍚「ブルボンさんは、毎日マッサージしてもらってたんでしょ? すごいな、こんなのをずっとなんて」
🌻「今日も、一番ずっとマッサージしてたのマスターさんですよね。 」
🤖「はい、マスターはいつも自分の腕が限界になるまでマッサージをしてくれます。 疲労を抜くのをとにかく最重視しています」
🕷️「大事にしてるよねえ、ブルトレさんってブルボンさんのこと」
🤖「はい、マスターは私を大事にくれてます。 同じトレーニングをしても、マスターがいなければ私はこう強くなってなかったと思います」
🌻「マッサージしてる時、マスターさんすっごい真剣にブルボンさんのことみおろしてるんですね、ちょっとうらやましいなって思っちゃいました」
🍚「で、でもフラワーさんってもうトレーナーさんと付き合ってるんでしょ?いいな、いいなあ」
🌻「あはー♪ だからほんとは私がトレーナーさんをマッサージしてあげたいんですが合宿中は我慢です♪」
🌸「私も! 模範的学級委員として! 合宿中は我慢してます! 我慢もバクシンのためのトレーニングですよバクシンっ!」
🍚「え、ええっ!? ふたりともそんなことしてたの!?」
🕷️「ちょっとちょっとそれ詳しく、詳しく!」
411 :
アナタ
2025/05/02 12:15:45
ID:fNjrK26StA
🍶「みなさんっ☆お疲れ様でしたああ☆ 呑みましょうかんぱーーーい☆」
🌸「うええええい乾杯」
🕷️「あっはっは、バクトレくん元気だねえ」
🍚「このトシになると流石に常時絶好調は無理だよねえ」
🍶「まあまあまあまあそこでこの栄養ドリンクですよ! ビールにしますか? チューハイにしますか?」
『ふ、ぃぃぃああああ気持ちいい』
🕷️「ビール缶で腕冷やすのやめさないよビールぬるくなっちゃうよ」
🍚「いやあ、マッサージって腕パンッパンになるね。 もう俺握力ないよ」
🌻「僕さっきコーヒー牛乳の瓶おとしちゃいましたもん、カラでよかった」
🍶「だいじょーーーぶ! お酒飲めばそんなの全部治ります! はいはい来おハローイッキノミしまーーーす☆」
412 :
使い魔
2025/05/02 12:22:09
ID:fNjrK26StA
――がははは
🍶「さささ未来の三冠ウマ娘トレーナーさんどうぞどうぞ」
『うははは頂きます』
🍶「さささ未来の菊花賞ウマ娘トレーナーさんたちも」
🍚「あーどうもどうも」
🕷️「ははは、お酒は美味しいですねえ」
🌻「菊花賞ウマ娘3人生まれてない?」
🌸「細かいこと気にすんなのものも、ニシトレくんもほらほら」
🍶「きゃーおじ様まだイッキでのこさないのすごーい☆ 私が10年早くうまれてたら惚れちゃってますよー」
🕷️「あっはっはーまだまだ若いのには負けませんよー」
『でもね、俺思うんですよ
――10年はやくブルボンが生まれてたら10年早く無敗の4冠ウマ娘が生まれてたって――うはははは!』
🍚「あんなごっつい尻10年前なら犯罪だよ犯罪、お尻ゴツすぎ罪だよおブルトレくん!」
🕷️「捕まって世界遺産になっちゃうよお!」
🌸「ぎゃははは」
🌻「うわあ、これは担当たちに見せられない男の姿」
413 :
相棒
2025/05/02 13:12:55
ID:fNjrK26StA
🍶「皆さんお酒大好きじゃないですかー嬉しい☆ 普段から女の子と飲んでたりするんじゃないですかー? 学園のトレーナーさんってエリートだし合コン飲み会引張だこですよね」
🌻🌸🍚🕷️「…………」
『…………』
🍶「え、あれ?あれ?」
🌸「あー俺もそういう下心あってトレーナー試験受かったっけなあ」
🕷️「いやあ懐かしいね若き日の過ち」
🍚「いやあトレーナー業に後悔はしてないけどモテるかどうかで言ったら絶対勧めないよね」
🌻「薄給だしね……」
🍶「ええっ!?」
『稼いでるのは重賞級毎年出してるごくごく一部のチームトレーナーとかっすよ。 俺みたいなペーペーはマジで一般企業の足元にも及びません
しかも激務だし個人事業主に近いし、更に言うと担当とかウマ娘を普段接する業務なんで合コンとか行きにくいし更に言うとこれらが女に好まれるかどうかっていうと、ねえ……』
🍶「だ、だい丈夫ですよ!最近は私たちみたいに女性も働いてる人いますし!
私はブルトレさんが専業主夫なっても大丈夫なぐらい稼いじゃいますから!」
『えーまじっすかあ? じゃあ俺トレーナー業引退したらライトハローさんにお世話になろうかなあうははは』
🍶「えー☆本当ですかあ? じゃあ頑張ってお姉さんかせいじゃうぞー☆」
🌸「多分お互い今本気で言ってるわけじゃないんだろうけど」
🌻「ライトハローさんが矢印向けてるの知ってると怖いねこの会話」
🍚「やめたまえやめたまえここは青春の合宿だよ」
🕷️「そうだよ大丈夫……大丈夫だよね?」
414 :
お兄ちゃん
2025/05/02 13:20:43
ID:fNjrK26StA
『走れ走れ走れ走れ! 脚が海に沈んでても走れ走れ走れ!!』
🌸「んんぬぉぉぉ!身体が、重い!」
🌻「はーっ、はーっ!」
🤖「前へ、前へ、前へ!」
🕷️「むん、むん、むんっ!」
『ほらライスシャワー海に負けるなついてけついてけついてけ! ライトレさん声出して上げて』
「ライスがんばれ!終わったらフランクフルトまってるぞー!」
🍚「トレーナーさん、の、フランクフルト…………!」
🌸「ちょわっ、の、ではなく、と、ですよライスさん!」
『脚でごまかすな腰使って腿持ち上げて全身で海をかき分けろ負荷をかけろ!』
🍶「みんながんばって! 午後はみんなでレッスンですよ!」
🌸「午後も――つらい、辛いですっ」
🍚「ダ、ダンスレッスンがあんなにきついって予想外だよ――」
🌻「も、もうだめ……もう、だめ」
🤖「あと、ちょっとですフラワーさんあとちょっとです」
🕷️「がんばろ、がんばろ……これ終わったら、お昼ごはんだよ、バーベキューだよ」
415 :
貴様
2025/05/02 13:29:24
ID:fNjrK26StA
🕷️「おかえりみんな、今日はお餅をフランクフルトに巻いて焼いたよー」
🌸「スポドリ飲んで飲んで、スポドリシャーベットもあるよ」
🌻「フラワー、脚アイシングしながらマッサージするからビーチベッド座ってもらっていい?」
🍚「あっはっは、おにぎり焼いてあげるからちょっとまってね」
『ここで頑張るウマ娘にプレゼント、各トレーナーから"あーん"でご飯をたべさせてもらおう』
🌸「ちょわっ!? そんなイチャラブイベントをこんな公衆の面前で!? 逮捕晴れませんか大丈夫ですか?」
🍚「うわあ、うわあ、トレーナーさんからあーんなんてライス妊娠しちゃうよおライスはママになりたがってるよ」
🌻「うふふ♪ じゃあトレーナーさんには私があーんしてあげますね♪」
🤖「マスター、焼き肉からがいいですマスター、あーんします、あーん」
🕷️「合宿は一生お姫様気分ですね、これはもうここから帰りたくなくなりますね」
🌻「マスターくんってウマ娘のやる気出させるのうまいよね」
『いやあ、もうやる気出させるのと疲労抜くのしかできませんし俺』
🕷️「いやいや結構トレーニングも合宿中飽きないようにバリエーションあるよね」
『マチタントレさんも合宿のトレーニング考えてくれてるじゃないですか』
416 :
アネゴ
2025/05/02 13:32:44
ID:fNjrK26StA
🍚「いやいやでもさあ、この合宿って滅茶苦茶意義があると思うよ。
トレセンの合宿と完全に別行動ってどうなんだろうねって思ってたけどみんなすごい自主的に頑張ってるし何日もやってるとダれるし集中きれて雑な練習になるんじゃないかなと思ってたけどさ」
🌸「みんなが一緒だから張り合ったり一緒に頑張ったりしてて内容滅茶苦茶濃いっすよね、バクシンオーがあきらかこの数日でもタフになってますもん」
『俺も思います。 みんなすごい集中保ってるし遊びとトレーニングの切り替え出来てて、今回の合宿すごい効果あるなって。』
🌻「いいよね、全力で頑張って全力で遊んでって、すごい青春な感じ」
417 :
アンタ
2025/05/02 13:37:04
ID:fNjrK26StA
🍶「さあ、午後は楽しくダンスですよ☆ 楽しく踊って心拍強化☆」
『みんなげんなりした顔してんな』
🕷️「そりゃあ楽しくダンスで止まるの許されず長時間動き続けるもんね」
🌻「昨日普段のトレーニングよりバテバテでしたね最後」
🌸「楽しくダンスかっこ吐くまで踊れはきついよなあ」
🍶「今日は前半頑張ったらトレーナー達も一緒にウマぴょい伝説踊ってくれるそうですよ!さあ頑張りましょう」
🕷️🌸🍚🌻『聞いてないっ!?』
418 :
お兄ちゃん
2025/05/02 13:48:41
ID:fNjrK26StA
――うーうまぴょいうまぴょい
―――俺の愛バが!ずきゅんどきゅんはしりだしー
🍚「フフーッ ライス、ライス生きてて良かったよ!幸運の青い小鳥さんはここにいたんだ」
🕷️「うーん海パン一丁のトレーナーさん達が踊るウマぴょい伝説とかこんなの無形文化財だよね」
🌸「ちゃんと動画とってますか? マチタンさん大丈夫ですか!?容量とか!」
🤖「私は、私は人生で今ほど自分の体質をうらめしいと思ったことはありません。 マスターの、マスターのうまぴょい」
🌻「大丈夫です、私が動画にとって動画をなんとかプレーヤーに映るようにしてシンプルなリモコンで再生できるように……これならなんとか、なんとか!」
『くそっ、あいつらが俺等をおもちゃをみるような目で見やがる!!』
🕷️「ふふーんでもそれがちょっとうれしいんだろブルトレくうん」
🍚「トレーナーはウマ娘が喜ぶと嬉しくなっちゃうんだ」
🌸「くそ、否定できねえ」
🍶「ほらまだ3周目ですよ、担当の皆さんもトレーナーさんたちもダンスとめちゃだめですよ☆」
419 :
あなた
2025/05/02 13:55:55
ID:fNjrK26StA
『ぜー、はーっぜーっぜっ、ぜーっ!! くそ、俺はこんなに体力落ちてたのかっ!』
🌸「かひゅ、かひゅっ……死ぬ、死ぬ……」
🌻「……あしが、あしが動かない……」
🕷️「いやあ、脚がガクガクだ。 こりゃ明日は筋肉痛だなあ」
🍚「明日じゃなくて明後日か明々後日でしょう我々は」
🕷️「あっはっは、確かにその通り」
🍶「そ・こ・で! 今日は担当ウマ娘さんからトレーナーさんたちにマッサージをして差し上げるのは如何でしょうか!」
担当達「おおおおっ!!?」
🌸「いやあライトハローさん! さすが理解してらっしゃいますね!
さあさトレーナーさんここにうつ伏せに! オイルもたっぷりぬっちゃいますね。」
🌻「うふふ♪ オイルって結構ひやっとしちゃいますから
――そうですね、私にべったりぬってこう身体でぬったら冷たくないでしょうか?」
🍚「うふふうふふ、と、トレーナーさん大丈夫だよ。 これは健全なマッサージ、だよ? なにも法も倫理も問題ないよ。 ちょっと手が滑って塗るってしちゃうだけだようふふふふふふふふ」
🕷️「いやあ、約得ですねトレーナーさん。 マッサージ終わったら湿布腰に貼っときますね。 」
420 :
お姉ちゃん
2025/05/02 14:03:21
ID:fNjrK26StA
🌸「く、悔しいっ! でもマッサージ気持ちいい、あ"あ"あ" ウマ娘パワーでしっかり揉まれるのほんと効くぅぅぅぅ」
🍚『うーん僕らでもこんな力強いマッサージできないよねえ、ああライスちゃん腿の付け根のとこおしてもらっていいかな?』
🌻「あ、あのフラワー!? なんで内ももの方ばっか重点的にするの? ねえ!?」
🕷️「あっはっは合宿中はだめだよフラワーちゃん」
🤖「あの、マスター」
『ああ、うん、……うん?』
🤖「大丈夫ですかマスター」
『ああ、すまんすまんあんまりにも気持ち良すぎてうとうとしてた』
🤖「気持ちいいのですかマスター」
『いやあ脚だ腰だこんなマッサージされるとか幸せだわー気持ち良すぎ』
🤖「私が、私がマスターを気持ちよく、気持ちよくしてる――」
『いだだだ痛い痛い張り切りすぎ痛い痛い痛い』
421 :
貴方
2025/05/02 14:07:31
ID:fNjrK26StA
🤖「脚は大丈夫ですか――その、義足のほうは。 結局みんなで最後までダンスしてましたが」
『いやあ正直いうと付け根は結構痛い。 ひりひりというかなんというか
でも、あんなに楽しい時に俺だけ抜けるとかナシだろ?』
🤖「無理はしないでください、マスター。」
『いやあでもさ、俺がこんな脚だとやっぱりみんなは気を使うじゃん? だから今みたいなのって滅茶苦茶楽しいんだよね。 気を使われずみんなで馬鹿なことやるってさ。 でも怖いね、ぜんっぜん体力ない。 』
――でも、さいっこーに楽しいよ。 ありがとなブルボン
🤖「合宿にこれて――本当に良かったです。マスター」
『俺も、合宿やれてよかったよ、ブルボン』
422 :
お姉ちゃん
2025/05/02 14:14:20
ID:fNjrK26StA
🍶『そして――花火ですよ☆ うー☆花火!花火!』
🤖「花火、とは?あーー」
『夏祭りだってよ、ブルボンは地元だから気づいたか』
🌸「ええっ、屋台はでますか?行きましょうトレーナーさん!」
🌻「うーんでも浴衣とかないですよ」
🕷️「いいんじゃない? 私服で」
🍚「うんうん、ライスこのままでもいいから行きたいな」
『ご安心あれ、そこらをブルボンのお父さんに相談したら近所の皆さんの昔の浴衣とかを貸して頂けることになった。』
🌸「デザインとかは今風じゃないけど善意だから失礼のないようにね」
🌻「ブルボンさんのお父様のご自宅に集まった浴衣を今日好きなの選んでいいよって」
🍚「うわあ、うわあ、BBQに海に浴衣で夏祭りまでできるなんて、盆と正月と100連ガチャとアニバが全部いっぺんにきちゃったよ」
🕷️「ジュニアの夏ってほんとトレーニング以外してなかったもんね。 いやあクラシック夏ってすごい、合宿さいこー」
🤖「皆さんと、浴衣で夏祭り(ぱああああ)」
🌻「浴衣の着方忘れちゃったかも、ブルボンさんわかりますか?」
423 :
トレーナーさん
2025/05/02 14:23:14
ID:fNjrK26StA
『いやあ、すいませんお父さん。 こんな大所帯の面倒みてもらうなんて』
「いえいえ。 娘の友だちなんて本当に感慨深くて。 このぐらいさせてください。
――いらっしゃい、ブルボンの父です。 いつもブルボンと仲良くしてくれてありがとう。」
🕷️「うっわ、ブルボンさんのお父さんめちゃくちゃイケメン」
🍚「こ、こんなのだめだよこんなナイスミドル。 ライスにはおじさまがいるんだよ!?」
🌻「電話口ではお話させて頂いてますが、ブルボンさんと同室のニシノフラワーです。 ブルボンさんとは仲良くさせていただいてます」
🌸「学級委員長ですっ! ブルボンさんにスプリングSでやぶれました!」
「あっはっはっは、皆さん元気でよろしい。 広間に浴衣を広げてますので自由にえらんでください。」
🍚🤖🌻🌸🕷️「ありがとうございます」
🍶「夏の一時、ライバル同士で楽しむ夏祭り――ううん良い絵が撮れそうです」
「…………ちょっとマスターくん?」
『はい?』
「そこの――ちょっと言い難いがナイスバディな女性は?」
『セレモニーグランドライブの責任者のライトハローさんです。 滅茶苦茶酒好きです。 URA関係者に出すプレゼンとかのために合宿の様子とかを撮ったり記者っぽい事もしてるんですよね』
「…………君との関係は?」
『へ?』
424 :
お兄さま
2025/05/02 14:28:57
ID:fNjrK26StA
「マスターくんはブルボンと付き合ってるだろう?」
『いやそこがちょっとちゃうと思いますよ? 俺は間違いまだ犯してませんよ?』
「浮気だなんだと言うつもりもないし君はそういう事をしないと思ってはいるがあれはちょっと反則ではないかな? しかも合法だろう?
未勝利戦に凱旋門賞ウマ娘を出すのはちょっとね、だめだようん」
『その違法と反則をさせようとしたのはお父さんなんですよね』
「まあまあブルボンはいいんだよ合意だしね。そうではなく
――君、あれ好みだろ? 話をきく限りは」
『…………え、ええ、まあ』
「実際どうなのかねそういう仲なのかね?」
『いいえ全然。 俺みての通りドチビのこんなんですよ?
ライトハローさんはのんべで酒のめりゃ誰でもいいタイプですし男だ女だより酒な人っすよ』
「うーん……わかった。なら大丈夫だなうん」
425 :
トレぴ
2025/05/02 14:41:12
ID:fNjrK26StA
ミホノブルボン
濃いめ藍色に白の大判華・黒に金糸の帯
ニシノフラワー
淡黄蘗(淡い黄色染)に緑の枝と白花模様多め
うぐいす色と濃紺のシンプルな帯
サクラバクシンオー
白基調ながら桜色の沢山の桜の花びらで一見桜色にもみえそうな白桜
えんじ色の柄なし、絞り帯
マチカネタンホイザ
薄空色に小さなひまわり柄、白黃橙
白の市松の入った桃色の帯。 金の帯紐
下駄は各自想像におまかせ
🍚「うわあ、うわあ、夏祭りにこんなフルアーマー初めてだよ」
🤖「フルアーマー夏祭り仕様ブルボン、発進します」
🌻「バクシンオーさんそれすっごい華やかで似合ってますよ」
🌸「ありがとうございますっ! フラワーさんもすごい可愛くて似合ってますよ!」
🕷️「下駄だと私転んじゃいそう。サンダルももってこうかな」
426 :
アネゴ
2025/05/02 14:46:03
ID:fNjrK26StA
『……』
🌸「どったの? 浴衣のブルボンちゃんに見惚れた?」
『ブルボンは可愛いんだけどそっちじゃなく――』
――浴衣や甚平ってさ、背が高いと有利だなーってさ
🌸「ぶははっ、そんなの気にするやついないだろ」
『そりゃバクトレは高身長だからでしょうが』
🌻「背たかいよね、186だっけ?」
『マチタントレもライストレも結構高身長組だよな、180超えてるし』
🌻「あー浴衣のあの人達肩幅すごいし雰囲気あるよね」
🍚「いやあ、甚平で夏祭りとか何年ぶりかなあ」
🕷️「いいねえいいねえこういうの。若い時思い出しちゃうなあ」
427 :
キミ
2025/05/02 14:50:37
ID:fNjrK26StA
『合宿が終わったら流石にライバル同士、菊花賞も近いし今回はウマ娘同士で楽しんでくるように』
🤖「はい、特別ミッション:夏祭りを開始します。 行きましょう皆さん」
🕷️「いってきまーす」
🍚「お、おじさままたあとで!」
🌸「さあ! まずイカ焼きから行きますよ!」
🌻「私は、えっと綿あめ、かき氷・・・」
『っふー、俺等はどうしましょうか。 花火見るのは神社の裏手の空き地がいいらしいですけど』
🍶「じゃあそこでみんなで呑みましょう! 花火酒!花火酒!」
🌻「もう僕らはダンスしたあと歩き回れる体力ないよねえ」
🕷️「うんうん、ちょっと速いけどのんじゃいましょうか」
🌸「じゃあちょっとシートもってきちゃいます」
🍚「クーラーボックスもつよ」
428 :
お前
2025/05/02 15:00:04
ID:fNjrK26StA
🕷️「もぐもぐ――いやあホント楽しいよね」
🌸「いやー最高ですね!海!外泊!BBQ!露天風呂!夏祭り!」
🌻「こんなに楽しめるとか想像してなかったですね」
🍚「で、でも――みんなが想像以上に面白くて、楽しくて」
🕷️「そうそうそれそれ、もっとみんなピリピリしてるのかなとかライバル同士でバチバチなのかなとか思ったけどみんなすぐ仲良くなれたよね」
🌸「友情!努力!勝利! まさに模範的な関係!」
🤖「前方に、射的を発見しました」
🌻「わあ、射的ってやってみたかったんですよね」
🌸「じゃあ勝負ですよ勝負!」
🤖「モード:狙い撃ちだぜに以降。 スナイプします」
429 :
相棒
2025/05/02 15:19:34
ID:fNjrK26StA
タンッ タンッ
🌻「うわあ、また倒しましたよブルボンさん」
🤖「一機撃墜、次の目標に標的を合わせます」
🌸「ぬぬぬぬぬぬ」
🕷️「どうしてそんなポンポンあたるの?」
🍚「えい! えい! ふええ、一回もあたんないよお」
🌸「金魚すくいはスピードが命だ! 角度をつけず一瞬だけつけたポイと水面のスキマの金魚を狙う!いけブルボン! ブルトレさんの真似をしてみました!」
🤖「承知しましたバクシンマスター」
🍚「こ、こっちで巻き返すよ、がんばれライス。がんばれライス、そーっと、そーっと」
🌻「えいっ、…………おじさんもっと厚いポイください!」
🌸「さあ来なさい金魚たち! バクシン的――おやなぜ私から逃げるのです金魚たち!」
🕷️「大声だしてるからじゃないかな」
430 :
大将
2025/05/02 15:58:50
ID:fNjrK26StA
🍶「おしゃけ☆ おしゃけ☆ うー☆うまぴょい☆うまぴょい☆」
『完全にできあがってやがる』
🌸「血管にお酒でも流れてそうだよねもう」
🕷️「のんべなのに一人じゃなくて人と飲むのが好きなんだねえ」
🌻「花より団子より酒な人はじめてみたかも」
🍚「悪意がないし絡まないから可愛げあるのがギリセーフだよね」
🍶「えへへ☆えへへ☆ おしゃくしますよお☆」
『あ、どもども』
🕷️「ブルトレくんって酒強いよね」
🍚「結構呑んでるけど二日酔いもしてなさそう」
『あー、酔っててもあんまし出ないっすねえ、確かに二日酔いの方はしないかも』
🍶「だったらいくら酔っても平気でしゅよねえ☆ はいコップからですよねえ出して出して☆あはー、ちょっと暑くなってきちゃいましたー☆」
🌸「うぉでっか」
🍚「こわいねえ、ああやってボタン外してるけど」
🕷️「うんうん酔ったフリして誘惑じゃなくて単に酔って暑いだけなのがねえ」
🌻「だめ人間ですねあの人」
🌸「真面目にこの人トレーナーの多いこの業界じゃなかったら襲われてんじゃねえかな・・・」
431 :
貴様
2025/05/02 16:32:37
ID:fNjrK26StA
🍚「まあそう考えるとトレーナーって人種は女性に耐性が強いのかねえ」
🌻「学園にいると美少女!ってのが普通にどこにでも居ますよね」
🌸「ああそれめっちゃわかるかも、俺んち姉が3人妹1人なんですよ」
『めちゃくちゃ大家族じゃないですか』
🌸「そうそう、子供多いと両親忙しいから手伝うのが当たり前なんだけど俺も姉貴たちの洗濯物とかたたむんだけど普通に下着も畳んでたもの」
🕷️「あー、そういう?」
🌸「そういうのになれると下着そのものにエロスって感じないんですよね。 下着をつけた女とかには萌えるけど下着をぽんっとみせられても全然なんもおもわない。 畳んじゃう」
🍚「畳んじゃうってwww」
🌸「ブルセラとか下着泥棒ってマジ理解できないですもん俺」
『でもまあ、浴衣の担当は可愛いっすよねえ』
🌸「わかる? わかるわかる? いやあバクシンオーって可愛らしいってより可愛い美少女? な感じだから浴衣美人なとこあるよねえ」
432 :
マスター
2025/05/02 17:23:50
ID:fNjrK26StA
🍚「いやいや、ライスちゃんはいいよ? 黒髪で長髪でこう、儚げで
あの浴衣だってね、おじちゃんが選んだんだよ似合ってるだろ?ライスにはああいう淡菫色が似合うと思ってね」
『たまにライトレさんって溺愛しますよね、まあ似合ってますけどアレライトレsんのチョイスだったんですね』
ライスシャワー
薄色に近い淡スミレの素朴な浴衣
黒に白糸の帯
🕷️「いやいいですよね、ついつい華やかな柄とか色をえらんじゃいそうですがあの素朴な雰囲気のチョイス。 ライスシャワーちゃんによーく似合ってる」
🍚「いやーわははわかります?わかってくれます?」
🌻「フラワーも将来美人になるんだろうなあ……」
🕷️「オトナなフラワーちゃんかあ、男たちが放っておかないねえ」
🍚「獲られちゃうよ?獲られちゃうよニシトレくぅん」
🌻「もーやめてくださいよお」
『でも、着物とか浴衣って――えっちじゃないですか?』
433 :
アナタ
2025/05/02 17:43:40
ID:fNjrK26StA
🌻「あー、ちょっとわかる。 着物はちょっちえっちだ」
🌸「えー俺競泳水着とかビキニとかチアとか学生服とか王道派だな」
🕷️「健全なんだけどトレーナーがいうと危なく聞こえるね」
🍚「でも着物はエッチだようんうん、ちなみに花魁みたいなちょっと開けてるのは?」
『そっちのほうが絶対いいスね!』
🍚「いやーわかってるねブルトレくん飲もう飲もうコレは僕のおごりだよ」
『いやーははは頂きますおっとっとっと』
🌻「ちなみに、ちょっと乱れた裾と、開いた胸元だと? 僕は裾」
『そりゃあ胸元ですよ。 俺おっぱい星人ですし』
🌸「いやあいいスねいいスね、男どもの友情トーク」
🍶「なんですかあ私も混ぜてくださいよお、私が浴衣を着たらいいってことですか? ええ着ますよなんなら今から着てきますよ」
🍚「まあまあまあまあもう今帰ったらそのまま寝ちゃうでしょ?」
🕷️「ほらほらそんなことより呑みましょう? お酒つぎますよ」
🍶「わーい☆」
434 :
トレーナー君
2025/05/02 17:49:08
ID:fNjrK26StA
🍚「た、楽しかったね!」
🌸「まったくです! さらに花火が待っています!」
🌻「楽しみですね花火」
🕷️「お互いトレーナーの隣にポジショニングだよ」
🤖「私が普段しないポジションの研究ですね」
『お、かえってきたな。 どうだった』
🤖「ミッション:射的、金魚すくい、ヨーヨー釣りを楽しみました」
🌻「金魚さんは残念ながら持って帰っても大変なのでお返ししました」
🍚「ぶ、ブルボンさんが!射的すごかったんだよマスターさん!」
『へえ、射的得意なのか。 今度祭に射的あったら見せてもらうか』
🤖「はい、その時のために訓練をしておきますマスター」
『しなくていいしなくていい――ほらライトハローさんも花火の時間ですよほら起きて』
🍶「うにゅう……お酒おかわり、ですかあ」
🌸「完全に酔ってますねこれは」
🍚「うわあ、ライスだめなオトナって初めてみるようわあ」
🌻「ブルボンさんこれは一歩も二歩もリードですよ」
🤖「……グッ」
――ドーン、ドーン……
『お、始まったな』
435 :
トレぴ
2025/05/02 17:53:14
ID:fNjrK26StA
――マスター
『ん? どした』
――綺麗です
『……そうだな』
――マスター、ありがとうございます
『……俺こそありがとうな』
――来年も、一緒に夏祭りに来たいです
『ああ、来ような。 その時は一緒にまわるか』
――マスター、データではこのようなシチュエーションがキスシーンに向いてるそうです
『しないな』
――マスター
『卒業して、そこでもお前が俺を好きでいてくれたらな』
――はい、次の機会にまた
『しないって言ったよ!?』
436 :
アナタ
2025/05/02 17:54:01
ID:fNjrK26StA
夏祭りおしまい
437 :
アナタ
2025/05/05 12:01:09
ID:2T5YTpCKcE
ほ
438 :
トレーナー
2025/05/05 21:35:33
ID:.Spn/9kguo
>>1
本日なしですごめんなさい
439 :
アネゴ
2025/05/06 07:06:17
ID:7TAy3LOsGo
『走れ走れ走れ走れ心臓爆発させろ走れ走れ走れ走れ』
🌸「か、ひゅっ、く、は、はっ」
🌻「ぜ、ぜっ、かは、ぜーっ、ぜっ」
「数日のトレーニングなのにできるようになるもんだね」
『元の素材がイイですからね、このトレーニング全部こなせるだけで学園でも一握りでしょうね――むしろ、淡々とこなせるブルボン―――と』
🕷️「ふんふん、むんむん、むんむんむん」
「ねえ、すごいでしょすごいでしょ? うちのマチタンちゃんはすごいんだよお」
『いや実際すごいですね。 ブルボンもライスシャワーもぐいぐい突き放そうとしてるのにしっかり食いついていくどころか後ろから圧力かかってら』
「合宿って1週間ぐらいだと気分転換だと思ってたけどこりゃ得るもの多いねえ、僕らトレーナーの友情も育めたし」
「いっやー皆さんがこんなおもろいとは思ってませんでしたよー」
『ブルボンも並走やスタートの位置取り付き合ってほしいし、大坂路使います?菊花賞まで』
440 :
トレーナーちゃん
2025/05/06 07:13:00
ID:7TAy3LOsGo
🕷️「ええ、いいの? 合宿で山登りの効果見て大坂路使わせてほしいなーって思ってたんだよね」
🍚「うちら完全にライバルだから言いにくいよねえやっぱり」
『全然いいスよ、むしろ丈夫がすぎるブルボン意外のウマ娘にもちゃんと高負荷低リスクなの証明したいって気持ちありますし』
🌻「大坂路って元々はトレーニング効率上げてケガのリスク下げるのが目的だっけ」
『そうッスね、心肺と筋力を鍛えつつ足にかかるダメージを減らしたいって感じですね。 大坂路の初被験者がブルボンで目的がちょっとブレてますけど。』
🍚「学園も今トレーニング場大改修してるよね、坂路の勾配あげたトラックコース何箇所も造るって。 あとプールとウッドチップと……なんだっけ」
『ニューポリトラック?』
🍚「それそれそれ、まだ建設中だから説明会でしか見てないけどあれどうなの?」
441 :
お兄さま
2025/05/06 07:21:04
ID:7TAy3LOsGo
『あれは効率とかより寒冷期や雨でもコンディション変わんないってのが目的なんで足の負担は普通にありますよ。 雨でも晴れでもグリップがかなり有るんで滑るのを嫌うウマ娘に向いてますね』
🕷️「あー、雨の日に足滑ってケガって多いよね。 あと寒冷期って霜?」
『霜もそうですし雨雪も寒いとコンディションの回復に時間かかるじゃないですか。 なので夏場とかより冬にも良いコンディションでトレーニングをしたいってやつです。 あとやたらタイムがいい』
🍚「あれタイム出るんだ、芝より?」
『レース場の芝より明らかにでますよいいタイム。 なんでレース前に自信をつけたいとかにはイイんじゃないですかね。 グリップが有るって事は足への反動は普通にあるんで足首が弱い子はだめですけど』
🌻「なんか学園の設備、一気に切り替わってますよね」
🌸「ブルトレのとこの大坂路コース近辺って空き地や物置同然のとこだったのに全部工事してんでしょ?」
🕷️「実際スペースがないからちょうどよかったんだろうね、ブルトレくんからしたらイイことなんじゃない?」
『そっすね、そろそろ土やダートや芝のコースひたすら走るだけってのは切り替えるべきですし。』
🍚「僕らも知識や技術のアップグレードが必要な時期なんだなあ……」
🕷️「うんうん期待してるよおブルトレ先生」
『教わる気満々じゃないスか』
442 :
大将
2025/05/06 07:34:33
ID:7TAy3LOsGo
🌻「んー、ちょっと気になったんだけどいい?」
『なんスか?』
🌻「雨とかぬかるみで滑るのは危険ってのは分かるんだ。
でも実際、坂路が足に負担かからない――怪我しにくいってのはスピードが落ちて足への反動が減るけど平地より運動負荷がかかるから――でしょ?」
『まあ、そうっすね。 俺等が階段の上り下り往復するようなもんです』
🌻「ニューポリトラックってグリップが強くてしかも水に強くてクッション性とか良い、芝よりタイムがよく出るんでしょ? それってブルトレ君からしたら危険性高いトレーニング場じゃないの? 」
『だと思いますよ。 滑るって事は力が逃げるんで、滑ってあれこれって怪我は多いけど大事故ってそんな多くないでしょ? 実際大事故になるのはレースとかでしょ? 』
🌸「うええ? じゃあ危険じゃん? だめじゃん」
『でも、全天候型のコースがないと怪我の原因は蔓延します。 結局使い方の問題なんでトレーナーがきちんと理解した上で使わせるべきでしょうね。
実際ヒトミミのトレーニングでオールウェザーだのタータンだのスーパーXだのいわれるやつはグリップ力強いですが統計上怪我が増えるわけじゃないです』
🕷️「あー、そういや陸上競技はもう全天候型のトラックだもんねえ」
🌸「でも、プールや坂路、芝ダートウッドチップにニューポリかあ。 どれ使えばいいかわからなくなるな。」
443 :
マスター
2025/05/06 07:38:19
ID:7TAy3LOsGo
🍚「いやあ恐ろしいね、運動学と根性論の融合」
🕷️「そりゃあブルボンちゃん強くなるよねえ」
『その理論値通りにトレーニング積める子ってブルボンしか居なかったと思うんで、まあ運命ですよね』
🌸「うっひょー、ブルボンちゃん運命だって、ブルトレがブルボンちゃんとの出会いは運命の出会いだってさー」
『ちょ、ま、やめてくださいよバクトレ先輩!』
🤖「マスター、トレーナーの皆さん」
『まて、お前の三冠が運命だったという話だ』
🤖「それより、皆さん――お話があります」
🌻「大丈夫ですよ♪ ちょっと砂の上で正座していただきますけど」
――はい?
444 :
アナタ
2025/05/06 07:43:59
ID:7TAy3LOsGo
『なんで俺等砂浜に正座させられてるの?』
🤖「隠し事をしていましたね? マスター」
🌻「こんな大事な事を隠していたなんて」
🌸「トレーナーさん、これは模範的行為とは言い難いですよ」
🍚「隠し事はよくないと思うな、おじさまはライスの事騙そうとしないよね?」
🕷️「いやーまあ隠したい気持ちはわからないわけでもないんですけどねえ」
――あの合宿所の民宿、大浴場は混浴ですよね?
『――知らん、知らん知らん知らん知らん知らん! あそこは時間制だ!』
「そうだよお? ぼくらも時間で男女決まってるって聞いてたよお」
🤖「管理にきた女将さんが言ってました。元々人が来ないので民宿としてはもう使ってないけど時間制なんてルールは今までにはないと」
🍚「だめだよおじさま、ちゃんと温泉のルールに則って混浴しよ?」
🕷️「トレーナーさん、背中ながしてあげますよ」
🌻「ふふふっ♪ トレーナーさんもう逃げられないですね」
🌸「さあ! 夏の思い出にレッツ混浴ですよ!」
445 :
トレーナー君
2025/05/06 07:53:31
ID:7TAy3LOsGo
裸は論外
水着では海と一緒ではないか
海と一緒で何が悪い
そもそも温泉で水着とかどうなの?
ちょっとはサービスしろ
まあ
色々あって
結局は温泉にいれていいという透けない丈夫なタオルってものを勝って
腰と胸には巻いて、その上にバスタオルのようにもう一枚巻く
というタオル入浴で混浴は合意した
事故――良からぬ行為を行ってないという証人も呼んだ
🍶「ええええ良いんですか!? 温泉でお酒とかサイコーじゃないですか!!」
446 :
トレぴっぴ
2025/05/06 08:01:02
ID:7TAy3LOsGo
🍶「温泉! お酒! 露天風呂!! さいこーですねー☆天国イズここにあった☆」
🤖🌻🌸🕷️🍚「………………」
『うわあ、浮くんだ』
「なんというか、タオル巻いててあれかあ」
「別定戦で68kg背負っても大差かあ」
「むしろこう……水着よりえっちくないですかね」
🌻「トレーナーさん?」
「ひっ!? ぼ、僕なにも言ってないよフラワー!?」
🌻「はい♪ ……でも見てましたね?」
🤖「マスター、マスター、装甲をパージします、マスター」
『やめなさいやめさない装甲パージしたら即全員あがるって約束だよね?』
🕷️「うわーライトハローさんすっごいね、こう――おっぱいって浮くんだね」
「あっはっは、君は本当に動じないねえ」
🍶「えへへー☆ まあまあ皆さんお酌しますよお☆あははえへへおしゃけおしゃけ」
🍚「ら、ライスわかんないよ! ライトハローさんは男子を誘惑してるのかお酒があればもうなんでもいいのかわかんないよ!」
447 :
トレ公
2025/05/06 08:11:17
ID:7TAy3LOsGo
🕷️「で――だ、まあ目の保養をしながらちょっとお話なんだけど
――秋の始動はみんなどうするの?」
『うちは直行でも良いんですが、一戦どっか前哨戦するかもなあって感じです』
🕷️「それなんだけどさあ、――ライスシャワーとマチカネタンホイザとミホノブルボンで前哨戦1レースしない?」
『…………』
🍚「うーん、うちとしてはしたい。 ライスがどこまでブルボンに迫ってるか見たい」
『うちとしてはメリットが何一つないんだよなあ、このタヌキども』
🕷️「いやさ、グランドセレモニーライブの一件もあるし、一戦メディアを沸かせて菊花賞で決着って方が盛り上がらない?」
🍚「大丈夫だよおブルトレくぅん、ぼくら逃げあいとかじゃないし菊花賞もやること一緒だよお」
『うーん…………まあ、別に大きなデメリットもないとは思ってるんで……いいですが』
🌸「しかし、もうURAって三冠ムードじゃん? これはこれでブルボン以外の子ってやりにくくないの?」
『ん? うち以外?』
🌸「いやほら――ブルボンの三冠を邪魔すんな――みたいな?」
🍚「あー、あるある。 実際変な手紙はもらったことある」
🕷️「ひどいよねえ、ブルトレくうん、ちゃんとファンを管理してよお」
『しらねっすよ、悪質なURAファンってたまーにいますよね』
448 :
アナタ
2025/05/06 08:17:31
ID:7TAy3LOsGo
『なあ、ブルボン』
🤖「はい、マスター。 ハグですか? 温泉でハグでしょうか?」
『そんな犯罪まがいのことはしないけど
実際どうなん?ここまで着たらお前の三冠を期待する声が多いって話 』
🤖「?? 三冠は真に強いウマ娘の証です。
誰かがそれを譲って三冠になってしまえばそれは三冠が凄くないという事になります」
『だ、そうです』
🤖「そんな事よりマスター、ハグをしてください。ハグです」
『しないよ?』
🌻「うふふ♪ じゃあ私はトレーナーさんをハグしますね♪」
「まってまってフラワー今はみんな見てるからだめだよフラワー」
🌻「じゃあ、後で二人きりのときにしますね♪」
「いやあフラワーちゃんは積極的だあ」
🌸「トレーナーさん! 我々も秋の戦線は全力で! 模範的! バクシン街道ですよ! バクシンバクシンバクシーン!」
🕷️「あ、トレーナーさん、お酒お注ぎしますよ。」
「ありがとうねえ、おっとっと」
🕷️「呑み過ぎちゃだめですよー」
🍚「……菊花賞の前に」
「ああ、一戦できればブルボンと戦いたいね。 大丈夫だよ、きっとダービーのときよりもっと強くなってる」
449 :
相棒
2025/05/06 08:23:20
ID:7TAy3LOsGo
🍚「あふ、ぅ。 長く入りすぎちゃった……」
「あっはっは、寝るまでは仰いであげるからね」
『ブルボン、うつ伏せになれー』
🤖「はい、マスター」
🕷️「いやー楽しかったですね、合宿」
🌻「また来たいですね♪」
「来年またきます?」
「ああ、いいですねえ。 今度はもっと酒とかもってきて」
『おーいブルボン大丈夫か?』
🤖「はい、長湯によるオーバーヒート。 意識が50%混濁
ステータス:ぼんやり」
『ったく、ほら』
🌻「わあ♪膝枕ですよ、ほらトレーナーさんブルトレさんが膝枕してます」
🌸「こ、これは――健全なのでセーフです!セーーーフ!!」
『ほら、仰いでやるから。 無理せず寝ようなブルボン』
🤖「いやです、マスター。 今日は最終日です――いや、です――」
450 :
アンタ
2025/05/06 08:29:04
ID:7TAy3LOsGo
🌸「いやー、名残惜しいですね」
🕷️「でも、帰ったら我が家が一番って言ってそうだなあ僕ら」
🍚「言ってる言ってる。 でもまた着たいもんですねえ」
🌻「あれ? ブルトレさんは?」
🕷️「ああ、ブルボンちゃんの実家の方にご挨拶して帰るってさ、別行動だよ」
『大したご挨拶もできず申し訳ありません』
「いえいえ、菊花賞が終わったらまた、ぜひいらっしゃってください」
🤖「頑張ってきます、お父さん」
「ああ――ブルボン、勝っても、負けても、菊花賞が終わったらちゃんと帰ってきなさい」
🤖「――はい」
「――あと、学園は治外法権なとこあるからね」
『お父さん???』
「こういう事はよくあることだから退学とかそういうのないよ、勿論トレーナーがクビとかもない」
『女子高生の親御さん?』
🤖「はい」
「巧いことやりなさい、レースもそっちも応援してるよ」
🤖「ありがとうございます、お父さん」
『あーもう感動の出立が台無しだよもー』
451 :
アネゴ
2025/05/06 08:41:49
ID:7TAy3LOsGo
セントライト記念
中山2200M
『まあ――2200Mでレースカンを取り戻そうって感じで前哨戦いくぞ』
🤖「マスター――こうしてマスターに背をあずけ後ろからハグされてるとまるで恋人トークのようですね」
『うーん恋人同士は2200Mを走る相談をしないと思うから君はウマ娘で俺はトレーナーだなあ現実にもどってこい?』
🤖「キスをしてくれたら戻ります」
『そっかーじゃあハグはやめるかあ』
🤖「質問ですマスター。 菊花賞前哨戦としてはダービーより短い距離です」
『よーし現実に戻ってきたな偉いぞブルボン。 今更レースで長距離を試してる余裕はない。 菊花賞までトレーニングしっぱなしで行くんだから前哨戦は短いほうがいい、特に――今回は結構ハードなレースかもだしな』
🤖「……ライスシャワーさんとマチカネタンホイザさんですか」
『ああ、正直言って菊花賞前に消耗したくないかなー』
🤖「……強い二人です。 ですが――勝ちます。 」
『ああ、そうだな。 ブルボンなら勝てる』
🤖「もっと強くぎゅーってして言ってください」
『ん? こうか? ブルボンは最強ブルボンは無敵ブルボンなら勝てる。 お前は一番すごいウマ娘だ』
🤖「マスター……マスターはなぜこういうときだけは積極的なのでしょうか?」
『そうじゃないほうは我慢してるって言ったよね?』
452 :
トレーナー君
2025/05/06 08:47:30
ID:7TAy3LOsGo
なでくりなでくり
『てかさ、君は女の子なわけじゃん? 男にはこうもっと頼りがいがあるーとかクールでかっこいいーとか望むもんじゃないの?』
🤖「マスターは頼りがいがある方です。 クールさより表現が大きい方が私は好きです。 マスターのように嬉しそうに撫でてくれる人が好きです。」
『ふーん、そんなもんかねえ……なんか男の勝手なイメージだと女の子ってのは高身長高学歴でイケメンで優しい頼りがいのある男ってのが好きってなるからな』
🤖「私はマスターにぎゅってされるのが好きです。 そしてマスターをぎゅっとするのも好きです。 撫でられるのも好きですしマスターを撫でるのも好きです」
『はいはい撫でなくて良い撫でなくて良い』
🤖「? なぜですか?」
『いや、ちょっと照れる』
🤖「……誘ってますか?」
『なんで?』
453 :
トレーナーさま
2025/05/06 09:03:38
ID:7TAy3LOsGo
『うわ、コーエイボーガンも来るのかセントライト記念』
ミホノブルボンと同じスタート走法をするウマ娘、低迷期を逃げで打開し重賞2連勝
夏の上がりウマとして2000M以上も勝ち上がった
🌻「というか、今年のセントライト記念メンバーすごいよね
菊花賞をあきらめきれないナリタタイセーにヤマニンキセキ
ミホノブルボン、ライスシャワー、マチカネタンホイザもってなったらG1みたいなメンバーだよ」
🍚「あー、タンホイザちゃん回避だってさ」
『へ?なんで???』
🍚「なんか謎の蕁麻疹でちゃったんだってさ。さすがにレースでれないって。
ブルトレくんに謝ってたって言ってくれってずっと奥さんと一緒に付き添ってるよ」
『へー、菊花賞は大丈夫なんすよね?』
🍚「うん、どっか他で一回出してから菊花賞行きたいっていってるから菊花賞は確実に出れそう」
🌸「いやでも変な話っすね、ライバルの出走に安心する間柄ってのも」
『いやね、しょーーーじき言うとそら菊花賞死ぬほどほしいんだからライスシャワーにもマチカネタンホイザにも出走してほしくないですよええ』
454 :
キミ
2025/05/06 09:09:23
ID:7TAy3LOsGo
🍚「ま、実際こんなに仲良くして良い間柄じゃないよねえ、ライスシャワーとブルボンたち自身もね。 どっちが勝っても悲しい悔しいがあるからね」
『まあでも、ここまできちゃったらもう一蓮托生というか菊花賞全力でやりあってで良いんじゃないかなって。
ライスシャワーもタンホイザも強かったけどそれに勝って三冠でしたのほうが――かっこいいでしょう?』
🌸「でも本心は?」
『コーエイボーガンもライスシャワーもマチカネタンホイザも全員回避しねーかなー』
🌸「ゲラッwww」
🍚「まあ? でも実際は多分今一番回避してくれって思われてるのはミホノブルボンちゃんでしょう? 」
🌻「あー、まあ確かに。 トレーナーというか出走するウマ娘陣営からはね」
――あ、あ、あのっ!!!
455 :
キミ
2025/05/06 09:18:34
ID:7TAy3LOsGo
『ん?』
立っていたのはライスシャワーよりも小柄かもしれず、しかしライスシャワーと対比的に豊満な、ピンク髪の少女だった。
ちょっとおっとりめの眉、長いピンクの髪。そして大きなウマミミ。
全体的にむっちりした感じだが肥満体型とはちがう、ダイエットが必須の女性から恨まれそうな体つきをしている
「ありゃ、コーエイボーガンちゃん」
「こうしてみると小柄だね、ライスシャワーより小さい?」
『重賞2連覇おめでとうさん、どしたの?』
🏹「あの!ミホノブルボンさんのトレーナーさんですよね?
私、コーエイボーガンです! ミホノブルボンさんの大ファンです!」
『ほほう? 次のセントライト記念で私がハナ獲って逃げ切りますよっていう宣戦布告かあ、いい度胸だなあ?』
🏹「ぴきゃあ!? ち、違います! いえ勝ちたいのはホントで……でもその、あの、ミホノブルボンさんがトレーニングしてる大坂路、ぜひ目の前でみたくて、その、そのっ!」
『なに? 見学? 』
🏹「はいっ、ぜひ見せてほしくって……でも、ライバルですしだめ、でしょうか?」
『えーーーーどうしよっかなーーーーー!! どーーーーーしよっかなーーーーーー!!』
456 :
使い魔
2025/05/06 09:21:58
ID:7TAy3LOsGo
🌻「ま、マスターさん!」
🌸「お前ほんっとヒールみたいな態度うまいな」
『別にいいよ、そっちのトレーナーさん連れてきたら走ってもいいし』
🏹「え、え、えっ!? いいんですか? あの、私も菊花賞狙ってて、今度のセントライト記念も出走して……」
『え? だって午後からみんな来るし一緒に走れば良いと思う』
🏹「みんな?」
『えーと、タンホイザは駄目だろうけど……バクトレさんとこもニシトレさんとこも、あと――ああ、あいつも来るか。』
457 :
お前
2025/05/06 09:32:03
ID:7TAy3LOsGo
「タイセー! もう一本もう一本!頑張れ!」
「ライス、最後100Mダッシュダッシュダッシュだよ!」
🏹「えっと――これは」
『大坂路だが? 』
🏹「いえ、そうじゃなくて! そっちはすごいなって思いましたけど
なんでみんないるんですか!?」
『いや、言ったじゃん午後はみんな来るって』
🏹「いやだって――」
――ミホノブルボン
――ライスシャワー
――ニシノフラワー
――サクラバクシンオー
――ナリタタイセー
――あら、貴方……コーエイボーガンさん、でしたっけ?
👁️「貴方も大坂路でトレーニングですの?」
🏹「え、の、ノーザンコンタクトさん!?」
👁️「……なんですのそんなおばけを見るような顔して」
『そりゃお前春にマイル転向して惨敗してそのまま契約破棄してるウマ娘みたらお化け見るような顔になるだろ』
👁️「ブルトレさん!?」
『ほらほら、ここでくっちゃべっててもお前を見下してたトレーナーたちを見返せないぞ止まるな動け走れ動け走れ』
👁️「……くっ、トレーニング終わったら覚えてなさい!」
🏹「あの、これは?」
『……なんだろうな、合同トレーニング?』
458 :
あなた
2025/05/06 09:38:09
ID:7TAy3LOsGo
🏹「あ、あの。 私もですけど、菊花賞に出るウマ娘もいますよね?」
『コンタクトとタイセーも出ようとしてるな。 まあコンタクトはまず走りでトレーナー捕まえなきゃいかんし、タイセーはセントライト記念だから俺等とモロかぶりだし』
🏹「……いいんですか? わ、私もですが」
『あー、敵同士なのに一緒にトレーニング? いいじゃね? 正直俺もやりにくくないのかと思ってたけど』
――まちなさいタイセーさんまちなさいっ!
――しつこい! 貴様のような春の落ちこぼれに負けるか!
――キイイイイ! このエリートに向かってなんですのその口は!
『……な? 楽しそうじゃん』
🏹「……はあ」
「いや、本当にいいんですか? 」
『あ、はじめましてボーガントレさん』
「あ、どうもご丁寧に」
『いやあブルボンが集中できないならさせてないんですが――人がいるほうがブルボンもやる気が出るようで』
459 :
お兄ちゃん
2025/05/06 09:44:02
ID:7TAy3LOsGo
――2本め終了、低速で一周後そのまま3本目に入ります
――ブルボン、次並走をお願いしたい
――承知しました、タイセーさん
――まちなさい! あなた達がやるなら私も並走しますわ!
『ね? すっごい楽しそうでしょ?』
「は、はあ……ではボーガンも一緒にいいんでしょうか?」
『もちろん。 おーいブルボン! 次ひとり並走入るからアップ待ってやってくれ!』
🤖「………………」
🍚「………………」
👁️「なんでボーガンさんをそんなに見てますの?」
🏹「あ、あ、あのっ?」
✪「おい、ボーガンが怯えてるぞ」
🤖「……ライスさん、これは」
🍚「ゆ、許せないよっ…………」
🏹「ひっ!? なにかしましたか!?」
🍚「ライスより小柄なのにそのおっぱいはなに!? 合法ロリ巨乳なんて犯罪だよ!!この乳が! この乳がライスも欲しかったんだよ!!」
🏹「ひにゃああああああ!?」
460 :
アナタ
2025/05/06 09:52:42
ID:7TAy3LOsGo
🍚「ライトハローさんといいボーガンさんといいなんでおっぱいがいっぱいなの!? ライスは、ライスはああっ」
🏹「ライスさん叫びながらおっぱい揉まないでくださいよおおふえええん」
👁️「別に胸の大きさなんてどうでもいいじゃあありませんの、ライスさんはそのままでも素敵ですわよ」
✪「……まあ、気持ちはわからんでもない」
『よし、お前らおしゃべりそこまでだ。 ブルボン3本目でざっと全員団子になって大坂路のぼってけー』
👁️「タイセーさん! 負けませんわよ!」
✪「……なぜ私に張り合う」
👁️「そんなの貴方がNHKマイルを勝った強者だからですわ!マイル失敗しましたのわたくし!」
✪「……メンタル強いなお前は」
461 :
アンタ
2025/05/06 10:04:58
ID:7TAy3LOsGo
🌸「コンタクトちゃん、頑張るねえ」
『ビビりましたよ、突然ここにおしかけてきて』
――わたくしを菊花賞に出走させてくださいまし!ついでにトレーナーを見返したいの!
『ってトレーニングにとびいってくるんだもの。 自主トレだけでずっとやってたんだろうけど全然実力おちてないな。 菊花賞はともかくとしてすぐトレーナーから引っ張りだこになるだろあれ』
🍚「名家ノーザン一家の天才、秋に復活。 いいねえなんか話題になりそう」
🌸「あれなら夏も普通にトレーナーついたんじゃない? 実力普通にOP級でしょ」
✪「一家の意向もあって本人も引退するつもりだったらしいですよ。 急に「納得いきませんわ」って全部ひっくり返したらしいけど」
『ワガママお嬢様が最後の意地かあ……タイセーさんとこは菊花賞どうすんです?』
✪「……セントライト記念次第ですね。 本人もそこで走れなければ菊花賞はあきらめると」
🌻「でも、すごい光景だね、こんな合同練習みたことないよ」
――パシャ パシャ パシャッ
――いやあすごいですねチーム「菊花賞」! んんんこれはいい記事になりそうです!
462 :
アナタ
2025/05/06 10:13:55
ID:7TAy3LOsGo
🏹「あれ、えっと――乙名史記者さん、ですっけ? トゥインクルの」
✒「はい! ボーガントレさん、貴方もチーム菊花賞に参加とは、菊花賞の意気込みを一つお願いします!」
🍚「んっふっふー、ボーガンちゃん菊花賞出てくれるんだあ嬉しいなあおじさんうれしいなあ。これは逃げ競り合いでライスちゃんにチャンスあるなあ」
🌸「うわあ、悪い顔してる。」
🏹「ところで、チーム菊花賞ってなんですか?」
『ああ、実際そんなの無いですよ。 ただここで練習してるメンバーをチーム菊花賞って言ってるだけで、各トレーナーが各自自由に練習させてるだけです。』
✒「はい! でもそうした方が非常に記事は書きやすく!
古豪たる名門一家の天才の復活! 距離の壁を諦めない巨星が菊花賞にいどむ!
ダービーでブルボンに迫ったダービー馬2着4着ウマ娘」
――それを迎え撃つ無敗の2冠 坂路の申し子 サイボーグミホノブルボン!
✒「いやあ、筆がはずみますよこれ」
『だれかを極端に持ち上げたり極端にヘイトあつめなきゃいいんで良い記事かいてくださいね』
463 :
使い魔
2025/05/06 10:56:02
ID:7TAy3LOsGo
🏹「――ひ、ひ、ひっ、し、死ぬ――死んじゃう――おかあさん、おかあさん――」
『見事なまでにピクピクしてんな』
🌸「はじめてでここまでやりゃそりゃピクピクするよなあ」
🍚「うんうん頑張った頑張った」
🌻「こうやって見るとフラワーとか着実につよくなってるんだなあって」
『ボーガントレさん、ゆっくり歩かせたあとしっかりマッサージお願いします』
🏹「すごいな……みんなあんなトレーニングをずっとやってるんだ……
私なんて、ちょっと勝って調子乗って……」
👁️「ちょっとボーガンさん!?」
🏹「ぴょえっ!? ごめんなさいごめんなさいヘタレなのに練習参加してごめんなさい!」
👁️「??? 何言ってますの? それより貴方やりますわね、このあーしのライバルとして認めて差し上げますわ。」
🏹「はい?」
✪「……はあ、 すまない。 このお嬢は速いウマ娘を見るとすぐにライバルにする習性があるんだ」
👁️「ちょっと、習性とはなんですの習性とは!」
🏹「え、私、頑張れたのかな……全然駄目だったと思うけど」
👁️「なに言ってますの、わたくしは初日であの半分でダウンしましたわ! 貴方はその倍! すごいですわよ!」
✪「……お前ほんとそのメンタルすごいな」
464 :
あなた
2025/05/06 11:29:32
ID:7TAy3LOsGo
――ノーザンコンタクトいいじゃん
――模擬レースとかでない? マジであれでフリーなの?
🍚「コンタクトちゃん、もう注目集めてるね」
『そっすね、次の模擬レースで結果でればすぐ契約できるんじゃないですかね』
✪「さすがに今からタイセー以外の面倒はきついからねえ」
🌸「お嬢お嬢言われてたからプライドだけ高いお嬢様っての想像してたけど努力家というかメンタルつよくない?」
『トレーニングでカエルみたいにぶっ倒れてても次の日ケロっとして来ますよね、丈夫なのもあるけどメンタルがめちゃ強い』
🍚「泥まみれのダイヤモンドって感じだよね。 いい子だようんうん。
最悪契約だけってのも考えたけど、あれなら問題なくトレーナー選び放題だね」
🌻「良いか悪いかわかんないけどボーガンちゃんも初日から二本しっかりやりきってたね、これからもくるかどうかわかんないけど素質はすごいありそう」
『強力なライバルばっかっすね、ほんと……でも、なんか楽しいですね、こういうの』
465 :
使い魔
2025/05/06 11:35:24
ID:7TAy3LOsGo
セントライト記念前
おしまい
ちなみに史実はセントライト記念はライスシャワーのみ出走、その後京都新聞杯でブルボン、ライス、キョウエイボーガン、ナリタタイセイが戦ってます
マチカネタンホイザの蕁麻疹は有馬記念出走回避時ですが話の構成上ここをひとまとめにさせて頂きました(カシオペアSから菊花賞)
この都合で京都新聞杯ではなくセントライト記念に変更してます。 ご了承ください
466 :
マスター
2025/05/06 12:17:11
ID:8ihoFKvi1Q
ほんと好き、早くブルボンに食われろ♥️
467 :
使い魔
2025/05/06 17:35:13
ID:7TAy3LOsGo
――コンタクトさんは後ろ
――スパートかけてきそうならブロックして
「――甘いですわ」
バ群がノーザンコンタクトを完全に塞いだはずだった
しかしほんの僅か――ウマ娘1人分のスキマを縫うようにノーザンコンタクトが潜り込む。 焦って斜行になるような角度でブロックしようとするウマ娘
第四コーナーを回ったところでノーザンコンタクトと接触し
「甘い!甘い!甘いですわ!あの地獄のトレーニングで身についた筋肉こそ最!強!
――そんなブロックウエハースチョコのようなものですわーおーっほっほっほ!
おどきなさい木っ端! ワタクシが最強! 最強なのですわ!!」
接触してきたウマ娘を逆に跳ね返し阪神の直線を一気
明らかにノーザンコンタクトを意識したシフトとブロックをすべて跳ね返し後続を突き放す
『うっわあ……高笑いしながらはねのけやがった。』
🕷️「超名門のお嬢様とは思えない強引なやりくちだなあ、今ぶつかってきたウマ娘を避けるどころか迎え撃っただろ」
👁️「コンタクトお嬢様…………本当に、本当にご立派になって……」
🌻「ああ、泣かないでくださいコントレさん」
――強い!強すぎるノーザンコンタクト!
――一度は堕ちた名門のダイヤモンドがサファイヤ特別を圧勝し菊花賞に名乗りをあげたーっ!
『圧勝だよ、ありゃまだまだ余裕ありそうだし菊花賞でも手ごわそうだ』
🍚「うっはー、ありゃ強いなあコンタクトちゃん」
🕷️「おいおい聞いてないよ? 後方一気の強敵とか」
👁️「お嬢様! お嬢様最強! 筋肉こそ最強!筋肉最強!」
468 :
あなた
2025/05/06 17:45:32
ID:7TAy3LOsGo
――完全復活おめでとう御座いますノーザンコンタクトさん
――やはり目標は菊花賞でしょうか?
「――はい、名門一族の看板に泥を塗るようなクラシック春でしたが、チーム"菊花賞" のお力添えもありこうしてレースで力を証明することができました。
菊花賞でもノーザン一家の名に恥じぬレースをしたいと思ってますわ。」
『うわあ、TPO弁えられるんだ』
🕷️「超名門のお嬢様は伊達じゃないなあ、カリスマっていうかオーラが有るね」
🍚「トレーニングで、しゃらくせえですわとか言ってライスやブルボン追っかけてるとは到底思えないやつだ」
🌸「汚れることを厭わないエリートってこえーなー強い」
――チーム菊花賞というのは?
「はい、 今やURAを代表する今年度2冠ミホノブルボンさんを中心に、菊花賞を目指すウマ娘の方々、それにその運動学、トレーニング学に共感するメンバーで合同トレーニングをしてますの」
「ライバルとして、友として全力で取り組むトレーニングのおかげで今の私があると思っており、チーム菊花賞の皆様――特にそのトレーニング学を共有していただいたミホノブルボンさんのトレーナーさんには本当に感謝してますわ」
――ざわっ、妥当ミホノブルボンさんではなくその中心にミホノブルボンさんが
――素晴らしい環境なのですね、菊花賞では共に鍛え上げたライバルとの激闘が見られると
「はい、期待していただいて結構です。
間違いなく今年の菊花賞はURA史上に残る大レースになりますわ」
469 :
キミ
2025/05/06 17:57:57
ID:7TAy3LOsGo
「お嬢様! お嬢様! 」
👁️「あーもう、うるさいですわ、じい」
🌸「……じい?」
『コンタクトのトレーナーさん、本当はトレーナー引退してノーザン一家で執事してたんだよ。 チーム菊花賞でのトレーニングや模擬レースを見た親御さんとトレーナーさんがいたく感動してね』
👁️「――本当に、感謝してますわブルトレさん。皆さん」
ノーザンコンタクトは深く、頭を下げて
👁️「一家に居場所もなく実家に帰る事すら憚られ、一時は山に籠もり修行をする始末……」
『山に籠もってたの!?』
🌸「あー、だから合宿の時って捕まらなかったんだ……居なかったから」
🕷️「逞しすぎだろこのお嬢さん」
🌻「その時点で実家の方々許してくれそうだよね」
🍚「うんうん、実際ずっと陰で見守ってくれてたんじゃないかな」
👁️「OPとはいえレースでも結果を出しこれで堂々とノーザンの門をくぐれますわ、インタビューでの事は本心ですのよ? 本当にチーム菊花賞には感謝してますわ。
このお礼は――菊花賞で」
『ほぉう? たかだか1ヶ月2ヶ月の大坂路でブルボンに勝とうと?』
👁️「あら? ご存じない?
――才能に溢れたものが努力をしたら最強なんですのよ?わたくし、天才ですの。」
『上等だ、菊花賞で付いてこれなくて垂れる様見てわらってやらあ!』
🌸「うーんこのメンタルおばけよ」
470 :
貴様
2025/05/06 18:06:09
ID:7TAy3LOsGo
👁️「ところでブルトレさん――"一門おかかえ"ってご存知かしら」
『え? メジロ専属みたいな?』
👁️「まあそうですわね、メジロもノーザンも一家一族というより家族間の集合体ですし……その一門の専属トレーナーに、ご興味はないかしら」
『え? ないなあ今ブルボンのトレーニングもあるし学園トレセンの回収案とかでマジで忙しいし。 お前も大坂路周辺のトレーニング場大改修してるの知ってるだろ。 やる暇ねえよ』
👁️「なんでですの!? メジロ、ダイイチ、サトノ一家に勝る名門ノーザン一家のおかかえなんて人生勝ち組どころかトレーナー人生で最高の勝ち組ですわよ!?」
『いやブルボンの専属だし俺……お前俺にトレーニング後マッサージされててわかるだろ? ヒマがないんだよヒマが。
金は欲しいし名誉もほしいよ?でもヒマがないの』
👁️「ま、まあそれは分かるのですが――菊花賞が終わったら貴方にも暇ができるんじゃないんですの?」
『いや、まあ……来年とか再来年はしらんけど……うーん』
🤖「――拒否します。 マスターは私のマスターに専念すべきです」
471 :
トレピッピ
2025/05/06 18:13:13
ID:7TAy3LOsGo
『おうブルボン、聞いたか聞いたか、俺ノーザンの専属だってようひょー勝ち組だぞ勝ち組』
🤖「拒否します。拒否します。 拒否します。 マスターは私のものです。 マスターにハグをする権利もハグされる権利も私に占有権があります」
👁️「あら、そんな大好きなトレーナーならそのトレーナーの人生がより良い方向に行くのを応援すべきではないかしらブルボンさん。
貴方のその!ごっつい大腿筋! トモまで届く超特急! その筋肉を鍛え上げる傑物は然るべき環境と報酬を受けるべきですわ」
🤖「…………だめです。コンタクトさんはマスターの事が好きなのですか?」
👁️「……え?」
『え? 俺もしかしてモテ期? モテ期?』
🌸「お前自分が今年のURAの中心人物な自覚もて」
🌻「これが人生に1回あるって言われるモテ期かあ」
👁️「――??? 何を言ってますの?
私が惚れ込んでるのは――ミホノブルボンさんですわよ?」
🤖🌻🌸🕷️🍚『はい??』
472 :
お姉さま
2025/05/06 18:22:16
ID:7TAy3LOsGo
👁️「わたくし――名門出身のエリートとして活躍し、転落人生を味わい臥薪嘗胆の思いで今花開いて気づきましたの 」
――やっぱり筋肉はすべてを解決する
👁️「筋肉は鍛えてよし、筋肉痛の翌日の筋肉を愛でてよし、素晴らしい筋肉を眺めてよし! 世の中もっとも愛に満ちてるのは筋肉! レースを勝つのも筋肉!
筋肉さえあればバ群に飲み込まれるなんて事もありませんわ!」
『……えっと?』
🌻「つまり、コンタクトさんはミホノブルボンさんのあのお尻とかトモの筋肉に惚れてるって事?」
👁️「そのとおりですの!! URA史上最高傑作と言われたあのお尻!まさにごっついお尻、 つまりG・O・D!」
『……なんて?』
👁️「ごっつい・おしり・臀部! G!O!D! GOD!GOD!」
コンタクトのGODコールに合わせGODコールを唱和する爺トレ
👁️「それにブルトレさんとお近づきになれば自然ブルボンさんとの距離も近くなりますわ。 ブルボンさん、今度ノーザン家のサウナにご招待させてくださいまし。 その時は私が直々にその筋肉にアロマオイルを……バンテリンを……ハアハア」
『うわあ……うっわあ……』
🤖「……………………」
473 :
トレぴっぴ
2025/05/06 18:26:00
ID:7TAy3LOsGo
🕷️「実はあの子スプリングSの敗戦がトラウマになってたりしてない?」
🍚「まあミホノブルボン相手に唯一1番人気になった実力者がバ群に呑まれてレースにすらなってなかったからね」
🌸「あの一戦で苦手なマイルに転向はちょっと酷い話ではあるなと思うけど」
『そろそろ離れなさいブルボンさんや、人前ですよ』
🤖「……がるるる、マスターは私のです」
『次は俺達だぞ、菊花賞前に2200Mで勝てるかもなんていうスイートな考えもってるやつらに絶望を与えてこいミホノブルボン』
474 :
アナタ
2025/05/06 18:47:25
ID:7TAy3LOsGo
『ニシトレ先輩』
🌻「ん? どうしたのマスターくん」
『実際、名家お抱えって勝ち組なんですかね?』
🌻「名家お抱えってだけで学園内でのヒエラルキーは一番上じゃないかなあ」
🌸「名家お抱えってだけでサブトレーナー増やして素質有るウマ娘沢山抱えてチーム作ってなんてトレセンのハーレムだと思うわ」
🕷️「専属気質かチーム運営したいか、ってのもあるけどチーム組むトレーナーからしたら絶対勝ち組だね。 しかも最上位の意味での勝ち組。 トレセン業界のビルケイツかアーロンマスクかみたいな」
『うへあ……そんなレベルなんですね』
🍚「いやあね、でも実際ブルトレ君て、自分の理論とかウマ娘一人のあれこれじゃなく、トレセン学園を根本から変えたいわけでしょ?
――正直言うとそれなら一門とか名家のコネは会ったほうが良いよね」
🌻「影響力というか説得力違いますよね……学術論というかレポート一枚の重さが違うから通しやすいしURAや学園の協力は自然にとりやすい」
🌸「権力使わなくても肩書って大事だよな、実際無敗の2冠ウマ娘のトレーナーならトレセン中のトレーニング施設の改修にOK出るわけだし」
『元々、秋元理事長が俺の理論に同調してたってのが大きいですけどね
理事長の一存じゃ底辺な俺の意見を通せなかっただけで』
🟩「ブルトレさん、今よろしいでしょうか?」
『あ、たづなさん。どもです』
🟩『秋川理事長がお呼びです。お時間頂けますか?』
475 :
ダンナ
2025/05/06 18:57:03
ID:7TAy3LOsGo
🌻「忙しそうだよねえマスターくん」
🕷️「講演会とか記者へのサービスとかセレモニーライブの打ち合わせだろ?」
🍚「しかも学園のトレーニング場の改修計画にも噛んでるし」
🌸「なあなあ、さっきコンタクトちゃんの関係でノーザン一家の話でたじゃん?
――あの噂ってどうなの? 」
――秋川やよい理事がノーザン一家の中枢の娘って噂
🕷️「あー、だからあの年で学園の理事やってるって話か」
🌸「そもそもあの人ポケットマネーで学園のあれこれやってるんでしょ? 俺等の一生分の金とか学園に突っ込んでるって噂あるじゃない」
🌻「いやあ、ない……いやでもそうなるとあの人は何者なんだってなるし」
🌸「コンタクトちゃん一人の話ならいいけどノーザンがブルトレを見初めたって話だと、理事長も囲ってくるとか」
🍚「いやあ、流石にないでしょ学園の理事長だよ?」
476 :
トレーナー君
2025/05/06 19:10:57
ID:7TAy3LOsGo
『コーエイボーガンが4番、ライスシャワーが1枠1番でブルボンは大外10番か』
👁️「ブルボンさん!ブルボンさん!今日も大腿筋がキレてますわーっ!」
🕷️「いやあ実際レースだとあのケツはごっついよね」
✪「タイセー、頑張れ、タイセー」
🍚「うーん完全に道中のライバルだよねえ、ライスとタイセー」
🕷️「ブルボンとボーガンでハナの取り合い。そして先行争いはタイセーとライスシャワーちゃん。 んっふっふー、これはチャンスあるよおタンホイザちゃん」
『実際、ハナ獲りますか? ボーガントレ先輩』
🏹「うん、ほしい。 正直ミホノブルボンのハナ奪うって風当たり強いけど、ハナとれなかったら勝てないと思う。
あの子ハナ見えてないと気分良く走りに集中できないからね」
🕷️「ブルボン陣営は、ハナ譲らないの?2番手?」
『んー、レース内容としてはハナ獲ってるほうが強い内容なんです。 なんで簡単には譲りたくないですね』
――スタートしました―――おおっとコーエーボーガン出遅れた!
🏹「うっそぉ!?」
🕷️「うわあ……」
477 :
アナタ
2025/05/06 19:14:03
ID:7TAy3LOsGo
――誰が勝っても、恨みっこなし!
――ライスも、ブルボンさんに勝ちたい!
――皆さんとするトレーニングは、楽しいです、ステータス:充実
――私にも、意地はある
🏹「みんなみんなすごいウマ娘で――」
🏹「でも、私だって、出遅れちゃったけど……重賞2個かって」
🏹「逃げで――ブルボンさんみたいに、勝ちたい」
バンッ
――おっと出遅れたのはコーエイボーガン! ライスシャワーは良いスタート、するするっと前にいきます
🏹「――ええっ!?えええええええええっ!?」
478 :
モルモット君
2025/05/06 19:25:08
ID:7TAy3LOsGo
(ボーガンさん出遅れた? 左に見えない、タイセーさんと……大外からブルボンさん!)
「あの加速ずるくない? 2秒かからずトップギアじゃない」
🌻「ますますスタートの加速強くなってますね」
🏹「ボーガンもスタートの加速負けてないのに、負けて、ないのに!!」
🕷️「あー、ボーガンさんがバ群に、がんばれ、がんばれ……」
『よーし、ペースが一定になってきた。 ブルボンのレースだ』
🍚「……ライス、焦るな。 勝負は3コーナーから、3コーナーからスパートだよ」
🏹「よし前空いたいけいけ、せめて2番手で」
🌸「……ペースはやくない?2200Mなのにラップタイム全部12秒前半だけど?」
🍚「いや……ブルボンは垂れない。 ここでついていかないと届かないよ」
✪「ダービーでも同じレースをされてるからね。 ブルボンは追い詰めても最終直線で2の脚がある」
『油断も勘ぐりもしてくれないか……ブルボン全部蹴散らしちまえ』
479 :
使い魔
2025/05/06 19:29:03
ID:7TAy3LOsGo
🏹「は……は……ぜ、ついて、行かなきゃ……」
✪「……くそ、くそっ、私では――やはり――」
――おおっとここでコーエイボーガンがずるずると後退! ナリタタイセイも下がっていく。
🏹「ボーガン!!」
✪「くそ、タイセー! ひょっとして故障じゃ……タイセー!」
『……ッ』
――さあ第三コーナーライスシャワーが差をつめていく! リードはもう2バ身 1バ身! 第四コーナーを抜けて直線に入ります!!
480 :
お姉さま
2025/05/06 19:38:24
ID:.y19aqtznY
――息遣いが聞こえる
――足音が後ろから聞こえる
――このプレッシャーは
「――わあああああっ!ブルボンさん!ついていくだけじゃなくて――勝ちたい!」
「――ライスさん」
――さあ最終直線でついにライスシャワーが並んだ!並んだ!
――ライスシャワー黒のドレスがついに超特急を捉えた! ダービー2着がミホノブルボンを追い詰める!
「勝ちたい!勝ちたい! 憧れのブルボンさんに勝って――私だってヒーローになりたい!」
――ライスシャワーミホノブルボンをかわして――いや
――譲らない、譲らないぞミホノブルボン! 超特急ウマ娘が2冠の意地を見せる!
「……負けません、ライスさん。」
「――そんなッ!?」
――ミホノブルボンさらに加速!ライスシャワーを引き離す!
――なんという豪脚なんという二の足!これが追い詰められた逃げウマ娘の豪脚なのか!
――強い! ミホノブルボン! ライスシャワーを引き離し今
――一着でゴールイン! 2冠ウマ娘ミホノブルボン! これで無敗の7連勝です!!
『――ふーっ』
👁️「きゃーっ!きゃーっ! ブルボンさん! 強いですわ美しいですわ―っ!」
🍚「…………あー、だめかあ、まあ――本番は捉えられる、かな」
『…………かわせませんよ、ブルボンは』
🍚「でも、追い詰めた。 次は3000Mだからね。」
『…………ブルボンのケア行ってきます』
🕷️「だめだよおライトレくん――で、実際どうなのよ」
🍚「菊花賞で――コーエイボーガンがハナ奪ってくれたら、3000Mで届かないってことは、ないかなって」
🕷️「んっふー言うねえ、でもそれを差し切っちゃえばあ? タンホイザちゃんが菊花賞勝利なんだよねえ、むふふー」
481 :
トレーナー君
2025/05/06 19:46:35
ID:.y19aqtznY
「ボーガン! 大丈夫? 脚のケガは?」
🏹「大丈夫です、大丈夫です……スタート、失敗しちゃいました。えへへ」
「ああ、よかった。よかった…………大丈夫、今日はスタートでハナを穫れなかったけど、ハナを穫れば菊花賞では勝てる。」
🏹「住む世界が――違うんだなって、思ってました。」
「ボーガン、それでも君はあの子達と同じレースに立ってるんだ。 重賞を2連勝、君だってその世界の一員だよ」
🏹「スタートからみんな容赦なくて――先行争いも中盤もすごいペースで、でもみんなみんなバテる事なくて追いかけて――」
🏹「でも――不思議なんです。
私――今度は負けたくないって、ハナを切って逃げ切りたいって、思うんです」
✪「…………」
「……タイセー、良かった。 ケガがなくて。」
✪「ここまでだな、トレーナー」
「タイセー……」
✪「ダービー7着、セントライト記念大差のシンガリ。 実力の差は明白だ」
「…………悔しいな。トレーナーである僕の実力不足だ」
✪「いや、むちゃを行ってクラシック路線を走らせて貰って感謝してる。
――クラシックを夢見てきたが、ここまでだろう。でも
――でも、もう少しだけ走ってたい。 全力で走るのは、強者と戦えるのは、心地いいんだ。」
✪「もうすこし――今度は高速のマイル路線に付き合ってくれるか?トレーナー」
482 :
貴様
2025/05/06 19:55:48
ID:.y19aqtznY
『……今日のレースで全力だな?』
「……はい、マスター。 ライスシャワーさんに、初めて捕まりました
かわされると思いました。 2200Mだから、余力がありました」
『…………3000Mだったら?』
「…………かわされていた可能性が高いです」
『……俺も同意見だ――くそ、ライスシャワーのスタミナは明らかに長距離向きなんだ、もう菊花賞まで時間がねえ』
「……マスター」
『やめろ、わかってる。 分かってるよ――四本のままじゃ、勝てないって言いたいんだろ? 』
「はい。 勝てない菊花賞に出るより、故障による回避を想定してでも」
『させれるわけねえだろうが! お前一回故障してんだぞ!!!』
「――ッ!!」
『くそ、くそ、3000Mを走り切るスタミナはある、あるんだ! それでも、それでも3000Mで追い詰めてきたライスシャワーに確信を持って勝てるとは言い切れねえ。』
「…………マスター、マスター。落ち着いてください」
『――!? ブルボン』
「四本しかできないなら、最高の集中と効率で四本をこなします。
大丈夫です――貴方の作った脚も心臓も――菊花賞で勝てます。 勝ちます。
だからマスター、大丈夫です」
『………………すまん、ブルボン』
483 :
大将
2025/05/06 20:01:01
ID:.y19aqtznY
――ついに、ミホノブルボンを捉えましたね
🍚「いやー、2着でしたけどね。ですが――今回で確信を得ましたよ。 3000Mならアイスの勝ちだ」
✪「クラシック路線は撤退します。 菊花賞ではなく今後はニシノフラワーさんやバクシンオーさんのいる短距離路線に集中したいと思います」
――今年のメンバーだけでもマイル、スプリントも競合揃いですね、タイセートレさん
🏹「スタートがすべてです、敗因はスタミナやスピードの差ではありません。 結果は惨敗ですが次はハナをきって勝ちます」
――しかし――ハナを切るというのはミホノブルボンの邪魔をするということでしょうか?
🏹「……ボーガンはハナを切らないとレースになりません。 今日もバタバタして失速しました、菊花賞はハナをとります」
――ミホノブルボンさんも逃げで皐月賞以来ハナを切って勝利しています。 ハナの奪い合いになったらライスシャワーさんやマチカネタンホイザさんに塩をおくってしまうことになるのでは?
484 :
トレ公
2025/05/06 20:05:53
ID:.y19aqtznY
🌸「……あれ、なんか空気おかしくね?」
🌻「勝ったはずのブルボン陣営がピリピリしてるね」
🌸「いやそうじゃなく――なんかボーガン陣営へのインタビューが辛辣っていうか」
🕷️「明らかバッシングされてるねあれ……記者が栗東贔屓なのかね」
🌻「ああ、栗東寮許可もらってる記者か……」
👁️「どういうことですの? どういうことですの? ボーガンちゃんをいじめたらただじゃおかないわよ?」
🌸「あれだよ。 トレセン学園ってでっかすぎるから記者たちもウマ娘や学内のインタビューの時、寮でインタビューとかあるんだけど、寮で名前とか許可もらえてる記者っているんだよね」
🕷️「自然とそっち贔屓になるよね」
👁️「それでなんでボーガンちゃんがいじめられますの?」
🌻「嫌な話なんだけどね、ミホノブルボンは栗東寮で、ボーガンちゃんも栗東寮なんだ」
485 :
大将
2025/05/06 20:15:16
ID:.y19aqtznY
👁️「わかりませんわ。 栗東贔屓の記者なら栗東寮生のボーガンちゃんたちに優しくすべきじゃありませんの」
🕷️「ここがめんどいとこなんだけどさ――過去の三冠ウマ娘って全部美浦寮なんだよね。 ゲンを担ぐ意味でも実際の実績でも、美浦寮のほうが人気あるわけ。
無敗の三冠ウマ娘シンボリルドルフも美浦寮だよ」
👁️「だったらますますボーガンちゃんを応援すべきじゃありませんの!」
🌻「……ほんとに嫌な話なんだけどさ――ライスシャワーが美浦寮なわけ。 で――今回のレースでミホノブルボンの三冠を阻めるライバルとしてライスシャワーが持ち上げられるんだけどさ――キョウエイボーガンは栗東で、栗東寮のミホノブルボンのハナを奪うって言ってるわけ」
👁️「…………」
🕷️「栗東の記者からしたら三冠ウマ娘が出るのが一番いいんだけど、それを栗東のウマ娘が邪魔したせいで菊花賞勝利が美浦になる。って構図が一番きにいらないんだよ。 」
👁️「そんなの、おかしいですわ。だってレースで真剣勝負をしてるじゃない。 だったらブルボンさんのハナを奪っても、わたくしに斜行ギリギリのタックルをしたって――それは勝ちたいからじゃない」
486 :
アナタ
2025/05/06 20:21:17
ID:.y19aqtznY
🌻「うん、その通りだよ。 全力でレースを戦うウマ娘からしたら本当にくだらない事だよ。 でも、それを記事にする人ら第三者からしたら気に入らない人もいるってことだよ。本当に下らないし同意はできないけどね」
👁️「…………納得いきませんわ。
私はブルボンさんが大好きですの。 でもボーガンちゃんの小柄でむちむちっとしたハムスターなとこも、ライスシャワーちゃんの儚げなところも大好きですの。
それでも菊花賞では全力で打ち破るつもりですわ」
🕷️「うん、それでいいんだ。 本当にそれでいい。 今日だって今までだってうちの子もライスちゃんもブルボンちゃんも一緒に切磋琢磨してやってきたんだ。
ボーガンちゃんだって今はチーム菊花賞として一緒にやってる。 あの子が一生懸命なのもみんな知ってるし、今日の大敗だってあのこの実力じゃないのも知ってる。」
🌸「滅茶苦茶くだらねーことだけど、こういう仲間意識とか対立思想って結構すきなやついるんだよな。 あの記者変なことかかなきゃいいけど」
487 :
キミ
2025/05/06 20:29:30
ID:.y19aqtznY
『もうすぐ、菊花賞だな』
🤖「はい。 三冠最後です。 マスター」
『なんだ、というか俺重くないか?』
🤖「大丈夫です、マスタニウム摂取のためもうすこし背面からの抱擁を続けます」
『後頭部かぐのやめない? めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど』
🤖「いい匂いがします。落ち着きます。 ずっとこうしてぎゅっとしてたいです」
『普通男が女をハグするもんじゃないの?』
🤖「マスターは可愛いので問題ありません」
『やめなさいよ、――ところで、菊花賞獲ったらその後どうすんだ?』
🤖「お父さんに報告しに行きたいです。 あとマスターにご褒美であのにんじんハンバーグのお店に連れて行ってほしいです。」
『ああ、その時は好きなだけ食っていいぞ。 なにせ三冠ウマ娘だからな。
――いやまあそうじゃなくて、レースの方
お前、三冠が大目標だったしクラシック終わったらどうしたいのかなって』
🤖「……考えた事はありませんでした。 トレセン学園に入学した動機も三冠でしたので、終わったら自然に引退なのかと思ってました」
『んー、どうする? シニア走る? 俺はブルボンはもうゆっくりしてもいいと思ってる』
🤖「…………マスター、それは菊花賞が終わったら担当契約を解除するということでしょうか? だめです、私はマスターと一緒がいいです。
シニアも3年ぐらい走ります。 ドリームトロフィーも走ります。
ずっと――一緒がいいです。 だめですか?マスター」
488 :
トレーナーちゃん
2025/05/06 20:33:32
ID:.y19aqtznY
『いや、走りたいならずっと一緒にいるし契約なんかありでもなしでもいいんだけどさ――お前ジュニアからずっとずっと頑張りきりだし、しばらくはゆっくりしてもいいんじゃないのかなって』
🤖「しません、ゆっくりしません。 マスターと一緒にいます」
『いやいや、そうじゃなくて。 買い物だってお前の電子機器壊す体質だと一人じゃあんまり遠くいけないだろうし。 長期休暇のあいだ――お前がね』
🤖「?? なんでしょうか、マスター」
『いや、さ』
🤖「? マスターの頬に紅潮を感知、体温上昇」
『いやさ、お前が長期休暇の間も、お前さえよければ――
――一緒に旅行したり、アミューズいったり、そのおでかけしたりとかね』
🤖「マスター、つまり誘ってるのですね。 もうこれは合意なんですね。後ろからむりやりしてもいいのですねマスター」
『だめだよ? ねえだめだよ?』
489 :
トレぴ
2025/05/06 20:42:15
ID:.y19aqtznY
🤖「マスター」
『なんですかミホノブルボンさん。 あとそろそろ手首を掴んでる手を離して起き上がってくれると嬉しいです。 絶対しないかんな』
🤖「……ヒトミミはウマミミには勝てません」
『負けたら三冠も終わるってことを理解してるか? ねえ菊花賞目前でこんなことで出走できないとかいやだよ?』
🤖「はい、そこは漏洩に気をつけます。 ところでマスター、今の態勢は逆ぴょいチャレンジですが」
『そのチャレンジは失敗しような、トレーナーからの命令だ失敗しろ』
🤖「はい、事に及ぶ前にマスターの趣味嗜好を確認したいです。 マスターはこういう行為に極めて古風で真面目だと、お父さんからも分析をされています」
『お前のパパボン最悪の分析を娘にしてるんだな』
🤖「つまり男が組み伏せられる逆ぴょいより正統な男子上位のうまぴょいを好んでいるのではないかという懸念点があります」
『ねええやめようよ大の男が高校生にそんな話するわけないでしょおおお?』
🤖「しかし、恋人同士で叡智の好みを話すのは若くても結構普通だとお父さんも、お母さんもいってました」
『お母さんもっ!? ねえまってお母さんって海外でしょ?』
🤖「菊花賞の観戦のために帰国するそうです」
490 :
トレーナー君
2025/05/06 20:47:02
ID:.y19aqtznY
🤖「マスター、諦めてください。
本人の同意もあり両親が歓迎しています。 あとはマスターが堕ちるだけです」
『ぜってーおちないかんな! 』
🤖「マスター、実際私が成人してそのような行為に禁則事項がないと仮定してどうなのですか? 私を組み伏せたいとかそのような欲望があるのでしょうか」
『言えるわけないでしょおおお!? 勘弁してよー』
🤖「問題ありませんマスター、最近ではフラワーさんと『恋せよ乙女。 お兄ちゃんを堕としたカワイイテクニック』というチャンネルで勉強をしています。」
『なにそれ怖い、ねえまってそういう生々しい話やめて』
🤖「大丈夫です、マスターには才能があります。 いっぱい可愛がってあげます。
マスターは私のマスターですが夜は私がマスターですマスター」
491 :
アナタ
2025/05/06 20:51:50
ID:.y19aqtznY
『……くそ、ブルボンめ最近調子にのりやがって……スマホ忘れていってるし』
栗東寮
自宅デートでブルボンが忘れたスマホを届けにやってきた。
基本トレーナーは寮室は入室禁止なので一階のロビーで待つことになる
――ちょっとまっててねブルボンさんと遺伝子的に相性がいいトレーナーさん
『遺伝子的にってなんだ?……お?』
小柄でピンクのふわふわした髪の毛。 太ってるわけではないが豊満な肉つきの体躯――コーエイボーガンだ。
『ボーガンじゃん、おーいボーガ―――』
――ねえ、ボーガンさん言ったよね?
――菊花賞、回避しろって。 ブルボンさんの邪魔しないでって
――なんで回避しないの? セントライト記念だって8着からも大差で9着でしょ?
492 :
トレぴっぴ
2025/05/06 20:57:20
ID:.y19aqtznY
『――――』
直感的に空気でわかる。
これは、いじめってやつだ。
コーエイボーガンを囲んでるのは同期のウマ娘達だろうか。 見知った顔がないあたりOPクラスにあがってるかどうかもわからない生徒がコーエイボーガンをかこんでいる。
ライスシャワーよりも小柄なコーエイボーガンはおびえたように身をすくませてまるまっていた。
――アンタ、ライスシャワーさんをそんなに勝たせたいの?
――ミホノブルボンさんがハナ切って逃げるの邪魔して喜ぶのライスシャワーさんじゃない
――アンタがもっともっと強くて勝てるかも、だったらいいけどセントライト記念であんなんだった子がブルボンさんの邪魔して前ふさいで
――それで、ライスシャワーさんが勝ったらどうすんの?
――三冠の邪魔するだけなのに菊花賞出るの?
『…………』
事実、ハナを奪われたくはない。
居ても問題ないかどうかでいえば問題は有るだろう。 ペースを思い通りにコントロールしにくくなり、ブルボンではなくボーガンをペースメーカーにしたほうが間違いは減るだろう。
正直出走を回避してもらえるならして欲しい――ライスシャワーもマチカネタンホイザも、菊花賞では強力なライバルだ
しかし
493 :
お姉さま
2025/05/06 21:03:27
ID:.y19aqtznY
🏹「回避――したくありません」
――はあ?なんでよ
――わかったわかった、じゃあアンタがハナきるのだけやめて
――ブルボンさんの邪魔しないでよ
――栗東寮初の無敗の三冠――ううん、会長を超える無敗の4冠ウマ娘のレースの邪魔しないで
🏹「ハナは――獲ります。 私、ハナじゃないと、勝てないから」
――アンタじゃブルボンさんに勝てないでしょうが!
――ほんと栗東寮どころか学園にいられなくなるよアンタ
🏹「勝ちたいんです、勝ちたいんですブルボンさんに――菊花賞で勝ちたいんです!」
『よーーーしよく言ったボーガン! ハナを穫れるもんなら獲ってみろ!』
――あ、ブルボンさんの、トレーナーさん
『なあ――お前らも菊花賞でたら?』
――へ? いやいやあたしらは
『いやいや出るべきだ。 菊花賞G1:3000M 1着を取れるもんならぜひ出走しろ。
――なあ、ボーガン』
🏹「うひゃいっ!?」
494 :
お前
2025/05/06 21:12:40
ID:.y19aqtznY
『夏に3連勝、さらにG3 G2連勝。 しかもG2は2000M。 夏の上がりウマとしては最有力候補のコーエイボーガン――
――ハナは譲りませんミホノブルボンの前はもらいます』
『あのさ――これの何がいけないんだよ?』
――え、だって、だってライスシャワーさんに有利なんじゃ
『ああ、ライスシャワーにもマチカネタンホイザにもノーザンコンタクトにも有利な展開だな。 菊花賞に出るやつらが一番望んでるのはミホノブルボンとコーエイボーガンが逃げで潰し合ってほしい、って事だ』
――じゃあやっぱり
『勝ちたいんだよ、みんな』
――っ
『ミホノブルボンを潰したいとかじゃなくて――菊花賞に勝ちたいんだ。
勝ちたいってのは――未勝利でも、重賞でもG1でも――一緒だろ?』
――…………それ、は
『記念出走ってのはあるよ。 勝てないけどG1に出たい、重賞の出走したっていう建前だけ欲しい。 ある、わかるよ
でも、ブルボンもそうだけど――ライスシャワーだってマチカネタンホイザだってノーザンコンタクトだってナリタタイセーだって、みんな勝ちたくて戦ってる。
ライスシャワーなんて今じゃ菊花賞最強のライバルだけどさ――あいつだってスプリングSで負けて皐月賞でまけてダービーでようやく2着だ。』
『でさ――勝つために、ハナとっちゃ悪いのか? その結果負けても――勝つために全力でやることなら、頑張って努力してやった結果なら――よくないか?』
――でも、いいんですか? ブルボンさんが
『負けるか、ばーか。 うちにブルボンがまけるわけないだろ。
本当に不安なら今度大坂路にこい。 ブルボンのケツを見たら一発でこりゃ菊花賞はミホノブルボンだなって思うよ』
495 :
トレーナーさん
2025/05/06 21:16:02
ID:.y19aqtznY
『なあ、ボーガン。 菊花賞、勝ちたいか? ミホノブルボンのハナとってハナ誰にも譲らず、一着で3000M走りきれるか?』
🏹「…………勝ちます、勝ちたいんです。私だって――戦える!」
『よーーしじゃあ菊花賞で勝負だな。 ほれみろこいつはすごいんだぞ、ブルボンのトレーナーの前で勝利宣言だ、こんにゃろこんにゃろ』
🏹「いひゃひゃブルトレさんやめてください」
🤖「……マスター」
『…………』
🤖「楽しそうですね。マスター。 栗東寮でコーエイボーガンさんに抱きついて抱擁とは楽しそうですねマスター。」
🏹「ブルボン……さん」
『まてこれはボーガンちゃんのためにだな』
496 :
モルモット君
2025/05/06 21:22:50
ID:.y19aqtznY
翌日
トレーナー室で正座させられるマスター
🤖「……そんな軋轢があったのですね。」
『無罪は証明できましたか?ミホノブルボンさん』
🤖「いいえ、ボーガンさんの小柄で柔らかいおっぱいはいかがでしたかマスター」
『揉んでるわけないよね? 触ってもおらんわ!
――それにしても、結構大事になってるようでなあ……』
🤖「解決したのではないですか? 流石にこれ以上手出しはできないのでは」
『栗東寮生だけの問題じゃないってこった。 ボーガンのトレーナーにも妙な脅迫文とか届いてるらしくて……こういう根回しって好きじゃないんだけどな。
ブルボン、今週末ちょっとあけといてくれ』
🤖「何かあるのでしょうか?」
『合同記者会見ってやつだ』
497 :
相棒
2025/05/06 21:32:52
ID:.y19aqtznY
――菊花賞という1レースにしては異例の大きな記者会見ですね、ミホノブルボンさんのトレーナーさん
『はい、皆様にはこのような機会を用意してくださった事、出席いただいたこと誠に感謝しております。』
――そうそうたるメンバーが揃いました。 ディフェンディングチャンピオンという立場であろう、2冠ウマ娘ミホノブルボン陣営の意気込みをお願いします
『疲労をしっかり抜くという意味での休養以外、今でも菊花賞に向けてのトレーニングを続けています。 最終追い切りなどタイム計測がすくない事、ご容赦頂きたく存じます』
🌻「出走メンバー殆どの同時記者会見とかすごいね」
🌸「なんか有馬とかよりでかい規模だな、しかもこれ、乙名氏記者とかに通してブルトレが企画したんでしょ?」
🕷️「えー、セントライト記念は回避しましたがカシオペアSでなんとか菊花賞への出走をきめたマチカネタンホイザ陣営です。 目立ってはいませんがタンホイザちゃんはね、すごいんで……菊花賞は勝ちますよ」
👁️「名門、ノーザン一家のノーザンコンタクトですわ! 名門の名に恥じぬよう、この身体を鍛え上げ菊花賞の名誉をノーザンの額に飾ってみせましょう!
ほら、爺もなんかいいなさい、TVも来てるわよほら爺」
――続きまして、中日スポーツ賞、神戸新聞杯勝利ウマ娘、コーエイボーガン陣営の表明になります
498 :
トレーナーさん
2025/05/06 21:40:47
ID:.y19aqtznY
――失礼します。 月間トゥインクルの乙名氏です。 コーエイボーガン陣営に質問よろしいでしょうか?
🏹「……どうぞ」
✒「今回、出走にあたりミホノブルボンさんの前を奪うという事で激しいバッシングがありましたが――菊花賞への出走は回避しないということでしょうか?」
🏹「――しません。 菊花賞には出走します。
出たいではなく勝ちに行く以上、ミホノブルボンにハナは譲りません」
――ざわ、ざわ。
――ブルボンブロックか
――ライスシャワー陣営からしたらいいけど3冠あぶないんじゃない?
✒「質問を続けます。 トレセン学園でも栗東寮初の三冠――しかも無敗の三冠、ジュニアを含めれば前人未踏の無敗の四冠馬の誕生になります。
一方、ライスシャワーさんは美浦寮ということで、今回ライスシャワーさんに優位になる展開になってしまうとの見解がありますが」
🌸「おいおいおいおい乙名氏ちゃんどうしちゃったのよお!?」
🌻「でもこの記者会見て乙名氏さんとこの主導なんでしょ?」
🏹「――その通りです。 ミホノブルボン陣営からすれば厳しくライスシャワー陣営、マチカネタンホイザ陣営、ノーザンコンタクト陣営からしたら大きなチャンスになると思います。
ですが――譲りません。 ハナも、菊花賞も貰います。」
499 :
お姉ちゃん
2025/05/06 21:46:09
ID:.y19aqtznY
『あー、乙名氏記者さん。 そのことについてちょっとブルボン陣営から皆さんに、いいですかね?』
✒「はい、もちろん」
『えー、あー、皆さん――三冠って、なんですごいんでしょうか。
――いやまあ三冠ってすごいんですが……G1 一個勝つのってすごい事だと思うんです。 ……なんですごいんですかね?』
✒「それは――超一流、その時の一番強いウマ娘達が集まって戦う大レースだから、ですよね?」
『そうですよね、みんなG1の栄誉のために、センターのために戦う。
みんな苦しいトレーニングして遊びたいの我慢して――
それでも勝てなくて、また勝つために努力して――そんなウマ娘達の集大成がG1レースです。
しかも皐月賞もダービーも菊花賞も一生に一回きりだ。 』
『そんなレースだからみんな勝ちたい、必死になるんです。 一生かけてそこに合わせてくるんです――だから、どんな無理をしても菊花賞に勝つためにブルボンのハナを奪う。それが菊花賞に勝つためなら良いと思います』
500 :
アナタ
2025/05/06 21:53:38
ID:.y19aqtznY
『ありがたいことに――URAで今ミホノブルボンの三冠への期待が高まってます。 ミホノブルボンの三冠を願ってくれてるファンが凄く多い事にちょっと俺自身びっくりしてます。
最初は距離の限界とずっと言われてた中――次3000Mですよ? なのにスプリングSや皐月賞より勝利を期待されてます。
とてもありがたい事です。』
――でも、みんながどうぞどうぞって菊花賞を走りやすく、勝ちやすく譲るってちがくないですかね? みんなが見たいレースってそうじゃないでしょ。
『本当に強いウマ娘が勝つと言われる菊花賞をなんで譲る必要があるんですか? 勝てるならブルボンの前で走れば良い。
勝てるならブルボンの背中にぴったりくっついて最後に捉えれば良い
菊花賞って――本当に強いウマ娘が勝つんでしょう?
だったら――ミホノブルボンに、菊花賞に勝つって奴らが17人集まってそれで18人で1着を決めるのが正しいんじゃないですかね。』
――それで3つ勝つから――三冠ってすごいんだと思うんですよ。
『だから――菊花賞に勝てる確信や自信があるウマ娘なら、菊花賞に出て欲しい
今年の菊花賞は、きっと歴史に残る大レースになります。
――ここのメンバーは、誰一人負けても良いって思って出てません。』
501 :
相棒
2025/05/06 23:55:08
ID:.y19aqtznY
🏹「改めて――うちは勝つために菊花賞に出ます。
ですから絶対にミホノブルボンにハナ譲りません。 勝つためにハナを譲ります」
出走ウマ娘側から、手が上がる
「……ヤマニンキセキです。 朝日杯からずっと負け続けてますが――菊花賞に"勝つために"出走します。 ミホノブルボン陣営に質問があります」
『……どうぞ、ヤマニンキセキさん』
「チーム菊花賞――ミホノブルボンさんの陣営の練習場である坂路トレーニング場が菊花賞出走勢等、多くのウマ娘の強化のために開放されてると聞きました
――私も、菊花賞を勝つためにその大坂路を利用させて頂いてもいいのでしょうか?」
『――勿論。 あそこはレースに勝ちたいウマ娘ならトレーナー引率を条件に自由に使わせてますよ。』
「――ありがとうございます。 つまりブルボン陣営からしたら挑戦者はだれでも歓迎というスタンスなのですね、ぜひ大坂路を使わせてください」
「んー、ライスシャワーのトレーナーです。 うちも夏の合宿からずっとミホノブルボンちゃんたちと一緒にやってますよ、そのおかげで――セントライト記念、惜しかったでしょう? みんなおもったはずですよ、3000Mなら勝てるんじゃないかって。
――ライス、今日はちょっと、ライスがブルボンにどう思ってるか――菊花賞どうしたいか、言ってみて欲しい」
🍚「ふえ、ええええっ?」
502 :
キミ
2025/05/06 23:59:33
ID:.y19aqtznY
🍚「あ、あの――あのっ、あのっ!!
――ブルボンさんは、ブルボンさんはとっても凄くて、強くて、はやくて――ライスなんかじゃ、勝てないって思ってて
――ブルボンさんは、そんなライスとも、ずっとずっと仲良くしてくれて、ブルボンさんについてく、頑張ってついて行こうとして、ましたっ」
🤖「……」
🍚「一緒に合宿して、楽しくて、練習はすっごく辛くて――でも、やっててよかったなって――あの、この前のレースで、ようやく、ようやく捕まえたんです!
届きそうだったんです!
だから――だから!
――ライスはブルボンさんを追いかけて菊花賞で、勝ちたい!
勝つために、戦いたいです!」
503 :
お兄さま
2025/05/07 00:05:11
ID:vZFiy8/1SM
🤖「私は――三冠ウマ娘になることばかり考えていました
三冠ウマ娘の話を父から聞いて、憧れただけのウマ娘でした。
でも――今その夢の最後のレースです。
そのレースに、大事な仲間と走れる事を誇りに思います。
皆さんは、強敵ですが――私は」
――それでも、三冠ウマ娘になりたい
『すいません乙名氏さん。 こんな意地悪な質問をさせちゃって。』
✒「いえいえいえ、ネットでは盛り上がってますよ。 賛否はあっても誰を応援するかとか、今まで三冠かライスシャワーが阻止かだけの空気が、ほんとに応援したいウマ娘は誰かって事で盛り上がってます」
『ヤマニンキセキにも感謝しなきゃいけませんね。 あの子わざと大坂路の話題ふって来た感じだ。』
504 :
マスター
2025/05/07 00:11:52
ID:vZFiy8/1SM
🌻「ちょっとちょっとマスターくん! 街頭ジャック広告みた?」
『え、なんすか広告って』
🌸「ほら、この前の合同出走会見のやつなんだろうけど、菊花賞の広告で街頭ジャックされてて」
『はあ? トゥインクルにそんな金とか広告出す力ないっしょ?』
――勝ちたいもの
――強いもの
――すべて挑んで来い――菊花賞
――勝ちを掴むために
🕷️「うへあ、三冠どうこうじゃなく会見のメンバー全員出てるじゃん」
👁️「そうでしょう? うまくできてるでしょう?」
『ん? 今なんつったノーザンのお嬢』
👁️「うまく出来てるでしょう? と」
🌸「お前んところか犯人」
👁️「URAや菊花賞が盛り上がるのは素晴らしいことですわ。 これでブルボンさんのために忖度するような空気もなし! ボーガンちゃんも気兼ねなく戦えますわ!」
🏹「ありがたい、けど、良いのかな。 練習まで一緒にさせてもらってるし」
505 :
トレピッピ
2025/05/07 00:17:37
ID:vZFiy8/1SM
🤖「……練習場周辺の応援する声には、コーエイボーガンさんを応援する声もあります」
『……てかあれ、この前ボーガンを囲んでた女子たちじゃね』
🏹「ひぃぃいっ?」
――指の方向にいる女生徒たちが大きな布を持ち一斉に広げる
――"コーエイボーガン"
🕷️「あ、横断幕ですよ、横断幕。 いいなあボーガンさん。」
🍚「でもあの子たち、ボーガンさんをいじめてた子なんでしょ?」
自分たちの横断幕を見られてると気付いた少女たちは、横断幕を大きくひっくり返す。裏面には
――"ごめん"
『えらいじゃん、ちゃんと謝れて、応援にきたらしいぞボーガン』
🌻「すごいよね、本当は14人だったらしいけどあの会見あの直後から滑り込みの申請がすごい量きたって。学園がのこり4枠どうするかってなってるらしいよ」
『じゃあフルゲート18人か』
506 :
トレぴ
2025/05/07 00:22:40
ID:vZFiy8/1SM
『てか、コンタクトちゃん。 この広告ジャックって金すごい掛かったんじゃない? 街頭全部一時的に広告一色にしたわけでしょ?』
👁️「ええ、はしたないですがちょっとポケットマネーを出しましたわ」
『一家とかノーザン一門じゃなくお前のポケットマネーなの!?』
👁️「え、ええ……お母様からポケットマネー用にいただいてますから」
🌸「予想の100倍はすごくて笑うわこんなん」
🌻「お金持ちのレベルがちょっと違うよね・・・」
👁️「それに、これだけ注目される菊花賞で二冠ウマ娘のミホノブルボンさんに勝つのだからノーザン一門の名声にもかかわってきますし、悪い話じゃないですわよ」
『勝つ前提で話をすすめやがって、みっともなく垂れ堕ちるがいいわ』
👁️「キイイイッ、ブルトレさんはいつもいつも口ばかり達者で!!!」
507 :
お姉ちゃん
2025/05/07 00:32:53
ID:vZFiy8/1SM
――菊花賞、当日
🏹「――あの、ブルボンさん、ブルトレさん。」
🤖「ボーガンさん」
『お、ボーガン。調子はどうだ』
🏹「すっごくいいです! あの――私、ブルボンさんに憧れて、菊花賞まで、これました。 ブルボンさんの真似してスタートの練習して――今日、菊花賞でブルボンさんと戦えて―――だから」
🏹「今日、わたし勝ちに行きます。 スタート、自分の脚ぶっ叩いても――前行きます」
『おう、今日は出遅れるなよー』
🏹「ひどっ!?」
🤖「今日は、お互いに全力で」
🕷️「今日も、レース、がんばるぞっ、えい、えい、むん!」
👁️「調子は万全ですわ――えい、えい、むんですわ!」
🤖「マスター」
『どうした無敗の二冠ウマ娘』
🤖「強敵ばかりです――ですが、不思議です。
菊花賞がこんなに強敵ばかりなのを、ステータス:嬉しい と思っています」
『じゃあ、最高の嬉しいのために、菊花賞穫るぞ』
「はい、マスター」
508 :
トレ公
2025/05/07 00:33:28
ID:vZFiy8/1SM
菊花賞直前終わり
菊花賞は明日以降です
509 :
相棒
2025/05/07 00:51:02
ID:vZFiy8/1SM
※以後、完全なオリジナル展開、オリジナル設定が増えます。 ご容赦ください
蛇足ですがノーザンコンタクト(ノーザンコンダクト)ちゃんは身長149cm自称150cmのスレンダーなお嬢様です。 スリーサイズは皆様の妄想にお任せしますがスレンダーな方で描かせていただいてます。
細身であまり筋肉質ではないのですが外見にでない筋肉質でぶつかったりするとその力強さがわかるかんじ。
ラフプレイは自分からはしませんがタックルなんかきたら嬉々として弾き飛ばすタイプです。
コーエイボーガンは140cm B92W58H84のむっちりちゃんです。 太ましいわけではなくフトモモとおっぱいに栄養が行くタイプの小柄体型ですが後頭部です。 もちろん合法ロリじゃないですライスちゃん
虐めてた生徒たちは自分たちのほうがダサかったと反省し菊花賞では全力でコーエイボーガンを応援して横断幕を掲げます
ナリタタイセーは身長176cmのスレンダー褐色美女。 シンボリクリスエスより長身でスレンダーなちょっと口がよろしくない系クール美女です。
凸凹っぽいですがよくノーザンコンタクトとつるんでいるそうです
510 :
トレピッピ
2025/05/07 10:26:18
ID:vZFiy8/1SM
パドックは異様な空気に包まれてる
出走するウマ娘すべてがミホノブルボンを見つめていた
真剣に―――あるものは敵意を向け
あるものは憧憬に近いそれを向け
あるものは敬意を向け
しかし、想いは一つ
――ミホノブルボンに、菊花賞に勝つ
🌻「なんか――すごい空気ですね」
『ミホノブルボンが逃げな以上、レースではミホノブルボンを中心にレースが動くからな。 ――まあ』
コーエイボーガンがブルボンにハナを取らせない宣言をしている。
当日、わざわざブルボンに向かって改めて宣言をする辺り、なにがあってもハナを奪うだろう
並のウマ娘相手ならブルボンのスタートの加速に敵うものではないがコーエイボーガンのスタートの加速はミホノブルボンに匹敵する
511 :
キミ
2025/05/07 10:48:32
ID:vZFiy8/1SM
🏹「……すー、はーっ……すーっ」
――心臓の鼓動が早すぎる。 全然収まらない。
――緊張してるんだ、私。
――また、スタートに失敗したらブルボンさんの前なんて絶対走れない
――なのに、緊張してうまくいく自信がない
「ボーーーーーガーーーーン!!」
パドックに少女たちの大きな声が響く!
コーエイボーガンと描かれた横断幕をバンバンバンバン振って叩いて
彼女に菊花賞を回避しろと脅した少女達がコーエイボーガンの名を叫ぶ
「まけんなーーー!あんたも栗東寮の代表だー!」
「ブルボンにだってまけんなー!」
「全力でがんばれー! ボーーーーーガーーーーン!」
――ごめん
あのあと、少女たちはコーエイボーガンに頭をさげにきた
酷いことをいったと、あんたは菊花賞を本気で勝とうとしてるのに
馬鹿にしたと、無責任に断じだと
――私は、ミホノブルボンに勝つんだ
512 :
ダンナ
2025/05/07 10:53:46
ID:vZFiy8/1SM
――プライドは高く持ちなさい
――しかし傲慢になってはいけません
――誇り高くとはそういう事です
――今のコンタクトはとても誇り高いノーザンの子です
――でも、なにより貴女は私達の大事な子です
春の大敗のまま失踪した自分を母も父も暖かく迎え入れてくれた
父は初めて、娘にげんこつを落とした。 心配をさせるなと抱きしめてくれた
ノーザンを背負うとか代表だとかは言いたくはない
私にはその刺客もない
でも――歴代最強の逃げウマ、伝説になろうとしたウマ娘に勝って
もっとも強いウマ娘を決めたと後世に言われるであろう今日の菊花賞に勝てば
私は――胸をはって両親にノーザンを継がせてくれと言える
お父様、お母様に一番孝行ができる
「ブルボンさん――感謝しますわ、私の代に貴女という最強のウマ娘がいてくれて! さあ、勝つわよ菊花賞!」
513 :
あなた
2025/05/07 10:56:33
ID:vZFiy8/1SM
――ねえトレーナーさん、なんか今日の菊花賞すごいね
――ブルボンさんもライスさんもコンタクトさんもボーガンさんもすごくて
――私なんて普通だから負けちゃうかなって思うんですよ
――でも、ちょっと今日はちがってて
――負けないぞ、勝つぞ、むん!って気持ちがすっごくて
――えへへ、今日だけ、私も特別なのかもしれませんね
――トレーナーさん、トレーナーの奥さん
――あなたのマチタンちゃん、今日はいつもよりいっぱい頑張っちゃいますね
――いくぞー菊花賞。 えい、えい、むん!
514 :
アンタ
2025/05/07 11:01:51
ID:vZFiy8/1SM
菊花賞、3000M。
春までの自分は弱くて、自信もなくて、ただただ、ブルボンさんについていくしかできなくて
ついていくしかできないからずっとずっとついてくして
気がついたらブルボンさんの後ろには自分が居て
――それは、君がとても強いからできることなんだ
――ブルボンについていけた子が他にいたかい?
おじさまに励まされて
少しづつ、ブルボンさんとの距離が近くなって
ようやく、手が届きそうなぐらい、目の前にブルボンさんがいる
「ライス――もうついてくだけじゃないよ。
ブルボンさんに――菊花賞に勝ちたい。 ブルボンさんたちと、肩を並べて、堂々と立ちたい。
だから、ライス――絶対に勝つんだ、菊花賞を」
515 :
お姉ちゃん
2025/05/07 11:06:27
ID:vZFiy8/1SM
『……調子は』
🤖「悪くありません。 形容しがたいステータスです」
『どんなだ?』
🤖「高揚、緊張、達成感、充足、恐怖――それらがすべて混じってそれらとは言えない感情です。
ただ――一番大きい感情は」
🤖「皆さんの視線を感じた時――とても"わくわく"しました」
『わくわくか。そっか』
ぽんぽん、と頭を撫でる。 一緒にトレーニングをこなしたメンバー
すべてを逃げ潰す事ができない、明らかな強敵
最強と言われるミホノブルボンをして苦しめるであろうライバル
『――あいつら全部逃げ潰して、お前が三冠ウマ娘だ。 いくぞブルボン、全ウマ娘で一番努力して頑張ったってのがどういう事か、ライバルにも全観客にも日本中にも見せろ
距離の壁も常識も全部ぶっつぶしてこい!』
516 :
相棒
2025/05/07 11:18:16
ID:vZFiy8/1SM
8枠7番
🌸「ライスシャワーちゃんが隣かあ」
🌻「でもコーエイボーガンちゃんは12番だよ」
『正直、偶数枠の方がよかったですね。 ブルボンもライスシャワーを意識してますから。 先にゲートインする奇数よりは外枠でも偶数の方が良かったです』
🕷️「気合乗ってたよ、タンホイザちゃん。 あんなわくわくして闘志を出してるタンホイザちゃん初めてみたかな、今日は勝てるよ、うん」
『わくわく、してました?』
🕷️「ああ、うん。 わくわくしてた」
『奇遇ですね、ブルボンもわくわくって言ってましたよ』
🍚「ライスちゃんは、ブルボンに勝ちたいってさ。 菊花賞に勝ちたいって
あんな自信のもてない子がね、ついてくだけじゃなくて捕まえるってさ」
🏹「――ありがとうございます。 本当は回避も考えていました。 ボーガンの意思を無視してしまうほどだった」
『しゃーないっすよ。 あんな状況で出走して負けたら、ボーガンだけじゃなくトレーナーの責任問題や信用問題になる』
🕷️「本当に気に入らないけど、三冠ウマ娘の邪魔をして負けたトレーナーって肩書ついたらトレーナー業、最悪廃業まであるからね。
その回避は人生をまもるためだったし、貴方に非はないですよ」
🏹「でも――私達は堂々と出走できた。 本当にありがとうございます。
でも、今日は負けません。 出走したのだから、勝つために。」
👁️「お嬢様も、チーム菊花賞の皆様には感謝をしてました。 だからこそその皆様に完勝したいと。 歴代最強の菊花賞を勝つ栄誉が欲しいと、いってました」
✪「あいつはメンタル化け物だからな。 こういうタフなレースにはすこぶるつよい。 私がなにを言っても何も効かないからな」
517 :
お姉さま
2025/05/07 11:24:54
ID:vZFiy8/1SM
『ナリタタイセー、マイル転向か』
✪「ああ、悔しいがあのメンバーと菊花賞は不可能だ、マイルなら負けないがな」
🌻「マイルにはニシノフラワーっていう超一流ウマ娘がいるよ?」
🌸「はいはいはい! うちのバクシンオーだっていますよ、いますよ?」
✪「……マイルなら負けん。 バクシンオーにもニシノフラワーにも――ミホノブルボンにもな。 だが長距離は無理だ
ノーザンコンタクトなら、勝てるかもしれんが」
『メンタルはうちのブルボンも強いんだが?』
🕷️「差し脚ならタンホイザちゃんだってまけないよ? ねえタンホイザちゃんつよいんだよ?」
🍚「順調に行ったら宣言通りボーガンちゃんがハナでブルボンが追走?」
『あー、うん。 それなんですが』
――さあゲートイン完了
――ゲートが開きます
518 :
ダンナ
2025/05/07 11:27:45
ID:vZFiy8/1SM
――ゲートが開きました
――おっとロケットスタート、最高のスタートを切ったのはコーエイボーガン
🏹(よし!今までにない最高のスタート、絶対にハナは貰う――)
――コーエイボーガンに並ぶのはミホノブルボン!
――譲らない!譲らない!スタートから激しくコーエイボーガンと競り合っていく! 無敗の二冠馬ミホノブルボンがコーエイボーガンのハナを阻む!
――私も、負けません。 だから――スタートも、ハナも、譲りません
🏹「そ、うっ――でも、ハナは、貰うんだから!」
519 :
トレ公
2025/05/07 11:31:56
ID:vZFiy8/1SM
✪「驚いた――ミホノブルボンが競りかけるか」
『はっ――出ても良い、だけどハナまでどうぞどうぞとか誰も言ってねえよ
ハナ切れなきゃ走れないボーガンちゃんには退場して頂きましょうかねえ!』
🏹「――っ、負けるな、ボーガン負けるな!」
🍚「うひょおおいいよいいよいいよ競り合って逃げ同士で潰し合って」
🕷️「飯が!飯がうまい! うまいよタンホイザちゃん!」
👁️「あ、あのお二方本音が、本音が!」
520 :
使い魔
2025/05/07 11:43:55
ID:vZFiy8/1SM
――400Mまでは無茶しない程度にハナを狙え
――コーエイボーガンだってハナで気持ちよく逃がせばライスシャワーやタンホイザ以上に強敵だ、だから序盤でセリかけてハナ取れればよし
――序盤から競り合う展開で3000Mのペースを崩せばハナ取っても勝てん
――お前の体内時計と完璧なペース配分なら競り合っても中盤後半で取り返せる、まずはコーエイボーガンに最強の洗礼を浴びせろ
「200M、 ハイペース……想定内。 残り200Mで先頭を奪います」
――開始直後から壮絶なデットヒート!
――コーエイボーガンに譲らない、これは作戦か、はたまたサイボーグのペースが狂ったか!
🏹「――私は、ハナを切れないと勝てない――だから、だから――序盤は誰よりも、ブルボンさんより――がんばってきたんだ!」
「……っ」
――ミホノブルボン、400M前で2番手に下がります
――壮絶な序盤のデッドヒートを制したのはコーエイボーガン!
――スプリングS以来先頭を走り続けたサイボーグ超特急からハナを奪いコーナーを回ります
「さすがです、ボーガンさん……」
ミホノブルボン追走、その後ろにはライスシャワー、そしてノーザンコンタクトがライスシャワーにピッタリくっついて並走
その一歩後ろをマチカネタンホイザが追走します
やはりこの四人! この四人です!
ミホノブルボンのハナをコーエイボーガンが、その後ろをライスシャワー、マチカネタンホイザが、ノーザンコンタクトが追う
二冠馬には、ミホノブルボンには負けない
それが菊花賞に勝つ手段だと言うように、レースが展開されます!
菊花賞3000M序盤戦から激しい戦いです!
521 :
ダンナ
2025/05/07 11:50:58
ID:vZFiy8/1SM
『ち、 ハナは奪えないか』
🏹「はー、はーっ、よかった、ボーガンよくやったぞ。 これでやっと同じ土俵だ」
🌸「でもこれ結構消耗戦じゃない? ペースも自然に早くなるし後ろのプレッシャー考えたらペース落として一息入れられないでしょ」
🏹「…………まあ、普通はそうですね。 でもあの子は――そういうの得意なんです」
――さあ、レースを引っ張るのはコーエイボーガン! 1000Mを通過、タイムは
――タイムは1分ジャスト、3000Mとしてはハイペースです。 ミホノブルボン大丈夫か、ミホノブルボン、未知の3000Mをこのペースで大丈夫か
『…………1分』
🌸「かなり速いな、ここのタヌキ親父たちがにんまりしてそう」
🕷️「え? いや……あれ?」
🍚「1分きらないか、残念だ」
『くそ、タヌキはこの親父どもじゃなくあのロリ巨乳か!』
🏹「騙しては居ないんですよ、あの子ハナきると、ほんと自然にスローペースにできちゃうんです。 だから400までは超超ハイペースで、あとは自然にゆっくりゆっくり――きっと後ろ全員が気づく頃には、ね?」
522 :
トレ公
2025/05/07 11:57:18
ID:vZFiy8/1SM
ふーっ、ふーっ
息を整えろ、走りながら、ペースを下げずに息をつけ
息がつける速度まではほんの少し、ほんの少し、身体がびっくりしないように
しっかり、じっくり、ハナを維持しながら、しっかり
――ブルボンさんの圧がすごい
――でも、私の真後ろで追い抜きはしない
――大丈夫、息をついて、最後まで走れば勝てる
「…………ペースは、最初以外は遅いです。」
とはいえブルボンが追い抜きをかけようとレーンを変えるとライスシャワー、ノーザンコンタクトの進路を塞ぐ可能性もある
ミホノブルボンはじわじわとペースを上げ、コーエイボーガンを"つつく"
しかし、息を入れたコーエイボーガンはペースを上げない、むしろスローにスローに、ミホノブルボン以外が気付けないほど、ほんの少しづつペースを落とす
違和感すら与えないそのペースに巻き込まれる
ミホノブルボンは気づいている、自身の体内時計がこのペースがコンマ秒レベルでゆっくりとスロースローになっていく。
しかし、そのせいで、ライスシャワー、ノーザンコンタクトとの距離が近い。
――追い抜くべきなのに、進路を変えられない
523 :
アンタ
2025/05/07 12:01:33
ID:vZFiy8/1SM
🕷️「1800Mで1分54秒!?」
🍚「ああああライスちゃん気づいて!気づいて!」
🌻「いやでも、そんなペースを落としてたならブルボンさんが抜いてるんじゃ?」
『ペースが遅いことに気づいても、コンタクトとライスシャワーとの距離がちかすぎて進路変更できねーんですよ、ああやって何度もボーガンつっついてるからブルボンは気づいてるんです』
🏹「そうだ、ゆっくりだ、ペースが一定だハイペースだと思わせてゆっくりなんだ」
🕷️「ああああ気づいてタンホイザちゃん!タンホイザちゃん気づいて!」
👁️「お嬢様、お嬢様!」
524 :
アネゴ
2025/05/07 12:06:16
ID:vZFiy8/1SM
「…………ふん」
――おっとノーザンコンタクトが少し下がる。 ストレートで先頭集団はやや縦長の展開か?
――横が空いた
ミホノブルボンは素早く外に進路を変え、じわじわとコーエイボーガンに詰める
そのタイミングでコーエイボーガンもペースをミホノブルボンに合わせ、抜かせないギリギリで速度を保つ
――ハナは譲りません。 ここまで、1800Mまでで十分息はつかせてもらいました、ブルボンさん!
――おっとここでミホノブルボンが早くも競りかける。 しかしコーエイボーガン譲らない、バックストレートで先頭を奪い合う動き。
第三コーナーを前に早くも動きがあります菊花賞。
後続も先頭集団との距離を詰めますが先頭の競り合いでペースがまた上がっていきます
525 :
トレーナー君
2025/05/07 12:10:00
ID:vZFiy8/1SM
『コンタクトがしかけやがったな』
🌻「コンタクトが下がったアレ、まさかブルボンに行けって事?」
『多分な、ペースダウンに気づいたコンタクトがミホノブルボンの進路を確保させるために下がったんだろ、こうして!バックストレートで! 競り合わせる!ためにっ!くそっ、あの腹黒お嬢が!』
👁️「戦術も完璧でございます、全身筋肉のお嬢様は全身が脳で皆様より賢い!」
🌸「いやそれは脳も筋肉じゃねえかな」
🕷️「んふふ、でも行くしか無いもんねブルボンちゃんは」
🍚「うんうん――これは本当に最高の展開だよ。さあ、ここからはライスが主役だ!」
526 :
相棒
2025/05/07 12:16:05
ID:vZFiy8/1SM
第三コーナーでライスシャワーがペースを上げる。
今までの付いてくためのペースアップではなく――先頭を捉えるためのペースアップ
「坂道は――小柄なライスだって、得意なんだ。」
京都のバックストレートの坂を登り、三角四角の下りへと向かう。
ライスシャワーのペースアップに、先頭集団が反応し、全員のギアがあがっていく
「えい、えい――むん、まけ、ない、ぞッ」
「うふふ、今日は前がこんなにすくない――全員ごぼう抜きですわ」
「ライスだって、ライスだって――輝くんだ――ブルボンさんに、勝つんだ!」
――先頭はまだ私なんだ
――絶対に譲らない、この先頭はまだ私のものだ
――さあ、ライスシャワーがミホノブルボンに並びかける。
――第三コーナーコーエイボーガンにミホノブルボンとライスシャワーが競りかける、並ぶ、並ぶ、並ぶ!!
――しかしコーエイボーガン譲らない。 3コーナーから早くもスパート! 最後の力で淀の下りを駆け下りる!!
527 :
大将
2025/05/07 12:18:46
ID:vZFiy8/1SM
🏹「ボーガン!ボーガン! 頑張れ!お前のペースでずっと走れたんだ!
頑張れ!お前は菊花賞でも勝てるんだ!!!」
🍚「ライス! ブルボンさんに勝つんだろう? そこで勝ちを掴むんだ!」
👁️「お嬢様!お嬢様!」
『…………』
🕷️「…………ブルボンは、コーナー得意じゃないもんね、タンホイザもあんなには得意じゃない」
『はい、京都の直線で、勝負です』
🕷️「…………できる? タンホイザちゃんやライスちゃん相手に。 これ3000Mだよ」
528 :
大将
2025/05/07 12:24:17
ID:vZFiy8/1SM
コーエイボーガンの顎があがる。
表情も脚どりも一杯なのに――それでも絶対にハナは譲らない
スパートをかけたライスシャワーに競りかけられても譲らない
しかし――京都の長い4角で
「ライスは、負けないんだ!」
――ライスシャワー、第四コーナー最後で先頭か、コーエイボーガンはいっぱい
――ライスシャワーミホノブルボンが先頭!いやライスシャワーか!!
――ああっと大外まわってきたのはヤマニンキセキ! 大きく回ったヤマニンキセキが直線で先頭集団に襲いかかる!
その間から伸びてくるマチカネタンホイザ、ノーザンコンタクト!
最終直線は6人の叩き合い
コーエイボーガン苦しいか、まだ追いすがる
先頭はわずかにミホノブルボン、差がなくライスシャワー
大外はヤマニンキセキ! その間はマチカネタンホイザとノーザンコンタクト!!
マチカネタンホイザの脚がいい!先頭に並ぶか
529 :
トレーナーさま
2025/05/07 12:28:05
ID:vZFiy8/1SM
――苦しい、苦しい、苦しい!
心臓が張り裂けそうで
肺がいくら呼吸をしても満たされない
意識すら飛びそうなほど
ライスさんに並ばれて――後ろの足音はマチカネタンホイザさん
マスター
マスター、苦しいです
3000Mは、苦しいです。マスター
はじめて――抜かれます。 負けてしまいます
――ミホノブルボンも限界か、ここでライスシャワーが先頭、わずか先頭はライスシャワー! その外から競りかけるマチカネタンホイザ!
更に外からノーザンコンタクト! 大外ヤマニンキセキも追走する!
ライスシャワー、マチカネタンホイザ、ライスシャワーが先頭だ!
530 :
モルモット君
2025/05/07 12:31:40
ID:vZFiy8/1SM
苦しい
辛い
脚を、止めたくなる
ああ、もう負けてしまったのか
――私は、マスターとの約束を
「やああああっ!勝つんだ、勝つんだ!」
「むん! むううううんっ!」
「負けませんわ、負けませんわブルボンさんには!」
――私は、もう抜かれてるのに
――気づいてない
――みなさんも、限界で、もう、誰が一位かわかってなくて
――私は、勝手に諦めてた
――このレースは、菊花賞は、みんなが必死なのに
――頑張らなくては
――最後まで、最後まで
531 :
トレーナー
2025/05/07 12:35:38
ID:vZFiy8/1SM
――先頭はライスシャワーか、マチカネタンホイザか!
――いやその間を押しのけるようにミホノブルボン!!ミホノブルボンが再度のびてくる!!!
――ダービーで、セントライトの直線のようにミホノブルボン再始動!!
――並ぶ、並ぶ、並んだ! ミホノブルボンライスシャワー、マチカネタンホイザ!!
――離れて外からノーザンコンタクト突っ込んでくるが先頭3人、3人完全に横一線!!
「ブルボン――さんっ、負けない、勝つのはライス、なんだああッ!!」
「私の、脚は――マスターの脚です! 負けません―――っ!!」
「まけない、まけない、今日は、がんばる、がんばるん、だっ――っ」
――――
『――――――――』
532 :
使い魔
2025/05/07 12:43:59
ID:vZFiy8/1SM
――完全に横一線でゴールイン!
――ミホノブルボン、マチカネタンホイザ、ライスシャワーの壮絶な、壮絶なデッドヒート!!! 一歩とどかず、ヤマニンキセキ、ノーザンコンタクト!
そしてコーエイボーガンが惜しくも入着ならず
――一着は…………写真判定です、写真判定となります!!!
『……誰が勝った?』
🕷️「タンホイザちゃん、タンホイザちゃんだよ……あんなに必死に走ったんだもん……タンホイザちゃんだよお……」
🍚「…………ながくない?写真判定でこんな長いこと有る?」
『……ああ、くそ。 神様や仏様なんて信じちゃいない、信じちゃいないけど――勝たせてくれ、勝たせてくれ。』
――URA審査委員会です。
――写真判定の結果が遅れたこと深くお詫びし、その理由を説明致します。
――写真判定の結果がスクリーンに出ます
『……わかんねえよ!写真判定でも横一線かよ』
🕷️「いや、これミリでタンホイザちゃん勝ってるよ、絶対そうだよ」
🍚「……これ同着だったりする?」
――スクリーンでご覧の通り写真だけでは1着の判断ができず
――この写真を拡大し精密にAI処理もふくめ精査した結果
――着差1cmの差で
――1着、ミホノブルボン
――2着、ライスシャワー・マチカネタンホイザと確定致しました
533 :
お兄ちゃん
2025/05/07 12:50:40
ID:vZFiy8/1SM
―――わあああああああああああああっ!!!
「ねえ、ライスさん。 ブルボンさん」
「……はあ、はあ、な、な、なにかな、タンホイザ、さん」
「なんかすごい騒いでるけど、誰が勝ったのかな?」
「……あはは、ライスわかんないや。 ゴールしたのも、わかんなかった」
「ゴールの瞬間、マスターの、声が聞こえました」
「え?」
「聞こえないはずのマスターの声が聞こえました。
頑張れ、とか負けるな――ではなく
ただ一言
――止まるな
ずっと、大坂路で言われてた言葉が、聞こえました。」
「……そう、なんだ、マスターさんの声かあ」
「ねえ、これ、ブルボンさんコールじゃない?」
――ブールボン!!――ブールボン!
「まけちゃった、かな」
「かもね、三冠おめでとう、ブルボンさん。 ねね」
「次は、まけないから」
「うん、ライスも、負けない。次は、ブルボンさんに勝つんだ」
「なにしてますの? ブルボンさん貴方の勝ちですわよ
――勝者は、観客に答えないと」
「ノーザンコンタクトさん……」
「負けましたわ、さすがあーしの生涯のライバルですわね!
ライスシャワーさんもマチカネタンホイザさんも、これからずっとライバルですわ。次はけちょんけちょんにしてみせますわよ!」
「……強いなあこの人」
「あはは、そうだね」
534 :
トレぴっぴ
2025/05/07 12:56:16
ID:vZFiy8/1SM
『ブルボン!』
「……戻りました、マスター」
『いいから、先に脚を出せ』
「いいえ、マスター。 大丈夫です。
私は、勝ちました。
マスターの作り上げた脚で、三冠を獲りました。
ですから――マスター。
先にハグをして、撫でてください。
貴方のミホノブルボンは、三冠ウマ娘になりました」
『――ッ、ほんとに、本当に、本当によくやった!
さいっこーだ、お前本当に、最高だよ、ブルボン! あんなすごいレースを
最後に抜き返して、ほんの1cmでもあんなすごい奴らに勝ってさ』
「――いいえ、ゴールの瞬間。 私の脚は止まってました。
限界でした。 完全にとまっていて、きっと1cm以上の差で、ライスさんとタンホイザさんに負けてました」
「ですが、声が聞こえました――止まるな、と。 マスターが怒鳴ってる声が聞こえました。
その声で、自然に脚が動きました――ですから」
――ぎゅうっと、ミホノブルボンがトレーナーを抱きしめる
「あの1cmは、マスターがくれた1cmです。マスターが私に、菊花賞を――三冠をくれました。マスター」
535 :
トレ公
2025/05/07 13:03:39
ID:vZFiy8/1SM
『……あれ、マチタントレとライストレは?』
🌻「先に帰るって」
『……そうですか。
あれ、フラワーちゃんは?』
🌻「自主トレだってさ、来週エリ女だから。 今日のレース見て火がついちゃった、みたい。」
『すごいレース、だったなあ……まだブルボンが勝てたの夢みたいですよ』
🌸「マチタンとライスに完全に抜かれてたのにあそこから差し返すってどうなんよありゃチートだよチート、やばいって」
🌻「号外でてるってさ、URAで号外って初めてじゃないの?」
『なんか、すごいとこ言っちゃったんですねブルボンって』
536 :
お姉ちゃん
2025/05/07 13:06:50
ID:vZFiy8/1SM
🏹「……ごめんなさい、負けて、入着もできなくて」
――すっげーーー!!ボーガンさんすごいじゃん!
――あんなすごいレースで最後の最後まで粘ってさ
――ブルボンあんなに苦しめたのってボーガンさんが前奪ってたからだよね
――サイボーグの時計を狂わせた魔法使いってみんな言ってるよ
――よっ、栗東の魔法使いっ!
🏹「え、あ、はいっ? 」
――次、どこ走るの?
――ねえねえ今度並走してよ、私も、私も
537 :
キミ
2025/05/07 13:10:01
ID:vZFiy8/1SM
👁️「……爺」
「はい、お嬢様」
👁️「負けましたわ」
「……はい、お嬢様」
👁️「ミホノブルボンさんだけでなくマチカネタンホイザさんにもライスシャワーさんにもヤマニンキセキさんにも負けましたわ、5着ですわ」
「はい、お嬢様」
👁️「ねえ、爺」
「はい」
👁️「今日のレース、どうでした?」
「……負けはしました。ですが――このレースはURA史上最高の激戦でございました」
👁️「ならばヨシ! 次回も最高のレースにして次こそ勝つわよ、爺!」
「はい、お嬢様」
538 :
お姉さま
2025/05/07 13:13:41
ID:vZFiy8/1SM
✪「お前はもうすこし悔しいとかへこたれるべきだ」
👁️「ッはあ? なんでですのなんでですの!? すっごいレースだったじゃありませんのわたくし自室で10回はリピりましたわ!」
✪「そんなんじゃ次も勝てないぞ?」
👁️「はあ? 勝つに決まってますわ!というか次負けても勝つまで続ければいいじゃありませんの。 はーもう、おじさま、牛丼おかわりですわ」
✪「お前本当にメンタルだけは最強だな」
539 :
モルモット君
2025/05/07 13:18:32
ID:vZFiy8/1SM
🕷️「負けちゃったね」
🍚「……うん、ブルボンさん、すごかったね」
🕷️「えー、私はー?」
🍚「ひぇうっ? も、勿論タンホイザさんも、凄かった……」
🕷️「えへへ、ライスさんもすごかったよ、最後負けちゃうって思った」
🍚「うん、悔しいなあ……悔しいなあ……今日は、勝てるっておもったのになあ」
🕷️「私ね、負けても別になんも思ってなかったしレースでそんなに必死になったこと、なかったかもなーっておもったんだー」
🍚「えっ、そう、なの?」
🕷️「うん、私はあんまし目立たない普通っぽい子だし、マイペースに生きてれば良いことあるかなーって
でもね――今日は必死だったし――正直、悔しかった」
🍚「うん……うん……!ライスくやしい、くやしいよ!」
🕷️「つぎは勝つぞー!!えいえい、むん!」
🍚「勝つぞ―、おー!えい、えい、むーん!」
540 :
トレーナー
2025/05/07 13:28:24
ID:vZFiy8/1SM
――快挙ッ!!! ブルトレくん無敗の三冠ウマ娘おめでとう!!
――なにより自発的に記者たちを焚き付け、今年の菊花賞を一大ムーブメントとしURAを社会に大きくアピールした!
――連日報道では三冠ウマ娘への称賛だけでなく、そこで戦った菊花賞メンバーの称賛が断たない!
――友情!共闘! 勝利ッ!! 三冠ウマ娘ならびにURAへの多大な貢献を認め、君たちにプレゼントを用意させてもらった!
――もっというとこのまま学園にいるとパパラッチとか生徒へのインタビューとか職員への質問とか色々面倒なので君たちには少し雲隠れをしてもらいたい!!
『――って、事で、理事長から旅行券いただいたぞブルボン。』
🤖「旅行、ですか」
『そう、南の島7泊だってさ、ホテルにはちゃんと日本スタッフいて安心、施設内利用料全部込おサイフ無用リゾートだって』
🤖「つまり、マスターとの新婚旅行ですか?」
『うん結婚してないね』
🤖「婚前旅行ですね」
『違うね。 3人までだから親御さんとブルボンの3人で言ってほしいなって』
「あっはっは、良いじゃないか海外旅行。 マスターくんもこれから三冠トレーナーとして一気に忙しくなるんだろう? 最後にブルボンと楽しんできなさい」
「そうですよ、マスターさんブルボンをよろしくお願いしますね♪」
ブルボンパパと――海外から帰国してたブルボンママはにこやかに旅行チケットを押し付ける.
お土産はお酒がいいだとか海外のあれこれを伝授するだとか
しかし両親の目は笑っていない
――ここでブルボンとあれこれしてもらおうね
そう言っている
541 :
モルモット君
2025/05/07 13:38:41
ID:vZFiy8/1SM
『しっかしすげーなセレブの旅行って
飲食どころか全施設なに使ってもなに食っても無料なんだろ?
まあ、セレブはがっついたり元取ろうとかおもわないんだろうけどさ
庶民には想像できねえわ』
🤖「ウマ娘がたくさん食べてもいいのでしょうか」
『いいらしい、ウマ娘専用でご満足頂けるよう大量に準備してるとことかもあるらしい、施設内のコンビニも全部無料ってどうなってんだよ……』
🤖「すごい世界ですね。 南の島」
『まあ色々準備しようよ』
🤖「ところでマスター――水着は何色がいいでしょうか?
ビキニ、競泳、ワンピースなどお好みのデザインとカラーを教えて下さい」
『言うわけ無いんだよなあ教え子相手に男の性癖なんか言えるわけ無いんだよなあ』
🤖「マスター」
――ぎゅー
🤖「私は三冠ウマ娘です。 マスターの言う通り頑張りました
大坂路を4本毎日毎日頑張りました。 頑張ったことでマスターのご褒美が会ってもいいと思いますマスター
恥ずかしくありません、大好きな人の好きな事を知りたいだけですマスター」
『はなせー!俺は負けない、負けないぞーどんないい匂いしても柔らかで眠くなっても負けないんだ』
――黒の上品なビキニとお腹の空いたクロスのワンピース赤をご用意して頂くことになった
542 :
トレ公
2025/05/07 13:43:27
ID:vZFiy8/1SM
🤖「マスターはこういうのが好きなのですね、ふーん、ほーん、へー」
『やめなよおおロボットエミュ切ってまで俺の趣味をへーんほーんいうなよおおお!! 耳に息かけるのは反則じゃんもおおおおお!!』
🤖「ところで、私がマスターの水着をリクエストするのはいいのでしょうか?」
『女が好む水着ってどんなの? まさかもっこりでちゃうブーメランとか言わないよな?』
🤖「それも捨てがたいですがサーファートランクスが好きです。 ちょっとケミカルな花がらのような細かい模様のはいったアレです」
『ハワイ!みたいなやつ?』
🤖「はい、それの黄色やオレンジとかがいいです」
『たしかそんなのあったような気がするな。 まってろ――水着、水着、と』
🤖「……ステータス、わくわく」
『お、あったあった。これかな? おい、こんなのどうだ?』
🤖「わかりませんマスター、ここはやはりここで履いて頂かないと。
水着ショーを要望しますマスター」
543 :
アナタ
2025/05/07 13:49:59
ID:vZFiy8/1SM
菊花賞おしまい
真冬ですが南半球の南国にバカンスです
チーム菊花賞でバカンスにいかせるか迷ったのですがブルボンへのご褒美にトレーナーと二人でいかせることにしました
一瞬、身の危険を回避するためにトレーナーが3人目にライトハローさんを呼ぶという愚行を考えましたが、「安易なハーレムかよunkが」と言われるのを避けるため回避しました。ご了承ください
なお、史実でもミホノブルボンはライスシャワーに捕まりマチカネタンホイザにかわされてますがそこから差し替えしてハナ差2着でありレコードを更新してます。
ハイペースで狂ったならばこのタイムで走りきれないのでシンプルにキョウエイボーガン関係なくライスシャワーが強かったんだろうなと思ってます
ボーガンちゃんはこの後もレースに頑張ります
小柄でおっとりめのデカπピンク髪おねえさんっていいよね運営実装して
544 :
相棒
2025/05/07 13:54:31
ID:vZFiy8/1SM
追記
大きな話としてはおしまいです
ここからは話としても完全な蛇足、もしくは本当に完全なパラレルが多くなります
殆どが"だそく"ぐらいの感覚になります
ここまでご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました
545 :
モルモット君
2025/05/07 14:17:58
ID:7TmSgQgzIU
滅茶苦茶面白かったです!マスターのその後が気になる…
546 :
貴方
2025/05/07 21:22:17
ID:vZFiy8/1SM
だそく
👁️「ブルボンさん、ブルトレさんと付き合ってないってマジですの?」
🤖「はい、まだ恋人同士の関係ではありません」
👁️「でも、トレーナーのアパートに行くことが有るって聞きましたわよ? 何をしてますの? もっとこう――ショッピングとかカラオケとか神社でおみくじとかあるのではなくて?」
🤖「ハグをしてます」
👁️「ハグ」
🤖「ずっとトレーナーに後ろからぎゅっとされて1日を過ごします
時々私がトレーナーを後ろから抱きしめます。
そのまま色々なおしゃべりを行いリフレッシュします」
👁️「……もうそれ恋人同士の行動ですわよブルボンさん」
547 :
トレーナーちゃん
2025/05/09 11:29:10
ID:/eg5JQArCU
>>1
です
すいませんGWが終わりいそがしくなたので毎日更新は難しいです
ただこの後もバカンスや存在しないシニアや三冠セレモニーなど、いくつか話はありますのでよろしくお願いします
548 :
相棒
2025/05/09 11:58:17
ID:NDvoxFumZ6
>>547
完走するまで完走しろ
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