「うん。お兄ちゃん、ここに座っちゃお？あ、店員さん、注文いいですか？」
「おう！注文いただくぜ！」
「じゃあ、この『カップル専用XXLサイズクリームソーダ』を……」
「おいカレン、ウマスタに上げるんだろ？あまりカレンのファンを煽るようなものは良くないんじゃないか？」
「あ……そうだね」
（本当は、お兄ちゃんと一緒にこれ飲みたかったのに……まあ、仕方ないかな）
「それじゃ、この『くまさん型アイス乗せクリームソーダ』を2つ、お願いしま―――」
「ほい、お待ちどう！『カップル専用XXLサイズクリームソーダ』だぜ！！！」
「あ、よく見たらあなたは、『誕生日が近いダンナさんのために、自分で稼いだお金でプレゼントをしようと思って、カフェでアルバイトをしているイナリワン先輩』！？」
「その通りだぜ！カレン！ウマスタだかけん玉だか知らねえが、どんな奴が相手でも、どっしり構えてカワイイで倒す！それがカレンのやり方だろ？こいつはあたしのおごりだぜ！ほら、二人とも！クリームソーダにささってるハート形ストローの端をくわえな！」
「は、はい！」「あ、ああ」
「カレン！ウマホ借りるぜ！はい、チーズってな！へへ、誰がどう見てもカップルだぜ！そんでウマスタ投稿！」
「何やってるんですかあああああああああああああああああ！！！」
「安心しな！絶妙に切り抜いて、反対側に誰も写ってないように加工してから投稿したからよ！匂わせって言うのかい？ターボがそう言ってたぜ！そんじゃ、ごゆっくりってな！」

「あっ、イナリ先輩！逃げるなああああああああああああ！！！追込なのに逃げるなあああああああああああ！！！えっと、とにかくリカバリーして、『クリームソーダおいしい！このストローの反対側は誰に繋がってるかな？』っと！！！よし！！！」
「か、カレン？」
「ん？カレンは大丈夫だよ？」
「額に青筋立ってたぞ」
「まっさかー。お兄ちゃんは冗談がウマいね❤ほら、せっかくだし、このクリームソーダを一緒に飲んじゃお？」
「あ、ああ。そうだな」
「ふふ、こうしてハート形のストローで一緒の飲み物を飲んでると、まるでカップルみたいだね？」
「量はカワイくないな……3Lはあるんじゃないか、これ……」

イナリワンの活躍によって、お兄ちゃんとカップル専用ドリンクをシェアできたカレンチャン。果たして、彼女は無事にデートを終えることができるのか！？次回に続く。

イナリの格好から察するにコスプレカフェかな？

カレンちゃんは何故イナリの事情をそこまで知っているのか

「いい公園だな。静かだし、緑も多いし。歩いているだけで癒されそうだ」
「この公園は、ヒーリングスポットとして有名なんだよ♪」
「へえ。さすがカレン、よく情報収集してるなあ」
「お兄ちゃんとのデートだからね。このくらい当然だよ♪そうだ、あのベンチでカレンと休憩しよ？」
「そうだな。少しゆっくりするのもいいかもな」
「ふふ、こうして並んで座っていると、まるでカップルみたいだね？」
「……からかうのはよせよ」
「そうだ、せっかくだしツーショットしちゃおうか！でも、自撮りカメラじゃいつもと同じアングルになっちゃうし、誰か撮ってくれる人を……」
「あたしに任せな！カレン！」
「あ、あなたは！『アルバイトが終わった後にダンナさんが迎えに来てくれることになって、この辺りで待ち合わせしているイナリワン先輩』！？」
「その通りだぜ！カレン！さ、ウマホを貸しな！」
「は、はい！」

「あー、カレンの角度が悪いな。もっと顔を傾けるんでい」
「こうですか？」
「まだまだ、身体も傾けてくんな」
「こうですか？」
「まだまだ、倒れ込む勢いで傾けてくんな」
「こ、こうですか？」
「まだまだ、カレントレの太ももに頭をつけて、地面と平行になる勢いで傾けてくんな」
「も、もう寝転がってるのと同じなんですが……」
「よし、あとは目を閉じれば完成でい！」
「は、はい」
「そんじゃ、はいチーズってな！へへ、誰がどう見ても公園のベンチで膝枕をしてるカップルにしか見えねえぜ。ウマスタ投稿！」
「何やってんですかああああああああああああああああああ！！！」
「安心しな！絶妙に切り抜いて、カレントレの首から下しか写ってねえように加工したからよ！匂わせって言うのかい？ターボがそう言ってたぜ！そんじゃ、ごゆっくりってな！」

「逃げるなあああああああああああ！！！いつも最後方からごぼう抜きするくせに逃げるなあああああああああああ！！！えっと、とにかく『静かな公園で、あなたに癒されたいな♪』っと！よし！！！」
「か、カレン？大丈夫か？」
「あーもう！どんどんコメント来てる！リプライ返信しないといけないから、このままでいさせて」
「あ、ああ」
「頭なでて！」
「は、はい！」
「もっと愛情こめて！」
「分かりました！」

　イナリワンの活躍によって、意図せずしてお兄ちゃんの膝枕を堪能したカレンチャン。果たして、彼女は無事にデートを終えることができるのか！？次回に続く。

そして呼び出されるカレトレさん