67 : アナタ   2024/11/29 20:23:53 ID:uT.LZFl2sc

気を取り直して、歯磨きを再開。
(自分のときはここまで力入れてないだろ!!!)と思い、スイープ相手への歯磨きの力加減を再考しながら臨んだ。

しゃこしゃこしゃこしゃこ……隙間まで磨けるよう、細かく丁寧に。
そしてせっかちなスイープのことを考えれば、歯磨きに長い時間は掛けられない。休み時間だってある。
汚れの多い部分をピンポイントに擦るように、意識を変えてみた。

そして5分後……。

「な……なかなかやるじゃない。さすが使い魔ね!」
もう一度うがいをして、真っ白になった歯を見てスイープは喜んでいる。

「決めたわ!しばらくこれ、続けましょう!」
「明日以降もか!?」
「そうよ!!」

仕上げ磨きで生まれる完璧な白い歯に味をしめたのか、スイープはそれからも昼休みの歯磨きを迫ってくるようになった。
少しは自分でも磨けるようにならないと……と思っていたが、拒否ろうとすれば駄々をこねられるのが見えていたので、仕上げ磨きへのメリットのみを享受しながら、その時間は繰り返された。

1週間後……。
「使い魔!今日も仕上げ磨きよ!」
「じゃあ、まず染色液でうがい」

スイープもこの手順に慣れてきたのか、前よりも大人しく従ってくれるようになった。
が、俺が驚いたのはここからだった。

「んー……あんまり染まってないな」
「えっ、本当に!?」
「ああ。よく磨けてるよ」

なんと、昼の歯磨き後だというのに磨き残しがかなり少ない……いや、前よりも減っているのだ。