続行
「ウマドルはパワー! ウマドルはパワーッ!」
(……!?!?)
シュガーライドは思った。世界は広いんだなと。
スマートファルコンは拳一つで、砂の壁を崩し続けていたのだ。
『おーっとここでもスマートファルコンっ!アキュート仕込みのパンチが止まらないーッ!!
他のウマ娘たちも頑張れーッ!!』
目にも止まらぬ高速パンチ……アイドルじゃなくてプロのボクサーなのでは?とも思う。
「あ……メモ……」
そうこうしているあいだに、余波でしりとり用紙が飛んできた。
「ご、ゴリラ……」
りんご→ゴリラ。単純すぎるだろうと心の中で突っ込むが、言ってはいられない。
これはもしかしたら、素手より速い手段があるのでは?と思ったシュガーは、
即行動に移した。
「てぇやぁーっ!!」
右脚を素早く・高く上げてのハイキックを繰り出す。
前に動画サイトで偶然見かけた格闘技の映像を思い出し、放った。
見様見真似だがとてつもない威力だ。
スマートファルコンに劣らず、道がどんどん拓けていく。
そして続けること数分……。
「ふーっ……い、いま何番目でしょうか?」
無事に特大砂の城を脱出したシュガーは、係員に紙を渡して先へ進む。
流石はステイヤーを見込まれただけあって、息は乱れていない。
わずか200mの距離ではあるが、実質の運動量は5倍くらいに増えているにも関わらずだ。
次は3番目のエリア、アスレチックコースだ。
『このアスレチックコースで、しりとりは終わりとなります。ここまで結構単純だったなと思うウマ娘さんもいるかもしれませんが、ここは特に凶悪なステージですので、ご注意ください』
(きょ、きょうあく……?)
急に落ち着いて話す実況の声を聞いて、少し怖くなるシュガーであった。