安価で決める自由なスポ根・続
1 : トレーナー君   2024/08/24 22:22:10 ID:tq5sXyWX12
前スレ
https://umabbs.com/patio.cgi?read=9738&log=past&res=1000

・安価によって行き当たりばったりのストーリーを展開していきます
・必ずしも史実通りの成績にはなりません
・安価による指定さえあれば翌日中には更新します
728 : トレーナー   2025/07/29 22:42:00 ID:Kcd2KLzLfc
ミルフィーユ
729 : トレぴっぴ   2025/07/30 22:46:33 ID:91xrhMEab.
「お兄さまの背中って大きいんだね」
「ライスが小柄だからじゃないか?」
何とか坂を登り切り、いつもの喫茶店に入る。
今日は晴れていて眺めも良い。
「お、新メニューのミルフィーユですって」
ミルフィーユとは何重にも折り重ねたパイ生地でクリームを挟んだフランスの菓子。
海外遠征を前にして、フランスという言葉に敏感になっている。
「じゃあミルフィーユにするよ」
「ら、ライスも!えっとイチゴの方にするね。お兄さま、半分こしても良い?」
「もちろん」
「あーずるいですよー」
ナイフで半分に切ると、層がより分かりやすくなった。
口に入れると、バターの香りとカスタードの甘みが広がった。
「本場のも食べてみたいな」

トレーナー室を訪れたのは>>730(駿川たづな・乙名史悦子・ライトハロー・佐岳メイの中から一人)
730 : あなた   2025/07/30 22:47:30 ID:dFKFotvMzo
乙名史悦子
731 : トレーナー   2025/07/31 22:50:05 ID:ywMoA.t2k.
「トレーナーさん!いらっしゃいますか!トレーナーさん!」
トレーナー室のドアの前から元気な声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声だった。
「は、はい!今!」
ドアに体重をかけていたのか、開けた拍子に飛び込んできた。
慌てて受け止める。
「乙名史さん。大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます」
後ろからルビーの強烈なプレッシャーを感じる。
アポ無しで来た事がルビーの気に障ってしまったのかもしれない。
自分はそこまで気にしないのだが。
「それで、どうしたんですか?」
「はい!実は月刊トゥインクルでチーム<アルタイル>の特集が組まれる事になりまして!あ!私が提案したのですが!そして!一刻も早く取材に伺いたいと思い参りました!」
テンションが高いのは、自分の企画が通った喜びからだろうか。
「取材なら喜んで。<アルタイル>について知ってもらうのはとても良い事ですから」
こうして、今日一日密着取材を受ける事となった。

ライスシャワー達と行うトレーニングは>>732(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
732 : お兄ちゃん   2025/07/31 22:50:30 ID:jDCCf5SEfg
スピード
733 : マスター   2025/08/01 22:51:34 ID:8nvDy9vCaY
「えっと、今日はスピードを重点的に強化するトレーニングを行います」
「なるほど!スピードは全ての基本!欠かす事は出来ませんね!」
「あの、これは・・・」
乙名史さんの距離がやたら近い。
「密着取材ですから!目線を同じくして、物事を様々な角度で見る!これが取材の基本です!」
ウマ娘におけるスピードトレーニングと同じ、という事なのだろうか。
「乙名史さん?トレーナーさんの邪魔はしちゃいけませんよ?」
スカーレットが笑顔で乙名史さんを引き剥がす。
笑っているはずなのに何故か圧を感じる。
「スタート!」
短い直線を走り、インターバルを挟んでから繰り返す。
スタート時の瞬発力、最高速度に至るまでの加速力が鍛えられる。
何度も繰り返して感覚を研ぎ澄まし、一瞬だけ到達する最高速度を引き上げていく。
「ライス!上体が上がってるぞ!最後までキープだ!」
「うん、気をつけるね」
地道な繰り返しが限界を少しだけ押し上げてくれるのだ。
「四人のトレーニングを同時に見て、大変ではありませんか?」
「大変ではありますが、成長が見える事にやりがいは感じます。人数が増えれば、それだけ成長を感じる事の嬉しさも増えますね」

ライスシャワー達と食べる昼食は>>734(米・パン・麺のいずれか)
734 : トレーナー   2025/08/01 22:52:30 ID:pWs3903ERE
735 : 貴様   2025/08/02 22:47:39 ID:7RdrVEnlrs
「食事の制限はしていません。たくさん食べて、たくさん動くのが強くなるためには良いと思っています。皆、栄養バランスも考えて食べているのでこちらから指示する事はあまり無いですね」
今日は午前中からトレーニングだったので昼食を挟む。
「すごい量ですね!壮観です!」
特にライスの食事量は多い。
山のように積み上げられた白米は、どう考えてもライスの小さな身体に入り切らないような量だ。
不思議な事に、ライスはこの量を毎食楽しみながら食べている。
やはりウマ娘は神秘の存在だ。
「いただきます!」
ライスは手を合わせ、食べ始める。
乙名史さんも手帳を置いて箸を持つ。
「野菜から食べなさい!血糖値が急上昇するわよ!」
「わ、分かったよ」
スカーレットにはいつも注意されてしまうが、どうしても白米から食べたくなる。
「トレーナーさーん、これ貰いますねー」
スカイにカツを一つ奪われる。
「良いぞ。もう食べてるみたいだけどな」
「ひゃっ!?」
ライスがソースのフタを開けようとして、勢い良く外れた。
「汚れてはいませんか?」
「うん、ありがとうルビー」
「ご、ごめんなさい」
飛んできたフタをルビーが瞬時にキャッチする。
幸い、ソースは飛び散らなかった。
「栄養だけでなく、コミュニケーションも取る。これも強さの秘訣なのかもしれませんね」

午後に行うトレーニングは>>736(自由な形式)
736 : 相棒   2025/08/02 22:49:00 ID:Vbm7cQd6DA
体の柔軟さを得るためと、運動のアフターケアを兼ねたストレッチ
737 : トレーナーちゃん   2025/08/03 22:48:22 ID:H6jlarPcHg
食休みを終え、午後のトレーニングを開始する。
「これからどのようなトレーニングを?」
「柔軟性を伸ばすためにストレッチをやろうと思います。午前中は負荷が重いメニューだったので、そのケアも兼ねて」
柔軟性の強化は走る時にも役に立つ。
膝が柔らかければ脚のバネが使えるようになる。
肩が柔らかければ腕の振りが安定してバランスが良くなる。
「ライスは特に頑張ろうな」
「うぅ・・・」
ライスは、身体能力は高いが柔軟性は欠けている。
明確な弱点は出来るだけ無くしておきたい。
「ふー」
スカイは長座体前屈を苦も無くやってのける。
息を吐きながら身体を倒し、つま先を掴んだ。
「もう、ちょっと!」
スカーレットは自分の記録に挑戦している。
無意識に耳と尻尾もピンと伸びていた。
「ライスさん、押しますよ」
「ひゃあああああああ!?」
ライスは膝を伸ばした状態で座る事が出来ないようだ。
後ろからルビーに押され、苦痛の声が出ている。
「ゆっくりで良いぞ。ただ、少しでも自分の限界を超えるつもりでな」
ウマ娘の成長のためには、時に厳しさも必要になる。
本当はライスにこんな苦しみを与えなくはないが、強くするためには仕方が無い。
「ウマ娘のために心を鬼にする事もある!トレーナーさんの覚悟が見えます!ウマ娘を強くするためなら、手足の一本や二本鬼に差し出しても構わないという覚悟が!」
「そ、そこまでは言ってないですよ!」
例えが物騒だが、何となく言いたい事は分かる。
「ライス!もうすぐそこだ!届きそうだ!やった!」
「ひぃ、ひゃう・・・」
ついに指先がつま先に触れた。
限界を超え、成長した瞬間だった。

海外遠征に出発するのはいつか>>738(1〜4週間後)
738 : アンタ   2025/08/03 22:49:30 ID:BAx.jiwyMw
3週間後
739 : トレぴっぴ   2025/08/04 22:48:29 ID:kyliWmxZ5w
「あと三週間でついに海外遠征ですね!遠征を前にしての意気込みをお聞かせ下さい!」
「まだ日本勢が成し遂げた事の無い偉業を達成してみせます!」
七月から凱旋門賞まで、プロジェクトL'Arcのメンバーは海外遠征を行う。
凱旋門賞本番までに海外の環境に慣れるために、約四ヶ月もの期間を費やしてコンディションを整えるのだ。
「ライスシャワーさん!GIで好走を見せてこられたライスさんに期待する声がたくさん寄せられています!」
「え、えっと、皆の期待に応えられるように・・・勝って皆を幸せにするために、頑張ります!」
普段は弱気で大人しいライスが強い決意を語った。
絵本に出てきた青いバラのように、見てくれる人を幸せにする。
それがライスの目標だった。
抽象的だが、揺るがない。
「本日はありがとうございました!必ず良い記事にしてみせます!」
「こちらこそありがとうございました。チームの魅力が伝わってほしいですね」
凱旋門賞への決意の強さを再確認出来た。
そろそろ海外遠征の準備に取り掛かった方が良いだろう。

一緒に買い物に行くウマ娘は>>740(ライスシャワー・ダイワスカーレット・セイウンスカイ・ダイイチルビーの中から一人)
740 : ダンナ   2025/08/04 22:49:00 ID:bNEEQGDPk2
ライスシャワー
741 : アンタ   2025/08/05 22:51:50 ID:nN/foT0HLQ
「お布団は持っていった方が良いかな?」
「流石に現地にあると思うぞ」
今日はライスとショッピングモールに買い物に来ていた。
海外遠征の準備のため、必要になりそうなものをまとめて買っておく事にしたのだ。
「やっぱりスーツケースは必要だな。いつも使ってるのよりも大きくないといけないだろうし」
トレーニング用品などは用意してもらえるが、それ以外にも必要なものはある。
大容量のスーツケースを新調する事にした。
「これはどう?大きいし、カギも二つ付いてるよ」
「うーん、持ち手がすぐ壊れそうだな」
大きさに対して持ち手が細いので不安があった。
「デザインは良いんだけど・・・」
「ちょっと小さいかも・・・?」
ライスと相談しながら、スーツケースを吟味していく。
どれも良いのだが、あと少し足りないような気がする。
「お客様。もしよろしければ、こちらはいかがでしょうか」
店員に案内され、店の奥へ。
裏から運んできたのは黒いスーツケース。
「大きさは良いくらいですね。黒いのもかっこいいです」
「なんとですね、ロックをかけていただきますと!」
カチャリという音と同時、スーツケースに青いラインが浮かび上がった。
「わぁ・・・っ!」
まるでライスの勝負服のような配色。
大きさや機能も申し分無い。
「買います!」
「ありがとうございます!お値段はですね・・・」
値段はかなり厳しかったが、覚悟して買った。

ライスシャワーが買う帽子の色は>>742
742 : モルモット君   2025/08/05 22:52:50 ID:3t2XMAPuN.
ホワイトをベースにグレーのワンポイント
743 : トレーナー君   2025/08/06 22:37:28 ID:5U.4awh8Y2
今日はお休み
744 : アナタ   2025/08/07 22:43:24 ID:6tF8SP4slk
「これが気になるのか?」
「あ、えっと・・・うん」
モール内を歩いていると、ライスの視線があるものに釘付けになった。
マネキンが被っていた帽子だ。
「見ていこうか」
スーツケースなど、必要なものはほぼ買い終わっている。
時間にもまだ余裕があるので多少の寄り道は問題無い。
「かわいらしい帽子だな」
「欲しいけど、ちょっと高いよね・・・。今日は諦めるしかないね」
優しげなホワイトに、グレーのワンポイント。
モノクロな印象だが地味さはあまり感じない。
「よし!じゃあ買ってあげるよ!」
いつも頑張っているライスのため財布を開く。
「だ、ダメだよお兄さま!今日はいっぱいお買い物したでしょ?スーツケースだって高かったし、これ以上買うなんて」
「大丈夫!もうすぐ給料日だから!」
あの帽子はきっとライスによく似合う。
この機会を逃せば、誰かに先に買われてしまうかもしれない。
何とかして買ってあげたい。
745 : トレピッピ   2025/08/07 22:43:30 ID:6tF8SP4slk
「お兄さま!」
「うぐぐ、放してくれライス!」
後ろから押さえられ身動きが取れない。
小柄なライスでも、ヒトの何倍ものパワーを持つウマ娘には違いない。
「トレーナーさん」
「る、ルビー!?」
その声はライスの持つスマホから聞こえてきた。
いつの間にか電話を繋いでいたらしい。
「何でも買い与えれば良いという訳ではないかと。ライスさんのためになりません」
「それは・・・そうだな・・・」
トレーニングと同じかもしれない。
簡単なメニューばかりやらせていても強くなれない。
「お兄さま。ライス、いつかきっと自分で買ってみせるから。それまでは見守っていてね」
「・・・分かった。ごめんな」
スマホの向こう側でのルビーの微笑みが見えたような気がした。
いつか胸を張ってこの帽子を買える時が来るように、気を引き締めて海外遠征に臨まなければ。

ライスシャワーと次に行うトレーニングは>>746(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
746 : トレピッピ   2025/08/07 22:45:00 ID:iRUFTPQ7iA
根性
747 : アンタ   2025/08/08 22:56:25 ID:1s3DeuGSfU
「やぁトレーナー!ついに来週から海外遠征!準備は進んでいるか!」
佐岳さんがトレーナー室に来た。
プロジェクトL'Arcに参加している全員のところを回っているらしい。
「必要なものは揃えました。いつでも出発出来ますよ」
「それは頼もしいな!メンタルの方も大丈夫そうだな!」
今回の海外遠征は自分とライスのみで行く事になった。
ルビー達には夏合宿よりも長い期間、付き添いのために学園を離れるのは良くないと思ったからだ。
学業も私生活も、そう簡単に穴は開けられないだろう。
とは言え、電話やメッセージのやり取りは毎日するだろうし、何度か現地にも来る予定らしい。
寂しさは何とか感じずにいられそうだ。
「君の走りが世界への突破口になるかもしれない。全力でサポートするから、力の限り挑戦してくれ」
「はい!」
ライスも気力十分だ。
当事者であるライスだけは、どうしても長い間学園を離れる事になる。
友人と離れるのは寂しくないだろうか。
「ライス、不安があったらすぐ言うんだぞ。俺や佐岳さん、他の参加者でも良い。とにかく、一人で抱え込まないようにな」

ライスシャワー達と行うトレーニングは>>748(坂路またはタイヤ引き)
748 : トレピッピ   2025/08/08 23:39:00 ID:lo08V20Po2
坂路
749 : 貴様   2025/08/09 23:00:45 ID:VMsj97z0Dk
遠征前の最後の調整は坂路トレーニングで行う事にした。
何度も反復して坂路を駆ける間に、体力面とメンタル面のコンディションを確認する。
「かなり基礎的なトレーニングだが、良いのか?」
「はい。海外の環境は良くも悪くも日本と違います。慣れないうちは長時間のトレーニングは出来ないので、今ここで基礎をしっかり固めておきたいんです」
海外でのトレーニングは新鮮で目新しいものばかりだろう。
だがその分落ち着きにくくなり、肉体的、精神的疲労が溜まりやすい。
今のうちに基礎体力をストックしておきたい。
「あと10本!ペースが乱れないようにな!」
出来るだけ一定のペースで走れるようにする。
時間と体力の感覚を掴み、適切な位置でスパートをかけられるように。
「いち、に、さん・・・」
ライスは自分でカウントしながら走っている。
「よし、あたし様も走るか!」
「さ、佐岳さんもですか?」
ライスの走る姿を見て自分も走りたくなったのだろうか。
リュックを置き、軽く身体を伸ばす。
もちろんライスのスピードについていく事は出来ないが、自分のペースで走っているようだ。
「ははっ!やっぱり走るのは楽しいな!」
「うん!トレーニングもレースも苦しい時はあるけど、それよりもっと、楽しいよね!」
ライスの方も佐岳さんに影響されて、表情が明るくなった。
「うん、コンディションはよし」

空港に見送りに来たウマ娘は>>750(プロジェクトL'Arc参加者以外の、登場済みウマ娘一人)
750 : お前   2025/08/09 23:02:00 ID:Y0.4o1AXfM
イナリワン
751 : キミ   2025/08/10 22:49:08 ID:6XRHYdFOcw
「ライスさん、頑張って下さい!」
「何かあればすぐに連絡を」
「何も無くても連絡してきていいですからね〜」
「うん!」
ついに出発の日。
ライスの表情に不安は無いように見える。
「必ず良い遠征にしてみせる!そして、凱旋門賞も・・・!」
凱旋門賞だけでなく、海外でのトレーニングやレースなど様々な予定が組み込まれている。
ただ、やはり最大の目的は凱旋門賞の制覇だ。
日本勢の悲願を何とか成し遂げたい。
「気張りな!あたしらはこっちから応援してるぜ!」
スカーレットのライバルの一人、イナリワンも見送りに加わっていた。
大勢の見送りには、それだけ期待が込められている。
「なってみせます!世界を制した、英雄に・・・!」
「あの背中は、凱旋門の先にあります。追いつくためには、強くならなければ」
「やる気むんむん」
ゼンノロブロイ、マンハッタンカフェ、ハッピーミークを初めとしたプロジェクトL'Arcの参加者達も気合い十分だ。
ここから代表メンバーが選抜され、凱旋門賞に挑む。
ライスが代表落ちする可能性もゼロではないのだ。
「そんじゃ、盛大に行くぜ!」
イナリワンが太鼓を叩き、騒がしい演奏が始まる。
騒がしいが、温かい。
「行ってきます!」

飛行機内で食べる料理は>>752(ビーフまたはチキン)
752 : トレーナー   2025/08/10 22:51:00 ID:PWBxcmUyXc
ビーフ
753 : ダンナ   2025/08/11 22:51:06 ID:eA0bzNlEt6
「お食事はビーフとチキンの二種類がございますが、どうなさいますか?」
乗っているのは、一般向けではなくプロジェクトL'Arc参加者のためにURAが用意してくれた飛行機だ。
一般向けと同じようなサービスも受けられる。
「び、ビーフプリーズ!」
「俺もビーフでお願いします」
「かしこまりました」
キャビンアテンダントの説明によると、ビーフは和食でチキンは洋食との事だ。
しばらく日本らしい食事から離れる事になるので、今のうちに和食を食べておく事にした。
「ライス、まだ日本語は通じるぞ」
「えへへ、そっか。そもそもフランスだとフランス語だよね」
語学の勉強はある程度してきた。
たどたどしいものの、日常会話やレース関連の会話くらいは出来るだろう。
「お待たせいたしました」
「お弁当みたいだね」
「おっ、牛丼だな」
思っていたよりも美味しそうだ。
ご飯もふっくらしていて、野菜や玉子の彩りもある。
「美味しいね!」
「ああ。でも、ライス、足りるか?」
味は満足だが、健啖家のライスには流石に量が足りていないように思えた。
とは言え、空の上でそう簡単におかわりは出来ないだろう。
「心配するな!まだまだあるぞ!ウマ娘を満足させられるくらいの量は用意してある!」
話を聞いていた佐岳さんが言った。
それを聞いたライスの表情が明るくなる。
「えっと、じゃあまずはビーフを3つ、チキンを4つ下さい!」
満腹になり、幸せな気持ちで空の旅を過ごせた。

フランスに到着した際の現地時間は>>754(早朝・朝・昼・夕・夜のいずれか)
754 : ダンナ   2025/08/11 23:08:30 ID:Ua3vc1mtMU
755 : 貴様   2025/08/12 22:52:35 ID:0pq8zsp70M
「着いたーっ!」
長い空の旅を終え、ついにフランスに降り立った。
これからしばらくの間この地で過ごす事になる。
「真っ暗だね」
「時差もあるし、飛行機に乗ってる時間も長かったからな」
早速一つ目の試練が訪れる。
「時差ボケには気を付けないとな」
時差の影響で体内時計が狂う。
身体はまだ昼のつもりなのに外が夜だと、どうしても元のリズムから変えなくてはならないのだ。
そのズレの修正は意外と負担になる。
ただでさえ長時間のフライト後、狂った体内時計を戻す作業をすれば一気にコンディションが悪化しかねない。
「睡眠時間の調整はしてきましたが・・・」
「眠くなってきた・・・」
時差ボケ解消に最適なのは、日光を浴びる事。
陽の光を浴びて体内時計をリセットするのだ。
しかし夜明けまでは時間がある。
「では、あえて夜を楽しんでみては?」

ライスシャワーと話すウマ娘は>>756(マンハッタンカフェ・ゼンノロブロイ・ハッピーミークのいずれか一人)
756 : アンタ   2025/08/12 22:54:30 ID:Wa4MgnENAc
ハッピーミーク
757 : トレーナーさま   2025/08/13 22:44:35 ID:7sOwToOWYk
日光を浴びて心身共に朝を実感する事で体内時計はリセットされる。
ならば、同様に夜を感じる事でもリセット出来るのではないか。
「夜は寝るためにある」
「まぁ、そう言われればそうかもな」
ハッピーミークの考える夜とは、寝るための時間らしい。
こちらの時間に合わせ、出来るだけ早く睡眠を取る事にした。
「寝る前はホットミルクを飲む。夏でもホット」
「ライスもやってみようかな」
滞在する施設では三、四人の相部屋で宿泊する。
ライスの場合、ハッピーミーク、ゼンノロブロイ、マンハッタンカフェが同室になっている。
それぞれの就寝前ルーティーンをこなしていく。
「夜は、お気に入りの小物をお友だちと一緒に眺めています。・・・そうだよ」
「お、お友だち、さんは何とおっしゃっているんですか?」
「本当に他愛のない話ですよ」
そう言いながら、マンハッタンカフェの視線はゼンノロブロイの周りを行ったり来たりしていた。
「ライスはね、寝る前には絵本を読むんだ。心があったかくなって、眠りやすくなるから」
「・・・一緒に読んでも良い?」
それぞれの形で初めてのフランスの夜を過ごしたのだった。

見学に行く施設は>>758(レース場またはトレーニング施設)
758 : トレーナーさん   2025/08/13 22:45:30 ID:G6NsR4Ck52
ロンシャン競馬場
759 : マスター   2025/08/14 22:39:07 ID:yeftG4ZyLY
スマホのアラームが鳴り響く。
「ふぇ、もう朝?」
睡眠時間は少し短くなるが、生活リズムを合わせる方が優先だ。
「おはようライス」
「うぅ、おはようお兄さま・・・」
思えば、ライスと朝に会う機会はあまり無かったかもしれない。
まだ頭がスッキリしていないのか、あらゆる動作がゆっくりしている。
「おはよう!今日は皆でロンシャンレース場に行くぞ!」
佐岳さんは朝から元気だ。
遠征慣れしているのだろう。
「レース、観に行くんですか?」
「いや、レース前の準備をしているところを見学する予定だ。特に芝の状態や設備に注意して見てほしい!」
レースをしていない時はレース場そのものを見るチャンスだ。
日本との違いは至るところにあるだろう。
「朝食もしっかり食べていけよ!ここの食事に慣れるのも大事だ!」
生活全てが凱旋門賞への準備になる。
常に気を引き締め、アンテナを張っておかなければ。
「始まったって感じがするな」
「うん。頑張らなきゃ!」

ロンシャンレース場に到着した際の天気は>>760(晴れ・曇り・雨のいずれか)
760 : トレーナーちゃん   2025/08/14 22:40:00 ID:zYJDtDzIZE
曇り
761 : あなた   2025/08/15 22:54:27 ID:KWqcD2BIfs
「ここが」
「ロンシャンレース場・・・!」
独特なデザインのスタンド、有名なフォルスストレート、何度も興奮を味わったゴール板。
実物はやはり違う。
写真や映像、VRとは放つ重みが違うように感じる。
「今は芝の手入れをしているみたいだな」
「特別に芝を触らせてくれるらしい!体感してみてくれ!」
見るからに重そうな芝。
曇っているからという訳ではなく、実際に洋芝は長めにカットされているのだ。
クッション性は優れているが、脚を取られやすくスピードは出ない。
日本の多くのレース場の芝とは異なる特徴を持っているため、まずはこの芝に慣れていかなければならない。
「わぁっ、ここでお昼寝したら気持ち良さそうだね」
「眠くなってきた」
「ミーク、流石にここで寝ちゃダメですよ」
こちらの時間に合わせるため、睡眠時間はやや短くなってしまっている。
「今日からしばらくはこの芝に慣れるためのトレーニングを重点的にやってもらおうと思う!各自、工夫して取り組んでくれ!」

ライスシャワーと一緒にトレーニングするウマ娘は>>762(マンハッタンカフェ・ゼンノロブロイ・ハッピーミークのいずれか一人)
762 : モルモット君   2025/08/15 22:55:00 ID:8m6/HyL0/2
マンハッタンカフェ
763 : トレーナー   2025/08/16 22:49:50 ID:ynDqJ7bKlg
欧州の長い芝は踏み込むパワーを分散させてしまう。
末脚勝負がしづらくなり、忍耐強く着実なレース運びが求められる。
「スタミナ勝負は得意だよな、ライス」
「うん。・・・でも、スタミナに自信がある人は他にもいるよね・・・」
皐月賞を王道の先行策で制したゼンノロブロイ。
日本ダービーを静かに差したマンハッタンカフェ。
短距離から長距離、芝もダートもこなすオールラウンダー、ハッピーミーク。
プロジェクトL'Arcの参加者にもこのようなスタミナ自慢がいる。
スタミナはライスだけの武器ではないのだ。
「ここもロンシャンみたいな環境が整っているんですね」
「ああ!出来るだけ本番に近い状態で仕上げてもらいたいからな!」
トレーニングに使用する施設も洋芝を使用していた。
まずはここで試行錯誤しよう。
「カフェさんはどんな風に走ってるの?」
マンハッタンカフェとそのトレーナーと一緒にトレーニングをする事になった。
得た経験を共有する事でより早い成長が出来るはずだ。
「脚を早めに上げています」
「ストライドを狭めて、回転数を上げれば芝に脚を取られにくいと思ったんだ。だけどカフェにはあまり合ってない気がするな」
「なるほど。それなら・・・」
意見を交換しながら、芝に合った走り方を探す。
「今日はここまでにしようか」
大きな収穫こそ無かったが、とりあえず芝の感触には慣れる事が出来たようだった。

ライスシャワーと出かける場所は>>764(パリのどこか)
764 : トレーナーちゃん   2025/08/16 22:51:00 ID:QPr0csiPu6
エッフェル塔
765 : トレーナーちゃん   2025/08/17 22:48:48 ID:9S2gbiKnLk
「すごい・・・!」
「大きいな!」
最初のうちはトレーニングの負荷をかけ過ぎないように、休養を多く取る事にした。
慣れない環境でのトレーニングは見えない疲れも溜まってしまう。
「パリと言ったらエッフェル塔だよね」
「一度は行ってみたかったんだ。来られて良かったよ」
今日はライスと二人でエッフェル塔に来ていた。
約300mの高さを誇る塔で、電波塔としての役割も持っている。
一時期は世界一高い建築物でもあったらしい。
「そうだ、写真を撮ってもらおう」
近くの人に頼み、ライスと二人の写真を撮ってもらう。
片言のフランス語でも何とか通じたようだ。
「じゃあエッフェル塔ポーズで!」
「こ、こう?」
腕を上げたお揃いのポーズで写る。
ライスも少し照れながらポーズを取った。
「上ってみるか」
三つある展望台を下から順に見ていく。
それぞれで違う景色が見られた。
「はは、ほとんど外だな」
一番上の展望台は、柵はあるが屋根や壁は無い。
落ちる心配はないはずだが、スリルはある。
ライスも怖がっているのか、控えめに腕にくっついている。
「あれ、ロンシャンレース場じゃないか?」
「わ、本当だ!・・・それなら、レース場からもエッフェル塔が見えるのかな?」
次にロンシャンに行く時には確かめてみよう。

翌日の天気は>>766(晴れまたは雨)
766 : トレーナー君   2025/08/17 22:49:30 ID:1kdgIldwa.
晴れ
767 : トレ公   2025/08/18 22:48:55 ID:cJPSEQ10ss
昨日の曇り空から一転、今日は気持ち良い快晴となった。
「日本よりもかなり涼しいな」
「こんなに晴れてるのに過ごしやすいね」
パリの七月の平均最高気温は25度前後らしい。
パリは北海道よりも緯度が高いため、涼しいのは当然と言える。
「夏でもトレーニングしやすいのは利点だな。この機会に、どんどん実力を向上させよう」
凱旋門賞の前に、前哨戦のニエル賞への出走を予定している。
凱旋門賞と同じ条件のレースであるため、予行練習にはぴったりだ。
「パラシュートを使って、風の影響に負けないように走るんだ」
「で、出来るかな・・・?」
方法としてはタイヤ引きとそこまで変わりない。
欧州は全体的に風が強い傾向があるので、タイヤの代わりに利用出来ると考えたのだ。
「踏ん張れ!芝を掴むんだ!」
足の指で長い芝を掴むような感覚。
力強く踏み込むための意識を持たせる。
「うっ、くっ、やぁぁぁぁっ!」
風に負けて体勢を崩さないように、ライスはスピードを維持する。
少しでも減速すれば後ろに引っ張られてしまうだろう。
「根性で耐えろ!あと少し!」
設定したゴール地点は目前。
ライスは最後の力を振り絞る。
「はぁぁぁぁっ!」
「よし!そこまで!」
ゴールラインを越えた瞬間、ライスの身体を支える。
一緒に飛ばされないように注意しながらパラシュートを下ろす。
「良い感じだったぞ!」
「うん!もう一本行っても良い?」
難しいトレーニングを成功させ、ライスのモチベーションも上がったようだった。

ニエル賞に出走するウマ娘は>>768(マンハッタンカフェ・ゼンノロブロイ・ハッピーミークの中から1〜2人)
768 : トレピッピ   2025/08/18 23:15:29 ID:KDSi0Ul9Vw
マンハッタンカフェ
769 : トレピッピ   2025/08/19 22:50:03 ID:HbBRrlUAHM
「カフェさん、ニエル賞頑張ろうね!」
「はい。アナタにも、負けるつもりはありませんが」
ライスシャワーとニエル賞を共に戦うのはマンハッタンカフェ。
一着を奪い合うライバルだが、同じく世界に挑む仲間でもある。
レースでも切磋琢磨していけるはずだ。
「ニエル賞まで約二ヶ月。やらなければならない事は山積みです」
「間に合うかな・・・。ううん、間に合わせなきゃ!」
ライスとマンハッタンカフェはジャージに着替える。
早朝からランニングに向かう事にしたのだ。
「ちょっと寒いね」
パリの気候や環境になれるためにも、外周は欠かせない。
強い負荷をかけるのが目的ではないため、速度はかなり控えめだ。
「戻ったら珈琲を淹れましょう。良い豆を見つけたんです」
「わぁ・・・楽しみ!」

ライスシャワー達が食べる朝食は>>770(バゲットまたはクロワッサン)
770 : アナタ   2025/08/19 22:50:30 ID:TNLl7IRfOs
バゲット
771 : お前   2025/08/20 22:48:05 ID:TP3N11C/ho
「おかえりなさいライスさん、カフェさん」
ゼンノロブロイはランニングから戻ってきた二人にタオルを渡す。
「ありがとうございます」
キュゥゥゥ。
ライスのお腹の音が鳴った。
「えへへ、実はお腹ぺこぺこなんだ」
「朝ごはん、行こう。フランスパン、あるかな」
普段はのんびりしているハッピーミークだが、朝食には跳ねるような足取りで向かう。
「わぁっ!すごい!」
色々なパンが並び、それらと合わせるジャムやチーズなども用意されている。
「本来フランスの朝食は質素だが、君達はアスリートだ。量や栄養も考えた食事にしてくれ」
この遠征には栄養士や調理師など、食事に関する専門家も同行している。
慣れない海外の食事でも、きちんと栄養を得られるようにしてくれているのだ。
「えっと、バゲットにはやっぱりバターだよね。ハムも食べなくちゃだし・・・あ!フレンチトースト!」
ライスは目についたパンを次から次へと食べていく。
「おお・・・!」
その食べっぷりを見て栄養士が唸る。
「カフェオレともすごく合うね!」
「それは、良かったです」
バゲットと一緒にマンハッタンカフェのコーヒーも楽しむ。
「絵本の中にいるみたい・・・!」
絵本に出てくるようなオシャレなフランスの朝食。
ランニングの疲れは吹き飛んだのだった。

トレーナーと話すウマ娘は>>772(ダイイチルビー・セイウンスカイ・ダイワスカーレットのいずれか一人)
772 : モルモット君   2025/08/20 22:49:00 ID:xf9vu3ioFY
セイウンスカイ
773 : お姉さま   2025/08/21 22:49:21 ID:7X5KrstMts
今日はお休み
774 : トレぴ   2025/08/22 22:34:29 ID:kna6vnAaJQ
「もしも〜し。トレーナーさん、元気ですかー?」
その日のトレーニングを終えた頃、スカイから電話がかかってきた。
日本とフランスの時差は約7時間なので、日本は午前10時くらいだろうか。
「スカイからかけてくるなんて珍しいな。こっちは順調だよ。結構慣れてきた」
「それは良かったです〜」
毎日電話やメッセージのやり取りはしているが、時差の関係でお互いが話しやすい時間というのは意外と少ない。
今日は日曜で授業が無いため、午前中から電話出来たのだろう。
「スカイもちゃんとサボらずトレーニングしてるか?」
「残念ながらちっともサボってないですよー。ルビーさんもスカーレットも厳しいんですから〜」
トレーニングメニューは送っているが、どうしても細かい部分は本人達に任せなければならない。
主体的なトレーニングで考える力を養えると思えば、それも悪くないかもしれない。
「ニエル賞は見に来てくれるんだったよな?」
「もちろんですよ〜。それに、せっかくの海外旅行チャンスですし」
フランスで行った場所、食べたもの、起こった出来事を話しているとあっという間に時間が過ぎていった。
「ライスさんにもよろしく伝えといて下さいね〜。それじゃあまた今度で〜す」
「ああ、ありがとうな」
海外遠征はもちろん充実しているが、ストレスが無い訳ではない。
違う環境にいるとどうしてもストレスは生じてしまうものだ。
他愛の無い会話だとしても、こうやって話せるのはメンタルケアに非常に役立っている。
「さて、ニエル賞に向けてしっかりトレーニングメニューを考えていかないとな」
スカイとの通話で元気を得られたのだった。

ライスシャワーと次に行うトレーニングは>>775(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
775 : トレぴ   2025/08/22 22:35:00 ID:AWHTjS/ZPA
スピード
776 : モルモット君   2025/08/23 22:55:00 ID:HsFnB0CINc
「今日はスピードを鍛えるトレーニングをしよう」
洋芝ではスピードが出にくい。
地力を上げておかなければ、この芝に慣れた海外のウマ娘のスピードにはついていけないだろう。
「パラシュートランをやるぞ。この前やったやつだな」
今日は晴れていて風もあるのでパラシュートを使ったトレーニングが出来る。
だが、全く同じ内容ではない。
「俺がパラシュートにくっつく。ライスにとってはウェイトになるし、俺はライスについて回れる」
「忍者みたい!・・・でも、危なくない?お兄さまが怪我したら、ライス・・・」
「大丈夫。ヘルメットとプロテクターはするし、地面はクッション性の高い芝だ。もし落ちても多分怪我はしないよ」
とは言っても、やはりウマ娘にこの役はさせたくない。
「い、行くよ!」
ライスが走り、パラシュートが風を受けて浮かび上がる。
こちらは何度かジャンプするだけで良かった。
「そのままスムーズに加速!」
ライスのフォームは乱れていない。
ある程度洋芝にも慣れてきたようだ。
「良いぞ!トップスピードを維持するんだ!」
「やぁぁぁっ!」

三十分後の天気は>>777(晴れまたは雨)
777 : トレぴっぴ   2025/08/23 22:55:30 ID:doCqsZj1rk
778 : 使い魔   2025/08/24 22:50:07 ID:ACl2AwYcFw
しばらくパラシュートランを続けていると、少しずつ空が暗くなってきた。
三十分前は晴れていたのに、雨が降るのだろうか。
「どうするの、お兄さま?」
弱い雨なら十分継続可能だが、強くなれば足元が不安だ。
さらに、もし雷が鳴り出したらパラシュートを使うのは危険だ。
「うーん、念のためここでやめておこう。余計なリスクは抱えたくないからな」
「うん、分かった」
この判断は正解だった。
雨はどんどん強くなり、雷鳴も何度か聞こえた。
「さっきまで晴れてたのに、不思議だね」
「風が強いから雨雲の移動も早いって事なのかな」
屋外でのトレーニングは出来なくなってしまったが、今何も出来ない訳ではない。
「屋内で出来るトレーニングをしよう」
過去のレース映像を見たり、コースについて勉強したりする事にした。
「このウマ娘が前回の覇者、リガントーナだ。爆発的な追い込みで、たとえ最後方からでも飛んでくる」
「すごい・・・!」
映像を見てライスは息を飲む。
正直、他のウマ娘とはレベルが違うように感じられた。
彼女が今年も出走していたらと思うとぞっとする。
「凱旋門はこのレベルのウマ娘が出てくるようなレースだ。今回リガントーナは走らないが、そのくらいの相手が出てくる事も覚悟しておかなくちゃいけない」
「ライス、勝てるかな・・・」
実際、勝利するのはかなり難しい事だ。
だが、ライスシャワーのトレーナーとして言わなくてはならない。
確率がゼロでないのなら。
「俺がきっと勝たせてみせる。だから、信じて走ってくれ」

ライスシャワーと行く場所は>>779(シャンゼリゼ通りまたはセーヌ川沿い)
779 : アナタ   2025/08/24 22:51:00 ID:o61y6YSHao
シャンゼリゼ通り
780 : 貴方   2025/08/25 22:55:23 ID:/nckS1AAKo
「ここがあの有名なシャンゼリゼ通りか」
「わぁ・・・!写真で見たのと同じだ!」
シャンゼリゼ通り。
コンコルド広場から凱旋門まで続く美しい大通り。
これぞパリといった景色が見られる。
「凱旋門まで行ってみようか」
「うん!」
日々海外でのトレーニングを頑張っているライスの息抜きのため、たまにこうして観光しているのだ。
日本とは違う新鮮な街並みが好奇心をくすぐる。
「まだ道が濡れてるから気をつけるんだぞ」
昨日の雨は水溜まりとなって道に残っている。
「分かっ、ひゃっ!?」
足元に気を取られ、曲がり角からの通行人にぶつかりそうになってしまった。
「Oups!?」
相手もウマ娘だった。
バランスを崩しそうになったライスの手を取り、肩を支えて受け止める。
まるで絵本に登場する王子様だ。
「ご、ごめんなさい!あ、えっと、ぱるどん!」
『こちらこそごめんなさい!怪我はありませんか?』
ネイティブのフランス語に、理解がなかなか追いつかない。
「もしかして、Japonのカタ、ですか?会いたかった、です!」
日本語も少し話せるようだった。
「私は、ヴェニュスパーク、言います!よろしく、どうぞ!」

ヴェニュスパークと行く場所は>>781(喫茶店または凱旋門)
781 : あなた   2025/08/25 22:56:00 ID:AavbbqKRsg
喫茶店
782 : トレーナーちゃん   2025/08/26 22:50:15 ID:Xupvh4rTSU
「Japon・・・ニホンにはうどんずしがあると聞きます、た!美味しい、ですか?」
たまたま出会ったフランスのウマ娘、ヴェニュスパークと近くの喫茶店で話す事になった。
目をキラキラさせてライスに様々な質問を投げかける。
「うーん、聞いた事無いかな・・・」
「はは、変に伝わってるな」
逆に、こちらが知っているフランスの文化も変な伝わり方をした結果のものなのかもしれない。
「Prix de l'Arc de Triomphe・・・凱旋門賞のためにニホンから来たですね!私も外国に行ってみたい、です!」
コーヒーを飲みながら交流を深める。
普段とは違う物事の捉え方が出来るため、良い刺激となっている。
そのせいか、何となく頭のどこかに引っかかりを感じる。
「ヴェニュスさんは普段どんなトレーニングをするの?」
「子供達と遊ぶをしています!すごく良い鍛えになります!」
やはりトレーニングやレースの話題は欠かせない。
「私、凱旋門賞走ります。なのでライスと勝負、です!」
「ええっ!?そ、そうなの!?」
引っかかりの正体。
フランスで活躍中のウマ娘がヴェニュスパークという名前だったと、今思い出した。

ニエル賞でのライスシャワーの枠順は>>783(1〜9番)
783 : 貴方   2025/08/26 22:51:00 ID:e4AyYf9xk.
3番
784 : あなた   2025/08/27 22:48:41 ID:hKpw4FbEDk
「そうか、日本語と発音が少し違うから気付かなかったんだ」
ヴェニュスパークは現在クラシック級で、既にフランスGIを2勝している。
凱旋門賞に出走するウマ娘はある程度チェックしていたが、あまり詳しくは調べられていなかった。
向こうがライスの事を知っていたのか、実際のところは分からない。
「それでは!Salut!」
「うん!またね!」
子供のように跳ねながら去っていったヴェニュスパーク。
ライスも手を振り返す。
「不思議なウマ娘だな。明るくて親しみやすいのに、オーラがある」
「お兄さま。ライス、ヴェニュスさんの走りを見てみたい。何となく、ヴェニュスさんは強いって感じるんだ」
レースやトレーニングを見た訳でもないのに、その強さが伝わってきたようだ。
同じ立場で競う者同士、何か感じ取れるのかもしれない。
「よし、戻ったら資料を探してみよう」
その日はヴェニュスパーク関連のデータや映像を色々と調べ上げた。
「これが・・・!」
走りを目の当たりにして、ライスは息を飲んだ。
日本のウマ娘が低レベルな訳ではないが、それでもヴェニュスパークの走りは一際輝いていた。
「まずはニエル賞、だね」
「ああ。凱旋門賞だと思って走ってくれ」
条件はほぼ同じ。
前哨戦というより予行練習として走ってもらう事にする。
『3番のライスシャワーは気合い十分です!日本からの使者の実力や如何に!』
フランス語の実況はあまり理解出来なかったが、ライスが期待されている事は分かった。
『さぁ、間もなく出走です!』

レース序盤のライスシャワーの位置は>>785(1〜9番手)
785 : トレーナーちゃん   2025/08/27 22:49:30 ID:YOTLK1JPOI
5番手
786 : お前   2025/08/28 22:46:11 ID:bAdlWcm/Ek
「トレーナー、襟が歪んでるわよ。ちょっと目を離すとこうなんだから」
「おっと。ありがとう」
日本から応援に来てくれたスカーレット、スカイ、ルビーと合流し、観客席の最前列に陣取る。
「ライスさんが勝ったらアンタもいっぱいテレビに映るのよ?しっかりしなさい!」
スカーレットに襟を直してもらう。
ニエル賞を制したライスシャワーのトレーナーとして、相応しい立ち居振る舞いを意識しなくては。
もっとも、まだライスが勝った訳ではないのだが。
「おっ、ライスさんだ。頑張って下さ〜い!」
ライスがこちらに気付き、小さく手を振る。
緊張はしているようだが、レースに悪影響は無い程度だろう。
『各ウマ娘、ゲートインしました。ニエル賞、今スタート!』
スタートは揃っていた。
前を狙うウマ娘が多く、ライスは5番手の位置についた。
「たった9人のレース、普段と同じ戦略は取れないか」
人数が少なければブロックはされにくいが、それは全員同じ。
良いポジションを激しく取り合うレースになるかもしれない。
『来いよ!』
『させないわ!』
『ふっ、計画通り』
フランスのウマ娘達はこのバ場でのレースに慣れている。
対して、日本のライスシャワーとマンハッタンカフェは下手に動かない。
パワーを発揮しにくい長い芝で競り合いは避けたいのだろう。
「展開は悪くない。ペースは日本と比べると遅いな」
スローペースだが、体力の余裕は無い。
ここから日本のウマ娘の真価を見せるには、やはりスピード勝負か。
「仕掛けるタイミングが重要になりますね」

先に仕掛けるのは>>787(ライスシャワー・マンハッタンカフェ・フランスのウマ娘のいずれか)
787 : 貴様   2025/08/28 22:47:00 ID:MPff0c0UmU
フランスのウマ娘
788 : 相棒   2025/08/29 22:49:01 ID:38Wlt5D.fM
『ここで2番と6番が同時に仕掛けた!逃げる9番も加速する!』
コースは凱旋門賞と同じロンシャン2400m。
仕掛けるタイミングは練習してきた通りで良い。
「はぁっ!」
ライスもここで前に出た。
クッション性の高い芝で最高速を最後まで出し切るにはこのタイミングがベスト。
『5番マンハッタンカフェも遅れて仕掛けた!』
マンハッタンカフェは前が詰まっていて出遅れたようだ。
「ここからでも、追いつく・・・!」
しかしじわじわと位置を上げていく。
フォルスストレートを抜け、本当の最終直線へ。
スパートはまだまだ続く。
ライスのスタミナならあと600mを全力で走り抜けられるはずだ。
「行けぇぇぇぇぇぇっ!ライスぅぅぅぅぅっ!」
ひたすらに叫ぶ。
ライスは現在3番手。
このままのペースなら十分先頭に出られる。
「たぁぁぁぁぁぁっ!」

ライスシャワーの着順は>>790(1〜3着)
789 : トレーナーさま   2025/08/29 23:59:54 ID:lm04lepKM.
1着
790 : お兄ちゃん   2025/08/30 00:00:00 ID:teb9yMYqz2
1着
791 : マスター   2025/08/30 22:50:33 ID:Ub5/lZOfRA
「まだ・・・遠い。届かない」
マンハッタンカフェは伸び悩む。
十分な加速が出来ていないようだ。
『渡さないっ!』
フランスのウマ娘もプライドがあるのか、必死に速度を上げようとする。
『くっ!?』
その時、後ろから迫るライスの気配を感じて萎縮した。
絶対に差すという鋭い意志。
ライスは外に回り込んで追い抜いた。
「よし!あと一人!」
「残り100!」
「ライスさん、貴方なら」
「行けぇぇぇぇぇっ!」
誰にも負けないくらいに叫ぶ。
『3番ライスシャワー!2番に並ぶ!』
「ライスが、勝つ!」
力強く長い芝を蹴り、欧州の風を切り裂く。
日本のウマ娘、そしてライスシャワー自身の矜恃を見せる時だ。
「はぁぁぁぁぁっ!」
『ライスシャワー!ライスシャワーがニエル賞を制しました!』
最後に抜け出し、アタマ差で勝利した。

ライスシャワーへのインタビューは>>792(日本語またはフランス語)
792 : お姉ちゃん   2025/08/30 22:51:30 ID:teb9yMYqz2
不慣れなカタコトの日本語
793 : アナタ   2025/08/31 22:43:57 ID:gii215nPRI
今日はお休み
794 : ダンナ   2025/09/01 22:53:48 ID:K8EN7ZxmaM
「よし!」
強く拳を握り締める佐岳さん。
日本のウマ娘が海外でも通用する事を改めて実感出来たのが嬉しかっただろう。
「お兄さま!ライスやったよ!」
「ああ!よく頑張った!良いレースだったぞ!」
今出来るベストの走りだった。
初めての海外レースでも動じる事無く、ベストな位置で仕掛ける事が出来た。
「オメデトウゴザイマス!アァ・・・イマノキモチハ?」
勝利インタビューはライスに合わせて日本語での質問となっていた。
普通に通訳を挟んだ方が良いような気がするが、これがこちらのやり方なのだろうか。
「えっと、練習してきた通りに走れて良かった、です」
釣られてライスもたどたどしい話し方になってしまっている。
これもライスらしくはあるが、せっかく世界に放映されるので、ライスのかっこいいところも見てもらいたい。
『私が通訳してもよろしいでしょうか?』
フランスのインタビュアーにそう言ったのは乙名史記者だった。
「ライスさん!次はいよいよ凱旋門賞ですね!自信のほどは!」
「今日みたいな走りが出来たら勝てると思います!」
知り合いが代わってくれたおかげで、ライスもハキハキと答えられるようになった。

ライスシャワー達と出かける場所は>>795(パリの観光地)
795 : アネゴ   2025/09/01 22:55:00 ID:A3Ql7rWurM
ノートルダム大聖堂
796 : お姉ちゃん   2025/09/02 22:49:00 ID:YZRxlwe1qk
「ノートルダム大聖堂!聞いた事あるわ!」
ライスの勝利を祝うため、皆でライスの好きな場所に出かけようという話になった。
ライスが行きたいと言ったのは、ノートルダム大聖堂。
セーヌ川に浮かぶシテ島にある壮大な大聖堂だ。
「実はね、絵本に出てきたんだ。ノートルダム大聖堂の中で動物さん達がレースするってお話なんだけど・・・」
「か、変わったお話ですね・・・」
ライスは絵本を読むのが好きで、海外遠征前はフランスやヨーロッパに関する絵本を何冊も読んでいた。
文字通り、聖地巡礼だ。
「ゴシック建築の中で最も有名なものの一つですね」
「綺麗だな」
「その外観から、白い貴婦人とも呼ばれているそうです」
ルビーは幼い頃から芸術や歴史など様々な事を教わってきた。
そのような教養がルビーの淑やかさを形作っているのだろう。
「早く中も見ましょ!」
スカーレットに手を引かれ、中へ進んでいく。
「ん?あれって・・・」

ノートルダム大聖堂で出会ったのは>>797(ゼンノロブロイ・マンハッタンカフェ・ハッピーミーク・佐岳メイのいずれか一人)
797 : モルモット君   2025/09/02 22:50:00 ID:.DL8IZErLE
ハッピーミーク
798 : お姉ちゃん   2025/09/03 22:55:40 ID:RCbLMiyfgs
「あ、トレーナーさん!こんなところでお会いするなんて!」
こちらに気付いた桐生院トレーナーが手を振る。
彼女もハッピーミークと一緒にここに来ていたようだ。
「私達もいるんですけどー」
スカイが呟く。
「ミークと散歩をしていたらここに辿り着いてしまって。せっかくなので中を見ていく事にしたんです」
「トレーナーと歩くの、好き」
トレーナーとウマ娘の関係や距離感は様々だ。
この二人の場合、のんびり散歩するのが合っているらしい。
「ら、ライスだってお兄さまとよくお散歩するよ!」
張り合うようにライスが言った。
その後、桐生院トレーナー達も含めて大聖堂の中を見て回った。
「スプーンなら普段使い出来るわね」
「これ、ルビーに似合いそうだな」
「がーごいる」
最後にお土産を買った。
ルビー達はそろそろ日本に戻らなくてはならない。
「では、次は凱旋門賞で」
「ああ。ありがとう」

ライスシャワーと次に行うトレーニングは>>799(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
799 : アンタ   2025/09/03 22:56:30 ID:FKiaz04idY
賢さ
800 : お兄ちゃん   2025/09/04 22:45:35 ID:KS8/Wn.sVs
「さて、次はいよいよ凱旋門賞だな」
「うん!」
ニエル賞の勝利に浸っている時間は無い。
あくまで本命は凱旋門賞だ。
「いっぱいトレーニングして、みんなにライスが勝つところを見てもらうんだ!・・・幸せを届けられるように」
ライスのモチベーションの根幹は、不幸を起こす自分でも人々を幸せにしたいというもの。
見ていて勇気を与えられるような堂々たる走りが出来るように、トレーナーとしても気合いを入れなければ。
「今日は一緒に走るライバルの研究をしよう」
ヴェニュスパークだけでなく、フランスのウマ娘は皆強敵だ。
さらに、フランス以外の海外ウマ娘やプロジェクトL'Arcに参加する日本のウマ娘とも競わなければならない。
「まずはそれぞれの前走を見ていこう」
資料は佐岳さんが用意してくれている。
こうしたデータを大規模に集められるのはプロジェクトL'Arcの利点だ。
まずはレース映像を確認していく。

ライスシャワーと観るレース映像は>>801(前回の凱旋門賞・今回のフォア賞・今回のニエル賞のいずれか)
801 : あなた   2025/09/04 22:46:30 ID:jH3.jYd0UQ
前回の凱旋門賞
802 : トレ公   2025/09/05 22:57:35 ID:Xdg1kIXOEw
「このウマ娘は前回の凱旋門賞も出走している。最終的には5着だけど、途中まではかなり良い逃げだった。今年も逃げてくるだろうな」
ライスはライバル達の走りをじっと見ている。
獲物を観察する狩人のような目だ。
「フォルスストレートに入ってから、後ろが一気に動いたな。それにいち早く反応した3番が勝利している」
先行策を取っていたウマ娘が、後続との差をキープし続けたのが勝因。
スカーレットのように、後ろに抜かせない走りだ。
「ライスなら同じような事が出来ると思う。これもプランとして考えておいてくれ」
「うん」
その場で臨機応変に作戦を変える事も必要になる。
前めにつけて走るライスの場合、前回の勝ちウマ娘のような作戦も選び取れるだろう。
「最後の直線、スピードが全然落ちてないね」
「ああ。元々スローペースだったからな」
結果から原因に遡り、勝利の糸口を探す。
ライスは確かに強いウマ娘だが、絶対の強さは持っていない。
勝てる可能性を少しでも上げるには、積み重ねていくしかない。
「お兄さま、ライス走りたい。今見た走りをやってみたいの」
「分かった。身体で覚えよう」

ライスシャワーと併走するウマ娘の数は>>803(1〜3人)
803 : トレーナーさん   2025/09/05 22:58:30 ID:wTQh1X7PCY
3人
804 : お兄さま   2025/09/06 22:53:51 ID:qBGSy./iNg
過去の凱旋門賞の映像を見て、勝利パターンをいくつかのタイプに分ける。
その上で、近い走り方のウマ娘にそれを再現してもらう。
協力を要請しやすいのはプロジェクトL'Arcの利点だ。
「マンハッタンカフェ。後ろに控えつつ、早めにロングスパートに入る。ゼンノロブロイ、先頭をスローペースで走り、二回に分けて加速する。ハッピーミーク、中団から最内を通って前に抜け出る。ライスシャワー、常に二番手の位置で走り、後ろのスパートと同時に最大加速をする」
簡単に作戦内容を伝えていく。
四人での併走で凱旋門賞と同じ条件にはならないが、勝手は分かる。
この走り方が自分に合っているのかどうかを知るのも大事だ。
「ロブロイ、コーナーで膨らまないようにな」
「は、はい!気を付けます!」
「カフェはストライドを意識していこう」
「そう、ですね。こちらでは、乱れてしまう事が多いですから」
「トレーニングとは言え、全力で勝ちに行きましょう!」
「むん。走る時は、速く」
合同トレーニングはトレーナーとしても有益だ。
海外レースについて経験不足な分、少しでもノウハウを蓄積しておかなければ。
「ライス、準備は良いな?」
「うん、いつでも大丈夫だよ」
「よし。・・・よーい、スタート!」

一着になったウマ娘は>>805(ライスシャワー・マンハッタンカフェ・ゼンノロブロイ・ハッピーミークのいずれか一人)
805 : 貴様   2025/09/06 22:55:00 ID:6Gypmb6g7c
マンハッタンカフェ
806 : 大将   2025/09/07 22:54:14 ID:Z4wYEQtCn2
順調にそれぞれの作戦を遂行している。
今、凱旋門賞勝ちウマ娘同士の夢の対決を見ているのかもしれない。
「ふっ」
マンハッタンカフェが残りおよそ1000m地点で速度を上げた。
三番手のハッピーミークに外から並ぶ。
非常に長くスパートをしなくてはならない上、距離のロスもある。
並大抵のスタミナでは実行出来ない作戦だが、これで実際に勝利したウマ娘もいたのだ。
「内には入らせない」
ハッピーミークもマンハッタンカフェと競り合うように前に出た。
「たっ!」
ライスは進路を外に取り、一気に加速する。
後ろ二人のスパートに反応したのだ。
「これだと・・・」
ゼンノロブロイも一瞬遅れて脚を速める。
しかし差は既にかなり縮まってしまっている。
スローペースの逃げはハマると強いが、確実性に欠ける。
ゼンノロブロイの走りとは少し系統が違っていたようだ。
「まだ、走れる」
マンハッタンカフェのスピードは落ちない。
「む」
ハッピーミークは前のライスと外のマンハッタンカフェに進路を塞がれてしまう。
ライスもゼンノロブロイを抜いた。
「ライスだって!」
最終直線、ライスとマンハッタンカフェの激しい競り合い。
能力に大きな差は無い。
どちらが勝ってもおかしくない。
「やぁぁぁぁっ!」
「はぁっ!」
マンハッタンカフェが僅かに先着した。
「はぁ、はぁ、はぁっ。もう少し、だったのに」
「アナタの影は、届いていました。何かがあれば、結果は変わっていたでしょう」
この併走からはいくつもの課題が見えた。
あとはそれぞれで持ち帰り、改善していこう。

ライスシャワーと食べるものは>>807(フランス料理または日本料理)
807 : マスター   2025/09/07 22:55:30 ID:OcaLLd6Gfg
日本料理(卵雑炊)
808 : 相棒   2025/09/08 22:43:00 ID:ut2CBCamTg
今日のトレーニングは終了。
データを整理していると、部屋のドアがノックされた。
「こんな時間に誰だ?はーい・・・ってライス?」
開けてみると、耳をぺたりと寝かせたライスが立っていた。
「あの、夜遅くにごめんなさい、お兄さま。ちょっと聞きたい事があって」
「どうしたんだ?」
もしや怪我や病気だろうか。
自分にしか分からない些細な違和感がそれらの予兆である事は多々ある。
ライスの様子だと、事態は軽くないかもしれない。
「あ、あのね・・・」
ライスは意を決して言った。
「お腹が空いたの。だから、何か食べても良いか確認しておきたくて」
「そ、そんな事か・・・」
特に悪い事は起こっていないようで安心した。
「いや、ごめん。大事な事だもんな」
空腹のせいで調子を崩されるのも困る。
小さな事かもしれないが、コンディション、そしてライスの幸せのためには重要だ。
「よし、じゃあ夜食を食べよう」
「良いの?やったー!」
ライスは嬉しそうに小さく跳ねた。
宿泊施設のキッチンや一部の食材は自由に使える。
こうした事態も想定していたのだろう。
「何を作るの?」
「卵雑炊なんてどうだ?消化に良いし、満腹感もある」
「わぁ・・・!美味しそう!」
ライスと協力しながら調理していく。
工程自体は簡単だ。
「お兄さまは卵をお願い」
「分かった」
だしなど、フランスには無いような調味料もある程度揃っている。
食べ慣れた日本料理でコンディションを戻すためだろう。
「いただきます!」
それなりの量があったが、ライスは簡単に平らげた。
「たまには夜食も良いな」
「うん、また食べたいな」

次のトレーニング時の天気は>>809(晴れまたは雨)
809 : お兄さま   2025/09/08 22:44:00 ID:4hQrMFCoio
810 : モルモット君   2025/09/09 22:43:25 ID:V1p15xrJp6
「おはようお兄さま」
「おはよう。今日は雨だな」
凱旋門賞の日は近い。
生憎の雨だが、トレーニングは中止出来ない。
「雨の中のトレーニングだ。走りづらいとは思うけど、頑張ろう」
「うん、本番も雨になるかもしれないもんね」
この時期の欧州は雨が多い。
過去、雨の凱旋門賞も何度も行われてきた。
天気はコントロール出来ないからこそ、このタイミングで経験を積んでおかなければ。
「芝に足を取られないように、踏み込む強さを調整するんだ」
強過ぎても弱過ぎても上手く走れない。
体重や速度、摩擦などを感覚で計算し、即座に加減しなくてはならない。
「次は、ライバルと一緒に走っているのを想像しながら。相手を徹底的にマークするイメージで」
「きっと、カフェさんなら・・・」
この前の併走を思い出しながら走る。
併走もダービーの時もニエル賞の時も雨では無かったため、正確なイメージは出来ないかもしれない。
だが、マンハッタンカフェの走りはライスの中に焼き付いている。
「ここ!」
ぐしょぐしょになった芝を蹴り、加速する。
ライスの中のイメージに勝利出来ただろうか。
「ライス、どうだった?」
ライスは首を横に振った。
「ううん、まだ足りない。もっと突き詰められるはず・・・」
世界に挑むのだ。
妥協は出来ない。
「よし、満足行くまでやろう」

ライスシャワーが走った本数は>>811(3〜10本)
811 : 相棒   2025/09/09 22:44:30 ID:jm6oah4VGA
7本
812 : トレーナー君   2025/09/10 22:46:42 ID:04uZtT5acY
「うーん・・・もう一本!」
ライスはまだ納得出来る走りが出来ていないようだった。
全体を通して完成度の高い走りではあるが、細かい部分を修正したいらしい。
「はぁ、はぁ・・・」
「一度休もう。無理して走っても良い結果は出ないよ」
「でも・・・」
ライスの表情には焦りが見えた。
凱旋門賞に対して、努力はしてもし足りない。
どれだけやっても完全な安心は得られないのだ。
だが、だからこそ、焦りは禁物だ。
「メリハリをつけて、きちんと走る。基本は忘れないようにな」
「・・・そうだね。うん、分かった」
水分や塩分を摂取し、マッサージを行う。
コンディションを整えて、良い状態で再開する。
「まだ我慢だ!コーナーを抜けてから!」
雨の中、何度も走る。
調整だけでなく、スタミナ強化にもなっている。
「最後!出し切れ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
疲れているはずなのに、キレは良かった。
これが今日出来るベストの走りだと悟った。
「今日はここで終わりにしよう。お疲れ様」
「・・・うん。最後は上手く走れた気がする!」
2400mのコースを7回も走った。
ハードなメニューだったが、ライスはやり抜いた。
「風邪は引かないように早く着替えるんだぞ」
タオルでライスの頭を拭く。
「えへへ、分かった」

佐岳メイと行く場所は>>813(ロンシャンレース場または凱旋門)
813 : キミ   2025/09/10 22:47:30 ID:iOrA2wUZBE
ロンシャンレース場
814 : 使い魔   2025/09/11 22:56:26 ID:4SdYi7y.f.
今日はお休み
815 : トレぴ   2025/09/12 22:53:44 ID:zuVKj0s9kk
今日はロンシャンレース場でファン交流イベントが行われる。
凱旋門賞前のお披露目も兼ねて、凱旋門賞に出走するウマ娘も何人か参加しているようだった。
『応援ありがとう!』
『ワタシの勝利!その目に焼き付けたまえ!』
サインや握手などに加え、賞品を貰えるクイズ大会などもあった。
「トレーナー!あっちにガラスで出来たスピードシンボリ像があるらしいぞ!」
佐岳さんに手を引かれ、早足で進む。
普段は頼もしい佐岳さんだが、今日は子供のように目をキラキラさせている。
「み、見えない!」
展示されている像の周りには人が多く、小柄な佐岳さんはつま先で立ってそれを見ようとする。
しかし、あまり見えていないようだった。
「くっ、諦めるしかないのか・・・!」
「いえ、諦めるなんて出来ませんよ」
佐岳さんの身体を持ち上げ、目線を高くした。
「わっ!?ちょっ、トレーナー!?」
「見えましたか?」
安全には配慮しながら持ち上げ続ける。
「ああ!見えた!ははっ!すごいぞ!」

イベントに出演するウマ娘は>>816(ヴェニュスパークまたはスピードシンボリ)
816 : お姉ちゃん   2025/09/12 22:54:30 ID:nMomEPv5f.
スピードシンボリ
817 : お前   2025/09/13 22:49:49 ID:8lKZF24JfU
「本物とどちらがすごいかな?」
「それはもちろん本物だな・・・って」
後ろからの声に、佐岳さんが息を詰まらせる。
「スピードシンボリ!?」
「久しぶりだな、メイ」
本物のスピードシンボリさんがいた。
とうに現役を退いていると言うのに、そのオーラは輝きと重さを放っている。
「来ていたのか!はは!びっくりしたよ!」
「プロジェクトL'Arcは参加出来なくてすまないな。ありがたい事に忙しくてね。今日も仕事で来ているんだ」
日本のウマ娘の海外挑戦の先駆けとなった伝説的な存在、スピードシンボリ。
かつてスカーレットと一緒に助言を受けた事もあった。
「君も元気そうで何よりだ。ライスシャワーの活躍も耳に入っているよ」
「ありがとうございます」
軽く話した後、スピードシンボリさんはステージに登った。
『皆、驚いてくれたかな?今日は少しだけ私の話をしようと思うんだが、聞いてくれるか?』
イベント参加者へのサプライズとして、スピードシンボリさんの講演が行われた。
全てがフランス語であったが、佐岳さんが要約しつつ訳してくれたため内容は理解出来た。
「やっぱりすごいな、君は」
佐岳さんは誇らしげに呟いた。
「佐岳さんはスピードシンボリさんと一緒に凱旋門賞に挑んだ事があったんですよね」
「ああ。当時は全く未知の領域だったから大変だったよ。ただ、多くのものを得られた」
先陣を切って挑戦してくれたからこそ、今こうしてプロジェクトL'Arcが実行に移されている。
感謝してもし足りない。
「俺達でしっかり受け継がないとな」

次にライスシャワーと行うトレーニングは>>818(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
818 : アナタ   2025/09/13 22:51:00 ID:lggnPPoJO6
根性
819 : 貴様   2025/09/14 22:49:28 ID:dAASViyU.I
「今日は佐岳さんも一緒にトレーニングしてくれるぞ」
「よ、よろしくお願いしましゅ!」
海外でのトレーニングにも慣れてきたが、第三者の視点から確認してもらう事も忘れてはいけない。
「どんなトレーニングをするんだ?」
「パドルボードを使って体幹を鍛えるつもりです。バ場状態が悪くても姿勢がブレないように」
走る時に直接使うのはもちろん脚だが、脚は胴体と、胴体は腕や頭、尻尾と繋がっている。
それら全てでバランスを取らないと、せっかく生み出した推進力が上手く地面に伝わらなくなる。
バランスが崩れないような身体作りが大切だ。
「わ、わわっ・・・!?」
流れの穏やかな川に浮かべたボード。
ライスは慎重に足を乗せる。
「はっはっは!もたつくと余計に乗りにくくなるぜ!勢いだ!勢い!」
佐岳さんは既にボードの上に立ち、パドルを使って進んでいた。
「まずは座ってやってみようか」
「う、うん」
ボードの上に座っても、体幹は十分に鍛えられる。
段階的に負荷を上げていこう。

凱旋門賞に出走する代表メンバーの人数は>>820(3〜6人)
820 : トレピッピ   2025/09/14 22:50:30 ID:DusdU.HzxE
4人
821 : トレーナーさん   2025/09/15 22:52:33 ID:uGAGe/l33w
「ゆっくり、ゆっくり・・・!」
「た、立てた!」
少しずつライスも慣れてきて、ボードの上に立てるようになった。
「じゃあ漕いでみるか!」
佐岳さんが横につき、ライスはパドルを使って水面を波立たせる。
「わ、動くと、わっ!?」
「ライス!・・・ふぅ」
バランスを崩しそうになったが、何とか踏みとどまった。
その後も危ない場面はあったが、落水はしなかった。
「今日のトレーニングはここまで。明日はしっかり休んで、明後日の代表選抜レースに備えよう」
この代表選抜レースはプロジェクトL'Arcメンバーだけで行う。
このレースの結果と海外での公式レースでの成績を総合的に見て凱旋門賞に挑むメンバーを決めるのだ。
「代表メンバーはたった4人。誰がメンバー入り出来るかは正直まだ分からない」
他の参加者もかなり実力が伸びている。
ニエル賞を制したライスだが、メンバー入り確実とはまだ言えない。
「ライス、絶対に代表入りする。お兄さまと一緒に凱旋門賞に挑戦するって決めたから」
「ああ。頑張ろう!」
ライスの目には覚悟の光が宿っていた。
「良い気合いだ!期待してるぞ!」

選抜レースでのライスシャワーの枠順は>>822(1〜9番)
822 : アンタ   2025/09/15 22:53:30 ID:KHa5iJigqI
1番
823 : トレーナーさま   2025/09/16 22:44:35 ID:Wl9B5J6vJs
凱旋門賞に出走するウマ娘を決める代表選抜レース。
日本のウマ娘同士で枠を奪い合わなければならない。
「恨みっこなしだぜ!」
「負けるつもりなんてハナから無いから」
「が、頑張ります」
レースが行われるのはVR空間内のロンシャンレース場。
本番と同じコースで行うのは自然な流れと言える。
「・・・ロブロイさん、大丈夫、ですか」
「あ、は、はい!緊張はしていますが、大丈夫です!」
ゼンノロブロイは顔を上げた。
「海外レースであまり良い結果が出ていないので、代表入りするためにはこのレースで勝たないと」
元気が無いように見えたのは、心の内で静かに覚悟の炎を燃やしていたからなのかもしれない。
「ミーク。いつも通り、臨機応変にいきましょう」
「むん」
クラシック級もシニア級も関係無く、同じ枠を争う。
クラシック級のライスにはどうしても経験の差で不利が生まれてしまう。
必要なのは、不利すら突破出来るくらいの高い実力。
「代表入りは前提、だから。勝たないと」
ライスは集中を高めながらゲートに入る。
「スタートしました!おおっと!先頭に立ったのは1番ライスシャワー!」
内枠の影響もあり、幸か不幸か、ライスがハナを取った。
先頭は風を避けられない分消耗する。
だが、前にいるというのは誰よりゴールに近い事も意味する。
「どっちに転ぶか、だな」

選抜レースでのライスシャワーの着順は>>824(1〜5着)
824 : ダンナ   2025/09/16 22:45:30 ID:0bLX8IzdVo
1着
825 : アンタ   2025/09/17 22:44:02 ID:QI./PgLoKk
「3番ハッピーミークが2番手。先頭をやや離れた位置から狙っています」
構図としてはライスが単独で逃げる形になっている。
これまであまり経験した事の無い展開だ。
「掛かっているのか?」
「いや、冷静さは失っていないようですよ」
「うーん。とは言え逃げが残るかなぁ・・・」
周りのトレーナーも展開を見て唸る。
トレーナーの方も、様々なレースを見て勉強しているのだ。
「負けられないのは、私だって同じです!」
ゼンノロブロイが早めに仕掛けた。
2番手のハッピーミークに外から並び、追い抜こうとする。
「抜かせない」
ハッピーミークも呼応して加速した。
「・・・予定外、ですが」
マンハッタンカフェは、やむを得ず前に出た。
末脚勝負よりもスタミナを活かしたロングスパードが得意な彼女にとって、前のウマ娘達が早めに仕掛けるのは都合が悪い。
リードをこれ以上広げられないためにも今追う必要があった。
「ラァァァァイス!根性で粘れぇぇぇぇっ!」
フォルスストレートを抜け、真の最終直線へ。
長い最終直線により、逃げ切り勝ちは難しくなる。
だが、ライスはなかなか沈まない。
「さ、差が縮まらない・・・!」
あと1バ身のところから差を縮められないゼンノロブロイとハッピーミーク。
「これが、今のライスさんの力」
いつものように前に強いプレッシャーをかけていた訳ではない。
そういった事は何も無い、素の力でライスシャワーは勝利した。
「ライスシャワー一着!圧倒的だ!」
「今やメンバーの中で一番の実力者かもな」
国内GIをあと一歩のところで逃したライスだが、ここに来てその実力は大きく伸びた。
「これなら、凱旋門賞も」

ライスシャワー達と一緒に行うトレーニングは>>826(自由な形式)
826 : 相棒   2025/09/17 22:47:00 ID:ZAOXVQg0Ic
セーヌ川沿いを持久走
827 : トレピッピ   2025/09/17 22:47:13 ID:67JK8sXFjE
イメトレ

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