「人の心とか無いんですか!」
「そうですわ!」
「「自業自得だ」」
無許可の間食で体重を増やしてしまったヒシミラクルとメジロマックイーン。
二人のトレーナーは合同で厳しいトレーニングを行う事にした。
「無人島で丸一日生き延びろ。支給するのはジャージと水着、ナイフだけだ」
「一応遠くから監視しておくが、手出しはしないからな」
こうして、二人は無人島送りになった。
「こうなった事はもはや受け入れるしかありませんわ。それよりも生き延びる事を考えましょう」
「そうだね。まずは食べ物を集めるよ!」
これに関しては、食い意地が張っている訳ではなくサバイバルの基本に忠実なだけだ。
ミラクルは木の実を拾い集め、マックイーンは枝を拾う。
ナイフで枝を研ぎ、モリを作り出す。
マックイーンは水着に着替え、海に入った。
「はぁっ!」
浅い所にいる魚を、ウマ娘のスピードで突く。
「カラフルで美味しそうかも!」
木の実と魚が集まり、次は火を起こす事になった。
「私が枝を回しますわ」
「じゃあわたしがふーふーするね」
マックイーンが枝を手で擦り合わせるように回転させ、ミラクルが木くずに火種を移して息を吹きかける。
「わっ、あちちち!?」
「ふふっ」
「あっ、笑ったー!・・・ぷふ」
何がそんなにおかしいのか、二人はしばらく笑い続けた。
「ではいただきましょう」
「いただきます」
一部の木の実や魚に微弱な毒成分が含まれているのも気にせず、完食した。
「二人とも、よく頑張ったな」
夜が明け、トレーナー達が迎えに来る。
「全く、大変でしたのよ?」
「あは、本当に。ね?」
二人は顔を見合わせてまた笑った。