31 : お姉さま   2023/06/25 10:07:21 ID:0nQ/oBx4hw

それはウマ娘のレース、菊花賞での出来事だった。
圧倒的人気に推されたゴールドシップ。過去の圧倒的な成績から、トレーナーである俺も勝利を確信していた。しかしゴルシはゲートから出た瞬間、とんでもない行動に出たのである。なんと突然走り出したのだ。その速さたるやスタートダッシュが売りだったテイエムオペラオーよりも遥かに早く、先頭に立った彼女の勢いを止めることは誰にも出来なかった。ゴール寸前のところでようやく気が付いた俺が「止まれ!」と命じるも既に遅く。結局そのままぶっちぎりで勝利してしまったのである。ゴールした彼女は「どーよ? アタシつえぇーんだぜ?」なんて自慢げな表情をしていたが……いやホント、何てことをしてくれてんだろう。あれ以来俺はゴルシを見る度に思い出し笑いをして大変苦労している。