社会人になったミラ子とくっつきそうでくっつくとこまでいかない両片想いSS
1 : ダンナ   2023/10/29 17:24:59 ID:hqKV0vR7yk
 なんやかんやあって引退した後そこそこの大学に進んで、トレセン教師として就職したミラ子。
 就職祝いとしてトレーナーと飲み交わす約束を取り付ける。

「それにしたって、ミラ子が教師かあ……」
2 : アナタ   2023/10/29 17:25:06 ID:hqKV0vR7yk
 開口一番、トレーナーが非常に失礼な一言を放ってきたので、ミラ子は必然応戦する。

「なんです? 文句あります? 言っておきますけど、トレーナーさんより優しく指導できる自信はありますよフンスフンス」
「だってなあ、『トレーナーさん、独り身なんですって? ずっと相手が見つからなかったら結婚してあげましょうか~?』ってからかってきたあのミラ子がなあ」
3 : あなた   2023/10/29 17:25:44 ID:hqKV0vR7yk
 まあ確かに自分が彼の指導を受けていた頃は随分と精神的に未熟だったと言わざるを得ないとミラ子も納得しつつ、それはそれとして言われっぱなしなのも癪に障るのでイジワルしてやろうと画策する。

「まぁ、そんなことも言ってましたね~。そういえばそれ、どうなんです? いいお相手見つかりました?」

 ついでに気になるトレーナーの異性関係についても探ってやろうという意図で放った言葉だったが、どうやらミラ子の想定以上の切れ味を発揮してしまったらしい。
 ビシリ、とヒビが入った陶器だか磁器だかのように歪なカタチでトレーナーの表情筋が固まる。
4 : トレーナーさま   2023/10/29 17:26:11 ID:hqKV0vR7yk
「…………。年頃の女の子と四六時中関わるトレーナー業に理解を示してくれる女性を紹介してくれないか?」
「うわっ……元教え子に女性を紹介してもらおうとするのっていい歳した大人としてどうなんですかね~」

 サイテーですよ、とケラケラ笑いながら、仕返し大成功とほくそ笑むミラ子。

「なんならぁ? さっき言った通りに私が結婚してあげましょうか~?」

 しかし、天下はそう長く続かないものであった。
5 : お兄さま   2023/10/29 17:27:06 ID:hqKV0vR7yk
「ほ~ん、じゃあそういうミラ子もイイ男は捕まえられなかったんだな?」

 たった一言、それだけで形勢は逆転してしまう。

「あー。あーっとですねェ~。菊花賞ウマ娘で宝塚記念ウマ娘な私に寄ってくるナイスルッキングガイはよりどりみどり。人並レベルな百人切りといったところデスネー?」
「おいたわしやミラ子……」
「ち、ちち、違いますから! 私にふさわしい男性を探しているだけですから! 相手がいないトレーナーさんとは違うんですぅ~!」
「なにおぉう! 俺だって中央の超エリートトレーナーの圧倒的肩書パワーに寄ってくる女性は多数だし! 遊び歩いてるし!」
「ハイダウト~! 担当にほぼ付きっきりなトレーナーさんが遊び歩く暇なんてありませ~ん!」
「ぐぬぬくくぅ……! それを言うならミラ子だって……」

「ワーワー!」「ギャアギャア!」


……。 …………。 ……………………。
6 : 大将   2023/10/29 17:27:42 ID:hqKV0vR7yk
 そうして夜は更けていき、飲み過ぎたミラ子はトレーナーの背におぶさって送ってもらうこととなっていた。

「……心臓が飛び出そうですよ……ウエップ」

 状況によっては少女漫画の一幕かと思えるようなセリフだが、彼女の場合焼き鳥のハツが胃液と共にリターンしてくることを意味しているので色気も何もあったものではない。

「家までもうちょっとだから我慢してくれ……ナムサンナムサン」
「うん? 今重いって言いました?」
「言ってない! 思ってただけ!」
「言ってるじゃないですか~!」
「アバババー! ギブギブ! 締めるなッ! お前も帰れなくなるぞ!」

 2人して騒ぎながらなんとかアパートまでたどり着き、ミラ子を中に放り込んでトレーナーは脱兎のごとく遁走した。
7 : トレぴっぴ   2023/10/29 17:28:11 ID:hqKV0vR7yk
 ミラ子は鍵を閉め、フラフラとした足取りでベッドに導かれ、そのまま身を投げる。
 衝撃でグェップとおよそ女性が出すべきでない効果音が漏れたがそれを聞く者はここにはいない。

「ふぅー……よしよし、トレーナーさんに異性の影は無し、と」

 ――――チャンスは十分にある。後はどうモノにすればいいか。
8 : アネゴ   2023/10/29 17:28:33 ID:hqKV0vR7yk
「ミラ子は今フリーか……。いやいやいや、元教え子だぞ」

 一方のトレーナーもミラ子との飲み会での楽しい談笑の時間、まだまだ一緒にいたいという気持ちに葛藤を覚えていた。
 背負った時の心地よい重みと柔らかさをどうしても思い出してしまう。

「いや、でも……あぁ、くそ。やっぱ好きなんだな」

 ――――どうしたものかと思案するが答えは当面出そうにない。
9 : トレーナーちゃん   2023/10/29 17:29:22 ID:hqKV0vR7yk
【完】
 短い上にオチが弱くてすまない。
 くっつくところまでうまく想像できなかった…。
10 : お姉ちゃん   2023/10/29 19:16:42 ID:NFfZ7UP9xw
>>9
ええんやで…もどかしい両片思いからしか得られない栄養もある…
勿論、将来的にはなんやかんやでくっつくだろうという前提で、ですが…
11 : 使い魔   2023/10/29 21:12:37 ID:yH/SzTi57E
乙やで

月並みな方法だが、酔った勢いで煽りあってなし崩し的にうまぴょいというのは思いついた

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