SS:はっ、必死に努力し続けたら誰でも三冠ウマ娘になれるってか?
1 : お前   2025/04/12 04:23:15 ID:P/2vHxlbPE
・独自解釈独自設定を含みます。おおらかな人だけどうぞ
・細かい部分が気になる方はこの先はご覧にならない事をお勧めします

彼はそう笑った
傑作だというように、私を嘲るように
そして続けた
――そんなんでなれるわけねえのは、お前が一番分かってンじゃねえのか?
――ココの連中はみんなみーんな、お前のいう一生懸命な努力をずぅっとずぅっと続けてるぜ?
――で、その結果そいつらはG1はもちろん、メイクデビューも未勝利戦も勝てねえのが半数ってとこだ、そいつらは一生懸命努力してなかったのか?
彼は睨むように、でもまっすぐに私を見ていた
私は答えた
「それでも――私は三冠ウマ娘になります」

249 : ダンナ   2025/04/22 18:40:52 ID:HcyNelBreg
「よっ、ミホノブルボン! 歴史上初の無敗の四冠ウマ娘っ☆」

『まあまあまあまあ、ほらライトハローさんグラス空ですよカラ、飲んで飲んで
――あれ? 史上初?』

「そうですよ☆ "皇帝"シンボリルドルフの無敗の三冠は朝日杯が入りません。
菊花賞まで無敗で行った時は――史上初の無敗の4冠です。」

『あー、そっすね。 そういや栗東寮でもすこし話題になっていたような』

「栗東寮?」

『ええ
トレセン学園って栗東寮と美浦寮ってありましてね
まあ昔からトレーナーも栗東ひいき、美浦ひいきってあるんですよ。
昔からの慣習なんでいがみ合い、みたいなのはないですけどね』

「へえ、そんなのあるんですね」

『で――シンボリルドルフは美浦寮――というか過去の三冠ウマ娘はみんな美浦寮だったらしいです。 まだ栗東寮からは三冠ウマ娘が出てないとか。
今回、ブルボンが三冠路線ってことで、ちょっとだけ盛り上がってるらしいんですよね。』

実際、美浦寮の方が新入生から人気があるそうだ。 美浦寮を希望してこぼれた結果栗東にくるとなればそれが誰かわからずとも栗東寮からしたら気分はよくない
あくまで気分の問題だが、ミホノブルボンに三冠を獲ってもらいたいと思ってもらえるならいい話だ
250 : ダンナ   2025/04/22 18:45:04 ID:HcyNelBreg
「でも、実際スプリングSみたいなレースならもう皐月賞も、ダービーも、貰ったようなもんじゃないですか? ブルボンさんって逃げでも序盤から直線まで全く同じペースで走れるような子じゃないですか。」

『お、お、お? ラップみました? わかります? いっやーブルボンの体内時計にきづいてくれるなんてライトハローさん流石だなあ!
おっちゃん、ハイボール大ジョッキでもってきて、あと唐揚げ!
じゃあちょっと、ミホノブルボン試験しちゃおっかなー、ライトハローさんのブルボン愛をテストしちゃうぞー』

「きゃー、お手柔らかにおねがいしますねトレーナーさん」

『正解したらジョッキ一本奢りますね、今日は何本でも飲んでいってください』

「やりますやりますやりますっ! 私のミホノブルボン愛語っちゃいます」




―――マスター、そろそろ明日の準備をしてはいかがでしょうか?
251 : アンタ   2025/04/22 18:52:55 ID:HcyNelBreg
冷水を頭から被ったら、このように人間は戦慄するのだろうか

勿論トレーナーは冷水など被っていない。 ミホノブルボンは間違っても実力行使に訴えるようなウマ娘ではない。
単に、静かに、とても静かに――後ろからトレーナーに声をかけただけだ。

『…………………ミホノブルボン、さん?』
🤖「…………こんばんは、マスター」
🤖「マスター」
🤖「質問に答えてください」
🤖「私は今冷静さを失おうとしてます、マスター」

『まって?ねえまって? ねえ今門限すぎてるよね? 』
🤖「寮長であるフジキセキさんに夜間外出の許可を頂いてます。」
『そもそもなんで俺がここいるって知ってるの!?』
🤖「マチカネタンホイザさんから伺いました。 商店街の方がここでマスターが女性と飲んでいると」
『い、いいじゃないスか、たまにはこう、ハメをはずしてもいいじゃないスか!』
🤖「明日はミーティングです。 そろそろ明日の準備をすべきです、マスター」

ミホノブルボンに首根っこを掴まれ、ずるずるとお会計に引きずられるトレーナー
ライトハローは呆気にとられたままそれを見送っていた
252 : あなた   2025/04/22 19:02:31 ID:HcyNelBreg
『えー、今日は皐月賞のミーティングです。
――だよね? なんで俺は床に正座させられてるの?』

🤖「……」
🌻「だめですよマスターさん、浮気はだめですよ☆」
🍚「お、女の人と夜のお酒とか、ライスよくないと思うな」

『ちょっとまって、俺下心なかったよ? ねえ俺ギルティなの?
ブルボン愛を語れるライトハローさんと酒のんでブルボンの話でもりあがってたんだよ?』

🌻「同じ趣味や好きを共有していつしか恋仲とかよくある話ですね」
🍚「うわあ…うわあ……マスターさんギルティだよぉ」
🤖「マスター、浮気はだめす。 浮気はだめです。」
🌻「ライトハローさんはどんな方でしたか?」
🤖「おっぱいもお尻も大きいかたでした。 目視での計測は90をゆうにオーバー」
🍚「ふ、ふえ、そんなのだめだよ、だめだよお」

『そういうのは女の子だけで語っててよ男を前に生々しいのやめてよお』
253 : トレーナーさん   2025/04/22 19:11:14 ID:HcyNelBreg
『商店街の刺客だったのか――マチカネタンホイザは。 くそ、いかにも無害な普通のウマ娘って感じなのにくそっ
ええい、俺はライトハローさんといかがわしい間柄じゃねえ、単に三冠セレモニーの企画を打診されてただけだ。』

🌻「セレモニー?」

『ああ、引退式とかあるだろ? あんな感じで三冠の戴冠式みたいな大きなセレモニーと大規模ライブをしたいらしい。 とはいってもまだ構想段階だし――ブルボンが三冠を穫るって前提の話だ』

🤖「三冠……はい」

『まあ、お前がそういう企画を受けるかどうかってのはあるがまずは目の前の皐月賞をとってからだ。 あと桜花賞おめでとうニシノフラワー!』

🌻「あ、はい。 ありがとうございます。」

『まあ、ニシノフラワーはティアラ路線というのが確定してる。 しばらくライバルとして戦う事はない。
だが?
ここに?
スパイがいるな? なああああ?』

🍚「きゃああああごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

わざと怖い声をだし両手をあげライスシャワーを脅かすトレーナー

『まあいい、他の奴に一切漏らさないこと。それだけが条件な』
254 : お兄ちゃん   2025/04/22 19:17:53 ID:HcyNelBreg
🤖「いいのですか? マスター、最終ミーティングですが」

『じゃあなんでライトハローさんの尋問とはいえライスシャワーを連れてきたんだ。
――どうせやることは変わらん。スプリングS同様に逃げて逃げて追走しても潰れるほどに逃げる。 速く仕掛けてきたらスタミナ切れ、遅けりゃ届かん。 非常にシンプルで潰しようがない戦法だし、そもそも手の内はもうスプリングSと同じなんて全員わかってる。 』

🍚「う、うん……おじさまも、ブルボンさんはスプリングS同様に最初から飛ばすだろうって」

『朝日杯のマイケルアーサーみたいな先頭じゃないと気がすまないってのがいない。 敢えてブルボン対策にハナを奪うような博打はブルボンの先行力を考えたら自爆行為だ』

スプリングSでも、スタートはサクラバクシンオーが上回っていた。
しかしそれでも、ミホノブルボンの先行力はサクラバクシンオーすらも上回っていたのだ。
255 : トレーナー君   2025/04/22 19:27:47 ID:HcyNelBreg
🌻「マスターさん、そもそもブルボンさんみたいな逃げより無理して前にいかなきゃいけないって事はあるんですか?」

『あるぞ――走り方が前傾姿勢や小柄で蹴り足のドロをもろにかぶるやつ
それで集中できないでイライラしたり掛かったり――自分のペースを保てなくなる逃げウマは結構いる。
あとは、シンプルに性格だな、バ群に入れない、競り合うのが苦手、追い抜きが下手、あとは――自分の前に他のウマ娘がいるのが気に入らないとか、走る気なくすとかだな。』

🌻「脚質って色々なんですね」

『例えば、過去に伝説となったダービーウマ娘はダービーで最初の1000Mで58秒6ってタイムで通過した。 誰もが明らかなペースの狂い、潰れると思われたが逃げ切った。 明らかにへばってるのに後続馬が詰め寄ると加速して決して追いつけない。
これだけ聞くと、どっかの誰かさんを思い浮かべるんだが』

🤖「……」

『実際、ペースは滅茶苦茶。 実のところを言えばこのダービーウマ娘は滅茶苦茶な怖がりでな、後ろの足音だけで心臓が跳ね上がるし並び掛けられると思うと恐怖心が湧き出したそうだ。 闘志むき出しで並走してくる相手が怖いと思い文字通り必死に逃げてただけなんだとよ』
256 : アンタ   2025/04/22 19:35:59 ID:HcyNelBreg
『まあ、ペースメーカーにされがちな逃げって戦法を好んで使うのは大体が性格的な理由とかそんなんだ。 怖がりなやつ、前や横に誰かがいると集中出来ないやつ。
――だが、ブルボンは違う』

『強いから逃げる。 丁寧に勝てるラップを刻んで追ってくる奴らが届かない、つぶれるようなレースをする。 追い詰められてもそこから更に伸びる。
戦術はシンプルに、それに勝てる方法がないから、強い』

🤖「はい、マスター」
🌻「こうして聞くと、ブルボンさんってとってもすっごい方なんですね」
🍚「ブルボンさん、やっぱ凄いな、凄いな……ライスも、頑張ってついてくね」
『ついてくじゃなくて勝ちにこい。 強いやつがG1勝つんだから。』
🤖「ライスさん、お互い全力を尽くしましょう。 たとえどちらが勝っても、すべてを出し切れるように」
🍚「う、うんっ! 頑張るねブルボンさん!」


その後

『――で、実際のとこ、どうだ? 調子は』
🤖「問題ありません、皐月賞は全力でミッションを遂行できます」
『そうか、レース間隔が狭いからな……しかもダービーまでも殆ど時間がない』
🤖「……」
257 : アナタ   2025/04/22 19:43:19 ID:HcyNelBreg
『……ブルボン、あくまで俺の見解だが――皐月賞よりダービーの2400Mがきなってる。 予想以上にお前は強くなった。
正直お前の脚も、トモも大したもんだよ。 クラシックでそんなに出来上がった脚をしてるウマ娘なんて他にいやしない。
お前のトモと脚をみるだけで、あれはミホノブルボンの脚だってわかるぐらい、お前の脚は凄いと思う。』

🤖「ありがとうございます、マスター。 」

『だが、まあわかっちゃいたが――筋肉ってのは重いもんだ。
走りにだけ集中させて、走りに無駄な筋肉は自然に無くしていって
今度はその必要な脚の筋肉の重さが、スタミナを奪っていく』

🤖「確かに――以前のようにタイムが一足飛びで良化することは少ないです。
以前より心肺への負担がどんどん減っていく実感は、なくなっていきます」

『ここから、2000M,2400M この400Mは、多分大きい。俺等が思ってるより、きっとな』

🤖「マスター、皐月賞を獲ったら――もし、皐月賞をマスターが納得行くレースができたら」


――ダービー、菊花賞のために、私に"五本目"を挑戦させてください
258 : トレピッピ   2025/04/22 19:48:57 ID:HcyNelBreg
皐月賞
中山2000M――もっとも"早い"ウマ娘が勝つと言われる三冠路線最初のG1
しかしクラシックすぐの4月に2000Mを"速く"走りきれるウマ娘は多くない。結局のところこの時期でもっとも速く、もっともタフなウマが勝つレース
早熟なだけでは決して勝てない。

――朝日杯でもギリギリだったんだぜ?
――でもスプリングSを見ろよ、あんなの普通のウマ娘じゃできっこねえって
――ミホノブルボンって短距離ウマ娘だろ? ただの早熟な子じゃねえの?


『気合は?』
🤖「上々です、マスター」
『調子は?』
🤖「絶好調――いいえ、状態:超絶好調です、マスター」
『今年の三冠を穫るのは?』
🤖「……私です、ミホノブルボンです」
『よおし、皐月賞いってこい!』
259 : トレ公   2025/04/22 19:54:50 ID:HcyNelBreg
――ミホノブルボン、あれが
――…………うわ、ごっつい尻……
――なんか、雰囲気あるね。

パドックで堂々と立つブルボンに、観客は勿論出走するウマ娘も呑まれている。

『ほんと、大したもんだ。
並、短距離、適正、散々言われて阿呆みたいに頑張る、努力言ってたひよっこが
――ほんとに強者になっちまった』

ゲートに入る
2枠4番――奇数からゲートインし偶数が後からはいる。 コーナーから近く、ゲートが開くまで短いそこは絶好の場だ

――集中――ゲートの、気配を――音を

「ミッション――コンセントレーション」

皐月賞のゲートが開いた
260 : お兄ちゃん   2025/04/22 20:03:20 ID:HcyNelBreg
ホーエーマーチがしたようなとんでもないロケットスタートというわけではない
するりとゲートから飛び出したミホノブルボンは――しかしたった数歩で並んだ一列から飛び出す

――各ウマ娘まずまずのスター……いやもうミホノブルボンが頭2つは抜けてる! とんでもない加速、ミホノブルボンがスタート数歩で先頭に立ちました

スタートのカンもいいが、あの加速は尋常じゃない。 無理やりの加速ではなくスタートから流れるように加速して一瞬でトップスピード。
このスタートの加速についていけるクラシック級は存在しないかもしれない。


――身体は十分軽い。 確かに徹底した坂路トレーニングで増加した筋肉は重いのかもしれないが、その筋肉は十分な推力をブルボンに与えている

――見ていてください、マスター
261 : 相棒   2025/04/22 20:08:05 ID:HcyNelBreg
🌻 「ペース、やっぱり速くないですか? 」
🌻トレ 「もうすぐ1000M……59秒8」
🌻 「っ、今日雨ですよ!? 発表は良バ場ですけど、こんなペースじゃ」
『……証明したいんだ』
『きっと、このぐらい重い場所で、こんなペースでも走りきれるスタミナがあるって、証明したいんだ。』

――五本目を、やらせてください。 ダービーまでの間だけでも
――私が、強くなったと思えたなら、させてください

『……くそ、ダービーまで全然ねえんだぞ。
残り400M、 どうすんだ』
262 : お兄さま   2025/04/22 20:13:21 ID:HcyNelBreg
自分には大した取り柄がない
クラスメイトからは怖がられる、上手く溶け込めない
表情をうまく顔にだせない。会話のリズムがあまり噛み合わない

――大人たちからは三冠路線を否定されて
――同級生からは、すこし距離を置かれた
――それが、最近は三冠路線を応援されるようになった。
――話をすると、ブルボンさんは怖そうにみえたけどいい人だって言われた時はすごく嬉しかった。
――頑張って、努力して、それを正しく努力するようになって
――自分がどんどん強くなれて、世界が変わった。
――ファンからも応援されるようになって
――クラスメイトからも皐月賞前には囲まれて沢山応援された


「っ、っ、ラップ、継続。100M――5.98」

――マスターは、私の世界を変えてくれた
――私の脚も、心臓も――世界を全部創り変えてくれた
――三冠のために、マスターのために
――もっと、もっと強くなりたい
263 : あなた   2025/04/22 20:19:28 ID:HcyNelBreg
――さあ第四コーナー、外からスタンドマン、セキテイドラゴンあがってくる
――しかし追走勢の脚色が辛いか、じわじわと差が開いてくる
――最後の直線、 差が縮まらない、むしろどんどん開いていく
――ミホノブルボン、更にスパート! 差が更に広がっていく!!
――はやい、はやい! 堂々としたスピードを見せつける、ミホノブルボン!
――圧倒的な強さをみせつけミホノブルボン、今ゴールインです!!!


――勝ったのはミホノブルボン! 無敗の5勝目皐月賞を圧勝です!!!


うわああああああああああああああああああああ!!!!
ブルボンつえええええええ!!
圧勝じゃねえか、距離の壁ってなんだったんだ!?

割れんばかりの歓声に包まれる
圧倒的な強さで皐月賞を逃げ切ったミホノブルボン
ついて行った後続がバテて潰れていくという逃げ
観客はミホノブルボンの三冠を期待し、歓声を送った
264 : お姉さま   2025/04/22 20:22:55 ID:HcyNelBreg
🤖「……マスター」
『よーーーーしよくやったよくやったよくやったよくやったよくやった!!
皐月賞制覇だ! 圧勝だったじゃねえかブルボン!
偉いぞ偉いぞ偉いぞ! 今日はマッサージして、帰りにうまいもん喰って帰ろう! 少しぐらい遅れてもちゃんと祝勝会だって寮にも電話してやるから!
…なんだったら明日は俺んちでずっと撫でててやるぞ』

控室――戻ってきたミホノブルボンをトレーナーが褒めちぎる
肩を何度もたたき、頭を両手でぐしゃぐしゃと撫で回し

――だが

「すいません――想定のラップを維持できませんでした。
最後の1Fでの急激な原則を、確認しました。」
265 : トレぴ   2025/04/22 20:27:15 ID:HcyNelBreg
脚が止まったわけではない
あのペースを維持できないのは当たり前の事だ
だが――そうではなく
あのペースはダービーを想定したペースなのだろう。 後続が追走できず潰れるようなペースで、しかもスパートしたように見えても
その実、後半は大きくペースダウンしている。 そのペースダウンの中圧倒的に早かったのがミホノブルボンであっただけだ

🤖「……マスター」
『…………だめだ』
🤖「しかし」
『言っただろ、五本は絶対させない。 今までだってずっとずっと無理をしてる。
筋肉が付いて坂路でも立派にスピードに乗ってる。 その分重くなった筋肉が脚にずっと負担をかけてる。』

『坂路4本、これでスタミナ切れならだめだ。 これ以上はさせない』
266 : 相棒   2025/04/22 20:32:31 ID:HcyNelBreg
わかってる
前半59秒8 トータルのタイムは2分1秒4
雨の中の良バ場としては十分立派なタイムだが、そのタイムの変化の方が問題だ。
2000Mをブルボンの完璧な体内時計をして、59秒8でかえってこれなかった。
スタミナ切れだ――400M伸びるダービーはわずか1ヶ月と少ししかない。
本当は、出来るんじゃないかと思ってる。
というか、やらないと完全なスタミナ切れで脚が止まる可能性がある。
2000Mの皐月賞は足が止まるまでに至らなかっただけで、400Mのびるダービーでどうなるかはわからない。

時間がない――ギリギリまでハードトレーニングをしても足りない。
6月になればクラシックから頭角を現したライバルがトライアルから参戦してくる


🤖「マスター、お願いします。 今のままでは――ダービーの勝率は大きく下がります」
267 : アナタ   2025/04/22 20:36:31 ID:HcyNelBreg
皐月賞から1週間後

――いつもと違う重苦しい空気で、大坂路の前にミホノブルボンが立っていた

『……いいか、タイムがちょっとでも悪いようなら途中で止める。
五本目登りきっても絶対に脚は止めるな。登り切るのが目標じゃなく目的は心肺の強化、登りきって心拍をゆっくり下げるクールダウン、インターバルまでセットだ。
脚に違和感、背中に違和感あったら即終了しろ。
――いいか? 目的はダービーだ。 五本こなすことじゃない、怪我したらダービーも終わるぞ。』

🤖「オーダー、了解しました」
268 : トレーナー君   2025/04/22 20:40:30 ID:HcyNelBreg
怒っているような、トレーナーの顔

🤖「大丈夫です、マスター。 マスターの作り上げた心臓も――脚も、まだ、戦えます。」

「よし――いくぞ、あと五本! 行って来い!」

――やりたくなんてない。
――博打をするなんて、しかも掛けるのが脚なんて、絶対にごめんだ
――こんなこと、本当にごめんだ。
――いいじゃないか、ダービーだって勝てる可能性はそこそこある
――相手がよわければ、ブルボンの逃げに焦ってくれれば
――ペースをうまいこと操って息をいれれば
――勝てるかもしれないじゃないか


――――かも、ではなく……私は三冠ウマ娘になりたいんです
269 : キミ   2025/04/22 20:44:54 ID:HcyNelBreg
――どうか、お願いします。 私に、戦わせてください

そう、深く頭を下げられた。
誰もがみとめる圧勝した無敗の朝日杯、皐月賞ウマ娘が、東日本ジュニア最優秀ウマ娘が――
まるで――未勝利のまま、脚を壊す前提で、たった一勝のために"壊し屋"に頼みに来るような、そんな頭の下げ方をされた。


『俺は――壊れず4本走りきったら――三冠穫れるって、言っちまったんだ』

だが、スタミナは足りない。 あと400Mを全力で走り切るだけの心肺がない
ミホノブルボンを最強たらしめるトモと脚の筋肉が、その重量が、そのスタミナをうばっていく。


『止まるなブルボン!! あと4本!』
270 : マスター   2025/04/22 20:47:34 ID:HcyNelBreg
この大坂路を2本やるのだってかなり過酷なトレーニングだ
シニアでだって常時やるようなもんじゃない
それをジュニアからずっとずっと4本やってきて

『あと三本! ペース落とすな同じペースで入れ!』

五本に増やしてもダービーまでに間に合うかどうかもわからない
危険ばかりでリスクばかりでリターンなんか殆どありゃしない

『あと二本! 走れ走れ走れ! 』
271 : 貴様   2025/04/22 20:52:47 ID:HcyNelBreg
いつもどおりのペース、いつもどおりの限界を超えるためのメニュー
しかし、ここから更に一本の追加、変則コースをおりていって、そのまま3角4角でゆっくり降りた脚を加速させていく


――ラスト一本! タイム出ないなら五本はさせないぞ行け行け行け!!

坂に入る前から今までの4本で心臓はパンクしそうだ
脚も腕も動くことを拒否してる

――レッド、レッド、危険、危険――危険

心臓が裂けそうだ、気を抜くと走ってるのか倒れるのかすらわからなくなる。
それでも、上半身をまっすぐ立て、早いピッチで大坂路を上がる

――私は、この坂で強くなりました
――この坂のお陰で、だから――もう一本、五本目を登りきって
――もっと、強く、強く――強く

目の前の坂が消える。
登りきった瞬間、坂が消え、視界が広がる
ミホノブルボンは、五本めを登りきって―――

――そして、その頂上でばったりと倒れた
272 : あなた   2025/04/22 20:59:03 ID:HcyNelBreg
心臓が、まだ痛い
――否定、心臓に痛覚はなく、しかし――心臓が痛いという表現以外の表現方法がありません。
頭の血管が、まだズキズキとする。
血液が脳に送られるたびにずきずきと疼くような痛みがする

――私は、何をしてたんだろう


『ブルボン! ブルボンッ!!』

坂路のゴール地点で、トレーナーに抱かれたまま倒れていた。
ゴールをした瞬間限界以上に身体を酷使した結果、意識を失って

(マスター……なぜ、そんなに泣いているのですか)

子どものように泣きじゃくるトレーナーに抱かれたまま、ミホノブルボンはぼんやり考える。自分は、トレーニングをして――坂路の五本目に挑戦して――五本目の頂上がみえた瞬間、景色が真っ白になって――

『ブルボンっ、返事しろ! ブルボン!! 』

泣きじゃくりながら、必死にミホノブルボンの事を呼ぶトレーナーに、手を伸ばす。

――泣かないでくださいマスター……私は
――私は、子供みたいに喜ぶマスターが、見たいんです
273 : トレピッピ   2025/04/22 21:01:35 ID:HcyNelBreg
『ブルボン! いいか動くな、今救護を呼んだ。 すぐ車両まわしてくれるって』

🤖「すいません、マスター。 脚、止めてしまいました。」

『いいから、だまってろ。 お前、がんばったから』

ボロボロと大粒の涙を流しながら

――止めなかった俺のせいだ、ごめん、ごめんブルボン

と何度も何度も、トレーナーの謝罪を聞いた、むせび泣く声を聞いた。

――自分は
――自分は、マスターを、悲しませてしまったのだろうか
274 : アナタ   2025/04/22 21:07:26 ID:HcyNelBreg
幸い、大きな異常も故障もなかった。
限界を超えて走ったせいで一時的な貧血を起こしたという診断だった
それでも――右足の脛に発熱があり、少しの期間坂路の使用は勧めないと医者に言われた

『……しばらく、プールでのトレーニングに切り替える。』

ベッドで横になるブルボンにトレーナーが有無を言わせないような口調で切り出した。

『どのみち熱が引くまで坂路はできない。 筋肉や骨への負担を抜く意味でもプールでしっかり心肺と全身を動かしてトレーニングする』

「……できます。 今日は、だめでしたが……今度は、五本、走りきってトレーニングに」

『だめだ!
――もう、これ以上は、だめだ』

🤖「マスター、私は三冠ウマ娘に」

『お前は、走れなくなるって事がなんだかわかってない。』
275 : 貴方   2025/04/22 21:12:50 ID:HcyNelBreg
『今まで当たり前にできてた行為ができなくなる。
周囲はそれをずっとしてる。 じぶんだってできたはずだ。
歩く走る――そんな当然のことまで、できなくなるんだ。』

トレーナーは『見ろ』と右のズボンのすそをまくる

「―――――ッ、マス……ター」

『学生のときに、事故で無くしたよ。 トラックの居眠り運転。
右からぶつかったと思った瞬間意識がとんでさ――目覚めたらこれだ』

細い金属の球体関節、板バネのような脚部分。
トレーナーの膝上から下はすべて義足だった

『大したもんだろ、十年以上身につけてると義足だって誰にも気づかれない。
歩くぐらいならホントに困らねえ。
事故の前までは、これでもヒトミミの陸上選手だったよ』
276 : お兄さま   2025/04/22 21:17:58 ID:HcyNelBreg
『脚をなくしても、義足をつけて生活して――
それでも、何年もしても夢を見るんだ―――自分の脚があって
ああ、なんだ俺の脚あるじゃんて思うんだ―――ほら、夢の中って滅茶苦茶なことでも納得しちまうだろ?』

ミホノブルボンは俯いたまま、返事もできない。それでも、トレーナーは続ける
――もう、ミホノブルボンは十分強い、これ以上脚に爆弾をくくりつけさせてはいけない

『でさ、目覚めて、自分の脚を見て思うんだ
――何年経とうと、思うんだよ。 ああ、やっぱ夢だったよな、脚ねえじゃん、って』



『――他人事でも他所の不幸な話でもないんだ。
むちゃをしすぎたウマ娘ってのの故障は――走れなくなる。歩けなくなる。
脚があるかないかの違いがあっても一緒なんだ。
俺はもうこれ以上お前に無理をしてほしくない。』
277 : トレーナーさま   2025/04/22 21:21:22 ID:HcyNelBreg
『……しばらくは、プールトレーニングだ。 いいな?』

「ごめんなさい。 マスター」

嗚咽の混じった声、ショックを与えすぎた事に、トレーナー自身の胸が痛む。
――それでも、これ以上の故障との綱渡りをさせるわけにはいかない。

「ごめんなさいマスター、私は―――」


――私はそれでも、三冠ウマ娘になりたい

『――ッ』

ゾクリ、と背筋が凍った。
トレーニングで倒れて
目の前に脚のない義足をみせられて
脅されたようなものだ、脅迫といっていい
278 : 大将   2025/04/22 21:25:54 ID:HcyNelBreg
それでも――ミホノブルボンは

「坂路五本ができないなら四本、今まで通りの継続をダービーまで。
熱が引くまではプールでも。
ですが、ダービーまでに――残りの400Mを走るために、少しでもやれることを」

『………』

トレーナーは大きく、ため息をついた。
正直今回の発熱は故障の兆候だ。 骨膜炎一歩手前だっただろう
だからこそ、これ以上の無茶はさせれない
自分の"右足"をも見せて止めたかったが――それでも止まらない
現状を嘆かず、出来る範囲で、なんとかしようとしてる
279 : 使い魔   2025/04/22 21:30:10 ID:HcyNelBreg
『――くそっ、俺の負けだ。
いいかブルボン、お前の脚の発熱は骨膜炎だ。 本来なら休養が必要だがプールトレーニングで患部に負担をかけないようにする。
プールへの移動や学校内の移動は熱が引くまでは杖を補助にする。 本来不要なもんだが少しでも移動で患部に負担掛けさせないためだ。』

「はい、マスター」

『当然――周囲は故障だダービー回避だ騒がれるが全部無視しとけ、ダービーには出ます程度にあしらっときゃいい。
熱が引くまで徹底してプールで心肺のトレーニング
――熱ひいたら、坂路戻るぞ、ただし四本だ。 五本は絶対にやらせん。』

「はい、マスター。ありがとうございます」
280 : マスター   2025/04/22 21:35:48 ID:HcyNelBreg
――はい、はい。
――ミホノブルボンにも、私の脚の事は話しました
――私の不届き、不徳で娘さんを故障手前までさせたこと、本当に申し訳ありません。


ミホノブルボンを休ませて
ミホノブルボンの父親に連絡をする。 無茶な五本目を試してミホノブルボンが倒れたこと、骨膜炎の前兆である発熱が脛におきたこと。
それらを詫び、以前に話しておいたトレーナー自身の右足の件を知らせた事を伝えた

驚くほどあっさりと、父親はトレーナーを許した。
ブルボンがどうしてもダービーを獲りたいとせがんだのだろうと
皐月賞で最後の最後でスタミナがきれたことを悔いていたと知らされた

――これからも、娘をよろしくお願いします

とだけ言われ、通話を切る
281 : お姉ちゃん   2025/04/22 21:36:57 ID:HcyNelBreg
皐月賞、おしまい
曇らせのようで申し訳ありませんが、ハピエン厨なので曇らせたままはありません
282 : トレーナー君   2025/04/22 21:45:22 ID:HcyNelBreg
蛇足

🤖「マスター、あの」

『なんスかミホノブルボンさん』

🤖「泳げるのでしょうか? マスター」

『義足はずしたらめちゃ泳げるよ。
ただ脚ないから目立つじゃん? あとはしごないと無理だな。上にあがるのきつい
いやーブルボンに脚の話したからお前と二人の時はプールはいれていいわ』

🤖「あの、あの……マスターはその、義足な事を気にしたりは」

『ないもんはない。 そりゃ、お前らが羨ましいと思うことはあるようんうん。
でも、お前にはどっちにしても言おうとは思ってたんだ』

🤖「そうなのですか?」

『だって――今は、お前のその脚が俺の脚みたいなもんだろ。
丹精込めた俺の脚だ、ブルボン――その脚でダービーにつれてってくれ』
283 : トレーナーちゃん   2025/04/22 21:52:35 ID:HcyNelBreg
だそく

『義足の話してからなんかブルボンが気を使ってるように感じるな
――よし、おーいブルボン』

🤖「はいマスター、どうしましたか?」

『俺は今日からマスターロボだ、見ろ見ろ、ロケットキーック(義足蹴って飛ばす)』

🤖「…………………」

『あれ? あれ? ブルボンさん?』

🤖「マスター、バッドステータス:自暴自棄。 今すぐ精神のケアが必要です
緊急ミッション:父への相談、学園長への相談」

『ええええっ!?まって? まってジョークだってジョーク!!』



🌻「で、義足でロケットパンチの真似事をしたと?
🍚「うわあ…うわあ、ちょっとドン引きだよライス…うわあ」
『えー!? 』
284 : 大将   2025/04/22 22:02:45 ID:HcyNelBreg
だそく
🤖「あの、マスター」

『なんですかブルボンさん 』

🤖「マスターは水着には興味がないのですか? 職業:女子高生 の水着姿です」

『あー俺、あんまし水着萌えしないのよ』

🤖「!? な、なぜですか?」

『いや知らんて、なんというか健康的すぎるというか。
つか、ブルボンはブルボンで男の水着姿とか萌えるのかよ』

🤖「はい、 マスターの水着姿が見れてプールトレーニングやれてよかったと思ってます」 『もうちょっと隠そうね美少女女子高生』

『まあでもブルボンの競泳水着姿は綺麗だなとかは思うようん』
🤖「/////」
285 : トレピッピ   2025/04/22 22:27:14 ID:HcyNelBreg
🤖「マスター、陸上というのは」
『ああ、50M走』
🤖「短すぎないですか?」
『50Mだとヒトミミでもウマミミと争えるんだよ最初のダッシュ次第だから』
『こう見えてもクッッッッソ早かったんだぞ、親父もお袋も陸上選手でさ』
🤖「……」
『ああ、事故からちょっと疎遠でな。
でもブルボン、よーく考えてみな?』
🤖「?」
『俺が作った脚はヒトミミじゃなくてウマミミ……URAの頂点だぞ? やばくね』
🤖「あの、それは」
『頂点じゃないの?』
🤖「…頂点です、マスターの脚は世界一の脚です」
『よーしいい子だブルボン(わしゃわしゃわしゃ)』
286 : マスター   2025/04/23 19:04:58 ID:p1A6Drlhh.
🤖「マスター。 好きです。」
『おう俺も好きだぞブルボン、めっちゃ愛してる』
🤖「ッパアアアア、ではハグを希望します。」
『しませんよブルボンさんトレーニング頑張ったらご褒美にしましょうね』
🤖「はい」
『……てかさ、俺愛してるとか好きって言われてるの一応わかってるよね?』
🤖「はい。 性的、恋愛的意味で本気でマスターが言っていないのは了承してます」
『いいの? 適当にあしらわれてるとか怒ったりせんの?』
🤖「大丈夫ですマスター。 マスターが私を好きな事実は変わりません。 怒ってもそこでその好意が愛情や性的好意に変換は不可能です」
『お、おう、なんか恋愛強者な言葉だな……』
287 : キミ   2025/04/23 19:13:48 ID:p1A6Drlhh.
今日はお休みです
288 : 相棒   2025/04/25 00:44:43 ID:kEAghphoQw
289 : アンタ   2025/04/25 08:03:45 ID:725.XAEgLo
『よし、坂路トレーニングに戻ってきたわけだが。
今まで通り4本。 ただし一本一本脚の違和感やハリを確認して少しでも違和感があれば途中で切り上げだ』

「了解しました、マスター」

本来ならば疲労を抜いていかなくてはいけないレース前だがギリギリまで追い切りを引き伸ばしての坂路。
疲労を抜いてもスタミナが足りなければ東京の長い坂道は走りきれない
ミホノブルボンが最強な理由は届かない事にある
手が届きそうでも突き放される二の足、それがスタミナ切れで届くとわかれば相手に希望が見える。 希望は最後の一滴のガソリンになりうる

『よおし、あと3本! 脚を止めるな3本目4本目のために今限界まで心拍上げろ!』

本当は休ませたい。 疲労を抜いてダービーに万全の状態で挑ませたい。
しかし、皐月賞から伸びた400Mはそれを許さない
290 : 貴方   2025/04/25 08:10:54 ID:725.XAEgLo
「マスター、脚の状態は良好
脚部への負担が少ないプールトレーニングの効果が出ています」

『リハビリじゃなくしっかり心肺に負担がかかるようにトレーニングしたからな。 今のお前はとにかく心肺をギリギリまで鍛えなきゃならん。一本一本集中しろ
ラスト一本! 走れ走れ走れ走れ!!』

レース直前までのハードなトレーニング
骨膜炎でプールトレーニングを行った時から学園でもURAの記者からも散々言われた。
――ミホノブルボン故障?
――ダービー回避?
――トレーナーの管理はどうだったのか
――なにをしてるんだあのトレーナーは

まあ、事実だ。
坂路五本を止めていれば骨膜炎は発症していなかったし
ただ、ミホノブルボンには申し訳ないとおもってもそいつらには申し訳ないと思うわけもなく。

しかし――それに納得しなかった者もいるわけで

当のミホノブルボンが、トレーナーへの風当たりに対して不満げだったのだ
291 : トレピッピ   2025/04/25 08:14:23 ID:725.XAEgLo
マスターは今まで最高のトレーニング環境を提供し最も効率的でもっとも心肺、スタミナを効率よく引き上げるトレーニングを提示してくれている
短距離適正である自分が2000MのG1を勝てたのもトレーナーとしての手腕である
勝つためにハードなトレーニングをしているのだから故障のリスクは十分承知している。

――ダービーで、私は結果を出します。
――マスターの指導が正しい事を証明します。

ダービー回避のセンが消え、坂路トレーニングを再開したことでダービー出走への安堵が広まったのかミホノブルボン陣営の故障への避難は収まっていった
292 : モルモット君   2025/04/25 08:27:43 ID:725.XAEgLo
 『珍しいな、お前が自己主張、というか自分の意見を他所様に張っていくの』

 「……マスターはく正しい判断をしています。
不当に批判をされるような事はしてません。」

 『そっか、ありがとな。』

トレーナーはくしゃくしゃと頭を撫でる。 最近は頭をなでると目を細めたり目をつぶったり、気持ちよさそうな顔をするのが微笑ましい。

 『ダービーまで時間がないが、休養できない。 ギリギリまで坂路で心臓も身体もいじめ抜く事になる。ダービーも含め辛いだろうが、できるか?』

 「もちろんです、マスター。目標は三冠です、2400Mまでではなく3000Mまで保つスタミナを希望します」

 『その意気だ。 ところで――もしダービーを獲ったら夏合宿なんだが。
 ブルボンの親御さんにも挨拶したいし、多少の休養もかねてブルボンの実家に向かってからにしたいと思う』

 「マスター、本当ですか?」

 『ああ、朝日杯、皐月賞、ダービー無敗のウマ娘として親御さんに挨拶しにいくぞ。 ダービーまで全力だ』

 「オーダー承認します。 ダービー制覇のミッション、開始します」
293 : トレーナー君   2025/04/25 08:34:12 ID:725.XAEgLo
「さあ、ダービーの前祝いしましょう☆ かんぱーーーいっ☆」

『うす、かんぱーい』

「あれあれ元気ないですよトレーナーさん☆ 今日は私が奢っちゃいますから☆」

――ライトハローさんに捕まった。 前祝いという名目の酒のがぶ飲み会だ

スタイルもよく柔らかそうでしかもウマミミだから美人というふんわりほんわか系美女ではあるライトハローさんだが、この人のお誘いは酒を飲むための口実でしかない。 ライトハローさんの欠点を挙げるなら脳みそがアルコールで溶けてる系の人物ということだ。
普段はもうちょっとしっかりしてるが酒がはいるとてんで駄目な大人になる。

「えへへー☆ ダービーウマ娘をアテに飲むお酒は美味しいですねええへへ☆」

『ハローさんは年中お酒美味しくのんでそうですけどね』

「あはー☆ばれちゃいました? まあまあもういっぱい行きましょうよトレーナーさん☆」
294 : アネゴ   2025/04/25 08:45:19 ID:725.XAEgLo
ウマミミはアルコールに強い子が多い、本当か都市伝説かは不明だが完全耐性を保つ個体もいるそうな
もちろんライトハローさんは違う。対して強くないしそのせいで完全にハッピーアル中だしもう気持ちよさそうに上半身がふらっふらしてる。

『あーもうハローさんペース落としましょうよ。 ふらふらじゃないですか』

「えぇ~酔ってませんよお☆ 私が酔ったらこんなもんじゃすまないですよお~☆」

『もうこれ飲んだらかえりましょ? ね?』

「あははー☆ 送ってもらってあざでした~☆ ダービー勝ったら祝勝会しましょうね~☆」

べろんべろんのライトハローさんを送って一人トレーナー寮に帰る。

 『うーん、ダービーか。 しかも無敗の朝日杯、皐月賞勝利か。
 なんかとんでもない世界に生きてるなあ今』

ミホノブルボンは平気だと言っていたがこの先レースはダービー、菊花賞のトライアル、菊花賞ぐらいだろう。 レースにでるより徹底して心肺をいじめぬいて菊花賞を走り切るスタミナを作らないといけない。
骨膜炎があったとはいえここまで無事にはしれたのはブルボンの丈夫さを考えても奇跡にちかい。
身体もしっかりして鍛え上げられた筋肉の重量や全身の体重を考えれば今後はジュニアのように鍛えるほどスタミナがつくともいえない。
あの鍛え抜かれた身体は消耗するスタミナもとんでもないのだ
295 : アンタ   2025/04/25 08:47:50 ID:725.XAEgLo
――贅沢な悩みだ。

ダービー出走だけでも誉、そこに上位人気として出走できるだけで十分な話だ。
なのにトレーナーは勝つ前提でダービーを、その先を考えている

――頑張れば、努力すれば――本当に頑張って努力してすごいとこに立っちまったなあブルボン。

頑張ってほしい
勿論菊花賞まで無敗の三冠馬を貫いて欲しい
同時に――そのためのトレーニングやレースで故障なんかしないでほしい。

『ああ、本当に贅沢だ』
296 : トレーナー君   2025/04/25 08:53:02 ID:725.XAEgLo
🌻「ブルボンさん! 私はオークス惨敗でしたけど――ブルボンさんなら勝てます! がんばってくださいね!」
🤖「はい、フラワーさん。 状態は良好――今日はダービー勝利のために全力でミッションを遂行します。」

 『……やっぱ、ニシノフラワーはマイルですか』
🌻トレ「うん、本当は秋からマイルに向かおうかなって思ったんだけど……本人の希望は最後のエリザベス女王杯までは走りたいって」
 『もうすぐくるティアラ路線の改正が来てればよかったんすけどね。 確か新レースの秋華賞が2000Mでしたっけ』
🌻トレ「エリ女は2400Mだからね。 とはいっても、近くでミホノブルボンをみてると自分も頑張りたいって気持ちはわかるよ。 今度、そっちの坂路で走らせてもらいたいんだ。」
 『ああ、いいすよ。 並走でも単走でも』
297 : トレーナーさま   2025/04/25 09:00:24 ID:725.XAEgLo
🍚「ぶ、ブルボンさんっ!」

小柄で黒の勝負服――ライスシャワーがブルボンに駆け寄ってくる。

🍚「今日、ライスすっごい調子がいいんだ! ブルボンさんとダービーを走れるなんて夢見たいだよ!」

『………』

🍚トレ「本来はファン数不足で出走できなかったんだけどね。 出走回避の子が多すぎるそうだよ。
 今回ばかりはミホノブルボンくんに助けられたかもね。 有力な子もみんなNHKマイルや裏開催に回ってるのはミホノブルボンに勝てないってところだろう?」

ジュニアのメイクデビューとOPが一生づつ
ソレ以外は3着にも入っていないウマ娘がギリギリでダービーに滑り込み出走
まあ――過去の実績だけでみたら明らかに実力不足。
事実ライスシャワーの人気はドベもドベ。 支持率から見る人気指標――オッズでは一番人気のミホノブルボンが2.3に対してライスシャワーは114となっている。

『……ライストレさん。 ライスシャワーってあんなに雰囲気ありましたっけ?』
298 : トレーナーちゃん   2025/04/25 09:03:32 ID:725.XAEgLo
何度か見たことはある。スプリングSまではトレーニングも見ることはあった。
もっとひ弱で線も細い子だったと思うが――体格は一緒なのに、こう

 『前より全体がしっかりしてますね、ライスシャワー』

🍚トレ「ああ――皐月賞ぐらいから急に身体がしっかりしてきてね。
 今日はもしかしたら――なんて思うことがあるんだ」

 『ふぅ、ん……確かに距離が伸びたのは良い材料ですよね、あの子にとっては』

最低人気の実績なしのウマ娘ライスシャワーを見ながら、トレーナーは嫌な気持ちを抑えきれない。
299 : あなた   2025/04/25 09:10:27 ID:725.XAEgLo
🤖「マスター……マスターもやはり小柄で可愛らしくて守ってあげたくなるような少女――はっきり表現すると可愛らしいロリっ子が好みなのでしょうか?」

『おおう、ダービー出走前なのにトバしてるねミホノブルボンさん、急にどうしたんですか?これからダービースタートするんですよ?』

控室に入るとミホノブルボンが唐突に切り込んできた
無表情といわれるが無感情ではなくクールと言われるがその実頭ピンクなミホノブルボンである。
クラスメイトが自分の無表情っぷりに怖がるのを気にしてしまうぐらいの情緒はあるし、マスターの事がすきなのでそこをストレートでなげつけてくるだけの感情はしっかりしている

🤖「ずっとライスシャワーさんを見ていました。
 私もちょっとスケスケな黒のドレスに黒と濃紫の下着をつければマスターにずっと見ていてもらえますか? マスター」

 『見ていたの意味があまりに違いすぎるんだよな。
 実際どうだ? 今日のライスシャワー見た感想は』

🤖「強いです。 今までとまとっている雰囲気が違います。 突然バージョンアップしてMk2とついたような、超電磁コーティングをまとったかのような違いを感じました。」

『よーし頭まで茹で上がってはいないようで安心したぞ』
300 : トレピッピ   2025/04/25 09:14:40 ID:725.XAEgLo
 『とはいえ――ライスシャワーの脚は逃げができるほど長くない。 結局お前が逃げて他を潰す構図は皐月賞となんら変わらない。
 ただただ400Mのびて大回りで直線が伸びただけだ。 東京の直線は長い坂と500M以上の大直線だが――その400Mよりお前はずっとずっと苦しい坂を毎日走ってた。』

 『――最後の最後、どうしようもなくなってもその毎日を思い出して根性でなんとかしろ!』

根性論を嫌い――スパルタではあっても運動学、医学根拠と効率を求めたトレーナーが最後の最後に言う言葉が根性論である。
そのぐらいにはギリギリなのだ。 2400Mを走りきれるかどうかは正直わからない。 それを試すような機会もない。 ぶっつけ本番だ
301 : お姉さま   2025/04/25 10:19:18 ID:725.XAEgLo
「オーダー:最後まで頑張れを承認します。 ミッション:日本ダービー……
 マスター――ありがとうございます。
 私を、ここまで導いてくれて。 」

『まだ終わってないだろう、ダービーだけじゃなく、菊花賞まで全部勝って無敗の三冠馬になってからそういう事は言うんだブルボン
――ただ、まあ―――』

ぽんぽん、といつものように手を頭に置く。

 『ダービーまでのキツいトレーニングよく頑張った。  
 今日勝って、一緒に親御さんに頑張って良かったと報告しに行くぞ』

――はい、三冠ウマ娘のため、マスターのために、ミホノブルボン、発進します。


――うわ、前より脚も腰もすごくなってない?
――いやいや、皐月賞から1ヶ月ちょいしかなかったのに、いやでも
――うわあ、ごっつい尻しとんな

パドックに立つウマ娘の中で一際目を引く身体。
体格が良い、強そうとかではない
その脚の鍛え抜かれた筋肉は遠目から見ても他を圧倒するものがある

『ダービー、貰っていくぞ』
302 : トレーナー   2025/04/25 10:27:13 ID:725.XAEgLo
――どうですか、ブルボンの様子は

『ご無沙汰してます。 ギリギリまでトレーニングだったので疲労は抜けきってないかもしれませんが――その分鍛え抜かれてます。
 それに――その御蔭なのか、鬼気迫るほどに集中できてますよ。
 それにしても――いいんですか? 娘さんと挨拶しなくても』

ミホノブルボンの父親は困ったように首を振り

 「今私の顔をみて集中が途切れてもアレですからね。 親ばかのような言葉ですが、あの子はどうにも私に懐き過ぎていて。
 最近は安堵してるんですよ、マスター……貴方のような立派な方とブルボンが巡り会えた事に」

 『よしてくださいよ、私なんてただのうだつのあがらないトレーナーです。 ブルボンの担当をするまで未勝利か一勝かしか面倒みたことがない。』

 「あの子がダービーをね……私も元はトレーナーです。 あの子がそういった未勝利、一勝クラスでウロウロする才能だとは思ってました。
 それが今やダービーを獲ろうとしてる。 しかも朝日杯、皐月賞と無敗で掲げて――堂々と勝利を目指してる。」

――ブルボンの父は深く、深く頭を下げた
303 : キミ   2025/04/25 10:30:42 ID:725.XAEgLo
――夢を、現実にしてくれてありがとう

 『くすぐったいんで、頭をあげてください。 そういうのは三冠を獲ったときに一緒に酒でも呑みながらしましょう。 ダービーはふたつ目でしかないですから』

 「勝ち目は」

 『皐月賞直後なら半々でした。 皐月賞では終盤スタミナが切れてた、しかも私の不手際で坂路五本のせいで骨膜炎同様の発熱。 展開次第ではスタミナが保って勝つか、後続にギリつかまらなければいいなという塩梅でした』

「――では、今は?」

『そりゃ――勝てますよ。 あいつはそれだけの努力を皐月賞から今日までもしてますから』
304 : お兄ちゃん   2025/04/25 11:04:54 ID:725.XAEgLo
「ダービーの1角までは短い。 誰も彼も優秀なスピードに富んだウマ娘達がスタートから最高のポジションを目指して競り合う。
――7枠15番、大外側から穫れますか? 一番手」

『確かにそうですが』

ダンッ!!!
ゲートが開かれ勢いよくゲートが開かれる

内側のウマ娘がロケットスタートを切って先頭に立とうとする。

「―――ッ!?」

確実に他の追随を許さないロケットスタートをきめた
なのにたった数歩で大外からチョコレート色の影が飛び込んでくる
並ぶ、という生易しいものではなくすでにトップスピードになっていたミホノブルボンは内枠のウマ娘をあっさり突き放し先頭で1角に入っていく


 「皐月賞でも思いましたけど――スタートそのものじゃなく、スタートから一瞬で加速するんですね。あんな加速が当たり前のようにできるようになったんですか」

『ええ、坂路で身についた筋肉は急勾配に負けない力。 平地での使い方がうまいんですよね、加速がとにかく良い。 よほど出遅れなければスタートが良いウマ娘よりよほど速くトップスピードに乗ります』

「ええ、ええ――私もね、年甲斐もなく興奮してますよ。 あんなに素晴らしい加速のウマ娘なんてまずいない。 自分の娘がそんな走りができるようになるなんてね
――それに、ロボットに憧れてロボットのマネをしだした娘が決めた勝負服は、ちょっと、父親からみても露出が、ねえ?」

『そういや、今日はチョコレートメイド服ですね。』
305 : あなた   2025/04/25 11:07:00 ID:725.XAEgLo
「ブルボンがね、男の人が喜ぶ服とはなにか? と聞いてきたときには本当に驚愕しましたよ。 今まで三冠ウマ娘とロボットのマネばかりだったブルボンが男性の事をきにして勝負服をデザインしたいなんて。
私も貴方の趣味までは知らなかったですから、とりあえず嫌いな人の少ないメイド服なんかを勧めましたが」

『まってチョコレートメイド服てお父さんの趣味だったの!?』

「ああいやあくまで万人向けの話ですよ? ほらもう一着の方が結構露出が多いでしょう? ですからもう一着は逆の方向性がいいかなって
トレーナーとしては、どちらがいいとかは」

『日本ダービーですよ!?そんなことより応援しましょう!?』
306 : トレーナー   2025/04/25 11:22:41 ID:mI5oZHB2yM
――疲労があったはずなのに、疲労を感じない。
――まだ、ペースを速く設定できる。
――後続との距離、2バ身。 ペースを6.1秒に設定

2角を過ぎバックストレートに入る頃には2~3バ身の差をつけて先頭
しかし後続は3角までに差を縮めようと、ゆっくり、ゆっくりと距離を詰める

『後続が予想以上に落ち着いてるな。』

「2番手につけた黒い小柄な子……ライスシャワーか、スパートやペースアップとは言えないぐらいじんわりしたあげ方ですね」

『いやな上げかたですね……今ペースを上げたら潰れる、三角からじゃ間に合わない――きちんと目測のある詰め方です。』

「1000M 61秒2 ……ブルボン、頑張れ、いいペースだ。」


――第三コーナーに入って、じわじわと詰め寄られる
――コーナーは、焦らない。 スパートは直線から
――私の末脚は、マスターも褒めてくれた

詰め寄られる。 コーナーで後続が捕まえられると思えるほどの差しかない
皐月賞で敗れたがNHKマイルで勝利したナリタタイセーが
ミホノブルボンに何度も何度も苦渋を飲まされたマーネイドタバンが
期待に答えられなかったがNHKマイルでは2着に飛び込んだマチカネタンホイザが

――そして、その集団の先頭で、黒い刺客のライスシャワーが
――一斉にミホノブルボンに襲いかかろうとする
307 : 貴様   2025/04/25 11:31:06 ID:mI5oZHB2yM
――大ケヤキを超えて第四コーナー
――差がどんどんと縮まっていく、先頭のミホノブルボンとの差はもう1バ身、1バ身もありません!
――さあ、ここから東京の長い長い直線。 ミホノブルボンまだ先頭、後続が捉えようとする、東京の直線は500Mです!!

 「……ブルボン、粘れ、頑張れ、ブルボン」

 『お父さん、褒めてあげましょう。 アイツは、よく耐えたんです』

 「耐えた? だって後続が、あんなに」

 『メイクデビューの中京は410M 東京は500Mです。 あいつはちゃんと直線まで耐えた――いけぇっ、ブルボン!!』


 ――外に出る必要がない
 ――私は――マスターが創ってくれたこの脚と、心臓は
 ――ここから

 「ブルボンさん、捕まえる――ライスだって、ライスだって――」

直線に入ってラストスパートしたライスシャワー。
しかし、1バ身もなかった差が更に開く。
NHKマイルを勝ったナリタタイセーが、それを追い詰めたマチカネタンホイザが
それよりも前でレースをし、一番ミホノブルボンに近かったライスシャワーが
ブルボンのラストスパートで逆に差を広げられる

――ミホノブルボンここでスパート!1バ身だった差を広げていく!
――強い! ミホノブルボン強い! 東京の坂を軽々と登っていく!
――さあ残り400M ここまでで2000M
――ミホノブルボンには未知の領域!!
308 : トレピッピ   2025/04/25 12:08:07 ID:mI5oZHB2yM
――コーナーが巧いわけじゃない
――スタミナがあるわけじゃない
――スピードだって並程度

(マスター、それを貴方はすべて作り上げてくれた…
 スピード、パワー、スタミナ。 それでもコーナーは得意とは言えない。
でも、直線に入れば……出遅れてなくてもスパートはできる)

必死で食い下がる後続がズルズルと沈んでいく。
3角、4角で詰め寄って直線で射程圏に捕らえたはずの逃げウマにスパートで突き放されるのだ

(ブルボンさん、まだこんな力が残って――強い、すごいよブルボンさん……
でも、ライスだって、ライスだって――ブルボンさんみたいに)

――さあ残り200! ミホノブルボン!ミホノブルボン先頭!!
――差がどんどん広がっていく、ミホノブルボン!
――残り100を切ってもう大丈夫か!もう一着は大丈夫か!

――ミホノブルボンゴールイン!
――今ここに6戦無敗、無敗の2冠馬が生まれました!
309 : アナタ   2025/04/25 12:13:20 ID:mI5oZHB2yM
『――ッシャア! 見たか見たか見たか!! これが俺のミホノブルボンの走りだ!! 直線まで詰め寄られても逆にそれをぶっちぎるスピード!
うおおお最強最強最強!! よしよしよし!!

―――あ』

観客席で何度も飛び上がり全身で喜びを表現するトレーナーをブルボン父は微笑ましく見守っていた。

『あ、すんません。 はしゃぎすぎました』

「ああいやいやいやいや、自分の娘の事でそんなに喜んでもらえるのは嬉しいですよ。 ブルボンがよく言ってましたよ、マスターは自分のことのように喜んでくれるって」

『あ、はい。 いえ、お恥ずかしい事で』

「いえいえ、そのぐらいブルボンに入れ込んでもらえるのは父親冥利に付きますよ。それじゃ、私は帰りの電車もあるんで、ここらでね」

『え――会っていかないんですか? 絶対喜びますよブルボン、ダービーですよダービー』
310 : アナタ   2025/04/25 12:17:50 ID:mI5oZHB2yM
「父親としては会いたいですね。
 でも、これからマッサージをずっとしてね、その間いっぱいいっぱい褒めてくれる"大好きな人"からのご褒美の場に父親がいるのはね。
 ……夏休みは来ていただけるのでしょう? 山の反対側が海でしてね。 海水浴場になるほどは混み合ってないけど、海水浴場としても使える地元の穴場でしてね。
夏休み、楽しみにしてますよ。

――トレーナーさん、本当に……本当にありがとうございます。
娘をどうぞよろしくお願いします。」

――結局のところ、父親が来たことはブルボンには後で伝えることにして

『ミホノブルボンさん、無敗の2冠、ダービーおめでとうございます』

🤖「? マスター?」

『歴史に名を刻む大ウマ娘ミホノブルボンさんには今後生意気な口は効かないようにする所存です、ささ、こちらへ。マッサージの準備ができております。』

🤖「オロオロ マスター、マスター、マスター」
311 : あなた   2025/04/25 12:23:42 ID:mI5oZHB2yM
控室の仮寝台にうつ伏せになるミホノブルボン
その背中に、手とは違うおおきなものが置かれる。トレーナーの額だ

『お前、本当に無敗で2冠馬になっちまったなあ……』

『すげえや、お前。 普通なら4本の坂路なんかできるわけない。
それを毎日やるどころか一本一本全力で、だれよりも真面目に手を抜かず走ってさ。 殆ど遊び歩かないしさ、練習を一回もサボるどころか休んだ事ないんだぜ?』

「……はい、頑張りました。 とても、頑張りました」

『そうだよな。 今日のダービーだって、スタミナが保たないって言ってたのに、直線であのスパートなんだよ、一体。 ナリタタイセーだってマチカネタンホイザだってマーネイドタバンだって凄いのにさ、そいつら全員置き去りでさ』

「はい、マスターも私の脚は凄いから――スパートは直線だけで良いといってました。」

『お前、すごいよ。 本当に400Mの壁埋めちまった』

「マスター、私は凄いですか? 頑張りましたか? 偉いですか?」

『ああ、すごい、めちゃ凄い。 レースも凄いしいつもいつもいつも頑張ってるのもすごいしめちゃ偉い』
312 : アナタ   2025/04/25 12:33:28 ID:mI5oZHB2yM
「もっと――もっと褒めてください。
ステータス:ふわふわ です。 自分がダービーを勝てて嬉しいはずなのに、夢の中みたいな感覚で、嬉しいはずなのに実感がありません。
 なのに――マスターに褒められると、とても嬉しくて、ああ、勝ったんだと思えます。 ですから――いつもみたいに全力で褒めてください」

『……いいの? 今日の俺はもう遠慮しないよ?』

 「勿論ですマスター」

『――最高ッ!ブルボン、ブルボンブルボンブルボンブルボン!
 ああああお前ほんっとに凄いじゃん、ホントに無敗でダービーまで獲ったんだぞ。偉いっ! 最高! 日本最強のウマ娘ッ! このチョコレート超特急!
可愛くてスタイルよくて日本一速いウマ娘なのに2400Mも余裕のスタミナとか神様贅沢盛りしすぎっ!』

「…ッパアアア。」

マッサージというか、ワシャワシャと尻尾も髪も背中も頭も全部もみくちゃにして
落ち着いたらマッサージをしていく

『そういや、夏休みの合宿さ――ライスシャワーやマチカネタンホイザとか一部のウマ娘と合同で学園の指定合宿所じゃないとこでやらないかって話出てるんだよね』

「……そうなのですか?」

『個人的には疲労を抜きたいから大坂路はなくていいんだけど学園の合宿場は設備はいいけど坂道とか走りきれるばしょなくてな
 そこで、海と山があって、無敗の2冠馬サマが幼少期からトレーニングしてた坂道もある場所があるなって』

 「……それはもしかして」

『そ、お前の実家の山の裏手、そこの民家にアポとった。
少数精鋭の強化合宿するぞ、ニシノフラワーやサクラバクシンオーもくるってよ』
313 : お姉ちゃん   2025/04/25 13:12:56 ID:52VuIaSPTI
ブルボンを先に退室させ、ギリギリまで居残らせて頂いた礼をしつつ鍵を返し
そして帰るためにレース場から出ると、レース場の前の屋台に人が群がっている

🕷️「あ、ブルボンさんのマスターさんども。 ここの天むす美味しいですよ」
🍚「焼きおにぎりも美味しいよ、マスターさん」
🤖「もぐもぐもぐもぐ、むしゃむしゃむしゃむしゃ」
🕷️「もーブルボンさん、ほらマスターさんきたよ。 手とめて」

『馬鹿飯食ってるブルボンは』

🤖「シャアアアアアアアアっ!がるるるるる!!」
🕷️「うわぁっ!? 怖っ!?ブルボンさんこわっ!?」
『メシ喰ってるときのブルボンはそっとしとこうな、ほらブルボン口出して拭いてやるから』
🤖「もぐもぐ、 むいむい、ありがとうございますマスター。 もぐもぐもぐもぐ」

『しかしなんでレース直後なのに大量に食えるんだ』
🍚「……だよね」
🕷️「すごいよね」
『いやキミらもだからね?』
314 : モルモット君   2025/04/25 13:15:01 ID:52VuIaSPTI
日本ダービーおしまい
キャッキャウフフのドキドキ☆夏合宿~ひとなつのあばんちゅ~る~は後日

315 : トレーナーさま   2025/04/25 20:46:18 ID:52VuIaSPTI
🤖「現在、一つのバッドステータス:悩みを抱えています。」
🌻「ええ、あの無敗の二冠ウマ娘ブルボンさんに悩みが?」
🤖「はい、私のトモ――臀部はとても鍛えられてます」
🕷️「うんうん良いお尻してるよねブルボンさん」
🍚「お尻ごっついってよく言われるよね、実際はお尻とトモの部分だろうけど」
🤖「はい。 私のパワーとスピードの源であるこの臀部――今回はお尻と言いますが、鍛え抜かれた私のお尻は――触り心地が固くなってしまっているのではないかと」
🌻「――! それは由々しき事態ですね、ブルボンさん……!」
🕷️「え、それはどういう問題が? 競争能力としては良いことなんじゃ?」
🍚「ちがうんだよタンホイザさん! お尻の柔らかさは今のブルボンさんにとっては大事なんだよ!」
🕷️「え?え?」
🤖「私は毎日トレーニング後にはマスターに徹底してマッサージをして頂いてます。 時に2時間以上かけてくださる事もあります。
ふくらはぎからお尻までみっちりとされます。
女性のお尻を触るという事であっても、マスターは遠慮しません。 徹底しておしりをもみくちゃにします。」
316 : 貴様   2025/04/25 20:53:51 ID:52VuIaSPTI
🌸「ちょわわっ!?そ、それは破廉恥なのでは? いけませんよブルボンさん! 男女の付き合いは節度を持って健全にですよ!? そう、この学級委員長のように!」
🕷️「バクシンオーさんトレーナーさんと付き合ってたんだ……いいなあ」
🍚「うう、ライスのおじさまはイケメンナイスミドルだけど既婚者だよ……」
🕷️「おじさまって表現結構インモラルだよね。 私のトレーナーさんも既婚者で愛妻家だあ、たまに一緒に商店街でご飯ごちそうになるけど私のこと娘のようにしてくれるもん」
🌻「私やブルボンさんみたいに若くて可愛いトレーナーさんも捕まえておかないと皆から狙われちゃいますからね」
🤖「はい、そのためにマッサージするマスターの手にお尻の柔らかさを強引に刻める良い機会なのですが――このままでは筋肉で固くなったお尻で柔らかさがなくなってしまうのではないかと」
317 : お姉ちゃん   2025/04/25 21:03:04 ID:52VuIaSPTI
🕷️「でもさあ、実際ブルトレさんって無敗の2冠馬――しかも朝日杯も勝ってるこの世代最強のウマ娘のトレーナーでしょ? 担当になってくださいとか狙ってる新入生どころか今クラシック、シニアの子もいそうじゃない?」

🍚「うんうん、たまにトレセンは婚活会場って思ってる子もいるし、独身だと狙われちゃうよね。 マスターさん、小柄だけど結構可愛い顔立ちしてるし」

🌸「むふふ、私のトレーナーさんは私に3600Mを走らせてくれるまで専属だと約束してくださいました! いつか3600Mを走らせてくれるまでずっとキミ一本だと!――こっちは嘘じゃないですよね?」

🕷️「こわっ!?」

🌻「私のトレーナーさんはファンクラブがあるそうですよ、ほらサイトもあるんです。 」

🌸「にょわっ? 凄い会員数ですね――あれ、男女比おかしくないですかフラワーさん、フラトレさんって男性でしたよね? なんで男性ファン会員半分なんですか」

🌻「えへへ、トレーナーさんは可愛いので。 でも私のです♪」

🕷️「あー、うん。 フラトレさんはなんというか男の娘って感じだよね、ちゃんと成人してるのに。」

🌻「ブルボンさんのマスターさんは小柄で可愛いんですがちょっと勝ち気なタイプですよね。 男性ファンというより女性ファンが多そうです」

🤖「だめです。 危険です。 拒否します。 先に既成事実が必要です。」

🕷️「でもさ、実際話題の人ではあるんだし申し込みとかどうなの?」

🤖「うけないそうです。 マスターも私以外の時間が取れないと
 あと、学園にもっと坂路や運動学的トレーニング施設を取り入れたいので学園への企画立案や設計の案件でチームを作れる余裕がないそうです」
318 : モルモット君   2025/04/25 21:10:15 ID:52VuIaSPTI
🌻「でもブルボンさん……例えチームを作らない、専属と言われても安心してはいけませんよ、うふふ♪」
🤖「? と、いうのは」
🌻「私のトレーナーさんも私の成長や体質を加味して専属なんですが、最優秀西日本ジュニア辺りから――トレーナーさんに言い寄る方が多くて」
🤖「はい、しかし専属ですから問題はないのでは」
🌻「それがですね……やはり優秀なトレーナーと契約したいってウマ娘は多くて――中には色仕掛けでトレーナーさんを惑わす方も」
🤖「―――!?」
🌻「トレーナーさんも女性の押しには弱いので危うく――その時は私が"わからせ"て事なきを得ましたが、ブルボンさんもお気をつけて」
🤖「ガタガタガタガタ――嫌です、マスターが他の女性と……ウマ娘と」
🕷️「でもさー、その話だと――ライトハローさん大丈夫なの?」
🍚「あ、あのすっごいおっぱいおっきな人だよね、今グランドライブの企画やってる人。 たしかにおっぱい柔らかそうだし――いいなあ、ライスもこうぽよんぽよんに」
🌸「大丈夫ですライスさん! 慎ましい胸もそれはそれで人気があるもの! 巨乳も好き、でも慎ましいのも好き! 慎ましいのも巨乳も好き! これらが実は大多数です!」
319 : トレーナーさん   2025/04/25 21:23:11 ID:52VuIaSPTI
🕷️「あー商店街のおじさんたちもライトハローさんのおっぱいは気になってるみたいだよ、あれはG1級だとか凱旋門賞挑戦できるだとか」
🌻「実際おっぱいの大きな側のブルボンさんとしてはどうなんですか?」
🤖「正直あまり気にしたことはなかったのですが――マスターを男性としてみてから……誇らしくなりました。」
🍚「ほ、誇らしく!?」 🌸「ちょわっ!?」
🤖「マスターはお尻よりおっぱい派です。 そのマスターが時たま私の胸に視線を向けては慌てて私の顔の方に視線を戻します」
🕷️「あー、会話って基本相手の顔みて話すから相手の視線がどこいってるかってわかるんだよね」
🍚「ふええ、いいなあ、ライスもおじさまにチラチラ胸元に視線向けてほしいよ」
🌸「ライスさん、既婚者にそれはマズいですよ!」
320 : トレーナーさま   2025/04/25 21:29:37 ID:52VuIaSPTI
🤖「チョコレートメイドの勝負服には胸元に宝石のイミテーションがあるのですが、走ったりダンスではそこが大きく揺れます。 厳密に言えば上下に跳ねます。
うごくそこに、マスターの視線が行きます。
――その瞬間、私は勝利の気持ちを感じます」

🍚「うわあ、ブルボンさん大胆だよそんなブルンボインをマスターさんにアピールなんて夜の三冠はもうブルボンさんのモノだよ副賞はマスターさんの人生だね」
🌸「くっ、学級委員長としてそれは破廉恥と言いたいですが視線誘導につられたトレーナーさんの言い訳を聞きたい気持ちが勝りますっ!」
🌻「あは♪ マスターさんも可愛らしいとこあるんですね♪」

🕷️「でも――おっぱいの揺れとか大きさとかだとやっぱライトハローさんの方が強いんじゃないの?
しかも合法だし」

🤖🌻🌸「……」

321 : 貴方   2025/04/25 21:36:16 ID:52VuIaSPTI
🍚「そ、そんな――ターフで未勝利でもあの人とのメイクデビューは1番人気1着センターお先に失礼なんてそんなのずるいよライトハローさん」

🕷️「でもまあ……あのブルトレさんがブルボンさん以外にお熱になるとかちょっと想像できませんけどね」

🌻「確かに……でも色仕掛けとかアピールは大人の女性の方が緑スキルも金スキルも豊富です……ブルボンさん」

🤖「…………問題ありません。 後方から追い上げられても私は逃げ切ります。 お先に失礼なんてさせません私がマスターのトキメキハートを頂きます」

🌻「きゃーブルボンさん♪この夏合宿で思い出作りですね♪ 応援してます♪」
🍚「が、頑張ってねブルボンさん! ら、ライスもがんばる!」
🕷️「いやライトレさん既婚者でしょ」
🌸「いやー、恋のレースに忙しいですね、青春ですねハッハッハー」
322 : トレ公   2025/04/25 21:50:08 ID:52VuIaSPTI
『あほかああああああああっ!! この夏合宿は遊び回るためのもんじゃねえって言っただろうがっ!!!』

夏のビーチ、白い砂浜打ち寄せる波青い海
絶好のロケーションだが田舎の小さな浜辺は地元民以外はほぼ来ない穴場だ
そんな最高の海の砂浜で、トレーナーが合宿参加者にカミナリを落としてた。

「うわっ、こわ……」
「うーん、あそこまで全力で怒鳴れる指導者って最近減ったよねえ」
「昔は結構いましたけどね、今はああいうのに厳しいですから」

各トレーナーも集まっているが今回の主催――チーフトレーナーはブルトレ――マスターが行うことになった。
本人は柄ではないとベテランであるライスシャワーやマチカネタンホイザのトレーナーを推薦したがやはり実力的にもっともあるブルボンのトレーニングを軸にしたいというのが強いのだろう

『バクシンオーはスプリント路線――ニシノフラワーはティアラ路線変更なしか、エリザベス女王杯も2400Mだし、しっかりスタミナをつけて帰ってもらう。
ライスシャワー、マチカネタンホイザ、ミホノブルボンは菊花賞に向けてこの夏合宿で力をつけて帰ること、いいな』

🕷️「はいはいせんせー、質問」
 『先生は質問じゃありません、なんだタンホイザ』
🕷️「バクシンオーさんとニシノフラワーさんは別路線だからいいんですが、私達菊花賞で争うのに一緒に合宿っていいんですか?」
 『なんだ嫌かー? 作戦だとか妨害だとかお互いに腹の内探り合うドロドロした心理戦が好みかマチカネタンホイザ』
🕷️「ひいっ? いえちがいますそうじゃなくて――
 そうじゃないですけど、ブルボンさんとブルトレさんからしたら無敗の三冠馬を邪魔されるとか、そういうのないんですか?」
323 : キミ   2025/04/25 21:57:22 ID:52VuIaSPTI
🍚「あ、う、うん……合宿で、みんなが強くなったら――ブルボンさんたちからしたら敵に塩をおくることになるんじゃないかな……って」

『ああ、安心しろそこは各トレーナーで話し合った結果全力で鍛え合って全力で潰し合おうって話になってるぞうんうん、争え、お前らは争うのだ。』

🍚「ひあああああっ!??」

両手を上げ怪物のマネのような何かでライスシャワーをおどかすトレーナー

『まあ――気持ちは分からんでもないんだが、ブルボン陣営からしたら作戦なんかバレバレだ。 逃げてそれなりにハイペースでしっかり逃げ切る、追って来ようとスタミナもスピードも届かせない、潰れてもらいましょうってわけだ。』

「ライスシャワー陣営としては菊花賞の第一目標はミホノブルボンに勝つこと。 なので他のウマ娘どうこうではなくミホノブルボンをしっかりマークして追走になる。」

「タンホイザさんは、この二人みたいに先行力があるわけじゃあない。 そうしたらそもそもがマイペースに中団からか後方からだからね。 結局は互いの作戦を利用したあれこれなんかないよ」


『って事で、もう一個の強くなったら云々というのは――あれだ
実際お前らは学生で――一緒にクラスで生活して寮で生活しててさ――
まあ、URAというレース人生を選んだのは事実だけど、俺等もお前らに楽しくて良い学園生活を送ってほしいってのはあるんだ』
324 : トレぴっぴ   2025/04/25 22:06:51 ID:52VuIaSPTI
『勿論、ブルボン陣営としてはこれ以上ライスシャワーちゃんにもマチカネタンホイザちゃんにも強くなってほしくはないが――互いに切磋琢磨してさ、レースが終わったら握手できるような奴らみたいだし』

マスターはウマ娘たちを見渡して

『朝日杯、スプリングS、皐月賞ってずっと戦って、ライバルになって
――それでもライバルとして友情を深めてるなら、もう全員でめちゃくちゃ強くなって、この世代はシニアになっても最強の世代だって言われたいだろ』

🍚「は、はいっ! ブルボンさんとも、タンホイザさんとも……ずっと仲良しでいたいですっ!」

『よし、よく言ったライスシャワー! 引っ込み思案だけど大事なとこはちゃんと言えるのは偉いぞ!
なので、お前らには友情も、レースも全力で頑張ってもらう。 この合宿は遊び回るためのものではない!
だが――遊んではいけないとは言っていない!』

🌸「おおおおっ、もしかして」
🌻「いいんですか」

『春の激戦の疲労を抜きつつ秋を迎えその間も各自鍛えるのがこの合宿の目的だ、そこには遊ぶことも――ふんだんに取り入れてよい!
今まで遊んで居なかった分、今日は海で徹底して遊んでこい!』

🕷️「おおおっ、いいですね話がわかりますね」
🌻「きゃーっ♪ いきましょう海です」
🍚「うわあ、うわあ、海だよ、遊んで良いんだって」
🌸「ここは私が水上走りの挑戦を」
🤖「……行ってきます、マスター」

『おう日焼けにはきをつけてこいよー』
「私達はここでのんびりしてるよ」
「僕達もバーベキューの準備しないと」
「ここは穴場だけど、モロコシもフランクもかき氷もないからねえ」
『あ、俺買い出し行ってきますよ。』
325 : 使い魔   2025/04/25 22:08:31 ID:52VuIaSPTI
おやすみなさい
326 : トレーナー   2025/04/25 22:53:44 ID:cSkRYxl/1I
良い青春だ
327 : ダンナ   2025/04/26 13:01:32 ID:hND/bexCRE
🌻 「トレーナーさんっ♪ 日焼けはトレーニングの大敵ですね? 肌がヒリヒリして集中できないとかだめだめですよね? ですからオイルを塗ってほしいんです❤️」
 「え、あ、あっあっあっ」
🌻 「大丈夫です、担当のケアですから――合法ですよ❤️」

🍚「お、お、おじさまっ!! ライスと、ライスと一緒にとうもろこし食べてくだちゃいっ!ふえ、噛んだぁ……」
 「あっはっは、フランクフルトも焼きおにぎりもあるよ。」

🌸「トレーナーさんっ! 3600Mは走れませんが海上は走れましたよ!
  いつか本当に3600M、走らせてくださいね❤️」
 「かひゅーっ、かふ、かふっ」

🕷️「いやあ楽しいですねえ、あ、トレーナーさんほっぺたにソースついてます」
 「ん?ありがとうタンホイザ。 タンホイザは気が利くねえ、将来の旦那さんは幸せそうだ」
328 : 相棒   2025/04/26 13:07:51 ID:hND/bexCRE
 『んー』
🤖「波打ち際をずっと観察してます。 マスター、どうしましたか?」
 『いやさ、俺義足なかったら泳げるじゃん? こっから腹ばいで海に突っ込んで、腹ばいで上がれば泳げるかなと思ったんだけどさ』
🤖「はい、私がサポートします」
 『さっき、ちょっとパラソルから腹ばいでこようと思ったんですよ、そしたらほら――砂があつすぎて真っ赤になっちまった』

シャツをめくって真っ赤になった腹を見せる。

🤖「――オーバーヒート、オーバーヒート。 うっすら薄い腹筋、マスターの健康的なお腹。ご職業はモデルですか?」
 『いやトレーナーですよ? 君の』
🤖「いけません叡智すぎますマスター。 まさか夏の海で特殊ステータス:たくしあげ などと」
 『いやたくしあげじゃないよ?違うよ?』
🤖「せっかくですからマスター、シャツの裾を口で咥えてちょっと恥ずかしそうな表情で見せて頂けますか?」
 『お前そういうのって男が女に萌える話じゃないの!?』
329 : アナタ   2025/04/26 13:20:07 ID:hND/bexCRE
🕷️「いっやー、今までずっとトレーニングとレースでしたけどクラシックの夏にはこんなご褒美イベントがあるなんて!最高ですね!」
🌸「夏! 海! 開!放!感!!!」
🍚「お、おじさまとひと夏の間違い探しイベントおこらない、かなあ?」
🌻「うふふ♪ライスさん間違いは待つものじゃなく起こすものですよ♪」
🤖「………」
🌻「どうしましたかブルボンさん」
🤖「夏は……」
🌸「夏は?」
🤖「夏は最高です。マスターのあんな無防備な姿が見放題サブスク無料とは」
🍚「わかります! おじさまも結構お年なのに腹筋とか結構出来上がってて!」
🌸「開放的なのは女性に限らない!ヒトミミ男性こそ気をつけるべきですね!」
🌻「トレーナーさんたちってとっても無防備ですよね―――
  まるで襲うのは男性で襲われるのが女性と思ってるみたいです♪ ウマミミにかてるわけないのに♪」


『ねえええええ、目の前にトレーナーいるのにそういう話やめようよ君たちさあああ』
「うーん、まあ言っても止まらないよねえ」
「あっはっは、いいじゃないかいいじゃないか、合宿中は多少無礼講で」
「ふ、フラワーそういうはしたないこといっちゃだめだよフラワー」
「ウマミミってこわいなあこわいなあ」
330 : 大将   2025/04/26 13:29:09 ID:hND/bexCRE
トレーナーサイド

『しっかし海で泳いで帰ってきてバーベキュー食い漁って更にビーチバレーとビーチフラッグスかよ、あいつら電池切れまで動き回る幼稚園児かなにかか、疲れはないのか疲れは』
🌻「でも、普段は全然遊び歩いたりしないんだよねフラワーって。あんなに全力ではしゃいでるフラワーは初めて見るし合宿できてよかったなって思うよ」
🌸「あはは、うちの子はなんというかいつもバクシンしてるからいつもあんな感じですね。 でも、開放的な姿はやっぱ可愛いなーとか思ったり」
『マチタントレさんとライストレさんって奥さんいますよね? 実際担当からアプローチとかアタックされないんスか?』
🍚「されてるね、うんうん。 でもライスはいい子だし奥手だからね。 フラワートレさんとこやブルトレさんとこみたいにグイグイはこないからかわせるね」
🕷️「うちの子はどうなんだろうねえ、あの子はいつもマイペースで動じないとこあってねえ、でも世話好きというか甲斐甲斐しいとこはとてもいい子だよ。」
『俺がいうこっちゃないですが――ニシトレ先輩のとこは……こう、フラワーって結構サドなとこないですか?』
🌻「う、う、うーん……でもさ、アスリートって本質マゾじゃない?」
331 : ダンナ   2025/04/26 13:35:34 ID:hND/bexCRE
🕷️「ああ、それはなんとなくわかるな。本質でしょ?」
『わからん、どゆことですか?』
🌻「アスリートってすごいストイックにトレーニングするでしょ? 要は自分自身をいっぱい痛めつけるわけじゃないですか? レースだってあの距離をずっと全力疾走とか実際つらいですよ」
『あー、そういう?』
🌻「そうそう、自分を痛めつけるのが好きなマゾじゃないとあんな事絶対続かないと思うんですよね。ウマ娘の本質はマゾですよマゾ」
🌸「プゲラッ」
🍚「いやあ斬新な着眼点だねえ、確かに辛いトレーニングもレースもそこに満足感ないと続かないもんねえ」
🕷️「いや、でもねでもね。マゾとサドって両方あるのが多いっていうじゃない?」
🌸「マチタントレ先輩食いつきますね」
🕷️「そりゃあ妻とこんな話出来ないじゃないか!」
🍚「うんうんうんうんわかるわかるわかる、こういう話はやっぱトレーナー同士だよねえ」
🕷️「でさ――そういう本質がマゾ?な場合でもサドとか支配欲みたいなのがあってさ――性癖としてはサド側ってあり得ると思うんですよ」
『いっやー、でもそうだとしたら世の中もっとウマミミが男にあれこれしてて大問題になってません?』
332 : お兄さま   2025/04/26 13:44:39 ID:hND/bexCRE
🌸「いやあ、でも俺さっきのウマミミは本質的にマゾって意見は好きだなあ」
『根拠は結構しっかりしてますよね、確かにマゾじゃないと続かないってのはわかる。そこを否定できる要素もってねえわ』
🍚「あっはっは、でもフラトレくんの場合結構願望もはいってるでしょ? フラワーちゃんにしてやられてる感じだし」
🕷️「ねえねえ実際どこまで転げ落ちたの? おじさんたちにちょっとおしえてごらん?」
🌻「やめてくださいよお、フラワーと僕はそんな関係じゃ」
🌸「でもさあ、ミホノブルボンなんかは大目標どころか最終目標が三冠――菊花賞でしょ? その後どうするとか話したの?」
『いや、それはしてないですねえ……菊花賞終わったら本人の意思を尊重しつつ、長期休養で良いと思ってるんですよね』
🕷️「ええ、菊花賞からジャパンカップ、有馬じゃないの?」
🌸「トゥインクルなんかでは、もう今年のジャパンカップの日本総大将、ミホノブルボンって記事もあったぞ?」
🍚「あったあった、菊花賞がどうあれジャパンカップの東京2400はもうダービーで実力証明してるからね。あの逃げ足なら海外勢に勝てるって記事でしょ?」
『あー、うーん、本人が望めば許しますけどトレーナーとしては今年いっぱいはレースには出さないっすね。 だってずっとずっと坂路4本ですよ?』
🌻「うん、でもこうして見てると疲労が溜まってる感じゼロだよね、見てるだけで強さがわかるよ。 それだけスパルタトレーニングをしてると疲労が動きに出るし、そもそもご飯なんかたべれなくなるもの」
333 : 貴様   2025/04/26 13:52:12 ID:hND/bexCRE
🕷️「すごいよねブルボンちゃん。 さっきも一番食事量とってたでしょ」
🌸「結構大人しいと言うか穏やかな感じなのに食事の時だけなんか圧あったね」
『あいつメシのときだけはそこそこ凶暴なんで注意してくださいね……いやほんとあいつの食事量と内容は把握してますけど、食う量がどんどんどんどん増えてるんですよね』
🍚「うっへえ、ソレ全部トレーニングで昇華してその分また食べるの? いいよねえ、このトシになるとカツ丼1杯すらきついときあるよ」
🕷️「ああ、ちょっとわかります。 お前らもこうなるんだぞこうなるんだぞ覚悟しとけ」
🌻「それだけ食べてそれだけ動いてるならそりゃあ強くなるよね……真似しようと思っても真似できるものじゃないもんなあ」
『いやマジでそうっすね……食が細くなってトレーニングできなくなると思ってたんですがマジでそれが一回もなくて、まあありがたい事です。』

『でもまあ、骨や靭帯はちがうんじゃないかなと。 こっちが金属疲労みたいにいつか来ても全然おかしくないんで――菊花賞終わったら春まで長期休養っす。
その間、アイツがやってなかった遊びだとか寄り道だとか食べ歩きだとか――やりたいこと全部させてやりたいなって』
334 : ダンナ   2025/04/26 14:17:59 ID:hND/bexCRE
「んんんんんんっ偉いですトレーナーさんっ!」

『お!?』

面積広め、エメラルドグリーンのビキニ、腰に白いパレオ
なによりそのビキニに収まる特大メロン
ムッチムチだが贅肉で垂れてるわけではない身体を揺らして、ライトハローがニコニコと立っている。
右手には大きなビニール袋、もちろん中身はビール、ストゼロ、ワンカップ、四角ハイボールなどなど酒ばかりだ

🕷️「おやおやライトハローさん、はやいですね」
🌸「……うお、でっか…………」
🍶「あははー☆ トレーナーの皆さんとお酒がのめるって聞いて早くきちゃいました☆ 夏の海――BBQを流し込む栄養ドリンク、お持ちしました!」
🍚「おお、じゃあアイスボックスこっちなんで。 モロコシとフランクどっちがいいですか?」
🍶「モロコシでお願いしますっ☆ じゃあ皆さんかんぱーい☆」
『はやっ? もうはじめる気でいる!』
🍶「大丈夫です☆ この距離なら設営も全部民家に運べます、皆さんも今日はハメをはずして飲んじゃいましょう!」
🕷️「ああ良いですねえ、ちょっとハイボール頂けますか」
335 : 相棒   2025/04/26 14:36:26 ID:hND/bexCRE
『酒はまあいいスけど、ちゃんとここでの事トゥインクルにもっていくのとライブのプレゼン用の資料おねがいしますよ、ライトハローさん』
🌸「え、あのメロ――いやライトハローさん来るのって決まってたん」
『ええまあ、流石にライトハローさんでもこんなとこまで酒呑みにこないッスよ』
🍚「彼女は今年の三冠のセレモニーライブ――三冠グランドライブだっけ? の企画をURAに通そうとしててねえ、要はミホノブルボンが三冠を獲ったらセレモニーを東京レース場でやるんだとさ」
🌸「え、東京レース場をまるままライブ会場にするって事!?」
🕷️「すっごい企画だよねえ、今後そういう一生に残る体験をウマ娘にも、それを見る観客にもさせたいから、なんとかして東京レース場を使えないかって今何度も交渉してるんだって」
🌻「すっご、じゃあ今後三冠とかトリプルティアラとか――それこそグランドスラムとかでそういうセレモニーライブが?」
🍚「そうそう、それのために第一回になんとかこぎつけたい、って事でね」
🕷️「でも、三冠ウマ娘のライブはいいが、そこに参加するほかのウマ娘の協力がないと成り立たない。 そこで、現状ミホノブルボンのライバルのタンホイザやライスシャワーの合同合宿でのシーンを切り取って、URAに打診するんだってさ」
🌸「凄いことやろうとしてんですねえ、すっげーなー」
『………まあ、その当人はもう酒でふらっふらなんだけどホント大丈夫だろうな』
336 : キミ   2025/04/26 14:38:17 ID:hND/bexCRE
🍶「あはははは☆ だめですよ皆さんもっと呑みましょう呑みましょう、今日は難しいこと考えず呑みましょう、ほら🌸トレさんお注ぎしますよ」
🌸「うおでっかやわらかそっ…あ、どもども」
🕷️「いやあ、こんな美人さんにお酌してもらえると酒が美味しいですねえ」
🍚「いやいや全くですね。」
🍶「フラトレさん、すっごい可愛らしいですけどちゃんと成年ですよね? じゃあちょっとかっこいいとこみせてください☆ フラトレさんのかっこいいとこちょっと見てみたい☆」

わはは、あはは、それもういっぱい、もういっぱい
いやーん☆ お酒水着にかかっちゃいましたー☆
まあまあ、新しいの注ぎますからおっとっと

🤖🌸🌻🕷️🍚

『―――はっ!?』

🤖🌸🌻🕷️🍚「楽しそうですねみなさん☆」
337 : お姉さま   2025/04/26 14:42:57 ID:hND/bexCRE
ざぱーん、ざぱーん
ココは当然海岸である。
黙々とウマ娘たちは穴を掘り――縦に深い穴を掘る.
トレーナーたちはそこにまっすぐ縦に埋まり、頭だけだした状況で砂を詰められうめられる。

🤖「……マスター、問題です」
『……はい』
🤖「今この海岸は干潮から満潮になっていきます」
🌻「5時間後にはここの水位って3Mぐらいあがるらしいです♪」
『………はい』
🤖「今――私達が民家に帰宅したら―――マスター達はどうなりますか?」
『―――ひぃっ!?』
🤖「その謎を解明するため我々は民家の奥地へ向かい3時間後ぐらいに様子を見に来ます。」
『やめてやめて頭ぐらいすぐ埋まるじゃんやめてやめて』
338 : トレ公   2025/04/26 14:43:54 ID:hND/bexCRE
合宿到着日おしまい
339 : アネゴ   2025/04/26 16:21:32 ID:hND/bexCRE
🌸「トレーナーさん? おっぱいの大きな女性と飲むお酒、おいしかったですよね? デカパイ感謝ですねトレーナーさん?」
🌻「わあ、やっぱりトレーナーさんも男の子なんですね♪ でもおっぱいに惑わされたらだめですよ♪」
🍚「お、おじさまもやっぱり、おっぱいの大きな人がすきなの? ら、ライスもっと大きくなるから! 晩成だから!」
🕷️「ねえねえトレーナーさん、やっぱライトハローさんみたいな女性って男性からしたらたまんないものなの?」
🤖「マスター…………」

『俺等はライトハローさん"も"込みで酒飲んだだけじゃん、いいじゃん別にー』
「ちがうんだバクシンオー、俺が一番女の子として可愛いのは勿論バクシンオーだ! でもそれはそれとしてお酒の場で揺れるメロンは、こう、ね?」
「ご、ごめんよフラワーほんとごめん、ごめん」
「いやあ、我々妻帯者だしねえ、でも若い女性にお酌とか楽しいよねえ」
「うんうん、しかも海で全員水着だとこぼれても全然いいから騒げていいよねえ」

🤖「バツとして――私達のお願いを聞いてもらいます」
 『だからバツってなんだよお、俺達悪いことしてねえよお』


――それぞれ、担当が指定する服装をして頂く事になった
340 : あなた   2025/04/26 16:28:46 ID:hND/bexCRE
🌸「はいはいはい、一番バクトレ行きまーす! トレセン学園指定競泳水着でっす!!」

えぐいもん見せるなー、ひっこめー、でもバクシンオーは満足そうだぞバクトレー

🍚「ふふーん、なんかこういうのは照れるねえ」
🕷️「でも、まだまだ若い子には負けてられないですから、ねえ」

ライス&マチタントレ:ビキニパンツでオイルテカテカの筋肉美を二人で披露

『うわ、あの二人ムッキムキやん……やば』
🌸「元々めちゃ武闘派、体育会系だったらしいよーふたりとも」

🌻「いやこれまってよお、待って待ってフラワーこれは勘弁してよお」

フラトレ:女装。ピンクのワンピース、リボン

『……うわ、美少年ってこんな身近にいるんだな』
🌸「ファンクラブ男女比率がおかしいトレーナー一番人気だもんなあ」
🕷️「いやあ、トレーナーからも人気あるのもなんとなくわかるわかる」
🍚「うーん、フラトレくーんこっち目線くださーい(パシャパシャ)」
🌻「やめてくださいよお!」


『………………』

ブルトレ
ミホノブルボン(通常)勝負服

ぎゃははははは
尻が担当に負けてるぞブルトレ!
きゃーかわいいこっち目線くださーい♪
341 : アンタ   2025/04/26 16:33:43 ID:hND/bexCRE
🍚「すごい、すごいよおじさま! こんなのライスは大盛り5杯はおかわりできちゃうよ! すいませんがご職業はビルダーかモデルさんで?」
🕷️「いやあ、良いものみれましたねえ、はいトレーナーさん、お酒お注ぎしますね」
🌻「うふふ♪ 可愛いですよトレーナーさん――いえトレーナーちゃん♪」
🌸「いやあ、盛り上がりました。 今日は私がお酌をしてあげましょう!」
🤖「マスター、後でチョコレートメイドの方もお願いします。 あと部屋で特殊イベント:たくしあげをお願いしますマスター」
342 : アネゴ   2025/04/26 16:33:55 ID:hND/bexCRE
おしまい、以後明日以降
343 : 貴方   2025/04/27 10:44:44 ID:GZdQk8zpz.
『俺、真面目にわかんない事あって』
🕷️「うんうん何かな、人生の先輩が教えてあげるよ」
『俺等男って、顔を除くとおっぱいとかフトモモとか腰とか尻とかをアピールポイントとして見ちゃうじゃないですか?』
🌸「そだねえ、てかライトハローさんはすごかったなあ」
🍚「すごかったねえ、あれはG1級ってのは納得だねえ」
『女って、どういうとこ見てるんスかね、よく筋肉美だとか筋肉が多い相撲取りが人気とか言いますよね』
🌻「お相撲さんはデブって認識しない女性もいるらしいからね。 確かにちょっと不思議かも」
🕷️「まあ男性が想像する美少年と女性が好きな美少年は結構ちがうっていうよねえ、我々のようなおじさんの筋肉でも結構好評だったしねえ」
🍚「んふふ、まだまだ若い子には負けられませんからねえ嬉しいねえ」
『ソコなんスよね、筋肉とかが人気あるのはわかるんだけど――ほかはどんなとこ見てるのかなーって』
🌸「メロンちゃんと違って俺等の特大ハロン棒がみえてるわけじゃないからな
あ。」
🕷️「あーそれ間違った男の認識だよ。 大きければいいとかってあんましないみたい」
🌸「え、マジすか?」
🕷️「うんうん、逆に大きいと――特に太さらしいけどさ、それだと女の子からしたら痛いだけで大変なんだってさ」
🍚「男には絶対わかんないよね、身体の相性ってさ。 私もわかんないものん」
344 : トレピッピ   2025/04/27 11:36:18 ID:GZdQk8zpz.
🕷️「あーわかる、 妻は相性とっても良いって言ってくれるけどさ、正直男にはわからないからそれが本当なのか気を使ってるのかわからないんだよねえ」
🍚「男って大きければ大きいほど気持ちいいものなんだって思っちゃうよね。漫画とか動画とかさ」
『うわー滅茶苦茶意外』
🌸「心がDTじゃないとトレーナーなれないからそんな事は知るはずもなく」
🌻「そんなことはないんじゃないかな」

🕷️「まあ、よくいうのは鎖骨とか肩のラインとか全体的なシルエットらしいね」
🍚「だぼっとしたシャツとかスウェットよりスーツとかタキシードが女の子に人気な理由も、男性の体型が見えやすいからじゃないかな」
🌸「よくいう、逆三角形? 肩が広いと人気みたいな」
🕷️「それそれ! マッチョも行き過ぎると駄目って子も多いよね、それでも肩幅あって腰が細いのは王道みたいだよね」
🍚「あと腹筋だよね。 バキバキシックスパックみたいなのが苦手な子でもうっすら縦線入ってるほうがいいって妻が言ってた」

『んー』
🌸「どしたのブルトレさん、シャツまくって腹撫ちゃって」
🌻「マスターさんは結構鍛えられてる感じですよね。 筋肉質じゃないけど締まった無駄のない身体って感じで」
『あー俺、昔陸上やってたんで』
345 : あなた   2025/04/27 11:59:23 ID:GZdQk8zpz.
🕷️「10年ぐらい前だっけ? 当時直接見たことはないけどビーチフラッグスの大会ででウマミミに勝って優勝したヒトミミがいたって話題になったよね」
🌸「うぇあ!?マジ? それブルトレさんなの?」
 『ええ、まあ。超短距離だとヒトミミにもチャンスあるんスよね』
🕷️「勿体ないよねえ、そんなヒトミミのスターだったんなら色々言われたんじゃないの?」
🌻「……」
『……母も父も陸上関係の人でね、すっごい転落人生でしたよ――こう、上から下へ、すとーんって。 キツいもんですよ、自分を見る目がまったく変わるんです。 どうでもいい他人どころか、自分らに恥をかかせた敵をを見るような目に
まあ、世の中の親が全員そうじゃないのはわかるんスけど――やっぱ自分の価値や居場所をなくすような故障は、しちゃだめだなって』
🕷️「ミホノブルボンくんかあ、ほんとよく頑張ったよねえ」
 『ええ、あいつは本当に故障もせず頑張ってくれました。 あんなに頑張ったやつはホントいないですよね』

🕷️「いやいやそうじゃなくて――君が本当によく頑張ったんだよ」
346 : トレーナー君   2025/04/27 12:19:21 ID:GZdQk8zpz.
🕷️「私もヒトミミの陸上上がりでトレーナーになったからあの時期に結構盛り上がったのは知ってるよ。
 ヒトミミの男女日本記録保持者同士の結婚で妊娠前から子供に注目がされるような話だったんだ。」
🌸「そんなに凄かったんですか? ブルトレさんのご両親って」
🕷️「すごいなんてもんじゃあない、ヒトミミじゃ世界陸上のファイナリスト同士の結婚だったんだ。
 URAやウマミミの競技の影響でヒトミミの陸上って全然注目されないけど、関係者からしたら夢のカップルだった。 実際その子供は正式な陸上じゃなかったとはいえ、ウマミミもいた競技で優勝だよ? ヒトミミの関係者の興奮と期待はすごかったよ」
🕷️「――そんな君がだ、陸上でもずっと努力してきただろうにそれを断たれてもトレーナーになれるって凄い事だよ。
そりゃ今まで実績がなかったけど理論を重ねてベテラン以上の運動学理論をもってる。 実際坂路トレーニングの効果はブルボンの登場以来多くのウマ娘が証明してる。 実際うちも坂路頑張ってもらってるよ。
胸を張って良い――君は、本当にずっと、ずっと頑張ってる」

『………うす、あざます』
347 : アナタ   2025/04/27 12:30:23 ID:GZdQk8zpz.
🍚「あっはっは、照れるもんだよねこういうの。 でもマチタントレって実は結構熱血なんだよ。 タンホイザにはあんまし見せないけどね」
🕷️「あの子は熱血、努力、勝利!みたいなのじゃなくてマイペースに普通にって言いながら凄いことしちゃう子だからね。 私が興奮してあれこれ言うことじゃないよ。 あの子の"普通"は絶対普通じゃないからね。」

🍚「…ライスシャワーは、ようやく次の菊花賞は滑り込みじゃない。 最近は調子もいいからね、春に我慢して本当によかった。 ダービーであの子が2着になったとき、年甲斐もなく泣いちゃったからね
――次は、3000Mだ。 確実にライスの適性は高いよ。 勝たせて貰う」

『……ずいぶん熱血じゃないスか、"おじさま"』

🍚「ライスが慕ってくれてる分、最後の冠ぐらいはあげないとね…素敵なおじさまにはなれないだろ?」
🕷️「おおう、怖い怖い。 まあうちも2400Mよりは3000Mの方が良いかな。 ダービーより確実に強くなってるし――別に菊花賞は君たちのマッチレースじゃないよ。」

🌸「うおぅ、結構バッチバチだあ」
🌻「でも――エリ女が終わったらその先は、フラワーはバクシンオーさんと競うんですよね」
🌸「あ、やっぱ中距離はキツいですかニシノフラワー」
🌻「でも勝てないならエリ女だって出さないよ。そのために合宿してるんだしね。 ただ今年はどうしても――クラシックのほうが注目されるよね」
348 : お兄さま   2025/04/27 12:43:39 ID:GZdQk8zpz.
『実際、他のライバルってどうですかね。
 俺実はナリタタイセーとノーザンコンタクトは合宿呼ぼうと思ってたんスよ』

🕷️「ああ……ダービーは惨敗だったけど皐月賞2着 NHKマイル1着だもんな。 菊花賞回避?」
🍚「明らかに2400以降は脚が悪いってさ、回避回避。 それにしてもノーザンコンタクト? スプリングSでもあまりパっとしなかったじゃない」
 『あの子は明らかに2000M以上向きでしょ。 スプリングは明らか運が悪くて埋もれたし、その後マイル転向で揉めたらしくて――トレーナー契約解除してレースでてないらしいッス』
🌸「……お、俺の短距離転向は、バクシンオーの短距離転向は間違ってないよね? よね?」
🌻「いやあ、スプリングSでの負け方が違うから……バクシンオーは短距離向いてますよ」
🕷️「今年はクラシック回避の傾向強いんだよね。 夏の上がりウマ娘も中距離やマイル、あるいはG2開催に焦点あててる。 ちょっと傲慢だけどヤマニンキセキやノーザンコンタクトがこないならそれこそライスシャワーとうちのタンホイザとかしかミホノブルボンを止められないんじゃないのかな」

🍚「――一人いるよ、結構強そうなの」

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