【一週間後】

「うおおおおおおおおおおおおおおおお！！！トレーナーさん！！！うおおおおおおおおおおおおおおおお！！！」
「姉上！！！トレーナーの出張先に突撃するのはまずいぞ姉上！！！」

「暴君タックル！！！」
「神戸新聞杯！？」

「発光！！！」
「甘い！暴君アイマスク！！！」

「隙あり！！！うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！ドリームキック！！！」

「カウンター暴君タックル！！！」
「産経大阪杯！？」

「はーなーせー！！！」

「放さぬ！！！そもそも今まで何とか我慢してきただろう！！！なぜ急にトレーナーの出張先に突撃しようとしたのだ姉上！」

来た、荒ぶる姉上シリーズ

「分かった。理由を話すよ、オル。そもそものきっかけは、この動画が送られてきたことなんだ」
「動画……？」
「そうだよ、見てくれるかい？」

「おっ、ドリトレくーん！楽しんでる？」
「はい、この辺りの名所を案内してもらったり、おいしい地元料理を味わせてもらって、申し訳ないくらいです」
「気にしないでよ、同じトレーナーなんだからさ。いやー、中央から来たって言うから、もっと高慢ちきなのを想像してたんだけどさ、ドリトレくんみたいに、礼儀正しくて優しい若者がくるなんて思わなかったよ」
「いや、そんな……」
「どう、いっそここに移ってくるってのは？ドリトレくんみたいな優しい人に、トレーニングしてもらいたいウマ娘がたくさんいるんだよねー」
「えっと、それは……」
「おっと、急にごめんね。余計なことは考えずにゆっくり楽しんでよ」
「はい、ありがとうございます」
「次はとっておきの名所を紹介するからさ、忘れられない思い出になるよ、絶対」
「ありがとうございます！楽しみです！」

これ画像集めるの大変だろうなと思いながら見てる

「……姉上、これは」
「オルも分かっただろう？長期出張の正体見たり！！！地方にレースのノウハウを広めるという名目はウソで、中央の優秀なトレーナーを地方のトレーナーたちで囲い込むための巧妙なヘッドハンティング作戦だったんだよッッッ！！！」

プリティーフィルターでさらっと流されてるけどトップのトレーナー送り出す面子がいろいろアカン

「その通りだぜジャーニー！！！」
「ゴルシさん」
「アタシのトレーナーも、奴らに奪われかけてんだよチクショーエンターテインメント！！！」
「ゴルシさんもですか」
「この動画を見れば一発丸わかりだってばよ！」

「おっ、ゴルトレくん。楽しんでる？」
「ええ！イカの塩辛レベルで楽しんでます！ここのゲーセンすごいっスね。初代タイムクライシスに、ハウスオブザデッド3、アーケードのゴルゴ13まで。経年劣化で全国のゲーセンから消えていった数々の筐体が、ほぼ完ぺきな状態で稼働してるなんて！」
「ゴルトレくんが楽しんでくれてよかったよ。明日は別の店から、コブラ・ザ・アーケードの筐体が来るからさ」
「えっ！あの！？本当ですか！？」
「本当さ！だからというわけじゃないが、ウチのチームのウマ娘たちをよろしく頼むよ」
「ええ、期限まできっちり務めさせてもらいます」
「ところで、期限より先も務めてもらうというのは……」
「いやそれは……あくまで出張なんで」
「……バーチャコップ、警察24時、ヴァンパイアナイト」
「あああああああ！！！誘惑がああああああああ！！！」

「許せねえよなあ！！！アタシに黙って、激レアアーケードゲームを遊び放題なんてよ！！！こうなりゃ、トレーナーのとこに突入して締めあげてやらにゃ……」
「暴君タックル！！！」
「120億円！！！」

地方の人変な手慣れ方してんななんだこれ……

「はーなーせーよー！！！」

すごい地方だ

「放さぬ！！！姉上だけでも手一杯なのだ！これ以上秩序を乱す輩は……」
「そこまでです！オルフェーヴルさん」
「貴様は……デュタンダル！」
「デュランダルです！ゴルシさんの主張には、一分の理があります」

「すると、貴様にも動画が？」
「ええ、これを見てください」

「中央のトレーナーさん！今の走りはどうでしたか？」
「ああ！ポジショニングも、ペース配分も、他のウマ娘との競り合いも上手くいっていた！今までの教えをきちんと理解しているな！すごいぞ！」
「ふふっ、もっと褒めてください！」
「ああ！俺が泊めさせてもらっている宿の手伝いも頑張っているし、夕飯の時間になったらちゃんと呼んでくれるし、俺がいない間に部屋の掃除までしてくれるなんて、まだまだ若いのにしっかりしていてすごいぞ！！！」
「えへへ、トレーナーさんに褒めてもらうと、元気が出ます！けど、期限が終わったら、トレーナーさんは帰っちゃうんですよね」
「ああ、そうだな」
「……寂しいです」
「…………」
「どうか、ここにもう少しだけ長くいてもらうことは出来ませんか？」
「そ、それは……」

うーんこれは泥棒ウマ

「浮気！！！出家！！！許すまじ！！！もはや一刻の猶予もなし！！！今すぐに我が王の出張先に……」
「暴君キャノン」
「あいたー！！！」

「なにするんですかー！！！」
「落ち着くがよい。まだ貴様のトレーナーが取られたわけでは……」
「貴方にはまだトレーナーがいないから冷静なんです！！！自分のトレーナーにあんなことをされて黙っていられるウマ娘は……」
「暴君キャノン」
「あいたー！！！」

暴君キャノンの冷静さ好き

「おっと、校内での暴力行為はいけないな。オルフェーヴル」
「会長自らが？何の用だ」
「……動画ですね？」
「その通り。見てもらえるだろうか？」
「ええ、分かりました」

「ルドトレくん。調子はどうだい？」
「ええ。みんないい子で、こちらとしても指導しがいがありますよ」
「はっはっは、それは良かった。それにしても、ずいぶんと気合いが入ってるね」
「ええ、ルドルフはとても優秀で、僕が教えることなんてほとんどなくて、むしろ僕が教えてもらっていたようなものですから。こうして、きっちり指導するなんて初めてなもので……」
「……もし、帰るまでの期限を延ばしてくれるなら、ここのチームを任せてもいいんだがね」
「えっ？」
「君の指導によって成長する、君が作り出すウマ娘チーム。やりがいがあると思わないかい？」
「…………」
「ふっ、今すぐにとは言わないよ。いずれ返事を聞かせてくれるかい？」
「……分かりました。熟慮させてもらいます」

「トレーナー君の心の隙間に入ってくるとは、地方の奸賊めえええええええええええええ！！！今すぐに、地方に出立し、トレーナー君を奪わんとする賊を征伐しに行く！！！移動手段の準備は！？」
「おう！武装商船ゴルシちゃん号がもうすぐ準備完了するぜ！」
「準備ができ次第、出港する！！！」

「おうおう！！！あたしも乗せてもらっていいかい？」
「イナリワンさん。あなたも動画を？」
「おうよ！ダンナが持たせてくれたケータイに、これが送られてきやがったってもんよ！！！」
「ふむ、拝見させてもらいます」

「イナトレ君、いいチームだろう？」
「はい！みんな闘志があって、貪欲にアドバイスを求めてくれるので、こちらとしてもやりがいがあります！」
「そうだろう。ところで、期限以降もここに残ってくれるなら……」
「すみません。イナリがいるので」
「相談によっては、待遇を変えても……」
「大井で、イナリが待っているんです」
「……分かった。気が変わったら言って欲しい。いつだって君を歓迎するからね」
「ありがとうございます」

「ダンナはここまではっきり言ってくれたけどよ、だからこそ、あたしのことが気にかかって、向こうでの仕事に支障が出ないようにしたいんでい。そこで、向こうでもダンナの傍で支えてやれば、ダンナはなんのしがらみもなく、のびのびと仕事ができると思ってよ。そういう訳で、あたしも船に乗せてもらっていいかい？」
「乗船を許可する！！！」

「すみませーん！カレンも乗せてもらっていいですかー？」
「カレンのところにも動画が？」
「そうでーす！見てもらってもいいですか？」

「すごい！カワイイ！！！」
「ほんとですか！？」
「ああ！物凄くカワイイ走りだったぞ！」
「へへ、カレンチャンさんに憧れてるから、カワイイって言われるととっても嬉しいです！」
「いや、心の底からカワイイ走りだったと思うよ！今までの俺の教えがちゃんと身についてるし、このまま鍛えて行けばさらに早く、カワイくなっていくはずだ！」
「やったー！嬉しいです！でも……」
「どうしたんだい？」
「トレーナーさんは、期限が来たら、中央に帰ってしまうんですよね」
「……ああ」
「私、トレーナーさんにもっとカワイイって言って欲しくて、だから……」

>>34
出張先に夫婦で向かうのはルールで禁止スよね

「……お兄ちゃんさあ、ひどいよ」
「なんでカレンに嘘ついちゃうの？カレン、とっても悲しい」

「カレンも、ちゃんと約束守るつもりだったんだよ？」
「卒業したら、カレンと結婚してくれるって、約束したもんね？」
「なのに、なんでこんな真似するの？嘘つかれたら、お兄ちゃんのこと助けてあげられないよ」

「もう『お話』するしかなくなっちゃったよ」

本当に約束したの？

「でもいいよね？これからはずっと、ずーっと二人きりでいるんだから……」

【明日の夜に続きます】

どうしてこうなるまで放っておいたんですか

大丈夫？これ無事？にトレーナー戻ってきたらやよいちゃん磔にされない？

池添連合直参カレン組組長やめろ

新作ｷﾀｰ
この手の出張に大体ある、暗黙の了解な掟:『期間内の対象者(この場合、担当の子)との接触はいかなる場合があっても禁止』

>>1のﾌﾟﾘﾃｨｰﾌｨﾙﾀｰ画像にはﾄﾞﾝﾅもいるけど続きにでてくるのかな

「まずいことになりましたね」
「あぁ…今回のアレ(カレン)のお話は荒れるぞ」

全ての負担がオルフェーブルにのしかかってる構図、すき

イナリだけ惚気てて芝

今日も姉上が元気そうで嬉しい余

>>51
到着してナチュラルにいちゃつく事が予想される娘を連れて行くことで他の娘も攻め込めやすくするという寸法よそのためのイナリとダンナ

【再開します】

「オル！！！今すぐ暴君キャノンをカレンさんに撃てえええええええええええ！！！」
「えええええええええええええええええええ！？！？！？」

「もたもたするんじゃない！！！このままでは全滅する！！！形態変化していない今なら、暴君キャノンでダメージが通るはずだ！！！」
「仮にもウマ娘であるカレンを、蒲田のあいつみたいに！？それより、ダメージを与えたとしても、反撃でこの指をへし折ら……カワイイされそうなのだが！？」
「いいから撃つんだあああああああああああああああああああッッッ！！！」

形態変化とは一体…

「ぼ、暴君キャ……」
「暴君……なに？」
「……何でもありません（怖すぎる余）」

「あらあら、敵を前にして戦わずに敗北するなんて。暴君の名も墜ちたものね」
「ジェンティルドンナ。貴様、あの状態のカレンに挑むつもりか？」

「…………」
「…………勝負も良いけれど、日を改めましょう。私の元にも、皆さんと同じように動画が届きましたの。見て下さるかしら」

「フン、貴様も乗船希望者か。（逃げたな）」
「貴方も同志とは。ますます敵を許せなくなりましたね。（逃げたな）」
「いいでしょう。動画を拝見させていただきます。（逃げたな）」

「おっ、張り切ってるねージェントレ君」
「ええ。ウマ娘たちが鍛えるのと同様に、自分も鍛え上げたいので」
「へえ、噂通り、そんなに力が欲しいんだ」
「ウマ娘と共にトレーニングし、力の大切さを広めると共に、自らも力を鍛え、磨き上げる。トレーナーとしても、一人の求道者としても、ドンナに近づくために必要なことです」
「だったらさあ、この近くにウマ娘を超えるために、体を鍛え上げた人の修行場があるんだけど、行ってみない？」
「そんな場所が？」
「あ、でも地元の人間以外には内緒の場所なんだった。もし、ここに移籍してトレーナーをしてくれるなら、俺のほうから紹介してあげられるんだけど……」
「ぐうううううううううう！！！とても行ってみたいが、ここに移籍するのは……！！！」

「ふふっ……力を求め続けるのは結構。しかし、私のものなのに勝手に手の中から逃げだしてしまうなんて、理不尽とは思いませんこと？」
「自分のトレーナーを所有物扱いとは、相変わらず傲慢だな」

ドンナも逃げ出すカレンチャン

「……私とあの人の関係をなんと言われようが、痛くも痒くもないのだけど。取られたものは、力で以って取り返すべきとは思わないかしら」
「この気迫。また一人、秩序を乱す者が現れたわけか」

「さあ、いかがなさるのかしら。暴君タックル？暴君キャノン？その全てを蹴散らして、私はあの人を取り返しに行きますわ。ふふっ、どこからでもかかって……」
「ゴリラに構う暇はない。準備のほうはどうだ、ゴールドシップ」
「ちょっとー！？」

「おう！あと5分で出港じゃーい！！！」
「私たちを止めるつもりじゃなかったのかい？オル」
「もうよい。無理に止めるより、余も同行して皆のフォローをする方が、何倍もマシな気がするのだ」

「さて、これから出発するけど、私たちはこれから地方のトレーナーたちとの戦闘に入るだろう。結束を固めるために、チームの名前を決めたい。なにかいい案はないだろうか」
「でしたら、私たちは皆、ウマ娘レースで英雄的な活躍をしたウマ娘です。そして、ここに揃っている同志はオルを除いて七人。それにあやかって、七英雄というのはどうでしょうか？」
「七人の英雄で、七英雄！！！素晴らしいチーム名です！！！」

「そして、アタシたちはリベンジする七人……リベンジオブザセブンってわけか！」
「へへっ、江戸っ子の血が騒ぐってもんよ！」
「みんなで団結！とってもカワイイと思いまーす！」

「チームを組むのは慣れてないけれど、よろしくってよ」
「それでは、チーム七英雄、出港だ！！！」
「もやい綱よし！離岸よし！エンジンチェックよし！航行計画よし！出港です！！！」

【こうして、チーム七英雄は武装商船ゴルシちゃん号で出港した】

【地方のレース場についた彼女たちは、地元のトレーナーやウマ娘たちと一触即発の状態に陥るが、七英雄のトレーナーたちは、ヘッドハンティングめいた誘いを「担当を裏切ることはできない」と断っていたことが判明。戦いは終わりを告げることになる】

【オルフェーヴルは、これ以上争いが起きないように、近場にあるメジロ家所有のホテルを借りて、そこにチーム七英雄とそのトレーナーたちを宿泊させる案を出し、メジロ家との交渉から手続きに至るまで全てをこなしてみせた。その活躍により後の歴史において、彼女は暴君でありながら賢王でもあった、と語られることになる】

【しかしながら、地元の協力者に出張先のトレーナーたちを撮影させ、チーム七英雄のメンバーに動画を送信した、この事件の黒幕といえる人物を捕らえることはできなかった。オルフェーヴルは黒幕が誰なのか薄々分かっていたが、その証拠を掴むことができなかったし、仮に掴めたとしても、黒幕を暴き立てるつもりは毛頭ないのだった】

【終わり】

お疲れ様でした

うーんこれは賢君（しんじつからは

投稿おつかれさまでした
>>74
言われてみれば…
動画はすべて担当ﾄﾚと地方ﾄﾚの対話形式であって
『それと別に動画撮影者がいる』
『その撮影者から担当ｳﾏ娘までの動画移動経路』
てところまで気が回らなかった…

ある意味一番の被害者なのに見て見ぬふりする王は優しいな……

ナチュラルにゴリラ呼ばわりは草

ナリタトップロードは良くない余

ああああぁぁぁぁ！！
面白いけど遅刻しそぁぁぁぁぁ！！！

出張にきたトレーナーを引き抜きって普通に悪質だし来年からは出張はなくなるかもね

>>82
の人が遅刻しなかったことを祈る

これは仮に暴いても誰も幸せにならない謎（容疑者Dの献身）

＞チーム七英雄
＞リベンジオブザセブン

最近リメイクされたロマサガのオマージュかな？
ロックブーケはカレンチャンとして、他は誰が誰になるのか…

この作品の一つ前(ｺﾞﾙｼ所対決編:過去ログに行った)がまとめられた余