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アネゴ 2026/05/12 01:20:30
ID:LdqWHYq/d2
――柔らかな橙、柔らかな風。
穏やかな時間の中、 髪を撫でる手の温もりに、 目を閉じそうになる。
時折、離れて――時折、近づく。 優しく語りかけられるたびに、 僅かな吐息を感じられる。
(・・・・・・終わらなければいいのに)
口にはしない、身勝手な願い。 惜しめば惜しむほど、 終わりを告げる鐘の音が近づく。
「何してんの、はぐれないでよ」
振り向いて、ぶっきらぼうに君は言う。
頷き返すと、すぐに前を向いてしまう。
ただ1歩半だけ先を、
それ以上決して引き離さないように、
細心の注意を払いながら君はゆく。
時折、ちらちらと振り返る視線に、
気づかないふりをして後を追う。
気づいたことがわかったら、
その途端にこの聖なる1歩半が
ぐんと伸びて消えてしまうからだ。
聖夜の月明りを受けて君はゆく。
1歩半だけ先を、誰よりも優しく慎重に。