「訓練教官ウマ娘のハートマンだ。話しかけられた時以外口を開くな。口でハロン棒くわえる前と後ろにサーと言え。分かったかフケウマ娘ども」
「「「サーイエッサー」」」
「ふざけるな！大声出せ！トレーナーをナリタトップロードされたいのか！？」
「「「サーイエッサー！！！」」」
「貴様らフケウマ娘が、私の訓練に生き残れたら――各人が猛者になる。トレーナーを人生の墓場に叩き落す、強靭な花嫁だ」
「その日までは未レビューウマ娘だ！トレセン学園で最低の生き物だ」
「貴様らはウマ娘ではない。刈り取られた芝がひりだした青臭い汁をかき集めたほどの価値しかない！」
「貴様らは厳しい私を憎む。だが、憎めばそれだけトレーナーをナリタトップロードされる可能性もなくなる」

「私は厳しいが公平だ。毛色差別は許さん。栃栗毛、青毛、白毛、青鹿毛、黒鹿毛、鹿毛、芦毛、栗毛、全て等しく価値が無い」
「私の使命はナリタトップロードを防ぎ、学園の平和を守ることだ。愛するトレセン学園を守ることだ！」
「分かったかフケウマ娘ども！？」
「「「サーイエッサー！」
「ふざけるな！大声出せ！」
「「「サーイエッサー！！！」」」
「そこの水色頭、名前は？」
「サー、メジロアルダンです！」
「今日から、フケメジロと呼ぶ。いい名前だろ？」
「サーイエッサー！」
「聞いて驚くな、フケメジロ！うちの食堂ではお上品なフルコースは出さん！」
「サーイエッサー！」

「てやんでい、やってらんねえぜ……」
「だれだ！？どのウジ虫だ！？出遅れのゲートしゃぶりめ！未勝利ボディに敗北したいか！？……答えなし？スイープのおばあちゃんがやったのか！？上出来だ！三冠取れるまでしごいてやる！菊花賞で大差勝ちするまでシゴき倒す！」
「貴様か？鼻血で出走取消は！？」
「サー！違うっス！サー！」
「フケウマ娘が！貴様だろ大逃げで後垂れウマ娘は！」
「サー！違うっス！サー！」
「あたしでい！」
「そっちか。勇気ある、江戸っ子ウマ娘。エドイナリ。正直なのは感心だ。気に入った、学園に戻ってトレーナーをうまぴょいしていい」
（ピコハンでひっぱたく）
「大井は江戸じゃねえ！じっくりかわいがってやる！いなり寿司を食ったり吐いたりできなくしてやる！隠れてトレーナーのTシャツぴょいしてみろ！首切ってロイヤルビタージュース流し込むぞ！なぜ、講習会に志願した！？」
「サー！ダンナといい関係を築きたいからでい！」

｛相棒志望か？｝
「サーイエッサー！」
「だったら相棒がナリタトップロードされてる顔をしろ！アアアアアアアアア！！！これが目の前でナリタトップロードされてる時の顔だやってみろ！」
「ダンナアアアアアアアアア！！！」
「悲しくないのか！？目の前でナリタトップロードされてるんだぞ！」
「ダンナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア！！！」
「哀しみがない。練習しとけ」
「そこの！お前を見てると嫌になる。現代芸能界の醜さだ！名前は！？」
「サー！スマートファルコンです☆サー！」
「ダートの赤鬼か！？威圧感ある名前だな、全勝か！？」
「サー☆ノーサー☆」

「飲むんだろ！？トレーナーの目の前で告白の言葉を飲みこむ口だ！」
「しゃい……サー、ノーサー……」
「名前が気に食わん。ファルコンならトレーナーをスマートに狩って見せろ。これから、まんまる焼きと呼ぶ」
「サー☆イエッサー☆」
「ぽかんと口を開けるな！口を閉じろ！」
「サー☆イエッサー☆」
「早く顔面に伝えろ！」
「サー☆頑張ってます☆」
「ケツを引き締めろ！ダイヤを見習え！さもないとお先に失礼！だ！」
「サー☆イエッサー☆」

【トレセン学園、オリエンテーリングルーム。ここに集められた志望者たちは、鬼教官ウマ娘ハートマンの指導の下、厳しい講習に励んでいた】

【トレセン学園外、ランニングコースにて】
「トレーナーと担当はミーティング！」
「「「トレーナーと担当はミーティング！！！」」」
「トレーナーがいきなりこう言った！」
「トレーナーがいきなりこう言った！！！」
「実は！」
「「「実は！」」」」
「婚約者が！」
「「「婚約者が！！！」
「できた！」
「「「できた！！！」」」

「日の出とともに起き出して」
「「「日の出とともに起き出して！！！」」」
「走れと言われて、一日走る」
「「「走れと言われて、一日走る！！！」」」
「トレーナーはこっそり彼女に会う！」
「「「トレーナーはこっそり彼女に会う！！！」」」
「花束、指輪、婚姻届」
「「「花束、指輪、婚姻届！！！」」」

【この日のランニングは10㎞を超えた】

【訓練は日に日に厳しさを増していった】
【トレセン学園、屋上にて】
「よしやれ！」
「トレーナーさん！愛してます！」
「ウマ耳落としたか！大声出せ！グラウンドの有象無象どもをひっくり返させろ！」
「トレーナーさん！！！！！愛してます！！！！！永遠を刻み合いたいです！！！！！」
「よし次！」
「トレーナーさん！！！愛してるっス！！！」
「ふざけるな！そんなシケた声でトレーナーとゴールできるか！布団乾燥機で焼くぞ！」
「トレーナーさん！！！！！愛してるっス！！！！！」
「よし次！」
「と、トレーナーしゃん……愛して……る？」
「まんまる焼き！ライブでの声は飾りか！？裏でＣＤ音源流してんのか！！！」
「さ、サー☆ノーサー☆」

「やれ！脚から声出せ！ダートで鍛えた脚から声出せ！」
「トレーナーさん！！！！！愛してましゅ！！！」
「ファンどもの背骨抜いた歌声はどうした！！！もう一度！！！」
「トレーナーさん！！！！！愛してます！！！！！ずっとそばで見ていて欲しいな！！！！！☆」
「できるなら初めからやれ！まんまる焼き！！！次！！！」
「トレーナーさんのふるさとになりたいです！！！」
「苫小牧大使がなんだ！苫小牧が限界集落だと思われたいのか！？苫小牧のアダムとイブになるつもりでやれ！！！」
「トレーナーさんの子供たちのふるさとになりたいです！！！！！！」
「よし！苫小牧はお前たちの子で栄えるだろう。次！！！」

【講習にはトレーナーたちも巻き込まれた。あまりに厳しい講習にトレーナーたちは青ざめた顔で参加した】
「今回、貴様らイモはトレーナーを抱く。各自、トレーナーを名前で呼べ。貴様らが今後見るハロン棒はこれだけだ。トレーニングで培った教師と生徒の関係はおしまいだ。貴様らの旦那は、一流のトレーナーとして鍛えられた鋼の精神だ。油断すれば、すぐにお先に失礼だ！そして、トレーナーども！浮気は許さん！」
「抱え、トレーナー！」
（ウマ娘たちがトレーナーを抱える）
「就寝用意！」
（ウマ娘たちがトレーナーと共に布団に入る）
「宣誓！」
「「「これぞ我がトレーナー！トレーナーは数いれど、我がトレーナーは一人！この人こそ我が最良のトレーナー！我が命！我、レースを制するがごとくトレーナーを制する！我無くてトレーナー無く、トレーナー無くて我無し！我、的確にうまぴょいするなり！トレーナー奪わんとする敵より早く多くうまぴょいするなり！三女神にかけて、我これを誓う！」」」
「休め！」
（部屋の電気が消える）

【人の適応能力というのは見上げた物で、一週間が終わりかける頃には、ウマ娘たちは講習に適応していた。しかし、最終日。事件は起きた】
「おめでとう。貴様らはもはや恋愛弱者とは呼ばれん。トレセン学園で最強の恋愛強者だ。お前たちを恋愛弱者呼ばわりするのは、この私が許さん。おい、まんまる焼き！何をしている！」
【突然、スマートファルコンがツインテールをクワガタムシのアゴのごとく、頭の上で開いたのだ】
「まんまる焼き！落ち着け！」
「ふー☆ふー☆私はウマドル……☆」
「分かっている！だがそのツインテールで何をする気だ！？」
「サー☆教官から教わった通りのことです☆サー☆」
【そして、スマートファルコンはツインテールで自分のトレーナーを挟んだかと思うと、飛翔するクワガタムシのように、部屋から飛び出していった。その後、スマートファルコンとファルトレは行方不明になったが、一週間後にいつも通り学園に登校してきた】
【全てが吹っ切れたスマートファルコンの様子を見て、何があったのかを誰もが悟ったが、あえて口に出す者は一人もいなかった】
【この事件の影響で、第二回の講習は中止になった】
【しかし、この国のどこかで、恋愛弱者と呼ばれるウマ娘のためにハートマンは教鞭を振るっているという噂だ】
【彼女の指導が、良いものか、悪いものか、ここで議論するつもりはない】
【しかし、これだけは言っておこう。今、世間からファルトレと呼ばれる俺は、ファル子と一緒に幸せに暮らしている】

【終わり】

ちょっと何やってんのかわかんない
ハートマン軍曹、恋愛させるのは良いんですけど倫理は守って・・・

なお現役
https://db.netkeiba.com/horse/2019103730/

まんまる焼きだいすき

>>15
直近のレースが恋路ヶ浜特別とかいう名称でダメだったw

鋼の意志(フルメタル・ジャケット)