フラワーとスカイのデートを安価で楽しいものにしよう【SS】
1 : あなた   2024/10/31 20:54:06 ID:MHjGV31eCE
4月の、とある晴れた日の、休日。
トレセン学園の正門前に、ウマ娘が一人立っています。

「……早く来すぎちゃいましたかね?」

そう呟く小柄で栗毛なウマ娘の少女は、ピンク色の薄手の上着とドロワーズという、上品さを思わせる格好をしています。可愛らしいデザインの手提げカバンも持っていて、今から何処かへお出かけをするようです。

「あっ……!」

数分後。視界に映った人物を見て、少女はぱぁっと目を輝かせます。

この少女とは違い、相手のウマ娘は銀髪に近い芦毛。そして白を基調としたパーカーを着て、ボーイッシュな雰囲気です。

「おまたせ、フラワー」
「いえ、わたしもさっき来たところですから!スカイさん!」
「じゃあ行こっか、デート」

ニシノフラワーとセイウンスカイ。今日は、一緒にお出かけをします。
ところで、どうしてこうなったかと言うと……。

>>2
2 : あなた   2024/10/31 20:59:00 ID:lkIIFY7w3k
話は1週間ほど遡る

フラワー「あ、あの・・・スカイさん。」
スカイ「どうしたの?」
フラワー「今度の週末・・・スカイさんのスケジュール空いてますか?」
スカイ「今度の週末? うん、空いてるよ。」
フラワー「も、もしよろしければ・・・一緒にお出かけしませんか💦」
スカイ「良いよ!ちょうど何してヒマ潰そうか考えてたところだったんだ。」
3 : 相棒   2024/10/31 21:27:51 ID:MHjGV31eCE
話は1週間ほど前に遡ります。

「お疲れー……ふう、今日も自分のペースで頑張ったっと」

トレーニング上がりのセイウンスカイ。彼女は頑張る部分と力を抜く部分のオンオフがはっきりしており、ここでもそういう方向性で動きがちです。しかし今回は、それなりに息が上がっており、”頑張った”ようです。

「あの……スカイさん!」
「んー?フラワーじゃん。……どしたの?」

そこに、同じくトレーニング上がりのニシノフラワーが話しかけてきました。
いつもより改まった感じで話しかけてくるフラワーに、スカイは普段のちゃらけた態度を引っ込めます。

「今度の週末なんですけど……ご予定、空いてますか?」
「そういう話かー。えっとね、大丈夫。土日空いてるよ。どして?」
「その……いっしょに、お出かけしたいです!」

(おで……かけ!?)

フラワーからの申し出を聞いて、セイウンスカイに電流が走ります。
自分がフラワーと?とか思っています。
ニシノフラワーといえば彼女のそばには大体の場合、トレーナーがいることが多いのです。

買い物をしている姿も時々見かけます。
そのポジションが、自分に……セイウンスカイはドキドキしていました。
そもそもがお互い、運命的な何かを感じているのがこの二人。
特にスカイの方は、傾向が強いようです。
「……いいよ!ちょうどその日はめっちゃ暇でさ」

二つ返事で了承してしまったセイウンスカイは、その後はスケジュール調整に追われることになったりして……今に至るのです。
4 : 貴方   2024/11/01 04:23:19 ID:5dK2UwX6Qw
「それじゃ、何する?とりあえず街まで来たけど」

バスに乗って、ビル街までやってきたセイウンスカイとニシノフラワー。
今回のお出かけは、特にプランを決めていなかったものであり、バスに乗るのもその場の思い付きからでした。

「ショッピングにゲームセンター……都会は色々あって迷っちゃいますね」

ニシノフラワーは中等部とはいえ、実年齢はまだ小学生。
心の制御は中高生よりも難しいというか、周りのものすべてが輝いて見える年頃です。
それでも、フラワーは頑張って答えを出しました。
「じゃあ……>>5に行ってみたいです!」
「わかった。人がたくさんだから、しっかり手を繋いで……離さないでね」
「はい!」

手を繋いで、バス停から歩き出した二人。
最初の目的地は……。
5 : トレーナー   2024/11/01 06:23:00 ID:7Kqkw9hHB2
お城みたいなホテル
6 : キミ   2024/11/01 06:30:49 ID:5dK2UwX6Qw
(……ていうか、あそこに行くの!?)
フラワーと手を繋いで歩きながら、セイウンスカイは心の中で焦ります。
少し離れたところに見える……城です。今の目的地は。

正確には、お城みたいなホテルです。最近出来たものであり、新たな映えスポットとしても注目が集まっているとか。

(流石の私もあんな豪華なホテルは……初めてだ)
海外レースに出た時の宿泊先も、城に泊まるなんて事はありませんでした。
ここは日本なんだよな……と、改めて思うセイウンスカイ。

「あれ?どうかしました?」
「う、ううん。なんでもないよ。ところでフラワー。どうしてあのお城に行ってみたいの?」
「それはですね……」

>>7
7 : お兄ちゃん   2024/11/01 06:31:35 ID:CNQM4PiqQY
「スカイさんとだから…ですよ♥️」
8 : 大将   2024/11/01 06:50:56 ID:5dK2UwX6Qw
「スカイさんとだから、です」
「えっ?」

フラワーの言葉に、一瞬ドキッとしてしまうセイウンスカイ。
しかし、その真意はすぐに明らかになるのでした。

お城のようなホテルに着きました。
海外映画に出てくるような、茶色の混ざる大理石調のお城です。いえ、ホテルです。

「こっちです!スカイさん!」
着くなり、スプリンターウマ娘の瞬発力で結構離れたところに走っていくニシノフラワー。

「ちょっ、フラワー!待って……ん?」
先に行ったフラワーを追いかけた先で、セイウンスカイは気づきました。
正門から入ってすぐ、右の方に併設された、何やら賑やかそうな空間に。

(……なるほどね)
フラワーはこれを楽しみにやってきたのだと、スカイは納得します。

「ホテル開業記念!中庭迷路イベントに参加される方は、こちらからエントリーをお願いしまーす!」

係の人がビラを配りながら声を上げていました。
どうやら、体験型イベントが開催される模様です。

「さっき、バスの中でポスターを見つけて……オバケも出てくるらしいので、一人じゃ怖いけど、スカイさんと一緒ならって思ったんです」

「そっか。じゃあ、一緒に遊んでみようか」

「ありがとうございますっ!」

セイウンスカイは、理由は何であれフラワーが自身を頼ってくれたことが、とても嬉しく感じられました。

そして二人は中庭迷路を楽しみました。時には悲鳴を上げながら……。


「いやー、楽しかったねぇ」
「はい!……あ、そろそろお腹が空きました」
「お昼の時間だもんね」

ビル街に戻ってきた二人。時間はそろそろ12時を回ります。

「食べたいものある?」
「えっと……スカイさんは?」
「ん、私?そうだなぁ……>>9とか」
9 : マスター   2024/11/01 08:22:34 ID:BJmLeNahWQ
ザギンでシースー
10 : 貴様   2024/11/01 08:50:08 ID:5dK2UwX6Qw
二人が昼食に選んだのは、なんと寿司屋でした。
ただの寿司屋ではありません。銀座の寿司屋です。

休日の昼間から、女子学生二人が銀座の寿司屋……少し贅沢すぎると思うでしょう。
トレーナー同伴ならまだしも、子供二人だけです。


「わぁー!この回転寿司、ゲートで運ばれてきますよー!」
「出走するのはウマ娘じゃなく魚か……」

ご安心ください。二人がやってきた寿司屋は、ファミリー向けの回転寿司屋さんでした。
注文したネタはゲートに載せられ、取り出す際にガチャンと開くという面白い仕組みを採用していて、プチ贅沢かつ栄養豊富な魚を食べたいアスリートウマ娘たちにも好評のお店です。

(いやぁ危ない危ない。ノリで寿司なんて言っちゃったけど、いい感じに安い所があってよかったよ)

言い出したのは自分ですが、この都会で寿司を食べようと思えば値段がヤバいことに気づいたセイウンスカイは、リーズナブルな価格提供に安堵します。

「さてさて、セイちゃん何を食べましょうかね」
備え付けのタブレットで注文内容を考えるスカイ。
価格の割に豊富なメニューで、目移りしてしまいそうです。

「むむ、これは……」

期間限定メニューの中に、目を引く物を発見したスカイは、早速注文してみました。

頼んだメニュー>>11
11 : トレ公   2024/11/01 08:57:04 ID:/Rt.pMJXXI
女体盛り
12 : アネゴ   2024/11/01 08:59:42 ID:5dK2UwX6Qw
>>11
あのね。流石にね。やめてね。

再安価>>13
13 : アナタ   2024/11/01 09:08:06 ID:DHL6uK46kA
サツマイモの天ぷら(寿司)
14 : 大将   2024/11/01 09:43:31 ID:I/tW.1Re.I
「・・・さ、サツマイモの天ぷら・・・だと?」

寿司屋の大将はかなり驚いた顔をした。

「す、スカイさん、さ、さすがにサツマイモの天ぷらのお寿司は失礼なんじゃ・・・!?」

ニシノフラワーも少しひいている。

しかし、大将は・・・。

「驚いたよ、裏メニューを当ててくるなんて・・・。
俺は天ぷらを乗せた寿司が好きでね、ただこんな高級なところでは出しにくくてね・・・裏メニューとして出しているんだ。
あいよ、さつまいもの天ぷらだよ。」

出てきたお寿司は食べやすい大きさに切られたさつまいもとタレがかかっていた。

2人はお寿司を食べる。

「「お、美味しい!!」」

「それはよかったよ。」

次に頼んだメニューは?>>15
15 : トレピッピ   2024/11/01 09:47:01 ID:D0ZkayGBvo
ステーキ2kg
16 : トレーナー   2024/11/01 09:58:51 ID:5dK2UwX6Qw
ちょっと!?!?!?
17 : 使い魔   2024/11/01 10:12:40 ID:5dK2UwX6Qw
これはどうすればいいの??
18 : アナタ   2024/11/01 10:14:34 ID:Unt3hBxyY2
流石に流れ読めて無さすぎ、ホントこういうのつまらんしクソ
普通に再安価でいいよ
19 : ダンナ   2024/11/01 10:16:43 ID:5dK2UwX6Qw
SSスレを乗っ取るならそれを完結させる度胸のある奴だけやって来いという事です。

11を再安価>>20
20 : アネゴ   2024/11/01 10:18:12 ID:ye41SwcxFE
コハダ
21 : アンタ   2024/11/01 10:47:14 ID:yBsI2G4ADM
スレ主喧嘩腰で芝
頭をヒヤシンス〜

22 : お前   2024/11/01 11:49:54 ID:zOV050og7c
ある程度安価の内容を制限したいならこのスレのやり方が参考になると思う、ただ自由度は下がるけどね
https://umabbs.com/patio.cgi?read=20975&ukey=0&cat=sc
23 : アナタ   2024/11/01 12:26:35 ID:5dK2UwX6Qw
(妙だな……コハダといえば旬の時期は夏に入ってからのはず……)
釣り好きでそれなりに魚への知識もある、セイウンスカイは考えます。

旬から外れた魚が、”期間限定”の項目に存在しているという事。
それが何を意味するのか、彼女は一つの結論に達しました。

(普通のコハダじゃない……これは大変オトクなメニューかもしれない!)

というわけで、注文してみることにしました。

「えへへっ、わたしはマグロの赤身と真アジですっ」

フラワーも食べたいものを選び、まとめてタブレットで注文。
そして数分後、ゲートで運ばれてきたものを取り出します。

「いただきますっ」
「いただきます……!」

フラワーはご機嫌そうに、スカイは神妙な面持ちでお寿司をぱくり。

(こ、これは……)
口の中に広がるのは、コハダ特有のしっとりとした食感。それでいて脂が乗っており、ジューシーさも感じられます。

「う、うまい……」
スカイは驚きました。旬から外れた魚で、ここまで美味しく仕上げられることに。
ある種の魔法のようにも感じられ、この寿司屋の手腕にも驚きです。

「このマグロ、分厚くて食べごたえがありますね!もぐもぐ……」

フラワーの方も、注文したネタを美味しそうに食べています。

「ふふ……」
「どうかしました?」
「いいや、美味しいなって」

美味しいだけではなく、フラワーが美味しそうに食べる姿を見て、スカイは思わず笑みをこぼしたのです。

しばらく食べること数十分。お腹がいっぱいになった二人は、会計をして店を出ました。

「は、半分以上払ってもらっちゃいました……」
「いいっていいって。さ、次はどこ行く?」
「そうですね……>>24に行きましょう!」
24 : アンタ   2024/11/01 12:28:57 ID:jNexOY.4TU
登山
25 : 相棒   2024/11/01 12:33:42 ID:ZSnG7AORec
100%健全な安価でないとフラウンス村のオークに◯されるスレ
26 : アナタ   2024/11/01 12:42:24 ID:ZmCZF0PIHI
ここのBBS民は必ず自分の思惑通りにレスしてくれるなどというナイーブな考えは捨てろ

27 : あなた   2024/11/01 13:20:31 ID:5dK2UwX6Qw
(登山?こんな時間から?せめて日を改めて、最低限の登山具を整えて……)

ニシノフラワーの突然の申し出に困惑するセイウンスカイ。
しかし、彼女に手を引かれてやってきたのは、ゲームセンターでした。

「フラワーさんや……ここはゲーセンですぞ?」
「はい!ここで、登山ができるんです!」

いろいろなアーケード筐体の迷路を抜けた先に鎮座するものを見て、
スカイは驚きます。

そこにあったのは、なんと業務用VRウマレーター。

VRウマレーターといえば、ゲームハードメーカーであるサトノの開発した、意識や五感をフルダイブさせた仮想空間で様々な体験が可能となる、新世代のゲーム機です。
トレセン学園にも導入されており、フランスなど海外レースのシミュレーションに役立てられていることが多いマシンです。

「なになに……VRで手軽にデート体験……今の時代は凄いなぁ」
セイウンスカイは感心しました。お金を入れれば、決められた時間内でVR世界を散策したり、好きな場所に行けるというゲームだったのです。
スマホでざっと調べてみると、デートスポットとしての利用が多いといいます。
実在する地域も多数収録されており、料金の一部は還元されるそうです。

「早速やりましょう!」
「オーケーオーケー。それじゃあ、ヘッドギアを装着っと……」

ヘッドギアを装着すると、その時点で簡易VRモードとなり、視界の中に表示されるキーボードに各種情報を入力できます。
「えっと……富士山がいいです!」
「富士山かぁ。結構厳しい道のりになりそうだよ?」
「大丈夫です!スカイさんと一緒なら……」

そうこうしながら情報の入力を完了し、二人の意識は仮想世界の富士山へ飛び立っていきます。
しかし、待っていたのは……>>28
28 : アンタ   2024/11/01 13:36:19 ID:q6alBYoMrM
VRゲームのレイドボス【量産型ルメール】
29 : キミ   2024/11/01 15:40:07 ID:5dK2UwX6Qw
最後のお出かけスポットは、楽しい富士登山……になるはずでした。
しかし、現実はそう甘くはありません。

「ここは……レース場?」
「な、なにかの不具合……でしょうか?」

二人がダイブした先は、なんとVR世界の東京レース場。
格好も体操服になっています。

困惑している彼女たちの耳に、ガシャンガシャンという重い足音が響きました。

振り向いてみると、そこにいたのは……。

「ろ、ロボットですか??」

フランス人風の男性の顔を模して作られた頭部と、勝負服のような柄の胴体を持つ謎のアンドロイドが立っていたのです。

(ここ、一応VR空間だよね……前に見たメカウマ娘みたいな感じ?わざわざVRでやるとは……)
セイウンスカイは冷静にその存在を分析します。最近、学園で話題になっていたウマ娘型ロボットのことを思い出し、なぜかVR空間に存在している同様の存在だという認識です。
30 : トレピッピ   2024/11/01 15:40:33 ID:5dK2UwX6Qw

「レースヲシマショウ」

「レース!?」

「ロボットと走るのか……ん?」

謎の人型ロボから発せられた声とともに、その隣に突如、謎の生き物が出現しました。

「え、なにこの……いや、私たちと同じような耳がついて、四足歩行……ラクダじゃないよね?」

冷静に分析していたスカイも、流石に驚きを隠せません。
すらりとした黒い胴体に、エクレアのような顔。ウマ娘のような耳。
ラクダではありませんが、スカイもフラワーも、この謎の生物に出会うのは初めてでした。

「コノコヨリ、ハヤクゴールシテクダサイ」

そう声を発したロボットは、謎の生物の背中に勢いよく跨がりました。
目の前にゲートが現れ、沢山の仮想観客たちも配置されていきます。

「登山のはずが……」
「大丈夫。フラワー、ここは私に任せて。すぐゴールして、山登りしよう」
「は、はい!スカイさん、気をつけてくださいね!」

フラワーも観客席にワープし、ゲートインするのはセイウンスカイと謎の生き物のみ。

ただのお出かけのはずが、不具合に巻き込まれてしまったスカイとフラワー。
果たして、無事に目的を達成できるのでしょうか?

>>31
31 : お兄さま   2024/11/01 18:27:43 ID:q6alBYoMrM
ロボットが駆る謎の生き物【黒白を分かつ閃光】に敗れた…。
32 : トレぴ   2024/11/01 20:36:23 ID:5dK2UwX6Qw
「……もう、いいですっ!スカイさん!!」

悲痛な表情を浮かべながら、セイウンスカイに向かって叫ぶニシノフラワー。
___ここまで30戦全敗。
【黒白を分かつ閃光】と表示された謎の生き物には、1回も勝ててはいません。


「まだ……これから……」
ウマレーターの効力で肉体的な疲労は0ですが、30走もすれば精神的な疲労は相当なものです。
セイウンスカイの心は今にも折れそうで、ギリギリの状態でした。ですが、まだ立ち上がります。

(VRウマレーターで時々発生するっていう、謎の存在と走らされる不具合……ログアウトはできる。けど、相手を倒さないとそのユーザーはVRウマレーターに入る度に戦わされるっていう厄介な問題。だから、だからこそ……)

今ここで、スカイの心が折れるわけにはいかないのです。
ニシノフラワーの願い……VR世界で登山をするというささやかで大きな願いを、無下にすることは出来ません。

(でも、どうすれば……)
現実との時間はかなりズラされているので、これから何十戦と走っても大丈夫なはず。
しかし、勝機が全く見えないのです。東京レース場で、中距離2000m……得意の逃げで走るセイウンスカイですが、謎の生き物はどんなペースでも最終的に追い抜き、加速してしまう……正直、スカイには信じられませんでした。

(なんなの、あの速さ。ウマ娘を超えちゃってる。やばいよね)

今にも、投げ出したいと考えてしまうこともありました。
レースでも当たったことのない、超常的な速さの生物……どうすれば勝てるのでしょうか?

>>33
33 : トレーナー   2024/11/01 21:55:16 ID:x0JKBVGOek
エクレアを食べる
34 : アナタ   2024/11/02 08:52:37 ID:BA2ZoPZ5sc
『ここまでよく頑張った』
『あとは私達に任せて』
『観客席で見ているといい、子羊くん』

その時でした。3つの声が、重なるように響いてきたのは。

「あ、あなたたちは……3女神さん!?」

驚くセイウンスカイの前に立つ、3人のウマ娘……彼女たちは、全てのウマ娘の始祖となっている3つの名をそれぞれ持ち、独立した人格と最強の能力を持った存在。

神話上の3女神を基にして創造された、バーチャルデータのウマ娘です。

『遅くなってすまないね。ここは随分と隔離された空間だったから』
『プロテクトを蹴破るのに苦労したぞ』
(蹴破ったんだ……)

赤い髪のダーレーアラビアンと黄色い髪のバイアリータークが、この空間に施されていたプロテクトを解除し、

『今からあなた達二人を元の世界に帰せるわ』

青い髪のゴドルフィンバルブが退路を確保していました。
しかし、セイウンスカイは……。

「いやぁ、帰るんだったらまず、フラワーだけをお願いします」
「えっ、スカイさん!なんで……」

ニシノフラワーのみを帰還させ、自分はこの空間に残ると言い出したセイウンスカイ。

『……なるほど。君は”アイツ”に勝たないと気が済まないようだね』

「そういうことです」

スカイの燃える瞳を見て、ダーレーアラビアンは納得します。
そして、右手の中にとある物体を生成しました。

「これ……エクレア?」
『食べるといい。バフ効果ってやつさ』
「ふむふむ……ぱくっ」

(こ、これは……!!)

チョコがたっぷりコーティングされたエクレアを食べたセイウンスカイは、
身体に大きな変化を感じます。

「な、なんかスピードとスタミナとパワーと根性と賢さが、1000くらい上がった気がします!!」
35 : お姉ちゃん   2024/11/02 09:25:47 ID:BA2ZoPZ5sc
「強くなったスカイさんの走り、しっかり見させてください!!」

というわけで、フラワーも観客席に残ることに。

フラワー、そして3女神に見守られながら……。
なんだかすごく強くなったセイウンスカイが、再度ゲートに入ります。


(にしてもこの生物……親近感わくなぁ)
隣のゲートで待機する四足歩行の生き物を見て、スカイは既視感や懐かしさを感じていました。ウマ耳があるから……だけではなさそうです。

「さて、今度こそ勝たせてもらいますよっと!」

ゲートが開いて、セイウンスカイがロケットスタートを決めました。
アンドロイドが操縦する後ろの生物に対し、大逃げを打つ形でレースを進めます。

(今ならガンガン飛ばしていけそう……でも、そうじゃないんだよなぁ。今回は!)

彼女の計画は、”菊花賞の再現”。
中距離2000mではありますが、溜め逃げに持ち込むことで相手のペースを乱し、自身は余裕綽々とゴールをする……この世界で爆発的に能力が上がっている今なら、きっと可能だと考えました。
36 : トレーナーさま   2024/11/02 09:26:20 ID:BA2ZoPZ5sc
ゆったりとした最初のカーブを越え、長いバックストレッチへ。

(今、ペースどれくらいだ……?)

セイウンスカイは後ろとの差を7、8バ身は離しています。
そして直線に入った段階で、息を入れつつゆっくりと走っていました。

本人には見る暇がありませんが、1000mは1分2秒の表示がされています。

『かなりスローだ。後ろのアイツもあまり追ってきてはいないようだが……』
『後半、差しに来るわね』
『だが……今のセイウンスカイなら、終盤も十分引き離せるはずだ』


3女神たちは観客席で、冷静に分析をしていました。
本来、スローペースとなると前の走者が有利となることが多いですが、
【閃光】はどの位置からでも十分なスパートをできる超常的な脚を持っています。

(今のスカイさんなら……勝てます!)

ニシノフラワーも、祈るような思いでレースを観戦中。
そして後半へと移り、レースは動き始めました。

レース終盤>>37
37 : あなた   2024/11/02 10:09:47 ID:2P.H/etOWY
【閃光】が最終コーナーで早めに捲くっていき、2〜3バ身差にまで縮めてきたところで、直線コースに入りました!
38 : 大将   2024/11/02 14:41:15 ID:BA2ZoPZ5sc
【閃光】が、捲っての進出を開始します。

(来たッ……!!)
3コーナーを曲がるセイウンスカイに追いつかんと、2から3バ身差まで詰めてきました。
(だけど、私も!)
前で逃げながら、しっかりと脚を溜めていたスカイ。
「ここからぁぁぁぁっ!!」
4コーナーを抜けての最終直線。セイウンスカイがスパートを開始します。
525メートルの長い直線は、強い勝負根性で走り抜けなければならない難所。坂もあり、気合が必要です。

【閃光】も凄い脚で加速し、どんどんその差を詰めていきます。

「くうっ……ここまで……!」

セイウンスカイは、「馬鹿な……」と思いました。さっきの自分よりも格段に強くなっているのに、それでもあの生物は……今まで本気を出していなかったかのように、とてつもないスピードを発揮しているのです。

「______頑張って!!スカイさんっ!!」

(……!!)

もう、諦めてしまおうと思ったその瞬間。大歓声にも飲まれないような声で、フラワーの応援の叫びが聞こえました。確かに、己のウマ耳に。

(そうだ、私は)
「フラワーと一緒にッ!!登山するんだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

その声が起爆剤となったのか、セイウンスカイは更に加速します。
【閃光】に並ばせず、どんどん引き離し……


______見事、1着でゴール板を駆け抜けました。


「……あれ?ここは……」

気がつくと、セイウンスカイは別の場所にいました。
見渡してみれば、どうやら整備された山道のようです。

「スカイさん……レースは……」

隣で寝ていたニシノフラワーも、目を覚ましました。

「現実……じゃなくてまだVRの中みたいだけど、ここは私達の目的地みたいだよ」
「目的地……あ、富士山ですね!5合目くらいでしょうか」
39 : トレぴっぴ   2024/11/02 14:48:24 ID:BA2ZoPZ5sc
仮想ワールドでのデートを楽しむ二人のウマ娘を、三女神たちが見守っています。

『なんだったのだ、あの不具合は』
『時々ある……にしては発生し過ぎな部分もあるし、開発者に報告しないとね』
『あの二人が元の空間に戻れてよかったわ』

彼女たちは、また電脳空間へと帰っていきました。
これからも、トレーニングやその他色々を見守ってくれることでしょう。


その後、ニシノフラワーとセイウンスカイはゲームからログアウトし、現実へ戻ってきました。

「ふう……現実の時間は全然経ってないのに、どっと疲れた気分……」
「ですね……でも、楽しかったです!富士山まで行けちゃったんですから」
「そうだね。じゃあ、そろそろ帰ろっか」

フラワーの口から「楽しかった」という言葉を聞けて、スカイは安堵します。
二人で1日の間にいろいろな経験をして、自身も楽しかったと思いました。

お互い一緒の「楽しい」を共有して、セイウンスカイも満足げに寮へと戻るのでした。

おしまい。
40 : 使い魔   2024/11/02 14:49:12 ID:BA2ZoPZ5sc
作者から。

なんかまたレースになってしまった。世界一のエクレアさん出しちゃった。これだから安価スレは面白い
41 : トレーナーちゃん   2024/11/02 15:11:18 ID:3r62/166fw
えっ!?もうおしまい!?
42 : トレーナーさま   2024/11/02 15:26:11 ID:BA2ZoPZ5sc
>>41
エロに走らなければ誰か引き継いで頂いても……

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