トレーナーさんが実は男性じゃなくて――――ううん、体は男なんだけど心の方は女性だった、どこの三文小説の冒頭なんだか、って馬鹿にすらしてないようなそんな事実を目の当たりにした時
目の前が真っ暗になったって言うのが正直な感想だった、だけど最終的にアタシが選択肢を間違えなかったって言えるのはまあ結果から逆算すれば……かな……ソウダヨネ?
それでもトレーナーさんの部屋で最初に女物の下着見た時には、やられたって思ったな
だって順位は三番でも一番努力したのはアタシだと思ってたし、だってトレーナーさんの時間のほぼ全てをアタシは独占して浪費していたんだから
実際はそう思ってただけだったんだから笑っちゃうよね、笑っちゃう
なーんて、負けにこなれた筈のネイチャさんがひとしきり涙をこらえてそれでも少しばかり考えていたらトレーナーさんが来て、アタシが女性物の下着を見た事を知って大分うろたえていたっけ、いま思い返すと少し笑っちゃうね
そのうろたえる光景を見て逆にアタシの頭が冷静になって来たって言うか、女物の数があるにしてはやっぱりアタシ以外の女の影がなくってさ、やっぱりどう考えたっておかしいじゃん、そもそもトレーナー寮に女連れ込むなんてできはしないでしょ、噂にならないわけがないじゃん?