「ちゃんとご飯の後、歯を磨かなきゃダメだよ?」
「Oh,sorry…でもでも、お昼休みはClassmateとおしゃべり、お昼寝、やること沢山デース!」
青春を謳歌するのは素晴らしい。しかし…
「アスリートは歯も大事にしなきゃダメよ。例えば、食いしばった時に歯がポロリ…ってなったら大変でしょ?
それに、歯に青のりが付いたままだと皆に笑われちゃうよ?グラスやエルに笑われたくないよね?」
「ううぅ…でも面倒くさデース…I know!そしたらトレーナーさんが磨いてくだサイ!」
「身体の管理はちゃんと自分でしないと…」
タイキの目が潤んでいる。子犬のような目。甘やかしすぎるのは彼女の為にならないが、私はこの目に弱い。
「…わかった。それならトレーニング後、私の部屋に来てくれるかしら。車は出すわ」
「お邪魔しマース!」
「さあタイキ、私に背中を預けて?」
タイキが私の胸に寄りかかる。
トレーナー寮に戻る途中、ドラッグストアで買った「タイキ用の歯ブラシ」を「指にはめる」。