（政略結婚を成し遂げた俺…）

(最初から思惑は看破していたのであえてなるように取り計らった私…)

（こんな汚れたやり方、多くの人の恨みを買っててもおかしくない……残された命も多分長くはないだろうと悟る俺……）

(自責の念に駆られて電車のホームから投身自殺をしてしまい幽体になってしまった俺…)
(どうやら野次馬たちが俺の懐に忍ばせていたダイイチルビーという遺書に気づいてくれたみたいだ。すまないルビー…)

((((⏰)))))

（ルビーを我が物とするために、政治家の真似をして外堀を埋めようと試みる俺……）
（まずは同僚やルビーの友人たちといった学園関係者や、華麗なる一族の関係者の中でも味方をしてくれそうな人達の所へ一人ずつ頭を下げに行く俺……）
（協力を得るためなら賄賂（比較的安価なただの菓子折り）も惜しまない俺……）

（こんな見苦しい姿をルビーに見られてしまったら、ルビーは担当トレーナーを変えるかもしれない……）

(過ちは繰り返させないと決意する私…)

ルビトレが無言で菓子折を差し出し頭を下げて去っていった
菓子折は担当と美味しくいただいたがあれはなんだったんだろう

(なぜか無言で菓子折りを頂いたので担当のユニと半分こした俺…)

（上流階級のパーティーでルビーを口説こうとして撃沈するイケメンを見た俺……）
（彼で駄目なら俺ではなおのこと駄目だろう。謀略でルビーを俺のモノにすると決意を固めた俺……）
（ルビーの幸せを考えられない駄目男であることに罪悪感を覚える俺……）

（ルビーを手に入れるための根回しを続ける俺……）
（図々しくも「ルビー共々これからも仲良くして頂けますようお願いします」などと宣いつつ菓子折りを渡して挨拶回りをする俺……）
（ルビーはこんなに欲深い男は嫌いかもしれない……）

（ただ一言「好きだからずっと一緒に居てほしい」って言えばそれで事足りると思うおれ…）

（一族や私のために精力的に活動してくれるのはありがたいと思う反面、「らしくないな」とも感じる私…）

（俺のような男がルビーを手に入れるためには、それこそ拒絶できない状況を作り出すしかないと考える俺……）
（挨拶回りと並行して華麗なる一族の仕事にも精力的に協力し、一族が抱える課題と解決方法を逐次報告して成果を積み重ねる俺……）
（一族の仕事すら利用する俺を見たルビーはトレーナーを変えるかもしれない……）

（最近彼の評判を聞くことが増えた私……）
（彼が色んな方々から認められ、優秀な跡取りも出来て一族は安泰だなどと言われるのは気恥ずかしさを感じるものの、内心浮かれてしまう私…）
（しかし、私が彼に惹かれたのは優秀だったからだっただろうか？と自分に問い掛けてみる私…）

（気づけばもう取り返しがつかないくらい絡め取られていた私……）
（気持ちを伝えなければと思うも、流されるままな私……）

（ルビーから愛の言葉を引き出せなかった俺……）
（しかしルビーを他の男にくれてやるなど絶対に許せないので手放せない俺……）
（ルビーは俺の浅ましさに失望しているのかもしれない……）