611 : 大将   2023/04/05 17:01:34 ID:voJbLn0IbQ

「・・・もうすぐですわね」
「はい」
メジロマックイーンとグラスワンダーはこそこそと草むらに隠れていた。
「毎日のようにイクノさんとスペちゃんが二人きりで会っている。これはただ事ではありません・・・!」
「今日こそは真相を突き止めてみせますわ!・・・来ました!」
スペシャルウィークがイクノディクタスに駆け寄っていき、楽しげに話し始めた。
「やはり声は聞こえませんか」
気付かれないためとは言え、距離が遠く会話の内容が分からない。
楽しそうな雰囲気だけが伝わってくる。
グラスとマックイーンは一つの双眼鏡を覗き込み、必死に口の動きを読む。
「せ、い、け、つ・・・でしょうか?」
「ぱ、い、な、ぽ、う・・・スペシャルウィークさんなら言うかもしれませんわね・・・」
などと憶測を並べていく。
「ふふ、昔妹とも、こうした遊びをよくしたんです。小鳥や猫がどのような会話をしているのか考える、とても楽しかった記憶があります」
「楽しそうですわ。私もライアン達とそのように遊んで見たかったです・・・二人がこちらに来ます!」
急いで身体を引っ込める。
狭い草むらの中で密着しているため互いの息が大きく感じてしまう。
「私はこれからトレーニングなので失礼しますね」
「はい!また蹄鉄の事で相談させて下さい!」
「もちろん。それでは」
二人が去った後、グラスとマックイーンは力が抜けたように草むらから転がり出た。
「・・・蹄鉄の事を」
「相談していたのですね・・・」