1 : 貴様   2025/01/16 19:00:05 ID:n6Mvsl92P.

ある日、カレンチャンはトレーナー室の机の上に放置されている写真を見つけた
見てみるとそこには、朗らかな笑顔でカメラにピースするトレーナーと自分が写っていた
一瞬ほほ笑むカレンだったが、数秒後にはその嬉しさは疑問に変わった
写真に写っているカレンは、なんというか垢抜けない子供っぽい服を着ているのだ
はて、私はいつこんな服を着て写真を撮ったのだろうか?
断っておくとカレンはこういった服を購入した覚えはない

「カレン、何を見ているんだ?」

今しがた会議を終えて戻って来たトレーナーが話しかけてきた
ちょうどいいのでこの謎の写真について尋ねてみる事にした
結果から言えば、聞かないほうが良かったのだが――

「ああ、出しっぱなしにしちゃってたか……ごめんな
それはカレンじゃなくて俺の妹だよ。驚いただろカレンとそっくりで
お兄ちゃんお兄ちゃんっていつも後ろをついてくる可愛い妹でな……
ん? 前に俺の実家について来た時は妹ちゃんなんていなかったって?
ああ……そりゃそうだよ。俺が学園で働き始める少し前に事故で亡くなったからな
カレンと初めて会った時は驚いたよ。妹にそっくりな娘がお兄ちゃんって呼んできたんだから
俺はてっきり妹が生き返ったのかと……あ、いや、悪い何でもないよカレン今のは忘れてくれ
さあほら、そろそろ寮の門限の時間だし今日はもう帰りなさい
……くれぐれも車には気を付けるんだぞ」

その日、カレンはトレーナーがかたくなに自分に手を出そうとしない理由を知った