魔法少女イナリワン
1 : 貴様   2023/03/29 19:07:29 ID:gxKTCnw1kU
イナリワンは魔法少女である。
ある日、同期の仲間たちと参加した神事で不思議な力を手に入れたイナリワンは、相棒のイナリトレと共に、トレセン学園の平和を守るのだ!
「おもいより、おもいかけ!チェエエエエエエエエエンジ!!!」
「豊穣神・イナリ!!!ただいま参上ってな!!!」
2 : キミ   2023/03/29 19:17:05 ID:vjlxy5.VYM
>>1
だが、でちゅね魔王の前には無力であった...
3 : アナタ   2023/03/29 19:17:31 ID:gxKTCnw1kU
豊穣神・イナリの必殺技!

悪を滅するイナリボール!!!
悪を滅ぼすイナリファイヤー!!!
ダンナの理性を滅ぼすイナリビーム!!!

学園の平和を頼んだぞ!豊穣神・イナリ!!!

4 : あなた   2023/03/29 19:22:14 ID:aMLnkyLoaM
必殺技は既にあるもん

5 : トレーナーちゃん   2023/03/29 19:25:35 ID:hLNMocZUM2
>>4
たまに思うがターボに見せたらどうなるか気になる
6 : あなた   2023/03/29 19:27:56 ID:gxKTCnw1kU
【魔法少女イナリワン・第一話 魔法少女イナリワン登場!】

 ひょんなことから、不思議な力を手に入れてしまったイナリワン。
 この力を何かに役立てたいイナリワンは、トラブルを探してイナリトレと一緒に学園の周りをぶらぶらしていた。
 すると、大量のパパラッチに絡まれる、友人のオグリキャップを発見!
「無粋なカメラにゃ、お仕置きが必要だぜ!」
 イナリワンは豊穣神・イナリに変身!
「うおっ!こっちに可愛い子がいるぞ!」
 パパラッチのカメラフラッシュがイナリを襲う!
 その時、ブチぎれた相棒のイナリトレが、見るだけでターボが漏らしそうな顔でカメラを睨む!次の瞬間には生首が転がっていそうな、そう思わせる迫力だ!
 パパラッチたちは、そのおぞましさの前に逃げ出した!
「ありがとう、イナリ。助かった」
「へっ、礼なら結構だぜ。なんたって、魔法少女は人を助けるのが仕事だからよ!」
 そして3人は、仲良く牛丼屋でペタ特盛の牛丼を食べるのだった。
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!
7 : トレーナー君   2023/03/29 19:46:40 ID:gxKTCnw1kU
【魔法少女イナリワン・第二話 花見の席で無粋はご法度!】

 イナリワンはイナリトレと一緒に花見に来ていた。
「あっはっは!桜が満開で気分が盛り上がるぜ!おっ、あっちにいるのはタマじゃねえか?」
 桜の木の下に広げたレジャーシートに座っているのは、友人のタマモクロスとそのトレーナーであるタマトレだ。
「おうイナリ!ダーリンと二人きりで花見しとんのや!邪魔せんといて!」
「てやんでい!あたしらのために場所開けながら言うんじゃねえや!ちょいと邪魔するぜ!」
 花見は盛り上がり、皆で持ち寄った弁当を食べたり、談笑して楽しんだ。
 しかし、イナリが気分よく、桜が舞う中で踊っている時だった。
「おうエロい姉ちゃん!もっと踊ってくれや!」
「へへへ、こりゃあ眼福だぜ!」
 酒が入ったヤンキーだ!空き缶と弁当ガラをポイ捨てして、野次を飛ばしている! 
「てやんでい!酒を飲んでも呑まれてんじゃねえ!おもいより、おもいかけ!チエエエエエエンジ!!!」
 豊穣神・イナリの登場だ!
8 : お姉さま   2023/03/29 19:47:31 ID:gxKTCnw1kU
「おう!衣装まで着替えてやる気満々じゃねえか!」
「へへへ、こっちに来て遊ぼうぜ!」
 その時、ブチ切れたイナリトレが腰の刀を抜いて立ち上がった。
 その様はもはや悪鬼であった。濃厚な死の気配が辺りに漂い、この場にいる誰かが、次の瞬間には物言わぬ骸となっていてもおかしくはなかった。
 むせかえるような血の匂いが、どこからか漂ってくるようだった。
「ひ、ひええええええ」
「あが、あががががががが」
「ゴミはきちんと持って帰れってんだ!」
「は、はいいいいいいい……」
 ヤンキーたちはごみを持って逃げ出した!
「いやー、さすがイナリ。大したもんやで」
「へへっ、花見は桜に感謝して楽しむもの!ポイ捨てなんてもってのほかだぜ!」
 こうして平和になると、4人は再び花見を楽しむことができたのだった。
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!
9 : 相棒   2023/03/29 19:52:27 ID:slVsKt92hU
すき
10 : マスター   2023/03/29 19:57:05 ID:ohhaq2akZU
豊穣神……つまり、笠松レース場の近くでも奉られていた金精様なのか?

11 : ダンナ   2023/03/29 20:01:54 ID:.sOd9UdSSI
あの……銃刀法違反……
12 : トレーナーちゃん   2023/03/29 20:09:00 ID:gxKTCnw1kU
【魔法少女イナリワン・第三話 肝試しなんざ朝飯前よ!】

 夏合宿の夜。イナリワンとイナリトレは、肝試しに参加していた。
 森の中は月明かりが届かぬほどに暗く、物陰から何かが飛び出てきそうな雰囲気がある。
「へ、へへ、イナリ様にゃ、こんなの楽勝だぜ……」
 イナリトレの腕にしがみつきながら、イナリが言う。
 いつもの豪脚はどこへやら、今は生まれたての小鹿のように震えている。
 所詮は肝試し。本物が出るわけない。
 その時である。イナリたちの前に、首無しの女幽霊が現れた。
 首は巨大なバケモノに食いちぎられたような無残な切り口であり、両手を前に突き出してこちらに迫ってくる。
「じょ、成仏できねえ幽霊か!おもいより、おもいかけ!チエエエエエエンジ!!!」
 豊穣神・イナリの登場だ!
「なあ、お前さん。生きてる時に何があったかわからねえけどよ、どうか成仏してくんな」
 イナリの暖かな声が、真っ暗闇に凛と響く。
13 : お前   2023/03/29 20:09:07 ID:gxKTCnw1kU
 しかし幽霊は成仏するどころか、イナリたちに襲いかかって来た!
 悪霊にイナリの声は届かないのか!?
 その時、ブチぎれたイナリトレが腰の刀を抜いた。
 その威容はまさに羅刹であった。仏も神も、皆等しく切って捨てるものでしかない。
 斬れば臓物が溢れ、血が流れる。その摂理はいかなる存在でも変わらない。触れれば切れるような殺気が、そう主張していた。
 イナリトレが幽霊を一瞬で斬り捨てると、幽霊は二度目の死を迎えたかのように、うめき声を上げながら、消えていった。
「さすがだな、イナリ」
「てやんでい!でも、あの幽霊も可哀想なやつだったぜ。どうか成仏してくんな」
 二人は消えた幽霊に手を合わせて、彼女の冥福を祈るのだった。 
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!
14 : トレーナーちゃん   2023/03/29 20:09:53 ID:CtDpig6nkE
イナリとクリークふたりがかりのでちゅね遊び
15 : 相棒   2023/03/29 21:21:54 ID:UMIJwPuYL.
これイナリトレがラスボスだろ

既に調伏済みじゃん
16 : お姉ちゃん   2023/03/29 21:26:49 ID:lXCDiGpdt.
理事長も魔法少女にしよう
17 : お兄ちゃん   2023/03/29 21:29:04 ID:tOt0MzgwT2
魔改造ダンナ
18 : トレ公   2023/03/29 22:01:39 ID:8DAqp95KLI
>>15
イナリトレ倒した後イナリが怒り狂ってこのBGM流しながら黒幕に突っ込んで行きそう
https://youtu.be/IDRhbMeXcKE
19 : トレーナー君   2023/03/29 22:20:02 ID:1cbWaBgAf.
🦊どうだい!私の番組だよ!綺麗に撮れてるだろう?
🚀え?いつもブチ切れてるあんちゃんの番組じゃないのかもん?
20 : トレ公   2023/03/29 23:01:45 ID:XZyxiyki.k
腰の刀や言うても結局ハロン棒なんやろ?
その後は二人でこんこん恋いろはするんやろ?
狐だけに狐狸狐狸してもらうんやろ?言うてみいイナリ!
21 : トレーナー君   2023/03/29 23:09:22 ID:UMIJwPuYL.
>>1のgif眺めてると時間が飛んでる
これが、魔法?
22 : お姉ちゃん   2023/03/30 05:23:57 ID:KF5lBlGPB.
【魔法少女イナリワン・第四話 現れた怪人!イナリの新たな力!】

 今日も魔法少女の力を役立てるべく、学園をパトロールしていたイナリワンとイナリトレ。
 すると、どこからか「や、やめええええええ!!!」というダミ声の悲鳴が聞こえて来た。
「てやんでい!どうしたってんだ!」
 イナリワンが空き教室の扉を開けると、そこにはなんとスモックを着たタマモクロスをでちゅねする、スーパークリークの姿が!
「ほーらタマちゃん、ごはんの時間でちゅよー」
「……」
 顔が死んでいるタマモクロスを膝に乗せ、赤ん坊をあやすように哺乳瓶を持つスーパークリーク。
 怪人・でちゅね魔人だ!
23 : アナタ   2023/03/30 05:24:56 ID:KF5lBlGPB.
「あら、イナリちゃん。イナリちゃんもでちゅねしに来たんですか~?」
 でちゅね魔人の魔の手が、イナリワンに迫る。
「い、いや、あたしはその……てやんでい!おもいより、おもいかけ!チエエエエエエンジ!!!」
 豊穣神・イナリの登場だ!
「あらあら、お遊戯会でちゅか~?」
「ダンナ!力を借りるぜ!」
 イナリワンはイナリトレを大外刈りで倒すと、膝枕をしてあやしはじめる!
「よーちよちよち!ダンナはいい子だねえ」
 そう、でちゅねする側に回ることで、でちゅね魔人のでちゅね対象から逃れる作戦だ!
 新必殺技、イナリなでなででリラックスするイナリトレ。
 すると、でちゅね魔人が言う。
「……そろそろ、おっぱいの時間ですねー」
「お、おっぱい!?」
「あなた、でちゅねする『覚悟』があってでちゅねしてるんですよね。『覚悟』があるなら、おっぱいをあげられますよね?」
24 : トレ公   2023/03/30 05:25:33 ID:KF5lBlGPB.
「て、てやんでい!やってやらあ!」
 イナリがインナーをずらそうとした、その時だ!
  教室の扉が開き、ザリガニのハサミめいた両腕をもつ、ザリガニ怪人が現れた!
「ゲッゲッゲ!魔法少女の気配を感じるぜえ!さっそく、このハサミで細切れに――」
 その時、ブチぎれたイナリトレが憤怒の表情で起きあがる。
 腰の刀に手をかけると、居合一閃。ザリガニ怪人の首とハサミが宙を舞った。
「ギャアアアアアアアアアア!!!魔法少女でない者に、この俺が……!?」
 ザリガニ怪人は光になって消滅した。
 イナリトレは一瞬で、イナリの膝に戻る。
25 : マスター   2023/03/30 05:26:29 ID:KF5lBlGPB.
 でちゅね魔人は、イナリを問い詰める。
「それで、おっぱいをあげるんですか?あげないんですか?」
「べ、別におっぱいをあげなくてもいいだろうが!」
「ダメです!おっぱいをあげるのは、でちゅねの基本中の基本です!」
「ぐぬぬ、そう言うクリークはあげられるのかってんだ!」
「私ですか?私にはこの哺乳瓶がありますから~」
 そう言って、でちゅね魔人は粉乳入りの哺乳瓶を取り出して、タマモクロスの口に近づける。
「や、やめえええええええええええええ!!!」
「くそお、あたしにはダンナの頭を撫でてやることしかできねえ……準備不足だぜ……」
「イナリ。重荷があるなら、俺も一緒に背負うから。だから一緒に頑張ろう」
「ダンナ……ありがとよ!」
 嬉しそうに、ダンナの頭をわしゃわしゃと撫でるイナリワンであった。
 初めての敗北を喫した豊穣神・イナリ。しかし、敗北は成長の糧になる。負けるな!豊穣神・イナリ!
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!
26 : トレーナー君   2023/03/30 06:10:24 ID:1vJ1e.5Tus
当然のようにでちゅねされてるタマかわいそう
27 : 貴方   2023/03/30 06:11:04 ID:S5F8ft4YGQ
>おっぱいをあげるのは、でちゅねの基本中の基本です
おいクリークとクリトレ・・・・???
28 : トレぴ   2023/03/30 06:56:06 ID:TbqmoADXsE
物凄く雑に消されたザリガニ怪人ェ…
29 : お兄さま   2023/03/30 10:23:42 ID:PbrMDoN5To
膝枕してるトレーナーの顔デカパイのせいで見えなさそう
30 : アンタ   2023/03/30 10:25:18 ID:aL.8uVcFC2
そういや膝枕する前に大外刈りしてるけどイナトレ大丈夫なのか
31 : トレピッピ   2023/03/30 11:19:18 ID:PihcPUPE5U
回って着地のシンプルな変身ええな…
やっぱ江戸っ子は粋だわ
32 : お姉ちゃん   2023/03/30 20:27:25 ID:KF5lBlGPB.
【魔法少女イナリワン・第五話 潮干狩りに潜む魔物!】

 イナリワンとイナリトレは潮干狩りに来ていた。
 イナリワンは学園指定のジャージに、頭には麦わら帽子をかぶり、ゴム長靴をはいている。
 水着ではひどい日焼けをする可能性があるし、ビーチサンダルでは足をケガする恐れがあるからだ。
 イナリワンは麦わら帽子を上に押し上げ、人でにぎわう海岸を望む。
「へへっ、天気もいいし、絶好の潮干狩り日和だぜ!おっ、あそこにいるのはオグリとトレーナーじゃねえか?」
 見れば、砂浜にしゃがみこみ、物凄い勢いで泥を掘りまくるオグリがいた。
 スコップを使い、港湾工事をするかのごとく、貝をそばに山積みにしていく。
 その隣では、オグリトレが固形燃料を使って鍋で湯を沸かし、取れたばかりの貝をゆで上げては、皿に入れてオグリに渡す。
 オグリは貝を一瞬で食べると、また貝を掘り始める。
 貝を掘り、茹でて、食べてはまた掘る。
 そこにはオグリ的無限永久機関が出来上がっていた。
33 : 大将   2023/03/30 20:28:07 ID:KF5lBlGPB.
「てやんでい!オグリ!ここの貝を全部食うつもりじゃねえだろうな!」
「む、イナリじゃないか。そんなことするわけないだろう」
「そうかい。それを聞いて安心したぜ」
「ああ、トレーナーと約束したんだ。腹八分目までだからな」
「こんこんちきがっ!もう安心できねえ!ダンナ!あたしたちも掘り始めようぜ!」
 イナリワンとイナリトレは、オグリから少し離れて貝を掘り始める。
 まだオグリに取りつくされてはいないようで、砂浜に熊手を入れれば、アサリやらハマグリやらがどんどん取れる。
 数時間後、イナリワンは満足そうな笑みを浮かべて、貝でいっぱいになったバケツを持ち上げた。
「へへっ、こんだけ取れりゃ、豪華な味噌汁とハマグリの酒蒸しができるぜ。帰ってさっそく食べようじゃねえか」
 その時、遠くで叫び声があがった。
「な、なんでい!?」
 見れば、沖のほうからサメのヒレめいたものが、海面を裂きながらこちらに向かってくるではないか。
「さ、サメ!?皆の衆、早く非難しろい!」
 観光客たちはパニックになりながら、駆け足で避難する!
34 : トレ公   2023/03/30 20:28:45 ID:KF5lBlGPB.
「まだ食べたりないんだが」
「てやんでい!食べるまえに食べられちまうぞオグリ!」
「それは嫌だな」
 観光客たちとオグリとオグリトレが防波堤に避難したが、なんと砂浜には置き去りにされた子供が一人残っている!
 そこに迫るサメ!
「こりゃ一大事だぜ!おもいより、おもいかけ!チェエエエエエエエンジ!!!」
 くるりと回って変身完了!豊穣神・イナリの登場だ!
 イナリは迫る影のごとき走りで、子供のそばに駆け寄ると、子供を抱え上げる!
 間一髪だ!サメが水面から跳び上がり、子供がいた場所を通り過ぎる!
「大丈夫かい!?」
「う、うん……あっ、お姉ちゃん危ない!」
 なんとサメは泥の中を泳いで向きを変え、イナリに襲いかかる!
 子供を抱えたままのイナリは、それに対応できない!
「う、うわあああああああ!!!」
35 : トレぴっぴ   2023/03/30 20:30:48 ID:KF5lBlGPB.
 その時、ブチぎれたイナリトレが、サメに飛びかかった。
 悪鬼のごとく目を見開き、恐るべき剣術で刀をサメの眼球に突き立て、サメと共に水面にダイブ!
「シャアアアアアアアク!!!許さんぞ!あと少しで魔法少女の肉が食えるはずだったのに、邪魔しやがって!しかし、なぜ魔法少女でない者が俺に傷を……?」
 サメが水中でしゃべる。
 そう、このサメはただのサメではなく、怪人・サメシャークマンだ!
 イナリトレは水中で、刀を逆手に持って構えると、不思議な力で言い放つ。
「貴様には、腐肉漁りがお似合いだ」
「舐めやがってええええええええ!!!」
 サメシャークマンは、イナリトレと水中で格闘戦を繰り広げる!
 イナリトレは突進してきたサメシャークマンを神速の剣捌きで迎え、サメシャークマンを三枚おろしにかける!
 だが同時に、イナリトレの頭にサメシャークマンの牙が迫る……
 数分後、イナリと子供が見つめる海面に浮かび上がったのは、サメシャークマンの頭。
36 : トレーナーさん   2023/03/30 20:31:33 ID:KF5lBlGPB.
 いや、違う!サメシャークマンの頭を頭上に掲げた、イナリトレだ!
 牙が襲いかかる直前、サメシャークマンの頭部を刀で断首していたのだ!
 死亡したサメシャークマンは光となって消滅した。
「ありがとう!イナリ!」
「本当にありがとうございます。あなた方がいなければ、この子は……」
「てやんでい!このくらい朝飯前よ!ほら、これ食って元気出しな!」
 イナリワンは自分とイナリトレが獲った貝が入ったバケツを子供に渡すと、麦わら帽子を振って、子供と母親に別れを告げた。
「良かったのか?」
「へっ、貝はまた今度食おうぜダンナ!それで、話があるんだけどよ」
「なんだ?」
「隠してること、あるだろ?」
37 : トレーナーさま   2023/03/30 20:32:21 ID:KF5lBlGPB.
「……ある」
「話しちゃくれねえか?」
 夕陽が海岸を染める中、イナリトレはまっつぐにイナリワンの目を見つめる。
「時期が来たら、必ず話す」
「……分かったぜダンナ。けど、一人で背負い込むのだけは、無しにしてくれよ」 
「ああ、俺たちは――」
「相棒だからな」
 二人が拳をぶつけあうと、防波堤からオグリの声がした。
「イナリ!」
「なんでい!」
「ハマグリを焼いたんだ。一緒に食べよう!」
「まだ食うんかい!」
 その後、二人はオグリとオグリトレの誘いに乗っかり、炭火で焼いた貝を山ほど食べたのだった。
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!
  
38 : キミ   2023/03/30 20:56:57 ID:HFWqkhL1rA
なんだろう、ぬ~べ~と鬼の手的な?
39 : あなた   2023/03/31 10:14:25 ID:H/oKfANOAA
これが元ネタか?

40 : トレピッピ   2023/03/31 12:45:55 ID:iwp6OQ5dfQ
魔法少女やるには一部分が大きすぎん……?
…いや前からこんな子もいたっけな
41 : キミ   2023/03/31 12:49:49 ID:2GQOv3zjKY
殺気が凄いぞイナリ!
42 : キミ   2023/03/31 14:07:03 ID:Qin.eY4XWQ
正直かなり好き
43 : ダンナ   2023/04/02 01:47:36 ID:OJRBY4Jf3o
【魔法少女イナリワン・第六話 信じてくれれば力が湧くぜ!】

 ある日、イナリワンとイナリトレは、ケガをしてしまった大井のチームのウマ娘にお見舞いに来ていた。
「邪魔するぜ」 
 イナリが病室のドアを開けると、ベッドの上で体を起こして、落ち込んだ様子でウマホをいじるウマ娘がイナリとイナリトレを見た。
「おう、具合はどうだい?」
「イナリの姉さん……それに、トレーナーのダンナまで……」
「どうしたどうした、落ち込んでちゃ治るもんも治らねえぜ。早く治して、また一緒に走ろうじゃねえか」
「……放っておいてください。私はもう、競技者として終わりなんですから」
「なんでい、お前さんは他の奴らに負けねえくらい、走るのが好きだっただろ?」
「こうして私が寝ている間に、他の子はもっと速くなってるんです。退院しても、もう追い付けません。みっともない走りを見せるくらいなら、もう走るのをやめようかと……」
「てやんでい!諦めるのが早いんじゃねえか?誰もお前さんのことをみっともないだなんて――」
「イナリの姉さんは!!!」
 ウマ娘は声を荒げる。
44 : アナタ   2023/04/02 01:48:14 ID:OJRBY4Jf3o
「最初から、誰よりも速かったから……誰にも負けないくらい速かったから!中央に行って大活躍するくらい速かったから!私の気持ちなんて分からねえんだ!」
「そんなこと……」
「もう、放っておいてください……」
「けどよ……」
 すると、イナリトレがイナリの肩に手を置いて、首を横に振った。
 イナリはためらいがちに頷く。
「……分かったぜ。けど、また来るからな」
 イナリとイナリトレは、病室を出た。
45 : お姉さま   2023/04/02 01:50:00 ID:OJRBY4Jf3o
「なあダンナ」
「なんだ?」
「あたしは、あいつに走るのをやめてほしくねえ。たしかに、負けたくねえ、負けるくらいならやめたい、って気持ちは痛えほど分かる。でもよ、どんな結果になっても、レースで全力で走って、堂々と胸を張って見せるのが、最高に粋なウマ娘だってわかってほしいんでい」
「……そうだな」
「誰にも負けねえくらい、走るのが好きなやつなんだ。でも、それでもやめたいって言うなら無理強いはできねえ。……ダンナはどうすりゃいいと思う?」
「……トレーナーにできるのは、背中を押す事だけだ。走りたい、走って夢を叶えたいと願うウマ娘の背中を少しだけ押してやる。それだけなんだ。だから、結局はあの子次第だ」
「……そうかい」
 その時である。
「きゃあああああああああ!!!」
 病室の中から悲鳴!
「なんでい!?」
 イナリワンとイナリトレが病室に飛び込むと、そこには黒いもやもやしたガス状のものにとりつかれているウマ娘の姿が!
「ふふふ、うまいうまい……この娘の絶望、恐怖、悔恨……いつの世もレースの世界はご馳走で溢れている……」
「誰だてめえは!?」
46 : 使い魔   2023/04/02 01:51:07 ID:OJRBY4Jf3o
 黒いガス状のものは、ウマ娘から離れ、イナリワンとイナリトレの前に浮かぶ。
「ふふふ、私は栄光の影、絶望の底にわだかまるもの、敗北の果てにあるもの」
「意味が分からねえ!だが、そいつに手出しはさせねえぜ!おもいより、おもいかけ!チェエエエエエエエンジ!!!」
 くるりと回って変身完了!豊穣神・イナリの登場だ!
「意味が分からないだと?ふふふ、そうやって私たちを蔑ろにしてきたのだ。栄光を浴びる者の影を見ようともしないお前たちは!」
 その時、ブチぎれたイナリトレが刀を抜いて斬りかかる!
 だが、その刃は黒いガス状のものに触れる寸前で止まった。
「ほう、さすがトレーナー。ウマ娘は切れんか」
 なんと、ガス状のものはウマ娘とおぼしき姿に変化していたのだ。
 そのウマ娘は、全身が黒く、その顔には目も鼻も口もない。
 まるで、影絵が動いているかのようだ。
「ふふふ、お前には餌になってもらおうか」
 影のウマ娘は、動けぬイナリトレの腹にパンチを叩きこんだ。
「ぐっ……」
「ダンナ!」
47 : 貴方   2023/04/02 01:51:47 ID:OJRBY4Jf3o
 気絶したイナリトレは床に崩れ落ちる。
 影のウマ娘はイナリトレの身体を担ぎ上げた。
「こいつの命が惜しければ、追って来い」
 すると、影のウマ娘の前に黒い異次元ポータルが現れ、彼女はその中へと飛び込んだ。
「ダンナ!今行くぜ!」
 イナリも迷わず飛び込んだ。   
48 : トレ公   2023/04/02 01:52:42 ID:OJRBY4Jf3o
 何時間たっただろうか。暗闇の中を落ちていたイナリは、気が付くとゲートの中にいた。
 観客のいないレース場。病室にいた時は昼間だったのに、今は夜になっている。
 イナリの周りにいるウマ娘たちは、あの影のウマ娘のように真っ黒である。
「イナリ!」
 イナリトレの声の方を見ると、観客席に、黒い鎖でぐるぐる巻きにされたイナリトレと、影のウマ娘が立っているではないか。
「ダンナ!てめえ!ダンナを放しやがれ!」
「ふふふ、レースに勝ったらこいつは放してやる」
「なんだと!?」
「参加ウマ娘は18人。距離は2000だ。秋の天皇賞と言えば分かりやすいだろう」
 秋の天皇賞。イナリが惨敗した苦い思い出があるレースだ。
 しかし、イナリは威勢よく言い放つ。
「てやんでい!やってやらあ!」
49 : トレーナーちゃん   2023/04/02 01:54:20 ID:OJRBY4Jf3o
 そして、ゲートが開き、レースが始まった。
(もう、あの時のあたしじゃねえ。ダンナに鍛えてもらったんだ。勝てるはずでい!)
 しかし、黒いウマ娘たちはあまりに速く、イナリの脚でもついていくことさえできない。
(な、なんて速さだ!オグリやタマの何倍も速え!)
 結果は18着。 
 イナリは肩で息をしながら、悔し涙を浮かべる。
「ちくしょお……」
 すると、次の瞬間。目の前が暗くなったかと思うと、イナリはまたゲートの中にいた。
「ははは、敗北した気分はどうだ?悔しいだろう?私は優しいからな、勝つまで何度でもやり直させてあげよう」
「てやんでい!何度でもやってやらあ!」
50 : トレーナーさん   2023/04/02 01:55:20 ID:OJRBY4Jf3o
 しかし、その回もまた惨敗し、18着。
 そしてゲートに戻される。
 その次も18着。
 ゲートに戻される。
 また18着。
 戻される。
 それが何度繰り返されたのか、分からなくなるくらいになったとき。
 影のウマ娘が言った。
「くくく、面白い面白い。トレーナーもどうだ?自分が信じたウマ娘が、あっさりと負けてしまうのを見る気分は」
「ダンナ……」
 イナリは不安そうな目でイナリトレを見る。
51 : マスター   2023/04/02 01:56:25 ID:OJRBY4Jf3o
 すると、
「イナリ!スパートをタイミングをずらぐはっ!!!」
 叫んだイナリトレの腹に、蹴りが食い込む。
「勝手にしゃべるんじゃないっ!!!イラつくんだよ!そうやって仲良しごっこしやがる奴が一番嫌いだ!自分では走らないくせに、偉そうなことばかり言いやがって!」
「……ダンナ。まだあたしを信じてくれるんだな、嬉しいぜ」
「何度やっても同じだ!!!」
 ゲートが開く。イナリは序盤中盤をなんとか食らいつき、最終コーナーであえて早めのスパートをかけて前に出る。
 こうすれば、相手のペースを狂わせて、レースをかき乱すことができる。
 だが、イナリが得意とする最終直線でのスパートに使う力を温存できない。
 健闘むなしく、結果は17位。
 しかし、イナリの顔には笑みがあった。
52 : モルモット君   2023/04/02 01:57:09 ID:OJRBY4Jf3o
「はっはっは!!!速え速え!色んなレースに挑んだけどよ!こんなに速い奴らは初めてだぜ!」
 視界が暗くなり、ゲート前に戻される。
「黙れ!負けたのに笑うな!」
「てやんでい!こんだけ楽しけりゃ、笑いたくなるってもんよ!」
「楽しい……だと?」
「おうよ!こんだけ速いやつらと、何度でも走り合える!これ以上に楽しいことなんざそうそうねえ!」
 そして、影のウマ娘に手招きする。
「おまえさんもウマ娘なら、そんなとこにいないで、あたしと走ろうじゃねえか!」
「なんだと?ここまで負けっぱなしで、まだ私に勝てると思っているのか?」
「勝てる勝てないじゃねえ!あたしはお前さんとも走りたいのさ!」
「くそっ!この空間では絶対に勝てないことを教えてやる!」
 影のウマ娘は観客席から降りて、ゲートに入る。
 その時、イナリトレが立ち上がる。
「イナリ!」
 イナリトレは、いつの間にか刀を口にくわえており、首を振ってそれをイナリに投げつけた。
53 : 相棒   2023/04/02 01:58:26 ID:OJRBY4Jf3o
 刀は空中で光の粒子になり、イナリの身体に吸い込まれていく。
「ダンナ?これはなんでい!?」
「これで、イナリの力は完全になった!やっちまえ!」
「何が何だか分からねえが、分かったぜ!」
 イナリが夜空に手を伸ばすと、その手を包み込むように赤い炎が発する。
「我らが願いよ、走れい!!!」
 そして、勢いよく手を振り下ろすと、炎はレース場を撫でるように走っていき、夜だったレース場に日が差し、観客席は歓声を上げる人々で満たされる。
 必殺技・イナリファイヤーだ!
「ぐう、空間を書き換えただと!?」
 影のウマ娘は苦々しく言う。
「だが、まだ負けない!ここは私の空間!これだけやっても、五分がいいとこだ!」
「だったら、レースで決着つけようぜ!」
「抜かせ!」
 ゲートが開き、ウマ娘たちは一斉に走り出す。
54 : キミ   2023/04/02 01:58:54 ID:OJRBY4Jf3o
 黒いウマ娘たちは、イナリを囲い込みにかかる。
 たとえ、空間を書き換えても、敵が多いことには変わりない。
 その時、イナリの身体が金色の光に包まれる。
 黒いウマ娘たちは、その光を恐れるのか、囲い込みに踏み切れない。
 そして訪れる最終直線。
 イナリと影のウマ娘は、競り合いながらゴールへと向かっていく。
「貴様の存在を否定してやる!踏み潰してやる!お前たちの想いなぞ、何の意味もない事を証明してやる!」
 影のウマ娘の叫びに、イナリは笑って応える。
「まだ分かんねえのかい?」
「なに?」
「イナリイイイイイイイ!!!」
 観客席からイナリトレの声!
「頑張れえええええええ!!!」
「応援の声で、ウマ娘の脚はいくらでも速くなるってことよ!!!」
55 : トレ公   2023/04/02 01:59:27 ID:OJRBY4Jf3o
 激しい競り合いの果て、イナリはさらにスピードを上げて、前に出る!
 ゴール。アタマ差で勝利したのは、イナリだった。
 影のウマ娘は、悔しそうに言い放つ。
「くそっ、これで終わったと思うな!」 
「おう!またやろうぜ!」
「抜かせ!次こそは、絶望の底に叩き込んでやるぞ」
 影のウマ娘は虚空に掻き消えた。
 同時に、レース場が激しく揺れ始める。
「ど、どうしたってんでい」
「イナリ!ここはもうすぐ崩壊する」
 駆け寄って来たイナリトレが言う。
「どうすればいいんでい」
「大丈夫だ。ここが崩壊すれば、俺たちは元の場所、つまりあの病室に戻れるはず――」
 空にひび割れが走った次の瞬間、イナリは目の前が暗くなり、気が付くと病室の床に倒れていた。変身も解けている。
56 : アナタ   2023/04/02 02:00:10 ID:OJRBY4Jf3o
「イナリの姉さん!トレーナーのダンナ!」
 声をかけてきたのは、ベッドに寝ていたウマ娘だ。
「うん……?どうしたってんだ?」
 イナリは頭をさすりながら立ち上がる。イナリトレも起き上がっていた。
「なんか黒いもやもやに襲われたかと思ったら、姉さんが倒れて……5分も起きなかったんですよ!お医者さんを呼ぼうか迷ったくらいなんですから!」
「5分?」
 イナリは先ほどまで走っていたレースを思い出す。何時間も走っていたと思うのだが。
「まあ、良かったじゃないか。誰もケガをしてないし」
 イナリトレの言葉に、イナリは曖昧に頷く。
「そうだな。一件落着ってことでい」
57 : 相棒   2023/04/02 02:00:59 ID:OJRBY4Jf3o
「姉さん」
 ウマ娘は真剣な表情で言う。
「私、また走りたいです」
「そうかい!そりゃ良かった!でも、急にどうしたんだい?」
「夢で見たんです。姉さんがレースで何度も何度も負けて、その度に胸を張って立ち上がるのを。負けて悔しがるどころか、こいつらと走るのは楽しいって笑って見せたのを。それを見て、またみんなと競い合いたいって思ったんです。どんなに時間がかかっても、絶対に追い付いて、そして胸を張れるような全力の走りで戦いたいって」
「そいつは、立派な考えだぜ。それじゃ、頑張ってケガを治さねえとな!」
「失礼、私はこの子の担当医ですが」
 間に入って来たのは、屈強な体格の医者だ。
「おう!いつも世話になってやす!それで、ケガのほうはどんな具合ですかい?」
「この子のケガは、患部を切開する手術をすることで入院期間が大幅に伸びてしまうものでした。だが今は違う!」
 医者はギュッと眉間にしわを寄せた。
「水腫を取り除くための鍼治療に加え、マッサージと超音波を使用した療法を取れば、2週間で完治するはずです」
「てことは、またすぐに走れるってことですかい!?」
「様子を見ながらですが、すぐに走れるようになります」
58 : トレーナーさん   2023/04/02 02:01:29 ID:OJRBY4Jf3o
「ありがとうございやす!!!良かったなお前さん!」
「……本当に、本当に、ありがとうございます」
「これからすぐに治療を行いたいのですが、もし、まだお話があるようでしたら、治療の時間をずらしますが」     
「いいや!そんな無粋なことはしやせんよ先生!この子をよろしく頼みます!」
「イナリの姉さん!」
 ウマ娘は力強く言った。
「私、すぐに治して、イナリの姉さんをぶち抜いて見せるから!!!」
「上等!いつでも待ってるぜ!!!」
 イナリとイナリトレは、病室を出た。
59 : アネゴ   2023/04/02 02:02:31 ID:OJRBY4Jf3o
「ダンナ」
「なんだ?」
「あれは夢だったのかい?それとも本当にあったことなのかい?」
「本当にあったことだ。そして、この力もな」
 イナリトレがイナリに、手のひらを向けると、イナリから光の粒子が出てきてはイナリトレの手のひらに吸い込まれていく。
「……なんだい、これは」
「イナリが不思議な力を持ってしまった時、俺にもその力は宿ったんだ。その日の夜、神馬駆でお世話になった向日会長から連絡があってな、神馬駆の儀式と共に、レースを憎む者の思念も解き放たれて、世の中を乱そうとしている。だから、神馬駆が行われた、あの聖域から放たれた神聖な力が、俺とイナリに宿ったと言われた。無責任ですまないが、与えられた力で、邪悪な思念を鎮めてほしいとお願いされた」
 イナリトレは、真剣な声で言う。
「俺は、イナリを危ない目に合わせたくなかった。だから一人で戦ってきたんだ」
60 : ダンナ   2023/04/02 02:02:56 ID:OJRBY4Jf3o
「……てやんでい!」
 イナリはイナリトレの背中を叩いた。
「ぐほっ!」
「あたしは大井育ちのイナリワンだぜ!荒事なんざ日常茶飯事よ!だからよ」
 イナリはイナリトレの手を両手で包み込む。   
「あたしも戦わせてくれよ。だって、あたしとダンナは――」
「相棒、だもんな」
「その通りでい!」
 そして、イナリとイナリトレは、手を繋いで帰途につくのだった。
 影のウマ娘を倒し、若きウマ娘の未来を守ったイナリワン!
 レースを憎む邪悪な思念との戦いは始まったばかりだ!
 負けるな!イナリワン!
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!
61 : お姉さま   2023/04/02 06:12:38 ID:jEj534Oeus
怪人じゃなかったら雑撃破しないのか
62 : トレぴ   2023/04/02 06:44:20 ID:lI1Tv1gNBM
なんだよ、アチィじゃねぇか・・・!
63 : 大将   2023/04/02 08:47:07 ID:rpUl0V1Gpc
これもう劇場版でしょ
すき
64 : ダンナ   2023/04/02 10:57:22 ID:4nUlnFULi6
力作なのにイナリファイヤーって適当すぎる名前とK2ネタで笑ってしまった
65 : 大将   2023/04/03 00:12:16 ID:O8DxsP1Z0g
あぁ、よかった。

3レス目で紹介した必殺技全然使わねーじゃねぇか!

ってツッコミを第六話まで我慢した甲斐があった
66 : アネゴ   2023/04/04 05:33:24 ID:vg4WqT/BsY
【魔法少女イナリワン・第七話 喧嘩ひとつで壊れるほどやわな絆じゃねえ!】

 ある日の朝、トレーナー室でイナリとイナリトレは喧嘩していた。
「てやんでい!なんでみそ汁に卵を入れちまったんだ!ダンナ!」
「朝の栄養バランスを考えたら、入れるしかなかったんだ!」
「朝のみそ汁は、ネギいっぱいでさっぱりしたいってのに、台無しじゃねえか!」
「栄養バランスを無視したら、さっぱりも何もないだろ!」
 売り言葉に買い言葉。喧嘩はさらにヒートアップしていく。
「もう我慢の限界でい!決着つけてやるぜ!おもいより、おもいかけ!チェエエエエエエエンジ!!!」
 くるりと回って変身完了!豊穣神・イナリの登場だ!
「望むところだイナリイイイイイイイ!!!」
 イナリトレはウマ娘鎮圧用格闘術の構えをとる!
 ケガとかしないように、畳の上に敷いたふわふわの布団の上で取っ組み合いが始まろうとしていた、その時である!
「シッシッシ、みそ汁にはカニを入れるのが好きだぜ……」
 なんと、扉を開けて入って来たのは、大きな甲殻類ハサミめいた両腕を持つロブスター怪人だ!
67 : あなた   2023/04/04 05:33:53 ID:vg4WqT/BsY
「あ”あ”っ!?お高く止まってんじゃねえ!!!」
 イナリはロブスター怪人に迫る影のごとき踏み込みで距離を詰めると、腹を蹴り飛ばす!
 いきなりの強襲に対応できず、直撃!
「ぐごごごごごごごごご!!!!????」
 口から青紫色の液体を吐き出しながら、ロブスター怪人は壁に叩きつけられる!
 その時、ブチぎれたイナリトレが腰の刀を抜いて、追撃の居合抜きを放つ!
 一閃。ロブスター怪人の両腕と首が宙に舞う。
「ば、バカな……日常生活で奇襲をかけたのに、なぜ……?」
「てやんでい!江戸っ子は常在戦場よ!」
 ロブスター怪人は絶命し、光となって霧散した。
68 : マスター   2023/04/04 05:34:21 ID:vg4WqT/BsY
「イナリ、俺は大切なことを学んだよ」
 イナリトレが言った。
「栄養バランスは大事だが、それで食べる楽しみを失ったら元も子もないよな。ごめん」
「てやんでい!こっちこそ意固地になってすまなかったな」
「今度からは、卵かけごはん用の生卵で卓に出すようにするよ」
「おう!毎朝ありがとな!ダンナ!」
 そして、二人は明るい表情で笑い合うのだった。
 平和な日常生活を襲う怪人!今回は何とか退けたが、彼女たちが平穏な日常を取り戻す日は来るのか!?
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!  
69 : 大将   2023/04/04 07:01:12 ID:cJXKJwujZ.
普通に同棲してる…コンコンしたんか!?
70 : お兄さま   2023/04/04 08:22:22 ID:uDgqfm/aMs
言うてみぃイナリ!
71 : アナタ   2023/04/04 12:20:47 ID:JhfxdzNrEY
ダンナと一緒に風呂入ったり、タンクトップとパンツ履いただけの姿で部屋ん中ぶらついてんのやろ!言うてみいイナリ!
72 : キミ   2023/04/07 06:19:38 ID:1BrzSaOL8k
味噌汁に卵・・・?
自分やったことないなぁ・・・
73 : トレーナーさま   2023/04/12 20:15:18 ID:j6QisBB95s
うどんのつゆとか蕎麦の食べ方とかでも怪人の世話になってそう
74 : トレーナーちゃん   2023/04/12 21:25:47 ID:btLii4dqLg
⚡怪人をノロケの口実に使ってるんやろ!言うてみいイナリ!
75 : トレーナーさん   2023/05/03 17:25:55 ID:/6NpEnRL3w
タキシード仮面の対義語
76 : キミ   2023/05/03 21:11:40 ID:CFDV6VHZu.
>>75
ジャージ素顔
77 : トレーナー君   2023/06/04 10:12:10 ID:oVNFdqgqbI
コロッケそばって美味いのか?
78 : 相棒   2023/06/05 07:08:17 ID:Z8j19Xl6T6
どうでもいいけどチェンジの言い方のせいでゲッター線の推しの方が出てくるわ
79 : トレぴ   2023/06/06 05:39:07 ID:6w1i7rQdn2
【魔法少女イナリワン・第八話 後輩にかっこ悪いとこは見せらんねえぜ!】

 今日は学園で選抜レースが行われる日。
 イナリの活躍で大井の評価が上がったことで、大井のチームから学園に移籍してきたイナリの後輩が、中央で活躍するためにレースに挑んでいた。
「ダンナ!あの9番のやつが、あたしの後輩だぜ!気合い入れて頑張んなよ!」
 イナリが声援を送っていた、その時である。
「ゲッゲッゲ!このレースをめちゃくちゃにして、ウマ娘レースの未来を破壊してくれるわ!」
 突然、地面の中から怪人が現れたのだ!
 植物のつるが集まって人型を作ったような身体をした、植物怪人・プランターマンだ!
 身体から伸びるつるをムチのように地面にたたきつけ、逃げ惑う人々を追い払うと、コースを植物のつるまみれにしていく!これでは、走っているウマ娘が転倒し、最悪の場合には予後不良になること必死!
80 : トレーナー君   2023/06/06 05:39:53 ID:6w1i7rQdn2
「てやんでい!大事なレースをどうしてくれるんでい!おもいより、おもいかけ!チェエエエエエエンジ!!!」
 くるりと回って、変身完了!豊穣神・イナリの登場だ!
「ゲッゲッゲ!貴様らの動きは研究済みよ!食らえ!」
 プランターマンがそう言った次の瞬間、イナリとダンナの足元からつるが伸び、二人の身体に巻き付くと、そのまま宙に持ち上げる!
「うわああああ!!!」
「ぐぬうううう!!!」
 イナリは特に腹の辺りにつるが巻き付き、豊満な胸を強調するように縛られている。ダンナも、必殺の刀を地面に落としてしまい、大ピンチだ!
「ちくしょう、切れねえぜ……」
「ゲッゲッゲ!ウマ娘を辱めることが俺の生きがい。このまま絞め殺す前に、愛おしいダンナの前で、お茶の間には見せられないような目にあわせてやるぜ!」
81 : モルモット君   2023/06/06 05:41:59 ID:6w1i7rQdn2
「あ”あ”?」
 その時、ブ千切れたダンナがつるを無理やり引きちぎって脱出!刀を拾い上げる!
「ば、バカな!鋼鉄ワイヤーの強度がある俺のつるが、なぜ!?」
 ダンナはプランターマンを睨む。
 我が身は鋼、心は刃、この身遮るものあらば、神も仏もくびり殺す。地獄の底より冷たい殺意がそう語っていた。
 ダンナは刀で、イナリを縛っているつるを切断!
「今だ!イナリ!」
「おうよ!食らいな!イナリファイヤーアアアアアアアア!!!」
 イナリが扇を振るうと、激しい炎がほとばしり、プランターマンに襲いかかる!木は炎に弱い!
「グアアアアアアアアアア!!!覚えていろ!!!怪人は不滅!!!」
 怪人爆発!!!コースに広がっていたつるも、イナリの炎で焼却された!
「てやんでい!これにて、調伏完了ってな!」
82 : 大将   2023/06/06 05:43:14 ID:6w1i7rQdn2
 レースは予定通り行われ、イナリの後輩である9番のウマ娘が見事勝利を収めた。
「やったじゃねえか!これで晴れて中央で大暴れできるってもんよ!」
「イナリ先輩が粋な姿を見せてくれたおかげです!大井の名に恥じないよう、レースで大活躍して見せますよ!」
「へへっ、お前さんのレースが今から楽しみだぜ!」
 後輩にかっこいい所を見せたイナリ。しかし、プランターマンが残した、怪人は不滅という言葉の意味とは!?
 おもいより、おもいかけ!次の回をお楽しみに!  
83 : モルモット君   2023/06/06 07:15:58 ID:v6zXxWm6Xw
新作だと!
84 : キミ   2023/06/07 05:58:43 ID:UMqpjm/qcQ
【魔法少女イナリワン・第九話 覚醒!バンブーメモリーRX!】

 今日もいつものように学園をパトロールしている、イナリワンとイナリトレ。
 すると、どこからか生臭い匂いが漂ってきた。
「うげえ……腐った生ゴミみたいな匂いだぜ。誰だい!大事な練習コースに生ゴミをばらまいたのは!」
「ヒッヒッヒ。生ゴミとは失礼じゃないか。学園のレースをめちゃくちゃにしようとしてるだけなのによ」
 現れたのは、頭部に巨大な花が付いた、植物怪人・ラフレシアンだ!
「俺の兄貴が世話になったみたいだからよ、仕返しに来たってわけだ」
「てやんでい!お前さんの好きにはさせねえぜ!おもいより、おもいかけ――」
「ちょっと待つっス!」
85 : トレーナー君   2023/06/07 05:59:12 ID:UMqpjm/qcQ
 駆け寄ってきたのは、風紀委員のバンブーメモリーとトレーナーのバントレだ!
「強烈な匂いを出すのは風紀違反っス!お風呂入って下さいっス!」
「うるせえ!俺は生まれた時からこの匂いだ!食らえ!」
 ラフレシアンは頭部の花の中央から、巨大な花の種をバンブー目がけて撃ち出す!
「バンブー!危ない!ぐああああああ!!!」
 バンブーをかばって、バントレが吹っ飛ばされる!
「トレーナーさああああああああああああん!!!」
 バンブーが叫んだその時、周囲の時間が止まった。
「な、なんなんっスか?どうなったっスか?」
『勝ちたいか?』
 バンブーの目の前に現れたのは、半透明の身体をしたウマ娘だ。
 黒い西洋鎧に身を包み、歴戦の猛者を思わせる雰囲気をまとっている。
86 : トレぴっぴ   2023/06/07 05:59:31 ID:UMqpjm/qcQ
『お前は勝ちたいか?』
「勝ちたいっス!」
『分かる。さらばだ……』
 立ち去ろうとした騎士に、バンブーは声をかける。
「ま、待つっス!あなたは誰っスか?」
『人は私を偉大な騎士と呼ぶ。お前に力を授けるべきか見極めに来たが、見込み違いのようだ』
「お願いしますっス!アタシは力が欲しいっス!トレーナーさんを、風紀を守る力が欲しいっス!」
『力には代償が伴う。お前は皆の願いを背負って戦い続ける覚悟があるか』
「あるっス!熱い戦いなら、むしろこっちから求めてるっス!」
『その覚悟、聞き届けた。これを使え』
 偉大な騎士は、蹄鉄型の石をバンブに渡す。
『後はお前の魂が教えてくれるだろう。忘れるな、勝利だけが全てではないと。さらばだ』
 そして、時間の流れが戻る。
87 : マスター   2023/06/07 06:00:23 ID:UMqpjm/qcQ
「トレーナーさん!」
 バンブーは地面に叩きつけられる直前に、バントレを受け止める!
「バンブー……今、あいつを倒して、やるから……」
「トレーナーさん!しっかりっス!」
「ヒッヒッヒ。対戦車ライフルの威力を持つシードランチャーを受けたのだ。生きてるだけで奇跡だろうよ」 
「風紀を乱し、トレーナーさんを傷つける怪人……ゆ”る”さ”ん”!!!」
 バンブーの目が燃え上がる!
「変身!!!インスタンス・グランシュヴァリエ!」
 バンブーがテイテツストーンを掲げると、0.05秒で変身完了!
「バンブーメモリーR(リベンジ)X(っス)!見参!」
 全身を覆う西洋鎧の上から、竹の文様が入った黒いコートを羽織った姿!バンブーメモリーRXだ!
88 : ダンナ   2023/06/07 06:01:04 ID:UMqpjm/qcQ
「な、なにっ!豊穣神の巫女以外に、変身できる者がいるだと!?聞いてねえ!」
「覚悟するっス!うおおおおおお!」
 走り出すバンブー!
「く、くそっ!シードランチャー!」
 放たれた種の大砲が、バンブーに直撃!しかし、バンブーは止まらない!
「なぜだバンブーメモリーRX!貴様にダメージは与えたはず!」
「テイテツストーンっス!」
「テイテツストーン!?」
「この鎧は、皆の願いを背負って走り続ける限り、何度でも蘇るっス!何度でも!!!」
「バンブー!」
 回復したバントレが、竹刀を投げ渡す!バンブーはそれを受け取って、目の前で構えた!
89 : お前   2023/06/07 06:01:23 ID:UMqpjm/qcQ
「押忍!!!フウキイイン!」
 竹刀が光り輝き、風紀の力が満ちる!
「やられてたまるか!食らえ!」
 シードランチャー連射!しかしバンブーは全てをノーダメージで受けきり、ラフレシアンに竹刀を突き刺す!
「ぐああああああ!!!!??!?」
 根元まで突き刺さった竹刀が、風紀エネルギーを過剰注入する!
 バンブーは竹刀を抜き、爆発するラフレシアンを背に残心を決めた!
「学園の風紀に、一欠片の乱れ無しっス!」
90 : 相棒   2023/06/07 06:01:38 ID:UMqpjm/qcQ
「やるじゃねえか!バンブー!」
 イナリがねぎらうと、バンブーは拳で胸を叩いた。
「押忍!この力で、どんな怪人が来ても風紀を守ってみせるっス!それじゃ、パトロールがあるんでこれで!」
 去っていくバンブーとバントレを見ながら、イナリは呟く。
「頼もしいぜ。あたしたちが出る幕も無くなるかもな」
「……そうだな」
 意味ありげに言うイナリトレ。果たして、彼の真意とは。
 おもいより、おもいかけ!次の回もお楽しみに!
91 : アネゴ   2023/06/07 06:18:17 ID:FUI8SMGFnU
せっかくの追加戦士なのにRXの略し方がちょい雑
92 : トレーナー君   2023/06/07 12:08:29 ID:ZYde4iSz4E
あれは誰だ 誰だ 誰だ
あれはイナリ
イナリワン イナリワン

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