近代以前はさほど問題視されていなかったが、競走技術理論の進歩により、前方脚質バのスタートダッシュは格段に速く、また負担も大きくなっていった
その裏で進歩していった悪しき技術もあった。「意図的なフライング」である
かつてはカンパイと呼ばれていた発走のやり直しであるが、その制動がかかるのは時には3ハロンも先になる。
この回数が嵩めば嵩むほど特に前方脚質バの負担は大きくなる
そのため、スタートの負担が少ない後方脚質バを中心に、いかに"自然にフライングをするか"という別の競技が次第に盛り上がっていた
興味深いことに、意図的なフライングを行う前方脚質バまでいた。有力バに対する妨害として一定の有効性があったからである
これに対し判定係もある程度のフライングは許容する対策を取ったが、中にはフライングの自己申告まで出てくる始末
見る側も見る側で、一部では誰がフライングをするか酒を賭け出す様相を呈していた
重賞一発退場というルールが設けられるケースもあったというが、今度は隣のウマを驚かせる者が現れたり、逆にこちらは前方脚質バからの文句が飛んだ
ゲートの導入は有力な前方脚質バからこそ歓迎があったものの、スタート時のごたごたを好むウマ・観客からはしばしば批判が噴出した
(ウマ娘をあんな狭い箱に閉じ込めるのか、スタート時の麗しい横顔が見えない、等)
これに対し、当時の作詞作曲家達は楽曲にゲート音や、ゲートがあることが自然であるといったフレーバーをライブ曲に混ぜ込むことでゲートに対するイメージ緩和を図っていった という妄想