751 : アナタ   2023/07/17 19:39:23 ID:GTY7i1E5XE

「マックイーンちゃん、行くよ」
「はい・・・っ!メジロの名に懸けて、絶対に成功させてみせます」
21時、栗東寮。
ある噂を聞きつけた二人のウマ娘、ヒシミラクルとメジロマックイーンがミッションに挑む。
「足音を立てないように、一歩一歩慎重に」
「あ、その辺りは床板が軋むから迂回した方が良いよ」
キッチンの手前に到達すると、誰かが近付いてくるのが分かった。
「あのテーブルの下に隠れましょう!」
「入れるかな・・・」
「急いで!」
小声でやり取りする二人がテーブルの下に何とか入り込む。
テーブルクロスのおかげで意外と外からは見えにくい。
「アイスアイス〜!トレーナーさんには止められてますけどちょっとくらいなら大丈夫ですよね!」
「夜に食べるアイスは美味しいからね」
「そうです!・・・っていつからそこに!?」
狭いテーブルの下でぴったりくっつく二人はその光景を見て息を飲む。
「スペさん・・・捕まってしまいましたか」
「でも、やっぱりアイスがあるって噂は本当だったんだ」
フジキセキがいなくなったのを見計らい、二人はテーブルから這い出る。
「やっと辿り着いたね」
「ええ」
冷蔵庫の扉を一緒に開ける。
それはまるで宝箱のような・・・。
「「な、無い!?」」
「やぁ」
二人が勢いよく振り返ると、そこにいたのは微笑むフジキセキだった。
「ゴルシにデマを流してもらってトラップを仕掛けてみたんだ。最近トレーナーさん達から色々聞いてね」
二人は青ざめ、許しを乞うように震えている。
「ミラクルはともかく、マックイーンまで・・・」
「「お、お情けを・・・」」
フジキセキは微笑みを崩さなかった。