「あ、もう先に入られてるんですね」
少し遅れて、ライトハローさんも入ってきた。
本人曰く、現役中はほとんど勝てなくて結果も出せなかったそうだが……。
今の彼女の体は、それを感じさせないくらいの肉体美を持っていた。
肉付きはあるが、すらっと締まっている。
学園を出たあとも、肉体維持を欠かしていないのだろうか。
「はぁ……いい湯ですね」
「そうですね。今日、ライトハローさんが来てくれて助かりました。
今回使ったクーポン、ペアじゃないと使えないものだったので」
「ええーっ!貴重なものを私で使ってくれたんですか!」
雪をかぶった森林を眺めながら、二人で温泉を満喫したのだった。
浴衣を着て、チェックインした和室に戻ると……
たくさんの料理が並べられていた。
「待って、クーポンは使ったけどこの量の魚介料理は聞いてないが?」
「わたしからのおごりです!トレーナーさん、いっぱい食べて飲みましょう!ウッ」
隣を見ると、既にライトハローさんが酔っているではないか。
ビールひと缶だけで。
しかも、流石はウマ娘。食欲も衰えていないのか、すごい速さで食べている。
「私の分がなくなるんですが?ライトハローさん!!!!!」
おごりと言う割に彼女のほうがめちゃくちゃ食べている。酔った勢いもあるのだろうか。
自分の分が無くなる前に、私も刺し身たちにありついた。
そして約1時間後。
(……たくさん食べた。普段こんなに食べない)
いつもよりお腹が膨らんだ気がする。