チームのトレーニングメニューが終了し解散後、トレーナーさんにアタシは居残りするように言いつけた。
ネイトレ「ネイチャ、あまりこういう話はしたくないんだが……君が後輩をイジメているという話を聞いた……」
嫌な予感はしていた。でも、トレーナーさんならきっとわかってくれていると甘えていたのかもしれない。トレーナーさんの口から出てきたのはアタシを疑うような発言。
ネイチャ「そ、れは……」
トレーナーさんに人間性を疑われてしまったことにショックを受けながらも、アタシは否定も肯定もできなかった。トレーナーさんのことを言及されて、後輩に威圧的に接していたのは事実だったから。事情があったと言えればよいのだが、その事情が事情なだけにトレーナーさんには絶対に言えない。
ネイトレ「…………心当たりがあるみたいだね。知っているとは思うが、君たちアスリートにとってメンタル面の安定は体と同じくらい重視するべき要素だ」
ネイチャ「う、ん……知って、る……」
ネイトレ「明日のミーティングで詳しく話すが、お互いのメンタルに悪影響を及ぼすなら、チームとしてはやっていけない。だから、このチームは解散することにするよ」
トレーナーさんから突きつけられた三下り半。
アタシは、どんな顔をしているのだろう。泣いているのだろうか、笑っているのだろうか。何も考えられないまま、気づけば布団に入って眠ってしまっていた。
――――翌日、チームの解散が発表され、トレーナーさんは再びアタシの専属となった。
ネイチャ「…………んえ……?」