この状態で食後の運動なんてしたら……想像するのはやめておくことにした。
「もういっぱい~……ぐぅー……」
「まだ夜になったばかりですよライトハローさん。夜中に起きて寝れなくなりますよ」
結構な酔い方をしているライトハローさんは、畳の上で寝ていた。
まあ、このまま寝かせるなら布団を出す必要があるが……。
とりあえず、お姫様抱っこの要領で、持ち上げてみることにした。
「っ……!?こ、これは……酒臭い!」
持ち上げた勢いで彼女の顔が目前に迫る。
そして口の中から結構な匂いがしてくるじゃないかと、鼻をつまみたいが両手が塞がっていてそれは無理である。
「ん……?」
ちらっと口の中を覗いてみる。
歯並びの良い、大きくて白い歯。思えば、笑った顔はいつも可愛いものだった。
同時に、いろいろ挟まっていることに気づく。
(これは……うん、放っちゃおけないかも)
ある決心を固めた私は、座布団にライトハローさんを寝かせると、
室内のカトラリーケースに入っていたあるものを1つ取り出してきた。
それは、客室用の個包装な歯ブラシと歯磨き粉のセットだ。
ライトハローさんをこのまま寝かせておいたら、起きたときに口臭がすごいことになっている可能性もある。
なので、歯磨きをしよう。私が。