イナリワンにバレンタインの相談をするモブウマ娘
1 : 大将   2025/02/13 23:12:57 ID:VVQhDFDAeg
 バレンタインデー。
 世間では親しい人にチョコを渡すだけの日だけど、トレセン学園では重要なイベントの一つだ。
 特に、専属のトレーナーがいるウマ娘にとっては、自分の気持ちと共にチョコを渡す大切な日だ。
 けど私は、未だにトレーナーさんにチョコを渡そうか迷っていた。
 私のトレーナーさんは、優しい人だ。
 目立った成績が、重賞1勝と桜花賞4着だけの、落ちこぼれな私のことを見捨てずに、ずっとそばで支えてくれているトレーナーさんだ。
「君はすごいウマ娘だ、俺には分かる。みんなが認めなくても、俺は君の走りを信じている」
 そう言って、私のことを励ましてくれるのだ。
 私はトレーナーさんが好きだ。一人のウマ娘として。
 だから、今年のバレンタインに『ずっと私のトレーナーでいてください』という気持ちを、チョコを渡して伝えようと思った。
2 : 相棒   2025/02/13 23:13:35 ID:VVQhDFDAeg
 でも、本当に気持ちを伝えてしまっていいのか悩んでいる。
 トレーナーとウマ娘という関係から進展するのは、モラルに反することなのではないか、と。
 それ以前に、トレーナーさんにチョコを渡すなんて恥ずかしくてできそうにない。
 チョコを渡す、と考えただけで顔が熱くなってしまう。
 せめて、想いを伝えるまで行かなくても、恥ずかしがらずにチョコを渡す方法はないものか。
 そう思ってモヤモヤしていたら、友人が「イナリワン先輩に相談したら?勇気をもらえると思うよ」とアドバイスしてくれた。
 善は急げ。早速、イナリ先輩がいるトレーナー室に向かった。
3 : ダンナ   2025/02/13 23:14:42 ID:VVQhDFDAeg
「バレンタインのチョコを渡す方法ねえ……相談する相手を間違えてるんじゃねえかい?」
 イナリ先輩は、困ったように頭を掻いた。
「そもそも、あたしは学園でチョコを渡さねえぜ」
 えっ、と声に出してしまう。
 あのイナリ先輩が、ダンナさんにチョコを渡さないとは。
「学園でチョコを渡されるのは恥ずかしいんだとよ。まあ、ダンナがそう言うなら仕方ねえけどよ」
 イナリ先輩は、胸を張って腕を組んでみせる。
 威風堂々な佇まいは、永世三強の風格がみなぎっていてカッコイイ。
「とにかく、お前さんは自分の気持ちにまっすぐ向き合うべきだぜ。誰かに間違っていると言われても、自分の中の本当の気持ちってやつは曲げちゃいけねえ。そうだろ?」
 たしかにその通りだ。  
「自分の気持ちに向き合ったら、あとは真っすぐにその気持ちのままに行動するだけでい。あたしみてえに胸を張って、チョコでも何でも堂々と渡してやればいいってもんよ!」
 イナリ先輩のはきはきした声を聞くと、勇気が湧きあがって来た。
 その通りだ。うじうじ悩んでいても仕方ない。チョコをトレーナーさんに渡すことにやましいことなど何もない。堂々と渡せばいいのだ。
 その時、扉を開けてイナリ先輩のダンナさんが部屋に入って来た。
4 : アネゴ   2025/02/13 23:16:08 ID:VVQhDFDAeg
「あっ、ダンナ!」
 イナリ先輩の声が1オクターブ高くなった。
「おまたせ、っとその子は?」
「おう!ちょいと相談に乗ってやってたところでい」
 イナリ先輩はそう言うと、ダンナさんに身を寄せる。
「なあダンナ、今年もちゃんといつもの部屋をとってあるからよ」
「お、おいイナリ。他の子が聞いているところで言うもんじゃ……」
「てやんでい!隠すようなことじゃねえだろ?いつもの感謝の気持ちを込めて、宿でバレンタインチョコを渡して、ついでに普段の疲れを取ろうってだけじゃねえか」
「いや、でもな……」
 ダンナさんの顔が赤くなったのを見て、私は全てを察した。なるほど、これが永世三強か。
5 : トレーナーさま   2025/02/13 23:17:26 ID:VVQhDFDAeg
「へへっ、外泊届を出して準備万端だからよ。放課後が楽しみだな、ダンナ」
「あ、ああ、そうだな」
 それから、イナリ先輩は私の前に戻って来た。
「席を外してすまねえな。そんで、相談の続きだがよ……」
「いえ、もう大丈夫です。ありがとうございました。イナリ先輩のおかげで、堂々とチョコを渡せそうです」
「そいつは良かった!相談に乗ったかいがあるってもんでい!」
 私は部屋を出ると、教室に戻った。
 カバンの中から、手作りのバレンタインチョコを取り出して、私のトレーナーさんが待つトレーナー室に向かう。
 友人の言った通り、イナリ先輩に勇気をもらうことができた。
 私は決意した。チョコを渡し、私の想いを伝えて、トレーナーさんを逆ぴょいする。
 イナリ先輩がやっていることに比べれば、なんてことない。 
6 : お兄ちゃん   2025/02/13 23:17:45 ID:VVQhDFDAeg
 そう思いながら、部屋の扉を開けて中に入ると、私を待っていたトレーナーさんの腰を狙って、渾身のタックルを仕掛けた。
7 : アナタ   2025/02/13 23:18:57 ID:VVQhDFDAeg
【終わり】

8 : 貴様   2025/02/13 23:34:00 ID:oqMMIu6usY
イナリ職人また現れたな(いいぞもっとやれ)
9 : ダンナ   2025/02/14 08:50:03 ID:23wGtEGLmU
これはハッピーエンド
10 : お兄ちゃん   2025/02/14 12:56:43 ID:rMI0qWr7io
オグリ「風評被害なんだが」

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