☆☆☆☆☆ 一言で言うなら時代がそれを許さなかった

二人の邂逅は平成22年、カレンチャンとお兄ちゃんが遠征でホテルが一部屋しか取れなかった日のことであった。
血気盛んなカレンチャンがお兄ちゃんに後れを取るということはない。
若いお兄ちゃんのハロン棒を揉んでやろうという気概は当然持っていた。
本書は『なぜ』の部分にスポットを当て、関係者たちの証言によって進められるドキュメンタリーである。
ドリームジャーニー、デュランダル、スイープトウショウ、ブラストワンピース、専門家のアグネスデジタルなどへのインタビューによって、官能的とも言われた寝技を駆使し『やわ肌のカレン』と異名をとった合気道活動や、東スポ誌上で行われた論戦の顛末が詳細に浮かび上がる。
そこには若いお兄ちゃんに対する親愛の情や、これから花開かんとするウマ娘レース文化への期待が読み取れる。
『なぜヤラなかったのか』ではなく『なぜこの二人が同じ時代を生きたのか』を書き起こした著者渾身の一冊である。

著:オルフェーブル

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