221 : あなた   2023/07/30 19:46:22 ID:UNj7CaT1w.

マック「セーブですわね?」
ロブロイ「お、お願いします!」
マック「ロブロイさんは『グランド・ブダペスト・ホテル』という映画を見たことはありまして?」
ロブロイ「タイトルは聞いたことあるのですが内容は少し覚えがなくて...」
マック「この作品は東欧の架空の国にある寂れたグランド・ホテル、そこに滞在していた作家が国一番の富豪にしてホテルの所有者、なのに誰よりも深い孤独を感じさせる老紳士から『自分が富豪なれた理由、深い孤独の原因となった過去の出来事』を聞く形でお話が進みますわ」

ロブロイ「回顧録というわけですね!ジャンルでいうと『悲劇』になるのでしょうか?」
マック「確かに結末だけで見れば悲劇ですがジャンルで言えばコメディードラマですので全体的に非常に明るい作風になりますわ。『お笑い』というよりは『ユーモア』に富んでいますね」
マック「何よりも監督ウェス・アンダーソンは美術・構図に関して非常に拘りを持ったお方で、一目見ればすぐに彼の作品だと分かるほど特徴的な映像を撮ることで知られています」
マック「そんな彼の良さを完全に感じられるのが本作品で、お伽話の世界を思わせる映像美をこれでもかと映し出せて、映画の何処をスクショしてもそれが一つの『絵』として成り立つ凄さがこの作品にはあります!」

マック「後はロブロイさん向けの情報を言いますと、この作品の脚本はシュテファン・ツヴァイクという作家に深く影響を受けているらしいですわ」
ロブロイ「シュテファン・ツヴァイク...!『マリー・アントワネット』に代表される伝記文学分野で活躍された方ですね...!」
マック「おそらく彼の遺作『昨日の世界』のことと思われます。著者の回顧録であり著者が失われたものと考えたヨーロッパ文明への賛歌でもある内容を、この作品で十分に味わえるはずです。ぜひ、ご覧になって下さいな」