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安価で決める自由なスポ根・続
1 :
トレーナー君
2024/08/24 22:22:10
ID:tq5sXyWX12
前スレ
https://umabbs.com/patio.cgi?read=9738&log=past&res=1000
・安価によって行き当たりばったりのストーリーを展開していきます
・必ずしも史実通りの成績にはなりません
・安価による指定さえあれば翌日中には更新します
680 :
お姉さま
2025/07/07 22:45:54
ID:XeMoQ9pOfo
パスが次々と繋がり、一気に攻め込まれる。
「ゆっくりしゅーと」
ハッピーミークのシュートがキーパーの意表を突き、ゴールネットを揺らした。
「まだまだ!すぐに返すぞ!」
失点はしたが、試合はまだ前半戦。
十分に逆転の余地はある。
「ごめんなさい。ライスが不器用なせいで・・・」
「きっ、気にしないで下さい!」
ライスの身体能力は低くないが、運動神経は良くないらしい。
走る事以外のスポーツは苦手だと言っていた。
ただ、ドッジボールの時の様子を見る限り、深く集中したり強い目的意識があったりすると動きが良くなる。
普段は臆病さがリミッターになっているのかもしれない。
「よっ、ほっ、こっちこっちー!」
スカイの華麗なドリブルに翻弄されるこちらのチームのトレーナー達。
「スカイの考えている事なら俺が一番分かってる!」
スカイのフェイントを読み、ボールを奪いに行く。
「にゃはは〜、トレーナーさんってば鈍いな〜」
フェイントはある程度読めたものの、スピードとテクニックでは全く及ばなかった。
681 :
貴方
2025/07/07 22:46:00
ID:XeMoQ9pOfo
「スカーレット!」
「決めるわ!」
ロングパスを受け取ったスカーレットの強烈なシュート。
真っ直ぐ突き進むボールを、身を呈して止める。
「ぐあっ!?」
「お兄さまっ!?」
ボールはほぼ真上に浮き上がった。
「俺は良いから、ごほっ、ボール、を」
マンハッタンカフェが静かに忍び寄り、ライスに渡す。
「お願いします」
「たぁぁぁっ!」
気迫の籠ったライスのシュート。
「ぐっ!?」
佐岳さんよりも速く飛んで、ゴールに入る。
「やったー!」
「今のはすごかったな」
その後終盤まで同点だったが、スカーレットの弾丸シュートが決勝点となってしまった。
「負けちゃったね・・・」
「でも、楽しかったから良いんじゃないか?」
「そうだね」
ライスシャワーと次に行うトレーニングは
>>682
(シュート・ドリブル・リフティングのいずれか)
682 :
貴様
2025/07/07 22:46:30
ID:jPM9939wnw
ドリブル
683 :
キミ
2025/07/08 22:46:30
ID:m6H4nKBTO2
「今日はサッカーボールを使ったトレーニングをしてみよう」
この前行ったプロジェクトL'Arc参加者でのサッカーの試合。
トレーニングに活かせそうだと思ったので、アイデアをいくつか考えてきた。
「ドリブルで足捌きを強化しよう」
「ふむふむ、確かにレースにも活かせそうですね〜」
ライスの相手になるのはスカイ。
スカイのドリブル技術には驚かされた。
「上手く出来るかなぁ・・・」
「最初から上手く出来ている必要は無いよ。だんだん上達していけば良い」
ドリブルで養えるのは、相手の動きを読む洞察力や素早く細かく脚を動かす敏捷性。
スピードやスタミナが育ってきたライスに、次に必要になるものは技術だ。
「抜けそうなところを探すんだ!」
「えっと、えーっと」
脚がこんがらがりそうになりながらも、ライスはスカイからボールを守る。
ドリブルで突破するために必要なのは、隙を突く事。
隙が無ければ作れば良い。
「ふっ!」
ライスは姿勢を低くし、鋭く左前に切り込む。
スカイはそれに反応して右足を出す。
「おっとと」
ライスは急ブレーキをかけて反対方向に抜けた。
「やった!」
「ありゃりゃ〜、完全にこっちに行くと思ったのに〜。一本取られちゃいましたよ」
スカイが感じたのはライスの強い気配。
以前もあったこの感じ。
「これをダービーまでに・・・」
ライスシャワーと模擬レースを行うウマ娘は
>>684
(登場済みのウマ娘一人)
684 :
マスター
2025/07/08 22:47:30
ID:Icmz5p07BE
マンハッタンカフェ
685 :
トレ公
2025/07/09 22:31:33
ID:fzeFJPkj.E
「今回の模擬レースは2400mの左回り。ダービーに似た条件だ」
「本番前のリハーサルみたいな感じだね」
ライスが日本ダービーに挑む日が近付いてきた。
皐月賞に出なかった分、実戦経験は模擬レースで補う。
「ライスさん、今日はよろしくお願いします」
「お、お願いしますっ!カフェさん!」
マンハッタンカフェも同じレースに出走する。
同じく皐月賞に出走しなかったが、ダービーには出るらしい。
「ライス。いつもより少しだけ後ろに位置取ってみてくれ。末脚で勝負しやすくしよう」
「うん、分かった。やってみるね」
試行錯誤するのには慣れている。
これまでウマ娘を育成してきた経験は決して無駄にはならない。
とにかく試して、経験値と選択肢を増やすのだ。
「6番ライスシャワーは中団。10番のマンハッタンカフェはその1バ身後ろにいます」
ライスの放つ強いプレッシャーは、追い抜く意識が引き金となっているように思える。
終盤までやや後ろで控える事により、追い抜く機会を増やしてみた。
「ライスシャワー!まだ動かない!先に仕掛けたのはマンハッタンカフェ!上がっていく!」
模擬レースで一着になったのは
>>686
(ライスシャワーまたはマンハッタンカフェ)
686 :
アナタ
2025/07/09 22:32:30
ID:pSG6/EJOLE
ライスシャワー
687 :
トレぴっぴ
2025/07/10 22:47:26
ID:MHCO3J1KbA
「・・・見えた。アナタの背中」
マンハッタンカフェの速度がさらに上がる。
ライスでも先頭でもなく、別の何かを追いかけているように見えた。
「はっ!」
ライスも後から加速する。
遅れた訳ではなく、狙ってタイミングを遅くしたのだ。
「いつもより速く走れるっ!」
脚を使っていない分、末脚は鋭くなる。
元々スタミナが豊富なライスにとって、ここから最高速を維持するのはそれほど難しい事ではない。
「・・・もう、来ましたか」
マンハッタンカフェの意識が一瞬後ろに向く。
「ひ」
前の方のウマ娘が萎縮する。
後ろからライスがすごい勢いで迫ってきていたからだ。
いつもの臆病さは無く、ゴールに向かって迷わず進む。
「これほどまで・・・」
最終直線、マンハッタンカフェに並ぶ。
2400mのレースにも関わらず、ライスの息は上がっていない。
「ライスシャワー!ライスシャワーだ!」
ライスシャワーとマンハッタンカフェが飲んだものは
>>688
(コーヒーまたは紅茶)
688 :
トレーナーさん
2025/07/10 22:48:30
ID:F9FQatKXeg
コーヒー(ラテアート入り)
689 :
アンタ
2025/07/11 22:43:22
ID:a2m8q3PI/.
「一着はライスシャワー!接戦を制しました!」
模擬レースはライスシャワーの勝利で終わった。
着差以上に強さを感じられた。
「よくやったライス!」
「うん!ありがとうお兄さま!」
ダービーにも期待が持てる結果だった。
「・・・驚きました。迫る気配はまるで、刃のよう」
マンハッタンカフェも、ライスの走りに何かを感じたようだ。
「良ければ、詳しく聞かせてもらえないか?」
レース後しばらしくて、改めて話を聞く事になった。
場所はマンハッタンカフェが普段使っている旧理科実験室。
部屋の半分はアグネスタキオンの実験室になっている。
「珈琲を淹れましょう。今日はタキオンさんがいないのでゆっくりお話出来るでしょうから」
「ありがとう」
ライスは部屋中に飾られている不思議な雰囲気の小物に心惹かれているようだ。
「わぁっ・・・!猫さんだ!」
「ブラックよりカフェラテの方がお好みかと思いまして。せっかくなので、ラテアートも描かせていただきました」
「へぇ、すごいな!」
こちらには幾何学模様が描かれたカフェラテが出された。
「では、ライスさんの走りについて私の意見を」
話している途中に部屋に入ってくるウマ娘は
>>690
(アグネスタキオン・セイウンスカイ・ダイワスカーレットのいずれか一人)
690 :
大将
2025/07/11 22:44:30
ID:fzH9uO6tqc
セイウンスカイ
691 :
お前
2025/07/12 22:45:39
ID:kP9JOzz3oQ
今日はお休み
明日は二回更新します
692 :
トレーナーさん
2025/07/13 18:00:49
ID:HReNwmVxDU
コーヒーを飲みながらマンハッタンカフェの話を聞く。
「なるほど。強いプレッシャーだけど、大きいんじゃなくて鋭い感じか」
「ええ。言語化はしづらいのですが、そのような感じかと」
ウマ娘はレース中、感覚を研ぎ澄まして走っている。
外から見ても分からないような些細な空気の流れを感じ取る事も多いという。
ライスの足音や呼吸などのリズムが前を走るウマ娘に対して圧をかけているのかもしれない。
「タキオンさーん、いますー?」
ノックして入ってきたのはスカイだった。
「あれ、トレーナーさん、ライスさん。ど、どうしてここに?」
「カフェさんに走りのアドバイスを貰ってたんだ」
「へ、へぇ・・・」
スカイはどこか挙動不審に見える。
「タキオンさんに何か御用でしたか?」
「えっと、何も?」
スカイは目を逸らしながら答える。
「本当は?」
「・・・フラワーが好きそうな紅茶を貰おうと思って・・・」
セイウンスカイが飲む薬品の効果は
>>693
(危険でないもの)
693 :
トレぴ
2025/07/13 18:42:00
ID:YUYcmYM026
気分高揚
694 :
モルモット君
2025/07/13 22:36:19
ID:HReNwmVxDU
「確かタキオンさんの紅茶はここに」
「あ、勝手に取っちゃって良い感じですか?」
「自由に飲んで良いと言われていますので。私は飲みませんが・・・」
マンハッタンカフェが棚を開ける。
「それじゃあこれにしましょうかねー」
袋からティーバッグを取り出す。
袋に何の文字も書かれていないのがどう考えてもおかしい。
「一応味見しておきますか」
「だ、大丈夫かな・・・?」
見た目は普通の紅茶のように見える。
スカイは少し冷ましてから飲んだ。
「普通に美味しいですね。何となく爽やかさも感じます」
紅茶である事は間違いないようだった。
「スカイさん、ちょっと顔が赤くない?」
「全然大丈夫ですよ!むしろ元気が湧いてきて今すぐにでも走りたい気分です!」
「ほ、本当に大丈夫なのか!?」
明らかに興奮状態になっている。
この高揚感は紅茶によってもたらされた効果だろう。
「らんらんらーん!トレーナーっさーんっが!すっきすっきー!」
「おかしくなってるな・・・」
「タキオンさん、こんなものを私に飲ませようと・・・」
紅茶に似せて作ったのも、誰かに飲ませて反応を見るためだったのかもしれない。
「グギギ、ウルサイゾ」
ノイズのような声が聞こえたと思った次の瞬間、スカイの動きがぴたりと止まった。
「ごめんね。・・・皆さん、今日はここまでにしておきましょう。後でタキオンさんにはきつく言っておきますので」
「うん。ありがとうカフェさん」
こうして、不思議な空間を後にした。
VRウマレーター内で併走トレーニングを行うレース場は
>>695
(芝コースのあるレース場)
695 :
トレーナー
2025/07/13 22:37:00
ID:YUYcmYM026
中山
696 :
使い魔
2025/07/14 22:46:21
ID:RiTGwPAn72
「うぅ、忘れて下さい・・・」
昨日の薬品の効果は既に切れていた。
スカイは机に顔を伏せたまま唸っている。
「それより、本日のトレーニングは何を?」
「スルーされるのも辛いですよぉルビーさーん」
今日のトレーニングはチーム<アルタイル>全員で行う。
「今日は雨だから、VRウマレーターを使う」
ライスのダービーが近い事もあり、実践的なメニューを増やしている。
VRウマレーターを使えば雨でも本格的なトレーニングをしやすい。
「そうだな・・・中山レース場にしよう」
「どうして中山なの?」
スカーレットが尋ねる。
確かに、ダービーを想定するなら東京の方が良いのかもしれない。
「色々なコースを走った方がバランス良く力がつくと思うんだ。例えば、中山は最終直線が短いけど、東京は長い。どちらかに特化した走りばかりしていると、変な癖がつくかもしれない」
「そっか。お兄さまはダービーだけじゃなくてその先の事も考えてるんだね」
VR世界の中山レース場は雲一つ無い快晴だった。
「せっかくだから、ここでしか出来ない事をしたい。良いメニューを考えてきたんだ」
VR空間に出現させるウマ娘の人数は
>>697
(5〜14人)
697 :
トレーナーちゃん
2025/07/14 22:47:00
ID:tT/SdAAmAA
14人
698 :
トレ公
2025/07/15 22:47:25
ID:VZ3i7lZ7jQ
「生成!」
VRウマレーター内のコントロールパネルを操作し、生成ボタンを押す。
「なっ」
「え、ライス達がいっぱい・・・!?」
チーム<アルタイル>のウマ娘4人のコピーが14人生成された。
オリジナル達は面食らっているようだ。
「自分と走れるなんてそう無い機会だろ?全員手強いぞ」
出走メンバーはオリジナル4人、コピーセイウンスカイが3人、コピーダイワスカーレットが2人、コピーダイイチルビーが5人、コピーライスシャワーが4人。
計18人でレースをする。
「己との戦いとは」
ルビーは険しい面持ちをしている。
ただ自分と戦うだけならば当然引き分けになる。
しかし今回はレース。
展開によって勝敗は変わってくる。
「条件は芝2000m右回り。皐月賞と同じ条件だ」
適性距離が合わないルビーにはやや厳しいレースになってしまうが、ルビーは快く了承してくれた。
「ライスにも、皆にも負けないよ!」
ライスシャワーの着順は
>>700
(1〜5着)
699 :
アナタ
2025/07/15 23:33:33
ID:Nn/KjGY2Mc
3着
700 :
トレピッピ
2025/07/16 00:01:08
ID:pHzZjs24O2
2着(1着とアタマ差)
701 :
マスター
2025/07/16 22:44:46
ID:szEGhdJSU2
「アタシってこんなに大きかったっけ」
スカーレットは自分のコピーから発せられる威圧感に戸惑う。
自分と同じ姿で走る存在が何人もいれば感覚が狂うのも無理は無い。
「じゃあセイちゃん達はこの辺りで」
スカーレット達が先頭争いをする中、スカイ達はその後ろを並んで走っている。
こちらは無駄に争わない事で意見が一致しているようだ。
「ここからは、温存は不要です」
スタミナを温存し続けたルビーがついに仕掛けた。
「くっ」
「重い・・・!」
六人分の凄まじいプレッシャーがのしかかる。
ライスの脚は鈍ってしまう。
「でも、負けられないっ!」
一瞬遅れたが、ライスが飛び出す。
それに合わせるようにスカイのコピーが一人前に出た。
全員が最初から最後まで全力のスカーレット達。
バラバラのタイミングで仕掛けたスカイ達。
圧倒的な威圧感を放ち、まとめて飛んでくるルビー達。
それぞれが本気でゴールを狙っている。
「別の圧!」
スカーレットがルビーとは別の気配を感じ取る。
影のように潜み、急に突き刺すような走り。
自分のコピーすら置き去りにして、前を目指す。
「はぁぁっ!」
「たぁぁぁぁっ!」
「あああああっ!」
「やぁぁぁぁぁっ!」
激しい競り合い。
横に並んだままゴールに飛び込んだ。
「い、一着は・・・セイウンスカイ!のコピー2号!」
「はっ、はっ、はは!何ですかそれぇ・・・」
オリジナルも含め、バラバラのアプローチでゴールを狙ったスカイが勝利した。
「もうちょっとだったのに・・・」
「惜しかったな。アタマ差くらいか」
ライスも食らいついたが、成長途中のライスではどうしても地力の差があったようだった。
「皆、お疲れ様。一度出て休憩にしよう」
一緒に出かけるウマ娘は
>>702
(ライスシャワー・ダイワスカーレット・セイウンスカイ・ダイイチルビーのいずれか一人)
702 :
使い魔
2025/07/16 22:45:30
ID:pHzZjs24O2
ダイイチルビー
703 :
トレぴ
2025/07/17 22:40:35
ID:bEyQeDxK9g
VRウマレーターから出て休憩する。
現実世界とVR世界はリンクしているが、水分補給を怠っては忘れてはいけない。
休憩を終えてVRウマレーター内に戻ると。
「あれ?何かおかしいな」
さっきまでと別の空間に入り込んでしまったようだ。
知らない間に設定をいじってしまったのか、不具合なのか。
中山レース場ではなく、遊園地にいた。
「トレーナーさん、これは」
「ルビーも飛ばされてきたのか。・・・他の皆はいないみたいだな」
その時、メッセージが空間に直接表示された。
「ごめんなさいね〜。ちょっとだけ厄介なウイルスに攻撃されちゃったの。復旧するまで遊んで待っておいてもらえるかしら?」
ゴドルフィンバルブさんが言うには、VR空間に出入り出来ないだけで他に害は無いらしい。
「せっかくだから、遊んでいくか」
「そういたしましょう」
VR空間内という事もあって、遊園地には他に誰もいない。
「並ばなくても良いのはありがたいな!何でも乗り放題だ!」
ついテンションが上がってしまう。
ルビーの手を引き、コーヒーカップへ。
「・・・まるで子供のよう」
ルビーも笑っている。
楽しんでくれているようだ。
「こうして二人で過ごすのも久方ぶりのように思います」
「言われてみれば、そうかもな。ある意味新鮮だ」
次に乗るアトラクションは
>>704
(コーヒーカップ以外)
704 :
使い魔
2025/07/17 22:41:30
ID:LF79NTBFdo
ジェットコースター
705 :
トレーナーさん
2025/07/18 22:41:55
ID:bY4OpTj1Wo
「・・・こちらに乗りませんか」
ルビーが指したのはジェットコースター。
以前ダイタクヘリオス、タイキシャトル、ゴールドシップ達も含めて五人で遊園地に来た際にも乗った。
正直あまり得意ではないが、ルビーが望むなら。
「・・・よし、乗ろう」
覚悟を決め、乗り場へ向かう。
列に並ぶ時間が無いため、心の準備はすぐに済ませなければ。
「ルビーってこういうの好きだったっけ?」
「いえ、そういう訳では」
「じゃあ、何で・・・」
自由に遊べるVR空間で、わざわざ苦手な乗り物に乗る理由がよく分からない。
考えている内に、コースターが上り坂の頂上に到達しようとしていた。
「も、もう落ちるのか!?」
よほどパニックになっているように見えたのか、ルビーに手を握られる。
実際、ほんの少しだけ安心出来た。
「あああああああああああっ!?」
現実と見分けがつかない疾走感。
臓器が浮いているように思える。
「はぁ、はぁ、大丈夫だったか?」
ルビーは放心状態に見えた。
しばらくベンチで休んでいると、メッセージが表示された。
「ふふふっ、お楽しみのところごめんなさいね〜。ウイルスは徹底的に破壊しておいたから、いつでも出られるようになったわよ」
「ありがとうございます」
一時間ほどではあったが、遊園地を楽しめた。
リフレッシュ出来たので、戻ったらトレーニングの続きをしよう。
次にダイブするVR空間は
>>706
(山または海)
706 :
お姉ちゃん
2025/07/18 22:43:00
ID:ar.2VzXz2M
山
707 :
大将
2025/07/19 22:40:06
ID:tJMrmjDti2
「お待たせいたしました」
「思わぬハプニングだったな。ってライス、顔が赤いぞ。大丈夫か?具合は悪くないか?」
「う、うん!大丈夫だよ?」
もしかして体調不良なのだろうか。
「実はお二人のデートを三人で観察してたんですよ。いや〜ルビーさんてば大胆なんだから〜」
「勉強になりました!」
「えへへ、ライス、二人を見てたらぽかぽかしてきちゃって。だから顔が赤くなっちゃったのかも」
「えっと、とにかく体調不良じゃないなら良かった」
VRウマレーター内の様子は外のモニターから見る事が出来る。
「・・・早く次のトレーニングを」
予定外の事に一時間使ってしまったため、早く次のメニューをしよう。
「次は山だ。東京レース場は最終直線の初めに上り坂がある。山で足腰を鍛えるんだ」
雨の日の山は危険だが、VRウマレーターを使えば天候や地形は簡単に変えられる。
やろうと思えば雪山や火山でもトレーニングが出来るのだ。
「アタシが一番に登頂してみせるわ!スカイさん!競争しましょ!」
「セイちゃんはのんびり行きたいな〜」
登山道はあるが、完全に整備されている訳ではない。
むしろ、この方が踏ん張る力を鍛えられる。
「ライス、山に登るのって好きなんだ。空気は美味しいし、鳥さんや虫さんともお話出来るから」
「そうか。それなら今度本物の山にも行ってみよう」
山頂の標高は
>>708
(200m〜1000m)
708 :
お前
2025/07/19 22:41:30
ID:wPr01bj1Ro
850m
709 :
トレーナー
2025/07/20 22:31:39
ID:NAQkp6Ydp6
「わぁ・・・っ!良い景色!」
「まもなく山頂ですね」
「あと少し、頑張ろう!」
ルビーとライスと共にゆっくり登ってきた。
標高はおよそ850mなので、登り甲斐はありつつも負担は大き過ぎない。
「こっちよ!」
少し歩くと、スカーレットがこちらに手を振っていた。
スカーレットはスカイを引き連れて足早に登ったのだ。
「よいしょ、よいしょ!」
山頂には看板が立てられている。
五人で看板にタッチし、登頂記念の写真を撮る。
カメラは空中に浮き、勝手にシャッターを切ってくれた。
リアル過ぎて忘れかけていたが、ここは非現実の世界だ。
「まだまだ登り足りないわ!もっと高い山は無いの?」
「まだそんな元気あるの〜?」
「あるにはあるけど、今日はやめておこう。そろそろ時間だ」
ここは非現実の世界ではあるが、現実世界で時間が止まっている訳ではない。
オーバーワークを避けるためにも、そろそろ切り上げるべきだろう。
「ライス、次に登る山は日本ダービーだ。しっかり登り切るんだぞ」
「うん!勝つぞー、おー!」
日本ダービーでのライスシャワーの枠順は
>>710
(1〜16番)
710 :
トレーナー君
2025/07/20 22:34:00
ID:pNQ3gFODyw
1番
711 :
使い魔
2025/07/20 22:34:04
ID:aKTRTJkYvw
7
712 :
マスター
2025/07/21 22:41:36
ID:jTr74ibLm.
ライスシャワーが日本ダービーに出走する日がやってきた。
一度しか走れない特別なクラシックレースにかける想いは強く、どの出走ウマ娘も気合いがみなぎっている。
もちろんライスシャワーもだ。
「えっと、シューズよし、帽子よし、薔薇よし、短剣よし」
「短剣って要ります?」
「要らないの?」
ライスにとって、これが初めてのGI。
レースで勝負服を着るのも初めてという事になる。
ライスの勝負服は、紺をベースに黒やワインレッドという色使い。
胸元と頭に飾られた青い薔薇が目立つ。
また、ウエディングドレスを思わせるデザインだが腰のベルトには短剣が据えられている。
「ライスの奥底にある強さが見えて、良いと思う。かっこいいぞ!」
「えへへ、ありがとうお兄さま」
今日は清々しい晴れ空。
ライスの勇姿を全員に見てもらおう。
逃げるウマ娘の人数は
>>713
(1〜4人)
713 :
トレ公
2025/07/21 22:42:30
ID:yM4K8obZGg
2人
714 :
大将
2025/07/22 22:39:07
ID:KDmev1JDX.
「1番人気は2番ゼンノロブロイ。皐月賞に続き、二冠目を勝ち取る事が出来るでしょうか」
「ファンからの期待が人気に現れていますね」
皐月賞を含めて三連勝中のゼンノロブロイ。
ライスの前に立ちはだかる強敵だ。
「その隣、1枠1番ライスシャワー。今日は二番人気です」
「前走から少し期間が開いていますが、どのくらい成長成長しているのか楽しみですね」
「さて、続いて8番のマンハッタンカフェですが・・・」
出走ウマ娘が出揃う。
ウマ娘達がゲートに収まり、空気が張り詰める。
直後、一生に一度の大舞台が開幕した。
「前に出たのは6番、その外から先頭を奪った12番。この二人の競り合いとなりそうです」
「ライスは・・・4番手か。悪くないな」
内枠スタートを活かし、距離のロスを抑えながら走れている。
無理に前を狙う必要は無い。
「ゼンノロブロイは中団。囲まれているか?」
まだレースは序盤。
これからの動き次第では、ゼンノロブロイが一気にブロックを突破する可能性は十分にある。
決して油断は出来ない。
先に仕掛けたのは
>>715
(ライスシャワーまたはゼンノロブロイ)
715 :
モルモット君
2025/07/22 22:40:00
ID:9qVnYzPRhI
ゼンノロブロイ
716 :
アナタ
2025/07/23 22:40:04
ID:EP4se6hAZA
今日はお休み
717 :
お前
2025/07/24 22:22:53
ID:sUDGx2SJO2
「ここで先頭は9番に変わりました。第3コーナーカーブ!2番ゼンノロブロイが動いた!ぐんぐん前に出ていく!」
ライスのいる4番手の位置に近づいてくる。
下り坂での加速を利用しているため、すぐにトップスピードにまで到達した。
「たぁっ!」
ライスも前に出た。
鍛えてきたスピードを発揮する時だ。
「くっ!?」
後ろから発せられる、背中を刺すような気配に前のウマ娘は萎縮する。
「ライスシャワーが先頭に変わった!ゼンノロブロイも迫っている!」
両者スタミナは十分。
トップスピードにも大きな差は無い。
実力が互角の時、勝敗を分けるのは気力と運だ。
特にダービーは最も運のあるウマ娘が勝つレースだと言われる。
ここで幸運を掴むのはライスシャワーであってほしい。
「ライスゥゥゥゥゥゥッ!行けぇぇぇぇぇっ!」
最終コーナーでの激しい競り合い。
抜いたり抜かれたりを繰り返す、まさに死闘。
「はぁぁぁぁぁっ!英雄に、なりたいっ!」
「勝って、皆を幸せにするんだ!やぁぁぁっ!」
その時、信じられないものを見た。
「い、いつの間に・・・」
思わず声が漏れる。
「後ろからマンハッタンカフェ!マンハッタンカフェだ!」
音も無く忍び寄る影。
既に二人のすぐ後ろを走っていた。
一着と二着のウマ娘の着差は
>>718
(ハナ差〜2バ身)
718 :
マスター
2025/07/24 22:24:00
ID:XXll8vW8OQ
ハナ差
719 :
モルモット君
2025/07/25 22:41:19
ID:hGbkVHqOCA
「っ!?」
「カフェさん・・・!」
すぐ隣の相手に集中していたのもあるが、背後に来るまで気配を感じなかったのは異常だ。
実況者ですら気付いたのは最終コーナー半ばくらいのタイミングだろう。
「ライスさんとは反対、追い抜く時に気配が消えるようですね」
意表を突かれると精神的にダメージを受ける。
想定外の敵の出現は心の余裕を無くし、本来の走りから遠ざけてしまう。
「ライスさんはロブロイとの一騎討ちだと思ってたでしょうし、余力は無いかもですね」
ライスの心は、奥底に強さはあるが表層はかなり脆い。
ゴールラインまで保つか。
「はぁぁぁぁっ!」
「はっ、はっ、はぁっ!」
スタミナもスピードも十分。
集中もしていたし、運にも恵まれた。
「待って、もう、少し」
しかし、マンハッタンカフェはライスシャワーとゼンノロブロイの横を通り過ぎてしまった。
何かを追いかけるように、一心不乱に。
「ゴォォォル!マンハッタンカフェがダービーウマ娘に輝いた!」
ライスは僅かに二着。
ほんの少し、ハナ差だけ足りなかった。
ライスシャワーの疲労度は
>>720
(75%〜95%)
720 :
トレーナーちゃん
2025/07/25 22:42:00
ID:jX1zN7YGNY
95%
721 :
トレーナー君
2025/07/26 22:48:33
ID:G5z8BiEUhg
「はっ、かっ、かは」
「うっ、くっ」
死闘を制したのはマンハッタンカフェ。
準備は万全だったが、ライスは彼女に勝てなかった。
「勝たせられなかった。ライスはあんなに頑張っていたのに。俺の力不足だ」
「そのような事はありません。貴方は最善を尽くしました」
「前を向きなさいトレーナー!くよくよしてたって仕方ないわ!」
ルビーとスカーレットに背中を押される。
「そうだ、今やるべきは後悔じゃない。ライスに、頑張ったなって言ってやる事だ」
観客席を飛び出し、ライスの元へ向かう。
「お兄、さま・・・」
今にも泣き出しそうな弱々しい声。
ただでさえ全身全霊を尽くし疲労困憊の上に、日本ダービーでの敗北というダメージがのしかかる。
かなり限界は近いはずだ。
「ライス、よく頑張ったな。良いレースだったぞ」
「でも、でも・・・負けちゃったよ」
「そういう時もあるよ。・・・次は勝とう」
小さく震えるライスの肩をしっかりと支え、ターフを後にした。
ライスシャワーと見るものは
>>722
(レース映像・映画・本のいずれか)
722 :
トレ公
2025/07/26 22:49:30
ID:0OfJ0TZIDg
レース映像
723 :
トレーナーちゃん
2025/07/27 22:38:05
ID:IlKuVEm9Tw
「また、追いつけなかった。今日こそは、届くと思っていたのに」
生涯に一度のダービーを勝利してもなお、マンハッタンカフェは満たされていないようだった。
「おめでとうございます、カフェさん。私の負けです」
「・・・ありがとうございます」
一言だけで去っていった。
ゼンノロブロイは引き止めようとしたが、その手は空中で泳いだ。
「脚は問題無いみたいだな」
レースの翌日、改めてライスのコンディションをチェックする。
かなりの疲労はあるものの、怪我などは無いようだ。
「これからどうしたら良いのかな」
自信を持って臨んだレースで、ハナ差での敗北。
元気を無くすのも無理ない。
「ライスさん、良いもの見せましょうか」
スカイがスマホを操作し、モニターに接続する。
「良いもの?」
「何かの映像か?」
それはレース映像だった。
「1000mを通過!なんと、58.1!凄まじいハイペースです!」
すぐに何のレースか分かった。
「これって・・・」
「私が走った皐月賞ですよ。唐突に大逃げなんてやって、特に見せ場も無く負けたレースです。正直、結構な黒歴史かも?」
スカイがマチカネタンホイザに敗北した皐月賞の映像だった。
負けのショックが大きく、スカイは10日近くトレーニングに来なかった。
「他にも色々ありますよ。最初の有馬記念とか。天皇賞・秋の17着とか。いや〜これは酷かった」
自分の敗北した様子を次々とライスに見せていく。
どういうつもりなのだろう。
「あの、どうして?どうしてライスにこれを見せてくれるの?」
「どうしてって、負ける大切さを知ってもらうためですよ」
次に見るレース映像は誰のものか
>>724
(ダイイチルビー・ダイワスカーレット・その他のいずれか)
724 :
お兄ちゃん
2025/07/27 22:39:00
ID:hrJlkdhb6Q
ダイイチルビー
725 :
ダンナ
2025/07/28 22:42:51
ID:qhuhHnd9Dc
「負けるのが大事なの?」
「そうです。負けた時にしか得られない経験値がありますから」
スカイの言いたい事が分かってきた。
「ライス、ゴールした時に二着以下のウマ娘が見るのは何だ?」
「えっと・・・前のウマ娘?」
「その通り。前には誰かがいるんだ。でも一着になったら前には何も無い。誰もいない」
もちろん、その景色を求めて走るのがトゥインクルシリーズに挑む目的だ。
だが途中の道のりにおいてはそれが全てではない。
「前を見れば、目指すものがある。目標になるウマ娘がいる。だからその相手を目指して頑張れるんだ」
「目指すものが見えるのが、負けたウマ娘の特権って事ですよ」
これこそが、負けたウマ娘だけが得られる特別な経験値。
それを知ってもらうためにちょうど良いレースがある。
「これはルビーの高松宮記念だ」
ヒシアケボノが序盤から先頭に立ち、そのまま逃げ切った。
ルビーの末脚でも差し切れなかった。
「次に、URAファイナルズ決勝だ」
ヒシアケボノに加え、ハッピーミークと激戦を繰り広げ、そして勝利した最終決戦。
どちらも今回のダービーと共通する展開があった。
「速くなってる・・・!」
「ああ。負けを経験して、でも折れずに頑張った結果だ。ライスもきっと、こんな風に強くなれる」
「そっか。負けても、そこから学べば良いんだね」
ライスシャワー達と出かける場所は
>>726
(公園または喫茶店)
726 :
トレピッピ
2025/07/28 22:43:30
ID:LHVlM7Roqc
街が見下ろせる高台にある喫茶店(いつもの所)
727 :
相棒
2025/07/29 22:40:56
ID:2JoOhfrwx6
負けも大切という話をしたが、チームのウマ娘が負ける映像を見続けるのは正直楽しくない。
気分転換に散歩をする事にした。
「ゆっくりで良いからな」
ライスの身体にレースの疲れはかなり残っている。
無理をさせないために、かなりゆっくり歩く事にした。
「わあ!綺麗なちょうちょさん!」
ライスは黄色い蝶を目で追いかける。
ひらひらと不規則な動きで近くを飛んでいた蝶は、やがてスカイの耳の上に止まった。
「スカイさんの事をお花だと思ってるのかな?」
「にゃはは〜フラワーとお揃いですね〜」
のんびり歩いていると、走り込みの時に通る道に出た。
「そうだ、いつもの喫茶店に行ってみない?」
「良いけど、坂は大丈夫か?」
今のライスには少し負担が大きいように感じる。
「それなら良い考えがありますよ」
スカイがアイデアを出す。
「大丈夫、お兄さま?重くない?」
「全然!」
そのアイデアとは、ライスを背負って丘を登る事。
トレーナーたるもの、自身も体力をつけておかなければ。
「じゃあセイちゃんは前で抱えて下さいね〜」
「そ、それは流石に無理かも」
喫茶店で食べたスイーツは
>>728
728 :
トレーナー
2025/07/29 22:42:00
ID:Kcd2KLzLfc
ミルフィーユ
729 :
トレぴっぴ
2025/07/30 22:46:33
ID:91xrhMEab.
「お兄さまの背中って大きいんだね」
「ライスが小柄だからじゃないか?」
何とか坂を登り切り、いつもの喫茶店に入る。
今日は晴れていて眺めも良い。
「お、新メニューのミルフィーユですって」
ミルフィーユとは何重にも折り重ねたパイ生地でクリームを挟んだフランスの菓子。
海外遠征を前にして、フランスという言葉に敏感になっている。
「じゃあミルフィーユにするよ」
「ら、ライスも!えっとイチゴの方にするね。お兄さま、半分こしても良い?」
「もちろん」
「あーずるいですよー」
ナイフで半分に切ると、層がより分かりやすくなった。
口に入れると、バターの香りとカスタードの甘みが広がった。
「本場のも食べてみたいな」
トレーナー室を訪れたのは
>>730
(駿川たづな・乙名史悦子・ライトハロー・佐岳メイの中から一人)
730 :
あなた
2025/07/30 22:47:30
ID:dFKFotvMzo
乙名史悦子
731 :
トレーナー
2025/07/31 22:50:05
ID:ywMoA.t2k.
「トレーナーさん!いらっしゃいますか!トレーナーさん!」
トレーナー室のドアの前から元気な声が聞こえてきた。
聞き覚えのある声だった。
「は、はい!今!」
ドアに体重をかけていたのか、開けた拍子に飛び込んできた。
慌てて受け止める。
「乙名史さん。大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうございます」
後ろからルビーの強烈なプレッシャーを感じる。
アポ無しで来た事がルビーの気に障ってしまったのかもしれない。
自分はそこまで気にしないのだが。
「それで、どうしたんですか?」
「はい!実は月刊トゥインクルでチーム<アルタイル>の特集が組まれる事になりまして!あ!私が提案したのですが!そして!一刻も早く取材に伺いたいと思い参りました!」
テンションが高いのは、自分の企画が通った喜びからだろうか。
「取材なら喜んで。<アルタイル>について知ってもらうのはとても良い事ですから」
こうして、今日一日密着取材を受ける事となった。
ライスシャワー達と行うトレーニングは
>>732
(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
732 :
お兄ちゃん
2025/07/31 22:50:30
ID:jDCCf5SEfg
スピード
733 :
マスター
2025/08/01 22:51:34
ID:8nvDy9vCaY
「えっと、今日はスピードを重点的に強化するトレーニングを行います」
「なるほど!スピードは全ての基本!欠かす事は出来ませんね!」
「あの、これは・・・」
乙名史さんの距離がやたら近い。
「密着取材ですから!目線を同じくして、物事を様々な角度で見る!これが取材の基本です!」
ウマ娘におけるスピードトレーニングと同じ、という事なのだろうか。
「乙名史さん?トレーナーさんの邪魔はしちゃいけませんよ?」
スカーレットが笑顔で乙名史さんを引き剥がす。
笑っているはずなのに何故か圧を感じる。
「スタート!」
短い直線を走り、インターバルを挟んでから繰り返す。
スタート時の瞬発力、最高速度に至るまでの加速力が鍛えられる。
何度も繰り返して感覚を研ぎ澄まし、一瞬だけ到達する最高速度を引き上げていく。
「ライス!上体が上がってるぞ!最後までキープだ!」
「うん、気をつけるね」
地道な繰り返しが限界を少しだけ押し上げてくれるのだ。
「四人のトレーニングを同時に見て、大変ではありませんか?」
「大変ではありますが、成長が見える事にやりがいは感じます。人数が増えれば、それだけ成長を感じる事の嬉しさも増えますね」
ライスシャワー達と食べる昼食は
>>734
(米・パン・麺のいずれか)
734 :
トレーナー
2025/08/01 22:52:30
ID:pWs3903ERE
米
735 :
貴様
2025/08/02 22:47:39
ID:7RdrVEnlrs
「食事の制限はしていません。たくさん食べて、たくさん動くのが強くなるためには良いと思っています。皆、栄養バランスも考えて食べているのでこちらから指示する事はあまり無いですね」
今日は午前中からトレーニングだったので昼食を挟む。
「すごい量ですね!壮観です!」
特にライスの食事量は多い。
山のように積み上げられた白米は、どう考えてもライスの小さな身体に入り切らないような量だ。
不思議な事に、ライスはこの量を毎食楽しみながら食べている。
やはりウマ娘は神秘の存在だ。
「いただきます!」
ライスは手を合わせ、食べ始める。
乙名史さんも手帳を置いて箸を持つ。
「野菜から食べなさい!血糖値が急上昇するわよ!」
「わ、分かったよ」
スカーレットにはいつも注意されてしまうが、どうしても白米から食べたくなる。
「トレーナーさーん、これ貰いますねー」
スカイにカツを一つ奪われる。
「良いぞ。もう食べてるみたいだけどな」
「ひゃっ!?」
ライスがソースのフタを開けようとして、勢い良く外れた。
「汚れてはいませんか?」
「うん、ありがとうルビー」
「ご、ごめんなさい」
飛んできたフタをルビーが瞬時にキャッチする。
幸い、ソースは飛び散らなかった。
「栄養だけでなく、コミュニケーションも取る。これも強さの秘訣なのかもしれませんね」
午後に行うトレーニングは
>>736
(自由な形式)
736 :
相棒
2025/08/02 22:49:00
ID:Vbm7cQd6DA
体の柔軟さを得るためと、運動のアフターケアを兼ねたストレッチ
737 :
トレーナーちゃん
2025/08/03 22:48:22
ID:H6jlarPcHg
食休みを終え、午後のトレーニングを開始する。
「これからどのようなトレーニングを?」
「柔軟性を伸ばすためにストレッチをやろうと思います。午前中は負荷が重いメニューだったので、そのケアも兼ねて」
柔軟性の強化は走る時にも役に立つ。
膝が柔らかければ脚のバネが使えるようになる。
肩が柔らかければ腕の振りが安定してバランスが良くなる。
「ライスは特に頑張ろうな」
「うぅ・・・」
ライスは、身体能力は高いが柔軟性は欠けている。
明確な弱点は出来るだけ無くしておきたい。
「ふー」
スカイは長座体前屈を苦も無くやってのける。
息を吐きながら身体を倒し、つま先を掴んだ。
「もう、ちょっと!」
スカーレットは自分の記録に挑戦している。
無意識に耳と尻尾もピンと伸びていた。
「ライスさん、押しますよ」
「ひゃあああああああ!?」
ライスは膝を伸ばした状態で座る事が出来ないようだ。
後ろからルビーに押され、苦痛の声が出ている。
「ゆっくりで良いぞ。ただ、少しでも自分の限界を超えるつもりでな」
ウマ娘の成長のためには、時に厳しさも必要になる。
本当はライスにこんな苦しみを与えなくはないが、強くするためには仕方が無い。
「ウマ娘のために心を鬼にする事もある!トレーナーさんの覚悟が見えます!ウマ娘を強くするためなら、手足の一本や二本鬼に差し出しても構わないという覚悟が!」
「そ、そこまでは言ってないですよ!」
例えが物騒だが、何となく言いたい事は分かる。
「ライス!もうすぐそこだ!届きそうだ!やった!」
「ひぃ、ひゃう・・・」
ついに指先がつま先に触れた。
限界を超え、成長した瞬間だった。
海外遠征に出発するのはいつか
>>738
(1〜4週間後)
738 :
アンタ
2025/08/03 22:49:30
ID:BAx.jiwyMw
3週間後
739 :
トレぴっぴ
2025/08/04 22:48:29
ID:kyliWmxZ5w
「あと三週間でついに海外遠征ですね!遠征を前にしての意気込みをお聞かせ下さい!」
「まだ日本勢が成し遂げた事の無い偉業を達成してみせます!」
七月から凱旋門賞まで、プロジェクトL'Arcのメンバーは海外遠征を行う。
凱旋門賞本番までに海外の環境に慣れるために、約四ヶ月もの期間を費やしてコンディションを整えるのだ。
「ライスシャワーさん!GIで好走を見せてこられたライスさんに期待する声がたくさん寄せられています!」
「え、えっと、皆の期待に応えられるように・・・勝って皆を幸せにするために、頑張ります!」
普段は弱気で大人しいライスが強い決意を語った。
絵本に出てきた青いバラのように、見てくれる人を幸せにする。
それがライスの目標だった。
抽象的だが、揺るがない。
「本日はありがとうございました!必ず良い記事にしてみせます!」
「こちらこそありがとうございました。チームの魅力が伝わってほしいですね」
凱旋門賞への決意の強さを再確認出来た。
そろそろ海外遠征の準備に取り掛かった方が良いだろう。
一緒に買い物に行くウマ娘は
>>740
(ライスシャワー・ダイワスカーレット・セイウンスカイ・ダイイチルビーの中から一人)
740 :
ダンナ
2025/08/04 22:49:00
ID:bNEEQGDPk2
ライスシャワー
741 :
アンタ
2025/08/05 22:51:50
ID:nN/foT0HLQ
「お布団は持っていった方が良いかな?」
「流石に現地にあると思うぞ」
今日はライスとショッピングモールに買い物に来ていた。
海外遠征の準備のため、必要になりそうなものをまとめて買っておく事にしたのだ。
「やっぱりスーツケースは必要だな。いつも使ってるのよりも大きくないといけないだろうし」
トレーニング用品などは用意してもらえるが、それ以外にも必要なものはある。
大容量のスーツケースを新調する事にした。
「これはどう?大きいし、カギも二つ付いてるよ」
「うーん、持ち手がすぐ壊れそうだな」
大きさに対して持ち手が細いので不安があった。
「デザインは良いんだけど・・・」
「ちょっと小さいかも・・・?」
ライスと相談しながら、スーツケースを吟味していく。
どれも良いのだが、あと少し足りないような気がする。
「お客様。もしよろしければ、こちらはいかがでしょうか」
店員に案内され、店の奥へ。
裏から運んできたのは黒いスーツケース。
「大きさは良いくらいですね。黒いのもかっこいいです」
「なんとですね、ロックをかけていただきますと!」
カチャリという音と同時、スーツケースに青いラインが浮かび上がった。
「わぁ・・・っ!」
まるでライスの勝負服のような配色。
大きさや機能も申し分無い。
「買います!」
「ありがとうございます!お値段はですね・・・」
値段はかなり厳しかったが、覚悟して買った。
ライスシャワーが買う帽子の色は
>>742
742 :
モルモット君
2025/08/05 22:52:50
ID:3t2XMAPuN.
ホワイトをベースにグレーのワンポイント
743 :
トレーナー君
2025/08/06 22:37:28
ID:5U.4awh8Y2
今日はお休み
744 :
アナタ
2025/08/07 22:43:24
ID:6tF8SP4slk
「これが気になるのか?」
「あ、えっと・・・うん」
モール内を歩いていると、ライスの視線があるものに釘付けになった。
マネキンが被っていた帽子だ。
「見ていこうか」
スーツケースなど、必要なものはほぼ買い終わっている。
時間にもまだ余裕があるので多少の寄り道は問題無い。
「かわいらしい帽子だな」
「欲しいけど、ちょっと高いよね・・・。今日は諦めるしかないね」
優しげなホワイトに、グレーのワンポイント。
モノクロな印象だが地味さはあまり感じない。
「よし!じゃあ買ってあげるよ!」
いつも頑張っているライスのため財布を開く。
「だ、ダメだよお兄さま!今日はいっぱいお買い物したでしょ?スーツケースだって高かったし、これ以上買うなんて」
「大丈夫!もうすぐ給料日だから!」
あの帽子はきっとライスによく似合う。
この機会を逃せば、誰かに先に買われてしまうかもしれない。
何とかして買ってあげたい。
745 :
トレピッピ
2025/08/07 22:43:30
ID:6tF8SP4slk
「お兄さま!」
「うぐぐ、放してくれライス!」
後ろから押さえられ身動きが取れない。
小柄なライスでも、ヒトの何倍ものパワーを持つウマ娘には違いない。
「トレーナーさん」
「る、ルビー!?」
その声はライスの持つスマホから聞こえてきた。
いつの間にか電話を繋いでいたらしい。
「何でも買い与えれば良いという訳ではないかと。ライスさんのためになりません」
「それは・・・そうだな・・・」
トレーニングと同じかもしれない。
簡単なメニューばかりやらせていても強くなれない。
「お兄さま。ライス、いつかきっと自分で買ってみせるから。それまでは見守っていてね」
「・・・分かった。ごめんな」
スマホの向こう側でのルビーの微笑みが見えたような気がした。
いつか胸を張ってこの帽子を買える時が来るように、気を引き締めて海外遠征に臨まなければ。
ライスシャワーと次に行うトレーニングは
>>746
(スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
746 :
トレピッピ
2025/08/07 22:45:00
ID:iRUFTPQ7iA
根性
747 :
アンタ
2025/08/08 22:56:25
ID:1s3DeuGSfU
「やぁトレーナー!ついに来週から海外遠征!準備は進んでいるか!」
佐岳さんがトレーナー室に来た。
プロジェクトL'Arcに参加している全員のところを回っているらしい。
「必要なものは揃えました。いつでも出発出来ますよ」
「それは頼もしいな!メンタルの方も大丈夫そうだな!」
今回の海外遠征は自分とライスのみで行く事になった。
ルビー達には夏合宿よりも長い期間、付き添いのために学園を離れるのは良くないと思ったからだ。
学業も私生活も、そう簡単に穴は開けられないだろう。
とは言え、電話やメッセージのやり取りは毎日するだろうし、何度か現地にも来る予定らしい。
寂しさは何とか感じずにいられそうだ。
「君の走りが世界への突破口になるかもしれない。全力でサポートするから、力の限り挑戦してくれ」
「はい!」
ライスも気力十分だ。
当事者であるライスだけは、どうしても長い間学園を離れる事になる。
友人と離れるのは寂しくないだろうか。
「ライス、不安があったらすぐ言うんだぞ。俺や佐岳さん、他の参加者でも良い。とにかく、一人で抱え込まないようにな」
ライスシャワー達と行うトレーニングは
>>748
(坂路またはタイヤ引き)
748 :
トレピッピ
2025/08/08 23:39:00
ID:lo08V20Po2
坂路
749 :
貴様
2025/08/09 23:00:45
ID:VMsj97z0Dk
遠征前の最後の調整は坂路トレーニングで行う事にした。
何度も反復して坂路を駆ける間に、体力面とメンタル面のコンディションを確認する。
「かなり基礎的なトレーニングだが、良いのか?」
「はい。海外の環境は良くも悪くも日本と違います。慣れないうちは長時間のトレーニングは出来ないので、今ここで基礎をしっかり固めておきたいんです」
海外でのトレーニングは新鮮で目新しいものばかりだろう。
だがその分落ち着きにくくなり、肉体的、精神的疲労が溜まりやすい。
今のうちに基礎体力をストックしておきたい。
「あと10本!ペースが乱れないようにな!」
出来るだけ一定のペースで走れるようにする。
時間と体力の感覚を掴み、適切な位置でスパートをかけられるように。
「いち、に、さん・・・」
ライスは自分でカウントしながら走っている。
「よし、あたし様も走るか!」
「さ、佐岳さんもですか?」
ライスの走る姿を見て自分も走りたくなったのだろうか。
リュックを置き、軽く身体を伸ばす。
もちろんライスのスピードについていく事は出来ないが、自分のペースで走っているようだ。
「ははっ!やっぱり走るのは楽しいな!」
「うん!トレーニングもレースも苦しい時はあるけど、それよりもっと、楽しいよね!」
ライスの方も佐岳さんに影響されて、表情が明るくなった。
「うん、コンディションはよし」
空港に見送りに来たウマ娘は
>>750
(プロジェクトL'Arc参加者以外の、登場済みウマ娘一人)
750 :
お前
2025/08/09 23:02:00
ID:Y0.4o1AXfM
イナリワン
751 :
キミ
2025/08/10 22:49:08
ID:6XRHYdFOcw
「ライスさん、頑張って下さい!」
「何かあればすぐに連絡を」
「何も無くても連絡してきていいですからね〜」
「うん!」
ついに出発の日。
ライスの表情に不安は無いように見える。
「必ず良い遠征にしてみせる!そして、凱旋門賞も・・・!」
凱旋門賞だけでなく、海外でのトレーニングやレースなど様々な予定が組み込まれている。
ただ、やはり最大の目的は凱旋門賞の制覇だ。
日本勢の悲願を何とか成し遂げたい。
「気張りな!あたしらはこっちから応援してるぜ!」
スカーレットのライバルの一人、イナリワンも見送りに加わっていた。
大勢の見送りには、それだけ期待が込められている。
「なってみせます!世界を制した、英雄に・・・!」
「あの背中は、凱旋門の先にあります。追いつくためには、強くならなければ」
「やる気むんむん」
ゼンノロブロイ、マンハッタンカフェ、ハッピーミークを初めとしたプロジェクトL'Arcの参加者達も気合い十分だ。
ここから代表メンバーが選抜され、凱旋門賞に挑む。
ライスが代表落ちする可能性もゼロではないのだ。
「そんじゃ、盛大に行くぜ!」
イナリワンが太鼓を叩き、騒がしい演奏が始まる。
騒がしいが、温かい。
「行ってきます!」
飛行機内で食べる料理は
>>752
(ビーフまたはチキン)
752 :
トレーナー
2025/08/10 22:51:00
ID:PWBxcmUyXc
ビーフ
753 :
ダンナ
2025/08/11 22:51:06
ID:eA0bzNlEt6
「お食事はビーフとチキンの二種類がございますが、どうなさいますか?」
乗っているのは、一般向けではなくプロジェクトL'Arc参加者のためにURAが用意してくれた飛行機だ。
一般向けと同じようなサービスも受けられる。
「び、ビーフプリーズ!」
「俺もビーフでお願いします」
「かしこまりました」
キャビンアテンダントの説明によると、ビーフは和食でチキンは洋食との事だ。
しばらく日本らしい食事から離れる事になるので、今のうちに和食を食べておく事にした。
「ライス、まだ日本語は通じるぞ」
「えへへ、そっか。そもそもフランスだとフランス語だよね」
語学の勉強はある程度してきた。
たどたどしいものの、日常会話やレース関連の会話くらいは出来るだろう。
「お待たせいたしました」
「お弁当みたいだね」
「おっ、牛丼だな」
思っていたよりも美味しそうだ。
ご飯もふっくらしていて、野菜や玉子の彩りもある。
「美味しいね!」
「ああ。でも、ライス、足りるか?」
味は満足だが、健啖家のライスには流石に量が足りていないように思えた。
とは言え、空の上でそう簡単におかわりは出来ないだろう。
「心配するな!まだまだあるぞ!ウマ娘を満足させられるくらいの量は用意してある!」
話を聞いていた佐岳さんが言った。
それを聞いたライスの表情が明るくなる。
「えっと、じゃあまずはビーフを3つ、チキンを4つ下さい!」
満腹になり、幸せな気持ちで空の旅を過ごせた。
フランスに到着した際の現地時間は
>>754
(早朝・朝・昼・夕・夜のいずれか)
754 :
ダンナ
2025/08/11 23:08:30
ID:Ua3vc1mtMU
夜
755 :
貴様
2025/08/12 22:52:35
ID:0pq8zsp70M
「着いたーっ!」
長い空の旅を終え、ついにフランスに降り立った。
これからしばらくの間この地で過ごす事になる。
「真っ暗だね」
「時差もあるし、飛行機に乗ってる時間も長かったからな」
早速一つ目の試練が訪れる。
「時差ボケには気を付けないとな」
時差の影響で体内時計が狂う。
身体はまだ昼のつもりなのに外が夜だと、どうしても元のリズムから変えなくてはならないのだ。
そのズレの修正は意外と負担になる。
ただでさえ長時間のフライト後、狂った体内時計を戻す作業をすれば一気にコンディションが悪化しかねない。
「睡眠時間の調整はしてきましたが・・・」
「眠くなってきた・・・」
時差ボケ解消に最適なのは、日光を浴びる事。
陽の光を浴びて体内時計をリセットするのだ。
しかし夜明けまでは時間がある。
「では、あえて夜を楽しんでみては?」
ライスシャワーと話すウマ娘は
>>756
(マンハッタンカフェ・ゼンノロブロイ・ハッピーミークのいずれか一人)
756 :
アンタ
2025/08/12 22:54:30
ID:Wa4MgnENAc
ハッピーミーク
757 :
トレーナーさま
2025/08/13 22:44:35
ID:7sOwToOWYk
日光を浴びて心身共に朝を実感する事で体内時計はリセットされる。
ならば、同様に夜を感じる事でもリセット出来るのではないか。
「夜は寝るためにある」
「まぁ、そう言われればそうかもな」
ハッピーミークの考える夜とは、寝るための時間らしい。
こちらの時間に合わせ、出来るだけ早く睡眠を取る事にした。
「寝る前はホットミルクを飲む。夏でもホット」
「ライスもやってみようかな」
滞在する施設では三、四人の相部屋で宿泊する。
ライスの場合、ハッピーミーク、ゼンノロブロイ、マンハッタンカフェが同室になっている。
それぞれの就寝前ルーティーンをこなしていく。
「夜は、お気に入りの小物をお友だちと一緒に眺めています。・・・そうだよ」
「お、お友だち、さんは何とおっしゃっているんですか?」
「本当に他愛のない話ですよ」
そう言いながら、マンハッタンカフェの視線はゼンノロブロイの周りを行ったり来たりしていた。
「ライスはね、寝る前には絵本を読むんだ。心があったかくなって、眠りやすくなるから」
「・・・一緒に読んでも良い?」
それぞれの形で初めてのフランスの夜を過ごしたのだった。
見学に行く施設は
>>758
(レース場またはトレーニング施設)
758 :
トレーナーさん
2025/08/13 22:45:30
ID:G6NsR4Ck52
ロンシャン競馬場
759 :
マスター
2025/08/14 22:39:07
ID:yeftG4ZyLY
スマホのアラームが鳴り響く。
「ふぇ、もう朝?」
睡眠時間は少し短くなるが、生活リズムを合わせる方が優先だ。
「おはようライス」
「うぅ、おはようお兄さま・・・」
思えば、ライスと朝に会う機会はあまり無かったかもしれない。
まだ頭がスッキリしていないのか、あらゆる動作がゆっくりしている。
「おはよう!今日は皆でロンシャンレース場に行くぞ!」
佐岳さんは朝から元気だ。
遠征慣れしているのだろう。
「レース、観に行くんですか?」
「いや、レース前の準備をしているところを見学する予定だ。特に芝の状態や設備に注意して見てほしい!」
レースをしていない時はレース場そのものを見るチャンスだ。
日本との違いは至るところにあるだろう。
「朝食もしっかり食べていけよ!ここの食事に慣れるのも大事だ!」
生活全てが凱旋門賞への準備になる。
常に気を引き締め、アンテナを張っておかなければ。
「始まったって感じがするな」
「うん。頑張らなきゃ!」
ロンシャンレース場に到着した際の天気は
>>760
(晴れ・曇り・雨のいずれか)
760 :
トレーナーちゃん
2025/08/14 22:40:00
ID:zYJDtDzIZE
曇り
761 :
あなた
2025/08/15 22:54:27
ID:KWqcD2BIfs
「ここが」
「ロンシャンレース場・・・!」
独特なデザインのスタンド、有名なフォルスストレート、何度も興奮を味わったゴール板。
実物はやはり違う。
写真や映像、VRとは放つ重みが違うように感じる。
「今は芝の手入れをしているみたいだな」
「特別に芝を触らせてくれるらしい!体感してみてくれ!」
見るからに重そうな芝。
曇っているからという訳ではなく、実際に洋芝は長めにカットされているのだ。
クッション性は優れているが、脚を取られやすくスピードは出ない。
日本の多くのレース場の芝とは異なる特徴を持っているため、まずはこの芝に慣れていかなければならない。
「わぁっ、ここでお昼寝したら気持ち良さそうだね」
「眠くなってきた」
「ミーク、流石にここで寝ちゃダメですよ」
こちらの時間に合わせるため、睡眠時間はやや短くなってしまっている。
「今日からしばらくはこの芝に慣れるためのトレーニングを重点的にやってもらおうと思う!各自、工夫して取り組んでくれ!」
ライスシャワーと一緒にトレーニングするウマ娘は
>>762
(マンハッタンカフェ・ゼンノロブロイ・ハッピーミークのいずれか一人)
762 :
モルモット君
2025/08/15 22:55:00
ID:8m6/HyL0/2
マンハッタンカフェ
763 :
トレーナー
2025/08/16 22:49:50
ID:ynDqJ7bKlg
欧州の長い芝は踏み込むパワーを分散させてしまう。
末脚勝負がしづらくなり、忍耐強く着実なレース運びが求められる。
「スタミナ勝負は得意だよな、ライス」
「うん。・・・でも、スタミナに自信がある人は他にもいるよね・・・」
皐月賞を王道の先行策で制したゼンノロブロイ。
日本ダービーを静かに差したマンハッタンカフェ。
短距離から長距離、芝もダートもこなすオールラウンダー、ハッピーミーク。
プロジェクトL'Arcの参加者にもこのようなスタミナ自慢がいる。
スタミナはライスだけの武器ではないのだ。
「ここもロンシャンみたいな環境が整っているんですね」
「ああ!出来るだけ本番に近い状態で仕上げてもらいたいからな!」
トレーニングに使用する施設も洋芝を使用していた。
まずはここで試行錯誤しよう。
「カフェさんはどんな風に走ってるの?」
マンハッタンカフェとそのトレーナーと一緒にトレーニングをする事になった。
得た経験を共有する事でより早い成長が出来るはずだ。
「脚を早めに上げています」
「ストライドを狭めて、回転数を上げれば芝に脚を取られにくいと思ったんだ。だけどカフェにはあまり合ってない気がするな」
「なるほど。それなら・・・」
意見を交換しながら、芝に合った走り方を探す。
「今日はここまでにしようか」
大きな収穫こそ無かったが、とりあえず芝の感触には慣れる事が出来たようだった。
ライスシャワーと出かける場所は
>>764
(パリのどこか)
764 :
トレーナーちゃん
2025/08/16 22:51:00
ID:QPr0csiPu6
エッフェル塔
765 :
トレーナーちゃん
2025/08/17 22:48:48
ID:9S2gbiKnLk
「すごい・・・!」
「大きいな!」
最初のうちはトレーニングの負荷をかけ過ぎないように、休養を多く取る事にした。
慣れない環境でのトレーニングは見えない疲れも溜まってしまう。
「パリと言ったらエッフェル塔だよね」
「一度は行ってみたかったんだ。来られて良かったよ」
今日はライスと二人でエッフェル塔に来ていた。
約300mの高さを誇る塔で、電波塔としての役割も持っている。
一時期は世界一高い建築物でもあったらしい。
「そうだ、写真を撮ってもらおう」
近くの人に頼み、ライスと二人の写真を撮ってもらう。
片言のフランス語でも何とか通じたようだ。
「じゃあエッフェル塔ポーズで!」
「こ、こう?」
腕を上げたお揃いのポーズで写る。
ライスも少し照れながらポーズを取った。
「上ってみるか」
三つある展望台を下から順に見ていく。
それぞれで違う景色が見られた。
「はは、ほとんど外だな」
一番上の展望台は、柵はあるが屋根や壁は無い。
落ちる心配はないはずだが、スリルはある。
ライスも怖がっているのか、控えめに腕にくっついている。
「あれ、ロンシャンレース場じゃないか?」
「わ、本当だ!・・・それなら、レース場からもエッフェル塔が見えるのかな?」
次にロンシャンに行く時には確かめてみよう。
翌日の天気は
>>766
(晴れまたは雨)
766 :
トレーナー君
2025/08/17 22:49:30
ID:1kdgIldwa.
晴れ
767 :
トレ公
2025/08/18 22:48:55
ID:cJPSEQ10ss
昨日の曇り空から一転、今日は気持ち良い快晴となった。
「日本よりもかなり涼しいな」
「こんなに晴れてるのに過ごしやすいね」
パリの七月の平均最高気温は25度前後らしい。
パリは北海道よりも緯度が高いため、涼しいのは当然と言える。
「夏でもトレーニングしやすいのは利点だな。この機会に、どんどん実力を向上させよう」
凱旋門賞の前に、前哨戦のニエル賞への出走を予定している。
凱旋門賞と同じ条件のレースであるため、予行練習にはぴったりだ。
「パラシュートを使って、風の影響に負けないように走るんだ」
「で、出来るかな・・・?」
方法としてはタイヤ引きとそこまで変わりない。
欧州は全体的に風が強い傾向があるので、タイヤの代わりに利用出来ると考えたのだ。
「踏ん張れ!芝を掴むんだ!」
足の指で長い芝を掴むような感覚。
力強く踏み込むための意識を持たせる。
「うっ、くっ、やぁぁぁぁっ!」
風に負けて体勢を崩さないように、ライスはスピードを維持する。
少しでも減速すれば後ろに引っ張られてしまうだろう。
「根性で耐えろ!あと少し!」
設定したゴール地点は目前。
ライスは最後の力を振り絞る。
「はぁぁぁぁっ!」
「よし!そこまで!」
ゴールラインを越えた瞬間、ライスの身体を支える。
一緒に飛ばされないように注意しながらパラシュートを下ろす。
「良い感じだったぞ!」
「うん!もう一本行っても良い?」
難しいトレーニングを成功させ、ライスのモチベーションも上がったようだった。
ニエル賞に出走するウマ娘は
>>768
(マンハッタンカフェ・ゼンノロブロイ・ハッピーミークの中から1〜2人)
768 :
トレピッピ
2025/08/18 23:15:29
ID:KDSi0Ul9Vw
マンハッタンカフェ
769 :
トレピッピ
2025/08/19 22:50:03
ID:HbBRrlUAHM
「カフェさん、ニエル賞頑張ろうね!」
「はい。アナタにも、負けるつもりはありませんが」
ライスシャワーとニエル賞を共に戦うのはマンハッタンカフェ。
一着を奪い合うライバルだが、同じく世界に挑む仲間でもある。
レースでも切磋琢磨していけるはずだ。
「ニエル賞まで約二ヶ月。やらなければならない事は山積みです」
「間に合うかな・・・。ううん、間に合わせなきゃ!」
ライスとマンハッタンカフェはジャージに着替える。
早朝からランニングに向かう事にしたのだ。
「ちょっと寒いね」
パリの気候や環境になれるためにも、外周は欠かせない。
強い負荷をかけるのが目的ではないため、速度はかなり控えめだ。
「戻ったら珈琲を淹れましょう。良い豆を見つけたんです」
「わぁ・・・楽しみ!」
ライスシャワー達が食べる朝食は
>>770
(バゲットまたはクロワッサン)
770 :
アナタ
2025/08/19 22:50:30
ID:TNLl7IRfOs
バゲット
771 :
お前
2025/08/20 22:48:05
ID:TP3N11C/ho
「おかえりなさいライスさん、カフェさん」
ゼンノロブロイはランニングから戻ってきた二人にタオルを渡す。
「ありがとうございます」
キュゥゥゥ。
ライスのお腹の音が鳴った。
「えへへ、実はお腹ぺこぺこなんだ」
「朝ごはん、行こう。フランスパン、あるかな」
普段はのんびりしているハッピーミークだが、朝食には跳ねるような足取りで向かう。
「わぁっ!すごい!」
色々なパンが並び、それらと合わせるジャムやチーズなども用意されている。
「本来フランスの朝食は質素だが、君達はアスリートだ。量や栄養も考えた食事にしてくれ」
この遠征には栄養士や調理師など、食事に関する専門家も同行している。
慣れない海外の食事でも、きちんと栄養を得られるようにしてくれているのだ。
「えっと、バゲットにはやっぱりバターだよね。ハムも食べなくちゃだし・・・あ!フレンチトースト!」
ライスは目についたパンを次から次へと食べていく。
「おお・・・!」
その食べっぷりを見て栄養士が唸る。
「カフェオレともすごく合うね!」
「それは、良かったです」
バゲットと一緒にマンハッタンカフェのコーヒーも楽しむ。
「絵本の中にいるみたい・・・!」
絵本に出てくるようなオシャレなフランスの朝食。
ランニングの疲れは吹き飛んだのだった。
トレーナーと話すウマ娘は
>>772
(ダイイチルビー・セイウンスカイ・ダイワスカーレットのいずれか一人)
772 :
モルモット君
2025/08/20 22:49:00
ID:xf9vu3ioFY
セイウンスカイ
773 :
お姉さま
2025/08/21 22:49:21
ID:7X5KrstMts
今日はお休み
774 :
トレぴ
2025/08/22 22:34:29
ID:kna6vnAaJQ
「もしも〜し。トレーナーさん、元気ですかー?」
その日のトレーニングを終えた頃、スカイから電話がかかってきた。
日本とフランスの時差は約7時間なので、日本は午前10時くらいだろうか。
「スカイからかけてくるなんて珍しいな。こっちは順調だよ。結構慣れてきた」
「それは良かったです〜」
毎日電話やメッセージのやり取りはしているが、時差の関係でお互いが話しやすい時間というのは意外と少ない。
今日は日曜で授業が無いため、午前中から電話出来たのだろう。
「スカイもちゃんとサボらずトレーニングしてるか?」
「残念ながらちっともサボってないですよー。ルビーさんもスカーレットも厳しいんですから〜」
トレーニングメニューは送っているが、どうしても細かい部分は本人達に任せなければならない。
主体的なトレーニングで考える力を養えると思えば、それも悪くないかもしれない。
「ニエル賞は見に来てくれるんだったよな?」
「もちろんですよ〜。それに、せっかくの海外旅行チャンスですし」
フランスで行った場所、食べたもの、起こった出来事を話しているとあっという間に時間が過ぎていった。
「ライスさんにもよろしく伝えといて下さいね〜。それじゃあまた今度で〜す」
「ああ、ありがとうな」
海外遠征はもちろん充実しているが、ストレスが無い訳ではない。
違う環境にいるとどうしてもストレスは生じてしまうものだ。
他愛の無い会話だとしても、こうやって話せるのはメンタルケアに非常に役立っている。
「さて、ニエル賞に向けてしっかりトレーニングメニューを考えていかないとな」
スカイとの通話で元気を得られたのだった。
ライスシャワーと次に行うトレーニングは
>>775
(スピード・スタミナ・パワー・根性・賢さのいずれか)
775 :
トレぴ
2025/08/22 22:35:00
ID:AWHTjS/ZPA
スピード
776 :
モルモット君
2025/08/23 22:55:00
ID:HsFnB0CINc
「今日はスピードを鍛えるトレーニングをしよう」
洋芝ではスピードが出にくい。
地力を上げておかなければ、この芝に慣れた海外のウマ娘のスピードにはついていけないだろう。
「パラシュートランをやるぞ。この前やったやつだな」
今日は晴れていて風もあるのでパラシュートを使ったトレーニングが出来る。
だが、全く同じ内容ではない。
「俺がパラシュートにくっつく。ライスにとってはウェイトになるし、俺はライスについて回れる」
「忍者みたい!・・・でも、危なくない?お兄さまが怪我したら、ライス・・・」
「大丈夫。ヘルメットとプロテクターはするし、地面はクッション性の高い芝だ。もし落ちても多分怪我はしないよ」
とは言っても、やはりウマ娘にこの役はさせたくない。
「い、行くよ!」
ライスが走り、パラシュートが風を受けて浮かび上がる。
こちらは何度かジャンプするだけで良かった。
「そのままスムーズに加速!」
ライスのフォームは乱れていない。
ある程度洋芝にも慣れてきたようだ。
「良いぞ!トップスピードを維持するんだ!」
「やぁぁぁっ!」
三十分後の天気は
>>777
(晴れまたは雨)
777 :
トレぴっぴ
2025/08/23 22:55:30
ID:doCqsZj1rk
雨
778 :
使い魔
2025/08/24 22:50:07
ID:ACl2AwYcFw
しばらくパラシュートランを続けていると、少しずつ空が暗くなってきた。
三十分前は晴れていたのに、雨が降るのだろうか。
「どうするの、お兄さま?」
弱い雨なら十分継続可能だが、強くなれば足元が不安だ。
さらに、もし雷が鳴り出したらパラシュートを使うのは危険だ。
「うーん、念のためここでやめておこう。余計なリスクは抱えたくないからな」
「うん、分かった」
この判断は正解だった。
雨はどんどん強くなり、雷鳴も何度か聞こえた。
「さっきまで晴れてたのに、不思議だね」
「風が強いから雨雲の移動も早いって事なのかな」
屋外でのトレーニングは出来なくなってしまったが、今何も出来ない訳ではない。
「屋内で出来るトレーニングをしよう」
過去のレース映像を見たり、コースについて勉強したりする事にした。
「このウマ娘が前回の覇者、リガントーナだ。爆発的な追い込みで、たとえ最後方からでも飛んでくる」
「すごい・・・!」
映像を見てライスは息を飲む。
正直、他のウマ娘とはレベルが違うように感じられた。
彼女が今年も出走していたらと思うとぞっとする。
「凱旋門はこのレベルのウマ娘が出てくるようなレースだ。今回リガントーナは走らないが、そのくらいの相手が出てくる事も覚悟しておかなくちゃいけない」
「ライス、勝てるかな・・・」
実際、勝利するのはかなり難しい事だ。
だが、ライスシャワーのトレーナーとして言わなくてはならない。
確率がゼロでないのなら。
「俺がきっと勝たせてみせる。だから、信じて走ってくれ」
ライスシャワーと行く場所は
>>779
(シャンゼリゼ通りまたはセーヌ川沿い)
779 :
アナタ
2025/08/24 22:51:00
ID:o61y6YSHao
シャンゼリゼ通り
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