（別れの日から数年……）
（素性を隠し、風貌を大きく変えて、異国の地で次世代のウマ娘とトレーナーの育成に日々励む俺……）
（あのまま日本に居ても、俺は代用品でしかなかっただろう。でもここに居るみんなは、俺を俺として必要としてくれているようだ。）
（俺のいるべき場所は、きっとここなんだ――）
（ふとレース雑誌を開いてみれば、そこには今も第一線で華々しい活躍を続けているルビーの姿があった）
（元サブトレくん……いや、真のルビトレくんの才覚は俺の予想以上だった。俺の指導ではルビーはここまで活躍出来なかっただろう）
（ダイイチルビーには自分より相応しいトレーナーがいることをついに証明できた……）
（でも何故か今のルビーがあまり幸せそうじゃないように見えてしまうのは……きっと、俺の気のせいだ）