昔々、あるところにすぺというウマ娘とその一家が住んでおった。すぺは大層な賭博好きで、今日も娘から三枚の野口を借りるとけいばじょうへ出かけた
夕方、すっぺんぺんになったすぺがけいばじょうを出て帰路につく頃にはすっかり日が暮れていた。すると道端で出会ったぐらすというウマ娘が夜遅くて危ないので一晩泊めてくれると言い、すぺは厚意に甘えて泊まり、床についた

その夜、目を覚ましたすぺはぐらすの「すぺちゃ〜ん」という独り言を聞く。実はぐらすは前々からすぺを狙っていたヤベーヤツだったのだ。こっそり逃げ出そうとしたすぺだったが、運悪く音を立ててぐらすに聞かれてしまった
するとそこへきんぐというウマ娘が現れた。すぺはぐらすの気を逸してほしいと頼むと、きんぐは快く了承した。「おーっほっほっほっ！」高笑いが夜闇に響き渡り、足音を掻き消してくれている内にすぺは逃げ出した
家に向かって全力で走るすぺだったが、ぐらすは出遅れたもののすぺの家の住所を知っていたのですぐに追いかけてきた。川の近くを走っていると、夜釣りをしているすかいとであった。すかいにぐらすの足止めをお願いすると、すかいはあんぐりんぐ×すきーみんぐを発動させ、大きな魚をぐらすに向かって放った。しかし魚はぐらすの薙刀で両断されてしまい、大した足止めにならなかった
尚も逃げ続けていると、今度はえるというウマ娘と鉢合わせた。ぐらすの妨害を頼むと、えるはぐらすに襲いかかった。が、逆4の字をかけられて「ケーっ！？」という悲鳴が響き渡った

その後も逃げ続け、ようやくすぺの家が見えてきた。しかし2500ｍ程度走ったところで、とうとうぐらすに追いつかれてしまった。
憐れなすぺはぐらすに食べられてしまいました。めでたしめでたし
(最後のページは裸のすぺとぐらすが絡み合っている絵が描かれている)

挿絵:どぼめじろう