651 : 貴方   2023/04/21 18:25:17 ID:5PnR8eKny.

「タマモクロスさま〜。たこ焼きを配り歩いているタマモクロスさま〜」
「配り歩いとらんわ!ウチは新聞配達員か!」
「ほわぁ?」
タマモクロスはメジロブライトと会話のリズムがいまいち噛み合っていない。
「・・・ほんで?ブライト、何か用あるんか?」
ブライトはタマモを見て首を傾げる。
「・・・まぁ。わたくし何をするつもりだったのでしょう〜?」
「さっきはたこ焼きって言っとったで」
ブライトは手をポンと合わせる。
「思い出しましたわ〜。たこ焼き、わたくしにもくださいな〜」
タマモは学園内でたこ焼きを売っていた。
客がいないのは、食堂で新メニューが出される日だからだろう。
「そういう事かいな。1箱250円、2箱で400円や。どうするんや?」
ブライトはぼんやりと考える。
「・・・お財布を忘れてしまいましたわ」
タマモはため息をついた。
「アンタボサーっとしすぎちゃうか?財布持たずに何しにきたんや・・・」
たこ焼きを舟皿に二つ載せ、一つに爪楊枝を刺して差し出した。
「・・・サービスや。今回だけやで。熱いから気ぃつけや」
ブライトの顔がパーッと明るくなる。
「まぁ!ありがたくいただきますわ〜」
ブライトは舟を受け取るとたこ焼きを口に運んだ。
「あちゅいでしゅわ〜」
「言わんこっちゃない・・・ゆっくり食べや」