彼女の活躍はそれだけでなく、トレセン学園の生徒会長として学校の政務からメディアへの出演までを率先して行っており、そのカリスマ性で多くの人々の尊敬と関心を集めています。
それだけの多様な業務をこなしながらも、彼女は決して立ち止まることも驕ることもなく、皆の規範たらんと常に自らを律し続けています。

そんな彼女ですが、その立場や振る舞いから時に他者から恐れられたり、近寄りがたい存在と勘違いされてしまうことがあります。
そして彼女はその問題をなんとか解決しようとあるアイデアを実行しました。

それは
ダジャレです

一体何を勘違いしたのか、彼女は固い空気を打ち消さんと、会話の途中にいきなりダジャレをぶち込んできます。
当然そんなことを立場や実力で上の相手に突然言われた周囲の人物は困惑し余計に距離を取ってしまいます。
しかも彼女はこのダジャレにやたら気合いを入れており、少し噛んだだけでテンションがダダ下がりしてしまうという、普段からは考えられない素っ頓狂な姿を見せます。

そしてここまで気合いを入れているダジャレですが、肝心のクオリティはバチクソ低いです。
彼女を慕うウマ娘や友人のウマ娘ですら低評価を下します。
このダジャレで笑うのは『最強の普通のウマ娘』ナイスネイチャくらいです。
それでも彼女は今日も懸命に仕事に励み、自らを律し、そしてダジャレを諦めません。
ある意味では彼女の強さの片鱗とも言えるでしょう。
それが、実は割とお茶目なウマ娘、シンボリルドルフです。

ダチョウディスが入ってねーぞ

ウマ娘って霊長類扱いになるのかしら？
だとしたら霊長類最速はパタスモンキーではなくなるのかあの世界

ダイワスカーレット、とんでもない勘違いをしてしまう

このムキムキの生き物はダイワスカーレットといい、日本の社台ファームに生息する哺乳類のサラブレッドです。
彼女は父アグネスタキオン、母スカーレットブーケという血統を持ち、これは皆さんが愛してやまない『運命に噛みついた男』サンデーサイレンスの孫にあたります。

彼女はレースにおいてハイペースで先頭からゲームを引っ張り、そのままゴールに捩じ込むという非常にパワフルな逃げ展開を得意としています。
通常逃げ馬は気性やペース配分、他馬の動きの影響などによって戦績にムラつきが出ることが多いですが、彼女はこのストロングな戦法で生涯全レース連対の大記録を達成し、更には37年ぶりとなる牝馬での有馬記念制覇など、走法や性別の壁を捩じ伏せた豪傑でした。

一方でこの走法の裏には、ある彼女の弱点も関わっていました。
それは
頭の悪さです

彼女はレースを「最初から最後まで先頭にいればいい」という力押しの極みのような思考をしており、何がなんでもそれを貫こうとします。
関係者の方々は当然この脳筋をどうにかしようと様々なトレーニングを施しましたが、結局最後は筋肉に終わりました。
なまじこの走法で勝利できるだけの圧倒的な能力を持っていた分、その成功体験故に余計にこだわってしまったのでしょう。

しかしこの世には、彼女を遥かに凌ぐ走りと頭脳を持つ生物が存在します。
それが『奇跡のアホ』ダチョウです

ダチョウは時速60kmで1時間以上走り続ける凄まじい身体能力と、骨が見える程の怪我でも完治し感染症にも一切かからないバケモンみたいな生存能力を持つ生物ですが、頭脳はないに等しいです。
ダイワスカーレットは最初から最後まで先頭を走ってゴールすればいいと考えていますが、ダチョウはそもそもこれがレースであることも、上に人が乗っていることも数秒で忘れます。
他人の顔を見分ける能力も皆無であり、ダイワスカーレットのように関係者や子供達に甘えたり甘やかしたりするどころか、家族が他人とすり替わっても全く気づきません。
むしろダイワスカーレットはあの勘違いっぶりでも他の馬では届かないような大記録を打ち立て、人々に愛される気性を持っているなどダチョウと比較するのは失礼なほどの存在と言えるでしょう。
それが、愛すべきおバカ、ダイワスカーレットです。

ダチョウペリカンパタスモンキーのレギュラー組が来ると無条件で笑っちゃう

稀代の珍獣　ゴールドシップ

この王子様の乗る白馬のような美しい馬はゴールドシップといい、日本のビッグレッドファームに生息しているサラブレッドです。
彼は父ステイゴールド、母ポイントフラッグという血統ですが、このステイゴールドという馬はかなり頭がイカれており、子供達にも気の狂った馬が数多く存在します。

彼は体の構造上スタートが苦手であり、気まぐれな性格もあって常に出遅れてしまいますが、その分トップスピードとスタミナは天才的です。
その結果彼とその陣営は「調子が良ければ先行してそのまま押し切り、悪ければ途中から早めに捲り上げて前に立ち押し切る」という戦法を確立しました。
この「早め捲り」の戦法はかなりトリッキーかつ、他馬にとっては本来なら一定のペースを保つか一息入れたい中盤に無理矢理後ろから急かされる危険な作戦であり、彼の攻勢を止めようと挑んだ馬が逆に故障してしまうこともありました。
しかし、彼は持ち前のスタミナと頑丈さでこの奇策をこなし、最終的にGⅠ6勝・獲得賞金13億円以上の超一流の名馬となったのでした。

また、彼は種牡馬としてもオークス馬ユーバーレーベンを筆頭に複数の重賞馬を輩出している他、どんな牝馬であっても優しく真摯に種付けをし、受胎率90％以上を叩き出すなど、リーディング級とはまた違う方面での活躍を果たしています。

そんな今なお人々を驚かせ続けるゴールドシップですが、彼もやはりステイゴールド産駒。当然のことが起きてしまいます。
そう
頭がイカれているのです。

彼は気まぐれなのは勿論物事の好き嫌いが非常に激しくしかもボス気質です。
気に入らないもの遠慮なく蹴り飛ばし病院送りにします。
3連覇がかかった宝塚記念では他馬に喧嘩を売られた結果ゲート内で思いっきり立ち上がりものの見事に大惨敗しました。
更に彼は目立つことと女が心の底から大好きであり、「女の観光客の前でチ◯コを勃◯させる」「"種付け"の言葉だけでテンションが跳ね上がり2足歩行する」などその奇行は枚挙にいとまがありません。
皆さんご存知『イかれた鳥』ペリカンのようになんでも呑み込もうとするようやアホさはありませんが、賢い分人間を翻弄するのはこちらが上手です。
一見ただの正気じゃない生き物のようですが、一方で元厩務員の今浪隆利氏や同厩舎の同期ジャスタウェイ、引退後に出会ったグラスワンダーやウインブライトなどとは非常に仲が良く、グラスワンダーに対しては先輩に敬意を表すかのような態度も見せるなど、実態は深い知性と情緒を持つ稀代のロックスター兼寂しがり屋なのです。
それが、こんな風に生きてみたい生き物ゴールドシップです。

補記:ゴールドシップの種付けに関して、受胎率を「90%以上」と表記しましたが、
正しくは「種付け成功率90%以上、受胎率80%前後」でした。