ものすごく軽いフットワークで、この誘いを受けてくれた人物は……。
ライトハローさんだった。グランドライブの件では大変お世話になった人で、
ウマ娘であり、トレセン学園のOGでもある。
というわけで、当日にこの計画は完遂されることになった。
ぼっち解消のための、温泉旅行。
15時頃に駅で合流し、電車で数十分の距離にある地の、旅館へ。
「わぁー!温泉ですよ温泉!現役中はウッ、行けなかったので、ううっ……」
「変なところでスイッチ入らないでくださいライトハローさん」
感激のあまり子供時代まで精神がトリップしかけた彼女をなんとかなだめて、
クーポンも使ってチェックインを済ませた。
そして温泉といえば、温泉である。
この旅館は湯に入るだけならかなり格安で、学生ウマ娘たちの利用も盛んだとか。
「待って、私の頃にはなかったんですが」
「時代の流れ、ですかね……」
「そんな……」
―――幸い、今日の利用客は少なく、温泉内もガラガラであった。
これでゆっくり体を伸ばせるというもの。
ちゃぽん。
タオルを巻き、足先からゆっくりと湯へ。
胴体まで浸かると、真冬の寒さがいっきに癒やされる。
来た甲斐があったというもの。