アタシ以外の――――トレーナーさんの女を見せつけられても壊れない、そんな存在をこの広い広ーい世界からもう一人見つけるよりも近くにある現実的にみられる案を見せただけ、だってアタシはトレーナーさんの席取りゲーム――――椅子取りゲーム? …いや、やっぱ籍取りゲームだわ、それに負けたくないんだもん
心が女で恋愛対象が男でも、体に男の人の部分があればさ、子供をつくる方法なんてもうどうにでもなるわけだし、アタシが満足するまで家族を増やしたら、以降は体も完全に女になっていいし子供からの奇異の視線もできる限り軽減させる様に教育するしそれでも辛ければ別れてもいいって言う取引を持ちかけて――――結果から逆算すれば、そうしてアタシはトレーナーさんを手に入れたって言っていいんだろうね。
まあもし断られてたら何をするかわからない事を言外に臭わせたから、例えばアタシが不祥事を起こしてトレーナーさんの秘密が暴露された場合世間様は順番を逆に受け取っちゃうのよね、つまりアタシが不祥事を起こしてトレーナーさんを道連れにしたんじゃなく、トレーナーさんの秘密を目の当たりにしたからこそアタシが荒れたって言う逆転現象が起こるって感じかな
うん、卑怯だよね。知ってるよ、今更アタシを切るにはアタシは深くトレーナーさんの懐に入りすぎてただけの話
アリジゴクに落ち込んだアリだって自分で上がれないでしょ?
だから少なくとも子供さえできれば、結局トレーナーさんが男に惚れたとしてもアタシたちを捨てて逃げられるわけがないわけだ。そういう性格だもん、あの人――――