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貴方 2025/07/31 12:26:16
ID:RuQbvyWg1A
トレセン学園に所属するトレーナーである私は、担当の紹介で「目白」という山奥の寒村を訪れることになった。
人口は二十数人、地図に名前も載っていない。
「この招待状を持っていけば大丈夫」と担当は言ったが、それが現代にあるとは到底思えなかった。
バスは峠の手前で止まり、あとは徒歩で三里ほど。
ぬかるんだ山道を進むうちに、まるで霧のように現れたその集落は、
まるで時間が取り残されたかのように、瓦屋根の民家が点々と立ち並び、電柱すら見当たらなかった。
迎えに来たウマ娘は、歳の読めない無表情な人物で、私に口をきくことすらなかった。
案内された宿は、茅葺き屋根の古い民家であったが、どうしてか家電の類はあるらしく、空調によって整った室温により不快感はなかった。