わずかに聞こえる空気清浄機の稼働音と彼女のすぅすぅという寝息だけが聞こえる。
隣近所から飛び込む生活音はまるでなく、僕が暮らす寮の一室とは構造から使ってる遮音材まで何もかも違うんだろうなぁ、とかどうでもいいことを思った。
腕の中には彼女──シュガーライツの体温がある。
彼女は数年後には僕たちとは住む世界の違う遠い存在になるだろう。
それでも、お互いに会い続けたいと思い合えるなら、きっとこれからも僕たちの時間は続いていく。
僕も眠りにつくために目を閉じる。瞼の裏の暗闇の中で、彼女の在り処を確かめるように細い体をぎゅっと抱き寄せた。
【おしまい】