10 : トレーナー君   2024/06/29 23:46:09 ID:EQuCIeZkBo

昔、コディー・ドーマンという少年がいた。彼は成人するまで生存が稀だとされる難病を患って生まれ、懸命に生きるも鬱屈した日々を過ごしていた。

2018年、コディーの為に何かできることはないか苦心した両親は馬好きの彼のこと考え地元財団の『あなたの夢をかなえましょう』という企画に協力を仰ぎ、財団の協力の元コディーは馬産地に招待される。
そのとき、彼は生後6ヶ月のとある鹿毛の子馬との交流があった。その子馬は車椅子のコディーの膝に頭を置き、暫くの間コディーのそば傍から離れず、大人たちは餌を与えた訳でもないコディーを無条件で受け入れたこの仔馬を不思議に思ったという。
数年後、世界規模のコロナパンデミックが起こると、外へ出れないストレスでコディーは鬱病も患ってしまう。何をしても笑うことができなくなった我が子をどうにかしたい両親は、息子に対して理由もなく懐いていたあの仔馬の存在を思い出し、藁にもすがる思いで同ファームに連絡し特別にあの時の仔馬と再会することとなった。
しかし、あの時懐いたと言ってもそれは仔馬の時。数年も開けてデビューさえ控えているあの時の馬がコディーを覚えているとは思えなかった。

しかし、コディーがあの時の馬の放牧地へ向かうと、馬は一目散にコディーの元へ駆けつけたのだ。
そして、笑うことができなかったコディーは笑ったのだった。

この感動的な出来事に感銘を受けた仔馬を買い付けた馬主はコディー家族に一つの提案をした。それはこの馬にコディー少年の名前を拝借してそれを競走馬名にしたいという内容だった。
家族の了承を得たこの馬はコディーの願い、”Cody’s Wish”という馬名でデビュー、生涯成績16戦11勝、内G1級を4回勝利するという名馬となり、コディーの為に、「コディーの願い」を背負って走り切ったのだった。