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キミ 2022/12/27 17:13:13
ID:Y96ishfLYM
ターボは理解した。イナリはフケっているのだと。
そうでなくては、週6回も外泊申請書を出して何食わぬ顔で朝帰りするはずがない。
部屋に入ってくると、必ずイナリのトレーナーの匂いを身体中から放っているせいで、誰と会っていたかすぐに分かる。
その事を遠回しに言うと、「おっかしいな、きちんとシャワーは浴びてきたんだがねえ」と不思議そうに言うもんだから、何をしてきたかさえ分かってしまう。
イナリは自分からノロケない。だが、少しでもトレーナーのことを聞くと、トレーナーは優しいだの、頼りになるだの、延々とノロケはじめる。
ターボはまだ中等部であったが、恋愛観はイナリのノロケ話から得たと言ってもよい。
つまり、自分の走りに惚れた相手こそが、生涯の相棒足り得る相手であり、トレーナーにするならそういう人が一番よいのだということだ。
自分も、トレーナーと出会う日が来るのだろうか。
目の前でイチャイチャするイナリとイナリのダンナを見ながら、ターボはそう思った。もん。