「あっ・・・」
カチリ、とピストルから軽い音が鳴ると共にスライドが開いた状態で固定される。弾が切れた合図だ
これで落ち着いていたら、再装填して反撃を続けられるのだが今のヴィブロスにそんな余裕はなかった
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・」
何度か引き金を引き続けて漸く悟ったのか。彼女は一目散に逃げようとする
だが、一歩遅かった
「きゃぁっ!!?」
そんな哀れな獲物と化した目の前の生き物を、パラドキラーは再び大鎌で。今度は絶対に逃げられないようにがっちりと身体を固定するようにして捕まえる
「やだ・・・やだよ・・・助けて・・・お姉ちゃん・・・シュヴァち・・・」
黒曜石をそのまま埋め込んだかのような無機質な瞳は、姉二人に助けを求めるヴィブロスを、まっすぐに見据えていた
『こいつはどうしてくれようか・・・』、言葉に表さずとも、きっと彼はそう思っているだろう・・・