パンパシフィック
「トレーナーさんっておっぱいの大きい褐色肌の女の子が好きだったりしますか?」
ある日の昼下がり、担当ウマ娘のパンパシフィックがなんてことない世間話を振るかのようにこんな質問をぶち込んできた
「……なんでそんなこと聞くの?」
「質問文に質問文で答えるとテスト0点なの知ってましたかトレーナーさん」
「そういう奇妙な冒険な返しはいいから」
気さくで明るい性格のパンパシフィックは、選抜レースを見てスカウトしてきたトレーナーとも早くから意気投合していた
その後の関係も良好だがあくまでトレーナーとウマ娘としての線引きはしっかりしているし、年頃の女の子にありがちなこじらせた感情を向けてくるような素振りもない
なのでこの質問に深い意味などなく、こちらをからかっているイタズラ半分のものだろう……そう結論付けたトレーナーは口を開いた
「別に好きでも嫌いでもないよ」
「ほんとですかー?」
「本当だよ」
「でもその割にはそういうタイプの子に視線飛ばしてること多くありません?」
「気のせいだよ」
「気のせいじゃないです。パーサーちゃんとかサーガちゃんとか、この前見てましたよね」
他のウマ娘の具体的な名前を出してきたその声音に「あれ?」となるトレーナー。もしかするとだがパンパシフィック、ちょっと機嫌悪くないだろうか……と
「おかしいですよね私のトレーナーさんなのに。私じゃなくて他の子を見てるって。どういうことですか」