1 :
トレーナー 2023/03/19 10:36:34
ID:jl.PgKidlM
むかしむかし、あるところに「どとう」という小心者のウマ娘がいた。彼女は臆病な上にかなりのドジで、どととれがついていないと風呂にもいけないほどでした
そんな彼女が特に怖がっていたのは、軒先にある「ふわふわの木」という一本の枯れ木でした。昔どととれはこの木が枝いっぱいにきらびやかな果実を実らせていた言っていましたが、どとうは信じていませんでした
ある夜、どととれが体調不良で倒れました。薬もきらしており、治療のためには夜道を駆けて高名な笹針師(自称)を読んでこなければなりませんが、外にはあのふわふわの木があります。どとうは勇気が出ませんでした
そんなどとうに寝込んだどととれが言います。「違うよね?ドトウは賢いから本当は呼びに行かないととわかってるよね?(以下略)」
その言葉を聞いて、ついにどとうは走り出しました。そして笹針師を呼んで帰ってくる時、あのふわふわの木がきらびやかな果実を実らせているのを見ました。それは夜空にまたたく星々だったのです
こうして勇気を出したどとうですが、結局元の臆病に戻り、その後も風呂に行くときはどととれがついていないといけなかったとさ
(最後のページに、野生のタヌキが立てた物音に驚いてタオルをほっぽりだしたままどととれに飛びつくどとうが描かれている)
挿絵:どぼめじろう